JPH09227781A - 熱可塑性ケイ素系高分子組成物およびその製造方法 - Google Patents
熱可塑性ケイ素系高分子組成物およびその製造方法Info
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- JPH09227781A JPH09227781A JP3223296A JP3223296A JPH09227781A JP H09227781 A JPH09227781 A JP H09227781A JP 3223296 A JP3223296 A JP 3223296A JP 3223296 A JP3223296 A JP 3223296A JP H09227781 A JPH09227781 A JP H09227781A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐熱性及び成形加工性に優れた熱可塑性ケイ
素系高分子組成物を提供する。 【解決手段】 くり返し単位が−(Ar2 SiCH2 )
−からなるポリジアリールシルメチレン1〜99wt%及
び−(R1 R2 SiCH2 )n −で表される構成単位を
主成分とするポリシロキサン(B)1〜99wt%からな
る熱可塑性ケイ素系高分子組成物(Ar:アリール基又
は置換アリール基;R1 ,R2 :水素原子、C1 〜C6
のアルキル基等;nは5≦n≦50,000)。
(A),(B)両成分のどちらか一方の高分子と、他方
の高分子の前駆体とを混合し、その前駆体を目的の高分
子に転化させて上記組成物を作る。
素系高分子組成物を提供する。 【解決手段】 くり返し単位が−(Ar2 SiCH2 )
−からなるポリジアリールシルメチレン1〜99wt%及
び−(R1 R2 SiCH2 )n −で表される構成単位を
主成分とするポリシロキサン(B)1〜99wt%からな
る熱可塑性ケイ素系高分子組成物(Ar:アリール基又
は置換アリール基;R1 ,R2 :水素原子、C1 〜C6
のアルキル基等;nは5≦n≦50,000)。
(A),(B)両成分のどちらか一方の高分子と、他方
の高分子の前駆体とを混合し、その前駆体を目的の高分
子に転化させて上記組成物を作る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、成形加工
性に優れた熱可塑性ケイ素系高分子組成物およびその製
造方法に関する。詳しくは、ケイ素原子と炭素原子が交
互に結合した主鎖構造を有する結晶性ポリジアリールシ
ルメチレンを含有する、耐熱性および成形加工性に優れ
た熱可塑性ケイ素系高分子組成物およびその製造方法に
関する。
性に優れた熱可塑性ケイ素系高分子組成物およびその製
造方法に関する。詳しくは、ケイ素原子と炭素原子が交
互に結合した主鎖構造を有する結晶性ポリジアリールシ
ルメチレンを含有する、耐熱性および成形加工性に優れ
た熱可塑性ケイ素系高分子組成物およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】主鎖にケイ素原子を含むケイ素系高分子
材料は、従来から知られる有機高分子材料に見られない
特性が期待されるため機能性材料として注目されてい
る。代表的なものにポリシロキサン(シリコーン)類が
あり、その耐熱性、電気絶縁性、離型性、撥水性等のユ
ニークな特性から、幅広い分野で利用されている。一
方、主鎖がケイ素と炭素からなるポリカルボシラン類も
よく知られており、主鎖に極性原子を含まないことか
ら、耐熱性のみならず、耐水性、耐薬品性にも優れるこ
とが期待される。しかしながら、その研究、開発の大部
分は、炭化水素セラミックスの前駆体としての検討であ
り、得られた高分子の耐熱性材料としての研究例は非常
に少ない。ケイ素上の置換基がすべてアリール基であり
ケイ素原子と炭素原子が交互に結合した主鎖構造を有す
るポリジアリールシルメチレンに関して言えば、1,
1,3,3−テトラフェニル1,3−ジシラシクロブタ
ンの熱開環重合によるポリジフェニルシルメチレンの合
成(N.S.Nametkin,V.M.Vdovi
n,V.I.Zavyalov,Dokl.Akad.
NaukSSSR,162(4),824(196
5))、およびジクロロシランとジブロモメタンのウル
ツカップリングによるポリジフェニルシルメチレンの合
成(B.van Aefferden,W.Habe
l,P.Sartori,Chemiker−Zt
g.,114,367 (1990))が報告されてお
り、熱開環重合法で得られるポリマーは結晶性を示すこ
とが明らかになっている。本発明者らも、1,1,3,
3−テトラアリール1,3−ジシラシクロブタンの銅族
触媒存在下の開環重合によるポリジフェニルシルメチレ
ンの製造方法(特願平6−244158)、同モノマー
を用いる開環重合によるジフェニルスルホン中でのポリ
ジフェニルシルメチレンの製造方法(特願平6−244
099,6−244100)、および耐熱性の改善され
たポリカルボシラン組成物(特願平6−267446)
に関して報告し、得られるポリジアリールシルメチレン
の高い耐熱性(5%重量減少温度:450−500℃)
を確認している。
材料は、従来から知られる有機高分子材料に見られない
特性が期待されるため機能性材料として注目されてい
る。代表的なものにポリシロキサン(シリコーン)類が
あり、その耐熱性、電気絶縁性、離型性、撥水性等のユ
ニークな特性から、幅広い分野で利用されている。一
方、主鎖がケイ素と炭素からなるポリカルボシラン類も
よく知られており、主鎖に極性原子を含まないことか
ら、耐熱性のみならず、耐水性、耐薬品性にも優れるこ
とが期待される。しかしながら、その研究、開発の大部
分は、炭化水素セラミックスの前駆体としての検討であ
り、得られた高分子の耐熱性材料としての研究例は非常
に少ない。ケイ素上の置換基がすべてアリール基であり
ケイ素原子と炭素原子が交互に結合した主鎖構造を有す
るポリジアリールシルメチレンに関して言えば、1,
1,3,3−テトラフェニル1,3−ジシラシクロブタ
ンの熱開環重合によるポリジフェニルシルメチレンの合
成(N.S.Nametkin,V.M.Vdovi
n,V.I.Zavyalov,Dokl.Akad.
NaukSSSR,162(4),824(196
5))、およびジクロロシランとジブロモメタンのウル
ツカップリングによるポリジフェニルシルメチレンの合
成(B.van Aefferden,W.Habe
l,P.Sartori,Chemiker−Zt
g.,114,367 (1990))が報告されてお
り、熱開環重合法で得られるポリマーは結晶性を示すこ
とが明らかになっている。本発明者らも、1,1,3,
3−テトラアリール1,3−ジシラシクロブタンの銅族
触媒存在下の開環重合によるポリジフェニルシルメチレ
ンの製造方法(特願平6−244158)、同モノマー
を用いる開環重合によるジフェニルスルホン中でのポリ
ジフェニルシルメチレンの製造方法(特願平6−244
099,6−244100)、および耐熱性の改善され
たポリカルボシラン組成物(特願平6−267446)
に関して報告し、得られるポリジアリールシルメチレン
の高い耐熱性(5%重量減少温度:450−500℃)
を確認している。
【0003】一般的に、耐熱性に優れる高分子は、成形
加工性に難点があることが多く、この点を改善するため
に様々な提案がなされている。その代表的な手法として
1)高分子の分子量分布を広くし低分子量体の成分比率
を高くする方法、2)低分子量化合物を可塑剤として添
加する方法、3)流動性の良好な高分子とブレンドする
方法などが知られている。1)の方法では、高分子の耐
熱性を損なうことはないが、成形加工性の改善効果はそ
れほど大きくない。2)の方法では、可塑剤の添加量に
従って成形加工性が改善されるが、得られた組成物の耐
熱性、機械特性等に悪影響を及ぼすことが多い。3)の
ポリマーブレンド法は、成形加工性の改善効果は大きい
が、構成成分の相溶性が悪い場合は成形後の組成物の外
観が悪くなったり、均質の成形品が製造できなかったり
することがある。
加工性に難点があることが多く、この点を改善するため
に様々な提案がなされている。その代表的な手法として
1)高分子の分子量分布を広くし低分子量体の成分比率
を高くする方法、2)低分子量化合物を可塑剤として添
加する方法、3)流動性の良好な高分子とブレンドする
方法などが知られている。1)の方法では、高分子の耐
熱性を損なうことはないが、成形加工性の改善効果はそ
れほど大きくない。2)の方法では、可塑剤の添加量に
従って成形加工性が改善されるが、得られた組成物の耐
熱性、機械特性等に悪影響を及ぼすことが多い。3)の
ポリマーブレンド法は、成形加工性の改善効果は大きい
が、構成成分の相溶性が悪い場合は成形後の組成物の外
観が悪くなったり、均質の成形品が製造できなかったり
することがある。
【0004】一方、ポリシロキサン類とポリカルボシラ
ン類からなるケイ素系高分子組成物の研究例はほとんど
見あたらないが、特開平5−105766号公報に、ケ
イ酸塩類の縮合反応とケイ素含有環状化合物の開環重合
反応により得られるケイ素系ハイブリッド材料が開示さ
れている。この材料はケイ素−酸素結合から構成される
3次元架橋した成分を含むため耐熱性に優れているが、
本質的に熱硬化性樹脂であるため、成形加工に対する自
由度はそれほど大きくない。これまでに、直鎖状のポリ
シロキサン類とポリカルボシラン類からなる、耐熱性お
よび成形加工性に優れた熱可塑性ケイ素系高分子組成物
は報告されていない。
ン類からなるケイ素系高分子組成物の研究例はほとんど
見あたらないが、特開平5−105766号公報に、ケ
イ酸塩類の縮合反応とケイ素含有環状化合物の開環重合
反応により得られるケイ素系ハイブリッド材料が開示さ
れている。この材料はケイ素−酸素結合から構成される
3次元架橋した成分を含むため耐熱性に優れているが、
本質的に熱硬化性樹脂であるため、成形加工に対する自
由度はそれほど大きくない。これまでに、直鎖状のポリ
シロキサン類とポリカルボシラン類からなる、耐熱性お
よび成形加工性に優れた熱可塑性ケイ素系高分子組成物
は報告されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、結晶
性ポリジアリールシルメチレンを含有する、耐熱性およ
