JPH08218074A - コークス乾式消火におけるガス回収方法および装置 - Google Patents

コークス乾式消火におけるガス回収方法および装置

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JPH08218074A
JPH08218074A JP5364495A JP5364495A JPH08218074A JP H08218074 A JPH08218074 A JP H08218074A JP 5364495 A JP5364495 A JP 5364495A JP 5364495 A JP5364495 A JP 5364495A JP H08218074 A JPH08218074 A JP H08218074A
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JP
Japan
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gas
coke
chamber
recovered
hydrogen
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JP5364495A
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Kazuya Uebou
和弥 上坊
Tsukasa Chikada
司 近田
Keizo Inoue
恵三 井上
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボイラーでの回収蒸気量を低減させることな
く、コークス乾式消火設備で高カロリーガス、あるいは
高濃度の水素ガスを得る。 【構成】 コークス炉から排出された赤熱コークスを冷
却塔のプレチャンバー1に投入し、冷却室2下部から循
環不活性ガスを吹込んで赤熱コークスと熱交換させて冷
却し、冷却室2上部から赤熱コークスとの熱交換により
高温となった循環不活性ガスを導出してボイラー5で熱
回収し、再度冷却室2下部に循環するコークス乾式消火
において、冷却室を流れる循環不活性ガスおよび冷却室
で発生したガスとは別に、プレチャンバーで発生するガ
スを回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、赤熱コークスを乾式
消火するに際し、プレチャンバー内の赤熱コークスから
発生する水素ガスの回収方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭を乾留してコークスを製造する過程
においては、100℃までは水分蒸発と同時にCH4
その同族体や吸蔵COを放出する。100℃から300
℃にかけては、鉱物質中に含まれる結晶水や石炭に吸蔵
されている少量のCOとCH4を放出するほかはほとん
ど変化がない。300℃を過ぎると石炭本質の熱分解が
始まって、ガスや化合水やタールが急激に発生すると共
に、軟化溶融して膨張現象を示す。500℃近くになる
と殆どが固化し、多孔質塊状の半成コークスとなる。分
解ガスはその後の昇温によっても発生し、700℃付近
では収縮しながらH2を主体としCH4、COを少量含む
ガスが発生する。900℃以上ではガス発生が殆ど終わ
り、高温乾留コークスが得られる。
【0003】通常の室炉式コークス炉では、乾留に必要
な熱量は燃焼室から炉壁を介して石炭層の両側から供給
され加熱されるため、乾留途中においては炉壁面に近い
部分の石炭は急速に乾留されてコークスとなり、その中
心寄りには半溶融状態の軟化溶融層が存在し、その内部
には粉炭のままの石炭があるという状態となる。このた
め、乾留終了したコークスは、炉幅方向に炉壁側で温度
が高く、炉室中心側で温度が低い温度分布を持ってい
る。
【0004】コークス炉から窯出しされた赤熱コークス
は、従来散水冷却により湿式消火されていたが、最近で
は大部分が循環不活性ガスにより乾式冷却されている。
コークス乾式消火設備の冷却塔は、赤熱コークスを循環
不活性ガスで冷却する下部冷却室と、その上部に赤熱コ
ークスを数時間貯めておくことのできるプレチャンバー
