JPH09230132A - ブラックマトリックス基板の製造方法及びカラーフィルタ付き基板及び液晶表示素子 - Google Patents

ブラックマトリックス基板の製造方法及びカラーフィルタ付き基板及び液晶表示素子

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JPH09230132A
JPH09230132A JP29898096A JP29898096A JPH09230132A JP H09230132 A JPH09230132 A JP H09230132A JP 29898096 A JP29898096 A JP 29898096A JP 29898096 A JP29898096 A JP 29898096A JP H09230132 A JPH09230132 A JP H09230132A
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JP
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black matrix
color filter
light
liquid crystal
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JP29898096A
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English (en)
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Akihiko Tashiro
彰彦 田代
Akihiro Enomoto
聡洋 榎本
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Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学濃度が高く信頼性の高いブラックマトリッ
クスを感光性樹脂を用いて生産性良く製造する。 【解決手段】光透過性の基板1上に着色された感光性樹
脂を主成分とする塗工層2を形成し、フォトリソグラフ
ィ法でマスク3の側から光線照射4により露光し、現像
してパターニングした後、反対側から光線照射5を行
い、その後焼成してブラックマトリックスパターンを形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルタ用
のブラックマトリックス基板の製造方法及びカラーフィ
ルタ付き基板及び液晶表示素子に関する。詳しくは、光
学濃度が高く、寸法精度が高く、低反射率の特性を備え
た感光性樹脂層からなるブラックマトリックス基板の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フラットパネルディスプレイとし
てカラー液晶表示素子が注目されている。カラー液晶表
示素子は、構成画素部をR、G、Bの3原色とし、液晶
の電気的スイッチングによりバックライトからの光の透
過を制御してカラー表示を行うものである。そして、3
原色の制御を行う液晶表示素子は、単純マトリックス方
式及びアクティブマトリックス方式のいずれにおいても
鮮やかな色を表示するためには、カラーフィルタが用い
られている。
【0003】このカラーフィルタは、透明基板上に各着
色層と保護層と透明電極層を形成して構成されている。
カラーフィルタの画素配列としては、ストライプ状、三
角状、モザイク状などがあり、小型から大型まで広い範
囲のサイズに対応できる。そして、発色効果や表示コン
トラスト比を上げるために、着色層のR、G、Bの各画
素の境界部分に遮光性を有する黒色パターン(ブラック
マトリックス)が形成される。
【0004】また、アクティブマトリックス方式の液晶
表示素子では、薄膜トランジスタ(TFT)をスイッチ
ング素子として用いているため、外光による光リーク電
流を抑制する必要があり、そのため、ブラックマトリッ
クスに対して高い遮光性が要求される。
【0005】従来、ブラックマトリックスの製造方法と
しては、蒸着、スパッタリング等で形成したクロム薄膜
をフォトエッチングして形成する方法、紫外線硬化性樹