び成形加工性に優れた熱可塑性ケイ素系高分子組成物を
提供することにある。
性ポリジアリールシルメチレンを含有する、耐熱性およ
び成形加工性に優れた熱可塑性ケイ素系高分子組成物を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達し
た。すなわち本発明は、くり返し単位が−(Ar2 Si
CH2 )−からなるポリジアリールシルメチレン(A)
1〜99重量%および−(R1 R2 SiO)n −で表さ
れる構成単位を主成分とするポリシロキサン(B)1〜
99重量部からなる、耐熱性および成形加工性に優れた
熱可塑性ケイ素系高分子組成物およびその製造方法であ
る。ここにArはアリール基又は置換アリール基を表
し、R1 及びR2 は同一であり又は独立に、水素原子、
炭素数1〜6のアルキル基、置換アルキル基、アルケニ
ル基、アリール基、置換アリール基、アルコキシ基、水
酸基又はハロゲン原子を表す。また、nは重合度を表
し、5≦n≦50,000である。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達し
た。すなわち本発明は、くり返し単位が−(Ar2 Si
CH2 )−からなるポリジアリールシルメチレン(A)
1〜99重量%および−(R1 R2 SiO)n −で表さ
れる構成単位を主成分とするポリシロキサン(B)1〜
99重量部からなる、耐熱性および成形加工性に優れた
熱可塑性ケイ素系高分子組成物およびその製造方法であ
る。ここにArはアリール基又は置換アリール基を表
し、R1 及びR2 は同一であり又は独立に、水素原子、
炭素数1〜6のアルキル基、置換アルキル基、アルケニ
ル基、アリール基、置換アリール基、アルコキシ基、水
酸基又はハロゲン原子を表す。また、nは重合度を表
し、5≦n≦50,000である。
【0007】本発明における、ポリジアリールシルメチ
レンとは、高分子主鎖の繰り返し単位が−(Ar2 Si
CH2 )−(但し、Arは独立にアリール基又は置換ア
リール基を表す。)からなるものである。このポリジア
リールシルメチレンは、熱重合により合成されるもので
あっても、触媒重合により合成されるものであっても基
本構造は同じものであると考えられている。この点につ
いては、本願発明者らは特願平6−244158号にて
報告を行なっている。
レンとは、高分子主鎖の繰り返し単位が−(Ar2 Si
CH2 )−(但し、Arは独立にアリール基又は置換ア
リール基を表す。)からなるものである。このポリジア
リールシルメチレンは、熱重合により合成されるもので
あっても、触媒重合により合成されるものであっても基
本構造は同じものであると考えられている。この点につ
いては、本願発明者らは特願平6−244158号にて
報告を行なっている。
【0008】またポリジアリールシルメチレンは、結晶
性ポリマーであり常温では、トルエン、テトラヒドロフ
ラン等の溶媒への溶解度が低いので、GPC,溶液の蒸
気圧等の通常の方法を用いて分子量を決定することがで
きない。示差走査熱量計(DSC)を用いるポリマーの
熱挙動の測定(ポリマーの結晶化温度、あるいは融点)
により、ポリマーの重合度の違いを定性的に知ることは
できるが、通常の方法で真の重合度を知ることはできな
い。
性ポリマーであり常温では、トルエン、テトラヒドロフ
ラン等の溶媒への溶解度が低いので、GPC,溶液の蒸
気圧等の通常の方法を用いて分子量を決定することがで
きない。示差走査熱量計(DSC)を用いるポリマーの
熱挙動の測定(ポリマーの結晶化温度、あるいは融点)
により、ポリマーの重合度の違いを定性的に知ることは
できるが、通常の方法で真の重合度を知ることはできな
い。
【0009】本発明の熱可塑性ケイ素系高分子組成物
は、後述したような公知の方法(加圧成形、溶融混練
等)で製造することができる。また本発明が提供する方
法即ち、ポリジアリールシルメチレンの前駆体を原料と
する方法やポリシロキサンの前駆体を原料とする方法等
によっても製造できる。このため本発明のポリシルメチ
レン組成物に使用されるポリジアリールシルメチレンの
実質的な重合度は格別制限されるものではない。
は、後述したような公知の方法(加圧成形、溶融混練
等)で製造することができる。また本発明が提供する方
法即ち、ポリジアリールシルメチレンの前駆体を原料と
する方法やポリシロキサンの前駆体を原料とする方法等
によっても製造できる。このため本発明のポリシルメチ
レン組成物に使用されるポリジアリールシルメチレンの
実質的な重合度は格別制限されるものではない。
【0010】本発明の組成物の構成成分であるポリジア
リールシルメチレン(A)の置換基Arとしては、芳香
族基、アルキル置換芳香族基、アルケニル置換芳香族
基、アシル置換芳香族基、ハロゲン置換芳香族基等が挙
げられる。具体的には、フェニル基、ナフチル基、ビフ
ェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル
基、3−クロロメチルフェニル基、4−クロロメチルフ
ェニル基、2−ビニルフェニル基、3−ビニルフェニル
基、4−ビニルフェニル基、4−アセチルフェニル基、
2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−ク
ロロフェニル基などが例示されるが、経済性の観点から
は、フェニル基、m−トリル基、p−トリル基、3−ク
ロロフェニル基、4−クロロフェニル基から選ばれた基
であることが好ましい。
リールシルメチレン(A)の置換基Arとしては、芳香
族基、アルキル置換芳香族基、アルケニル置換芳香族
基、アシル置換芳香族基、ハロゲン置換芳香族基等が挙
げられる。具体的には、フェニル基、ナフチル基、ビフ
ェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル
基、3−クロロメチルフェニル基、4−クロロメチルフ
ェニル基、2−ビニルフェニル基、3−ビニルフェニル
基、4−ビニルフェニル基、4−アセチルフェニル基、
2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−ク
ロロフェニル基などが例示されるが、経済性の観点から
は、フェニル基、m−トリル基、p−トリル基、3−ク
ロロフェニル基、4−クロロフェニル基から選ばれた基
であることが好ましい。
【0011】次に、本発明で用いるポリシロキサン
(B)は、−(R1 R2 SiO)n −で表される構成単
位を主成分とするものである。すなわち、−(R1 R2
SiO)−単位を主成分とするシロキサンホモポリマー
はもちろん、同じ式で表わされる他のシロキサン単位を
含有するシロキサンコポリマーも本発明のポリシロキサ
ンの範疇に含まれる。この際のケイ素上の置換基R1 ,
R2 はすべて独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル
基、置換アルキル基、アルケニル基、アリール基、置換
アリール基、アルコキシ基、水酸基あるいはハロゲン原
子を表す。具体例としては、水素原子、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、n−ヘキシル基、クロロメチル
基、ビニル基、アリル基、フェニル基、o−トリル基、
m−トリル基、p−トリル基、3−クロロフェニル基、
4−クロロフェニル基、3−クロロメチルフェニル基、
4−クロロメチルフェニル基、3−ビニルフェニル基、
4−ビニルフェニル基、4−アセチルフェニル基、メト
キシ基、エトキシ基、水酸基、塩素原子などが例示され
るが、経済性の観点からは、水素原子、メチル基、エチ
ル基、ビニル基、フェニル基、m−トリル基、p−トリ
ル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、
メトキシ基、エトキシ基、水酸基から選ばれた基である
ことが好ましい。ポリシロキサンの具体例としては、ジ
メチルシロキシ基、ジエチルシロキシ基、ジフェニルシ
ロキシ基、メチルフェニルシロキシ基、メチルハイドロ
ジェンシロキシ基、メチルビニルシロキシ基からなるホ
モポリマーまたはコポリマーが挙げられる。また、重合
度nに関してはポリシロキサン(B)の揮発性及び以下
に述べるポリジアリールシルメチレン(A)の前駆体と
の親和性を考慮すると、5以上50,000以下の値で
あることが望ましい。
(B)は、−(R1 R2 SiO)n −で表される構成単
位を主成分とするものである。すなわち、−(R1 R2
SiO)−単位を主成分とするシロキサンホモポリマー
はもちろん、同じ式で表わされる他のシロキサン単位を
含有するシロキサンコポリマーも本発明のポリシロキサ
ンの範疇に含まれる。この際のケイ素上の置換基R1 ,
R2 はすべて独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル
基、置換アルキル基、アルケニル基、アリール基、置換
アリール基、アルコキシ基、水酸基あるいはハロゲン原
子を表す。具体例としては、水素原子、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、n−ヘキシル基、クロロメチル
基、ビニル基、アリル基、フェニル基、o−トリル基、
m−トリル基、p−トリル基、3−クロロフェニル基、
4−クロロフェニル基、3−クロロメチルフェニル基、
4−クロロメチルフェニル基、3−ビニルフェニル基、
4−ビニルフェニル基、4−アセチルフェニル基、メト
キシ基、エトキシ基、水酸基、塩素原子などが例示され
るが、経済性の観点からは、水素原子、メチル基、エチ
ル基、ビニル基、フェニル基、m−トリル基、p−トリ
ル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、
メトキシ基、エトキシ基、水酸基から選ばれた基である
ことが好ましい。ポリシロキサンの具体例としては、ジ
メチルシロキシ基、ジエチルシロキシ基、ジフェニルシ
ロキシ基、メチルフェニルシロキシ基、メチルハイドロ
ジェンシロキシ基、メチルビニルシロキシ基からなるホ
モポリマーまたはコポリマーが挙げられる。また、重合
度nに関してはポリシロキサン(B)の揮発性及び以下
に述べるポリジアリールシルメチレン(A)の前駆体と
の親和性を考慮すると、5以上50,000以下の値で
あることが望ましい。