とからなるソ連式が一般的である。コークス乾式消火設
備においては、コークス炉の窯出し作業が開始されると
最短約8〜10分間隔でプレチャンバーに赤熱コークス
が投入されるが、窯出し間断時間中はプレチャンバーへ
の赤熱コークスの投入がないが、プレチャンバーに一時
貯蔵した赤熱コークスを下部冷却室へ供給し、連続的に
コークスの冷却切出しを行っている。
【0005】上記コークス乾式消火設備のプレチャンバ
ーでは、投入された赤熱コークスは数時間滞留する。コ
ークス炉から窯出しされた赤熱コークスは、炉壁側、炉
室中心側が混ざった状態でプレチャンバーに投入され
る。したがって、炉室中心側の温度の低いコークスは、
プレチャンバーに滞留している間にまわりの温度の高い
炉壁側のコークスによって加熱され、その結果全体がほ
ぼ均一な温度となる。この均熱効果の結果、乾留温度が
低く未乾留分の水素を多く含む炉室中心側のコークス
は、平均コークス温度まで加熱されて未乾留分の水素を
主体としたガスがプレチャンバーで発生する。
【0006】従来、コークス乾式消火設備のプレチャン
バーで発生した水素を主体とする可燃ガスは、冷却室で
赤熱コークスと熱交換して高温となった循環不活性ガス
と共に、冷却室とプレチャンバーの境界部の周面の小煙
道からプレチャンバー外周の円環煙道を経て煙道に導出
され、一次除塵したのち熱回収を行うボイラーに導入さ
れる。ボイラーで熱交換して低温となった循環不活性ガ
スは、冷却用ガスとして再び一定量が冷却室下部から吹
込まれ、余剰分が系外に放出される。したがって、プレ
チャンバーで発生する水素は、循環不活性ガスの余剰ガ
スとして取出されるのである。循環不活性ガスの組成
は、プレチャンバーで発生する水素の混入によって次第
に水素濃度が上昇するが、爆発を避けるため冷却塔出口
からボイラーまでの煙道で希釈空気を吹込み、水素、C
O等の可燃分を燃焼させて、一定の組成に調整されてい
る。したがって、循環系から放出される余剰ガスは、水
素濃度が低く、カロリーも500〜1000kcal/
Nm3程度である。
【0007】また、上記余剰ガスを燃料ガスとして効率
よく回収する方法としては、プレチャンバー内へ空気お
よびN2の少なくとも一方に水分を加えたガスを供給
し、赤熱コークスとの反応によりCO、H2を多く含む
ガスを生成させ、このガスをプレチャンバーの上部から
導管により循環不活性ガスと合流する方法(特開昭59
−75981号公報)、プレチャンバーに配設した上部
放散管から分岐させた上部ガス回収ラインに回収ガスを
冷却する熱交換器を設け、希釈空気源を熱交換器を介し
て循環不活性ガスラインに連結し、上部ガス回収ライン
の熱交換器下流側に上部ガス回収制御弁を設けると共
に、下部ガス回収ラインを合流させ、上記合流ガス回収
ラインをガス回収ファンを介してガス回収設備に連結
し、プレチャンバー圧力に基づいて上部ガス回収制御弁
を制御しつつガス回収を行う装置(特開昭62−101
86号公報)、プレチャンバー内の赤熱コークスに注水
し、該注水により生成した水性ガス化反応ガスをプレチ
ャンバー内から吸引排気し、冷却除塵した後に可燃性ガ
スとして回収する方法(特開平3−86788号公報)
等が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭59−75
981号公報に開示の方法は、プレチャンバー内赤熱コ
ークスと水とによる水性ガス化反応によりCO、H2
多く含むガスを生成させ、このガスをプレチャンバーの
上部から導管により循環不活性ガスと合流させるため、
循環系から放出される余剰ガスは、従来例に比較して若
干カロリーが上昇するものの、1000〜1500kc
al/Nm3程度である。また、特開昭62−1018
6号公報に開示の装置は、プレチャンバーからの上部ガ
ス回収ラインと下部ガス回収ラインを合流させ、プレチ
ャンバーからの回収ガスと循環系からの余剰ガスを混合
して回収しており、従来例に比較して若干カロリーが上
昇するものの、1000〜1500kcal/Nm3
度である。さらに、特開平3−86788号公報に開示
の方法は、プレチャンバー内赤熱コークスと水とによる
水性ガス化反応によりCO、H2を多く含むガスを生成
