JPH09229109A - ディスクブレーキ - Google Patents

ディスクブレーキ

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JPH09229109A
JPH09229109A JP8056786A JP5678696A JPH09229109A JP H09229109 A JPH09229109 A JP H09229109A JP 8056786 A JP8056786 A JP 8056786A JP 5678696 A JP5678696 A JP 5678696A JP H09229109 A JPH09229109 A JP H09229109A
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JP
Japan
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pin
friction
pad
caliper
friction pad
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JP8056786A
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Yukitoshi Shimura
幸利 志村
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリパに対する摩擦パッドの誤組付を確実
に防止でき、品質等の信頼性を大幅に向上できると共
に、摩擦パッドの生産性等を確実に向上させる。 【解決手段】 摩擦パッド25の長さ方向に延びる長穴
としてのピン穴30を、摩擦パッド25の外端部に突設
した係止部27Aに穿設する。そして、インナ側のキャ
リパ21とアウタ側のキャリパ間には支持ピン34の両
端側を取付けると共に、支持ピン34の軸線O´−O´
を中心線A−Aに対して一定寸法δだけオフセットさせ
ることにより、支持ピン34の中間部を摩擦パッド25
にピン穴30を介して摺動可能に挿通させる。これによ
って、摩擦パッド25の形状等を変更する場合には、ピ
ン穴30に替えて、支持ピン34と対応するように略円
形状をなした別のピン穴を、中心が中心線A−A上に位
置するように穿設することにより、この摩擦パッドのキ
ャリパ21に対する誤組付を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両等に制
動力を与えるのに好適に用いられる対向ピストン型のデ
ィスクブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】図5ないし図8に従来技術による対向ピ
ストン型のディスクブレーキを二輪自動車に適用した場
合を例に挙げて説明する。
【0003】図において、1は二輪車の車輪と共に回転
するディスク、2,3はディスク1のアウタ側およびイ
ンナ側にそれぞれ設けられたキャリパを示している。
【0004】そして、該キャリパ2は図7および図8に
示す如く、ディスク1の一側(アウタ側)に位置し、該
ディスク1の周方向に延びたキャリパ本体2Aと、該キ
ャリパ本体2Aの中央部に凹設され後述の摩擦パッド8
を収容するパッド収容溝2Bと、該パッド収容溝2B内
に開口するように前記キャリパ本体2Aに形成され、デ
ィスク1の周方向に離間した一対のシリンダ2C,2C
と、前記パッド収容溝2Bの両側に位置してキャリパ本
体2Aの長手方向両端側からディスク1の軸方向に突設
された衝合部2D,2Dと、ディスク1の径方向内側寄
りに位置してキャリパ本体2Aに一体形成された取付ブ
ラケット2Eとから大略構成されている。また、前記各
衝合部2Dは、その端面が平坦な衝合面2D1 となり、
相手側(インナ側)のキャリパ3と衝合される。
【0005】一方、インナ側のキャリパ3についてもア
ウタ側のキャリパ2とほぼ同様に形成され、図6および
図7に示すようにキャリパ本体3A、摩擦パッド9用の
パッド収容溝3B、各シリンダ3Cおよび各衝合部3D
