JPH09228976A - 多段ポンプ - Google Patents

多段ポンプ

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JPH09228976A
JPH09228976A JP3219496A JP3219496A JPH09228976A JP H09228976 A JPH09228976 A JP H09228976A JP 3219496 A JP3219496 A JP 3219496A JP 3219496 A JP3219496 A JP 3219496A JP H09228976 A JPH09228976 A JP H09228976A
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Toshiya Nakamura
敏也 中村
Satoru Shinpo
悟 新保
Masayuki Abe
正幸 阿部
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Kawamoto Pump Mfg Co Ltd
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Kawamoto Pump Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】部品点数が少なくなり、組立てに手間を要さ
ず、隙間腐食や応力腐食の発生もなく、寿命特性に優れ
かつ安価に製造できる多段ポンプを提供する。 【解決手段】吸込ケーシング4と吐出ケーシング5の間
に設けられる中間ケーシング8が、円筒周壁21および
これに連なる仕切り壁22を一体に有する板金製のケー
シング本体20と、上記ケーシング本体20に固定され
るとともに案内羽根33を備えた導水通路34を有しか
つインペラ10に摺接されるブッシュ部37およびライ
ナリング部35を一体に有する合成樹脂製のガイドベー
ン部30とで構成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、深井戸用水中ポン
プなどに適用される多段ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】深井戸用水中ポンプなどに使用されてい
る多段ポンプは、吸込ケーシングと吐出ケーシングの間
に複数の中間ケーシングを連設するとともに、これら中
間ケーシングにそれぞれインペラを設置し、下端に配置
した水中モータにより上記各インペラを回転駆動して揚
水するように構成されている。
【0003】上記中間ケーシングは、インペラを収容す
る円筒周壁部と、このインペラで加圧された水(液体)
を次段の中間ケーシングまたは吐出ケーシングに送るた
めのガイドベーン部を有し、ガイドベーン部は径方向に
伸びる複数の案内羽根を有してこれら案内羽根により周
方向に区画された複数の導水通路を備えている。
【0004】このような構造の中間ケーシングは、従
来、鋳造製が多かった。しかしながら、鋳造製の中間ケ
ーシングは、鋳造成形性を良くするために肉厚となり、
ポンプ全体が大型でかつ重くなる。また鋳肌が粗いため
に水の流動抵抗が大きくなり、ポンプ特性が低下する。
さらに、鋳物であるから生産性に劣る。
【0005】そして、この種の中間ケーシングは、イン
ペラとの間のシール性を保つためにインペラに摺接され
るゴムや合成樹脂製のブッシュおよびライナリングを必
要とするが、これらゴムや合成樹脂製のブッシュおよび
ライナリングは別部品となり、部品点数が増えるばかり
でなく、これらブッシュおよびライナリングを中間ケー
シングに接合するのに手間を要するなどの問題がある。
【0006】このようなことから、中間ケーシング全体
を合成樹脂にて構成したものもある。しかし、合成樹脂
製の中間ケーシングは機械的強度が十分でなく、内圧の
高いポンプの場合は補強を兼ねて複数の中間ケーシング
を金属パイプ製の外套ケーシングで囲う構造を必要とし
ている。しかし、外套ケーシングは両端がねじ込み式に
なっており、組立てや分解がし難く、特に水中で使用す
ると錆が発生し、錆び付いた場合は分解がほとんど不可
能になる。そして、この場合もブッシュおよびライナリ
ングが別部品であり、部品点数が増えるばかりでなく、
これらブッシュおよびライナリングを樹脂製の中間ケー
シングに接合するのに手間を要するなどの不具合があ
る。