させ、この水性ガス化反応ガスを冷却除塵した後に可燃
性ガスとして回収するものであるが、水の蒸発熱とプレ
チャンバー内での水性ガス化反応による吸熱反応によっ
て赤熱コークス温度が低下し、ボイラーでの回収蒸気量
が低減する欠点があると共に、どの程度の組成の可燃性
ガスが回収されるかについては明示されていない。
【0009】この発明の目的は、上記従来技術の欠点を
解消し、コークス乾式消火設備のボイラーでの回収蒸気
量を低減させることなく、高カロリーガス、あるいは高
濃度の水素ガスを得ることができるコークス乾式消火に
おけるガス回収方法および装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意試験研究を重ねた。その結果、従来の
乾式消火設備からの回収ガスの水素濃度、あるいはガス
カロリーが低いのは、プレチャンバー内赤熱コークスか
らの発生ガスを循環ガスに混合するからであり、未乾留
分の水素が発生するプレチャンバーから発生ガス量に見
合ったガスを回収すれば、ボイラーでの回収蒸気量を低
減させることなく、水素含有量が多くガスカロリーの高
いガスが回収できることを確認し、この発明に到達し
た。
【0011】すなわちこの発明は、コークス炉から排出
された赤熱コークスを冷却塔のプレチャンバーに投入
し、冷却室下部から循環不活性ガスを吹込んで赤熱コー
クスと熱交換させて冷却し、冷却室上部から赤熱コーク
スとの熱交換により高温となった循環不活性ガスを導出
してボイラーで熱回収し、再度冷却室下部に循環するコ
ークス乾式消火において、冷却室を流れる循環ガスおよ
び冷却室で発生するガスとは別に、プレチャンバーで発
生するガスを回収することを特徴とするコークス乾式消
火におけるガス回収方法である。
【0012】また、コークス炉から排出された赤熱コー
クスを冷却塔のプレチャンバーに投入し、冷却室下部か
ら循環不活性ガスを吹込んで赤熱コークスと熱交換させ
て冷却し、冷却室上部から赤熱コークスとの熱交換によ
り高温となった循環不活性ガスを導出してボイラーで熱
回収し、再度冷却室下部に循環するコークス乾式消火設
備において、プレチャンバーの傾斜壁上部にガスを回収
するためのガス溜まりを設け、該ガス溜まり上部とガス
回収ラインを連結したことを特徴とするコークス乾式消
火におけるガス回収装置である。
【0013】
【作用】この発明においては、冷却室を流れる循環ガス
および冷却室で発生するガスとは別に、プレチャンバー
で発生するガスを回収することによって、循環不活性ガ
ス量に大きな変動を与えることなく、プレチャンバーで
発生する水素を水素含有量が多くガスカロリーの高いガ
スとして回収することができる。プレチャンバー上部か
ら回収する回収ガス量は、プレチャンバーでの赤熱コー
クスからの発生水素量より少ないと、回収ガスは水素含
有量が多くなる。一方、残りの水素は循環ガスに混入す
る。また、回収ガス量が発生水素量より多い場合は、発
生水素と共に循環不活性ガスの一部をプレチャンバー上
部から系外に回収していることになる。しかし、冷却用
循環不活性ガスがその分不足するが、希釈空気による循
環不活性ガス中の可燃ガスの燃焼によって補充されてい
るので、補充の必要はない。
【0014】一方、回収ガス量が発生水素量より多い場
合は、回収ガス中には循環ガスの影響で窒素分が多くな
ってCOも混じるようになり、水素としては品位は低く
なるが、高カロリーガスとしては比較的高品位であり、
ガスカロリーは若千低下するが回収量が増加する。した
がって、高カロリーガス回収の目的には、発生ガス量よ
り多くの量を回収する方法も有意義である。また、回収
量を発生ガス量より少なくした場合は、回収ガス中の水
素濃度は100%にはならない。これは、赤熱コークス
を装入する際、蓋を開けるので空気が混入するためであ
る。その結果、窒素、水蒸気、COが回収ガス中に混入
することになる。回収ガスは水素ガスとしては若千品位
が劣る。
【0015】また、この発明においては、プレチャンバ
ーの傾斜壁上部にガスを回収するためのガス溜まりを設
け、該ガス溜まり上部とガス回収ラインを連結したこと
によって、水素の比重が非常に小さいためほかのガスよ