等を有している。また、キャリパ3の各衝合部3Dにつ
いてもその端面が平坦な衝合面(図示せず)となり、ア
ウタ側のキャリパ2に衝合状態で固着されている。
【0006】即ち、キャリパ2,3は、各衝合部2Dの
衝合面2D1 と各衝合部3Dの衝合面とを互いに衝合さ
せた状態でボルト等を介して一体的に締結されている。
そして、キャリパ2,3はこの状態で前記取付ブラケッ
ト2Eが、例えば車両のフロントフォーク等にボルト
(いずれも図示せず)等を介して一体的に取付けられ、
各シリンダ2C,3Cをディスク1に対向させた状態
で、該ディスク1の外周側を跨ぐようになっている。
【0007】4,4,…は各キャリパ2,3のシリンダ
2C,3C内にそれぞれ摺動可能に挿嵌されたピストン
(2個のみ図示)を示し、該各ピストン4は有底筒状に
形成され、その開口端側には断熱材料等からなる板状を
なした各断熱材5がそれぞれカシメ固定された状態で取
付けらている。また、各ピストン4は、各シリンダ2
C,3Cと該各ピストン4の底部との間で各液圧室6を
それぞれ形成している。
【0008】そして、各ピストン4は、ブレーキ操作時
に該各液圧室6内に供給されるブレーキ液圧により各シ
リンダ2C,3C内を軸方向にそれぞれ摺動し、各断熱
材5を介して摩擦パッド8,9をディスク1の両面に押
圧するものである。また、各断熱材5は、ブレーキ操作
時に摩擦パッド8,9とディスク1との間で生じる摩擦
熱等が、該摩擦パッド8,9から各ピストン4を介して
各液圧室6内のブレーキ液に伝わり、該ブレーキ液が気
化したりするのを防止するものである。
【0009】7,7,…はパッド収容溝2Bの両側に位
置してキャリパ2に形成されたトルク受部を示し、該各
トルク受部7は、ディスク1の周方向でかつ径方向に互
いに離間して配設されている。また、キャリパ3にもパ
ッド収容溝3Bの両側に位置して各トルク受部7と同様
の各トルク受部(図示せず)が形成されている。そし
て、これらのトルク受部7等はブレーキ操作時に、後述
のパッドスプリング17と共に摩擦パッド8(9)をデ
ィスク1の軸方向に案内しつつ、摩擦パッド8(9)に
作用するディスク1からのトルクを受承するものであ
る。
【0010】8,9はディスク1のアウタ側およびイン
ナ側にそれぞれ配設された摩擦パッドを示し、該摩擦パ
ッド8,9は図7および図8に示す如く、高い剛性をも
った摩擦材料等から外形が略長方形をなした平板状に形
成され、その裏面側には裏金10,11がそれぞれ重な
り合うように固着されている。そして、該裏金10,1
1は鉄板等により略長方形をなした角板状に成形され、
その長さ方向両端面が各トルク受部7に対する摺動面と
なっている。
【0011】ここで、摩擦パッド8の裏金10には図8
に示す如く、その長さ方向中間部(中央位置)でディス
ク1の径方向に延びた中心線A−A上に位置して、ディ
スク1の径方向外側となる端部に係止部10Aが突設さ
れている。また、摩擦パッド9の裏金11についてもこ
れと同様の位置(中央位置)に係止部11Aが突設され
ている。そして、これらの係止部10A,11Aには図
8に例示する中心線A−A上に位置して後述のピン穴1
2,13がそれぞれ穿設されている。
【0012】そして、摩擦パッド8,9は、キャリパ
2,3のパッド収容溝2B,3B内にそれぞれ収容さ
れ、該パッド収容溝2B,3B内を各ピストン4を介し
てディスク1の軸方向に摺動することにより、ディスク
1の両面に押圧され、該ディスク1に制動力を付与す
る。
【0013】12,13は裏金10,11の係止部10
A,11Aにそれぞれ穿設されたピン穴を示し、該ピン
穴12,13は支持ピン16の外形に対応して略円形状
に形成され、その中心は図7および図8に示す如く、各
摩擦パッド8,9の中心線A−A上に位置している。
【0014】14はディスク1の径方向外側に位置して
キャリパ2のキャリパ本体2Aに貫通穴として形成され
たピン支持穴、15はディスク1の径方向外側に位置し
てキャリパ本体3Aに有底穴として形成されたピン支持
穴をそれぞれ示している。そして、該ピン支持穴14,
15は図6および図7に示す如く、同一の軸線O−O上
