JPH09227875A - 石炭の予熱方法 - Google Patents

石炭の予熱方法

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JPH09227875A
JPH09227875A JP5686296A JP5686296A JPH09227875A JP H09227875 A JPH09227875 A JP H09227875A JP 5686296 A JP5686296 A JP 5686296A JP 5686296 A JP5686296 A JP 5686296A JP H09227875 A JPH09227875 A JP H09227875A
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gas
preheating
temperature
heated gas
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Kazuma Amamoto
和馬 天本
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Kansai Coke and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の予熱温度よりも相当程度高温に石炭を
予熱しているにもかかわらず、予熱装置の閉塞の防止、
微粉化の抑制、コークス炉への安定搬送、酸化による石
炭のコークス化性の低下の防止、コークス炉中での石炭
の溶融性の確保が図られ、もってコークス強度を低下さ
せることなくコークス炉における熱負荷を改善すること
のできる石炭の予熱方法を提供することを目的とする。 【解決手段】石炭を加熱ガスと接触させて熱交換するこ
とにより予熱するにあたり、その予熱を、(a) 上記接触
を加熱ガス流に石炭を同伴させることにより行うこと、
(b) 上記加熱ガス中の酸素濃度を3%未満に制御するこ
と、および、(c)上記接触を加熱ガス中にタールを気化
させた状態で行うこと、(d) 上記熱交換により石炭温度
を340〜400℃にもたらすこと、の条件を全て満足
するようにして行う。この場合、さらに、(e) 上記接触
を加圧条件下に行うこと、の条件を満足することが特に
望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冶金用コークスの製
造のために石炭をコークス炉に装入するに先立ち、その
石炭を加熱ガスと接触させて熱交換することにより予熱
する方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冶金用コークスの製造プロセスにおいて
は、コークス炉に装入する前に原料石炭を事前に200
℃程度に予熱する技術が知られている。予熱工程で原料
石炭の昇温速度をできるだけ速くすることにより、コー
クス炉で効率的に乾留がなされるのみならず、原料石炭
のコークス化性を改善することが期待できるからであ
る。
【0003】たとえば、「石炭 化学と工業、増補版、
三共出版株式会社発行、昭和59年3月1日第3版(増
補版)発行」の309頁の12〜15行には、流動法に
よって原料炭および非粘結炭のあるいは一般炭の一部ま
たは全量を、200〜300℃に予熱してコークス炉へ
装入することにより、石炭の使用範囲の拡大、強粘結炭
の節減および乾留時間の短縮によるコークス炉の生産性
向上が期待されるとしている。同文献の310頁の9〜
10行には、装入炭を200℃前後に予熱後に装入する
方法が実際に採用されているとの記載もある。
【0004】なおこの文献の図7.43には、流動層乾
燥装置により石炭を乾燥してコークス炉へ装入するとき
のフローシート、図7.44には、燃焼室で燃料ガスを
空気で燃焼させて400〜650℃の加熱ガスを製造
し、その加熱ガスで石炭を流動乾燥予熱器で予熱し、サ
イクロンおよび予熱炭受槽を経てからコークス炉に装入
する予熱炭パイプチャージのフローシートが示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上に述べたように、従
