JP3488014B2 - 石炭の高温予熱に使用したガスの処理方法 - Google Patents

石炭の高温予熱に使用したガスの処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭を加熱ガスと
接触させて熱交換することにより高温予熱したときの熱
交換後の廃ガスを処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
〈石炭の予熱方法〉冶金用コークスの製造のために石炭
をコークス炉に装入するに先立ち、その石炭を流動法に
よって加熱ガスと接触させて熱交換することにより、石
炭を200℃程度に予熱する方法が知られている。予熱
工程で原料石炭の昇温速度をできるだけ速くすることに
より、コークス炉で効率的に乾留がなされるのみなら
ず、原料石炭のコークス化性が改善されることが期待で
きる。たとえば、「石炭 化学と工業、増補版、三共出
版株式会社発行、昭和59年3月1日第3版(増補版)
発行」の309〜310頁を参照。
【0003】石炭温度を200℃程度にとどめ、それ以
上の高温にはしない理由は、 イ.石炭をその軟化溶融温度まで予熱すると、石炭が軟
化溶融または発泡して予熱装置を閉塞するおそれがある
こと、 ロ.石炭をその軟化溶融温度まで予熱すると、石炭中の
揮発分が一部脱離して石炭がチャー化し、コークス炉中
での溶融性が損なわれてコークスの品質が低下するこ
と、 ハ.高温で予熱すると、有機物である石炭は酸化性ガス
により容易に酸化され、その酸化反応は温度上昇と共に
急速に進行し、コークス化性を低下させること、 ニ.軟化溶融温度付近まで予熱された石炭をコークス炉
へ安定搬送することが困難であること、 ホ.石炭を高温にまで予熱すると、熱衝撃により石炭粒
子が熱割れして微粉化し、コークス炉での装入密度が低
下してコークス強度が低下すること、などの問題がある
からである。
【0004】〈石炭の高温予熱方法〉上述の理由から、
流動法による石炭温度は200℃程度かそれを余り高く
は越えない温度に設定されているが、上記のような問題
を生ずることなく予熱温度をさらに高めることができれ
ば、コークス炉の負荷を下げることができる上、石炭の
コークス化性をさらに改善することができる。
【0005】この観点から、本出願人は、従来の予熱温
度(200℃程度)よりもさらに高温で石炭を予熱する
ことにつき検討を重ね、石炭と加熱ガスとの接触を加熱
ガス流に石炭を同伴させることにより行い、加熱ガス中
の酸素濃度を3%未満に設定し、さらには必要に応じ、
石炭と加熱ガスとの接触を加圧条件下に行ったり、その
接触を加圧条件下にタールを気化させた状態で行うとい
う特別の手段を講じることにより、石炭温度を340〜
400℃にもたらす高温予熱技術を開発し、特願平8−
52442号、特願平8−52444号、特願平8−5
6862号として特許出願を行っている。
【0006】〈CDQへの空気の吹き込みによるコーク
ス品質の改善〉石炭の予熱とは目的を異にするが、CD
Qと略称されるコークス乾式消火設備に直接空気を吹き
込み、内部のコークスを昇温して品質を改善する方法が
提案されている。たとえば、CAMP-ISIJ, Vol. 4 (1991)
-1107 の「コークス性状バラツキの直接加熱による改善
(直接加熱法によるコークス品質改善−2)」と題する
論文、CAMP-ISIJ, Vol. 7 (1994)-122の「窯出温度低下
コークスのCDQ操業への影響(直接加熱法によるコー
クス品質改善−5)」と題する論文を参照。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上に述べたように、従
来の石炭の予熱方法にあっては、流動法により石炭温度
を200℃程度に予熱している(予熱のためのガス自体
の温度は400〜600℃というように高温にしてい
る)。この場合、予熱温度が高々200℃程度であるの
で、加熱ガス中の残存酸素を考慮することなく空気比を
高くして完全燃焼状態を作ることができ、かつ予熱石炭
からのガス発生もないので、予熱後の廃ガスは、除塵す
るだけでそのまま大気中に放散することができる。
