JPH09227326A - 歯科用埋没材 - Google Patents

歯科用埋没材

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JPH09227326A
JPH09227326A JP6204996A JP6204996A JPH09227326A JP H09227326 A JPH09227326 A JP H09227326A JP 6204996 A JP6204996 A JP 6204996A JP 6204996 A JP6204996 A JP 6204996A JP H09227326 A JPH09227326 A JP H09227326A
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豊 森脇
Yoshio Ubunai
良男 生内
Fuminobu Kubo
文信 久保
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化膨張が極めて小さく、かつ加熱膨
張が大きく、高精度で、しかも表面粗さの小さい鋳造品
の製造を可能にする。 【解決手段】 耐火材と結合剤とを含む歯科用埋没材
において、膨張付与剤として亜リン酸アルミニウムが混
合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、歯科用の精密鋳造に
好適な歯科用埋没材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯冠などの歯科用鋳造品は、埋没材中に
ワックス原型を埋没し、このワックス原型を加熱溶出し
て形成された成型用空間に溶融金属を注入し、これを冷
却して製造されるが、溶融金属は冷却の際に金属の種類
によって約1〜2%の熱収縮をするため、溶融金属を注
入する際は、上記の成型用空間をあらかじめ膨張させて
おく必要があり、この膨張は、埋没材の硬化時に生じる
硬化膨張と加熱時に生じる加熱膨張とによって与えてい
た。しかし、最近になって、硬化膨張が大きいと、鋳造
品が変形するので、合金の収縮を補償するには、加熱膨
張のみによるのが理想的であると考えられるようになっ
てきた。
【0003】そこで、硬化膨張がほとんど無く、しかも
大きい加熱膨張が得られる歯科用埋没材を求める研究が
行われるようになり、石膏系埋没材と共に広く使用され
ているリン酸塩系埋没材において、溶融カルシアまたは
カルシアクリンカーを混合することが提案された(特公
平1−55063号公報参照)。しかしながら、この溶
融カルシアやカルシアクリンカーは、空気中の水分で水
酸化カルシウムに変質するという問題があった。また、
耐火材として200〜300℃で大きく膨張するクリス
トバライトおよび500〜600℃で大きく膨張する石
英を併用することが試みられたが、これだけで2%程度
の膨張率を得ようとすると、多量のクリストバライトを
必要とし、その場合は割れが生じるという問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、硬化膨張
が極めて小さく、かつ加熱膨張が大きく、そのため高精
度で、しかも表面粗さの小さい鋳造品が得られる歯科用
埋没材を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の歯科用埋没材
は、耐火材と結合剤とを含む歯科用埋没材において、亜
リン酸アルミニウムが混合されていることを特徴とす
る。
【0006】この発明で使用する亜リン酸アルミニウム
は、粉末の形で市販されており、プラスチック製品や化
粧品、グリース、ペイント等に白色顔料や潤滑剤として
添加することが知られているが(特公平1−16869
号公報および特公平4−89306号公報参照)、40
0〜500℃で大きく膨張し、500℃でメタリン酸ア
ルミニウムとオルソリン酸アルミニウムとに分解して多
孔質体を形成し、1000℃の高温でも安定した形状を
保持することが知られている。
【0007】そして、本件発明者の知見によると、上記
の亜リン酸アルミニウム(APA)を膨張付与剤として
埋没剤に添加すると、図1に示すように、700℃にお
ける熱膨張率が添加量0〜10%程度まではほぼゼロで
一定に推移するが、10%を超すと徐々に増大し、15
%を超えると急激に増大し、20%において6.25%
に達する。なお、図1は、溶融石英、石膏および亜リン
酸アルミニウムからなる埋没剤において、熱膨張をしな
い溶融石英の配合量を62%とし、残りの38%を石膏