【0012】本発明の熱可塑性ケイ素系高分子組成物
は、熱可塑性を示すため本質的に成形加工性に優れてい
る。また、ポリジアリールシルメチレン(A)成分が存
在するため耐熱性が高く、ポリシロキサン(B)成分の
存在により耐熱性を損なうことなく成形加工性がさらに
改良される。一方、主鎖骨格が類似していることから両
成分の相溶性は比較的良好で、成形後の組成物は良好な
表面外観を有する。ここで(A)成分、(B)成分共に
単独で用いることもできるし、それぞれ2種以上のポリ
マーを組み合わせて使用することも可能である。さらに
該組成物は、(A),(B)の合計量100重量%に対
してポリジアリールシルメチレン(A)1〜99重量%
と、ポリシロキサン(B)1〜99重量%から構成され
る。ここで(A),(B)の割合が上記範囲をはずれる
場合には、各成分の配合による効果が小さく好ましくな
い。
は、熱可塑性を示すため本質的に成形加工性に優れてい
る。また、ポリジアリールシルメチレン(A)成分が存
在するため耐熱性が高く、ポリシロキサン(B)成分の
存在により耐熱性を損なうことなく成形加工性がさらに
改良される。一方、主鎖骨格が類似していることから両
成分の相溶性は比較的良好で、成形後の組成物は良好な
表面外観を有する。ここで(A)成分、(B)成分共に
単独で用いることもできるし、それぞれ2種以上のポリ
マーを組み合わせて使用することも可能である。さらに
該組成物は、(A),(B)の合計量100重量%に対
してポリジアリールシルメチレン(A)1〜99重量%
と、ポリシロキサン(B)1〜99重量%から構成され
る。ここで(A),(B)の割合が上記範囲をはずれる
場合には、各成分の配合による効果が小さく好ましくな
い。
【0013】本発明の熱可塑性ケイ素系高分子組成物
は、通常公知の製造方法を用いても製造されうるが、本
発明で開示される製造方法を採用することにより、さら
に効率的に該組成物を得ることができる。通常公知の製
造方法としては、例えば、別途製造したポリジアリール
シルメチレン(A)、ポリシロキサン(B)をオイル、
粉末、細片状態などで高速撹拌機などを用いて均一混合
した後、加圧成形する方法、同様に均一混合した後、単
軸または多軸の押出機で溶融混練する方法、両成分高分
子をジフェニルスルホン等の有機溶媒中に溶解させ混合
した後、この溶液を両成分高分子の貧、あるいは非溶媒
中に添加することにより、ポリシルメチレン組成物を析
出させる方法等種々の方法を挙げることができる。この
際の成分高分子であるポリジアリールシルメチレン
(A)の製造方法に関しては特に制限はないが、公知の
製造方法、例えば、1,1,3,3−テトラアリール
1,3−ジシラシクロブタンの触媒存在下または非存在
下での開環重合法等が推奨される。ここで使用される触
媒としては、塩化銅、銅(II)アセチルアセトナー
ト、塩化金酸等の銅族化合物、有機過酸化物、有機アゾ
化合物等のラジカル重合開始剤などが例示される。この
際、出発原料を有機溶媒に溶解させて反応に供すること
もできるし、固相状態で反応させることも可能である。
また、このポリマーの製造は、通常の高分子合成反応に
適用される温度範囲で行われ、触媒重合の場合50℃以
上300℃以下、無触媒重合の場合200℃以上350
℃以下の範囲が好ましい。
は、通常公知の製造方法を用いても製造されうるが、本
発明で開示される製造方法を採用することにより、さら
に効率的に該組成物を得ることができる。通常公知の製
造方法としては、例えば、別途製造したポリジアリール
シルメチレン(A)、ポリシロキサン(B)をオイル、
粉末、細片状態などで高速撹拌機などを用いて均一混合
した後、加圧成形する方法、同様に均一混合した後、単
軸または多軸の押出機で溶融混練する方法、両成分高分
子をジフェニルスルホン等の有機溶媒中に溶解させ混合
した後、この溶液を両成分高分子の貧、あるいは非溶媒
中に添加することにより、ポリシルメチレン組成物を析
出させる方法等種々の方法を挙げることができる。この
際の成分高分子であるポリジアリールシルメチレン
(A)の製造方法に関しては特に制限はないが、公知の
製造方法、例えば、1,1,3,3−テトラアリール
1,3−ジシラシクロブタンの触媒存在下または非存在
下での開環重合法等が推奨される。ここで使用される触
媒としては、塩化銅、銅(II)アセチルアセトナー
ト、塩化金酸等の銅族化合物、有機過酸化物、有機アゾ
化合物等のラジカル重合開始剤などが例示される。この
際、出発原料を有機溶媒に溶解させて反応に供すること
もできるし、固相状態で反応させることも可能である。
また、このポリマーの製造は、通常の高分子合成反応に
適用される温度範囲で行われ、触媒重合の場合50℃以
上300℃以下、無触媒重合の場合200℃以上350
℃以下の範囲が好ましい。
【0014】上記製造法により得られるポリジアリール
シルメチレンは、室温では硬質固体であり、そのガラス
転移温度(Tg )は100℃以上であり、そのほとんど
のものが200℃以上に融解温度を示す結晶性可塑性高
分子である。
シルメチレンは、室温では硬質固体であり、そのガラス
転移温度(Tg )は100℃以上であり、そのほとんど
のものが200℃以上に融解温度を示す結晶性可塑性高
分子である。
【0015】また、ポリシロキサン(B)の製造方法に
関しても特に制限はないが、公知の製造方法、例えば、
置換基R1 ,R2 を有する環状オリゴシロキサンの触媒
存在下または非存在下での開環重合法、置換基R1 ,R
2 を有するジクロロシラン類の酸またはアルカリ触媒に
よる加水分解反応等が推奨される。この際、出発原料を
有機溶媒に溶解させて反応に供することもできるし、固
相状態で反応させることも可能である。また、このポリ
マーの製造は、通常の高分子合成反応に適用される温度
範囲で行われ、−20℃以上200℃以下の範囲が好ま
しい。さらに、置換基R1 ,R2 の種類によっては、−
(R3 R4 SiO)r −(r≦n)(ここでR3 ,R4
は有機又は無機の置換基で、それぞれR1 ,R2 であ
り、又はR 1 ,R2 に変換可能なものである)を主成分
とするポリシロキサン前駆体を形成させた後に高分子反
応によって−(R1 R2 SiO)n −で表される構成単
位を主鎖骨格とする所望のポリシロキサンに変換するこ
とも可能である。
関しても特に制限はないが、公知の製造方法、例えば、
置換基R1 ,R2 を有する環状オリゴシロキサンの触媒
存在下または非存在下での開環重合法、置換基R1 ,R
2 を有するジクロロシラン類の酸またはアルカリ触媒に
よる加水分解反応等が推奨される。この際、出発原料を
有機溶媒に溶解させて反応に供することもできるし、固
相状態で反応させることも可能である。また、このポリ
マーの製造は、通常の高分子合成反応に適用される温度
範囲で行われ、−20℃以上200℃以下の範囲が好ま
しい。さらに、置換基R1 ,R2 の種類によっては、−
(R3 R4 SiO)r −(r≦n)(ここでR3 ,R4
は有機又は無機の置換基で、それぞれR1 ,R2 であ
り、又はR 1 ,R2 に変換可能なものである)を主成分
とするポリシロキサン前駆体を形成させた後に高分子反
応によって−(R1 R2 SiO)n −で表される構成単
位を主鎖骨格とする所望のポリシロキサンに変換するこ
とも可能である。
【0016】上記の方法で製造されるポリシロキサン
は、置換基R1 ,R2 を選択することによりその転移温
度および性状を容易に調節できる。例えばシロキサンホ
モポリマーの場合、R1 ,R2 が共にメチル基のポリマ
ーは、液体でそのTg は約−120℃、Tm は−40
℃、R1 ,R2 が共にプロピル基のポリマーは、固体で
そのTg は約−110℃、Tm は60℃、R1 ,R2 が
共にフェニル基のポリマーは、固体でそのTg は約60
℃、Tm は260℃である。一方、R1 がメチル基、R
2 がフェニル基のポリマーは、液状の非晶性ポリマーで
あり、そのTg は約−30℃である。いずれのポリシロ
キサンにおいてもそのTg は100℃以下であり、ポリ
ジアリールシルメチレンのTg に比べてかなり低い値で
ある。
は、置換基R1 ,R2 を選択することによりその転移温
度および性状を容易に調節できる。例えばシロキサンホ
モポリマーの場合、R1 ,R2 が共にメチル基のポリマ
ーは、液体でそのTg は約−120℃、Tm は−40
℃、R1 ,R2 が共にプロピル基のポリマーは、固体で
そのTg は約−110℃、Tm は60℃、R1 ,R2 が
共にフェニル基のポリマーは、固体でそのTg は約60
℃、Tm は260℃である。一方、R1 がメチル基、R
2 がフェニル基のポリマーは、液状の非晶性ポリマーで
あり、そのTg は約−30℃である。いずれのポリシロ
キサンにおいてもそのTg は100℃以下であり、ポリ
ジアリールシルメチレンのTg に比べてかなり低い値で
ある。
【0017】次に本発明の熱可塑性ケイ素系高分子組成
物の製造方法について説明する。該製造方法において
は、ポリジアリールシルメチレン(A)、ポリシロキサ
ン(B)両成分のどちらか一方の高分子と、他方の高分
子の前駆体を混合し、該前駆体を目的の高分子に転化さ
せることによりポリシルメチレン組成物を得るものであ
る。具体的には、ポリジアリールシルメチレン(A)の
前駆体(C)およびポリシロキサン(B)を混合し、
(C)を(A)に転化させる方法、あるいはポリシロキ
サン(B)の前駆体(D)およびポリジアリールシルメ
チレン(A)を混合し、(D)を(B)に転化させる方
法を採用することができる。ここで前駆体(C)とは化
学反応によりポリジアリールシルメチレン(A)に変換
され得る化合物(群)を指し、ジアリールジハロシラン
とジハロメタンとの混合物、ケイ素原子と炭素原子が交
互に結合したアリール置換環状シルメチレン類、ケイ素
原子上にハロメチル基(XCH2 −,Xはハロゲン原
子)およびハロゲン原子を有するハロメチルジアリール
ハロシランなどが例示される。反応して得られるポリジ
アリールシルメチレン(A)の化学構造、重合度を考慮
すると、アリール置換環状シルメチレン類およびハロメ
チルジアリールハロシランが好ましい。1,1,3,3
−テトラアリール−1,3−ジシラシクロブタンおよび
クロロメチルジアリールクロロシランが好ましい前駆体
として例示される。これらの化合物中のアリール基は、
