JPH09227442A - アシル化用ハフニウム化合物触媒及びそれを使用する芳香族化合物の製造方法 - Google Patents

アシル化用ハフニウム化合物触媒及びそれを使用する芳香族化合物の製造方法

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JPH09227442A
JPH09227442A JP6178296A JP6178296A JPH09227442A JP H09227442 A JPH09227442 A JP H09227442A JP 6178296 A JP6178296 A JP 6178296A JP 6178296 A JP6178296 A JP 6178296A JP H09227442 A JPH09227442 A JP H09227442A
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reaction
acid
fries rearrangement
phenols
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JP6178296A
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Osamu Kobayashi
修 小林
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/51Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by pyrolysis, rearrangement or decomposition
    • C07C45/54Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by pyrolysis, rearrangement or decomposition of compounds containing doubly bound oxygen atoms, e.g. esters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/45Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by condensation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アシロキシベンゼン類又はアシロキシナフタ
レン類のフリース転位反応、並びにフェノール類又はナ
フトール類の酸クロライドによる直接アシル化反応及び
カルボン酸による直接アシル化反応を効率的に行うこ
と。 【解決手段】 トルエン−ニトロメタン溶媒中でHf
(OTf)4触媒の存在下に、又は過塩素酸リチウムの
共存下に例えば100又は50℃、6時間で上記反応を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アシル化用ハフニウム
化合物触媒及びそれを反応触媒として使用した、フリー
ス転位による又は直接アシル化による、フェノール類の
アシル化物又はナフトール類のアシル化物の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】フリーデル・クラフツ反応は芳香族化合
物の核置換反応として広く用いられている。すなわち、
無水の塩化アルミニウム、塩化第二鉄、三フッ化ホウ
素、塩化亜鉛、四塩化チタン、塩化第二スズ、塩化マグ
ネシウム、塩化ガリウム、臭化アルミニウムなどのルイ
ス酸類を触媒として、芳香族化合物とハロゲン化アルキ
ル、オレフィン、酸ハロゲン化物、酸無水物、エステ
ル、エーテル、環状エーテルなどを反応させ、アルキル
基、アシル基、アルコキシ基などを芳香族化合物の核に
導入する反応である。反応溶媒は使用しない場合もある
が、一般にハロゲン化炭化水素類が使用される。
【0003】フリーデル・クラフツ反応に使用される触
媒としては、その活性、反応後の処理、回収・再生、そ
の触媒に適した反応溶媒、適用対象反応の範囲、価格、
調製方法などの観点から、現在知られている触媒化合物
にとどまらず多様性が追求されており、より好ましい触
媒およびそれを使用した反応が常に求められている。
【0004】このため、新たな触媒も提案され、特開平
5−320089号公報には、イッテルビウム、サマリ
ウム又はスカンジュウム等の希土類系ルイス酸触媒をフ
リーデル・クラフツ反応に用いる芳香族化合物のアシル
化方法が記載されている。