および亜リン酸アルミニウムで分けて亜リン酸アルミニ
ウムのみの熱膨張率を引き出すようにした実験結果であ
る。
【0008】したがって、石膏系またはリン酸塩系その
他の埋没材に亜リン酸アルミニウムを添加することによ
り、従来の溶融カルシアやカルシアクリンカー、石英ま
たはクリストバライトその他の耐火材を増量することな
く埋没材全体の加熱膨張を増大し、しかも硬化膨張を抑
制することができ、高精度で、表面粗さの小さい歯科用
鋳造品が得られる。耐火材は、必要な熱膨張率に応じて
石英やクリストバライトその他の耐火材を単独で、また
は2以上を混合して用いることができるが、特に高膨張
率用としてクリストバライトおよび石英を併用した際、
一層好結果が得られる。なお、亜リン酸アルミニウムと
しては、球状の微粒子が好ましく、これによって分散性
が向上し、均一混合が容易になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施形態1 耐火材としてクリストバライトおよび石英の少なくとも
一方を用い、下記の配合で石膏系埋没材を調製する。 耐火材 クリストバライト 0〜78重量部 耐火材 石英 0〜78重量部 結合剤 石膏 20〜40重量部 膨張付与剤 亜リン酸アルミニウム 2〜20重量部 合計 100重量部
【0010】上記配合の石膏系埋没材を混合し、これに
水を添加して混練し、得られた混練物をワックス原型と
共に成型器に充填してワックス原型を埋没させ、埋没材
が硬化した後、加熱によりワックス原型を溶出して鋳型
を作り、しかるのち鋳型を電気炉に入れて700℃に加
熱し、この鋳型を取出した後、その成型空間に約100
0℃の金属溶湯を注入し、冷却して鋳造品を得る。得ら
れた鋳造品は、表面粗さが小さく、滑沢で、ワックス原
型と全く同じ形状を有する精度の高いものである。
【0011】実施形態2 耐火材としてクリストバライトおよび石英の少なくとも
一方を用い、下記の配合でリン酸塩埋没材を調製する。 耐火材 クリストバライト 0〜88重量部 耐火材 石英 0〜88重量部 結合剤 第1リン酸アンモニウム 5〜15重量部 結合剤 マグネシアクリンカー 5〜15重量部 膨張付与剤 亜リン酸アルミニウム 2〜20重量部 合計 100重量部
【0012】上記配合のリン酸塩系埋没材を混合し、こ
れにコロイダルシリカ水溶液を添加して混練し、得られ
た混練物をワックス原型と共に成型器に充填してワック
ス原型を埋没させ、埋没材が硬化した後、加熱によりワ
ックス原型を溶出して鋳型を作り、しかるのち鋳型を電
気炉に入れて800℃に加熱し、この鋳型を取出した
後、その成型空間に約1350℃の金属溶湯を注入し、
冷却して鋳造品を得る。得られた鋳造品は、表面粗さが
小さく、ワックス原型と全く同じ形状を有する精度の高
いものである。
【0013】
【実施例】
実施例1 クリストバライト30重量部、石英41.9重量部、石
膏20重量部および亜リン酸アルミニウムの球状微粒子
粉末(太平化学産業株式会社製、商品名「APA−10
0」)8.1重量部からなる石膏系埋没材100gにつ
き水32ccを加えて練和し、歯冠用の鋳型を成型し、こ
の鋳型を700℃の電気炉に入れ、30分後に取出し、
次いで上記の鋳型に融点1000℃の12%金−パラジ
ウム合金を注いで鋳造した。上記の鋳型の熱膨張率は、
図2に示すように変化し、200〜300℃におけるク
リストバライトの急膨張、400〜500℃における亜
リン酸アルミニウムの急膨張および500〜600℃に
おける石英の急膨張によって全体として斜めの直線に近
いほぼ理想的な熱膨張が得られ、かつ硬化膨張率は0.
1%以下となり、その結果、精度の良好な歯冠が得ら
れ、表面粗さ(Ra )は1.2μmであり、亜リン酸ア
ルミニウムを用いない場合の2.0μmに比べて大幅に
改善された。
【0014】実施例2 第1リン酸アンモニウム8.5重量部、マグネシアクリ
ンカ6.5重量部、クリストバライト50重量部、石英
20重量部および亜リン酸アルミニウムの球状微粒子粉
末(太平化学産業株式会社製、商品名「APA−10
0」)15重量部からなるリン酸塩系埋没材100gに
つきコロイダルシリカ20ccを加えて練和し、歯冠用の
鋳型を成型し、この鋳型を800℃の電気炉に入れ、3
0分後に取出し、次いで上記の鋳型に融点1300℃の
ニッケルクロム合金を注いで鋳造した。上記鋳型の熱膨
張率は、図3に示すように、温度上昇と共に急激に上昇
し、しかも硬化膨張率は0.07%以下となり、精度の
良好な歯冠が得られた。また、表面粗さ(Ra )は1.
