JP3026067B2 - 植物成長促進菌及びそれを用いた植物栽培方法 - Google Patents
植物成長促進菌及びそれを用いた植物栽培方法Info
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- JP3026067B2 JP3026067B2 JP08083094A JP8309496A JP3026067B2 JP 3026067 B2 JP3026067 B2 JP 3026067B2 JP 08083094 A JP08083094 A JP 08083094A JP 8309496 A JP8309496 A JP 8309496A JP 3026067 B2 JP3026067 B2 JP 3026067B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/10—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
Landscapes
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温条件下でも使
用可能なVA菌根菌及びそれを用いた植物栽培方法に関
する。このVA菌根菌は、農業、林業、園芸などの広い
分野に利用可能である。
用可能なVA菌根菌及びそれを用いた植物栽培方法に関
する。このVA菌根菌は、農業、林業、園芸などの広い
分野に利用可能である。
【0002】
【従来の技術】VA菌根菌(VAM菌と同義)は植物の
根に共生すると、植物の成長を促進する働きをすること
が知られている。しかし、これまで報告されたVA菌根
菌は約15℃以下になると共生活性が著しく低くなる。
N.C.シェンク(N.C.Schenck)は、ジャイガスポラ・コ
ラロイディア(Gigaspora coralloidea)、ジャイガス
ポラ・ヘテロガマ(Gigaspora heterogama)及びグロマ
ス・モッセ(Glomus mosseae)の3種類の菌について胞
子発芽率と温度との相関を調べ、菌種により最適温度が
異なるものの、3種とも温度が15℃になると発芽率が
急激に低下することを報告している(Mycologia 67,1189
-1192頁,1975)。
根に共生すると、植物の成長を促進する働きをすること
が知られている。しかし、これまで報告されたVA菌根
菌は約15℃以下になると共生活性が著しく低くなる。
N.C.シェンク(N.C.Schenck)は、ジャイガスポラ・コ
ラロイディア(Gigaspora coralloidea)、ジャイガス
ポラ・ヘテロガマ(Gigaspora heterogama)及びグロマ
ス・モッセ(Glomus mosseae)の3種類の菌について胞
子発芽率と温度との相関を調べ、菌種により最適温度が
異なるものの、3種とも温度が15℃になると発芽率が
急激に低下することを報告している(Mycologia 67,1189
-1192頁,1975)。
【0003】N.C.シェンク(N.C.Schenck)らは、ジャ
イガスポラ・グレガリア(Gigasporagregaria)、ジャ
イガスポラ・ペルシダ(Gigaspora pellucida)、グロ
マス・モッセ(Glomus mosseae)、グロマス・クララム
(Glomus clarum)、グロマス・クラロイディウム(Glo
mus claroideum)及びアカウロスポラ・ラエビス(Acau
rospora laevis)の6種類の菌について共生率(共生活
性)と地温との相関を調べ、菌種により最適温度が異な
るが、6種とも18℃になると共生率(共生活性)が急激
に落ちることを報告している(New Phytologist 92,193-
201頁,1982)。
イガスポラ・グレガリア(Gigasporagregaria)、ジャ
イガスポラ・ペルシダ(Gigaspora pellucida)、グロ
マス・モッセ(Glomus mosseae)、グロマス・クララム
(Glomus clarum)、グロマス・クラロイディウム(Glo
mus claroideum)及びアカウロスポラ・ラエビス(Acau
rospora laevis)の6種類の菌について共生率(共生活
性)と地温との相関を調べ、菌種により最適温度が異な