【0007】さらに最近では、ステンレスなどの板金を
プレス加工して複数のパーツを成形し、これらを溶接す
ることにより中間ケーシングを構成したものが開発され
ている。すなわち、従来の板金製中間ケーシングを図5
にもとづき説明する。図5に示す板金製中間ケーシング
50は、ステンレスなどの板金をプレス加工して形成さ
れたケーシング本体51と、案内羽根52…と、端板5
3を有している。ケーシング本体51は、一端が開口さ
れた円筒周壁54およびこの円筒周壁54の他端に連な
る仕切り壁55を一体に有し、仕切り壁55の中心には
導入孔56が開口されている。上記仕切り壁55の上面
には周方向に離間して複数の案内羽根52…が溶接され
ている。これら案内羽根52…もステンレスなどの板金
をプレス加工し、外径に向かって次第に周方向へ曲がる
湾曲形状をなしている。そして、これら案内羽根52…
の上端に前記端板53が溶接されている。端板53もス
テンレスなどの板金をプレス加工したものであり、中心
には挿通孔57が開口されている。上記仕切り壁55
と、複数の案内羽根52…と、端板53とでガイドベー
ン部58を構成しており、このガイドベーン部58は上
記仕切り壁55と、複数の案内羽根52…と、端板53
とで囲まれた空間により導水通路59…が形成されてい
る。これら導水通路59…は、中心側が上記導入孔56
に連通し、外径に向かって次第に湾曲しつつ広がった形
状をなしており、外周端部が開放されている。そして、
上記導入孔56の内周部にはゴムまたは樹脂製のライナ
リング60が接合されているとともに、挿通孔57には
ゴムまたは樹脂製のブッシュ61が接合されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の板金製中間ケーシング50は、それぞれ別個にプレ
ス加工したケーシング本体51と、案内羽根52…と、
端板53を相互に溶接してガイドベーン部58を構成し
ているため、組立てに手間を要する。また、案内羽根5
2…は複雑な湾曲形状であるため板厚の大きな板金を使
用できず、このため機械的強度が低下し、砂などが当た
ると早期に摩耗する。さらに、ガイドベーン部58は多
数の溶接箇所があり、合せ面に隙間が生じ易く、ポンプ
特性が低下するとともに隙間腐食が発生し易い。そして
また、急激な曲り箇所があるので、ステンレス材料の場
合は応力腐食による割れを発生し易い。そしてまた、こ
の場合もブッシュおよびライナリングは別部品であり、
部品点数が増えるばかりでなく、これらブッシュおよび
ライナリングを板金製中間ケーシングに接合するのに手
間を要するなどの不具合もある。
【0009】一方、この種の中間ケーシング50は、複
数の中間ケーシング50を繋いで多段ポンプを構成する
ものであるから複数の中間ケーシング50を相互に当接
して連結するようになっている。この場合、中間ケーシ
ング相互の位置決めが必要になり、そこで、図5に示す
通り、ケーシング本体51の開口端部には嵌合端部70
が形成されているとともに、他端の角部には隣接する中
間ケーシング50の嵌合端部70が当接して位置決めさ
れる位置決め凹部71が形成されている。
【0010】従来の場合、ケーシング本体51の板厚が
0.6mm〜0.8mm程度と薄いことから、嵌合端部70
はその強度を確保するため図示のように断面がほぼS字
状に屈曲成形された形状をなしており、また反対側の位
置決め凹部71は上記嵌合端部70が嵌まり込むように
内側に凹んだ段差状に加工してある。
【0011】しかしながら、このようなケーシング本体
51の形状は、形状が複雑であることからプレス加工の
工数が多く、金型を多く必要とし、製造コストが高くな
る。また、形状が複雑なことから、逆に板厚を厚くでき
ず、砂などが当たって摩耗し易くなる。さらに、嵌合端
部70の形状が複雑であるため寸法精度が低くなり、隣
接する中間ケーシング50相互の嵌合端部70と位置決
め凹部71との位置合せの精度が低下し、水の漏れが発
生し易い。位置決め精度が低いと、中間ケーシング50
が傾き、軸受に偏荷重が作用して偏摩耗などを生じ、寿
命が短くなるなどの不具合がある。
【0012】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、その目的とするところは、中間ケーシングの
部品点数が少なくなり、組立てに手間を要さず、隙間腐
食や応力腐食の発生もなく、寿命特性に優れかつ安価に
製造できる多段ポンプを提供しようとするものである。
