JPH1112571A - コークスの乾式消火方法 - Google Patents

コークスの乾式消火方法

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JPH1112571A
JPH1112571A JP18045297A JP18045297A JPH1112571A JP H1112571 A JPH1112571 A JP H1112571A JP 18045297 A JP18045297 A JP 18045297A JP 18045297 A JP18045297 A JP 18045297A JP H1112571 A JPH1112571 A JP H1112571A
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coke
gas
dry
chamber
temperature
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Kenichi Yatsugayo
健一 八ケ代
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コークスの乾式消火を行う際に、循環する冷
却ガスの温度を高めて効率的にコークスを冷却すること
に加えて、未燃焼富化ガスの燃焼による蒸気の増量回収
を図ると共に、プレチャンバーに内張りされた耐火物の
損傷防止、ブロアーあるいはダクト等の腐食を防止でき
るコークスの乾式消火方法を提供する。 【解決手段】 乾式消火槽11内に冷却ガス13を供給
して高温度のコークス20を冷却すると共に、コークス
20の冷却により加熱された冷却ガス13を熱交換器1
4に送給して熱置換を行なって後、乾式消火槽11内に
循環させるコークスの乾式消火方法において、乾式消火
槽11内のプレチャンバー24内に酸素含有気体とコー
クス20との反応が吸熱反応である気体とを交互に供給
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コークス炉で乾留
された高温度のコークスの乾式消火方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コークス炉によって乾留されたコークス
は、コークスの冷却とコークスの顕熱の回収を主目的と
して乾式の消火方法が用いられている。このコークスの
乾式消火方法は、縦型の円筒形のチャンバーに高温度の
コークスを上部から投入して下部から切り出す間に、円
筒形のチャンバーの下部から冷却ガスを供給して、向流
接触させてコークスの顕熱を冷却ガスに置換することで
高温度のコークスを冷却している。コークスと熱置換さ
れて高温となった冷却ガスは、連通して設けられたガス
路を経由してボイラーに送給されて蒸気の発生熱源とし
て活用され、熱置換されて低温となった冷却ガスは、再
び円筒形のチャンバーの下部に供給されて高温度のコー
クスを冷却する。前述のコークスと熱置換された冷却ガ
スには、コークスと冷却ガス中の水分等の反応により発
生する水素ガス、COガス等の未燃焼ガスが含まれてお
り、円筒形チャンバーの外部に設けたガス路に空気を供
給して燃焼させた後にボイラーに送り、それにより蒸気
の回収増を図るか、あるいは未燃焼ガスを含んだ低カロ
リーガスとして回収する等の方法が行われている。しか
し、不活性ガスを主体とした冷却ガスとコークスとの熱
置換では、コークスの冷却能力(t/日)やボイラーに
おける蒸気の回収、又は低カロリーガスとしての利用に
限界がある。この問題を解決するために、例えば特開昭
58−136688号公報に示すように、冷却塔(円筒
形のチャンバー)に下方から供給される不活性ガスの循
環路に冷熱供給手段を付設し、そのノズルから水あるい
は蒸気を供給して高温度のコークスの冷却促進と未燃焼
富化ガスの回収を図ることが提案されている。また、特
開昭59−75981号公報には、空気又は窒素ガスに
水分を加えた混合ガスを高温度のコークスが存在するプ
レチャンバーに供給して反応させることにより、コーク
スの冷却促進と未燃焼富化ガスの回収増を図ることが提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
58−136688号公報に示す不活性ガスを主体とす
る冷却ガスの循環路に、水あるいは蒸気を供給するか、
又は特開昭59−75981号公報に示すように、窒素
ガスと水分とを混合して供給する場合は、そのいずれと