【0008】しかしながら、石炭温度を340〜400
℃にもたらすような高温予熱を行うときは、上述のよう
に加熱ガス中の酸素濃度を3%未満に制御することが必
要となるため、燃焼用ガスを燃焼させて加熱ガスとする
ときの空気比を低くしなければならず、そのときには燃
焼用ガスは部分的に不完全燃焼となって燃焼ガス中に可
燃成分が残存することになる。加えて、石炭温度を34
0〜400℃にもたらすような高温予熱にあっては、加
熱ガス中に石炭から発生する可燃ガスも混入することに
なる。そのため、熱交換後の可燃成分を含有する廃ガス
はそのままでは大気中に放散することができないが、そ
の廃ガス中の可燃成分は少量であるため燃料ガスとして
の価値は極めて低い。従って、この廃ガスは、何らかの
処理をして無害化してから大気中に放散させることが必
要となるものの、その処理のための新たな設備投資はプ
ロセス全体のコストを大きく上昇させることになる。
【0009】本発明は、このような背景下において、石
炭の高温予熱に使用したガスを、その熱エネルギーの有
効利用を図りながら、その処理のための特別の装置を要
することなく無害化して大気中に放散できるようにする
処理方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明における石炭の高
温予熱に使用したガスの処理方法は、石炭の高温予熱に
使用した熱交換後の可燃成分を含有する廃ガスを、コー
クス乾式消火設備のプレチャンバー内の上部空間に導く
と共に、そのプレチャンバー内の上部空間に該廃ガスの
理論燃焼当量以上の割合で導入した空気により燃焼させ
ることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0012】〈石炭の高温予熱〉本発明においては、ま
ず、石炭をコークス炉に装入するに先立ち、その石炭を
加熱ガスと接触させて熱交換することにより石炭温度を
高温にもたらす。
【0013】石炭としては、現在広く採用されているよ
うに、粒径が3mm程度またはそれ以下のもの、殊に平均
粒径が1mm前後のものが用いられる。石炭種は、粘結
炭、微粘結炭、非粘結炭、あるいはこれらの混合物のい
ずれであってもよい。
【0014】加熱ガスとしては、工業的には、製鉄また
は製鉄関連工場において発生する可燃成分(H2 やC
O)を含むガス、たとえば、コークス炉ガス、高炉ガ
ス、転炉ガス、あるいはこれらの混合ガスなどを、限ら
れた割合の空気で燃焼させたガスを用いることが望まし
い。
【0015】石炭と加熱ガスとの接触は、より具体的に
は、加熱ガス流に石炭を同伴させることにより行い、加
熱ガス中の酸素濃度は3%未満に制御し、かつ両者の接
触による熱交換により石炭温度を340〜400℃にも
たらすようにする。
【0016】石炭と加熱ガスとの接触を、加熱ガス流に
石炭を同伴させることにより行う同伴方式によれば、流
動方式とは異なり石炭の逆流が少なくなるので、石炭の
粒度や粒径分布の影響をそれほど受けずに供給石炭を所
定の温度にまで均一に加熱することが可能となると共
に、搬送も円滑に行われる。固気比は、実装置では、
0.1〜1g/リットル、殊に 0.2〜1g/リットルとす
ることが望ましい。
【0017】加熱ガス中の酸素濃度は、上記のように3
%未満に制御する。酸素濃度の好ましくい範囲は 2.5%
以下、殊に2%以下である。加熱ガス中の酸素濃度が3
%以上になると、予熱中に石炭が酸化されてコークス化
性が低下し、コークス品質の劣化を招く。
【0018】上記の熱交換にあっては、石炭温度をすみ
やかに340〜400℃、好ましくは350〜390℃
にもたらすようにする。昇温はできるだけ短時間(たと
えば10秒以内、殊に7秒以内、さらには5秒以内)で
行うことが望ましい。上記の温度範囲は石炭の軟化溶融
温度に相当し、そのような温度になると石炭のミセル構
造が熱的に解離し、石炭粒子内に生じた解離ミセルが一
種の溶媒的な働きをして、石炭のコークス化性が高めら
れる。ただし、上述のように同伴方式を採用しかつ加熱
ガス中の酸素濃度を3%未満に制御しないと、酸化が進
んでかえってコークス化性が低下してしまう。