るが、6種とも18℃になると共生率(共生活性)が急激
に落ちることを報告している(New Phytologist 92,193-
201頁,1982)。
【0004】P.S.ラジュ(P.S.RAJU)らは、グロマス・
イントララディセス(Glomus intra radices)及びグロ
マス・マクロカルパム(Glomus macrocarpum)が温度2
0℃でも共生活性が低下することを報告している(Plant
and Soil 121,165-170頁,1990)。
イントララディセス(Glomus intra radices)及びグロ
マス・マクロカルパム(Glomus macrocarpum)が温度2
0℃でも共生活性が低下することを報告している(Plant
and Soil 121,165-170頁,1990)。
【0005】更に、J.S.ボーン(J.B.Baon)らは、グロ
マス・イントララディセス(Glomusintraradices)が、
15℃で共生活性が低下し、10℃では全く共生活性を
示さないことを報告している(Journal of Plant Nutrit
on 17,479-492頁,1994)。
マス・イントララディセス(Glomusintraradices)が、
15℃で共生活性が低下し、10℃では全く共生活性を
示さないことを報告している(Journal of Plant Nutrit
on 17,479-492頁,1994)。
【0006】このように、これまでに報告されてきたV
A菌根菌は低温になると休眠状態に入るため共生活性が
低下し、温度15℃以下の低温条件下ではVA菌根菌を
植物の根に共生させて活用することは困難であった。
A菌根菌は低温になると休眠状態に入るため共生活性が
低下し、温度15℃以下の低温条件下ではVA菌根菌を
植物の根に共生させて活用することは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、低温条件下でも共生活性を有するVA菌根菌と、そ
れを使用した植物栽培方法、換言すれば、低温下でも植
物の成長を促進する上で有用なVA菌根菌と、それを用
いた植物の栽培方法を提供することにある。
は、低温条件下でも共生活性を有するVA菌根菌と、そ
れを使用した植物栽培方法、換言すれば、低温下でも植
物の成長を促進する上で有用なVA菌根菌と、それを用
いた植物の栽培方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため多年にわたり鋭意研究し、植物の根に共生
し植物成長促進作用を有するグロマス・アグリゲイタム
種に属するVA菌根菌OG−105、前記VA菌根菌O
G−105を植物の根に共生させることを特徴とする植
物栽培方法の発明をするに至った。 前記OG−105株
は、下記の特徴(1)〜(6)のうちいずれかの特徴を
備えている。 (1) 人工気象器の明期時間/暗期時間の割合が1/
2で、明期気温が13℃、暗期気温が10℃において、
植物の根に対して共生活性を有する。 (2) 植物の根に対する共生率が少なくとも2%であ
り、かつ上記(1)の特徴を有する。 (3) 人工気象器の明期時間/暗期時間の割合が1/
2で、明期気温が12℃、暗期気温が10℃において、
植物の根に対し共生活性を有する。 (4) 植物の根に対する共生率が少なくとも1%(特
に、少なくとも2%)であり、かつ上記(3)の特徴を
有する。 (5) 人工気象器の明期時間/暗期時間の割合が1/
2で、明期気温が25℃、暗期気温が20℃で、土壌1
リットル中の有効態リン酸が100mgにおいて、植物
の根に共生率15%以上(特に、30%以上)で共生活
性を有し、かつ上記(1)〜(4)のいずれかの特徴を
有する。 (6) 人工気象器の明期時間/暗期時間の割合が1/
2で、明期気温が25℃、暗期気温が20℃で、土壌1
リットル中の有効態リン酸が200mgにおいて、植物
の根に共生率10%以上で共生活性を有し、かつ上記
(1)〜(4)のいずれかの特徴を有する。
解決するため多年にわたり鋭意研究し、植物の根に共生
し植物成長促進作用を有するグロマス・アグリゲイタム
種に属するVA菌根菌OG−105、前記VA菌根菌O
G−105を植物の根に共生させることを特徴とする植
物栽培方法の発明をするに至った。 前記OG−105株