に位置し、支持ピン16の両端側を支持するものであ
る。
【0015】16は各キャリパ2,3間をディスク1の
軸方向に延びた支持ピンを示し、該支持ピン16は図7
に示す如く、一端側がピン支持穴14内に嵌着され、他
端側はピン支持穴15内に抜止め状態で固着されてい
る。そして、支持ピン16はピン穴12,13(ピン支
持穴14,15)と同一の軸線O−O上に配設され、そ
の中間部で摩擦パッド8,9をピン穴12,13を介し
て摺動(移動)可能に支持するようになっている。
【0016】ここで、摩擦パッド8,9をキャリパ2,
3のパッド収容溝2B,3B内に組付けるときには、摩
擦パッド8,9の係止部10A,11Aをピン穴12,
13を介して支持ピン16に係合(挿通)させることに
より、摩擦パッド8,9が前記パッド収容溝2B,3B
内から脱落してしまうのを防止する。そして、支持ピン
16はブレーキ操作時に、摩擦パッド8,9を該支持ピ
ン16の軸線O−O上でディスク1の軸方向に移動可能
に支持するようになっている。
【0017】17はばね鋼板等を折曲げることにより、
全体として略凸形状をなしたパッドスプリングを示し、
該パッドスプリング17は摩擦パッド8,9の係止部1
0A,11A側端面にばね力をもって当接すべく、両端
側がキャリパ2,3の上側面(ディスク1に対して径方
向外側となる端面)に一体的に取付けられている。そし
て、パッドスプリング17はブレーキ操作時に、各トル
ク受部7と共に摩擦パッド8,9をディスク1の軸方向
に摺動可能に案内するものである。
【0018】このように構成された従来技術のディスク
ブレーキでは、ブレーキ操作時に外部からのブレーキ液
圧が、キャリパ2,3のシリンダ2C,3C内に形成さ
れた各液圧室6内に供給されることにより、各ピストン
4がシリンダ2C,3C内をそれぞれ摺動する。そし
て、該各ピストン4が各断熱材5を介して摩擦パッド
8,9を押圧して、ディスク1に制動力を与えるように
している。
【0019】このとき、摩擦パッド8,9はディスク1
との間で生じる摩擦熱によって高温状態になるものの、
各断熱材5によりこの摩擦熱が摩擦パッド8,9から各
ピストン4を介して前記ブレーキ液側に伝わるのを抑え
るようにしている。これによって、ブレーキ液が前記摩
擦熱で高温になって気化したりして、ディスクブレーキ
の性能が低下してしまうのを防止するようにしている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるディスクブレーキでは、支持ピン16の両
端側をキャリパ2,3のピン支持穴14,15で支持す
ると共に、該支持ピン16を摩擦パッド8,9の長さ方
向中間部に突設した係止部10A,11Aに、ピン穴1
2,13を介して移動可能に挿通させることにより、摩
擦パッド8,9をキャリパ2,3のパッド収容溝2B,
3B内で移動可能に支持する構成としている。
【0021】このため、摩擦パッド8,9の材質等を変
更して新しい摩擦パッドを製作する場合には、この摩擦
パッドをキャリパ2,3のパッド収容溝2B,3B内に
正確に収容するために、該摩擦パッドをピン穴12,1
3を含めて摩擦パッド8,9の形状と同様に形成する必
要が生じ、同じ作業現場内に摩擦パッド8,9と別の摩
擦パッドとが混在してしまうことになる。
【0022】この結果、摩擦パッド8,9のキャリパ
2,3への組付工程において、摩擦パッド8,9と別の
摩擦パッドとの外観上の見分けが難しくなり、作業者が
これらの摩擦パッドをキャリパ2,3に対して異なる組
み合わせで誤って組付けてしまう可能性が生じ、ディス
クブレーキの品質等の低下を招くという問題がある。
【0023】また、このような前記摩擦パッドの誤組付
を防止するために、裏金10,11の形状等を変更して
形成し、摩擦パッド8,9と前記摩擦パッドとの見分け
を容易にできるようにした場合には、この裏金10,1
1用の金型を新しく製作する必要が生じ、裏金10,1
1の生産時にかかるコスト等が上昇してしまうという問
題がある。
【0024】一方、キャリパ2,3に対する前記摩擦パ
