JPH09231708A - トレー式のディスクカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライド挿脱自在なトレーを有するディスク
カートリッジにおいて、トレーをケース外に大きく開放
突出し、ディスクのトレーに対する着脱を簡便化し、デ
ィスク取り扱い時の盤面の汚れや傷付きを防止する。 【解決手段】 トレー２をケース３に対して前後にスラ
イド自在に設け、ディスク１の大半がケース外へ露出す
る中間位置まで抜き出せるようにする。トレー２に軸２
２を設け、中間位置において軸２２をケース３の軸受穴
１１に係合させる。トレー２を軸２２を中心しに回動操
作し、ディスク１の全体をトレー２の出入口７から離れ
た位置まで旋回移動させる。この状態でディスク１をト
レー２に対して着脱する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ディスクを出し
入れするためのトレーを備えているディスクカートリッ
ジに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のディスクカートリッジは、例え
ば特開平６−１６８５６３号公報および特開平６−１６
８５６６号公報等に公知である。そこでは、トレーを直
線状に抜き出してディスク全体をケース外に露出させた
後、ディスクをトレーから取り上げる。トレーの上面に
はディスクを収容するための円形凹部が設けてある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、トレー
をケースに対して直線状に挿脱するディスクカートリッ
ジは、ディスク全体がケース外へ露出するまでトレーを
抜き出さないと、ディスクの取り出しや円形凹部への収
納を行えない。トレーのケースからの引き出し量が不十
分であると、取り出し途中のディスクをケースに引っ掛
けて取り落として盤面を傷付けることがある。薄いディ
スクが円形凹部に嵌まり込んでいるので取り出しにく
く、手指の油が盤面に付着しやすい。このように、従来
のトレー式のディスクカートリッジは、ディスクの出し
入れを簡便に行えず、出し入れ時にディスク盤面を汚損
したり傷付けやすい点に改善の余地がある。とくに、Ａ
面とＢ面のそれぞれに信号記録面を備えている光ディス
クカートリッジの場合には、ディスクの取り扱い時に裏
面側の盤面を傷付けやすい。

【０００４】この発明の目的は、トレーのケースに対す
る出し入れ形態に工夫をこらすことによって、ディスク
をケース外へ容易に露出でき、ディスクのトレーに対す
る着脱も確実かつ簡便に行えるトレー式のディスクカー
トリッジを提供することにある。この発明の目的は、Ａ
面とＢ面のそれぞれに信号記録面を備えているディスク
をケースに対して出し入れするのに好適なトレー式のデ
ィスクカートリッジを提供することにある。この発明の
目的は、ディスクを確実に捕捉した状態でトレーに対し
て着脱でき、従ってディスク取り扱い時の盤面の汚損や
傷付きを十分に抑止できるトレー式のディスクカートリ
ッジを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明のディスクカー
トリッジは、ディスク１と、ディスク１を支持するトレ
ー２と、ディスク１およびトレー２を収容するケース３
とを備えている。トレー２はケース３の周側面に開口し
た出入口７から直線状にスライド挿脱できる。トレー２
は、ディスク１の全体がケース内に納まる収納位置と、
ケース３から抜き出されてディスク１の大半がケース外
へ露出する中間位置とにスライド挿脱できるようケース
３で支持する。中間位置において互いに接当係合して、
トレー２とケース３とをディスク１の盤面と直交する中
心軸のまわりに相対回動自在に連結する軸２２および軸
受穴１１を、トレー２の一側とケース３との間に設け
る。出入口７と、出入口７に連続してケース３の周側面
に開口した開放口８を介して、トレー２が中間位置と、
ディスク１の全体がケース外へ露出する開放位置との間
で、軸２２を中心にして往復回動できるように設ける。

【０００６】具体的にはトレー２は、ケース３に挿脱さ
れる装填台１３と、装填台１３に凹み形成したディスク
１用の装填凹部１４と、装填台１３の抜き出し始端縁に
設けられる操作部１５とを備えている。装填台１３の抜
き出し終端寄りの一側に軸２２を設ける。軸２２を直線
スライド自在に案内するガイド溝１０をケース３に設け
る。ガイド溝１０の出入口７側の端部に、軸２２の回動
を許す軸受穴１１を設ける。トレー２の装填台１３に
は、装填凹部１４の底面側からの信号の読み書きを許す
リードライト窓１６を開口する。ガイド溝１０をケース
３の内面に凹設して、ケース３がリードライト窓１６の
中心軸を対称軸にして左右対称形状になるように形成す
る。装填台１３の一側に軸２２を配置し、装填台１３の
他側において、ディスク１の周縁が装填台１３の側縁か
ら露出するよう装填凹部１４を切り欠く。