は、下記の特徴(1)〜(6)のうちいずれかの特徴を
備えている。 (1) 人工気象器の明期時間/暗期時間の割合が1/
2で、明期気温が13℃、暗期気温が10℃において、
植物の根に対して共生活性を有する。 (2) 植物の根に対する共生率が少なくとも2%であ
り、かつ上記(1)の特徴を有する。 (3) 人工気象器の明期時間/暗期時間の割合が1/
2で、明期気温が12℃、暗期気温が10℃において、
植物の根に対し共生活性を有する。 (4) 植物の根に対する共生率が少なくとも1%(特
に、少なくとも2%)であり、かつ上記(3)の特徴を
有する。 (5) 人工気象器の明期時間/暗期時間の割合が1/
2で、明期気温が25℃、暗期気温が20℃で、土壌1
リットル中の有効態リン酸が100mgにおいて、植物
の根に共生率15%以上(特に、30%以上)で共生活
性を有し、かつ上記(1)〜(4)のいずれかの特徴を
有する。 (6) 人工気象器の明期時間/暗期時間の割合が1/
2で、明期気温が25℃、暗期気温が20℃で、土壌1
リットル中の有効態リン酸が200mgにおいて、植物
の根に共生率10%以上で共生活性を有し、かつ上記
(1)〜(4)のいずれかの特徴を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、VA菌根菌OG−105
株を詳細に説明する。本発明者はVA菌根菌が低温条件
下で共生活性を保持することが難しいという問題点を解
決するため、北海道から九州に至る多数の地域の土壌か
ら、植物に共生しているVA菌根菌を多数採取し、それ
らから顕微鏡で見ながらVA菌根菌の胞子を取出し、別
途用意した植物(レタス)の根に共生させて培養すると
共に、植物の成長を観察することによって植物の成長促
進効果があるか否かで1次スクリーニングをし、数十の
VA菌根菌を選別取得した。
株を詳細に説明する。本発明者はVA菌根菌が低温条件
下で共生活性を保持することが難しいという問題点を解
決するため、北海道から九州に至る多数の地域の土壌か
ら、植物に共生しているVA菌根菌を多数採取し、それ
らから顕微鏡で見ながらVA菌根菌の胞子を取出し、別
途用意した植物(レタス)の根に共生させて培養すると
共に、植物の成長を観察することによって植物の成長促
進効果があるか否かで1次スクリーニングをし、数十の
VA菌根菌を選別取得した。
【0010】1次スクリーニングで植物の成長促進効果
があった数十のVA菌根菌について、土壌表面から深さ
2cmの土壌の温度を連続して約15℃に保った土壌で
レタス、ゼラニウム及びスダングラスを栽培し、共生活
性を比較することにより、15℃でも共生活性を保持し
ているVA菌根菌を選抜した(2次スクリーニング)。
があった数十のVA菌根菌について、土壌表面から深さ
2cmの土壌の温度を連続して約15℃に保った土壌で
レタス、ゼラニウム及びスダングラスを栽培し、共生活
性を比較することにより、15℃でも共生活性を保持し
ているVA菌根菌を選抜した(2次スクリーニング)。
【0011】そして、2次スクリーニングで選抜したV
A菌根菌から、更に選抜を進め上記(1)〜(6)のグ
ロマス・アグリゲイタム(Glomus aggregatum)種に属す
るVA菌根菌を約5年かかって特定し、OG−105株
と命名した。OG−105株がグロマス・アグリゲイタ
ム(Glomus aggregatum)種に属することは、文献「マイ
コロギア」(Mycologia 77(4),619-630頁,1985,R.E.KOS
KE,THE NEW YORK BOTANICAL GARDEN)に従って胞子壁構
造、胞子の形態、胞子の色及び大きさ等から同定した。
選抜したVA菌根菌OG−105株は、通常の増殖方法
(最低地温20℃以上)により大量培養を行ったが、増殖
した胞子についても上記低温条件下で共生活性が保持さ
れていることを確認した。
A菌根菌から、更に選抜を進め上記(1)〜(6)のグ
ロマス・アグリゲイタム(Glomus aggregatum)種に属す
るVA菌根菌を約5年かかって特定し、OG−105株
と命名した。OG−105株がグロマス・アグリゲイタ
ム(Glomus aggregatum)種に属することは、文献「マイ
コロギア」(Mycologia 77(4),619-630頁,1985,R.E.KOS