来の予熱法にあっては、流動法により石炭温度を200
℃程度に予熱している(予熱のためのガス自体の温度は
400〜600℃というように高温にしている)。ただ
し200℃程度と言っても、流動法によるので石炭温度
には分布がある。
【0006】石炭温度を200℃程度にとどめ、それ以
上の高温にはしない理由は、 イ.石炭をその軟化溶融温度まで予熱すると、石炭が軟
化溶融または発泡して予熱装置を閉塞するおそれがある
こと、 ロ.石炭をその軟化溶融温度まで予熱すると、石炭中の
揮発分が一部脱離して石炭がチャー化し、コークス炉中
での溶融性が損なわれてコークスの品質が低下するこ
と、 ハ.高温で予熱すると、有機物である石炭は酸化性ガス
により容易に酸化され、その酸化反応は温度上昇と共に
急速に進行し、コークス化性を低下させること、 ニ.軟化溶融温度付近まで予熱された石炭をコークス炉
へ安定搬送することが困難であること、 ホ.石炭を高温にまで予熱すると、熱衝撃により石炭粒
子が熱割れして微粉化し、コークス炉での装入密度が低
下してコークス強度が低下すること、などの問題点があ
るからである。
【0007】このような理由から、流動法による石炭温
度は200℃程度かそれを余り高くは越えない温度に設
定されているが、上記のような問題点を生ずることなく
予熱温度をさらに高めることができれば、コークス炉に
おいて一段と効率的な乾留がなされかつ石炭のコークス
化性をさらに改善することができる。
【0008】本発明は、このような背景下において、従
来の予熱温度よりも相当程度高温に石炭を予熱している
にもかかわらず、石炭の軟化溶融または発泡に基く予熱
装置の閉塞が防止され、熱衝撃による微粉化も抑制さ
れ、予熱石炭のコークス炉への安定搬送が確保され、酸
化による石炭のコークス化性の低下が防止され、コーク
ス炉中での石炭の溶融性も確保することができ、もって
コークス強度を低下させることなくコークス炉における
熱負荷を改善することのできる石炭の予熱方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の石炭の予熱方法
は、冶金用コークスの製造のために石炭をコークス炉に
装入するに先立って、その石炭を加熱ガスと接触させて
熱交換することにより予熱するにあたり、その予熱を、
(a) 上記接触を加熱ガス流に石炭を同伴させることによ
り行うこと、(b) 上記加熱ガス中の酸素濃度を3%未満
に制御すること、および、(c) 上記接触を加熱ガス中に
タールを気化させた状態で行うこと、(d) 上記熱交換に
より石炭温度を340〜400℃にもたらすこと、の条
件を全て満足するようにして行うことを特徴とするもの
である。この場合、さらに、(e) 上記接触を加圧条件下
に行うこと、の条件も満足することが特に望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0011】石炭としては、現在広く採用されているよ
うに、粒径が3mm程度またはそれ以下のもの、殊に平均
粒径が1mm前後のものが用いられる。粒径分布について
は、本発明においては流動方式でなく同伴方式を採用し
ているため、特別の考慮を払う必要がない。石炭種は、
粘結炭、微粘結炭、非粘結炭、あるいはこれらの混合物
のいずれであってもよい。
【0012】加熱ガスとしては、工業的には、製鉄また
は製鉄関連工場において発生する可燃成分(H2 やC
O)を含むガス、たとえば、コークス炉ガス、高炉ガ
ス、転炉ガス、あるいはこれらの混合ガスなどを限られ
た割合の空気で燃焼させたガスを用いることが望まし
い。
【0013】本発明においては、石炭を加熱ガスと接触
させて熱交換することにより予熱するにあたり、そのと
きの接触を加熱ガス流に石炭を同伴させることにより行
う。この同伴方式によれば、流動方式とは異なり石炭の
逆流が少なくなるので、石炭の粒度や粒径分布の影響を
それほど受けずに供給石炭を所定の温度にまで均一に加
熱することが可能となると共に、搬送も円滑に行われ
る。固気比は、実装置では、 0.1〜1g/l 、殊に 0.2〜
