JPH09227323A - 作物栽培用微生物資材及びそれを用いた作物の栽培方法 - Google Patents

作物栽培用微生物資材及びそれを用いた作物の栽培方法

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JPH09227323A
JPH09227323A JP8343280A JP34328096A JPH09227323A JP H09227323 A JPH09227323 A JP H09227323A JP 8343280 A JP8343280 A JP 8343280A JP 34328096 A JP34328096 A JP 34328096A JP H09227323 A JPH09227323 A JP H09227323A
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JP
Japan
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carrier
crop
weight
microbial material
bacterium
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JP8343280A
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English (en)
Inventor
Kyo Nagashima
協 長嶋
Taketoshi Uzawa
武俊 鵜澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05FORGANIC FERTILISERS NOT COVERED BY SUBCLASSES C05B, C05C, e.g. FERTILISERS FROM WASTE OR REFUSE
    • C05F11/00Other organic fertilisers
    • C05F11/08Organic fertilisers containing added bacterial cultures, mycelia or the like

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性の向上した作物栽培用の微生物資
材及びそれを施用することにより高い生産効率が安定し
て得られる作物の栽培方法を提供する。 【解決手段】 作物栽培用の微生物資材に、土壌微生物
と、水分含量が50〜90重量%に調整され、好ましく
は石炭灰を含有する担体とを配合する。また、作物を栽
培する際に、前記微生物資材を作物又はその栽培用土に
施用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作物栽培用微生物
資材及びそれを用いた作物の栽培方法に関し、詳しく
は、微生物保存性の改善された作物栽培用の微生物資材
及びそれを用いた効率的な作物の栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、植物に有益に作用する微生物を利
用して農作物の生産を向上させようとする試みが為され
ている。この様な微生物の代表的な例として、根粒細
菌、シュードモナス属に属する細菌、アゾスピリラム属
に属する細菌等を挙げることができる。上記微生物を実
際に作物に接種するには、微生物を培養後、通常、鹿沼
土などの土壌類、あるいは、多孔質の石材などを担体と
して用い、これに微生物の培養物を吸着させ、水分含量
40重量%程度に調整した微生物資材を作製し、これを
作物の栽培用土等に施用する方法が一般的にとられてい
る。
【0003】しかし、上記の様な従来の微生物資材にお
いては、含有する微生物の保存性は低く、3ヶ月程度で
その活性が低下してしまうという問題があり、そのた
め、微生物資材を施用した作物の栽培での効果は安定せ
ず、期待された収量の向上が得られないなど、実用化を
進める上で障害となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、保存安定性の向上した作物栽培
用の微生物資材及びそれを施用することにより高い生産
効率が安定して得られる作物の栽培方法を提供すること
を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために検討したところ、担体と微生物とを含む
作物栽培用の微生物資材において、担体の水分含量を5
0〜90重量%に調整することで、微生物資材中の微生
物を安定に保存できること、また、上記微生物資材を作