脂等の感光性樹脂にカーボンブラック等の顔料を分散さ
せた塗材を基板上に塗布し、フォトリソグラフィ法で露
光・現像して形成する方法、印刷により形成する方法等
が行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、クロム薄膜を
フォトエッチングして形成する方法は、寸法精度は高い
ものの、蒸着やスパッタ等の真空成膜工程が必要である
ため、製造コストが高くなる。特に、このクロムのブラ
ックマトリックスは、強い外光下での表示コントラスト
比を高めるために、観察者側の光線反射率を抑える必要
が生じる。また、薄膜トランジスタの誤動作の原因とな
る光リーク電流を抑制するために、液晶セル側の光線反
射率をも抑える必要が生じる。
【0007】このような反射を抑制するためには、この
クロム薄膜にさらに低反射クロムの成膜を行う必要があ
った。このため、ブラックマトリックス形成の工程が複
雑化し、生産性が低下するとともに歩留が低下する原因
にもなっていた。
【0008】また、印刷方法によるブラックマトリック
ス形成は、製造コストは安価となるが、寸法精度に問題
があった。この寸法精度の低下は、画素の有効面積の低
下や画素外からの光漏れの原因になったり、表示品位の
低下の原因になっていた。
【0009】また、感光性樹脂にカーボンブラック等の
顔料を分散させた塗材を用いるフォトリソグラフィ法で
は、顔料自身の高い紫外線遮光性のため、感光性樹脂層
の厚さ方向で紫外線による硬化の密度に差が生じる傾向
がある。この結果、露光・現像後の焼成(ポストベー
ク)工程で、感光性樹脂層にしわが発生したり、層の下
部の樹脂の流動によりパターン形状が乱れる等の問題が
あった。
【0010】また、この方法で作成したブラックマトリ
ックスは、透明基板との密着性が弱く、その後のカラー
フィルタ形成工程等で、ブラックマトリックスと透明基
板の界面で剥離することがあった。特に、インクジェッ
ト法でカラーフィルタを形成する際に、インクの組成に
よってはブラックマトリックスが透明基板から剥離する
という問題があった。
【0011】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、液晶表示素子等のカラーフィル
タに採用でき、可視光波長領域で光線反射率が低く、寸
法精度が高く、遮光性に優れ、しかも生産性が良く低コ
ストのブラックマトリックス基板の製造方法及びそれを
用いたカラーフィルタ付き基板及び液晶表示素子を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、光透過性の基
板上に着色された感光性樹脂を主成分とする塗工層を形
成し、フォトリソグラフィ法で露光・現像を行うことに
より、所望のブラックマトリックスパターン状以外の部
分の塗工層を除去した後、最初に光線を照射した側と反
対側から残った塗工層に光線を照射し、その後、塗工層
を有する基板を焼成してブラックマトリックスパターン
を形成することを特徴とするブラックマトリックス基板
の製造方法を提供する。
【0013】また、その塗工層は、波長300〜700
nmの範囲における光学濃度が平均して2.0以上の遮
光性を有することを特徴とするブラックマトリックス基
板の製造方法を提供する。
【0014】また、それらの製造方法により形成された
ブラックマトリックスとそのブラックマトリックスによ
り区分けされたカラーフィルタとを有することを特徴と
するカラーフィルタ付き基板、及び、それらの製造方法
により形成されたブラックマトリックスを堰としてその
堰に囲まれた領域にインクジェット法で着色インクを吹
きつけしてカラーフィルタを形成することを特徴とする
カラーフィルタ付き基板の製造方法を提供する。
【0015】さらには、そのカラーフィルタ付き基板の
カラーフィルタ上に電極を設けたカラーフィルタ電極付
き基板と、他の基板との間に液晶層を挟持したことを特
徴とする液晶表示素子を提供する。
【0016】本発明におけるブラックマトリックスと
は、透明なガラス、プラスチック等の基板上に、遮光性
機能を有する遮光性被膜を配列したものである。使用用
途によってその配列状態は、ストライプ状であったり、
格子状であったり、それ以外の形状であったりする。
【0017】ここでいう遮光性被膜とは、少なくとも可