1g/l とすることが望ましい。
【0014】また本発明においては、石炭と加熱ガスと
の接触に際し、加熱ガス中の酸素濃度を3%未満(好ま
しくは 2.5%以下、殊に2%以下)に制御する。加熱ガ
ス中の酸素濃度が3%以上になると、上記同伴方式によ
っても予熱中に石炭が酸化されてコークス化性が低下
し、コークス品質の劣化を招くからである。
【0015】そして本発明においては、上記の接触を加
熱ガス中にタールを気化させた状態で行う。ここでター
ルとしては、石炭乾留時に得られる多環芳香族化合物を
含むタールが好適に用いられ、そのほか、ナフサ分解時
に発生するタール、原油蒸留残渣を熱分解して得られる
タール、石炭の液化工程で得られるタールなども用いる
ことができる。
【0016】加熱ガス中のタール量は、少量でもそれな
りの効果が得られるが、通常は10〜200g/m3、好ま
しくは20〜150g/m3、殊に25〜100g/m3に設定
することが望ましい。加熱ガス中のタールの割合が余り
に多いときは、予熱のための加熱ガスの熱量の一部がタ
ールの蒸発潜熱に奪われる上、固気分離後のガス処理が
複雑になる。一方、加熱ガス中のタールの割合が極端に
少ないときは、コークス強度の向上効果が目立たなくな
る。
【0017】加熱ガス中にタールを気化させる方法とし
ては、たとえば、加熱ガス中にノズルからタールを吹き
込む方法、予め石炭にタールを担持させておく方法など
が採用される。
【0018】本発明においては、上記の接触を加圧条件
下に行うことが特に望ましい。加圧条件を採用すると、
上述のタールを存在させる効果が最大限に発揮されるか
らである。加圧の程度は、加圧に応じた効果が得られる
ので特に限定はないが、通常はゲージ圧で1kgf/cm2
上、好ましくは2kgf/cm2 以上、特に好ましくは3kgf/
cm2 以上とする。上限については限定はないが、高圧ガ
ス取扱規則等の制約から10kgf/cm2 未満とするのが通
常である。なお5kgf/cm2 程度までは圧力の上昇と共に
コークス強度が向上するが、それ以上では圧力を上げる
割にはコークス強度の向上の程度が小さいので、7kgf/
cm2 とか8kgf/cm2 までであっても充分の効果が得られ
る。
【0019】さらに本発明においては、上記の熱交換に
より石炭温度をすみやかに340〜400℃(好ましく
は350〜390℃)にもたらすようにする。昇温はで
きるだけ短時間(たとえば10秒以内、殊に7秒以内、
さらには5秒以内)で行うことが望ましい。上記の温度
範囲は石炭の軟化溶融温度に相当し、そのような温度に
なると石炭のミセル構造が熱的に解離し、石炭粒子内に
生じた解離ミセルが一種の溶媒的な働きをして、石炭の
コークス化性が高められるからである。ただし、上述の
ように同伴方式を採用しかつ加熱ガス中の酸素濃度を3
%未満に制御しないと、酸化が進んでかえってコークス
化性が低下してしまう。
【0020】石炭の予熱は、上記(a), (b), (c), (d)の
4条件、すなわち、(a) 接触を加熱ガス流に石炭を同伴
させることにより行うこと、(b) 加熱ガス中の酸素濃度
を3%未満に制御すること、(c) 接触を加熱ガス中にタ
ールを気化させた状態で行うこと、および、(d) 熱交換
により石炭温度を340〜400℃にもたらすこと、の
条件を全て満足するようにして行うことが必要であり、
(a), (b), (d) の条件の一つが欠けても所期の目的を達
成することができず、(c) の条件を欠くときは本発明ほ
どのすぐれた効果が得られない。上記条件に加え、(e)
接触を加圧条件下に行うこと、の条件も満たすと、さら
に大巾にコークス強度が向上する。
【0021】上記の予熱および予熱石炭のコークス炉へ
の装入は、典型的には、熱風発生炉(1) にて可燃成分を
含むガスを空気で燃焼させて酸素濃度が3%未満の高温
の加熱ガスを発生させると共に石炭予熱機(6) に導き、
石炭供給機(5) より石炭予熱機(6) に供給された石炭を
加熱ガスに同伴しながら移送する間に、石炭を、気化し
たタール雰囲気で包みながら340〜400℃にまです
みやかに予熱し、ついで石炭予熱機(6) から導出された