物の栽培に用いることで効率的に作物の栽培ができるこ
とを見出し、本発明を完成させた。
【0006】すなわち本発明は、土壌微生物と水分含量
が50〜90重量%に調整された担体とを含む作物栽培
用の微生物資材である。本発明の作物栽培用微生物資材
(以下、単に「微生物資材」ということもある)におい
て、担体が含有する水分量は担体全量に対して概ね50
〜90重量%、好ましくは55〜85重量%、より好ま
しくは、60〜80重量%程度である。ここで、本発明
の微生物資材における担体の水分含量とは、担体を70
℃で3日間乾燥させた前後の担体の重量から、以下の式
で算出される水分含量をいう。
【0007】
【数1】水分含量(重量%)=100 ×(乾燥前の重量−乾
燥後の重量)/乾燥前の重量
【0008】本発明の微生物資材に用いる担体は、上記
範囲の水分含量が保持できる担体であれば特に制限され
るものではなく、通常、微生物資材に用いられる有機質
の素材あるいは無機質の素材を、必要に応じて添加され
る任意成分と共に用いて作製することが可能である。こ
れら素材は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用
いることができる。また、本発明においては、担体が石
炭灰を含有することが好ましい。
【0009】本発明の微生物資材が含有する土壌微生物
としては、一般的に土壌に生息し、植物に有用な効果を
及ぼすとされる微生物であれば特に制限されるものでは
なく、具体的には、アゾスピリラム属、アゾリゾビウム
属、シュードモナス属、リゾビウム属、バチルス属、ブ
ラジリゾビウム属、アグロバクテリウム属、ストレプト
ミセス属、キサントモナス属、ラクトバチルス属、アエ
ロモナス属、アナベナ属、フランキア属、ロドシュード
モナス属、トリコデルマ属、グロムス属、アスペルギル
ス属、ペニシリウム属、リゾプス属、フザリウム属、グ
リオグラディウム属、ギガスポラ属、スクテロスポラ
属、ノストック属、又はアゾトバクター属に属する微生
物を挙げることができる。
【0010】これらの微生物のうちでも本発明において
は、リゾビウム属、ブラジリゾビウム属又はアゾスピリ
ラム属に属する細菌から選ばれる微生物が好ましく用い
られる。また、上記の微生物は単独で本発明の微生物資
材に用いてもよいし、植物に対してそれぞれが有する有
用性を損なわない限りにおいてこれら微生物の2種以上
を組み合わせて用いることも可能である。
【0011】また、本発明の微生物資材においては、上
記担体及び土壌微生物の他に、通常微生物資材が含有す
る任意成分を必要に応じて配合することも可能である。
本発明は、さらに、上記微生物資材を作物又はその栽培
用土に施用することを特徴とする作物の栽培方法を提供
する。本発明の作物の栽培においては、上記本発明の微
生物資材を用いる以外は、通常に微生物資材を用いて作
物を栽培する方法と同様の方法をとればよい。
【0012】本発明の作物栽培用の微生物資材は、担体
の水分含有量を50〜90重量%に調整することによっ
て、微生物の保存安定性を従来の微生物資材に比べ格段
に優れたものにした。また、本発明の微生物資材を用い
て作物を栽培すれば、微生物による効果が安定して得ら
れるようになり効率的な作物の栽培が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。まず本発明の作物栽培用微生物資材の実施の形態
を説明する。
【0014】(1)作物栽培用微生物資材 本発明の微生物資材に用いる担体には、通常、微生物資
材に用いられる有機質あるいは無機質の素材を主材とし
て用いることが可能であり、具体的には、赤玉土、焼成
赤玉土、鹿沼土、黒ボク土、バーミキュライト、パーラ
イト、ゼオライト、石炭灰などの無機質素材、ピートモ
ス、木炭、パルプ、藁、バカス、油かす、魚かす、骨
粉、血粉、貝化石、カニがらなどの有機質素材を用いる
ことができる。これら無機質、有機質素材は1種を単独
で又は2種以上の混合物として本発明の微生物資材の担
体に用いることが可能である。さらに、前記担体には以
下に述べるpH調整のために配合される石灰等の各種微
量成分を必要に応じて配合することも可能である。
【0015】また、本発明に用いる担体においては、担
体1重量部に水5重量部を加えたときのpH(以下、単
にpHと記載されている場合には、前記条件で測定され
たpHを示す)が5.5〜8.0の範囲であることが好
ましい。例えば、ピートモスなどにはpHが5.5以下
のものもあるので、これを単独で用いる場合には、微生
物資材で通常pH調整に用いられる石灰等の添加剤等を
加えてpHを上記範囲となるように調整することが好ま
しい。ピートモス以外の素材を用いる場合でも、必要に