【０００７】

【作用】ディスク１をトレー２に対して着脱する場合に
は、トレー２をケース３の出入口７から中間位置へと抜
き出す。中間位置においては、軸２２と軸受穴１１とが
接当係合して、トレー２とケース３を相対回動自在に連
結する。この後、トレー２を軸２２を中心にして揺動操
作することにより、トレー２の殆どの部分をケース外へ
露出でき、この状態でディスク１をトレー２から取り上
げ、あるいはトレー２に対して装着する。このように、
スライド操作と軸２２を中心にした回動操作の組み合わ
せによって、トレー２をケース３から出し入れする形態
によれば、トレー２をケース外へ大きく突出でき、しか
もディスク１のトレー２に対する着脱を出入口７から十
分に離れた位置で行える。

【０００８】軸２２をガイド溝１０で直線スライド自在
に案内し、ガイド溝１０の出入口７側の端部に軸受穴１
１を設けたトレー出し入れ構造によれば、トレー２をケ
ース３から抜き出して、軸２２が軸受穴１１に接当する
のと同時にトレー２を回動できるので、一連のトレー開
放操作を連続して速やかに行うことができる。ガイド溝
１０をケース３の内面に凹設すると、ケース３のリード
ライト窓４を開閉するシャッター５の開閉領域内にガイ
ド溝１０を設けることができ、ケース３はリードライト
窓４の中心軸を対称軸にして左右対称に形成できる。こ
のことは、ディスク１のＡ面およびＢ面に信号記録面が
設けてあって、ディスクカートリッジをプレーヤに対し
て反転しながら装填する使用形態において、プレーヤ側
のローディング機構やシャッター開閉機構を簡素化でき
ることを意味している。

【０００９】装填台１３の一側に軸２２を設け、他側に
おいて装填凹部１４を切り欠いてディスク１の周縁を装
填台１３の側縁から露出したトレー２によれば、ディス
ク１の周縁と中心の駆動穴１ａとに手指を掛けて、ディ
スク１を確りと捕捉でき、その状態のままで装填凹部１
４に対して着脱できる。

【００１０】

【実施例】図１ないし図４は、この発明に係る光ディス
クカートリッジの実施例を示す。図２において光ディス
クカートリッジは、上下両面に映像・音声・情報等の信
号が記録されるディスク１と、ディスク１を支持するト
レー２と、ディスク１およびトレー２を収容するケース
３と、ケース３の上下面壁のそれぞれに通設したリード
ライト窓４を開閉するシャッター５などで構成する。シ
ャッター５はケース３の上下面に形成したスライド凹部
６の範囲内で左右にスライド開閉でき、図外のロック機
構で中央の閉止位置においてロック保持できる。１ａは
ディスク１の中央に通設した駆動穴である。

【００１１】ケース３はそれぞれプラスチック成形され
た、シェル状の上ケース３ａと下ケース３ｂとを蓋合わ
せ状に接合固定して形成されており、その後端面のほぼ
全幅にわたって、トレー２を出し入れするための出入口
７を開口する。さらに、出入口７に隣接する右周側壁の
後部に開放口８を開口する。出入口７に臨むケース３の
後縁には、後述するトレー２の操作部１５の外郭線に一
致する操作凹部９を切り欠き形成する。上ケース３ａの
スライド凹部６に隣接する右方面壁にケース側縁と平行
なガイド溝１０を上下に通設し、その出入口７側の端部
に、ガイド溝１０の幅寸法より大径の軸受穴１１を設け
る。

【００１２】図１および図２において、トレー２はケー
ス３に挿脱される装填台１３と、装填台１３に凹み形成
した装填凹部１４と、装填台１３の後方の抜き出し始端
縁の上下に突設した操作部１５とを一体に形成したプラ
スチック成形品からなる。装填台１３には、装填凹部１
４の底面側からの信号の読み書きを許すリードライト窓
１６が設けてあり、この窓１６によって装填凹部１４の
過半前部は左右に分断されている。装填凹部１４の左縁
は、ディスク１の周縁を前後に横切る状態で切り欠いて
あり、この切欠縁１７を設けることにより、装填凹部１
４に嵌め込んだディスク１の周縁部を装填台１３の外に
露出できるようにしている。その理由は後述する。