りも上方に溜まり易く、ほぼ水素のみのガス回収が可能
となる。さらに、プレチャンバーからガスを回収する場
合には、赤熱コークス投入時にプレチャンバー内のガス
は大きく乱されるため、回収したガス中へのN2,CO
の混入は避けられない。一方、ガス溜まりは、プレチャ
ンバーの装入口より続く傾斜壁の上方に位置するため、
赤熱コークス投入時のガスの乱れも影響せず、水素が溜
まり易いものと思われる。なお、当然のことながら、ガ
ス溜まりからの回収ガス量は、赤熱コークスより発生す
る水素量以下でなければ、高濃度の水素ガスを回収でき
ない。発生水素量以上では、上方に溜まりやすい水素だ
けでなく、他のガスを回収することになるからである。
【0016】さらに、赤熱コークスから発生するガス回
収量を増すには、コークス炉において炉室中心部のコー
クス温度が700〜900℃に到達した時点で窯出しを
行ってプレチャンバーに投入すれば、未乾留分の水素が
その分多量に発生し、ガス回収量を増すことができる。
また、ガス回収量を増すには、プレチャンバーに炭化水
素を吹込み、赤熱コークスの熱で熱分解させ、水素とカ
ーボンを生成させることによっても達成することができ
る。
【0017】
【実施例】
従来例 コークス炉で炉室中心部のコークス温度900℃、平均
1000℃に乾留したコークスを窯出し、図1に示すコ
ークス処理量170Ton/Hrのコークス乾式消火設
備のプレチャンバー1に投入し、冷却室2下部から吹込
まれる冷却用循環不活性ガスと熱交換させて約175℃
まで冷却し、170Ton/Hrで冷却室2から切出し
た。一方、コークスと熱交換して高温となった循環不活
性ガスは、煙道3で希釈空気4を吹込んで可燃ガスの一
部を燃焼させ、ボイラ5で高温の循環不活性ガスの顕熱
回収を行った後、循環ファン6を介して再び冷却室下部
に循環すると共に、同時に循環ファン出口から余剰ガス
を8300Nm3/Hrで余剰ガス回収系7に回収し
た。得られた余剰ガスのガス組成とガスカロリーを表1
に示す。表1に示すとおり、余剰ガス中の水素は、約1
0%と低濃度であり、ガスカロリーは514kcal/
Nm3と低カロリーであった。なお、回収した余剰ガス
中にCO,CO2が含まれるのは、循環ガス中のCO2
2Oが赤熱コークスを冷却しつつ、自身は高温になる
際コークスと反応してCOを生じ、COが希釈空気によ
り燃焼して一部CO2になったためである。
【0018】実施例1 コークス炉で炉室中心部のコークス温度900℃、平均
1000℃に乾留したコークスを窯出し、図1に示すコ
ークス処理量170Ton/Hrのコークス乾式消火設
備のプレチャンバー1に投入し、冷却室2下部から吹込
まれる冷却用循環不活性ガスと熱交換させて約175℃
まで冷却し、170Ton/Hrで冷却室2から切出し
た。一方、コークスと熱交換して高温となった循環不活
性ガスは、煙道3で希釈空気4を吹込んで可燃ガスの一
部を燃焼させ、ボイラ5で高温の循環不活性ガスの顕熱
回収を行った後、循環ファン6を介して再び冷却室2下
部に循環した。一方、プレチャンバー1の上部空間より
乾留温度分布から推定した赤熱コークスからの発生水素
量1240Nm3/Hrよりも少ない、1000Nm3
Hrのガスをガス回収系8に回収した。得られた回収ガ
スのガス組成とガスカロリーを表1に示す。表1に示す
とおり、回収ガス中の水素は、約80%と高濃度の水素
に富んだガスが回収できた。この時の回収量1000N
3/Hrは従来例より少ないが、水素濃度が高いので
当然のことである。
【0019】なお、プレチャンバー内での発生水素量の
推定は、炉室中心部のコークス温度900℃乾留で、平
均温度の1000℃まで昇温されると、炉室中心部コー
クスの揮発分は、乾留温度と揮発分との関係を示す図3
から明らかなとおり1.0%であり、1000℃では
0.6%になるので、その差0.4%が水素として発生
する。平均温度より低い部分は、コークス炉より押出さ
れた時の温度から平均温度との揮発分差だけ水素を発生
する。一方、平均温度以上の部分のコークスは、温度が
下がるだけなので、ほとんど水素は発生しない。これら
をまとめるとコークス重量当たり約0.097%の水素