ッドの誤組付を確実に防止するために、ピン穴12,1
3および支持ピン16の軸線O−Oの位置を、摩擦パッ
ド8,9の中心線A−Aに対して一定寸法だけオフセッ
トさせた場合には、裏金10,11に形成されるピン穴
の位置がアウタ側とインナ側とで互いに異なる位置に形
成されてしまうから、ピン穴の位置をアウタ側とインナ
側とで一致させるためには、裏金用の金型をアウタ側と
インナ側とでそれぞれ別個に製作する必要が生じ、各裏
金の製作時にかかるコスト等が上昇してしまうという問
題がある。また、各裏金の製作時に必要な部品点数が増
加してしまい、このような部品の管理工数が増加してし
まうという問題がある。
【0025】また、このようなディスクブレーキの生産
現場では、一般に該ディスクブレーキ以外に他のディス
クブレーキの生産も一緒に行われているため、生産現場
内にはキャリパ2,3に対して各シリンダ2C,3Cの
形状(例えば、内径等)が異なった他のキャリパ等がキ
ャリパ2,3と一緒に混在している。
【0026】このため、キャリパ2,3の組付工程等で
は、作業者は前記キャリパをキャリパ2あるいはキャリ
パ3に対し誤って組付けてしまう可能性が生じる。そし
て、このように前記キャリパの誤組付が生じた場合に
は、外径等が異なるピストン同士を互いに対向させるこ
とにより、生産性が著しく低下するという問題がある。
【0027】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はキャリパに対する摩擦パッドの
誤組付を確実に防止でき、品質等の信頼性を大幅に向上
できると共に、摩擦パッドの生産性等を確実に向上で
き、該摩擦パッドの生産時に生じるコスト等を大幅に削
減できるようにしたディスクブレーキを提供することを
目的としている。
【0028】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、ディスクと対向するようにそれぞれシ
リンダが形成されたインナ側およびアウタ側のキャリパ
と、該各キャリパのシリンダ内に摺動可能に挿嵌された
ピストンによって前記ディスクの両面側を押圧するイン
ナ側およびアウタ側の摩擦パッドと、前記ディスクの径
方向外側に位置して各摩擦パッドの裏金に穿設されたピ
ン穴と、該各ピン穴を介して前記摩擦パッドをディスク
の軸方向に移動可能に支持すべく軸方向両端側が前記各
キャリパに取付けられ、中間部に前記各摩擦パッドが各
ピン穴を介して挿通される支持ピンとを備えたディスク
ブレーキに適用される。
【0029】そして、請求項1に記載の発明が採用する
構成の特徴は、前記支持ピンを各摩擦パッドの中央位置
に対して一定寸法だけオフセットさせるように前記各キ
ャリパに取付け、前記各摩擦パッドのピン穴を、該支持
ピンのオフセット量に対応して各摩擦パッドの長さ方向
に延びる長穴として形成したことにある。
【0030】これにより、インナ側の摩擦パッドは長穴
(ピン穴)の長さ方向一側で支持ピンを摺動可能に挿通
でき、アウタ側の摩擦パッドは長穴(ピン穴)の長さ方
向他側で支持ピンを摺動可能に挿通させることができ
る。そして、インナ側とアウタ側の摩擦パッドを同一形
状に形成でき、これらの摩擦パッドを支持ピンで支持し
つつ、各キャリパに対して確実に取付けることができ
る。
【0031】一方、長穴(ピン穴)を有する摩擦パッド
に替えて、前記摩擦パッドの長手方向中間部(中央位
置)に支持ピンと対応するように略円形状のピン穴を穿
設した場合には、このピン穴と支持ピンとの位置が一致
しないから、該支持ピンを前記ピン穴内に挿通させるこ
とは不可能となり、このように円形のピン穴が形成され
た摩擦パッドを前記各キャリパに誤って取付けてしまう
のを確実に防止することができる。
【0032】また、請求項2に記載の発明では、前記各
キャリパに、各摩擦パッドを各キャリパ内で前記ディス
クの軸方向に摺動可能に保持し、前記ディスクから各摩
擦パッドに伝わるトルクを受承するトルク受部を形成し
たことにある。
【0033】この結果、ブレーキ操作時には、各摩擦パ
ッドに作用するディスクからのトルクをトルク受部で受