視光を遮光する機能を有する被膜であり、さらに本発明
の場合、可視光全域にわたって遮光するという意味か
ら、基本的に黒色であることが好ましい。この遮光性を
表すパラメータは、OD値(光学濃度)によっておおよ
そ判断できる。本発明を構成する遮光性被膜のOD値
は、2.0以上であることが好ましく、3.0以上であ
ることがより好ましい。
【0018】次に、本発明のブラックマトリックス基板
の製造方法について、具体的に説明する。図1は、本発
明のブラックマトリックス基板の製造方法を工程順に示
した断面図である。以下、図を参照して説明する。
【0019】[塗工工程]本発明でいう塗工工程とは、
可視光を遮光するに充分な濃度に着色された感光性樹脂
を主成分とする塗工層を光透過性の基板上に塗布する工
程であり、図1では(1)で示す。図1では、1は基
板、2は塗工層を表す。
【0020】ここでいう光透過性の基板は特に限定され
ず、例えば、ガラス基板、プラスチック基板等が挙げら
れる。この基板は、必要に応じてなんらかの下地処理を
施したものでもよい。例えば、アルカリ溶出防止処理、
感光性樹脂との接着性向上処理、無反射処理、ガスバリ
ア性付与のための処理、電着用の電極層等がある。
【0021】本発明の着色された感光性樹脂を主成分と
する塗工層は、ブラックマトリックスとして硬化せしめ
られた後で可視光を遮光するに充分な濃度に着色される
ものであり、感光性樹脂を主成分とする。この塗工層を
形成する塗材としては、特に限定されず、公知のフォト
ブラックレジストを使用できる。
【0022】これには、感光性樹脂に着色顔料や染料を
混ぜたものが一般的であるが、樹脂自体が濃く着色して
いるものがあるならば、それでも使用できる。また、こ
の着色された感光性樹脂を主成分とする塗工層は、通常
は黒色とされるが、濃青色等の他の色の遮光性被膜とす
ることもできる。この塗工層の厚さは、塗布条件等によ
って調整し、OD値が2.0以上、好ましくは3.0以
上4.0以下となるようにされる。
【0023】本発明のブラックマトリックス基板の製造
方法に適用される塗工方式としては、スピンコート法、
ロールコート法、バーコート法などの公知の塗工方式を
採用できる。また、塗布後に、乾燥処理として、塗工層
で重合が起こらない程度の充分低い温度、また、充分短
い時間での加熱処理を行うことができる。
【0024】[露光工程]本発明でいう露光工程とは、
上記塗工工程により塗布された塗工層2を、目的のパタ
ーンを有するマスク3を介して光線照射4により露光し
て部分的に硬化させる工程であり、図1では(2)で示
す。
【0025】ここでいう露光とは、塗工層中の感光性樹
脂を重合硬化させるのに必要なエネルギーを有する光線
を照射することを意味する。このような光線は紫外線
(UV)、電子線(EB)等があるが、作業性、コスト
等の面から紫外線が最も好ましい。このため、通常はこ
の感光性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂を用いること
が好ましい。
【0026】本発明に使用されるマスクは、公知のもの
を使用してよく、目的とするブラックマトリックスの配
列状態により選択される。このマスクのパターンとして
は、カラーフィルタの画素形状、すなわち、ブラックマ
トリックスで囲まれた領域がストライプ状、格子状、円
状、多角形状等公知の形状になるように設計されればよ
い。
【0027】本発明の場合、マスクは図1(2)に示す
ように、塗工工程により塗布された塗工層側に設置し、
その上から光線を照射する。基板1が薄い場合には、塗
工層と反対側、すなわち基板側にマスクを設置し、基板
側から光線を照射することもできるが、通常は解像度が
低下しやすいため、塗工層側にマスク3を設置し、その
上から光線を照射することが好ましい。
【0028】[現像工程]本発明における現像工程と
は、前記露光工程により、感光性樹脂の硬化した部分は
溶解せず、それ以外である未硬化部分は、それを溶解す
る液体(現像液)により現像する工程である。この工程
を経た状態が図1(3)であり、基板1上に塗工層2が
パターニングされた状態となる。
【0029】[背面露光工程]本発明における背面露光
工程とは、現像工程により所望のパターン状に塗工層を