応じて上記と同様にしてpHを調整することが可能であ
る。
【0016】本発明の微生物資材の担体には、例えば、
上記各種素材の1種又は2種以上が用いられるが、前記
担体は石炭灰を、具体的には、微粉炭の燃焼灰、流動床
燃焼灰の粉砕粉などを含有することが好ましい。本発明
の微生物資材の担体に配合される石炭灰として好ましい
石炭灰は、酸化カルシウムの含量が0.5重量%以上で
あり、平均粒径が5mm以下のものである。石炭灰とし
て、より好ましくは粒径3mm〜10μmの粒子が石炭
灰全体の80%以上を占めるものが挙げられる。さら
に、本発明に用いる石炭灰としては、石炭灰1重量部に
水5重量部を加えたときのpHが9以上のものがより好
ましい。また、担体中の石炭灰の含有量は、担体全量の
3〜75重量%であることが好ましい。ここで担体中の
石炭灰の含有量であるが、これは担体材料が原料の状態
にあるときの含有量をいい、担体材料が原料の状態で水
分を既に含有しているか、乾燥しているかに係わらず、
その状態での重量をそのまま用いて算出される含有量を
いう。さらに、この様にして担体に石炭灰を配合する場
合にも、担体のpHは5.5〜8.0の範囲となるよう
にすることが好ましい。
【0017】この様な担体に水分を50〜90重量%で
含有させることで本発明の微生物資材に用いる水分量が
調整された担体を得ることができる。あるいは、水分は
上記担体に微生物を混合してから加えることも可能であ
る。
【0018】本発明の微生物資材には、上記担体の他に
必須成分として土壌微生物が配合される。本発明の微生
物資材に配合される微生物は上述の通りであるが、本発
明に好ましく用いられるリゾビウム属、ブラジリゾビウ
ム属又はアゾスピリラム属に属する細菌の具体例を示せ
ば、リゾビウム属に属する細菌としては、リゾビウム・
レグミノサルム bv.ファセオリ(Rhizobium legumin
osarum bv. phaseoli)、リゾビウム・レグミノサルム
bv.トリフォリ(Rhizobium leguminosarumbv. trifo
lli)等を、ブラジリゾビウム属に属する細菌として
は、ブラジリゾビウム・ジャポニカム(Bradyrhizobium
japonicum)、ブラジリゾビウム sp.(ルピナス)
(Bradyrhizobium sp. (Lupinus))等を、アゾスピリラ
ム属に属する細菌としては、アゾスピリラム・リポフェ
ラム(Azospirillum lipoferum)、アゾスピリラム・ブ
ラジレンス(Azospirillum brasilense)、アゾスピリ
ラム・ハロプレファランス(Azospirillum halopraefer
ans)、アゾスピリラム・アマゾネンセ(Azospirillum
amazonense)等を挙げることができる。
【0019】より具体的には、リゾビウム属に属する細
菌として、リゾビウム・レグミノサルム bv.ファセ
オリとして、リゾビウム・レグミノサルム bv.ファ
セオリATCC 35179、リゾビウム・レグミノサ
ルム bv.ファセオリ ATCC 10140等を、ブ
ラジリゾビウム属に属する細菌としては、ブラジリゾビ
ウム・ジャポニカムとして、ブラジリゾビウム・ジャポ
ニカム ATCC 10324、ブラジリゾビウム・ジャ
ポニカム ATCC 10244等を、アゾスピリラム属
に属する細菌としては、アゾスピリラム・リポフェラム
として、アゾスピリラム・リポフェラム ATCC29
709等を、アゾスピリラム・ブラシレンスとして、ア
ゾスピリラム・ブラシレンス ATCC 29145、ア
ゾスピリラム・ブラシレンス ATCC29710等
を、アゾスピリラム・ハロプレファランスとして、アゾ
スピリラム・ハロプレファランス ATCC43709
等を、アゾスピリラム・アマゾネンセとして、アゾスピ
リラム・アマゾネンセ ATCC35119等を挙げる
ことができるが、本発明において用いる微生物はこれら
に限定されるものではない。
【0020】これらの微生物を本発明に用いるに際して
は、通常の微生物資材に微生物を用いる場合と同様に、
菌体をその菌体が増殖可能な培地で培養した培養物を用
いることが好ましい。リゾビウム属に属する細菌、ブラ
ジリゾビウム属に属する細菌は、例えば、マニトール:
10g/L、酵母エキス:0.4g/L、K2HPO4
0.5g/L、MgSO4・7H2O:0.2g/L、N
aCl:0.1g/Lの様な組成の培地を、また、アゾ
スピリラム属に属する細菌は、例えば、RC培地(L−
リンゴ酸:5g/L、KOH:4.8g/L、酵母エキ
ス:0.5g/L、K2HPO4:0.5g/L、MgS
4・7H2O:0.2g/L、NaCl:0.1g/
L、FeCl3・6H2O:0.015g/L、pH7.