KE,THE NEW YORK BOTANICAL GARDEN)に従って胞子壁構
造、胞子の形態、胞子の色及び大きさ等から同定した。
選抜したVA菌根菌OG−105株は、通常の増殖方法
(最低地温20℃以上)により大量培養を行ったが、増殖
した胞子についても上記低温条件下で共生活性が保持さ
れていることを確認した。
【0012】このようなVA菌根菌OG−105株は自
然界に存在するものの、その入手が容易でないため、受
託機関である生命工学工業技術研究所に寄託すべきであ
る。しかし、OG−105株は植物に共生しないと増殖
できないいわゆる絶対共生菌であり、宿主植物と共生し
た状態でなければ培養できない。このような保存の技術
的問題から、OG−105株の受託は同研究所により拒
否された。なお、出願人は同研究所と同じ条件で当該微
生物を分譲する用意がある。
然界に存在するものの、その入手が容易でないため、受
託機関である生命工学工業技術研究所に寄託すべきであ
る。しかし、OG−105株は植物に共生しないと増殖
できないいわゆる絶対共生菌であり、宿主植物と共生し
た状態でなければ培養できない。このような保存の技術
的問題から、OG−105株の受託は同研究所により拒
否された。なお、出願人は同研究所と同じ条件で当該微
生物を分譲する用意がある。
【0013】VA菌根菌OG−105株の特徴は次の通
りである。
りである。
【0014】(1)成熟した胞子の形態 胞子大きさは、長径が20〜160μm(形状が球状も
しくは亜球状の場合には、ほぼ40〜120μm)で、
胞子の形状は球状、亜球状又は不定形で、胞子の色は透
明〜淡黄色〜薄い褐色である。また、少なくとも半分以
上の胞子は共生する植物の根の中に形成され、胞子壁に
は1枚又は2枚の層状壁があるという特徴を有する。胞
子の形態を、図面代用顕微鏡写真として図1、図2、図
3及び図4に示す。
しくは亜球状の場合には、ほぼ40〜120μm)で、
胞子の形状は球状、亜球状又は不定形で、胞子の色は透
明〜淡黄色〜薄い褐色である。また、少なくとも半分以
上の胞子は共生する植物の根の中に形成され、胞子壁に
は1枚又は2枚の層状壁があるという特徴を有する。胞
子の形態を、図面代用顕微鏡写真として図1、図2、図
3及び図4に示す。
【0015】(2)生理学的性質 [低温条件下での植物の根に対する共生活性] 本発明のVA菌根菌(OG−105株)は、従来のVA
菌根菌が共生できない15℃以下(例えば、10〜15
℃)の低温条件下でも植物の根に対して高い共生活性を
示す。例えば、本発明のVA菌根菌は明期時間/暗期時
間の割合が1/2で、明期気温が12℃又は13℃、暗
期気温が10℃という過酷な条件下でも植物の根に対し
て共生活性を有する。なお、温度「15℃」と「12℃
又は13℃」の差は、わずか3℃又は2℃であるが、実
栽培においては植物にとって3℃又は2℃の違いは極め
て大きい。しかも、従来のVA菌根菌の使用限界である
温度「15℃」と、本願明細書でいう温度「12℃又は
13℃」ではその意味が異なり、植物の栽培環境におい
て、後者は厳しい条件である。
菌根菌が共生できない15℃以下(例えば、10〜15
℃)の低温条件下でも植物の根に対して高い共生活性を
示す。例えば、本発明のVA菌根菌は明期時間/暗期時
間の割合が1/2で、明期気温が12℃又は13℃、暗
期気温が10℃という過酷な条件下でも植物の根に対し
て共生活性を有する。なお、温度「15℃」と「12℃
又は13℃」の差は、わずか3℃又は2℃であるが、実
栽培においては植物にとって3℃又は2℃の違いは極め
て大きい。しかも、従来のVA菌根菌の使用限界である
温度「15℃」と、本願明細書でいう温度「12℃又は
13℃」ではその意味が異なり、植物の栽培環境におい
て、後者は厳しい条件である。
【0016】人工気象器の明期時間/暗期時間の割合が
1/2(すなわち、1日当たりの明期時間が8時間,暗
期時間が16時間)、及び暗期気温が10℃の条件にお
いて、発明のVA菌根菌の共生活性は次の通りである。
なお、共生率は、グリッドライン法(New Phytologist,
84, 489-500頁, 1980)に準じて測定できる。 明期気温が13℃であっても、植物の根に対して共生
活性を有し、植物の根に対する共生率は少なくとも2%