前記のポリジアリールシルメチレン(A)のアリール基
と同一である。また、これらの化合物は、単独で用いる
こともできるし、2種以上の化合物を併用することも可
能である。さらに、ポリシロキサン(B)についても、
2種以上のポリマーを併用することに何ら問題はない。
物の製造方法について説明する。該製造方法において
は、ポリジアリールシルメチレン(A)、ポリシロキサ
ン(B)両成分のどちらか一方の高分子と、他方の高分
子の前駆体を混合し、該前駆体を目的の高分子に転化さ
せることによりポリシルメチレン組成物を得るものであ
る。具体的には、ポリジアリールシルメチレン(A)の
前駆体(C)およびポリシロキサン(B)を混合し、
(C)を(A)に転化させる方法、あるいはポリシロキ
サン(B)の前駆体(D)およびポリジアリールシルメ
チレン(A)を混合し、(D)を(B)に転化させる方
法を採用することができる。ここで前駆体(C)とは化
学反応によりポリジアリールシルメチレン(A)に変換
され得る化合物(群)を指し、ジアリールジハロシラン
とジハロメタンとの混合物、ケイ素原子と炭素原子が交
互に結合したアリール置換環状シルメチレン類、ケイ素
原子上にハロメチル基(XCH2 −,Xはハロゲン原
子)およびハロゲン原子を有するハロメチルジアリール
ハロシランなどが例示される。反応して得られるポリジ
アリールシルメチレン(A)の化学構造、重合度を考慮
すると、アリール置換環状シルメチレン類およびハロメ
チルジアリールハロシランが好ましい。1,1,3,3
−テトラアリール−1,3−ジシラシクロブタンおよび
クロロメチルジアリールクロロシランが好ましい前駆体
として例示される。これらの化合物中のアリール基は、
前記のポリジアリールシルメチレン(A)のアリール基
と同一である。また、これらの化合物は、単独で用いる
こともできるし、2種以上の化合物を併用することも可
能である。さらに、ポリシロキサン(B)についても、
2種以上のポリマーを併用することに何ら問題はない。
【0018】これらの前駆体(C)とポリシロキサン
(B)を混合し、所望の温度で化学反応をさせることに
より、(C)が(A)に転化し目的とする熱可塑性ケイ
素系高分子組成物が製造される。ここで、前駆体(C)
としてクロロメチルジアリールクロロシランを用いた場
合には、アルカリ金属、アルカリ土類金属を触媒として
使用することが好ましい。また、本組成物の製造は、単
に(B)と(C)とを混合することにより行うこともで
きるし、両成分を溶解させる適当な溶媒中で行うことも
可能である。さらに、重合を用いる本組成物の製造は、
通常の高分子生成反応に適用される温度範囲で行われ、
触媒が存在する場合500℃以上300℃以下、無触媒
反応の場合150℃以上350℃以下の範囲が好まし
い。前駆体(C)のポリジアリールシルメチレン(A)
への変換反応はしばしば変換率100%未満で進行す
る。この場合には、反応終了後ポリシロキサン(B)の
貧溶媒で抽出操作を行うことにより、残存前駆体(C)
を除去することが好ましい。また、組成物中に残存する
触媒による耐熱性等の材料特性への悪影響を避けるた
め、溶媒抽出により残存触媒を除去することもできる。
(B)を混合し、所望の温度で化学反応をさせることに
より、(C)が(A)に転化し目的とする熱可塑性ケイ
素系高分子組成物が製造される。ここで、前駆体(C)
としてクロロメチルジアリールクロロシランを用いた場
合には、アルカリ金属、アルカリ土類金属を触媒として
使用することが好ましい。また、本組成物の製造は、単
に(B)と(C)とを混合することにより行うこともで
きるし、両成分を溶解させる適当な溶媒中で行うことも
可能である。さらに、重合を用いる本組成物の製造は、
通常の高分子生成反応に適用される温度範囲で行われ、
触媒が存在する場合500℃以上300℃以下、無触媒
反応の場合150℃以上350℃以下の範囲が好まし
い。前駆体(C)のポリジアリールシルメチレン(A)
への変換反応はしばしば変換率100%未満で進行す
る。この場合には、反応終了後ポリシロキサン(B)の
貧溶媒で抽出操作を行うことにより、残存前駆体(C)
を除去することが好ましい。また、組成物中に残存する
触媒による耐熱性等の材料特性への悪影響を避けるた
め、溶媒抽出により残存触媒を除去することもできる。
【0019】また同様に前駆体(D)とは化学反応によ
りポリシロキサン(B)に変換され得る化合物(群)を
指し、二置換ジクロロシラン類、二置換シランジオール
類、二置換ジクロロシランと二置換シランジオールとの
混合物、二置換ジアルコキシシランと二置換シランジオ
ールとの混合物、環状オリゴシロキサン等を例示するこ
とができる。これらの前駆体(D)とポリジアリールシ
ルメチレン(A)を混合し、触媒の存在下または非存在
下、所望の温度で以下に示す化学反応から選ばれた方法
で反応せしめることにより、(D)が(B)に転化し目
的とする熱可塑性ケイ素系高分子組成物が製造される。
りポリシロキサン(B)に変換され得る化合物(群)を
指し、二置換ジクロロシラン類、二置換シランジオール
類、二置換ジクロロシランと二置換シランジオールとの
混合物、二置換ジアルコキシシランと二置換シランジオ
ールとの混合物、環状オリゴシロキサン等を例示するこ
とができる。これらの前駆体(D)とポリジアリールシ
ルメチレン(A)を混合し、触媒の存在下または非存在
下、所望の温度で以下に示す化学反応から選ばれた方法
で反応せしめることにより、(D)が(B)に転化し目
的とする熱可塑性ケイ素系高分子組成物が製造される。
【0020】(1)加水分解縮合反応 (2)縮合反応(脱水縮合、脱アルコール縮合、脱ハロ
ゲン化水素縮合等) (3)開環重合反応
ゲン化水素縮合等) (3)開環重合反応
【0021】ここで触媒としては、ポリシロキサンを製
造するために使用される通常公知の触媒を使用すること
ができる。(A)と(D)を使用する本組成物の製造
は、単に(A)と(D)とを混合することにより行うこ
ともできるし、両成分を溶解させる適当な溶媒中で行う
ことも可能である。さらに、(A)と(D)を使用する
本組成物の製造は、通常の高分子生成反応に適用される
温度範囲で行われ、触媒が存在する場合50℃以上30
0℃以下、無触媒反応の場合100℃以上350℃以下
の範囲が好ましい。前駆体(D)のポリシロキサン
(B)への変換反応もしばしば変換率100%未満で進
行する。この場合には、反応終了後ポリシロキサン
(B)の貧溶媒で抽出操作を行うことにより、残存前駆
体(D)を除去することが好ましい。また、触媒を使用
した場合、組成物中に残存する触媒が耐熱性等の材料特
性に悪影響を及ぼすことがある。これを避けるために、
溶媒抽出により残存触媒を除去することもできる。
造するために使用される通常公知の触媒を使用すること
ができる。(A)と(D)を使用する本組成物の製造
は、単に(A)と(D)とを混合することにより行うこ
ともできるし、両成分を溶解させる適当な溶媒中で行う
ことも可能である。さらに、(A)と(D)を使用する
本組成物の製造は、通常の高分子生成反応に適用される
温度範囲で行われ、触媒が存在する場合50℃以上30
0℃以下、無触媒反応の場合100℃以上350℃以下
の範囲が好ましい。前駆体(D)のポリシロキサン
(B)への変換反応もしばしば変換率100%未満で進
行する。この場合には、反応終了後ポリシロキサン
(B)の貧溶媒で抽出操作を行うことにより、残存前駆
体(D)を除去することが好ましい。また、触媒を使用
した場合、組成物中に残存する触媒が耐熱性等の材料特
性に悪影響を及ぼすことがある。これを避けるために、
溶媒抽出により残存触媒を除去することもできる。
【0022】本発明の熱可塑性ケイ素系高分子組成物の
製造方法においては、ポリジアリールシルメチレン
(A)またはポリシロキサン(B)が前駆体(D)また
は(C)中に均一に分散、あるいは溶解した状態で反応
が開始するため、生成物である熱可塑性ケイ素系高分子
組成物は、ポリジアリールシルメチレン(A)とポリシ
ロキサン(B)が均一に分散した混合物として得られ
る。このため、(A)と(B)の複合化のプロセスを簡
略化することができる。
製造方法においては、ポリジアリールシルメチレン
(A)またはポリシロキサン(B)が前駆体(D)また
は(C)中に均一に分散、あるいは溶解した状態で反応
が開始するため、生成物である熱可塑性ケイ素系高分子
組成物は、ポリジアリールシルメチレン(A)とポリシ
ロキサン(B)が均一に分散した混合物として得られ
る。このため、(A)と(B)の複合化のプロセスを簡
略化することができる。
【0023】本発明のポリシルメチレン組成物は、目的
に応じて顔料や染料、ガラス繊維、金属繊維、金属フレ
ーク、炭素繊維、セラミックス繊維、セラミックスパウ
ダーなどの補強剤や充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤およ
び難燃剤などを添加することもできる。
に応じて顔料や染料、ガラス繊維、金属繊維、金属フレ
ーク、炭素繊維、セラミックス繊維、セラミックスパウ
ダーなどの補強剤や充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤およ
び難燃剤などを添加することもできる。
【0024】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下に実施例を挙げて説明するが、これら実施例は本発明
を限定するものではない。ここで、[//]はブレンドを
表す。得られた熱可塑性ケイ素系高分子組成物の熱的性
質は下記の試験法により測定した。
下に実施例を挙げて説明するが、これら実施例は本発明
を限定するものではない。ここで、[//]はブレンドを
表す。得られた熱可塑性ケイ素系高分子組成物の熱的性
質は下記の試験法により測定した。
【0025】転移温度(DSC):JIS K7121 昇温速度:10℃/min (融解温度測定)、20℃/mi
n (ガラス転移温度測定) 測定雰囲気:窒素気流中 5%重量減少温度(TG):JIS K7120 昇温速度:10℃/min 、測定雰囲気:窒素気流中
n (ガラス転移温度測定) 測定雰囲気:窒素気流中 5%重量減少温度(TG):JIS K7120 昇温速度:10℃/min 、測定雰囲気:窒素気流中
【0026】また、ダイナミックアナライザーを用いて