パターニングした後、最初に光線を照射した側と反対側
から光線を照射する工程であり、図1(4)に示す。図
1(2)で光線照射4した方向とは逆の方向である下側
から光線照射5を行う。
【0030】本発明では光の遮光性の高い塗工層を用い
ているため、片側からの光線照射のみでは光線を照射側
では感光性樹脂が充分に硬化するが、裏側には光線が充
分に届きにくい。このため、塗工層の裏側は感光性樹脂
が充分に硬化しない状態に置かれやすい。これを避ける
ために、光線の照射量を大幅に過剰にすると、塗工層の
中で光が散乱したものが周辺のマスクの下の感光性樹脂
まで硬化をさせて、パターニング精度が低下するという
問題を生じやすい。
【0031】そこで、本発明では最初に光線を照射した
方向とは逆の方向から光線を照射する。これにより、自
身の着色顔料や染料により光が充分に届かなかった裏側
も充分光が照射され、感光性樹脂の硬化・重合が進行す
る。この背面露光工程は、すでに塗工層2はパターニン
グされているので、基板の厚さがパターン精度の低下を
招くこともない。これにより、塗工層2は両面とも同じ
ような硬化状態とすることができ、また、透明基板との
密着性も向上する。
【0032】[焼成工程]本発明における焼成工程と
は、背面露光工程により、塗工層の両面での感光性樹脂
の硬化密度を均一化されたブラックマトリックス基板を
加熱処理する工程である。この工程は、感光性樹脂を光
線による重合の後、さらに重合させ、ブラックマトリッ
クスの膜強度及び光透過性基板との密着性を向上させる
ための工程である。
【0033】本発明では、塗工層の両面の感光性樹脂の
硬化状態が同程度に硬化しているので、この焼成工程時
に感光性樹脂の硬化に伴う収縮等が生じても、塗工層の
両面がほぼ同じ硬化状態であるため、片側に反りが生じ
たり、しわを生じたりしにくい。
【0034】本発明では、このブラックマトリックス基
板を用いて、カラーフィルタを形成し、カラーフィルタ
付き基板とする。このカラーフィルタ層の形成には、顔
料分散によるフォトリソグラフィ法、電着法、印刷法、
インクジェット法等公知の方法が用いられればよい。通
常は、ブラックマトリックスを基板に形成した後、カラ
ーフィルタを形成するが、逆にあらかじめ、カラーフィ
ルタを形成しておいた後に、このブラックマトリックス
を形成してもよい。
【0035】本発明は、特にインクジェット法でのカラ
ーフィルタの形成に好適である。本発明によるブラック
マトリックス基板は厚膜となるので、これで堰を形成
し、この堰で囲まれた領域にインクジェット法で着色イ
ンクを吹きつけてカラーフィルタを形成する。このブラ
ックマトリックス部分に適切な撥インク性を付与してお
くことにより、ブラックマトリックス上にインクが流れ
にくく混色を起こしにくいので特に好ましい。
【0036】この着色インクとしてRGBの3色のイン
クを用いれば、フルカラー表示可能なカラーフィルタを
得ることができる。カラーフィルタのパターンはストラ
イプ状、ドット状等公知のパターンが使用できる。
【0037】このようにして形成されたカラーフィルタ
基板は、その表面に必要に応じて平坦化のためのアクリ
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂
等の樹脂の層又は電極との接着性を向上させるためのS
iO2 、TiO2 、Al23 等の無機物質の層等を形
成し、さらにIn23 −SnO2 (ITO)、SnO
2 等の電極を形成して製造される。
【0038】このようにして製造したカラーフィルタ基
板又はカラーフィルタ電極付き基板は、液晶表示素子、
電気泳動表示素子、エレクトロクロミック表示素子、P
LZT等と組合せて表示素子として用いてもよく、カラ
ーカメラやその他のカラーフィルタを用いる用途にも使
用できる。特に、液晶表示素子に用いられた場合に表示
品位、表示コントラスト比等からみて好適である。
【0039】液晶表示素子として用いる場合には、この
カラーフィルタ電極付き基板と、もう1枚の他方の基板
とを組合せて、その間に液晶を挟持するようにされる。
通常の液晶表示素子の場合には、他方の基板は電極付き
基板とされ、液晶を挟持して用いればよい。この液晶と
しては、通常のネマチック液晶やスメクチック液晶をは