0)等を用いて、通常の培養条件、例えば25〜37℃
で2〜3日間、培養することで上記各菌体の培養物を得
ることができる。
【0021】この様にして得られた菌体の培養物は、そ
のまま、または培養物から遠心分離等によって菌体を分
離してから、あるいは培養物や菌体を乾燥してから本発
明に用いることが可能である。
【0022】本発明の微生物資材における微生物と上記
水分含量が50〜90重量%に調整された担体との配合
の割合としては、具体的には、大凡担体1gにつき菌体
数103〜109個の配合割合が、好ましくは担体1gに
つき104〜108個の配合割合が挙げられる。
【0023】次に本発明の微生物資材を用いた本発明の
作物の栽培方法の実施の形態を説明する。
【0024】(2)本発明の作物の栽培方法 本発明の作物の栽培方法においては、作物又はその栽培
用土に上記微生物資材を施用して作物を栽培する。作物
や栽培用土に微生物資材を施用する方法や作物の栽培方
法は特別に制限されるものではなく、通常の方法をとる
ことができる。具体的には、栽培用土に施用する方法と
して、ポットやセル等を用いて作物の苗を育てたり作物
を栽培するような場合に、栽培用土に適当量の微生物資
材を配合し均一に混合してそこに作物の種子を播種す
る、あるいは苗を植える、挿し芽をする、タネイモを播
く等の方法が挙げられる。また、圃場で作物の栽培を行
う場合には、作物の根圏をカバーする範囲の土壌(栽培
用土)に、適当量の微生物資材を均一に混合しそこに種
子の播種、苗の移植等を行う方法が一般的な方法として
挙げられる。
【0025】本発明の方法において、栽培用土に微生物
資材を施用する場合の微生物資材の施用量は、栽培用土
の乾燥重量1g当たりに菌体の個数として101〜107
個が含有するように施用することが好ましく、より好ま
しくは、102〜107個/g乾土である。施用量が10
1個/g乾土未満では作物の生育促進効果の発現が不安
定になりやすく、また、107個/g乾土を越えて施用
しても効果は頭打ちになり経済的に好ましくない。
【0026】本発明の作物の栽培方法における栽培用土
の基材としては、一般的な材料、例えば、畑土、田土、
山土、砂、赤玉土、炭、ゼオライト、パーライト、バー
ミキュライト、鹿沼土、軽石、サンゴ砂等から選ばれる
1種又は2種以上を挙げることができる。これらのうち
でも好ましい基材は、上記材料の数種を組み合わせた人
工培土や砂である。また、栽培用土には上記基材の他に
各種目的に応じた各種成分を配合することが可能であ
り、例えば、緩効性肥料等を配合することがよく行われ
る。
【0027】本発明の方法が適用される作物としては、
特に制限されないが、具体的には、マメ科、アブラナ
科、キク科、ナス科、アカザ科、ウリ科、サトイモ科、
セリ科、ユリ科、イネ科、バラ科等から選ばれる作物、
例えば、ダイズ、サヤエンドウ、サヤインゲン(以上、
マメ科作物)、コマツナ、ハクサイ、キャベツ、ダイコ
ン、カブ、カリフラワー(以上、アブラナ科作物)、レ