溶融状態における組成物の粘度のせん断速度依存性を測
定し、1rad /sec.での値を成形加工性の尺度とした。
その際のひずみは40%とした。さらに、成形品の表面
外観を目視判定した。
溶融状態における組成物の粘度のせん断速度依存性を測
定し、1rad /sec.での値を成形加工性の尺度とした。
その際のひずみは40%とした。さらに、成形品の表面
外観を目視判定した。
【0027】(参考例1):(ポリジフェニルシルメチ
レン(A1)の製造) 1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジシラシク
ロブタン20gを封管中、300℃で5時間加熱した。
生成物を粉砕し、トルエン中で残存モノマーを抽出除去
した後、80℃で減圧乾燥し19gのポリジフェニルシ
ルメチレンを得た。DSC測定により求めたガラス転移
温度は135℃、融解温度は352℃であった。また、
370℃における溶融粘度は5200ポイズであった。
レン(A1)の製造) 1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジシラシク
ロブタン20gを封管中、300℃で5時間加熱した。
生成物を粉砕し、トルエン中で残存モノマーを抽出除去
した後、80℃で減圧乾燥し19gのポリジフェニルシ
ルメチレンを得た。DSC測定により求めたガラス転移
温度は135℃、融解温度は352℃であった。また、
370℃における溶融粘度は5200ポイズであった。
【0028】(参考例2):(ポリジ(p−トリル)シ
ルメチレン(A2)の製造) 1,1,3,3−テトラ(p−トリル)−1,3−ジシ
ラシクロブタン20g、ジフェニルスルホン180gを
混合し、140℃に加熱し均一溶液を得た。銅(II)
アセチルアセトナート10mgを添加し、280℃で8時
間加熱した。残存モノマーおよびジフェニルスルホンを
THFを用いて抽出除去した後、残査を230℃で減圧
乾燥し18.3gのポリジ(p−トリル)シルメチレン
を得た。DSC測定により求めたガラス転移温度は14
2℃、融解温度は321℃であった。また、350℃に
おける溶融粘度は3200ポイズであった。
ルメチレン(A2)の製造) 1,1,3,3−テトラ(p−トリル)−1,3−ジシ
ラシクロブタン20g、ジフェニルスルホン180gを
混合し、140℃に加熱し均一溶液を得た。銅(II)
アセチルアセトナート10mgを添加し、280℃で8時
間加熱した。残存モノマーおよびジフェニルスルホンを
THFを用いて抽出除去した後、残査を230℃で減圧
乾燥し18.3gのポリジ(p−トリル)シルメチレン
を得た。DSC測定により求めたガラス転移温度は14
2℃、融解温度は321℃であった。また、350℃に
おける溶融粘度は3200ポイズであった。
【0029】(参考例3):(ポリジメチルシロキサン
(B1)の製造) ジメチルジクロロシラン30gを300mlの水で加水分
解縮合し、副生した塩化水素を水洗により、また低重合
度環状ジメチルシロキサンを蒸留により除去し、直鎖状
ポリジメチルシロキサン16.1gを得た。DSC測定
により求めたガラス転移温度は−126℃であった。ま
たゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法に
より算出したポリスチレン換算の分子量は221,00
0であった。
(B1)の製造) ジメチルジクロロシラン30gを300mlの水で加水分
解縮合し、副生した塩化水素を水洗により、また低重合
度環状ジメチルシロキサンを蒸留により除去し、直鎖状
ポリジメチルシロキサン16.1gを得た。DSC測定
により求めたガラス転移温度は−126℃であった。ま
たゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法に
より算出したポリスチレン換算の分子量は221,00
0であった。
【0030】(参考例4):(ポリメチルフェニルシロ
キサン(B2)の製造) 低重合度環状メチルフェニルシロキサン混合物20gに
30mgの水酸化カリウムを加えて120℃で15時間加
熱した。生成物をクロロホルム40mlに溶解し、多量の
ドライアイスを添加し、中和した。得られた溶液を30
00mlのメタノール中に投入し、下溶性生成物を回収
し、80℃で減圧乾燥することにより17gのポリメチ
ルフェニルシロキサンを得た。DSC測定により求めた
ガラス転移温度は−29℃であった。またGPC法で測
定したポリスチレン換算の分子量は115,000であ
った。
キサン(B2)の製造) 低重合度環状メチルフェニルシロキサン混合物20gに
30mgの水酸化カリウムを加えて120℃で15時間加
熱した。生成物をクロロホルム40mlに溶解し、多量の
ドライアイスを添加し、中和した。得られた溶液を30
00mlのメタノール中に投入し、下溶性生成物を回収
し、80℃で減圧乾燥することにより17gのポリメチ
ルフェニルシロキサンを得た。DSC測定により求めた
ガラス転移温度は−29℃であった。またGPC法で測
定したポリスチレン換算の分子量は115,000であ
った。
【0031】(実施例1):(ポリジフェニルシルメチ
レン//ポリジメチルシロキサン) ポリジフェニルシルメチレン(A1)18g、ポリジメ
チルシロキサン(B1)2gを均一に混合した後、36
0℃で圧縮成形し、厚さ1mmの板状成形体を得た。この
成形体表面の平滑性は良好であった。DSC測定から、
この組成物は−126℃、135℃および352℃に転
移温度を示し、この値は、構成成分であるA1およびB
1の値と同一であった。また、この組成物のTG測定か
ら求められた5%重量減少温度は420℃であり、さら
に、370℃における溶融粘度は3500ポイズであっ
た。
レン//ポリジメチルシロキサン) ポリジフェニルシルメチレン(A1)18g、ポリジメ
チルシロキサン(B1)2gを均一に混合した後、36
0℃で圧縮成形し、厚さ1mmの板状成形体を得た。この
成形体表面の平滑性は良好であった。DSC測定から、
この組成物は−126℃、135℃および352℃に転
移温度を示し、この値は、構成成分であるA1およびB
1の値と同一であった。また、この組成物のTG測定か
ら求められた5%重量減少温度は420℃であり、さら
に、370℃における溶融粘度は3500ポイズであっ
た。
【0032】(実施例2):(ポリジ(p−トリル)シ
ルメチレン//ポリメチルフェニルシロキサン) ポリジ(p−トリル)シルメチレン(A2)15g、ポ
リメチルフェニルシロキサン(B2)5gを均一に混合
した後、330℃で圧縮成形し、厚さ1mmの板状成形体
を得た。この成形体表面の平滑性は良好であった。DS
C測定から、この組成物は−29℃、142℃および3
21℃に転移温度を示し、この値は、構成成分であるA
2およびB2の値と同一であった。また、この組成物の
TG測定から求められた5%重量減少温度は439℃で
あり、さらに、350℃における溶融粘度は2100ポ
イズであった。
ルメチレン//ポリメチルフェニルシロキサン) ポリジ(p−トリル)シルメチレン(A2)15g、ポ
リメチルフェニルシロキサン(B2)5gを均一に混合
した後、330℃で圧縮成形し、厚さ1mmの板状成形体
を得た。この成形体表面の平滑性は良好であった。DS
C測定から、この組成物は−29℃、142℃および3
21℃に転移温度を示し、この値は、構成成分であるA
2およびB2の値と同一であった。また、この組成物の
TG測定から求められた5%重量減少温度は439℃で
あり、さらに、350℃における溶融粘度は2100ポ
イズであった。
【0033】(実施例3):(ポリジフェニルシルメチ
レン//ポリメチルフェニルシロキサン) ポリジフェニルシルメチレン(A1)18g、ポリメチ
ルフェニルシロキサン(B2)2gを均一に混合した
後、360℃で圧縮成形し、厚さ1mmの板状成形体を得
た。この成形体表面の平滑性は良好であった。DSC測
定から、この組成物は−29℃、134℃および350
℃に転移温度を示し、この値は、構成成分であるA1お
よびB2の値と同一であった。また、この組成物のTG
測定から求められた5%重量減少温度は445℃であ
り、さらに、370℃における溶融粘度は3900ポイ
ズであった。
レン//ポリメチルフェニルシロキサン) ポリジフェニルシルメチレン(A1)18g、ポリメチ
ルフェニルシロキサン(B2)2gを均一に混合した
後、360℃で圧縮成形し、厚さ1mmの板状成形体を得
た。この成形体表面の平滑性は良好であった。DSC測
定から、この組成物は−29℃、134℃および350
℃に転移温度を示し、この値は、構成成分であるA1お
よびB2の値と同一であった。また、この組成物のTG
測定から求められた5%重量減少温度は445℃であ
り、さらに、370℃における溶融粘度は3900ポイ
ズであった。
【0034】(実施例4):(ポリジフェニルシルメチ
レン//ポリメチルフェニルシロキサン) ポリジフェニルシルメチレン(A1)10g、ポリメチ
ルフェニルシロキサン(B2)10gを均一に混合した
後、360℃で圧縮成形し、厚さ1mmの板状成形体を得
た。この成形体表面の平滑性は良好であった。DSC測
定から、この組成物は−29℃、135℃および352
℃に転移温度を示し、この値は、構成成分であるA1お
よびB2の値と同一であった。また、この組成物のTG
測定から求められた5%重量減少温度は405℃であ
り、さらに、370℃における溶融粘度は900ポイズ
であった。
レン//ポリメチルフェニルシロキサン) ポリジフェニルシルメチレン(A1)10g、ポリメチ
ルフェニルシロキサン(B2)10gを均一に混合した
後、360℃で圧縮成形し、厚さ1mmの板状成形体を得
た。この成形体表面の平滑性は良好であった。DSC測
定から、この組成物は−29℃、135℃および352
℃に転移温度を示し、この値は、構成成分であるA1お
よびB2の値と同一であった。また、この組成物のTG
測定から求められた5%重量減少温度は405℃であ
り、さらに、370℃における溶融粘度は900ポイズ
であった。
【0035】(実施例5):(ポリジフェニルシルメチ
レン//ポリジ(p−トリル)シルメチレン//ポリメチル
フェニルシロキサン) ポリジフェニルシルメチレン(A1)10g、ポリジ
(p−トリル)シルメチレン(A2)5g、ポリメチル