じめ、ポリマーネットワーク液晶やカプセル化液晶、そ
の他の表示使用できる液晶が使用される。さらに、必要
に応じて、2色性色素やその他の添加剤を添加してもよ
い。
【0040】この液晶表示素子は、各画素にTFTやM
IM等の能動素子を配置したアクティブマトリックス方
式としてもよく、ストライプ状電極を交差させたパッシ
ブ方式としてもよい。さらには、片側の基板に光導電性
材料層を形成して光書き込み方式にしたり、片側の基板
をプラズマ放電により駆動するプラズマアドレス方式に
したりすることもできる。
【0041】図2は、代表的な液晶表示素子の断面図で
ある。図2において、11は基板、12はパターニング
されたブラックマトリックス(塗工層)、13Rは赤色
(R)のカラーフィルタ、13Gは緑色(G)のカラー
フィルタ、13Bは青色(B)のカラーフィルタ、14
はその上に形成された平坦化層、15は電極、16は配
向膜、17は他方の基板、18は他方の電極、19は配
向膜、20は液晶層を示す。
【0042】本発明では必要に応じて、電極15、18
上にSiO2 、TiO2 、Al23 等の無機物層や、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコ
ン樹脂等の樹脂の層を設けてラビングしたり、SiO等
の斜め蒸着層を形成したりして配向処理を行って配向膜
16、19を形成する。この液晶表示素子の外側には、
必要に応じて、偏光膜、反射板、位相差板、光源等を配
置して液晶表示素子として用いる。
【0043】
【実施例】
[例1]無アルカリガラス基板に、東京応化工業(株)
製フォトブラックレジスト「CFPR BK−416
S」をスピンコート法により塗布し、ホットプレート上
で90℃・5分の乾燥を行った。この基板に対し、フォ
トマスクを塗工層の膜面側に設置し、その上から、紫外
線を照射した。露光量は365nmの波長で500mJ
/cm2 とした。
【0044】露光後、東京応化工業(株)指定現像液
「CFPR 現像液 N−A3K」を純水で20倍希釈
した液に、基板を30秒間ディップして未露光部を除去
した。現像後、塗工層の背面側から紫外線を照射した。
露光量は365nmの波長で10mJ/cm2 とした。
背面露光後、基板をクリーンオーブンに入れ、230℃
1時間の焼成を行って、ストライプ状の開口を有するブ
ラックマトリックスパターンを有するブラックマトリッ
クス基板を製造した。
【0045】このブラックマトリックス基板の塗工層
(ブラックマトリックス)の焼成後膜厚は1.4μmで
あり、OD値(光学濃度)は3.2であった。この基板
は、焼成後のブラックマトリックス上にしわも見られ
ず、パターンの直線性も良好であり、ブラックマトリッ
クス部の遮光度も1:1000以上であって充分に高い
ものであった。
【0046】このブラックマトリックス基板上のストラ
イプ状の開口に、顔料分散法でRGBのカラーフィルタ
を形成し、アクリル樹脂の平坦化層を形成後、ITO層
を形成して、カラーフィルタ電極付き基板を製造した。
このカラーフィルタ電極付き基板は、平坦性が良いもの
であった。
【0047】このカラーフィルタ電極付き基板の電極を
ストライプ状にパターニングして、ポリイミドの薄膜を
形成し、その表面をラビングして配向膜を形成して、第
1の基板を形成した。同じガラス基板上にITO層を形
成し、電極をストライプ状にパターニングして、ポリイ
ミドの薄膜を形成し、その表面をラビングして配向膜を
形成して、第2の基板を形成した。
【0048】この2枚の基板をスペーサ粒子を介して、
電極面が相対向するように配置し、周辺をエポキシ樹脂
でシールして空セルを形成した。この空セル内に、ネマ
チック液晶を注入し、注入口を封止して、セルを形成し
た。このセルの両側に位相差板と偏光板とを配置して、
STN型液晶表示素子を形成した。この液晶表示素子は
鮮やかなカラー表示が可能なものであった。
【0049】[例2(比較例)]例1の各工程のうち、
背面露光だけを行わず、その他の工程は例1と同条件で
処理して、ブラックマトリックス基板を製造した。焼成
後の塗工層は例1と同様に膜厚は1.4μm、OD値
(光学濃度)は3.2であった。しかし、この基板は、
焼成後のブラックマトリックス上にしわが発生してい