タス、シュンギク、ゴボウ(以上、キク科作物)、トマ
ト、ナス、ピーマン、ジャガイモ(以上、ナス科作
物)、ホウレンソウ(アカザ科作物)、スイカ、キュウ
リ、カボチャ、メロン(以上、ウリ科作物)、サトイ
モ、コンニャク(以上、サトイモ科作物)、セロリ、ニ
ンジン(以上、セリ科作物)、ヤマイモ、ネギ、タマネ
ギ、アスパラガス(以上、ユリ科作物)、トウモロコシ
(イネ科作物)、イチゴ(バラ科作物)等の作物を顕著
な効果が得られる作物として挙げることができる。
【0028】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。まず本発
明の微生物資材に用いる菌体培養物の製造例について説
明する。
【0029】
【製造例】 菌体の培養 下記の実施例に用いる微生物して、アゾスピリラム属に
属する細菌、ブラジリゾビウム属に属する細菌、リゾビ
ウム属に属する細菌からそれぞれ1種の菌株を選び、こ
れらを以下の方法で培養した。
【0030】アゾスピリラム属に属する細菌として、ア
ゾスピリラム・ブラシレンス ATCC 29145を用
い、これをRC培地(L−リンゴ酸:5g/L、KO
H:4.8g/L、酵母エキス:0.5g/L、K2
PO4:0.5g/L、MgSO4・7H2O:0.2g
/L、NaCl:0.1g/L、FeCl3・6H2O:
0.015g/L、pH7.0)に接種し、32℃で4
8時間培養した。培養終了後、遠心分離により菌体を集
菌した。
【0031】ブラジリゾビウム属に属する細菌として、
ブラジリゾビウム・ジャポニカムATCC 10324
を用い、リゾビウム属に属する細菌として、リゾビウム
・レグミノサルム bv.ファセオリ ATCC 351
79を用い、これらをYMA培地(マニトール:10g
/L、酵母エキス:0.4g/L、K2HPO4:0.5
g/L、MgSO4・7H2O:0.2g/L、NaC
l:0.1g/L)に接種し、32℃で48時間培養し
た。培養終了後、遠心分離によりそれぞれの菌体を集菌
した。
【0032】次に、上記製造例で得られた菌体を含有す
る本発明の微生物資材の実施例について説明する。
【0033】
【実施例1〜3】石灰を加えpHを5.5〜6.0に調
整したピートモスに、10重量%、40重量%、55重
量%、70重量%、85重量%又は95重量%で水分を
含有させて6種類の担体を作製した。得られた担体のそ
れぞれに、上記製造例で得られたアゾスピリラム属に属
する細菌の菌体を担体1g当たり107個の割合となる
ように均一に混合して微生物資材を得た。担体の水分含
量が10重量%のものを比較例1の、40重量%のもの
を比較例2の、55重量%のものを実施例1の、70重
量%のものを実施例2の、85重量%のものを実施例3
の、95重量%のものを比較例3の、微生物資材とし
た。
【0034】<アゾスピリラム属に属する細菌の保存性
試験>上記各実施例及び各比較例の微生物資材を25℃
に置き、240日後に次の方法により菌体の生存数を測
定し生存率を求めた。微生物資材の1gを採取し、0.