石炭と加熱ガスとの固気混合物を固気分離機(7) に導い
て固気分離を行い、続いて固気分離後の予熱石炭を乾留
のためにコークス炉に導くことによって達成される。
【0022】図1は本発明の予熱方法を実施するための
装置の一例を示した説明図である。
【0023】(1) は熱風発生炉であり、ここに可燃成分
を含むガスと空気とを導入して、高温の加熱ガスが発生
するようにする。
【0024】(2) は酸素濃度計、(3) は燃焼制御装置で
あり、熱風発生炉(1) で発生した加熱ガス中の酸素濃度
は、酸素濃度計(2) により検出され、その検出値も参考
にして燃焼制御装置(3) により燃料/空気比および発生
ガス量を自動調節して熱風発生炉(1) における燃焼を制
御し、発生する加熱ガス中の酸素濃度を3%未満の所定
値に制御する。
【0025】(4) はタール供給機であり、ここから熱風
発生炉(1) からの加熱ガスに所定量のタールが供給され
る。
【0026】(5) は石炭供給機、(6) は縦型の石炭予熱
機であり、石炭供給機(5) により石炭予熱機(6) の底部
付近から導入された石炭は、熱風発生炉(1) からの加熱
ガス(気化したタールが含まれている)に同伴して上方
に移送される間に該ガスと接触、熱交換され、所定の温
度にまですみやかに予熱される。
【0027】(7) は固気分離機であり、予熱後の混合物
はこの固気分離機(7) に導かれて固気分離が行われる。
【0028】(8) は圧力センサ、(9) は圧力設定器、(1
0)は圧力コントロールバルブ、(11), (12)は減圧バルブ
である。系内の圧力は圧力センサ(8) で読み取られ、そ
の信号は圧力設定器(9) へ入り、設定圧力との偏差に応
じて圧力コントロールバルブ(10)が開閉し、系内は常に
所定の圧力に調節される。固気分離後の予熱石炭は、密
閉した保温パイプ中を通ってコークス炉に導かれ、乾留
に供される。固気分離後の排ガスの一部は、実装置では
ガス温度・ガス量の調節と廃ガスの有効利用のために、
熱風発生炉(1) に戻すことができる。
【0029】〈作用〉本発明においては、石炭の予熱
を、(a) 接触を加熱ガス流に石炭を同伴させることによ
り行うこと、(b) 加熱ガス中の酸素濃度を3%未満に制
御すること、(c) 接触を加熱ガス中にタールを気化させ
た状態で行うこと、および、(d) 熱交換により石炭温度
を340〜400℃にもたらすこと、の4条件を全て満
足するようにして行っている。そのため、従来の予熱温
度よりも相当程度高温に石炭を予熱しているにもかかわ
らず、石炭の軟化溶融または発泡による予熱装置の閉塞
が防止され、熱衝撃による微粉化も抑制され、予熱石炭
のコークス炉へ安定搬送がなされ、酸化による石炭のコ
ークス化性の低下が防止され、コークス炉中での石炭の
溶融性も確保される。また石炭の粒度や粒径分布の影響
をそれほど受けずに、供給石炭を所定の温度にまで均一
に加熱することが可能となる。このように本発明によれ
ば、コークス強度を向上させるか少なくとも低下させる
ことなく、コークス炉における熱負荷を改善することが
できる。
【0030】特に上記4条件に加えて、(e) 接触を加圧
条件下に行うこと、の条件を満足すると、一段とすぐれ
たコークス強度が得られる上、次の点でも有利となる。
すなわち、圧力を大気圧のn倍に上げることは、ガス密
度がn倍となって同一固気比条件ではn倍の石炭を流す
ことと同じであり、予熱装置のキャパシティを1/nに
することができることを意味するので、予熱装置のコン
パクト化が図られる。また同じ大きさの予熱装置なら、
処理量がn倍になることを意味する。従って、加圧に伴
なう装置の耐圧化や制御の複雑化に伴なうデメリットを
はるかに上回るメリットがある。
【0031】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下において、参考例は本出願人が本出願と並んで
別途出願している条件を採用した場合である。比較例1
は予熱を行わない場合である。
【0032】〈石炭〉石炭として、揮発分32.9%、平均
反射率0.74、炭素83.5%、粒径 0.8〜1.2mmの性状を有