(例えば、2〜10%)程度である。 明期気温が12℃であっても、植物の根に対して共生
活性を示し、植物の根に対する共生率は、少なくとも1
%(例えば、1〜6%)程度、好ましくは少なくとも2
%(例えば、2〜6%)程度である。
1/2(すなわち、1日当たりの明期時間が8時間,暗
期時間が16時間)、及び暗期気温が10℃の条件にお
いて、発明のVA菌根菌の共生活性は次の通りである。
なお、共生率は、グリッドライン法(New Phytologist,
84, 489-500頁, 1980)に準じて測定できる。 明期気温が13℃であっても、植物の根に対して共生
活性を有し、植物の根に対する共生率は少なくとも2%
(例えば、2〜10%)程度である。 明期気温が12℃であっても、植物の根に対して共生
活性を示し、植物の根に対する共生率は、少なくとも1
%(例えば、1〜6%)程度、好ましくは少なくとも2
%(例えば、2〜6%)程度である。
【0017】さらに、本発明のVA菌根菌は、暗期気温
が5〜12℃、特に従来のVA菌根菌が共生できない7
〜10℃においても、高い共生活性(例えば、共生率5
〜15%程度の共生活性)を示す。なお、15℃を越え
る温度(例えば、20〜35℃程度)では共生活性が向
上する。本発明のVA菌根菌は、15℃を越える温度で
も従来のVA菌根菌に比べて高い共生活性を示す。 [有効態リン酸濃度と根に対する共生活性との関係]人
工気象器の明期時間/暗期時間の割合が1/2、明期気
温が25℃、暗期気温が20℃の条件において、有効態
リン酸濃度と根に対する共生活性との関係は次の通りで
ある。 土壌1リットル中の有効態リン酸が100mgでは、
植物の根に対する共生率は15%以上(例えば、15〜
50%程度)、好ましくは30%以上(例えば、30〜
50%程度)である。 土壌1リットル中の有効態リン酸が200mgでは、
植物の根に対する共生率は10%以上(例えば、10〜
20%程度)ある。 土壌1リットル中の有効態リン酸が300mg(従来
のVA菌根菌が共生できない有効態リン酸濃度)であっ
ても、植物の根に対する共生率は5%以上(例えば、5
〜15%程度)ある。
が5〜12℃、特に従来のVA菌根菌が共生できない7
〜10℃においても、高い共生活性(例えば、共生率5
〜15%程度の共生活性)を示す。なお、15℃を越え
る温度(例えば、20〜35℃程度)では共生活性が向
上する。本発明のVA菌根菌は、15℃を越える温度で
も従来のVA菌根菌に比べて高い共生活性を示す。 [有効態リン酸濃度と根に対する共生活性との関係]人
工気象器の明期時間/暗期時間の割合が1/2、明期気
温が25℃、暗期気温が20℃の条件において、有効態
リン酸濃度と根に対する共生活性との関係は次の通りで
ある。 土壌1リットル中の有効態リン酸が100mgでは、
植物の根に対する共生率は15%以上(例えば、15〜
50%程度)、好ましくは30%以上(例えば、30〜
50%程度)である。 土壌1リットル中の有効態リン酸が200mgでは、
植物の根に対する共生率は10%以上(例えば、10〜
20%程度)ある。 土壌1リットル中の有効態リン酸が300mg(従来
のVA菌根菌が共生できない有効態リン酸濃度)であっ
ても、植物の根に対する共生率は5%以上(例えば、5
〜15%程度)ある。
【0018】[土壌中の有効態リン酸濃度] VA菌根菌は一般に土壌中の有効態リン酸濃度が高まる
につれて共生活性が低くなることが知られている。この
ためVA菌根菌は有効態リン酸濃度が高い培土中では共
生しにくく植物育成効果が期待できない。しかし、本発
明のVA菌根菌(OG−105株)は、土壌1リットル
中の有効態リン酸が50〜300mg程度、特に100
mg以上(100〜300mg、特に150〜300m
g程度)である場合にも共生しやすく植物育成効果があ
る。なお、本明細書で「有効態リン酸濃度」とは、土壌
養分分析法(土壌養分測定法委員会編、養賢堂、1970
)に記載されているオルセン(Olsen)法で測定したリ
ン酸濃度である。
につれて共生活性が低くなることが知られている。この
ためVA菌根菌は有効態リン酸濃度が高い培土中では共
生しにくく植物育成効果が期待できない。しかし、本発
明のVA菌根菌(OG−105株)は、土壌1リットル
中の有効態リン酸が50〜300mg程度、特に100