も循環する不活性ガスを主体とする冷却ガスに、水ある
いは水蒸気を吹き込むために、ボイラー等により抜熱さ
れた冷却ガスが酸露点に達し、結露を起こしてブロアー
あるいは冷却ガス路を構成するダクト等の腐食を招く。
この結果、高温度のコークスの冷却とコークスのガス化
に添加する水分量に制限を受ける。また、特開昭59−
75981号公報に示すように、空気に水分を加えた混
合ガスをプレチャンバーに供給しコークスと反応させて
コークスの冷却とガス化を図る場合は、供給された空気
中の酸素がコークスの表層近傍で反応し、その部位の温
度のみが上昇することが懸念され、プレチャンバーに内
張りした耐火物の耐熱温度制約から吹き込み空気量に制
約を受けたり、また、プレチャンバー内の内張り耐火物
面にコークスの投入ピッチに応じた高温部と低温部とが
交互に形成され、耐火物に熱応力が繰り返し付加される
ために内張り耐火物の損傷を招く。更に、空気に水分を
加えた混合ガス(両方を同時に供給する)では、空気中
の酸素とコークスとの燃焼が優先されて、高温度のコー
クスと水分とによる水性ガス反応の発生が十分でなく、
未燃焼富化ガスの回収が困難となる等の問題がある。
【0004】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、コークスの効率的な冷却と未燃焼富化ガスの燃焼に
よる蒸気の増量回収を図ると共に、プレチャンバーに内
張りされた耐火物の損傷防止、ブロアーあるいはダクト
等の腐食を防止できるコークスの乾式消火方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載のコークスの乾式消火方法は、乾式消火槽内に冷却
ガスを供給してコークスを冷却すると共に、前記コーク
スの冷却により加熱された前記冷却ガスを熱交換器に送
給して熱置換を行なって後、前記乾式消火槽内に循環さ
せるコークスの乾式消火方法において、前記乾式消火槽
のプレチャンバー内に酸素含有気体とコークスとの反応
が吸熱反応である気体とを交互に供給する。このプレチ
ャンバー内の高温度のコークスに、まず酸素含有気体を
吹き付けることにより、比表面積の大きい微粉の選択燃
焼と通常コークスの表面燃焼を促進して冷却ガスを昇温
する。次に、コークスとの反応が吸熱反応である気体を
供給して水性ガス反応あるいは炭素と反応して吸熱分解
反応(ソリューションロス反応)を起こすことによっ
て、コークスを吸熱冷却してコークスの過剰な温度上昇
の抑制と、同時に冷却ガス中の未燃焼ガスの含有量を増
加させて富化された未燃焼ガスを生成する。ここで、乾
式消火槽は、縦型の円筒形の容器であり、上部に高温度
のコークスの投入口を備えたプレチャンバーと、この下
部に排出口を備えたクーリングチャンバーとからなり、
冷却ガスは、窒素ガスを主体としたもので一部CO2
ス、H2 O等を含有したガスを用いており、熱交換器と
してボイラー等により熱交換を行って冷却した後、クー
リングチャンバーに供給する。また、酸素含有気体とし
ては空気、酸素富化空気等を用い、コークスとの反応が
吸熱反応する気体としては、コークスの炭素と吸熱分解
反応(ソリューションロス反応)を起こす気体である。
【0006】請求項2記載のコークスの乾式消火方法
は、請求項1記載のコークスの乾式消火方法において、
前記コークスとの反応が吸熱反応である前記気体が水蒸
気である。従って、前述のプレチャンバーへの酸素含有
気体の供給による冷却ガスの過剰昇温及びコークス表層
温度の上昇を迅速に低減でき、且つ速やかな水性ガス反
応によりCO、H2 ガス等の未燃焼富化ガスが生成され
る。
【0007】請求項3記載のコークスの乾式消火方法
は、請求項1記載のコークスの乾式消火方法において、
前記コークスとの反応が吸熱反応である前記気体がCO
2 ガスである。従って、高温度のコークスとCO2 ガス
が反応して未燃焼のCOガスが生成し、このCOガスの
生成に伴う吸熱によりコークス表面を冷却して温度を低
下できる。また、乾式消火槽内に循環して供給される冷
却ガスの酸露点の温度を低くできることから冷却ガスの
熱置換が容易となる。
【0008】請求項4記載のコークスの乾式消火方法
は、請求項1記載のコークスの乾式消火方法において、
前記コークスとの反応が吸熱反応である前記気体が水蒸
気とCO2 ガスの混合気体である。従って、水性ガス反
応とCO2 ガスのCO分解反応とによりコークス表層の
温度の低下と水性ガス反応による未燃焼富化ガスの生成
を促進でき、しかも、循環して供給される冷却ガスの酸
露点の温度を低くできる。