【００１３】装填凹部１４に装着したディスク１は、装
填台１３の上段面に沿って形成した円弧状の規制面１８
と、装填台１３の左半前部に延びる腕部前端の規制面１
９とによって、径方向全方位への遊動限界が規制してあ
る。但し、前者規制面１８の上下寸法に比べて、後者規
制面１９の上下寸法は小さく、ディスク１の厚み寸法と
同じかこれより僅かに小さく設定する。装填凹部１４に
対するディスク１の出し入れを容易化するためである。
図３に示すように、装填台１３の厚み寸法は上下ケース
３ａ・３ｂの内面の上下間隔より僅かに小さく設定し、
その右側縁の後部に、開放口８を塞ぐ閉止部２０を突設
する（図２参照）。

【００１４】トレー２は、ディスク１の全体がケース内
に納まる収納位置と、ケース３から抜き出されてディス
ク１の大半がケース外へ露出する中間位置との間で前後
にスライド挿脱でき、さらに中間位置から水平に回動し
てディスク１の全体がケース外に露出する開放位置（図
１の状態）へと回動できる。

【００１５】中間位置と、開放位置との間で、ケース３
とトレー２を相対回動自在に連結するために、装填台１
３の上段面の右側前部寄りに軸２２を突設する。軸２２
は前後に長い長円軸からなり、ガイド溝１０で前後スラ
イドのみ自在に案内される。図４に示すようにトレー２
を中間位置へ抜き出した状態では、軸２２が軸受穴１１
へ入り込み、その内周面に接当する。このとき装填台１
３の前部およびディスク１の前部は、なおケース３内に
残っている。この状態でトレー２を反時計回転方向へ回
動操作すると、トレー２は想像線で示すように軸２２を
中心にして水平旋回し、装填凹部１４の全体を図１に示
すようにケース３の出入口７から十分に離れた開放位置
まで抜き出して、ケース３に邪魔されることなくディス
ク１の着脱を行える。トレー２の回動限界は軸２２の形
成位置と、開放口８の形成範囲によって大小に変更で
き、必要があれば中間位置から９０度以上開放揺動でき
る。

【００１６】トレー２を開放位置へ抜き出した状態で
は、ディスク１の上面空間が完全に開放される。しか
も、ディスク１の周縁の一部は、トレー２の装填凹部１
４から側方に突出している。そのため、ディスク１は中
央の駆動穴１ａと前記周縁部とに手指を掛けた状態で、
盤面に触れる必要もなく確りと捕捉でき、ディスク１の
トレー２に対する着脱を確実にしかも容易に行える。デ
ィスク１の捕捉が不十分であると、誤ってディスク１を
取り落とし、その盤面を傷付けることがあるが、こうし
たミスもよく防止できる。ディスク１を装填凹部１４に
再装填した後、トレー２を復帰回動して装填台１３を出
入口７に差し込み、さらにケース３の前方へ向かって押
し込み装填することにより、トレー２を収納位置へ戻す
ことができる。この状態でプレーヤあるいはディスクド
ライブに光ディスクカートリッジを装填し、信号の読み
書きを行う。

【００１７】軸２２とガイド溝１０は図５に示すように
変更して実施することができる。装填台１３の上下に軸
２２を突設し、上下ケース３ａ・３ｂの内面壁のそれぞ
れに軸２２を案内するガイド溝１０を凹み形成する。ガ
イド溝１０の出入口側の端部には、上記の実施例と同様
に軸受穴１１を設ける。

【００１８】上記のようにケース３の内面上下にガイド
溝１０を設けると、ガイド溝１０からの塵埃の侵入を防
止できる。さらに、必要に応じてガイド溝１０をシャッ
ター５のスライド範囲内に設けることができるので、ケ
ース３をリードライト窓４・１６の中心軸を対称軸にし
て左右対称に形成でき、光ディスクカートリッジの上下
面を反転して使用する際に、プレーヤやディスクドライ
ブのローディング機構およびシャッター開閉機構を簡素
化できる点で有利である。

【００１９】図６に示すように、軸２２をケース３の内
面後縁寄りに突設し、ガイド溝１０をトレー２側に設け
ることができる。この場合には、ガイド溝１０の前端に
軸受穴１１を設ける。