【0005】また、J. Chem. Soc., Chem. Commun. vol
1995, 1527およびTetrahedron Lett. 1995, vol 336,
409には、触媒量のトリフルオロメタンスルフォン酸ス
カンジュウム(scandium trifluorate,Sc(OT
f)3)(OTfはOSO2CF3を示す)の存在下にア
シロキシナフタレンのフリース転位が円滑に進行し、相
当するヒドロキシナフチルケトンを高収率で生成するこ
とが、さらには、アシロキシベンゼン類のフリース転位
で、m−トリルアセテートを20mol%のSc(OT
f)3の存在下、トルエン中で100℃、6時間熱する
と、2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルメチルケトン
が34%の収率で分離されることが記載されている。
【0006】Bull. Chem. Soc. Jpn. 1995, vol 68, 20
53及び特開平8−27157号公報には、Hf(OT
f)4で示される新規ハフニウム化合物及びそれをフリ
ーデル・クラフツ反応触媒に使用した例が開示されてい
る。
【0007】フリーデル・クラフツ反応が適用される芳
香族化合物としてはベンゼンなどの非縮合芳香族炭化水
素、ナフタレン、アントラセンなどの縮合多環式芳香族
炭化水素、インドール、キノリンなどの縮合複素環芳香
族化合物などが挙げられている。これらは、置換基の導
入を阻害しない限り、ハロゲン、アルキル基、アルケニ
ル基、アリール基、アルコキシ基、チオ基、アミノ基な
どの置換基を有していてもよい。また前記芳香族化合物
と反応させる化合物としては、前記したハロゲン化アル
キル、オレフィン、酸ハロゲン化物、酸無水物、エステ
ル、エーテル、環状エーテルなどが例示されている。
【0008】ヒドロキシアリルケトン類は生物学的に活
性なナフトキノン類、フェノール類あるいは液晶ポリマ
ー原料のナフタレン類、あるいは低分子量メソゲン等の
合成に広く用いられる中間体である。
【0009】アシロキシベンゼン類あるいはアシロキシ
ナフタレン類のフリース転位はこれらの化合物への有用
な経路であるが、生成物中に捕捉されてしまうために化
学量論的量以上のAlCl3を必要とする。
【0010】フェノール類およびナフトール類の直接ア
シル化も2−ヒドロキシフェニルケトン類あるいは2−
ヒドロキシナフチルケトン類の有用な合成法であり、こ
れらの反応には化学量論的以上のAlCl3を用いてい
る。しかし、強烈な反応条件が激しい副反応を引き起こ
すこともあり、アルミニュウム残渣が環境問題となる場
合もある。
【0011】一方、別法としてAlCl3あるいはHC
lO4を促進剤として用い、フェノールおよびナフトー
ル類の直接アシル化を行うこともできる。しかし、この
場合も酸を化学量論的以上に必要とし、そのため副反応
が起こることは避けられない。
【0012】一方、酸クロライドあるいは酸無水物がこ
れらの反応においてアシル化剤として一般的に用いられ
る。これらの試薬は通常カルボン酸から調製されるの
で、もしアシル化がアシル化剤としてカルボン酸を用い
て行えるならば、操作的にも、経済的にも望ましい。
【0013】Synlett, vol 1995, 1153には、Sc(O
Tf)3を触媒に用いた、フェノールおよびナフトール
類の酸クロライドによる直接アシル化が記載されてい
る。ここでは触媒量のカルボン酸がフリース転位を促進
することが知られている。
【0014】すなわち、前記のようにSc(OTf)3
の存在下(20mol%)でm−トリルアセテートはト
ルエン中(100℃、6時間)で転位して2−ヒドロキ
シ−4−メチルフェニルメチルケトンを34%の収率で
生じるが、酢酸(10または20mol%)の添加によ
り収率は60%まで向上する。これらの結果は酢酸がア
シル化試薬として働いたものと解釈される。次いでSc
(OTf)3の存在下(20mol%)でm−クレゾー
ルと酢酸を組み合わせ、100℃のトルエン中で6時間
反応させた結果、2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル
メチルケトンが5%の収率で得られることが知られてい
る。収率は低かったものの、この結果は酢酸のアシル化
剤としての働きを示すものと考えられる。
【0015】しかしながら、Hf(OTf)4を触媒に
使用して、フェノール類及びナフトール類を、カルボン
酸ハライド又はカルボン酸を使用して直接アシル化を行
った例、あるいはフリース転位によりアシル化を行った