が発生すると推定される。コークス処理量を考慮し、体
積換算すると約1240Nm3/Hの水素発生量とな
る。
【0020】実施例2 コークス炉で炉室中心部のコークス温度900℃、平均
1000℃に乾留したコークスを窯出し、コークス処理
量170Ton/Hrの図1に示すコークス乾式消火設
備のプレチャンバー1に投入し、冷却室2下部から吹込
まれる冷却用循環不活性ガスと熱交換させて約175℃
まで冷却し、170Ton/Hrで冷却室2から切出し
た。一方、コークスと熱交換して高温となった循環不活
性ガスは、煙道3で希釈空気4を吹込んで可燃ガスの一
部を燃焼させ、ボイラ5で高温の循環不活性ガスの顕熱
回収を行った後、循環ファン6を介して再び冷却室2下
部に循環した。一方、プレチャンバー1の上部空間より
乾留温度分布から推定した赤熱コークスからの発生水素
量1240Nm3/Hrとほぼ等量の1200Nm3/H
rのガスをガス回収系8に回収した。得られた回収ガス
のガス組成とガスカロリーを表1に示す。また、循環フ
ァン6出口から系外にでる余剰ガスは、プレチャンバー
1上部でガス回収するので余剰ガス回収系7に回収せず
燃焼放散させた。表1に示すとおり、回収ガス中の水素
は、約80%と高濃度の水素に富んだガスが回収でき
た。回収ガス量が発生水素量とほぼ等量なため、循環不
活性ガスと一部混合しているのであろうと思われるが、
若千のCOも検出された。
【0021】実施例3 コークス炉で炉室中心部のコークス温度900℃、平均
1000℃に乾留したコークスを窯出し、コークス処理
量170Ton/Hrの図1に示すコークス乾式消火設
備のプレチャンバー1に投入し、冷却室2下部から吹込
まれる冷却用循環不活性ガスと熱交換させて約175℃
まで冷却し、170Ton/Hrで冷却室2から切出し
た。一方、コークスと熱交換して高温となった循環不活
性ガスは、煙道3で希釈空気4を吹込んで可燃ガスの一
部を燃焼させ、ボイラ5で高温の循環不活性ガスの顕熱
回収を行った後、循環ファン6を介して再び冷却室2下
部に循環した。一方、プレチャンバー1の上部空間より
乾留温度分布から推定した赤熱コークスからの発生水素
量1240Nm3/Hrより多い1500Nm3/Hrの
ガスをガス回収系8に回収した。得られた回収ガスのガ
ス組成とガスカロリーを表1に示す。また、循環ファン
6出口からの系外にでる余剰ガスは、プレチャンバー1
上部でガス回収するので余剰ガス回収系7に回収せず燃
焼放散させた。表1に示すとおり、回収ガス中の水素
は、実施例1、2に比べて低下したが、循環不活性ガス
が一部混入してCO成分があるため、ガスカロリーは高
いままを保っている。また、実施例3では、発生水素量
以上にガス回収し、下部からも一部ガスを放散してい
る。これは循環ガス中のCO2,H2Oによって生成する
可燃ガスがあり、希釈空気混入によって循環ガス量が保
てるからである。実施例1,2では、水素含有量多くC
O成分の混入も実施例1ではなく2では若千検出された
にすぎない。したがって、高水素濃度のガスを回収する
には、発生水素量以下のガス回収を行うことによって達
成できることがわかる。実施例3から明らかなように高
カロリーガス回収には、発生水素量に関係なく、プレチ
ャンバー上部より回収すれば良いことがわかる。
【0022】実施例4 コークス炉で炉室中心部のコークス温度900℃、平均
1000℃に乾留したコークスを窯出し、コークス処理
量170Ton/Hrの図2に示すコークス乾式消火設
備のプレチャンバー1に投入し、冷却室2下部から吹込
まれる冷却用循環不活性ガスと熱交換させて約175℃
まで冷却し、170Ton/Hrで冷却室2から切出し
た。一方、コークスと熱交換して高温となった循環不活
性ガスは、煙道3で希釈空気4を吹込んで可燃ガスの一
部を燃焼させ、ボイラ5で高温の循環不活性ガスの顕熱
回収を行った後、循環ファン6を介して再び冷却室2下
部に循環した。一方、プレチャンバー1上部の装入口1
1から続く傾斜壁部分12に上方に向かってガス溜まり
13を設け、該ガス溜まり13の上方よりガス回収系1
4に乾留温度分布から推定した赤熱コークスからの発生
水素量1240Nm3/Hrより少ない1000Nm3
Hrでガスを回収した。得られた回収ガスのガス組成と