するものを用いた。水分は1%以下に乾燥して予熱処理
に供した。
【0033】〈予熱条件〉上記の石炭を用い、またモデ
ルガスとして後述の表の組成および温度の加熱ガスを用
い、同伴方式により予熱を行った。固気比は0.89 g/l、
予熱時間は5秒に設定した。
【0034】〈コークス強度〉予熱後の石炭を小型乾留
炉に装入して4時間かけてコークス化を行い、得られた
コークスにつき、常法に従いI型回転強度(毎分20回
転で計600回転後の10mm篩上重量%)を測定した。
【0035】〈実施例1〜2、比較例1、参考例1〉加
熱ガスとして、N2 100%ガス、温度360℃のガス
を用い、圧力を大気圧としたときの条件および結果を表
1に示す。
【0036】
【表1】 加熱ガス タール量 圧力 回転強度(%) 組成 温度 (g/Nm3) (kgf/cm2) (基準との差) 実施例1 N2 100% 360℃ 100 大気圧 42.1 (+ 6.0) 実施例2 N2 100% 360℃ 35 大気圧 42.0 (+ 5.9) 比較例1 − − − − 36.1 (基準) 参考例1 N2 100% 360℃ 0 大気圧 41.8 (+ 5.7)
【0037】〈実施例3〜4、比較例1、参考例1〜
2〉加熱ガスとして、N2 100%ガス、温度360℃
のガスを用い、圧力を10kgf/cm2 としたときの条件お
よび結果を表2に示す。表1の比較例1および参考例1
についても併せて示す。
【0038】
【表2】 加熱ガス タール量 圧力 回転強度(%) 組成 温度 (g/Nm3) (kgf/cm2) (基準との差) 実施例3 N2 100% 360℃ 35 10.0 46.8 (+10.7) 実施例4 N2 100% 360℃ 50 10.0 47.0 (+10.9) 比較例1 − − − − 36.1 (基準) 参考例1 N2 100% 360℃ 0 大気圧 41.8 (+ 5.7) 参考例2 N2 100% 360℃ 0 10.0 43.5 (+ 7.4)
【0039】表2から、参考例2のように圧力を高めた
条件で予熱を行うとコークス回転強度が大きくなるが、
その際に実施例3〜4のように加熱ガス中にタールを存
在させると、コークス回転強度が一段と大きくなること
がわかる。
【0040】〈実施例5〜7、比較例1〜3、参考例
1、3〜5〉加熱ガスとして、組成がN2 :O2 =9
9:1または98:2(容量比)の混合ガスあるいはN
2 :CO2 :H2 O=71:9:20(容量比、コーク
ス炉ガスの空気完全燃焼時のガス組成)の混合ガスで、
温度360℃のものを用い、圧力を5kgf/cm2 としたと
きの条件および結果を表3に示す。ただし比較例2〜3
は条件を違えてある。表1〜2の比較例1および参考例
1についても併せて示す。
【0041】
【表3】 加熱ガス タール量 圧力 回転強度(%) 組成 温度 (g/Nm3) (kgf/cm2) (基準との差) 実施例5 N2:O2=99:1 360℃ 35 5.0 46.8 (+10.7) 実施例6 N2:O2=98:2 360℃ 35 5.0 46.6 (+10.5) 実施例7 N2:CO2:H2O 360℃ 35 5.0 46.4 (+10.3) =71:9:20 比較例1 − − − − 36.1 (基準) 比較例2 N2:O2=99:1 200℃ 0 大気圧 36.0 (- 0.1) 比較例3 N2:O2=95:5 360℃ 0 大気圧 32.3 (- 3.8) 参考例1 N2 100% 360℃ 0 大気圧 41.8 (+ 5.7) 参考例3 N2:O2=99:1 360℃ 0 5.0 43.0 (+ 6.9) 参考例4 N2:O2=98:2 360℃ 0 5.0 43.0 (+ 6.9) 参考例5 N2:CO2:H2O 360℃ 0 5.0 42.8 (+ 6.7) =71:9:20
【0042】表2から、酸素ガス濃度が制限された加熱
ガスを用い、参考例3〜5のように圧力を高めた条件で
予熱を行うとコークス回転強度が大きくなるが、その際
に実施例5〜7のように加熱ガス中にタールを存在させ
ると、コークス回転強度が一段と大きくなることがわか
る。
【0043】