例は知られていない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フェ
ノール類及びナフトール類の接触的フリース転位反応に
よるアシル化反応、及び酸クロライド又はカルボン酸に
よる直接アシル化反応に有効な触媒を見出し、それを使
用したフェノール類及びナフトール類のアシル化物の製
造方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ハフニウム
化合物について鋭意検討した結果、特定のハフニウム化
合物がフリース転位反応、フェノール類又はナフトール
類の直接アシル化反応に有用であることを見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0018】すなわち、本発明は、Hf(OSO2
34(以後Hf(OTf)4と略す)からなるアシロ
キシベンゼン類又はアシロキシナフタレン類のフリース
転位反応触媒、フェノール類又はナフトール類の酸ハラ
イドまたはカルボン酸による直接アシル化反応触媒に関
するものであり、前記触媒の存在下にアシロキシベンゼ
ン類又はアシロキシナフタレン類をフリース転位反応さ
せることによる、又は、フェノール類又はナフトール類
を酸ハライドもしくはカルボン酸により直接アシル化反
応させるアシルフェノール又はアシルナフトールの製造
方法に関するものである。以下に、本発明を詳細に説明
する。
【0019】本発明で使用するハフニウム化合物触媒
は、トリフルオロメタンスルフォン酸ハフニウムHf
(OTf)4であり、触媒調製例に示される方法によっ
て得られる白色粉末である。
【0020】本発明でハフニウム化合物をフリース転位
反応等の触媒として用いる際には、過塩素酸リチウムの
ような促進剤を共存させてもよい。
【0021】本発明でハフニウム化合物を前記のように
フリース転位反応又は酸ハライドもしくはカルボン酸に
よる直接アシル化反応の触媒として用いる際には、無溶
媒でも溶媒中で行うこともできる。溶媒中で行う場合に
は、溶媒として反応に不活性で原料化合物を溶解するも
のが好ましく、例えば塩化メチレンのようなハロゲン化
炭化水素を使用することができるが、ハロゲン化炭化水
素類は、地球環境に悪影響を及ぼす場合があり、アセト
ニトリル、トルエン、ニトロメタンなどの非塩素系溶媒
を単独又は混合して使用することができる。
【0022】本発明で直接アシル化反応に使用するカル
ボン酸ハライドとしては、カルボン酸が酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸等のような炭素数1ないし12の直鎖又は分
岐飽和脂肪族カルボン酸又はシクロヘキサンカルボン酸
のような炭素数3ないし12の飽和環状脂肪族カルボン
酸、更には、芳香族カルボン酸であり、ハライドが弗
素、塩素、臭素又はヨウ素であり、好ましくは塩素であ
る。
【0023】本発明で直接アシル化反応に使用するカル
ボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸等のような
炭素数1ないし12の直鎖又は分岐飽和脂肪族カルボン
酸又はシクロヘキサンカルボン酸のような炭素数3ない
し12の飽和環状脂肪族カルボン酸、更には、芳香族カ
ルボン酸である。
【0024】本発明ではその他に、上記カルボン酸の無
水物も直接アシル化反応に使用できる。
【0025】本発明でフリース転位反応に使用するアシ
ロキシベンゼン類又はアシロキシナフタレン類は、アシ
ロキシ基が炭素数1ないし12の直鎖又は分岐飽和脂肪
族アシロキシ基又は炭素数3ないし12の飽和環状脂肪
族アシロキシ基、更にはベンゾイルオキシ基のような芳
香族アシロキシ基である。
【0026】本発明は、反応温度については常温でも、
低温でも、高温でも行うことが、反応圧力については常
圧でも、低圧でも、加圧でも、反応操作については回分
でも、半回分でも、連続でも行うことができる。
【0027】反応後、溶媒、生成物等を留去した残渣を
触媒として再利用することができる。あるいは、反応
後、反応マスに水を加えて触媒を水層に移行させ分離す
ることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例にて更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0029】実施例では、初めに本発明で使用する触媒
Hf(OTf)4の調製例を、次にその触媒を使用した
(a)アシロキシベンゼン類及びアシロキシナフタレン
類のフリース転位反応、(b)カルボン酸ハライドをア
シル化剤に使用したフェノール類およびナフトール類の