また、本発明は、中間ケーシングの形状精度が高くな
り、強度も高く、漏れなどの発生が少ない多段ポンプを
提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の発明は、吸込ケーシングと吐出ケーシングの
間に複数の中間ケーシングを設け、これら中間ケーシン
グにそれぞれインペラを設置した多段ポンプにおいて、
上記中間ケーシングは、一端が開口された円筒周壁およ
びこの円筒周壁の他端に連なる仕切り壁を一体に有する
板金製のケーシング本体と、上記ケーシング本体の仕切
り壁に固定され、案内羽根を有する導水通路を備えると
ともにインペラに摺接されるブッシュ部およびライナリ
ング部を一体に形成した合成樹脂製のガイドベーン部
と、を具備することを特徴とする。
【0014】請求項1の発明によれば、中間ケーシング
のガイドベーン部が合成樹脂製であるから成形が容易で
あり、しかもこのガイドベーン部にブッシュ部およびラ
イナリング部が一体に形成されているから部品点数が少
なく、組付けや接合の手間が少なくなる。また、ガイド
ベーン部に溶接箇所や板金による曲げ箇所がないから応
力腐食などの心配がなく、また隙間もないから隙間腐食
の発生もない。さらに、ケーシング本体は単純な形状で
あり、板厚の厚い板金でもプレス加工により容易に成形
できるから、肉厚を大きくすることができ、強度が向上
する。このようなことから寿命特性に優れ、安価に製造
できる。
【0015】請求項2の発明は、請求項1に記載の多段
ポンプにおいて、上記ガイドベーン部は弾性変形可能な
合成樹脂にて形成されていることを特徴とする請求項1
に記載の多段ポンプである。
【0016】請求項2の発明によれば、ガイドベーン部
が弾性変形可能な合成樹脂にて形成されているから、砂
などが接触しても摩耗が少なく、しかも、ブッシュ部お
よびライナリング部が弾性変形可能であり、インペラに
摺接して本来の機能を発揮することができる。
【0017】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2に記載の多段ポンプにおいて、上記ケーシング本体
は、円筒周壁の一端開口部に、縮径壁が形成されている
とともにこの縮径壁の端面に上記ケーシング本体の軸線
と垂直となる開口端面が形成されてなる嵌合端部を設
け、かつ仕切り壁の周縁部に、隣接する中間ケーシング
の嵌合端部が当接される位置決め凹部を形成してあるこ
とを特徴とする。
【0018】請求項3の発明によれば、円筒周壁の一端
開口部に形成された嵌合端部が、縮径壁の端面にケーシ
ング本体の軸線と垂直となる開口端面を形成した構造で
あるから、開口端面の面積を大きく形成することがで
き、位置決め凹部に対する当接面積が大きくなり、この
当接箇所からの水漏れが少なくなる。開口端部は傾斜ま
たは湾曲形状による縮径壁となっているから、複数の中
間ケーシングを連ねて締付けバンドなどで締付けた場
合、この端部が外側に変形することがない。また、この
ような形状のケーシング本体は、全体の形状が単純であ
り、プレス加工の工数が少ないとともに金型も少なくて
すみ、製造コストが安くなる。さらに、形状が単純であ
れば板厚の厚い板金を加工することができ、板厚が厚く
なれば嵌合端部の強度が高くなり、かつ全体の強度が高
くなり、変形などの不具合を回避することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明について、図1ないし
図4に示す一実施の形態にもとづき説明する。図1は深
井戸用多段水中ポンプの構造を示す断面図、図2は中間
ケーシングの構造を示す図、図3は図2の III部を拡大
した断面図、図4は図2の IV部を拡大した断面図あ
る。
【0020】図1において、1は水中モータであり、こ
の水中モータ1には軸継手2を介して主軸3が連結され
ている。4は吸込ケーシングであり、5aは吐出ケーシ
ングA、5bは吐出ケーシングBである。吐出ケーシン
グ5aには軸受6が取り付けられており、この軸受6に
は上記主軸2の上端が軸支されている。また、この吐出
ケーシング5aには弁体7が設けられている。
【0021】上記吸込ケーシング4と吐出ケーシング5
aとの間には、複数個の中間ケーシング8…が連設され
ている。中間ケーシング8…については後で説明する
が、これら吸込ケーシング4と吐出ケーシング5aおよ
び複数個の中間ケーシング8…は、締付バンド9により
軸方向に締め付けられて相互に連結されている。