【0009】請求項5記載のコークスの乾式消火方法
は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコークスの乾
式消火方法において、前記プレチャンバーに供給する前
記酸素含有気体の供給時間が1〜10分間である。従っ
て、コークス表層の温度の上昇を低く抑制し、プレチャ
ンバーの内張り耐火物と接するコークス表層の温度差を
小さくできる。また、酸素含有気体の供給時間が1分よ
り短いと比表面積の大きい微粉の選択燃焼及び通常コー
クスの表面燃焼が十分に行えないために冷却ガスの昇温
が小さく熱交換器による蒸気の回収が減少する。酸素含
有気体の供給時間が10分より長いと比表面積の大きい
微粉の選択燃焼及び通常コークスの表面燃焼が過剰にな
り、プレチャンバーの内張り耐火物と接するコークス表
面近傍の温度差が大きくなり、内張り耐火物の損傷を招
く。
【0010】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1は本発明の一実施の形態に係る
コークスの乾式消火方法に用いるコークスの乾式消火装
置の全体概略図、図2はプレチャンバー内に空気を供給
した場合のコークスの温度変化を示す図、図3の(a)
はプレチャンバー内の冷却ガスの中に含有される酸素濃
度と水性ガス反応の生成状態を示す図、(b)はプレチ
ャンバー内の冷却ガスの中に含有される酸素濃度とC
O、CO2 ガスの炭素との吸熱分解反応(ソリューショ
ンロス反応)の生成状態を示す図、図4は本発明の一実
施の形態に係るコークスの乾式消火方法を適用した場合
の冷却ガスの供給条件とコークスの表層温度の推移を示
す図である。
【0011】図1に示すように、コークスの乾式消火装
置10は、略円筒形の乾式消火槽11と、乾式消火槽1
1からガス路12を介して送給された冷却ガス13を熱
置換して蒸気を発生する熱交換器14と、冷却ガス13
を循環して供給するブロアー15とを有しており、乾式
消火槽11に循環する冷却ガス13の量を測定する冷却
ガス流量計16の測定により過剰となった冷却ガス13
の一部を放出管17に付設した放出弁18により放出す
るように設けてある。この乾式消火槽11の上部には、
乾式消火槽11を密閉する蓋19が設けてあり、コーク
ス炉(図示せず)で乾留された高温度のコークス20を
装入する場合は、蓋19を図中の点線で表す位置に移動
し、クレーン等の揚重機21によりコークスバケット2
2をコークス装入口23にセットして装入を行なう。ま
た、乾式消火槽11は高温度のコークス20が装入され
て冷却されながら降下するプレチャンバー24と、低温
のコークス20が充満された状態で冷却ガス13が供給
されるクーリングチャンバー25とからなり、クーリン
グチャンバー25の下部には冷却されたコークス20の
切り出し装置26と、切り出し装置26の下方には搬送
コンベアー27が設けてある。
【0012】乾式消火槽11のプレチャンバー24の全
体とクーリングチャンバー25の上部には、シャモット
煉瓦、アルミナ・シリカ系の煉瓦あるいは不定形耐火物
等からなる内張り耐火物28が設けてある。更に、プレ
チャンバー24には、酸素含有気体源(図示せず)に連
通した酸素含有気体供給管29と開閉弁30及びコーク
スと吸熱反応する気体源(図示せず)に連通した気体供
給管31と開閉弁32とこれ等の流量を把握する流量計
33が設けてある。この気体供給管31から供給される
コークスと吸熱反応する気体としては、水蒸気あるいは
CO2 ガス、又は水蒸気とCO2 ガスの混合気体等を用
いる。なお、34は集塵装置であり、35は冷却ガス1
3の流れを緩和する衝突板であり、36は冷却ガス13
に含まれる未燃焼ガスを燃焼して冷却ガス13を昇温す
る助燃空気の供給管であり、37は開閉弁、38はプレ
チャンバー24から冷却ガス13を排気するフリューで
ある。
【0013】次に、コークスの乾式消火装置10を本発
明の一実施の形態に係るコークスの乾式消火方法に用い
た場合の動作について説明する。プレチャンバー24の
上部のコークス装入口23から約950〜1000℃の
コークス20を1〜10分間の間隔で順次投入すること
により、乾式消火槽11のプレチャンバー24に、厚み
約500〜600mmのコークス20の積層20aした
状態が形成される。このコークス20の冷却は、熱交換
器14により200℃以下に冷却された15万Nm3
Hr相当の冷却ガス13をブロアー15により昇圧して
クーリングチャンバー25へ供給し、この冷却ガス13
がクーリングチャンバー25からプレチャンバー24へ