1MのMgSO430mlに懸濁して1時間振盪後、懸
濁液を10000倍に希釈し標準寒天培地(組成;酵母
エキス:2.5g/L、ペプトン:5.0g/L、グル
コース:1.0g/L、寒天:15.0g/L、pH;
6.0〜7.0)を用いて培養を行った際の菌数を測定
した。各実施例及び各比較例の微生物資材におけるアゾ
スピリラム属に属する細菌の240日後の生存率を表1
に示す。
【0035】
【表1】
【0036】この結果より、担体の水分含量が本発明の
範囲外である比較例の微生物資材に比べ、実施例の微生
物資材は、含有するアゾスピリラム属に属する細菌の保
存性が非常によいことがわかる。
【0037】
【実施例4〜6】石灰を加えpHを5.5〜6.0に調
整したピートモスに10重量%、40重量%、55重量
%、70重量%、85重量%又は95重量%で水分を含
有させて6種類の担体を作製した。得られた担体のそれ
ぞれに、上記製造例で得られたブラジリゾビウム属に属
する細菌の菌体を担体1g当たり107個の割合となる
ように均一に混合して微生物資材を得た。担体の水分含
量が10重量%のものを比較例4の、40重量%のもの
を比較例5の、55重量%のものを実施例4の、70重
量%のものを実施例5の、85重量%のものを実施例6
の、95重量%のものを比較例6の、微生物資材とし
た。
【0038】<ブラジリゾビウム属に属する細菌の保存
性試験>上記各実施例及び各比較例の微生物資材を25
℃に置き、240日後に菌体の生存数を測定し生存率を
求めた。菌体の生存数の測定は、標準寒天培地をYMA
平板培地に変えた以外は上記アゾスピリラム属に属する
細菌の菌体数測定と全く同様の方法で行った。各実施例
及び各比較例の微生物資材におけるブラジリゾビウム属
に属する細菌の240日後の生存率を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】この結果より、担体の水分含量が本発明の
範囲外である比較例の微生物資材に比べ、実施例の微生
物資材は、含有するブラジリゾビウム属に属する細菌の
保存性が非常によいことがわかる。
【0041】
【実施例7〜9】石灰を加えpHを5.5〜6.0に調
整したピートモスに10重量%、40重量%、55重量
%、70重量%、85重量%又は95重量%で水分を含
有させて6種類の担体を作製した。得られた担体のそれ
ぞれに、上記製造例で得られたリゾビウム属に属する細
菌の菌体を担体1g当たり107個の割合となるように
均一に混合して微生物資材を得た。担体の水分含量が1
0重量%のものを比較例7の、40重量%のものを比較
例8の、55重量%のものを実施例7の、70重量%の
ものを実施例8の、85重量%のものを実施例9の、9
5重量%のものを比較例9の、微生物資材とした。
【0042】<リゾビウム属に属する細菌の保存性試験
>上記各実施例及び各比較例の微生物資材を25℃に置
き、240日後に菌体の生存数を上記ブラジリゾビウム
属に属する細菌数の測定法と同様にして測定し、生存率
を求めた。各実施例及び各比較例の微生物資材における
リゾビウム属に属する細菌の240日後の生存率を表3
に示す。
【0043】
【表3】
【0044】この結果より、担体の水分含量が本発明の
範囲外である比較例の微生物資材に比べ、実施例の微生
物資材は、含有するリゾビウム属に属する細菌の保存性
が非常によいことがわかる。
【0045】
【実施例10、11】実施例10では、担体として水分
含量を55重量%に調整したバーミキュライトを、実施
例11では、担体としてピートモス(石灰を加えpHを
5.5〜6.0に調整したピートモス)9重量部に石炭
灰1重量部を加え、水分含量を55重量%に調整したも
のを用い、それぞれの担体に微生物として製造例で得ら
れたアゾスピリラム属に属する細菌の菌体を担体1g当
たり107個体の割合で配合し均一に混合して微生物資
材を得た。なお、ここで用いた石炭灰は、酸化カルシウ
ムの含量が0.5重量%であり、平均粒径が15μm、
pHが10のものであった。また、以下の実施例で用い
た石炭灰もこれと同じ石炭灰であった。
【0046】<アゾスピリラム属に属する細菌の保存性
試験>上記各実施例の微生物資材及び実施例1で得られ
た微生物資材(担体として水分含量55重量%のピート
モス使用)を25℃に置き、240日後に上記と同様の
方法により菌体の生存数を測定し生存率を求めた。各実
施例の微生物資材におけるアゾスピリラム属に属する細