【発明の効果】作用の項でも述べたように、本発明にお
いては、従来の予熱温度よりも相当程度高温に石炭を予
熱しているにもかかわらず、石炭の軟化溶融または発泡
による予熱装置の閉塞が防止され、熱衝撃による微粉化
も抑制され、予熱石炭のコークス炉へ安定搬送がなさ
れ、酸化による石炭のコークス化性の低下が防止され、
コークス炉中での石炭の溶融性も確保される。また石炭
の粒度や粒径分布の影響をそれほど受けずに、供給石炭
を所定の温度にまで均一に加熱することが可能となる。
このように本発明によれば、コークス強度を向上させる
か少なくとも低下させることなく、コークス炉における
熱負荷を改善することができる。
【0044】特に接触を加圧条件下に行うこと、一段と
すぐれたコークス強度が得られる上、次の点でも有利と
なる。すなわち、圧力を大気圧のn倍に上げることは、
ガス密度がn倍となって同一固気比条件ではn倍の石炭
を流すことと同じであり、予熱装置のキャパシティを1
/nにすることができることを意味するので、予熱装置
のコンパクト化が図られる。また同じ大きさの予熱装置
なら、処理量がn倍になることを意味する。従って、加
圧に伴なう装置の耐圧化や制御の複雑化に伴なうデメリ
ットをはるかに上回るメリットがある。
【0045】そのほか、タールはコークス工場で容易に
入手可能なものである上、予熱用に使用したタールは回
収後に再利用することができるので、原料として特別の
手当を要しないという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の予熱方法を実施するための装置の一例
を示した説明図である。
【符号の説明】
(1) …熱風発生炉、 (2) …酸素濃度計、 (3) …燃焼制御装置、 (4) …タール供給機、 (5) …石炭供給機、 (6) …石炭予熱機、 (7) …固気分離機、 (8) …圧力センサ、 (9) …圧力設定器、 (10)…圧力コントロールバルブ、 (11), (12)…減圧バルブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冶金用コークスの製造のために石炭をコー
    クス炉に装入するに先立って、その石炭を加熱ガスと接
    触させて熱交換することにより予熱するにあたり、その
    予熱を、(a) 上記接触を加熱ガス流に石炭を同伴させる
    ことにより行うこと、(b) 上記加熱ガス中の酸素濃度を
    3%未満に制御すること、および、(c) 上記接触を加熱
    ガス中にタールを気化させた状態で行うこと、(d) 上記
    熱交換により石炭温度を340〜400℃にもたらすこ
    と、の条件を全て満足するようにして行うことを特徴と
    する石炭の予熱方法。
  2. 【請求項2】さらに、(e) 上記接触を加圧条件下に行う
    こと、の条件を満足することを特徴とする請求項1記載
    の石炭の予熱方法。
  3. 【請求項3】加熱ガス中のタール量が10〜200g/m3
    である請求項1または2記載の石炭の予熱方法。
  4. 【請求項4】石炭と加熱ガスとの比である固気比を 0.1
    〜1g/l に設定することを特徴とする請求項1または2
    記載の石炭の予熱方法。
  5. 【請求項5】加熱ガスとして、製鉄または製鉄関連工場
    において発生する可燃成分を含むガスを燃焼させたガス
    を用いることを特徴とする請求項1または2記載の石炭
    の予熱方法。
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JP5686296A Pending JPH09227875A (ja) 1996-02-19 1996-02-19 石炭の予熱方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101353458B1 (ko) * 2011-12-01 2014-01-22 주식회사 포스코 코크스의 기공율 저감방법

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