mg以上(100〜300mg、特に150〜300m
g程度)である場合にも共生しやすく植物育成効果があ
る。なお、本明細書で「有効態リン酸濃度」とは、土壌
養分分析法(土壌養分測定法委員会編、養賢堂、1970
)に記載されているオルセン(Olsen)法で測定したリ
ン酸濃度である。
【0019】[土壌pHへの順応性] VA菌根菌は、同菌種であってもアルカリ性土壌から分
離した菌はアルカリ性土壌に適応し、酸性土壌では共性
活性が低い。逆に、酸性土壌から分離した菌は酸性土壌
に適応し、アルカリ性土壌では共性活性が低い。日本の
土壌は酸性の傾向があるため、日本で採取したVA菌根
菌は酸性土壌に順応しやすい。しかし、日本にはアルカ
リ性の土壌もあるし、アルカリ性の培土も市販されてい
る。このため、アルカリ性の土壌でも共性活性があるV
A菌根菌が望まれている。本発明のVA菌根菌(OG−
105株)は、他の菌種と比べてpHへの順応性が高
く、土壌pHが2〜10(例えば、2〜9)である場合
にも高い発芽率で発芽できる(発芽は共生活性の前提で
ある)。特に、従来のVA菌根菌では発芽率が大きく低
下するpH8〜10(例えば、8〜9)程度の領域で
も、本発明のVA菌根菌の発芽率は大きい。本発明のV
A菌根菌は、例えば、pH4〜9の領域において、約8
0%以上という高いレベルの発芽率を維持できる。
離した菌はアルカリ性土壌に適応し、酸性土壌では共性
活性が低い。逆に、酸性土壌から分離した菌は酸性土壌
に適応し、アルカリ性土壌では共性活性が低い。日本の
土壌は酸性の傾向があるため、日本で採取したVA菌根
菌は酸性土壌に順応しやすい。しかし、日本にはアルカ
リ性の土壌もあるし、アルカリ性の培土も市販されてい
る。このため、アルカリ性の土壌でも共性活性があるV
A菌根菌が望まれている。本発明のVA菌根菌(OG−
105株)は、他の菌種と比べてpHへの順応性が高
く、土壌pHが2〜10(例えば、2〜9)である場合
にも高い発芽率で発芽できる(発芽は共生活性の前提で
ある)。特に、従来のVA菌根菌では発芽率が大きく低
下するpH8〜10(例えば、8〜9)程度の領域で
も、本発明のVA菌根菌の発芽率は大きい。本発明のV
A菌根菌は、例えば、pH4〜9の領域において、約8
0%以上という高いレベルの発芽率を維持できる。
【0020】[植物栽培方法]このように本発明のVA
菌根菌は、従来のVA菌根菌に比べて、広い温度範囲
(特に15℃以下の低温域)、広い有効態リン酸濃度
(特に高い有効態リン酸濃度)及び広いpH領域(特に
pH8以上の領域)において、植物の根に対して高い共
生活性を示す。そのため、本発明のVA菌根菌は、早
春、秋季や冬季における植物の栽培や成育、リン成分濃
度の高い土壌での植物の栽培や成育、酸性土壌やアルカ
リ性土壌での植物の栽培や成育に有用である。
菌根菌は、従来のVA菌根菌に比べて、広い温度範囲
(特に15℃以下の低温域)、広い有効態リン酸濃度
(特に高い有効態リン酸濃度)及び広いpH領域(特に
pH8以上の領域)において、植物の根に対して高い共
生活性を示す。そのため、本発明のVA菌根菌は、早
春、秋季や冬季における植物の栽培や成育、リン成分濃
度の高い土壌での植物の栽培や成育、酸性土壌やアルカ
リ性土壌での植物の栽培や成育に有用である。
【0021】本発明の方法では、VA菌根菌を植物の根
に共生させて植物を栽培する。植物の栽培は、VA菌根
菌を含む土壌を用いて行なうことができる。土壌中のV
A菌根菌の濃度は、植物の成育などを促進できる範囲、
例えば、植物を栽培する土壌1リットル中に約1000
〜15000個(例えば、約3000〜約15000
個)、好ましくは約3000〜約12000個(例え
ば、約3000〜約9000個)含まれるようにして使
用することが好ましい。このような土壌を調製する場
合、取扱を容易にするとともにVA菌根菌を植物栽培土
壌により均一に混入するため、土壌1gに300個程度
のVA菌根菌を含むVA菌根菌含有土壌を一旦調製し、
それを植物栽培土壌に施すのが好ましい。
に共生させて植物を栽培する。植物の栽培は、VA菌根
菌を含む土壌を用いて行なうことができる。土壌中のV
A菌根菌の濃度は、植物の成育などを促進できる範囲、
例えば、植物を栽培する土壌1リットル中に約1000
〜15000個(例えば、約3000〜約15000