フェニルシロキサン(B2)5gを均一に混合した後、
360℃で圧縮成形し、厚さ1mmの板状成形体を得た。
この成形体表面の平滑性は良好であった。DSC測定か
ら、この組成物は−29℃、139℃、321℃および
352℃に転移温度を示した。ポリジアリールシルメチ
レンのガラス転移は重なったが、その他の値は、構成成
分であるA1,A2およびB2の値と同一であった。ま
た、この組成物のTG測定から求められた5%重量減少
温度は443℃であり、さらに、370℃における溶融
粘度は3000ポイズであった。
レン//ポリジ(p−トリル)シルメチレン//ポリメチル
フェニルシロキサン) ポリジフェニルシルメチレン(A1)10g、ポリジ
(p−トリル)シルメチレン(A2)5g、ポリメチル
フェニルシロキサン(B2)5gを均一に混合した後、
360℃で圧縮成形し、厚さ1mmの板状成形体を得た。
この成形体表面の平滑性は良好であった。DSC測定か
ら、この組成物は−29℃、139℃、321℃および
352℃に転移温度を示した。ポリジアリールシルメチ
レンのガラス転移は重なったが、その他の値は、構成成
分であるA1,A2およびB2の値と同一であった。ま
た、この組成物のTG測定から求められた5%重量減少
温度は443℃であり、さらに、370℃における溶融
粘度は3000ポイズであった。
【0036】(実施例6):(ポリジフェニルシルメチ
レン//ポリジメチルシロキサン//ポリメチルフェニルシ
ロキサン) ポリジフェニルシルメチレン(A1)12g、ポリジメ
チルシロキサン(B1)2g、ポリメチルフェニルシロ
キサン(B2)6gを均一に混合した後、360℃で圧
縮成形し、厚さ1mmの板状成形体を得た。この成形体表
面の平滑性は良好であった。DSC測定から、この組成
物は−126℃、−29℃、135℃および352℃に
転移温度を示し、これらの値は、構成成分であるA1,
B1およびB2の値と同一であった。また、この組成物
のTG測定から求められた5%重量減少温度は415℃
であり、さらに、370℃における溶融粘度は1900
ポイズであった。
レン//ポリジメチルシロキサン//ポリメチルフェニルシ
ロキサン) ポリジフェニルシルメチレン(A1)12g、ポリジメ
チルシロキサン(B1)2g、ポリメチルフェニルシロ
キサン(B2)6gを均一に混合した後、360℃で圧
縮成形し、厚さ1mmの板状成形体を得た。この成形体表
面の平滑性は良好であった。DSC測定から、この組成
物は−126℃、−29℃、135℃および352℃に
転移温度を示し、これらの値は、構成成分であるA1,
B1およびB2の値と同一であった。また、この組成物
のTG測定から求められた5%重量減少温度は415℃
であり、さらに、370℃における溶融粘度は1900
ポイズであった。
【0037】(実施例7):(ポリジフェニルシルメチ
レン//ポリメチルフェニルシロキサン) 1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジシラシク
ロブタン17g、ポリメチルフェニルシロキサン3gを
混合し、140℃で加熱し均一な液体とした後、さらに
300℃で6時間加熱し、無色の固体生成物を得た。生
成物を粉砕し、エタノール可溶分を抽出除去した後、8
0℃で減圧乾燥し19.0gのケイ素系高分子組成物を
得た。DSC測定から、この組成物は−29℃、135
℃および352℃に転移温度を示し、これらの値は、ポ
リメチルフェニルシロキサンおよびポリジフェニルシル
メチレン単体で得られる値と同一であった。この組成物
を360℃で圧縮成形し、厚さ1mmの板状成形体を得
た。この成形体表面の平滑性は良好であった。この組成
物のTG測定から求められた5%重量減少温度は443
℃であり、さらに、370℃における溶融粘度は350
0ポイズであった。
レン//ポリメチルフェニルシロキサン) 1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジシラシク
ロブタン17g、ポリメチルフェニルシロキサン3gを
混合し、140℃で加熱し均一な液体とした後、さらに
300℃で6時間加熱し、無色の固体生成物を得た。生
成物を粉砕し、エタノール可溶分を抽出除去した後、8
0℃で減圧乾燥し19.0gのケイ素系高分子組成物を
得た。DSC測定から、この組成物は−29℃、135
℃および352℃に転移温度を示し、これらの値は、ポ
リメチルフェニルシロキサンおよびポリジフェニルシル
メチレン単体で得られる値と同一であった。この組成物
を360℃で圧縮成形し、厚さ1mmの板状成形体を得
た。この成形体表面の平滑性は良好であった。この組成
物のTG測定から求められた5%重量減少温度は443
℃であり、さらに、370℃における溶融粘度は350
0ポイズであった。
【0038】(実施例8):(ポリジフェニルシルメチ
レン//ポリメチルフェニルシロキサン) 1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジシラシク
ロブタン10g、ポリメチルフェニルシロキサン10g
を混合し、140℃で加熱し均一で粘稠な液体とした
後、さらに300℃で6時間加熱し、無色の固体生成物
を得た。生成物を粉砕し、エタノール可溶分を抽出除去
した後、80℃で減圧乾燥し19.2gのケイ素系高分
子組成物を得た。DSC測定から、この組成物は−29
℃、135℃および352℃に転移温度を示し、これら
の値は、ポリメチルフェニルシロキサンおよびポリジフ
ェニルシルメチレン単体で得られる値と同一であった。
この組成物を360℃で圧縮成形し、厚さ1mmの板状成
形体を得た。この成形体表面の平滑性は良好であった。
この組成物のTG測定から求められた5%重量減少温度
は402℃であり、さらに、370℃における溶融粘度
は900ポイズであった。
レン//ポリメチルフェニルシロキサン) 1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジシラシク
ロブタン10g、ポリメチルフェニルシロキサン10g
を混合し、140℃で加熱し均一で粘稠な液体とした
後、さらに300℃で6時間加熱し、無色の固体生成物
を得た。生成物を粉砕し、エタノール可溶分を抽出除去
した後、80℃で減圧乾燥し19.2gのケイ素系高分
子組成物を得た。DSC測定から、この組成物は−29
℃、135℃および352℃に転移温度を示し、これら
の値は、ポリメチルフェニルシロキサンおよびポリジフ
ェニルシルメチレン単体で得られる値と同一であった。
この組成物を360℃で圧縮成形し、厚さ1mmの板状成
形体を得た。この成形体表面の平滑性は良好であった。
この組成物のTG測定から求められた5%重量減少温度
は402℃であり、さらに、370℃における溶融粘度
は900ポイズであった。
【0039】(実施例9):(ポリジ(p−トリル)シ
ルメチレン//ポリメチルフェニルシロキサン) 前駆体化合物として1,1,3,3−テトラ(p−トリ
ル)−1,3−ジシラシクロブタン17gを用いた以外
は実施例7と同様な操作を行い、19.3gのケイ素系
高分子組成物を得た。DSC測定から、この組成物は−
29℃、142℃および321℃に転移温度を示し、こ
れらの値は、ポリメチルフェニルシロキサンおよびポリ
ジ(p−トリル)シルメチレン単体で得られる値と同一
であった。この組成物を330℃で圧縮成形し、厚さ1
mmの板状成形体を得た。この成形体表面の平滑性は良好
であった。この組成物のTG測定から求められた5%重
量減少温度は443℃であり、さらに、370℃におけ
る溶融粘度は2400ポイズであった。
ルメチレン//ポリメチルフェニルシロキサン) 前駆体化合物として1,1,3,3−テトラ(p−トリ
ル)−1,3−ジシラシクロブタン17gを用いた以外
は実施例7と同様な操作を行い、19.3gのケイ素系
高分子組成物を得た。DSC測定から、この組成物は−
29℃、142℃および321℃に転移温度を示し、こ
れらの値は、ポリメチルフェニルシロキサンおよびポリ
ジ(p−トリル)シルメチレン単体で得られる値と同一
であった。この組成物を330℃で圧縮成形し、厚さ1
mmの板状成形体を得た。この成形体表面の平滑性は良好
であった。この組成物のTG測定から求められた5%重
量減少温度は443℃であり、さらに、370℃におけ
る溶融粘度は2400ポイズであった。
【0040】(実施例10):(ポリジフェニルシルメ
チレン//ポリジメチルシロキサン) 1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジシラシク
ロブタン18g、ポリジメチルシロキサン2gを混合
し、140℃で加熱し液体とした後、さらに300℃で
6時間加熱し、無色の固体生成物を得た。生成物を粉砕
し、エタノール可溶分を抽出除去した後、80℃で減圧
乾燥し19.1gのケイ素系高分子組成物を得た。DS
C測定から、この組成物は−126℃、135℃および
352℃に転移温度を示し、これらの値は、ポリジメチ
ルシロキサンおよびポリジフェニルシルメチレン単体で
得られる値と同一であった。この組成物を360℃で圧
縮成形し、厚さ1mmの板状成形体を得た。この成形体表
面の平滑性は良好であった。この組成物のTG測定から
求められた5%重量減少温度は415℃であり、さら
に、370℃における溶融粘度は3400ポイズであっ
た。
チレン//ポリジメチルシロキサン) 1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジシラシク
ロブタン18g、ポリジメチルシロキサン2gを混合
し、140℃で加熱し液体とした後、さらに300℃で
6時間加熱し、無色の固体生成物を得た。生成物を粉砕
し、エタノール可溶分を抽出除去した後、80℃で減圧
乾燥し19.1gのケイ素系高分子組成物を得た。DS
C測定から、この組成物は−126℃、135℃および
352℃に転移温度を示し、これらの値は、ポリジメチ
ルシロキサンおよびポリジフェニルシルメチレン単体で
得られる値と同一であった。この組成物を360℃で圧
縮成形し、厚さ1mmの板状成形体を得た。この成形体表
面の平滑性は良好であった。この組成物のTG測定から
求められた5%重量減少温度は415℃であり、さら
に、370℃における溶融粘度は3400ポイズであっ
た。
【0041】(実施例11):(ポリジフェニルシルメ