と上昇することでコークス20と接触して顕熱を奪っ
て、フリュー38からガス路12を経て熱交換器14へ
と循環することで行われる。コークス20は、200℃
以下に冷却されてクーリングチャンバー25の下部の切
り出し装置26から切り出されて搬送コンベアー27に
より搬送される。なお、前述のコークス20の温度は、
熱電対による接触測温、光温度計あるいは放射温度計等
により把握できる。
【0014】また、酸素含有気体供給管29の開閉弁3
0の開度を調整して流量計33の指示が4000Nm3
/Hrとなる量の空気をプレチャンバー24内に5分間
と10分間の二水準で供給し、それぞれの場合について
コークス20の冷却と冷却ガス13の昇温を行った。 C+O2 →CO2 (+8083Kcal/炭素Kg)・・・(1) C+H2 O→CO+H2 (−2367Kcal/炭素Kg)・・・(2) C+CO2 →2CO (−3183Kcal/炭素Kg)・・・(3) コークス20は、(1)式の反応により積層20aの表
層の温度が上昇し、その温度の上昇量は、図2に示すよ
うに吹き込まれる空気の絶対量よりも空気の吹き込みを
開始してからの経過時間と関係があり、吹き込み時間
(経過時間)が長くなる程プレチャンバー24内の積層
20aの表層から20〜50mm近傍の温度が高くな
る。この表層から20〜50mmの温度は、積層20a
の略表層温度(表層0〜50mmの平均温度)に近似し
ており、プレチャンバー24内の内張り耐火物28と接
する面も当然に高温度となる。この時のコークス20の
温度は、20〜50mmの表層部位で最も高い温度を示
し、経過時間5分の場合は1250℃、経過時間10分
の場合では1470℃となり、これ以上のコークス20
の表層の温度の上昇は、プレチャンバー24の内張り耐
火物28への影響が生じ、この状態での連続的な空気の
吹き込みは不可能である。一方、空気を所定時間吹き込
んだ後に、プレチャンバー24内の冷却ガス13中に残
存する酸素濃度の条件と吸熱反応する気体である水蒸気
とによる水性ガス反応の生成状態については、図3
(a)に示すように、冷却ガス13中に残存する酸素濃
度が高いと水蒸気はH2 Oとして冷却ガス13中に存在
して水性ガス反応を起こさない。従って、残存する酸素
濃度が1×10-9%以下、好ましくは1×10-13 %以
下の条件にすることによりコークス20と水蒸気との水
性ガス反応が(2)式に示すように安定して生起する。
また、例えば前述の水蒸気にかえてCO2 ガスを用いた
図3(b)の場合も、ガス中に残存する酸素濃度が1×
10-9%より高いと炭素と反応する吸熱分解反応(ソリ
ューションロス反応)は起らず冷却ガス13中にCO2
ガスが未反応で残存することから、残存する酸素濃度が
1×10-9%以下、好ましくは1×10-13 %以下の条
件にすることで(3)式に示す吸熱反応を十分に達成で
きる。このように、酸素含有気体(空気)と接触するコ
ークス20の表層から20〜50mmの部位では、酸素
が微量(1×10-8%程度)に残存する。この結果、酸
素がCO2 となる発熱量の大きい反応が主体であり、水
性ガス反応や炭素と反応する吸熱分解反応(ソリューシ
ョンロス反応)は殆どなく、コークス20の温度を抑え
る目的で酸素含有気体と同時に水蒸気やCO2 ガスを吹
き込んでも吸熱反応は生じない。
【0015】従って、前述したように、プレチャンバー
24内に酸素含有気体供給管29の開閉弁30の開度を
調整して流量計33の指示が4000Nm3 /Hrとな
る量の空気を5分間供給してコークス20の冷却と冷却
ガス13の昇温を行ない、その後に、酸素含有気体供給
管29の開閉弁30を閉じて空気の吹き込みを停止し
た。次に、気体供給管31の開閉弁32の開度を調整し
て流量計33の指示が4000Nm3 /Hrの水蒸気の
供給を行ない、この操作を交互に実施した。この酸素含
有気体と吸熱反応気体の吹き込みを交互に行うことによ
り、酸素含有気体の供給によるコークス20の表層の燃
焼による温度の上昇と冷却ガス13の初期の昇温を図っ
て熱交換器14により蒸気回収を増加すると共に、引き
続いて行う水蒸気やCO2 ガスを供給することによりコ
ークス20の表層の温度を吸熱反応により下げると同時
に冷却ガス13中の未燃焼ガス(COガス、H2 ガス
等)を富化する。この酸素含有気体の吹き込みを停止し
て吸熱反応気体を吹き込んだ場合のコークス20の表層
の酸素は速やかに炭素と反応してCOガスとなり、酸素
の残存量が極めて少なくなり、吸熱反応を容易に起こす