承させることができ、このときのトルクが直接支持ピン
に作用するのを確実に防止することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0035】ここで、図1ないし図4は本発明の実施例
を示している。なお、本実施例では前述した図5ないし
図8に示す従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付
し、その説明を省略するものとする。
【0036】図中、21,22はアウタ側およびインナ
側のキャリパで、該キャリパ21は従来技術で述べたア
ウタ側のキャリパ2とほぼ同様に、キャリパ本体21
A、パッド収容溝21B、各シリンダ21C、衝合部2
1D、取付ブラケット21Eおよび衝合面21D1 等を
有している。また、インナ側のキャリパ22についても
従来技術で述べたキャリパ3とほぼ同様に、キャリパ本
体22A、パッド収容溝22B、各シリンダ22C、衝
合部22Dおよび衝合面(図示せず)等を有している。
しかし、キャリパ21,22のキャリパ本体21A,2
2Aは、後述するピン支持穴32,33の位置が従来の
ものとは異なっている。
【0037】23,23,…はキャリパ21,22のシ
リンダ21C,22C内にそれぞれ摺動可能に挿嵌され
たピストン(2個のみ図示)を示し、該各ピストン23
は従来技術で述べたピストン4とほぼ同様に形成されて
いるものの、該各ピストン23は図1に示す如く、その
開口端側が後述する摩擦パッド25,26の裏金27,
28に形成された各断熱膜29に直接当接させる構成と
なっている。
【0038】24,24,…はパッド収容溝21Bの両
側に位置してアウタ側のキャリパ21に形成されたトル
ク受部を示し、該各トルク受部24は従来技術で述べた
各トルク受部7と同様に形成され、インナ側のキャリパ
22についても同様に各トルク受部(図示せず)が形成
されている。そして、これらのトルク受部24等は摩擦
パッド25,26をそれぞれディスク1の軸方向に摺動
可能に案内しつつ、摩擦パッド25,26に作用するデ
ィスク1からのトルクを受承するものである。
【0039】25,26はディスク1のアウタ側および
インナ側にそれぞれ配設された摩擦パッドを示し、該摩
擦パッド25,26は図1ないし図4に示す如く、従来
技術で述べた摩擦パッド8,9と同様に、中心線A−A
に対して左,右対称な形状をなし、裏面側には裏金2
7,28がそれぞれ重なり合うように固着されている。
【0040】ここで、裏金27,28は、従来技術で述
べた裏金10,11とほぼ同様に形成され、係止部27
A,28Aを有しているものの、該裏金27,28の表
面には薄膜状の各断熱膜29がそれぞれ形成され、ブレ
ーキ操作時にディスク1と摩擦パッド25,26との間
で生じる摩擦熱等が各ピストン23側にそれぞれ伝わる
のを抑えるようにしている。また、各裏金27,28の
係止部27A,28Aには後述のピン穴30,31がそ
れぞれ穿設されている。
【0041】30,31は裏金27,28の係止部27
A,28Aにそれぞれ穿設されたピン穴を示し、該ピン
穴30,31は図2ないし図4に示す如く、外形が略長
円形状をなした長穴としてそれぞれ形成され、その長軸
側が後述する支持ピン34のオフセット量(寸法δ)に
対応し約2倍の長さ寸法をもって、摩擦パッド25,2
6の長さ方向(中心線A−Aに対して略直角方向)に延
びている。そして、このピン穴30,31は、前記中心
線A−Aに対して左,右対称に形成され、アウタ側の摩
擦パッド25はピン穴30(長穴)の一側で支持ピン3
4が挿通され、インナ側の摩擦パッド26ではピン穴3
1の他側に支持ピン34が挿通される。
【0042】32,33はキャリパ21,22のキャリ
パ本体21A,22Aにそれぞれ形成されたピン支持穴
を示し、該ピン支持穴32,33は従来技術で述べたピ
ン支持穴14,15とほぼ同様にそれぞれ貫通穴、有底
穴として形成されているものの、該ピン支持穴32,3
3は、図1および図2に示す如くその軸線O′−O′を
中心線A−Aに対して一定寸法δだけオフセットさせて
いる。