チレン//ポリメチルフェニルシロキサン) クロロメチルジフェニルクロロシラン23g、ポリメチ
ルフェニルシロキサン3g、ナトリウム4.2gを混合
し、トルエン中110℃で24時間加熱した。反応生成
物にメタノール/酢酸の混合溶液(体積比:1/1)を
添加した後、得られた混合物を水中に注ぎ、加水分解し
た。生成する沈殿を濾別し80℃で減圧乾燥し17.8
gのケイ素系高分子組成物を得た。DSC測定から、こ
の組成物は−29℃、135℃および352℃に転移温
度を示し、これらの値は、ポリメチルフェニルシロキサ
ンおよびポリジフェニルシルメチレン単体で得られる値
と同一であった。この組成物を360℃で圧縮成形し、
厚さ1mmの板状成形体を得た。この成形体表面の平滑性
は良好であった。この組成物のTG測定から求められた
5%重量減少温度は435℃であり、さらに、370℃
における溶融粘度は3100ポイズであった。
チレン//ポリメチルフェニルシロキサン) クロロメチルジフェニルクロロシラン23g、ポリメチ
ルフェニルシロキサン3g、ナトリウム4.2gを混合
し、トルエン中110℃で24時間加熱した。反応生成
物にメタノール/酢酸の混合溶液(体積比:1/1)を
添加した後、得られた混合物を水中に注ぎ、加水分解し
た。生成する沈殿を濾別し80℃で減圧乾燥し17.8
gのケイ素系高分子組成物を得た。DSC測定から、こ
の組成物は−29℃、135℃および352℃に転移温
度を示し、これらの値は、ポリメチルフェニルシロキサ
ンおよびポリジフェニルシルメチレン単体で得られる値
と同一であった。この組成物を360℃で圧縮成形し、
厚さ1mmの板状成形体を得た。この成形体表面の平滑性
は良好であった。この組成物のTG測定から求められた
5%重量減少温度は435℃であり、さらに、370℃
における溶融粘度は3100ポイズであった。
【0042】(実施例12):(ポリジフェニルシルメ
チレン//ポリメチルフェニルシロキサン) 1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テト
ラフェニルシクロテトラシロキサンを主成分とするシク
ロオリゴシロキサン混合物10g、ポリジフェニルシル
メチレン(A1)10gを混合し、触媒として粉砕した
水酸化カリウム10mgを加え、120℃で16時間加熱
し無色の固体生成物を得た。生成物にメタノール/クロ
ロフォルム(体積比20/80)溶液を加え、撹拌しな
がら多量のドライアイスを添加し反応溶液を中和した。
得られた生成物から溶媒を留去し、エタノール可溶分を
抽出除去した後、80℃で減圧乾燥し17.2gのケイ
素系高分子組成物を得た。DSC測定から、この組成物
は−29℃、135℃および352℃に転移温度を示
し、これらの値は、ポリメチルフェニルシロキサンおよ
びポリジフェニルシルメチレン単体で得られる値と同一
であった。この組成物を355℃で圧縮成形し、厚さ1
mmの板状成形体を得た。この成形体表面の平滑性は良好
であった。また、この成形体のTG測定により求められ
た5%重量減少温度は402℃であり、さらに、370
℃における溶融粘度は900ポイズであった。
チレン//ポリメチルフェニルシロキサン) 1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テト
ラフェニルシクロテトラシロキサンを主成分とするシク
ロオリゴシロキサン混合物10g、ポリジフェニルシル
メチレン(A1)10gを混合し、触媒として粉砕した
水酸化カリウム10mgを加え、120℃で16時間加熱
し無色の固体生成物を得た。生成物にメタノール/クロ
ロフォルム(体積比20/80)溶液を加え、撹拌しな
がら多量のドライアイスを添加し反応溶液を中和した。
得られた生成物から溶媒を留去し、エタノール可溶分を
抽出除去した後、80℃で減圧乾燥し17.2gのケイ
素系高分子組成物を得た。DSC測定から、この組成物
は−29℃、135℃および352℃に転移温度を示
し、これらの値は、ポリメチルフェニルシロキサンおよ
びポリジフェニルシルメチレン単体で得られる値と同一
であった。この組成物を355℃で圧縮成形し、厚さ1
mmの板状成形体を得た。この成形体表面の平滑性は良好
であった。また、この成形体のTG測定により求められ
た5%重量減少温度は402℃であり、さらに、370
℃における溶融粘度は900ポイズであった。
【0043】(実施例13):(ポリジ(p−トリル)
シルメチレン//ポリメチルフェニルシロキサン) ポリジフェニルシルメチレン10gの代わりにポリジ
(p−トリル)シルメチレン(A2)10gを用いた以
外は実施例12と同様な操作を行い、17.0gのケイ
素系高分子組成物を得た。DSC測定から、この組成物
は−29℃、142℃および321℃に転移温度を示
し、これらの値は、ポリメチルフェニルシロキサンおよ
びポリジ(p−トリル)シルメチレン単体で得られる値
と同一であった。この組成物を330℃で圧縮成形し、
厚さ1mmの板状成形体を得た。この成形体表面の平滑性
は良好であった。また、この成形体のTG測定により求
められた5%重量減少温度は401℃であり、さらに、
350℃における溶融粘度は700ポイズであった。
シルメチレン//ポリメチルフェニルシロキサン) ポリジフェニルシルメチレン10gの代わりにポリジ
(p−トリル)シルメチレン(A2)10gを用いた以
外は実施例12と同様な操作を行い、17.0gのケイ
素系高分子組成物を得た。DSC測定から、この組成物
は−29℃、142℃および321℃に転移温度を示
し、これらの値は、ポリメチルフェニルシロキサンおよ
びポリジ(p−トリル)シルメチレン単体で得られる値
と同一であった。この組成物を330℃で圧縮成形し、
厚さ1mmの板状成形体を得た。この成形体表面の平滑性
は良好であった。また、この成形体のTG測定により求
められた5%重量減少温度は401℃であり、さらに、
350℃における溶融粘度は700ポイズであった。
【0044】(実施例14):(ポリジフェニルシルメ
チレン//ポリメチルフェニルシロキサン) 出発原料として1,3,5,7−テトラメチル−1,
3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサンを
主成分とするシクロオリゴシロキサン混合物5g、ポリ
ジフェニルシルメチレン(A1)15g、水酸化カリウ
ム10mgを用いた以外は実施例12と同様の操作を行い
18.0gのケイ素系高分子組成物を得た。DSC測定
から、この組成物は−29℃、135℃および352℃
に転移温度を示し、これらの値は、ポリメチルフェニル
シロキサンおよびポリジフェニルシルメチレン単体で得
られる値と同一であった。この組成物を355℃で圧縮
成形し、厚さ1mmの板状成形体を得た。この成形体表面
の平滑性は良好であった。また、この成形体のTG測定
により求められた5%重量減少温度は436℃であり、
さらに、350℃における溶融粘度は2900ポイズで
あった。
チレン//ポリメチルフェニルシロキサン) 出発原料として1,3,5,7−テトラメチル−1,
3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサンを
主成分とするシクロオリゴシロキサン混合物5g、ポリ
ジフェニルシルメチレン(A1)15g、水酸化カリウ
ム10mgを用いた以外は実施例12と同様の操作を行い
18.0gのケイ素系高分子組成物を得た。DSC測定
から、この組成物は−29℃、135℃および352℃
に転移温度を示し、これらの値は、ポリメチルフェニル
シロキサンおよびポリジフェニルシルメチレン単体で得
られる値と同一であった。この組成物を355℃で圧縮
成形し、厚さ1mmの板状成形体を得た。この成形体表面
の平滑性は良好であった。また、この成形体のTG測定
により求められた5%重量減少温度は436℃であり、
さらに、350℃における溶融粘度は2900ポイズで
あった。
【0045】(比較例1)ポリジメチルシロキサン(B
1)2gの代わりにポリジメチルシロキサンの炭素同族
体であるポリイソブチレン2gを用いた以外は実施例1
と同様の操作を行い、ポリジフェニルシルメチレン//ポ
リイソブチレン組成物を得た。この組成物は−72℃、
135℃および352℃に転移温度を示し、これらの値
は、ポリイソブチレンおよびポリジフェニルシルメチレ
ン単体で得られる値と同一であった。この組成物10g
にフタロシアニン100mgを加え、355℃で圧縮成形
し厚さ1mmの板状成形体を得たが、この成形体の表面に
は凹凸が観測され平滑性に劣るものであった。また、こ
の成形体のTG測定により求められた5%重量減少温度
は355℃であった。
1)2gの代わりにポリジメチルシロキサンの炭素同族
体であるポリイソブチレン2gを用いた以外は実施例1
と同様の操作を行い、ポリジフェニルシルメチレン//ポ
リイソブチレン組成物を得た。この組成物は−72℃、
135℃および352℃に転移温度を示し、これらの値
は、ポリイソブチレンおよびポリジフェニルシルメチレ
ン単体で得られる値と同一であった。この組成物10g
にフタロシアニン100mgを加え、355℃で圧縮成形
し厚さ1mmの板状成形体を得たが、この成形体の表面に
は凹凸が観測され平滑性に劣るものであった。また、こ
の成形体のTG測定により求められた5%重量減少温度
は355℃であった。
【0046】(比較例2)ポリメチルフェニルシロキサ
ン(B2)10gの代わりにポリメチルフェニルシロキ
サンの炭素同族体であるポリ(α−メチルスチレン)1
0gを用いた以外は実施例4と同様の操作を行い、ポリ
ジフェニルシルメチレン//ポリ(α−メチルスチレン)
組成物を得た。この組成物は135℃、170℃および
352℃に転移温度を示し、これらの値は、ポリ(α−
メチルスチレン)およびポリジフェニルシルメチレン単
体で得られる値と同一であった。この組成物を355℃
で圧縮成形し厚さ1mmの板状成形体を得たが、両成分の
相分離のためこの成形体は非常に脆く、また、この成形
体のTG測定により求められた5%重量減少温度は34
0℃であった。
ン(B2)10gの代わりにポリメチルフェニルシロキ
サンの炭素同族体であるポリ(α−メチルスチレン)1
0gを用いた以外は実施例4と同様の操作を行い、ポリ
ジフェニルシルメチレン//ポリ(α−メチルスチレン)