【００２０】上記以外に、トレー２はケース３の左右側
縁のいずれか一側に抜き出すように変更できる。必要が
あれば、ケース３の一側縁と後縁とに跨がる状態で出入
口７を開口し、トレー２を斜めにスライド挿脱した後、
開放位置へ向かって回動できるよう構成することができ
る。ガイド溝１０は必ずしも必要ではなく、トレー２を
中間位置まで抜き出し操作したとき、軸２２が軸受穴１
１内へ入り込む構造になっていればよい。なお、中間位
置におけるトレー２の抜き出し量は、少なくともディス
ク１の後半部が出入口７から露出する状態であればよ
い。

【００２１】

【発明の効果】この発明では、トレー２を中間位置まで
抜き出しスライドした後、トレー２とケース３との間に
設けた軸２２を中心にしてトレー２の全体を回動し、デ
ィスク１をケース２外へ大きく露出できるようにした。
従って、トレーをスライド挿脱するだけでディスクの出
し入れを行う従来のディスクカートリッジに比べて、ト
レー２を出入口７から十分に離れた位置まで移動して、
周辺に障害物のない状態でディスク１の着脱を確実かつ
簡便に行うことができ、不注意によるディスク１の落下
事故や盤面の汚損等を防止できる。軸２２をガイド溝１
０でスライド案内し、ガイド溝１０の端部に軸受穴１１
を設けてあると、トレー２のスライド挿脱操作と、軸２
２まわりの回動操作とを連続して速やかに行うことがで
き、トレー２の開閉をスムースに行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】トレーをケース外へ抜き出した状態の斜視図で
ある。

【図２】トレーの抜き出し途中状態を示す平面図であ
る。

【図３】図２におけるＡ−Ａ線断面図である。

【図４】トレーの回動構造を示す要部平面図である。

【図５】トレーのスライド構造の別実施例を示す断面図
である。

【図６】トレーのスライド構造の更に別実施例を示す断
面図である。

【符号の説明】

１ ディスク ２ トレー ３ ケース ７ 出入口 ８ 開放口 １０ ガイド溝 １１ 軸受穴 １３ 装填台 １４ 装填凹部 ２２ 軸

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスク１と、ディスク１を支持するト
   レー２と、ディスク１およびトレー２を収容するケース
   ３とを備えており、トレー２がケース３の周側面に開口
   した出入口７から直線状にスライド挿脱できるディスク
   カートリッジであって、 トレー２は、ディスク１の全体がケース内に納まる収納
   位置と、ケース３から抜き出されてディスク１の大半が
   ケース外へ露出する中間位置とにスライド挿脱できるよ
   うケース３で支持されており、 中間位置において互いに接当係合して、トレー２とケー
   ス３とをディスク１の盤面と直交する中心軸のまわりに
   相対回動自在に連結する軸２２および軸受穴１１が、ト
   レー２の一側とケース３との間に設けられており、 出入口７と、出入口７に連続してケース３の周側面に開
   口した開放口８を介して、トレー２が中間位置と、ディ
   スク１の全体がケース外へ露出する開放位置との間で、
   軸２２を中心にして往復回動可能に設けてあるトレー式
   のディスクカートリッジ。
2. 【請求項２】 トレー２が、ケース３に挿脱される装填
   台１３と、装填台１３に凹み形成したディスク１用の装
   填凹部１４と、装填台１３の抜き出し始端縁に設けられ
   る操作部１５とを備えており、 装填台１３の抜き出し終端寄りの一側に軸２２が設けら
   れており、 軸２２を直線スライド自在に案内するガイド溝１０がケ
   ース３に設けられており、 ガイド溝１０の出入口７側の端部に、軸２２の回動を許
   す軸受穴１１が設けてある請求項１記載のトレー式のデ
   ィスクカートリッジ。
3. 【請求項３】 トレー２の装填台１３に、装填凹部１４
   の底面側からの信号の読み書きを許すリードライト窓１
   ６が開口されており、 ガイド溝１０をケース３の内面に凹設して、ケース３が
   リードライト窓１６の中心軸を対称軸にして左右対称形
   状に形成してある請求項２記載のトレー式のディスクカ
   ートリッジ。
4. 【請求項４】 装填台１３の一側に軸２２が配置され、
   装填台１３の他側において、ディスク１の周縁が装填台
   １３の側縁から露出するよう装填凹部１４が切り欠いて
   ある請求項２又は３記載のトレー式のディスクカートリ
   ッジ。