菌の240日後の生存率を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】この結果より、担体の水分量を本発明の範
囲内にすれば担体の種類に関係なく菌体の保存性はよく
なり、さらに担体に石炭灰を配合すればより菌体の保存
性がよくなることがわかる。
【0049】
【実施例12、13】ピートモス(石灰を加えpHを
5.5〜6.0に調整したピートモス)9重量部に石炭
灰1重量部を加えた混合物に、5重量%、10重量%、
20重量%、40重量%、70重量%、85重量%又は
95重量%で水分を含有させて8種類の担体を作製し
た。得られた担体のそれぞれに、上記製造例で得られた
アゾスピリラム属に属する細菌の菌体を担体1g当たり
107個の割合となるように均一に混合して微生物資材
を得た。担体の水分含量が5重量%のものを比較例10
の、10重量%のものを比較例11の、20重量%のも
のを比較例12の、40重量%のものを比較例13の、
70重量%のものを実施例12の、85重量%のものを
実施例13の、95重量%のものを比較例14の、微生
物資材とした。
【0050】<アゾスピリラム属に属する細菌の保存性
試験>上記各実施例及び各比較例の微生物資材及び実施
例11で得られた微生物資材(担体として水分含量55
重量%のピートモス、石炭灰(9:1)混合物を使用)
を25℃に置き、240日後に上記と同様の方法により
菌体の生存数を測定し生存率を求めた。各実施例及び各
比較例の微生物資材におけるアゾスピリラム属に属する
細菌の240日後の生存率を表5に示す。
【0051】
【表5】
【0052】この結果より、本発明の微生物資材におけ
る担体の適正な水分含有量が、大凡50〜90重量%で
あることが確認された。
【0053】
【実施例14、15】ピートモス(石灰を加えpHを
5.5〜6.0に調整したピートモス)9重量部に石炭
灰1重量部を加え、水分含量を55重量%に調整した担
体に、実施例14では上記製造例で得られたブラジリゾ
ビウム属に属する細菌の菌体を、実施例15では上記製
造例で得られたリゾビウム属に属する細菌の菌体を、そ
れぞれ担体1g当たり107個体の割合で配合して均一
に混合し微生物資材を作製した。
【0054】<各種菌体の保存性試験>上記各実施例の
微生物資材及び実施例1、実施例4、実施例7、実施例
11で得られた微生物資材を25℃に置き、240日後
に菌体の生存数を各菌体毎に上記で用いた測定法でそれ
ぞれ測定し生存率を求めた。各実施例の微生物資材にお
ける各種細菌の240日後の生存率を表5に示す。
【0055】
【表6】
【0056】この結果より、担体に石炭灰を配合するこ
とにより菌体の保存性がよくなる効果は、アゾスピリラ
ム属に属する細菌を配合した微生物資材ばかりでなく、
ブラジリゾビウム属又はリゾビウム属に属する細菌を配
合した微生物資材についても同様であることがわかる。
【0057】以下に、上記各実施例で得られた微生物資
材を用いた本発明の作物の栽培方法の実施例を説明す
る。
【0058】
【実施例16、17】作物としてダイズの品種(サッポ
ロミドリ)を用い、栽培用土は赤玉土、容器は径9cm
黒色ビニールポットを用いた。栽培用土に比較例15で
は何も添加せず、実施例16では実施例1で作製した微
生物資材を、実施例17では実施例11で作製した微生
物資材を、1ポット当たり1gの割合となるように添加
し均一に混合した。ポットにこれらの栽培用土を上部に
2cmの隙間を残して加え、ダイズ種子を2粒ずつ播種
した。この様なポットを比較例15、実施例16、実施
例17のそれぞれにつき20ポットずつ作製した。
【0059】これらのポットをビニール温室中に置き、
1日1回灌水し、昼25℃、夜15℃となるように管理
した。種子が発芽してから1ポット当たり1本になるよ
うに間引きを行い、1ヶ月生育させた。
【0060】<本発明の栽培方法の評価>栽培開始から
1ヶ月の時点で苗を全て引き抜き根に付いた土を水洗い
し、地上部と根部を切り分けた後、茎長を測定した。そ
の後、試料の地上部と根とを別々に110℃で3日間乾
燥させ、それぞれの重量を測定した。各実施例及び比較
例で根重量、地上重量、茎長について20本の平均を求
め、さらに、比較例15の値を100%とした相対値を
算出した。結果を表7に示す。
【0061】
【表7】
【0062】この結果から、本発明の微生物資材を栽培
用土に施用した実施例の作物の栽培においては、何も添
加せずに栽培した比較例の作物栽培に比べ、根部、地上
部の重量、茎長とも大きく、作物全体の生育状態がよい