直接アシル化反応、及び(c)カルボン酸をアシル化剤
に使用したフェノール類およびナフトール類の直接アシ
ル化反応について述べる。なお、以下の実施例で触媒の
量は基質であるアシロキシベンゼン類、アシロキシナフ
タレン類、フェノール類又はナフトール類に対するモル
比で示す。
【0030】(触媒調製例)特開平8−27157号公
報記載の方法に基づき調製された。すなわち、塩化ハフ
ニウム8.61g(26.9mmol、添川理化学
(株)製、純度99.9%)にトリフルオロメタンスル
ホン酸22.1ml(250mmol)を加えた。この
混合物をアルゴン雰囲気下、50℃で68時間加熱し
た。その後、過剰のトリフルオロメタンスルホン酸を減
圧下に留去し、残留粉末として粗ハフニウムトリフルオ
ロメタンスルホナートHf(OTf)4を得た。これを
石油エーテル15mlで4回洗浄し、得られた白色粉末
を更に減圧下、50℃で8時間乾燥し、精製ハフニウム
トリフルオロメタンスルホナート20.9gを得た。収
率は100%であった。性状は前記公報記載の通りであ
った。
【0031】(実施例1)調製例で得られたHf(OT
f)40.05mmol(基質であるフェニルアセテー
トに対して10mol%)に過塩素酸リチウム12mm
ol、トルエン1mlとニトロメタン0.15ml(容
積比6.7:1)を加え、フェニルアセテート0.5m
molを室温で加えた。これらの混合物を、50℃で6
時間加熱撹拌し、室温に冷却した。反応を止めるために
水を加えさらにジクロロメタンを加えた。有機溶媒層を
分離後水層をジクロロメタンで抽出し、前記有機溶媒層
と合わせ、無水硫酸ソーダにより乾燥した。減圧下に溶
媒を溜去し粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルを充
填剤とする液体クロマトグラフにより分析した。分析の
結果、4−アセチルフェノール52%、2−アセチルフ
ェノール5%、合計収率57%が得られた。結果を表1
に示す。なお、過塩素酸リチウム不在下では、トルエン
−ニトロメタン混合溶媒中100℃でのフェノールアセ
テートの転位反応は緩慢であった。
【0032】(実施例2)調製例で得られたHf(OT
f)40.1mmolに、トルエン1.0mlとニトロ
メタン0.15ml中にm−メトキシフェニルアセテー
ト0.5mmolを含む溶液を室温で加えた。これらの
混合物を、100℃で6時間加熱撹拌し、室温に冷却し
た。反応を止めるために水を加えさらにジクロロメタン
を加えた。有機溶媒層を分離後水層をジクロロメタンで
抽出し、前記有機溶媒層と合わせ、無水硫酸ソーダによ
り乾燥した。減圧下に溶媒を溜去し粗生成物を得た。粗
生成物をシリカゲルを充填剤とする液体クロマトグラフ
により分析した。2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニ
ルメチルケトンの収率は53%であった。結果を表1に
示す。
【0033】(実施例3)表1に示す原料を使用した他
は、実施例2と同様に行った。結果を表1に示す。
【0034】(実施例4)調製例で得られたHf(OT
f)4の0.1mmolに、トルエン1.0mlとニト
ロメタン0.15ml中にm−トリルアセテート0.5
mmolを含む溶液を室温で加えた。これらの混合物
を、100℃で6時間加熱撹拌し、室温に冷却した。反
応を止めるために水を加えさらにジクロロメタンを加え
た。有機溶媒層を分離後水層をジクロロメタンで抽出
し、前記有機溶媒層と合わせ、無水硫酸ソーダにより乾
燥した。減圧下に溶媒を溜去し粗生成物を得た。粗生成
物をシリカゲルを充填剤とする液体クロマトグラフによ
り分析した。2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルメチ
ルケトンの収率は64%であった。
【0035】Sc(OTf)3の存在下でm−トリルア
セテートはトルエン中、100℃、6時間の反応で転位
して2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルメチルケトン
を34%の収率で生じたのに対して収率が改善された。
【0036】(実施例5)表1に示す原料を使用した他
は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0037】(実施例6)表1に示す原料を使用し、H
f(OTf)4濃度を基質に対して20mol%にし、
反応時間を14時間とした他は、実施例1と同様に行っ
た。結果を表1に示す。
【0038】(実施例7および8)表1に示す原料を使