【0019】上記接触は常圧で行うことができるが、接
触を加圧条件下に行うとより好ましい結果が得られる。
加圧を行うときの加圧の程度は、加圧に応じた効果が得
られるので特に限定はないが、通常はゲージ圧で1kgf/
cm2 以上、好ましくは2kgf/cm2 以上、特に好ましくは
3kgf/cm2 以上とする。上限については限定はないが、
高圧ガス取扱規則等の制約から10kgf/cm2 未満とする
のが通常である。
【0020】上記加圧条件下での接触を、加熱ガス中に
タールを気化させた状態で行うこともできる。ここでタ
ールとしては、石炭乾留時に得られる多環芳香族化合物
を含むタールが好適に用いられ、そのほか、ナフサ分解
時に発生するタール、原油蒸留残渣を熱分解して得られ
るタール、石炭の液化工程で得られるタールなども用い
ることができる。加熱ガス中のタール量は、少量でもそ
れに応じた効果が得られるが、通常は100〜200g/
m3、好ましくは20〜150g/m3、殊に25〜100g/
m3に設定することが望ましい。加熱ガス中にタールを気
化させる方法としては、たとえば、加熱ガス中にノズル
からタールを吹き込む方法、予め石炭にタールを担持さ
せておく方法などが採用される。
【0021】〈フローシート〉上記の予熱、予熱石炭の
コークス炉への装入および予熱廃ガスの処理は、典型的
には次のようにして行われる。図1は、石炭の予熱およ
び予熱廃ガスの処理工程を示したフローシートである。
図1では図示を省略してあるが、接触を加圧条件下に行
うときあるいはその接触を加熱ガス中にタールを気化さ
せた状態で行うときは、加圧手段やタール供給手段を付
加する。
【0022】すなわち、まず熱風発生炉(1) にて可燃成
分を含むガスを空気で燃焼させて酸素濃度が3%未満の
高温の加熱ガスを発生させると共に、その加熱ガスを石
炭予熱機(3) に導き、かつその石炭予熱機(3) には底部
から石炭供給機(2) により石炭を供給し、石炭予熱機
(3) 内において石炭を加熱ガスに同伴しながら移送する
間に、石炭を340〜400℃にまですみやかに予熱す
る。
【0023】そして石炭予熱機(3) から導出された石炭
と加熱ガスとの固気混合物を、固気分離機(4) に導いて
固気分離する。固気分離後の予熱石炭は、乾留のために
コークス炉に導かれる。一方、固気分離後の可燃成分を
含有する廃ガスは、次のようにして処理される。
【0024】〈廃ガスの処理〉熱交換した後の可燃成分
を含有する廃ガスは、その運動エネルギーを利用して、
上記の固気分離機(4) からコークス乾式消火設備(5) の
プレチャンバー(5a)内の上部空間に導かれる。同時にこ
のプレチャンバー(5a)内の上部空間には該廃ガスの理論
燃焼当量以上の空気が導入され、廃ガスの燃焼が行われ
る。
【0025】低カロリーの廃ガスは、プレチャンバー(5
a)内の上部空間において、赤熱コークス層を通過する間
に一部が分解され、残部は導入された空気により燃焼さ
れ、完全無害化される。分解された未燃分は、赤熱コー
クス表面に炭素質として沈着する。
【0026】赤熱コークス層を通過する間に赤熱コーク
スより熱を受け取り、さらに燃焼により高温となった廃
ガスは、スローピングフリュー(5b)を出て、たとえばボ
イラーの蒸気発生器水管群と接触して熱交換され、冷却
される。冷却後のガスの一部は、再び赤熱コークスの冷
却のためにコークス乾式消火設備(5) のクーリングチャ
ンバー(5c)に送られて循環使用されるが、余剰のガスは
すでに無害化されているので大気中に放散される。
【0027】〈作用〉一般に燃料を完全燃焼させるため
には、その理論燃焼空気量よりも過剰の空気を供給する
必要がある。従って、熱風発生炉(1) で酸素濃度3%未
満の加熱ガスをたとえばコークス炉ガスの燃焼によって
作るには、コークス炉ガスの理論燃焼当量の1.05〜 1.1
倍の空気を導入することになるが、この空気比では未燃
分が残存するおそれがある。加えて、石炭を340〜4
00℃という高温に予熱した場合は、石炭から水素やメ
タンを主成分とする可燃性ガスが石炭1トン当り5m3
下、タールが10g以下発生する。これらの可燃成分