組成物を得た。この組成物は135℃、170℃および
352℃に転移温度を示し、これらの値は、ポリ(α−
メチルスチレン)およびポリジフェニルシルメチレン単
体で得られる値と同一であった。この組成物を355℃
で圧縮成形し厚さ1mmの板状成形体を得たが、両成分の
相分離のためこの成形体は非常に脆く、また、この成形
体のTG測定により求められた5%重量減少温度は34
0℃であった。
【0047】(比較例3)ポリジメチルシロキサン(B
1)2gの代わりにポリジメチルシロキサンの炭素同族
体であるポリイソブチレン2gを用いた以外は実施例1
0と同様の操作を行い、ポリジフェニルシルメチレン//
ポリイソブチレン組成物を得た。この組成物は−72
℃、135℃および352℃に転移温度を示し、これら
の値は、ポリイソブチレンおよびポリジフェニルシルメ
チレン単体で得られる値と同一であった。この組成物1
0gにフタロシアニン100mgを加え、355℃で圧縮
成形し厚さ1mmの板状成形体を得たが、この成形体の表
面には凹凸が観測され平滑性に劣るものであった。ま
た、この成形体のTG測定により求められた5%重量減
少温度は361℃であった。
1)2gの代わりにポリジメチルシロキサンの炭素同族
体であるポリイソブチレン2gを用いた以外は実施例1
0と同様の操作を行い、ポリジフェニルシルメチレン//
ポリイソブチレン組成物を得た。この組成物は−72
℃、135℃および352℃に転移温度を示し、これら
の値は、ポリイソブチレンおよびポリジフェニルシルメ
チレン単体で得られる値と同一であった。この組成物1
0gにフタロシアニン100mgを加え、355℃で圧縮
成形し厚さ1mmの板状成形体を得たが、この成形体の表
面には凹凸が観測され平滑性に劣るものであった。ま
た、この成形体のTG測定により求められた5%重量減
少温度は361℃であった。
【0048】
【発明の効果】本発明のケイ素系高分子組成物は、熱可
塑性を示すため成形加工が容易であるばかりでなく、構
成成分の主鎖骨格が類似していることから両成分の相溶
性は比較的良好で、成形後の組成物は良好な表面外観を
有する。また、本発明の組成物は、対応するポリジアリ
ールシルメチレン単独の場合と比較しても低い溶融粘度
を示す。さらに得られる成形体の耐熱性も高い。さら
に、本発明で開示される熱可塑性ケイ素系高分子組成物
の製造方法は、構成成分高分子の製造および他の構成成
分との複合化を同時に行うことができ、製造プロセスを
簡略化することができる。
塑性を示すため成形加工が容易であるばかりでなく、構
成成分の主鎖骨格が類似していることから両成分の相溶
性は比較的良好で、成形後の組成物は良好な表面外観を
有する。また、本発明の組成物は、対応するポリジアリ
ールシルメチレン単独の場合と比較しても低い溶融粘度
を示す。さらに得られる成形体の耐熱性も高い。さら
に、本発明で開示される熱可塑性ケイ素系高分子組成物
の製造方法は、構成成分高分子の製造および他の構成成
分との複合化を同時に行うことができ、製造プロセスを
簡略化することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 くり返し単位が−(Ar2 SiCH2 )
−からなるポリジアリールシルメチレン(A)1〜99
重量%および下記式(B)で表される構成単位を主鎖骨
格とするポリシロキサン(B)1〜99重量%からなる
熱可塑性ケイ素系高分子組成物。 −(R1 R2 SiO)n − (B) (式中、Arはアリール基又は置換アリール基を表し、
R1 及びR2 は同一でありまたは独立に、水素原子、炭
素数1〜6のアルキル基、置換アルキル基、アルケニル
基、アリール基、置換アリール基、アルコキシ基、水酸
基あるいはハロゲン原子を表す。また、nは重合度を表
し、5≦n≦50,000である。) - 【請求項2】 くり返し単位が−(Ar2 SiCH2 )
−からなるポリジアリールシルメチレン(A)の前駆体
(C)および下記式(B)で表される構成単位を主鎖骨
格とするポリシロキサン(B)を混合し、(C)を
(A)に転化させることによる、(A)および(B)か
らなる熱可塑性ケイ素系高分子組成物の製造方法。 −(R1 R2 SiO)n − (B) (式中、Arはアリール基又は置換アリール基を表し、
R1 及びR2 は同一または独立に水素原子、炭素数1〜
6のアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、アリ
ール基、置換アリール基、アルコキシ基、水酸基あるい
はハロゲン原子を表す。また、nは重合度を表し、5≦
n≦50,000である。) - 【請求項3】 前記前駆体(C)が1,1,3,3−テ
トラアリール−1,3−ジシラシクロブタン、あるいは
クロロメチルジアリールクロロシランである請求項2記
載の熱可塑性ケイ素系高分子組成物の製造方法。 - 【請求項4】 くり返し単位が−(R1 R2 SiO)−
で表わされるポリシロキサンの前駆体およびくり返し単
位が−(Ar2 SiCH2 )−からなるポリジアリール
シルメチレン(A)を混合し、該前駆体を該ポリシロキ
サンに転化させることによる、該ポリジアリールシルメ
チレン及び該ポリシロキサンからなる熱可塑性ケイ素系
高分子組成物の製造方法。(式中、Arはアリール基又
は置換アリール基を表し、R1 及びR2 は同一または独
立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、置換アルキ
ル基、アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ア
ルコキシ基、水酸基あるいはハロゲン原子を表す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3223296A JPH09227781A (ja) | 1996-02-20 | 1996-02-20 | 熱可塑性ケイ素系高分子組成物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3223296A JPH09227781A (ja) | 1996-02-20 | 1996-02-20 | 熱可塑性ケイ素系高分子組成物およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09227781A true JPH09227781A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=12353240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3223296A Pending JPH09227781A (ja) | 1996-02-20 | 1996-02-20 | 熱可塑性ケイ素系高分子組成物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09227781A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2289978A1 (en) | 2009-08-21 | 2011-03-02 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Organopolysilmethylene and a cured product thereof |
EP2289979A1 (en) | 2009-08-21 | 2011-03-02 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Organopolysilmethylene and a composition comprising the same |
US8759456B2 (en) | 2011-02-28 | 2014-06-24 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Addition reaction-curable organopolysilmethylenesiloxane copolymer composition |
-
1996
- 1996-02-20 JP JP3223296A patent/JPH09227781A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2289978A1 (en) | 2009-08-21 | 2011-03-02 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Organopolysilmethylene and a cured product thereof |
EP2289979A1 (en) | 2009-08-21 | 2011-03-02 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Organopolysilmethylene and a composition comprising the same |
US8173759B2 (en) | 2009-08-21 | 2012-05-08 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Organopolysilmethylene and a composition comprising the same |
US8497024B2 (en) | 2009-08-21 | 2013-07-30 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Organopolysilmethylene-siloxane and a cured product thereof |
US8759456B2 (en) | 2011-02-28 | 2014-06-24 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Addition reaction-curable organopolysilmethylenesiloxane copolymer composition |
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