ことができる。また、前述の操作によりコークス20の
表層の温度の低下し、1〜10分間の間隔で順次投入さ
れた厚み約500〜600mmのコークスの積層20a
の各々の温度差を小さくすることができ、プレチャンバ
ー24の内張り耐火物28の損傷が防止できる。
【0016】このように、プレチャンバー24内に酸素
含有気体供給管29から供給された酸素含有気体により
コークス20は燃焼する。この燃焼の際に、一旦生成し
たCO2 ガスがコークス20中の炭素と反応してCOガ
スとなるので、ガス路12の途中に設けた助燃空気の供
給管36の開閉弁37を開いて助燃空気を供給すること
により完全に燃焼させる。この時冷却ガス13は、68
0℃から980℃(+300℃)に昇温され、ガス路1
2を経て衝突板35に衝突して流速を減じ、集塵装置3
4を通り熱交換器14へと導かれて熱置換により冷却さ
れてブロアー15へと循環する。また、プレチャンバー
24内に気体供給管31から供給されたコークスと吸熱
反応を起こす気体は、CO、H2 ガス等の未燃焼のガス
を含有した状態でフリュー38から排出され、ガス路1
2を経て助燃空気の供給管36から供給される空気によ
り燃焼、昇温される。この後は、同様に衝突板35に衝
突して流速を減じ、集塵装置34で除塵されて熱交換器
14により同様に冷却されてブロアー15へと循環す
る。更に、プレチャンバー24内に酸素含有気体及び吸
熱反応を起こす気体の供給によって冷却ガス13の循環
量が増加した場合には、ガスの放出弁18から所定量を
放出する。
【0017】
【実施例】次に、本実施の形態に係わるコークスの乾式
消火方法の実施例について説明する。まず、乾式消火槽
11のコークス装入口23からプレチャンバー24内に
6分間のピッチで1回当たり15トン、約980℃のコ
ークス20を装入した。また、N2 ガスを主体としCO
2 ガス、H2 Oを含有する15万Nm3 /Hrの冷却ガ
ス13をブロアー15により昇圧して、乾式消火槽11
のクーリングチャンバー25からプレチャンバー24及
びフリュー38からガス路12へと循環して、プレチャ
ンバー24内のコークス20(積層20a)の冷却と熱
置換を行なった。この15トンのコークス装入と同時に
空気(エアー)を4000Nm3 /Hrで5分間供給を
継続した。この時のコークス20の表層の温度は図4に
示すように、1200℃となり、この時点で空気の供給
を停止し、水蒸気を3200Kg/Hrで1分間の供給
を行った。その結果、コークス20の表層の温度は11
30℃に低下し、コークス装入時の温度レベルも略前回
のコークス装入時温度(980℃)までに低下すること
ができた。更に、前述の空気の供給と、空気の供給を停
止し水蒸気の供給を行った場合と、比較例として400
0Nm3 /Hrの量の空気を5分間供給してそのまま空
気を停止した場合とを表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】本実施例では、水性ガス反応によりプレチ
ャンバー24の表層の温度を1130℃と低く抑えたに
もかかわらず、蒸気発生量は比較例に対して約2倍に増
加できた。また、循環する冷却ガス13中の水分も限界
値である10%より大幅に低い値(6%)に維持でき、
プレチャンバー24内のコークス20の表層の温度の低
下と積層20aの各層の温度差を200℃以下にできた
ことから内張り耐火物の熱負荷も大幅に改善された。な
お、酸素含有気体としては空気を用いたが、酸素を負荷
した空気等を用いることができ、空気の供給を停止した
後に用いる吸熱反応を起こす気体としては、水蒸気、C
2 及び水蒸気とCO2 の混合ガスの他に水、燃焼排ガ
ス等を用いることができる。また、熱交換器として、ボ
イラーの他に温水発生器等を用いることも有効であり、
その他においても本発明の要旨を逸脱しない範囲を含む
ものである。
【0020】
【発明の効果】請求項1〜5記載のコークスの乾式消火
方法は、乾式消火槽内のプレチャンバー内に酸素含有気
体とコークスとの反応が吸熱反応である気体とを交互に
供給するので、比表面積の大きい微粉コークスの選択燃
焼と通常コークスの表層の燃焼を促進して冷却気体の昇
温と、吸熱反応する気体の供給によるコークス表層の過
剰な温度上昇の抑制を図り、同時にコークスと吸熱反応
を生じさせて冷却気体中の未燃焼ガスの含有量を増加さ
せることで蒸気の大幅な回収増ができる。また、酸素含
有気体と、コークスと吸熱反応をおこす気体を交互に供
給することにより、コークスの燃焼による過剰な温度の