【0043】34は支持ピンで、該支持ピン34は従来
技術で述べた支持ピン16と同様に形成されているもの
の、該支持ピン34は、一端側がピン支持穴32内に嵌
着され、他端側はピン支持穴33内に抜止め状態で固着
されている。そして、支持ピン34は、前記ピン支持穴
32,33と同一の軸線O′−O′上に配設され、その
中間部で摩擦パッド25,26をピン穴30,31を介
して摺動可能に支持するようになっている。
【0044】本実施例によるディスクブレーキは上述の
如き構成を有するもので、その基本的作動については従
来技術によるものと格別差異はない。
【0045】然るに、本実施例では、摩擦パッド25,
26の外端部に該摩擦パッド25,26の中心線A−A
上から左,右に一定幅をもった係止部27A,28Aを
突設し、該係止部27A,28Aには摩擦パッド25,
26の長さ方向(中心線A−Aに対し略直角方向)に延
びるように長穴としてのピン穴30,31を穿設すると
共に、キャリパ21,22間にはピン支持穴32,33
を介して支持ピン34の両端側を取付け、該支持ピン3
4の軸線O′−O′を前記中心線A−Aに対して一定寸
法δだけオフセットさせることによって、支持ピン34
の中間部を摩擦パッド25,26にピン穴30,31を
介して摺動可能に挿通させたから、下記のような作用効
果を得ることができる。
【0046】即ち、各摩擦パッド25,26をキャリパ
21,22に取付けるときには、摩擦パッド25はピン
穴30の長さ方向一側で支持ピン34の中間部を挿通で
き、摩擦パッド26はピン穴31の長さ方向他側で支持
ピン34の中間部を挿通させることができる。そして、
アウタ側とインナ側の摩擦パッド25,26をそれぞれ
ピン穴30,31を含めて互いに同一形状に形成でき、
該摩擦パッド25,26を支持ピン34で支持しつつ、
パッド収容溝21B,22B内に確実に収容することが
できる。
【0047】一方、従来技術で述べた摩擦パッド8をキ
ャリパ21に組付けた場合には、図4に示す如く該摩擦
パッド8のピン穴12が略円形状をなし、該ピン穴12
に対して支持ピン34は寸法δ分だけオフセットされて
いるため、軸線O′−O′を有した支持ピン34をピン
穴12内に挿通させることが不可能となり、これによっ
て摩擦パッド25をパッド収容溝21B内に渡って収容
するのを確実に阻止できる。
【0048】また、従来技術で述べたキャリパ2,3の
うちの一方をキャリパ21,22のうちの一方に組付け
た場合には、該キャリパ21,22に形成されたピン支
持穴32,33の軸線O′−O′と、前記キャリパ2,
3に形成されたピン支持穴14,15の軸線O−Oとが
不一致の状態となるから、支持ピン34の両端側をピン
支持穴32,33およびピン支持穴14,15にそれぞ
れ挿通させることが不可能となり、これによってキャリ
パ2,3とキャリパ21,22とが異なる組み合わせで
互いに組付られるのを確実に阻止することができる。
【0049】従って、本実施例では、従来技術で述べた
摩擦パッド8,9の材質等を変更した場合には、当該摩
擦パッド25,26の如く、長穴としてのピン穴30,
31をピン穴12,13に替えて形成すると共に、図4
に例示したように支持ピン34の軸線O′−O′を前記
支持ピン16の軸線O−Oに対して一定寸法δだけオフ
セットさせることにより、摩擦パッド25,26の組付
時に、摩擦パッド8,9をキャリパ21,22に誤って
組付けてしまうのを確実に防止することができる。
【0050】この結果、摩擦パッド25,26を、ピン
穴30,31および支持ピン34を介してキャリパ2
1,22のパッド収容溝21B,22B内に確実に取付
けることができ、これによってキャリパ21,22に対
する前記摩擦パッド8,9の誤組付を確実に防止できる
と共に、摩擦パッド25,26の組付時の作業性を大幅
に向上でき、当該ディスクブレーキの生産性および品質
等を確実に向上させることができる。
【0051】また、このような前記摩擦パッド8,9の
誤組付を防止するために、従来技術で述べたように裏金
27,28の形状を変更して該裏金27,28を新しく