用し、Hf(OTf)4濃度を基質に対して5mol%
にした他は、実施例2と同様に行った。結果を表1に示
す。
【0039】このように、Hf(OTf)4はフリース
転位における効率的触媒であり完全な位置選択性が得ら
れる場合があり、また、2−アシル化フェノールあるい
はナフトール誘導体がよい収率で分離された。さらに、
3−t−ブチルフェノールアセテートの転位ではt−ブ
チル基の移動あるいは損失は見られなかった。フリース
転位の副生物は脱アシル化フェノール類あるいはナフト
ール類であり、その量は生成物中の10〜30%であっ
た。
【0040】以下に、アシルハライド(表2ではR2
OCl)を使用したフェノール類およびナフトール類の
直接アシル化の実施例を示す。
【0041】(実施例9)調製例で得られたHf(OT
f)40.05mmolに過塩素酸リチウム12mmo
lを加え、トルエン1mlとニトロメタン0.15ml
中にフェノール0.5mmolとアセチルクロライド
0.55mmolを含む溶液を室温で加えた。これらの
混合物を、100℃で6時間加熱撹拌し、室温に冷却し
た。反応を止めるために水を加え、さらにジクロロメタ
ンを加えた。有機溶媒層を分離後水層をジクロロメタン
で抽出し、前記有機溶媒層と合わせ、無水硫酸ソーダに
より乾燥した。減圧下に溶媒を溜去し粗生成物を得た。
粗生成物をシリカゲルを充填剤とする液体クロマトグラ
フにより分析した。分析の結果、4−アセチルフェノー
ル61%、2−アセチルフェノール3%、合計収率64
%が得られた。結果を表2に示す。
【0042】(実施例10)調製例で得られたHf(O
Tf)4の0.1mmolに、トルエン1.0mlとニ
トロメタン0.15ml中にm−メトキシフェノール
0.5mmolとアセチルクロライド0.55mmol
を含む溶液を室温で加えた。これらの混合物を、100
℃で6時間加熱撹拌し、室温に冷却した。反応を止める
ために水を加えさらにジクロロメタンを加えた。有機溶
媒層を分離後水層をジクロロメタンで抽出し、前記有機
溶媒層と合わせ、無水硫酸ソーダにより乾燥した。減圧
下に溶媒を溜去し粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲ
ルを充填剤とする液体クロマトグラフにより分析した。
2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニルメチルケトンの
収率は84%であった。これは、m−メトキシフェニル
アセテートのフリース転位反応によるよりもはるかに高
い収率を与えた。
【0043】(実施例11及び12)表2に示す原料を
使用した他は、実施例10と同様に行った。結果を表2
に示す。
【0044】(実施例13)表2に示す原料を使用した
他は、実施例9と同様に行った。結果を表2に示す。
【0045】(実施例14及び15)表2に示す原料を
使用し、Hf(OTf)4濃度を基質に対して5mol
%とした他は、実施例10と同様に行った。結果を表2
に示す。
【0046】このように、フェノール類およびナフトー
ル類のアシルクロライドによる直接アシル化反応の場合
は、触媒量のHf(OTf)4を用いることにより円滑
に進行し、相当するヒドロキシアリルケトンを高収率で
生成した。特に、1−ナフトールは少ない触媒量で円滑
に反応し高い収率でアシル化物を生じた。直接アシル化
反応による収率は大半の場合に、フリース転位反応によ
る収率よりも高かった。
【0047】以下に、カルボン酸を使用したフェノール
類およびナフトール類の直接アシル化の実施例を示す。
【0048】(実施例16)調製例で得られたHf(O
Tf)40.05mmolに過塩素酸リチウム12mm
olを加え、トルエン1mlとニトロメタン0.15m
l中にフェノール0.5mmolと酢酸0.5mmol
を含む溶液を室温で加えた。これらの混合物を、50℃
で6時間加熱撹拌し、室温に冷却した。反応を止めるた
めに水を加えさらにジクロロメタンを加えた。有機溶媒
層を分離後水層をジクロロメタンで抽出し、前記有機溶
媒層と合わせ、無水硫酸ソーダにより乾燥した。減圧下
に溶媒を溜去し粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲル
を充填剤とする液体クロマトグラフにより分析した。分
析の結果、4−アセチルフェノールのみが得られ収率は
63%であった。結果を表3に示す。なお、過塩素酸リ
チウム不在下では、トルエン−ニトロメタン混合溶媒中
100℃でのフェノールのアシル化は緩慢であった。
【0049】(実施例17)調製例で得られたHf(O
Tf)4の0.1mmolに、トルエン1.0mlとニ