は、加熱された石炭粒子に同伴しつつ石炭予熱機(3) の
中を上昇した後、固気分離機(4) によって分離される
が、ガスの方は可燃ガス成分に加えてタールの蒸気およ
びミスト、さらには固気分離機(4) によっても分離され
なかった極少量の微粉炭が混入している。これらの混合
物は、少量と言えども有害可燃成分を含むので、そのま
ま大気中に放散することはできない。また燃料としても
カロリーが低く利用価値がほとんどない。このような稀
薄ガスを燃焼によって無害化するには極めて高温の場で
空気と接触させる必要があるが、そのためには通常は多
量の燃料の燃焼によって高温場を作る必要がある。しか
しながら、そのような高温場を作るには新たな燃焼炉の
設置と燃焼のための多量の燃料とが必要になり、極めて
不経済である。
【0028】しかるに本発明においては、稀薄ガス燃焼
のための高温場をコークス乾式消火設備(5) に求め、空
気を導入することにより、極めて簡易でかつ燃焼のため
の燃料を使用しない方法を見い出したのである。
【0029】コークス乾式消火設備(5) のプレチャンバ
ー(5a)には、コークス炉から排出された赤熱コークスが
一定時間間隔で投入されている。赤熱コークスからは、
水素を主成分とするガスが少量発生する。そのプレチャ
ンバー(5a)内の上部に石炭の高温予熱に使用した廃ガス
を導入すると共に空気も導入すれば、これらのガスは混
合されてプレチャンバー(5a)内の赤熱コークス層を通過
する間に該赤熱コークスにより熱を受け取って急速に昇
温される。この間、昇温され燃焼されやすくなった可燃
成分は、導入された空気によって完全燃焼され無害化さ
れる。
【0030】さらに本発明の利点は、石炭の予熱の過程
で発生し、加熱廃ガスに同伴するタールや、固気分離機
(4) によっても分離されなかった極少量の微粉炭等の重
質炭化水素が、この高温場において熱的にコークスとガ
スとに分解することである。生成したコークスは高級炭
素材にも利用される熱分解炭素であり、その熱分解炭素
が赤熱コークス表面に付着したコークスは反応性の低い
高品質のものとなる。タールの分解ガスは、空気により
容易に燃焼無害化される。
【0031】さらに好ましい点は、プレチャンバー(5a)
内のコークスが可燃性ガスの燃焼によってより高温にな
ることであり、そのように高温になることでコークスの
品質がより向上する。あるいは、コークスがプレチャン
バー(5a)内で高温になることを見越してコークス炉内で
の乾留温度を低下させ、コークス炉の熱負荷を低下させ
ることもできる。
【0032】かくして、赤熱コークスからの熱交換と可
燃性ガスの燃焼により高温となったガスは、たとえばコ
ークス乾式消火設備(5) に付属して設置されているボイ
ラーの水管群と接触して蒸気を発生させ、自らは温度が
低下して、その一部は再び赤熱コークスの冷却のために
コークス乾式消火設備(5) のクーリングチャンバー(5c)
に送られて循環使用することができる。余剰のガスは、
すでに無害化されているので大気中に放散することがで
きる。
【0033】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0034】実施例1 石炭として、揮発分26.8%、平均反射率1.10、炭素86.8
%、粒径 0.8〜1.2mmの性状を有するものを用いた。水
分は1%以下に乾燥して予熱処理に供した。加熱ガスと
して、コークス炉ガスをその理論燃焼当量の1.07倍の空
気により燃焼させた温度450℃の加熱ガスを用い、図
1のフローに従って同伴方式により上記石炭の予熱を行
った。石炭は360℃に予熱された。
【0035】固気分離機(4) から分離された廃ガスの組
成は、容量基準で、N2 が68%、CO2 が7%、H2
Oが20%であり、残部は、コークス炉ガスの未燃分、
石炭から発生したH2 やCH4 などの可燃性ガスとター
ル分、石炭由来の微粉炭、空気由来のO2 をそれぞれ少
量ずつ含んでいた。
【0036】この廃ガスを、モデル乾留炉から取り出し
たモデルコークス乾式消火設備のプレチャンバー内の上
部に導くと共に、そのプレチャンバーにこの廃ガスの理
論燃焼当量よりも20%過剰の空気を導入して廃ガスの