製作する必要をなくすことができると共に、キャリパ2
1,22のパッド収容溝21B,22Bの形状をこの裏
金に対応して変更する必要をなくすことができる。これ
によってキャリパ21,22用の金型および裏金27,
28用の金型等を新しく製作する手間を省くことがで
き、該裏金27,28の生産にかかるコスト等を確実に
低減することができる。
【0052】さらに、摩擦パッド25,26のピン穴3
0,31を、アウタ側とインナ側とでそれぞれの裏金2
7,28に対して同一の位置に穿設することができ、ピ
ン穴30,31を含めて裏金27,28を互いに同一形
状をもって形成することができるから、裏金27,28
の形成時には、裏金27,28用の金型を同一形状に形
成でき、余分な金型等を新しく製作する手間を省くこと
ができ、裏金27,28の生産コスト等を大幅に削減す
ることができる。また、裏金27,28の製作時に必要
な部品点数を効果的に削減することができから、このよ
うな部品の管理工数を確実に削減でき、裏金27,28
の生産効率等を大幅に向上させることができる。
【0053】さらにまた、キャリパ21,22の組付工
程では、作業者はキャリパ21,22のうちの一方をキ
ャリパ2,3のうちの一方に誤って組付けてしまうのを
確実に防止することができ、これによって例えば、キャ
リパ21,22の各シリンダ21C,22C内径とキャ
リパ2,3の各シリンダ2C,3C内径とが互いに異な
る寸法に設定された場合には、外径が互いに異なった各
ピストン4,23同士を互いに対向させてしまうのを確
実に防止することができ、当該ディスクブレーキの組立
て作業性や生産性を向上できる。
【0054】一方、ブレーキ操作時には、摩擦パッド2
5,26に作用するディスク1からのトルクを各トルク
受部24で受承させることができ、このトルクが直接支
持ピン34に作用するのを確実に防止することができ
る。これによって、支持ピン34が前記ディスク1から
のトルクを摩擦パッド25,26のピン穴30,31側
から直接受承してしまうのを確実に防止することがで
き、支持ピン34の寿命、耐久性等を著しく向上させる
ことができる。
【0055】また、ピン穴30,31を長穴として形成
することにより、摩擦パッド25,26用の金型部位の
うち、ピン30,31の形状を型取った部位をより大き
くして形成できるから、該金型の寿命等を確実に延ばす
ことができる。
【0056】なお、前記実施例では、各ピストン23を
それぞれ2個設けるものとして述べたが、これに替えて
3個以上設けてもよいし、また1個にしてもよい。
【0057】また、前記実施例では、ディスクブレーキ
を二輪車に適用するものとして述べたが、本発明はこれ
に限らず、例えば、自動車や自転車等の他の車両等にも
適用できるものである。
【0058】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、請求
項1に記載の如く、支持ピンを各摩擦パッドの中央位置
に対して一定寸法だけオフセットさせるように各キャリ
パに取付け、前記各摩擦パッドのピン穴を、該支持ピン
のオフセット量に対応して各摩擦パッドの長さ方向に延
びる長穴として形成したから、各摩擦パッドの材質等を
変更した場合には、前記ピン穴に替えて支持ピンの外形
と対応するように略円形状のピン穴を、この摩擦パッド
の長さ方向中間部に形成することにより、該摩擦パッド
の各キャリパへの誤組付を確実に防止することができ
る。そして、このキャリパに対して当該各摩擦パッドを
ピン穴および支持ピンを介して確実に組付けることがで
き、これによって該各摩擦パッドの組付時の作業性を効
果的に向上でき、当該ディスクブレーキの生産性および
品質等を確実に向上させることができる。
【0059】また、このような材質等を変更した他の摩
擦パッドの誤組付を防止するために、従来技術で述べた
ように各裏金等の形状を変更する必要をなくすことがで
き、これによって前記各裏金用の金型等を新しく製作す
る手間を省くことができ、該各裏金の生産時にかかるコ
スト等を確実に低減することができる。
【0060】さらに、各摩擦パッドに穿設された長穴と