トロメタン0.15ml中にm−クレゾール0.5mm
olと酢酸0.5mmolを含む溶液を室温で加えた。
これらの混合物を、100℃で6時間加熱撹拌し、室温
に冷却した。反応を止めるために水を加えさらにジクロ
ロメタンを加えた。有機溶媒層を分離後水層をジクロロ
メタンで抽出し、前記有機溶媒層と合わせ、無水硫酸ソ
ーダにより乾燥した。減圧下に溶媒を溜去し粗生成物を
得た。粗生成物をシリカゲルを充填剤とする液体クロマ
トグラフにより分析した。2−ヒドロキシ−4−メチル
フェニルメチルケトンの収率は55%であった。結果を
表3に示す。
【0050】(実施例18)表3に示す原料を使用した
他は、実施例16と同様に行った。結果を表3に示す。
【0051】t−ブチル基をもつフェノール類では、あ
るルイス酸酸性の条件下ではt−ブチル基の移動を起こ
す場合があるが、本実施例では移動は起こらず、3−t
−ブチルフェノールのアシル化により、2−ヒドロキシ
−4−t−ブチルフェニルメチルケトンをよい収率で得
られた。
【0052】(実施例19〜22)表3に示す原料を使
用した他は、実施例17と同様に行った。結果を表3に
示す。
【0053】アシル化剤としてシクロヘキサンカルボン
酸(実施例20)とプロピオン酸(実施例22)も使用
したが、ナフトール類ではより高い収率が得られた。
【0054】(比較例1)表4に示す原料とSc(OT
f)3触媒を使用した他は、実施例17に準じて行っ
た。結果を表4に示す。
【0055】(比較例2)各種触媒による1−ナフトー
ルの酢酸による直接アシル化を比較した。結果を表5に
示す。
【0056】表5から本発明の優れていることは明らか
である。触媒にHf(OTf)4を用いることにより1
−ヒドロキシ−2−アセトナフトンの収率は81%(実
施例21)となったが、AlCl3,BF3・OEt2
TiCl4,あるいはSnCl4のような典型的ルイス酸
を用いたとき、付加物の生成はゼロかわずかな量であっ
た。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【発明の効果】本発明によりHf(OTf)4を触媒に
使用してアシロキシベンゼン類又はアシロキシナフタレ
ン類のフリース転位反応、並びにフェノール類又はナフ
トール類の酸クロライドによる直接アシル化反応及びカ
ルボン酸による直接アシル化反応を効率的に行うことが
できるようになった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 49/84 9049−4H C07C 49/84 E // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Hf(OSO2CF34からなるアシロ
    キシベンゼン類又はアシロキシナフタレン類のフリース
    転位反応触媒。
  2. 【請求項2】 Hf(OSO2CF34からなるフェノ
    ール類又はナフトール類の酸ハライドによる直接アシル
    化反応触媒。
  3. 【請求項3】 Hf(OSO2CF34からなるフェノ
    ール類又はナフトール類のカルボン酸による直接アシル
    化反応触媒。
  4. 【請求項4】 Hf(OSO2CF34で示される触媒
    の存在下にアシロキシベンゼン類又はアシロキシナフタ
    レン類をフリース転位反応させるアシルフェノール類又
    はアシルナフトール類の製造方法。
  5. 【請求項5】 Hf(OSO2CF34で示される触媒
    の存在下にフェノール類又はナフトール類を酸ハライド
    により直接アシル化反応させるアシルフェノール類又は
    アシルナフトール類の製造方法。
  6. 【請求項6】 Hf(OSO2CF34で示される触媒
    の存在下にフェノール類又はナフトール類をカルボン酸
    又はその無水物により直接アシル化反応させるアシルフ
    ェノール類又はアシルナフトール類の製造方法。
  7. 【請求項7】 反応が過塩素酸リチウムの共存下に行わ
    れる請求項4、5または6記載のアシルフェノール類又
    はアシルナフトール類の製造方法。
  8. 【請求項8】 反応が有機溶媒中で行われる請求項4、
    5または6記載のアシルフェノール類又はアシルナフト
    ール類の製造方法。
  9. 【請求項9】 有機溶媒がトルエン−ニトロメタン混合
    溶媒である請求項8記載のアシルフェノール類又はアシ
    ルナフトール類の製造方法。
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