5μmであり、亜リン酸アルミニウムを添加しない場合
の2.3μmに比べて大幅に改善された。
【0015】実施例3 図4に示す歯冠模型10を、下面に円錐台形の窪みを有
する円柱形(外径8mm、高さ10mm、窪み下端開口部の
内径6mm、窪み上端の内径5mm、天部の肉厚1mm)に、
実施例1と同様の石膏埋没材と金合金を用いて鋳造し、
ワックス原型の製造に用いた歯形台11の円錐台形突起
12に被着したところ、歯冠模型10が円錐台形突起1
2にしっくりと嵌合し、歯冠模型10の下端と歯形台1
1の上端との間に隙間が生じたり、また歯冠模型10の
下端が鎖線10aのように広がったりすることがなかっ
た。したがって、歯形台11に嵌合したリング13を歯
冠模型10の上端まで円滑に押上げることができ、歯冠
模型10がワックス原型のとおりに精密に鋳造されたこ
とが証明された。
【0016】実施例4 実施例3と同じ形の歯冠模型10を、実施例2と同様の
リン酸塩系埋没材とニッケルクロム合金を用いて鋳造
し、実施例3と同様に円錐台形突起12に被着して試験
したところ、実施例3と同様に精密に鋳造されたことが
証明された。
【0017】
【発明の効果】請求項1に記載された歯科用埋没材は、
耐火材と結合剤とを含む歯科用埋没材において、亜リン
酸アルミニウムを混合したものであるから、この亜リン
酸アルミニウムが膨張付与剤として働き、上記埋没材の
加熱膨張を増大させる。したがって、公知の耐火材や結
合剤を適宜に選択して用いることにより、加熱膨張を大
きくし、かつ硬化膨張を無視できる程度に小さくするこ
とができ、そのため高精度の鋳造が可能になり、かつ鋳
造品の表面粗さが小さくなる。
【0018】請求項2に記載された発明は、請求項1記
載の歯科用埋没材において、耐火材としてクリストバラ
イトおよび石英を混合したものであるから、石膏系埋没
材およびリン酸塩系埋没材のいずれにおいても、鋳造品
の表面粗さを小さくし、高精度の鋳造を行うことができ
る。
【0019】請求項3に記載された発明は、請求項2記
載の歯科用埋没材において、結合剤が石膏系であるか
ら、比較的融点の低い金属の鋳造を比較的安価に行うの
に好適である。
【0020】請求項4に記載された発明は、請求項2記
載の歯科用埋没材において、結合剤がリン酸塩系である
から、ほとんど全ての金属の鋳造に用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】亜リン酸アルミニウム(APA)の熱膨張率を
示すグラフである。
【図2】石膏系埋没材の熱膨張率を示すグラフである。
【図3】リン酸塩系埋没材の熱膨張率を示すグラフであ
る。
【図4】歯科用鋳造品の精度の試験装置の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
10:歯冠模型 11:歯形台 12:円錐台形突起 13:リング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐火材と結合剤とを含む歯科用埋没材に
    おいて、亜リン酸アルミニウムが混合されていることを
    特徴とする歯科用埋没材。
  2. 【請求項2】 耐火材としてクリストバライトおよび石
    英が混合されている請求項1記載の歯科用埋没材。
  3. 【請求項3】 結合剤が石膏系である請求項2記載の歯
    科用埋没材。
  4. 【請求項4】 結合剤がリン酸塩系である請求項2記載
    の歯科用埋没材。
JP6204996A 1996-02-23 1996-02-23 歯科用埋没材 Expired - Lifetime JP2802908B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6221509B1 (en) 1998-04-16 2001-04-24 Tatsumori Ltd. Semiconductor encapsulating epoxy resin compositions, and semiconductor devices encapsulated therewith
JP2021146355A (ja) * 2020-03-17 2021-09-27 吉田キャスト工業株式会社 樹脂製パターンを埋没し鋳造物を製作するための埋没材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6221509B1 (en) 1998-04-16 2001-04-24 Tatsumori Ltd. Semiconductor encapsulating epoxy resin compositions, and semiconductor devices encapsulated therewith
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