た。
【0050】このブラックマトリックス基板上に例1と
同様にして、RGBのカラーフィルタを形成し、アクリ
ル樹脂の平坦化層を形成後、ITO層を形成して、カラ
ーフィルタ電極付き基板を製造した。このカラーフィル
タ電極付き基板は、ブラックマトリックスのしわが平坦
性に影響を与え、例1のものよりも平坦性が悪いもので
あった。
【0051】このカラーフィルタ電極付き基板を用い
て、例1と同様にして液晶表示素子を製造した。この液
晶表示素子は、例1の液晶表示素子に比して、色のムラ
が多く、鮮やかさが低下したものであった。
【0052】[例3]例1とは画素開口部の形状を変え
た以外は同じとして、ほぼ四角形状の開口を有するブラ
ックマトリックスパターンを有するブラックマトリック
ス基板を製造した。この塗工層の焼成後膜厚は1.4μ
mであり、OD値(光学濃度)は3.2であり、ブラッ
クマトリックス上にしわも見られず、パターンの直線性
も良好であった。
【0053】このブラックマトリックス基板を用いて、
例1と同様にカラーフィルタを形成し、液晶表示素子を
形成した。ただし、この液晶表示素子はTFTを画素毎
に設けたアクティブマトリックス方式の液晶表示素子と
した。この液晶表示素子は高コントラスト比で鮮やかな
カラー表示が可能なものであった。
【0054】[例4]例3と同じガラス基板上に、IT
O電極を形成し、その上に例3と同様にして、ブラック
マトリックスパターンを有するブラックマトリックス基
板を製造した。このブラックマトリックス基板上に、電
着法によりRGBのカラーフィルタを形成し、例3と同
様にしてTFT方式の液晶表示素子を形成した。この液
晶表示素子は高コントラスト比で鮮やかなカラー表示が
可能なものであった。
【0055】[例5]シリカコート付きソーダライムガ
ラス基板に、富士ハントエレクトロニクステクノロジー
(株)製フォトブラックレジスト「CK−S171B」
をスピンコート法により塗布し、クリーンオーブン内で
110℃15分の乾燥を行った。この基板に対し、フォ
トマスクを塗工層の膜面側に設置し、その上から、紫外
線を照射した。露光量は、365nmの波長で500m
J/cm2 とした。
【0056】露光後、富士ハントエレクトロニクステク
ノロジー(株)指定現像液「CD」を純水で5倍希釈し
た液に、基板を3分間ディップして未露光部を除去し
た。現像後、塗工層の背面から紫外線を照射した。露光
量は、365nmの波長で100mJ/cm2 とした。
背面露光後、基板をクリーンオーブンに入れ、230℃
1時間の焼成を行って、ほぼ四角形状の開口部を有する
ブラックマトリックスパターンを有するブラックマトリ
ックス基板を製造した。
【0057】このブラックマトリックス基板の塗工層
(ブラックマトリックス)の焼成後膜厚は1.0μmで
あり、OD値(光学濃度)は3.1であった。
【0058】このブラックマトリックス基板上のブラッ
クマトリックスの堰に囲まれた開口部に、インクジェッ
ト法でRGBのカラーフィルタを形成した。このカラー
フィルタ付き基板は、ブラックマトリックスの剥離もパ
ターン形状の乱れもない、良好な外観のものであった。
【0059】このカラーフィルタ付き基板に、アクリル
樹脂の平坦化層を形成後、ITO層を形成して、カラー
フィルタ電極付き基板を製造した。このカラーフィルタ
電極付き基板は、平坦性が良いものであった。
【0060】このカラーフィルタ電極付き基板を用い
て、例1と同様にしてSTN型液晶表示素子を形成し
た。この液晶表示素子は、鮮やかなカラー表示が可能な
ものであった。
【0061】[例6(比較例)]例5の各工程のうち、
背面露光だけを行わず、その他の工程は例5と同条件で
処理してブラックマトリックス基板を製造し、このブラ
ックマトリックス基板上に例5と同様に、インクジェッ
ト法でRGBのカラーフィルタを形成した。このカラー
フィルタ付き基板はブラックマトリックスがところどこ
ろ剥離しており、その箇所では、ブラックマトリックス
のパターン形状も乱れ、RGBのインクが混ざってい
て、所望の色度が得られていない画素が観察された。
【0062】このカラーフィルタ付き基板に、アクリル
樹脂の平坦化層を形成後、ITO層を形成して、カラー
フィルタ電極付き基板を製造した。さらに、そのカラー