燃焼を行った。
【0037】プレチャンバーからの導出ガスを水管群と
接触させて熱交換させることにより冷却して分析に供し
たが、もはや可燃成分は検出されず、完全に無害化され
ていた。またこの冷却ガスを上記コークス乾式消火設備
のクーリングチャンバーに戻して消火コークスとなした
ところ、単に常法に従って冷却ガス(コークス乾式消火
設備とボイラーとの間を循環しているガスで、容量基準
でCO2 が15%、N2 が85%の組成のもの)を送っ
て消火コークスとなした場合に比し、ドラム回転強度
(毎分10回転で計150回転後の15mm篩上重量%)
が84.7%から85.5%にまで向上していた。なお、モデル
コークス乾式消火設備のプレチャンバー内の上部に空気
のみを導入したときのドラム回転強度は84.9%であっ
た。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、石炭の高温予熱に使用
したガスを、その熱エネルギーの有効利用を図りなが
ら、その処理のための特別の装置を要することなく無害
化して大気中に放散することができる。
【0039】より詳しく述べると、本発明によれば、
(a) 廃ガス処理のための特別の処理設備が不要で、既存
のプロセスの中で処理できること、(b) 石炭予熱機(3)
を出た廃ガスをコークス乾式消火設備(5) に導くと共に
空気を導入するだけで処理ができ、燃焼処理のための特
別の燃料を必要としてないので、処理コストが安価にな
ること、(c) コークス乾式消火設備(5) 内は最高100
0℃にも達するので、稀薄ガスは空気との接触により容
易に燃焼無害化されること、(d) 石炭の予熱中に発生し
た重質炭化水素および固気分離機(4) で分離されなかっ
た微粉炭は赤熱コークスとの接触により熱分解され、コ
ークス表面にカーボン質として沈着してコークスの品質
を向上させると共に、熱分解ガスは空気との接触により
燃焼無害化されること、(e) コークス乾式消火設備(5)
内で燃焼により生じた熱は、コークス乾式消火設備(5)
に付設のボイラーにより回収されるので、熱ロスが少な
いこと、などのすぐれた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】石炭の予熱および予熱廃ガスの処理工程を示し
たフローシートである。
【符号の説明】
(1) …熱風発生炉、 (2) …石炭供給機、 (3) …石炭予熱機、 (4) …固気分離機、 (5) …コークス乾式消火設備、 (5a)…プレチャンバー、 (5b)…スローピングフリュー、 (5c)…クーリングチャンバー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−130695(JP,A) 特開 平7−126641(JP,A) 特開 平7−126655(JP,A) 特開 昭61−37893(JP,A) 特開 昭51−25501(JP,A) 特開 昭53−24302(JP,A) 特開 昭52−85203(JP,A) 特開 平7−109460(JP,A) 特開 平4−76095(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10B 57/08 - 57/10 C10B 39/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石炭の高温予熱に使用した熱交換後の可燃
    成分を含有する廃ガスを、コークス乾式消火設備のプレ
    チャンバー内の上部空間に導くと共に、そのプレチャン
    バー内の上部空間に該廃ガスの理論燃焼当量以上の割合
    で導入した空気により燃焼させることを特徴とする石炭
    の高温予熱に使用したガスの処理方法。
  2. 【請求項2】燃焼後のガスの持つ熱量を回収し、冷却後
    のガスの一部はコークス乾式消火設備における赤熱コー
    クスの冷却のために使用し、残部は大気中に放散するこ
    とを特徴とする請求項1記載の処理方法。
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