ことがわかる。
【0063】
【実施例18、19】作物としてダイズの品種(サッポ
ロミドリ)を用い、栽培用土は赤玉土、容器は径9cm
黒色ビニールポットを用いた。栽培用土に比較例16で
は比較例13で作製した微生物資材を、実施例18では
実施例11で作製した微生物資材を、実施例19では、
実施例12で作製した微生物資材を、比較例17では比
較例14で作製した微生物資材を、1ポット当たり1g
の割合となるようにそれぞれ添加し均一に混合した。ポ
ットにこれらの栽培用土を上部に2cmの隙間を残して
加え、ダイズ種子を2粒ずつ播種した。この様なポット
を比較例16、17、実施例18、19のそれぞれにつ
き20ポットずつ作製した。
【0064】これらのポットをビニール温室中に置き、
1日1回灌水し、昼25℃、夜15℃となるように管理
した。種子が発芽してから1ポット当たり1本になるよ
うに間引きを行い、1ヶ月生育させた。
【0065】<本発明の栽培方法の評価>栽培開始から
1ヶ月の時点で苗を全て引き抜き根に付いた土を水洗い
し、地上部と根部を切り分けた後、茎長を測定した。そ
の後、試料の地上部と根とを別々に110℃で3日間乾
燥させ、それぞれの重量を測定した。各実施例及び比較
例で根重量、地上重量、茎長について20本の平均を求
め、さらに、比較例16の値を100%とした相対値を
算出した。結果を表8に示す。
【0066】
【表8】
【0067】この結果から、本発明の微生物資材を栽培
用土に施用した実施例の作物の栽培においては、本発明
の微生物資材より水分含量が少ない微生物資材や水分含
量の多い微生物資材を施用した比較例の作物栽培に比
べ、根部、地上部の重量、茎長とも大きく、作物全体の
生育状態がよいことがわかる。
【0068】また、これらの結果から、本発明の作物の
栽培方法は効率的であるといえる。
【0069】
【発明の効果】本発明の作物栽培用の微生物資材は、従
来の微生物資材に比べて保存安定性に優れる。また、前
記微生物資材を用いた本発明の作物の栽培方法を用いる
ことにより、作物の生育が促進され、高い生産効率で安
定した栽培を行うことが可能となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土壌微生物と水分含量が50〜90重量
    %に調整された担体とを含む作物栽培用の微生物資材。
  2. 【請求項2】 担体が石炭灰を含有する請求項1記載の
    微生物資材。
  3. 【請求項3】 土壌微生物が、リゾビウム属、ブラジリ
    ゾビウム属又はアゾスピリラム属に属する細菌から選ば
    れる請求項1記載の微生物資材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載のいずれか1項に記載
    の微生物資材を作物又はその栽培用土に施用することを
    特徴とする作物の栽培方法。
JP8343280A 1995-12-22 1996-12-24 作物栽培用微生物資材及びそれを用いた作物の栽培方法 Pending JPH09227323A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100854588B1 (ko) * 2007-06-19 2008-08-27 김현구 양식장 저질 개선제
JP2008259495A (ja) * 2007-03-16 2008-10-30 Akita Prefectural Univ 農業方法、ヘアリーベッチ用根粒菌接種製剤、収穫作物
JP2009203180A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Tokachi Nogyo Kyodo Kumiai Rengokai 微生物資材
US10457612B1 (en) * 2018-12-10 2019-10-29 China University Of Petroleum (East China) Slag bacterial fertilizer and preparation method thereof and method for improving degraded soil
WO2021066115A1 (ja) * 2019-10-02 2021-04-08 Mosil株式会社 土壌の植物生産性を改善する微生物の使用

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