ガスカロリーを表1に示す。また、循環ファン6出口か
らの系外にでる余剰ガスは、プレチャンバー1の傾斜壁
部分12に設けたガス溜まり13の上方からガス回収す
るので回収せず燃焼放散させた。表1に示すとおり、回
収ガス中の水素は、99.8%とほとんど水素のみであ
り、高温度水素ガス回収法として効果があった。
【0023】これは、水素の比重が非常に小さいためほ
かのガスよりも上方の溜まりやすいためであり、プレチ
ャンバー1からガスを回収する場合には、赤熱コークス
装入時にプレチャンバー1室間内のガスは大きく乱され
るために、回収したガス中には、N2,COの混入は避
けられない。一方、ガス溜まり13は、装入口より続く
傾斜壁部分12の上方に位置するため、装入時のガスの
乱れもガス溜まり13には影響せず、水素がたまりやす
いものと思われる。ガス溜まり13から回収するガス量
は、当然のことながら赤熱コークスより発生する水素量
以下でなければ、高濃度の水素ガスを回収できない。発
生水素量以上では、上方に溜まりやすい水素だけでな
く、他のガスを回収することになるからである。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明方法によれ
ば、コークス乾式消火設備のボイラーでの回収蒸気量を
低減させることなく、プレチャンバー内の赤熱コークス
から発生するガスを高カロリーガス、あるいは高濃度の
水素ガスとして回収することができ、多方面で有効に使
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例および実施例1〜3で使用したコークス
乾式消火設備の全体説明図である。
【図2】実施例4で使用したコークス乾式消火設備の全
体説明図である。
【図3】コークス乾留温度とコークス揮発分との関係を
示すグラフである。
【符号の説明】 1 プレチャンバー 2 冷却室 3 煙道 4 希釈空気 5 ボイラ 6 循環ファン 7 余剰ガス回収系 8、14 ガス回収系 11 装入口 12 傾斜壁部分 13 ガス溜まり

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コークス炉から排出された赤熱コークス
    を冷却塔のプレチャンバーに投入し、冷却室下部から循
    環不活性ガスを吹込んで赤熱コークスと熱交換させて冷
    却し、冷却室上部から赤熱コークスとの熱交換により高
    温となった循環不活性ガスを導出してボイラーで熱回収
    し、再度冷却室下部に循環するコークス乾式消火におい
    て、冷却室を流れる循環ガスおよび冷却室で発生するガ
    スとは別に、プレチャンバーで発生するガスを回収する
    ことを特徴とするコークス乾式消火におけるガス回収方
    法。
  2. 【請求項2】 コークス炉から排出された赤熱コークス
    を冷却塔のプレチャンバーに投入し、冷却室下部から循
    環不活性ガスを吹込んで赤熱コークスと熱交換させて冷
    却し、冷却室上部から赤熱コークスとの熱交換により高
    温となった循環不活性ガスを導出してボイラーで熱回収
    し、再度冷却室下部に循環するコークス乾式消火設備に
    おいて、プレチャンバーの傾斜壁上部にガスを回収する
    ためのガス溜まりを設け、該ガス溜まり上部とガス回収
    ラインを連結したことを特徴とするコークス乾式消火に
    おけるガス回収装置。
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JP (1) JPH08218074A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103396811A (zh) * 2013-08-16 2013-11-20 中国中煤能源集团有限公司 高温粉末半焦冷却系统
CN118164651A (zh) * 2024-05-14 2024-06-11 鄂托克旗红缨煤焦化有限责任公司 一种焦化浓盐水蒸发结晶处理系统

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