上昇を抑制して内張り耐火物の損傷を防止できる。
【0021】請求項2記載のコークスの乾式消火方法
は、乾式消火槽内のプレチャンバー内に酸素含有気体を
供給した後に、水蒸気を供給するのでコークスの表層の
温度を水性ガス反応により速やかに低下でき、熱カロリ
ーの高い未燃焼分を多量に含むガスが形成されるのでよ
り蒸気の大幅な回収増が可能となる。
【0022】請求項3記載のコークスの乾式消火方法
は、コークスとの反応が吸熱反応である前記気体がCO
2 ガスであるので、高温度のコークスとCO2 ガスが反
応して未燃焼のCOガスの生成と、吸熱反応によりコー
クスの表層を冷却して温度を低下させると共に、冷却気
体の酸露点の温度を低くできることから冷却気体の循環
系路内の装置及び熱置換器の腐食を防止できる。
【0023】請求項4記載のコークスの乾式消火方法
は、コークスとの反応が吸熱反応である気体を水蒸気と
CO2 ガスの混合気体としているので、水性ガス反応と
CO2ガスのCO分解反応とによりコークス表層の温度
の低下と水性ガス反応による未燃焼富化ガスの生成を促
進でき、しかも、循環して供給される冷却気体の酸露点
の温度を低くして、冷却ガスによる循環系路内の装置及
び熱交換器の腐食を防止できる。
【0024】請求項5記載のコークスの乾式消火方法
は、プレチャンバーに供給する酸素含有気体の供給時間
を1〜10分間としているので、コークスの表層の温度
の上昇の抑制と、積層されるコークス層の温度差を小さ
くできることからプレチャンバーの内張り耐火物の熱負
荷の軽減と内張り耐火物の損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るコークスの乾式消
火方法に用いるコークスの乾式消火装置の全体概略図で
ある。
【図2】プレチャンバー内に空気を供給した場合のコー
クスの温度変化を示す図である。
【図3】(a)はプレチャンバー内の冷却ガスの中に含
有される酸素濃度と水性ガス反応の生成状態を示す図で
ある。(b)はプレチャンバー内の冷却ガスの中に含有
される酸素濃度とCO、CO2 ガスの炭素との吸熱分解
反応(ソリューションロス反応)の生成状態を示す図で
ある。
【図4】本発明の一実施の形態に係るコークスの乾式消
火方法を適用した場合の冷却ガスの供給条件とコークス
の表層の温度推移を示す図である。
【符号の説明】
10 乾式消火装置 11 乾式消火
槽 12 ガス路 13 冷却ガス 14 熱交換器 15 ブロアー 16 冷却ガス流量計 17 放出管 18 放出弁 19 蓋 20 コークス 20a 積層 21 揚重機 22 コークス
バケット 23 コークス装入口 24 プレチャ
ンバー 25 クーリングチャンバー 26 切り出し
装置 27 搬送コンベアー 28 内張り耐
火物 29 酸素含有気体供給管 30 開閉弁 31 気体供給管 32 開閉弁 33 流量計 34 集塵装置 35 衝突板 36 助燃空気
の供給管 37 開閉弁 38 フリュー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾式消火槽内に冷却ガスを供給してコー
    クスを冷却すると共に、前記コークスの冷却により加熱
    された前記冷却ガスを熱交換器に送給して熱置換を行な
    って後、前記乾式消火槽内に循環させるコークスの乾式
    消火方法において、前記乾式消火槽のプレチャンバー内
    に酸素含有気体とコークスとの反応が吸熱反応である気
    体とを交互に供給することを特徴とするコークスの乾式
    消火方法。
  2. 【請求項2】 前記コークスとの反応が吸熱反応である
    前記気体が水蒸気であることを特徴とする請求項1記載
    のコークスの乾式消火方法。
  3. 【請求項3】 前記コークスとの反応が吸熱反応である
    前記気体がCO2 ガスであることを特徴とする請求項1
    記載のコークスの乾式消火方法。
  4. 【請求項4】 前記コークスとの反応が吸熱反応である
    前記気体が水蒸気とCO2 ガスの混合気体であることを
    特徴とする請求項1記載のコークスの乾式消火方法。
  5. 【請求項5】 前記プレチャンバーに供給する前記酸素
    含有気体の供給時間が1〜10分間であることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項に記載のコークスの乾
    式消火方法。
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