【0022】10はインペラであり、それぞれ上記中間
ケーシング8…に収容されているとともに上記主軸2に
固定されて駆動されるようになっている。11はストレ
ーナ、12は電源ケーブルである。
【0023】上記中間ケーシング8は図2ないし図4に
示すように構成されている。すなわち、中間ケーシング
8は図2に示す通り、板金製のケーシング本体20と合
成樹脂製のガイドベーン部30とで構成されている。
【0024】ケーシング本体20は板厚が1.0mm〜
3.0mm、好ましくは2.0mm程度の板金、例えばステ
ンレス板からなり、プレス加工により図2の(B)図に
示すように、下端が開口された円筒周壁21と、これに
連なる上部の仕切り壁22を一体に有している。仕切り
壁22には、周方向に沿って複数の係合孔23…が形成
されているとともに、中央に導入孔24が開口されてい
る。
【0025】また、上記ケーシング本体20は、円筒周
壁21の下端開口部が嵌合端部25になっているととも
に、円筒周壁21の上端と仕切り壁22の境界となる角
部に、仕切り壁22の周縁部に位置して位置決め凹部2
6が形成されている。
【0026】嵌合端部25は、図3に示す通り、円筒周
壁21の下端部を絞った縮径壁27を有しており、この
縮径壁27は開口端側が内側に向かう傾斜壁または曲面
壁により形成されている。そしてこの縮径壁27の端
面、つまり円筒周壁21の下端開口面28は、上記ケー
シング本体20の軸線に対して垂直な切断面となってい
る。この下端開口面28は、縮径壁27に対してケーシ
ング本体20の軸線に対して垂直に切断した面であるか
ら、図3の右図に示す直線壁27aをケーシング本体2
0の軸線に対して垂直に切断した面28aに比べて面積
が大きくなっている。
【0027】また、仕切り壁22の周縁部に形成された
位置決め凹部26は、図4に示す通り、板金を曲げ加工
することなく、単に圧印して肉厚を薄くして形成されて
いる。
【0028】このようなケーシング本体20に対し、合
成樹脂製のガイドベーン部30は、ゴム系またはエラス
トマー(弾性)系の樹脂、例えばニトリル系樹脂にて形
成されており、上記仕切り壁22に取付けられる取付け
基部31と、端板部32と、これら取付け基部31およ
び端板部32との間に形成された複数の案内羽根33…
とを一体に有している。そして、これら取付け基部31
と端板部32および複数の案内羽根33…によって周方
向に伸びる複数の導水通路34…が形成されている。さ
らに、取付け基部31の中央にはライナリング部35が
一体に形成されており、端板部32の中央に開口された
挿通孔36の内周にはブッシュ部37が一体に形成され
ている。
【0029】このようなガイドベーン部30は上記ケー
シング本体20に対し、取付け基部31が仕切り壁22
に対してモールド成形により固着されることにより取付
けられている。すなわち、ガイドベーン部30を型成形
するときにケーシング本体20の仕切り壁22を成形型
に収容し、この成形型に樹脂材料を流し込むと、取付け
基部31が成形される時にこの取付け基部31がケーシ
ング本体20の仕切り壁22を包み込むようになり、よ
ってこの取付け基部31は仕切り壁22に固着される。
なお、このとき仕切り壁22に形成した複数の係合孔2
3…に樹脂が流れ込んでこれが固化することから、取付
け基部31は仕切り壁22から外れるのが防止される。
【0030】このような構成の中間ケーシング8は、図
1に示すように組付けられ(なお図1の中間ケーシング
8の姿勢と図2の中間ケーシング8の姿勢は上下逆転し
て示されている)、ケーシング本体20の円筒周壁21
にはインペラ10が収容される。そして、インペラ10
の開口壁部にはライナリング部35に摺接するととも
に、インペラ10のボス部にはブッシュ部37が摺接す
るようになっている。
【0031】このような構成の中間ケーシング8によれ
ば、ケーシング本体20が板金をプレス加工して得られ
るから成形が容易である。しかも、このケーシング本体
20は円筒周壁21と仕切り壁22とで形成された簡単
な形状であるからプレス加工が容易であり、板厚の厚い
ステンレス板であっても容易に加工することができる。
【0032】板厚が厚いと機械的強度が高くなり、吸込
ケーシング4と吐出ケーシング5aの間に複数個の中間
ケーシング8…を軸方向に繋いで締付バンド9により締
め付けても、中間ケーシング8…が変形したり、曲がっ
て連結されるなどの不具合を回避することができる。さ