しての各ピン穴は、外形を該各摩擦パッドの長さ方向中
間位置に対して左右対称に形成できるから、インナ側と
アウタ側の摩擦パッドを各ピン穴を含めて互いに同一形
状に形成するこができる。これによっても、各摩擦パッ
ドの形成時には該各摩擦パッド用の金型を同一形状に形
成でき、余分な金型等を新しく製作する手間を省くこと
ができ、各摩擦パッドの生産コスト等を大幅に削減する
ことができる。また、各摩擦パッドの製作に必要な部品
点数を効果的に削減することができるから、このような
部品の管理工数を確実に削減でき、各摩擦パッドの生産
効率等を大幅に向上させることができる。
【0061】さらにまた、各キャリパの組付工程では、
作業者はキャリパを従来技術で述べたように、該キャリ
パに対してシリンダの内径等が異なる他のキャリパに誤
って組付けてしまうのを確実に阻止することができ、こ
れによって外径等が互いに異なった各ピストン同士を互
いに対向させてしまうのを確実に防止することができ、
当該ディスクブレーキの組立て作業性や生産性等を大幅
に向上させることができる。
【0062】また、請求項2に記載の発明では、ブレー
キ操作時に、各摩擦パッドに作用するディスクからのト
ルクをトルク受部で受承させることができ、該トルクが
直接ピンに作用するのを確実に防止することができる。
これによって、支持ピンが前記ディスクからのトルクを
摩擦パッドのピン穴側から直接受承してしまうのを確実
に防止することができ、支持ピンの寿命、耐久性等を著
しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるディスクブレーキを示す
縦断面図である。
【図2】ディスクを取外した状態で示す図1中の矢示II
−II方向断面図である。
【図3】図2中の摩擦パッドおよび裏金を拡大して示す
正面図である。
【図4】誤組付の防止効果を説明するために他の摩擦パ
ッドと共に示す図2の要部拡大図である。
【図5】従来技術によるディスクブレーキを示す正面図
である。
【図6】図5中のディスクブレーキを示す平面図であ
る。
【図7】図5中の矢示VII −VII 方向拡大断面図であ
る。
【図8】図6中の矢示 VIII −VIII方向断面図である。
【符号の説明】
1 ディスク 21,22 キャリパ 21B,22B パッド収容溝 21C,22C シリンダ 23 ピストン 24 トルク受部 25,26 摩擦パッド 27,28 裏金 30,31 ピン穴 32,33 ピン支持穴 34 支持ピン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクと対向するようにそれぞれシリ
    ンダが形成されたインナ側およびアウタ側のキャリパ
    と、該各キャリパのシリンダ内に摺動可能に挿嵌された
    ピストンによって前記ディスクの両面側を押圧するイン
    ナ側およびアウタ側の摩擦パッドと、前記ディスクの径
    方向外側に位置して各摩擦パッドの裏金に穿設されたピ
    ン穴と、該各ピン穴を介して前記摩擦パッドをディスク
    の軸方向に移動可能に支持すべく軸方向両端側が前記各
    キャリパに取付けられ、中間部に前記各摩擦パッドが各
    ピン穴を介して挿通される支持ピンとを備えたディスク
    ブレーキにおいて、 前記支持ピンは各摩擦パッドの中央位置に対して一定寸
    法だけオフセットさせるように前記各キャリパに取付
    け、前記各摩擦パッドのピン穴は、該支持ピンのオフセ
    ット量に対応して各摩擦パッドの長さ方向に延びる長穴
    として形成したことを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 【請求項2】 前記各キャリパには、各摩擦パッドを各
    キャリパ内で前記ディスクの軸方向に摺動可能に保持
    し、前記ディスクから各摩擦パッドに伝わるトルクを受
    承するトルク受部を形成してなる請求項1に記載のディ
    スクブレーキ。
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