フィルタ電極付き基板を用いて、例5と同様にして液晶
表示素子を製造した。この液晶表示素子は、例5の液晶
表示素子に比して、コントラストが低く、色のムラが多
いものであった。
【0063】
【発明の効果】本発明では、マスク面からの露光の後、
背面露光を行うことにより、塗工層の両面での光線によ
る硬化密度を均一化できる。これにより、従来、感光性
樹脂にカーボンブラック等の顔料を分散させた塗材を用
いるフォトリソグラフィ法において問題となっていた、
露光・現像後の焼成(ポストベーク)工程で、感光性樹
脂層にしわが発生したり、また、層の下部の樹脂の流動
によりパターン形状が乱れる等の問題は解消される。
【0064】また、本発明では、マスク面からの露光の
後、背面露光を行うことにより、塗工層と光透過性基板
との密着性を向上させることができる。これにより、従
来、感光性樹脂にカーボンブラック等の顔料を分散させ
た塗材を用いるフォトリソグラフィ法において問題とな
っていた、カラーフィルタ形成等の後工程で、ブラック
マトリックスと光透過性基板との界面での剥離という問
題が減少する。
【0065】本発明では、カラーフィルタ、平坦化層、
その上に電極層を順次形成した場合、その平坦性が良
く、パターン形状が乱れにくい。これにより、液晶表示
素子とした場合に、液晶層の間隙を精密に制御できるの
で、色ムラを生じたり、色の純度が低下しにくく、画素
の形状が正確に保たれるので、表示品位も良いものにな
る。本発明は、本発明の効果を損しない範囲内で種々の
応用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の工程を示す断面図。
【図2】本発明の液晶表示素子の代表的な例の断面図。
【符号の説明】
1:基板 2:塗工層 3:マスク 4:光線照射 5:光線照射

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光透過性の基板上に着色された感光性樹脂
    を主成分とする塗工層を形成し、フォトリソグラフィ法
    で露光・現像を行うことにより、所望のブラックマトリ
    ックスパターン状以外の部分の塗工層を除去した後、最
    初に光線を照射した側と反対側から残った塗工層に光線
    を照射し、その後、塗工層を有する基板を焼成してブラ
    ックマトリックスパターンを形成することを特徴とする
    ブラックマトリックス基板の製造方法。
  2. 【請求項2】塗工層は、波長300〜700nmの範囲
    における光学濃度が平均して2.0以上の遮光性を有す
    ることを特徴とする請求項1記載のブラックマトリック
    ス基板の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の製造方法により形成され
    たブラックマトリックスとそのブラックマトリックスに
    より区分けされたカラーフィルタとを有することを特徴
    とするカラーフィルタ付き基板。
  4. 【請求項4】請求項1又は2の製造方法により形成され
    たブラックマトリックスを堰としてその堰に囲まれた領
    域にインクジェット法で着色インクを吹きつけしてカラ
    ーフィルタを形成することを特徴とするカラーフィルタ
    付き基板の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項3のカラーフィルタ付き基板のカラ
    ーフィルタ上に電極を設けたカラーフィルタ電極付き基
    板と、他の基板との間に液晶層を挟持したことを特徴と
    する液晶表示素子。
JP29898096A 1995-12-20 1996-11-11 ブラックマトリックス基板の製造方法及びカラーフィルタ付き基板及び液晶表示素子 Withdrawn JPH09230132A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007114458A (ja) * 2005-10-20 2007-05-10 Toppan Printing Co Ltd カラーフィルタの製造方法

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