らに、砂などに対する衝撃にも強くなる。
【0033】このようなケーシング本体20に対し、ガ
イドベーン部30は合成樹脂により形成されているから
成形が容易である。すなわち、このガイドベーン部30
は、取付け基部31、端板部32および複数の案内羽根
33…を一体に有しており、これら取付け基部31と端
板部32および複数の案内羽根33…によって周方向に
伸びる複数の導水通路34…が一体成形されているの
で、図5に示す従来の中間ケーシング50のガイドベー
ン部58に比べて成形が容易である。しかも、格別な溶
接箇所がないから組付け手間が省け、安価に製造でき
る。また、溶接箇所や板金の曲げ箇所もないので応力腐
食が発生する心配もない。さらに、取付け基部31と端
板部32および複数の案内羽根33…の各間に隙間がな
いことから隙間腐食の発生もない。
【0034】ガイドベーン部30をゴム系またはエラス
トマー(弾性)系の樹脂材料で形成すれば、取付け基部
31の中央にライナリング部35を一体に形成するとと
もに、端板部32の中央部にブッシュ部37を一体に形
成することができ、これらライナリング部35およびブ
ッシュ部37を別部品で構成する場合に比べて部品点数
が少なくてすみ、取付け作業も不要であるから、この点
からもコスト安が実現できる。また、ガイドベーン部3
0をゴム系またはエラストマー(弾性)系の樹脂材料で
形成すると、砂などが混在された水であっても、摩耗を
軽減することができ、寿命特性も向上する。そして、こ
のような樹脂製ガイドベーン部30はケーシング本体2
0に対してモールド成形により固着させることができる
ので強固な固定が可能になり、かつ接合作業も容易であ
る。
【0035】さらに、上記のような中間ケーシング8
は、板金製ケーシング本体20と樹脂製ガイドベーン部
30とで構成されているから、重量が軽くなり、ポンプ
全体の重量を軽量化でき、また水の接する面の肌が滑ら
かであるから水の流動抵抗が小さく、ポンプ特性が良好
になる。
【0036】そしてまた、複数の中間ケーシング8…を
図1のように連結した場合、板金製ケーシング本体20
同士で締付け荷重を受けるから、ガイドベーン部30に
大きな締付け荷重は加わらず、よってガイドベーン部3
0を合成樹脂で成形することが可能になる。
【0037】複数の中間ケーシング8…を図1のように
連結した場合、ケーシング本体20同士が衝合されるか
ら相互に位置決めが必要になる。本実施の形態のケーシ
ング本体20は、図3に示す通り、円筒周壁21の開口
部に縮径壁27を形成するとともにこの縮径壁27の端
面に上記ケーシング本体20の軸線と垂直となる開口端
面28を形成してなる嵌合端部25を設け、仕切り壁2
2の周縁部に位置決め凹部26を形成してあるから、隣
接する中間ケーシング8…相互はこれら嵌合端部25と
位置決め凹部26との嵌合により相互の位置決めをなす
ことができる。
【0038】この場合、開口端面28は、縮径壁27の
端面をケーシング本体20の軸線と垂直となるように切
断した面で形成されるから、この開口端面28の面積を
大きくすることができる。すなわち、図3に示す直線形
状の端部壁27aに開口端面28aを形成した場合に比
べ、縮径壁27の端面をケーシング本体20の軸線と垂
直となる開口端面28を形成する方が開口端面の面積が
大きくなる。このため、位置決め凹部26に対する当接
面積が大きくなり、この当接箇所から水漏れが生じるの
を抑止することができる。よって、格別なシール材を用
いる必要もない。
【0039】さらに、直線形状の端部壁27aの場合は
想像線で示すように外側に変形する心配があるが、本例
の端部壁は内側に向かう傾斜または湾曲の縮径壁27と
なっているから、複数の中間ケーシング8…を連ねて締
付けバンド9で締付けた場合、この端部が外側に変形す
ることがない。
【0040】位置決め凹部26は、圧印加工にて肉厚を
薄くすることにより成形可能であるから、ケーシング本
体20のプレス加工時に同時に加工することができる。
よって、ケーシング本体20の全体の形状が単純にな
り、プレス加工の工数が少ないとともに金型も少なくて
すみ、製造コストを安くすることができる。
【0041】さらに、形状が単純であるから板厚の厚い
板金を用いてもプレス加工することができ、板厚が厚く
なれば嵌合端部25の強度が高くなるばかりでなく、ケ
ーシング本体20全体の強度も高くなり、変形などの不
具合を回避することができる。
【0042】そして、ケーシング本体20の板厚を1.
0mm以上3.0mm以下の板金、好ましくは2.0mmの板
金で形成すれば、位置決め凹部26の圧印加工が無理な
く行えるとともに、逆に嵌合端部25を縮径壁27およ
び開口端面28とで構成することも可能になる。
【0043】なお、上記実施の形態では、深井戸用水中
ポンプについて説明したが本発明はこれに限らず、要す
るに中間ケーシングを備えた多段ポンプであれば、その
他の構成や用途に制約されるものではない。また、合成
樹脂製ガイドベーン部30を板金製ケーシング本体20
に固定する手段は、モールド成形に限らず、接着やその
他の機械的結合であってもよい。
【0044】さらにまた、ケーシング本体20に形成さ
れる位置決め凹部26は圧印加工に限らず、従来の位置
決め凹部71と同様に曲げ加工であっても、一般の機械
加工であってもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、中間ケーシングを板金製ケーシング本体と合成樹
脂製ガイドベーン部とで構成したから、部品点数が少な
くなり、組立てに手間を要さず、隙間腐食や応力腐食の
発生もなく、寿命特性に優れかつ安価に製造できる。
【0046】また、請求項2の発明によれば、ガイドベ
ーン部を弾性変形可能な合成樹脂で形成したから耐摩耗
性が向上し、寿命特性が良好になる。請求項3の発明に
よれば、嵌合端部を、縮径壁の端面にケーシング本体の
軸線と垂直となる開口端面を形成した構造にしたから、
単純な構造でありながら開口端面の面積を大きく形成す
ることができ、位置決め凹部に対する当接面積が大きく
なり、この当接箇所からの水漏れが少なくなる。また、
縮径壁であれば、複数の中間ケーシングを連ねて締付け
バンドなどで締付けた場合、この端部が外側に変形する
ことがない。そして、このような形状のケーシング本体
は、全体の形状が単純になり、プレス加工の工数が少な
いとともに金型も少なくてすみ、製造コストが安くな
る。さらに、形状が単純であれば板厚の厚い板金を加工
することができ、板厚が厚くなれば嵌合端部の強度が高
くなり、かつ全体の強度が高くなり、変形などの不具合
を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す深井戸用多段水中
ポンプの構成を示す断面図。
【図2】同実施の形態の中間ケーシングの構成を示し、
(A)図は上面図、(B)図は断面図、(C)図は下面
図。
【図3】図2の(B)図中 III部を拡大した断面図。
【図4】図2の(B)図中 IV部を拡大した断面図。
【図5】従来の板金製中間ケーシングの構成を示し、
(A)図は上面図、(B)図は断面図。
【符号の説明】
1…水中モータ 3…主軸 4…吸込ケーシング 5a、5b…吐出ケーシング 8…中間ケーシング 10…インペラ 20…板金製ケーシング本体 21…円筒周壁 22…仕切り壁 25…嵌合端部 26…位置決め凹部 27…縮径壁 28…端面 30…合成樹脂製ガイドベーン部 31…取付け基部 32…端板部 33…案内羽根 34…導水通路 35…ライナリング部 37…ブッシュ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸込ケーシングと吐出ケーシングの間に
    複数の中間ケーシングを設け、これら中間ケーシングに
    それぞれインペラを設置した多段ポンプにおいて、 上記中間ケーシングは、 一端が開口された円筒周壁およびこの円筒周壁の他端に
    連なる仕切り壁を一体に有する板金製のケーシング本体
    と、 上記ケーシング本体の仕切り壁に固定され、案内羽根を
    有する導水通路を備えるとともにインペラに摺接される
    ブッシュ部およびライナリング部を一体に形成した合成
    樹脂製のガイドベーン部と、 を具備することを特徴とする多段ポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の多段ポンプにおいて、 上記ガイドベーン部は弾性変形可能な合成樹脂にて形成
    されていることを特徴とする多段ポンプ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の多段ポ
    ンプにおいて、 上記ケーシング本体は、 円筒周壁の一端開口部に、縮径壁が形成されているとと
    もにこの縮径壁の端面に上記ケーシング本体の軸線と垂
    直となる開口端面が形成されてなる嵌合端部を設け、か
    つ仕切り壁の周縁部に、隣接する中間ケーシングの上記
    嵌合端部が当接される位置決め凹部を形成してあること
    を特徴とする多段ポンプ。
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