個)、好ましくは約3000〜約12000個(例え
ば、約3000〜約9000個)含まれるようにして使
用することが好ましい。このような土壌を調製する場
合、取扱を容易にするとともにVA菌根菌を植物栽培土
壌により均一に混入するため、土壌1gに300個程度
のVA菌根菌を含むVA菌根菌含有土壌を一旦調製し、
それを植物栽培土壌に施すのが好ましい。
【0022】土壌として培養土を用いる場合、培養土と
しては、植物の栽培に用いられる種々の用土、例えば、
赤玉土、鹿沼土、川砂、山砂などの天然土壌;バーミキ
ュライト、パーライトなどの加工品;腐葉土、ピートモ
ス、バーク、クリプトモスなどの植物由来の培養土;市
販の混合培養土などが挙げられる。土壌は肥料を含んで
いてもよい。肥料としては、例えば、窒素肥料、リン酸
肥料、カリ肥料、有機質肥料、石灰質肥料、ケイ酸質肥
料、苦土肥料、マンガン質肥料、ホウ素質肥料、および
複合肥料(配合肥料、化成肥料、固形肥料、吸着肥料、
液体肥料など)などが挙げられる。肥料の混入量は、肥
料の形態や種類、施用回数、環境条件などに応じて選択
できる。
しては、植物の栽培に用いられる種々の用土、例えば、
赤玉土、鹿沼土、川砂、山砂などの天然土壌;バーミキ
ュライト、パーライトなどの加工品;腐葉土、ピートモ
ス、バーク、クリプトモスなどの植物由来の培養土;市
販の混合培養土などが挙げられる。土壌は肥料を含んで
いてもよい。肥料としては、例えば、窒素肥料、リン酸
肥料、カリ肥料、有機質肥料、石灰質肥料、ケイ酸質肥
料、苦土肥料、マンガン質肥料、ホウ素質肥料、および
複合肥料(配合肥料、化成肥料、固形肥料、吸着肥料、
液体肥料など)などが挙げられる。肥料の混入量は、肥
料の形態や種類、施用回数、環境条件などに応じて選択
できる。
【0023】本発明のVA菌根菌は、広範囲の種々の植
物、例えば、ナス科(ナス、トマト、ピーマン等)、ウ
リ科(キュウリ、メロン、カボチャ等)、マメ科(大
豆、エンドウ等)、ユリ科(ネギ、ニンニク、タマネ
ギ、ユリ等)、セリ科(ニンジン、セロリ、ミツバ
等)、バラ科(バラ、イチゴ、リンゴ、ナシ、サクラン
ボ等)、キク科(キク、ガーベラ、レタス等)、サクラ
ソウ科(シクラメン、プリムラ等)、ミカン科(ミカ
ン、キンカン等)、ブドウ、茶、タバコ、芝、綿、オク
ラ、ゼラニウム、パンジーなどに適応できる。これらの
例示植物について、本発明のVA菌根菌(OG−105
株)が共生可能でありかつ植物成長促進効果があること
は、実験的に確認されている。なお、ラン科(シンビジ
ューム、デンドロビューム等)、アブラナ科(キャベ
ツ、大根等)、アカザ科(ホウレンソウ等)、ツツジ科
(ツツジ、サツキ等)などには共生しにくい場合があ
る。
物、例えば、ナス科(ナス、トマト、ピーマン等)、ウ
リ科(キュウリ、メロン、カボチャ等)、マメ科(大
豆、エンドウ等)、ユリ科(ネギ、ニンニク、タマネ
ギ、ユリ等)、セリ科(ニンジン、セロリ、ミツバ
等)、バラ科(バラ、イチゴ、リンゴ、ナシ、サクラン
ボ等)、キク科(キク、ガーベラ、レタス等)、サクラ
ソウ科(シクラメン、プリムラ等)、ミカン科(ミカ
ン、キンカン等)、ブドウ、茶、タバコ、芝、綿、オク
ラ、ゼラニウム、パンジーなどに適応できる。これらの
例示植物について、本発明のVA菌根菌(OG−105
株)が共生可能でありかつ植物成長促進効果があること
は、実験的に確認されている。なお、ラン科(シンビジ
ューム、デンドロビューム等)、アブラナ科(キャベ
ツ、大根等)、アカザ科(ホウレンソウ等)、ツツジ科
(ツツジ、サツキ等)などには共生しにくい場合があ
る。
【0024】植物の栽培は、慣用の方法、例えば、植物
の種子の播種、苗などの移植などの方法により行なうこ
とができ、天然の環境下に限らず人工的な環境下で植物
を栽培又は成育してもよい。
の種子の播種、苗などの移植などの方法により行なうこ
とができ、天然の環境下に限らず人工的な環境下で植物
を栽培又は成育してもよい。
【0025】
【実施例】以下に、実施例により本願発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定又は拘束される
ものではない。以下の実施例で使用するVA菌根菌グロ
マス・アグリゲイタム(Glomus aggregatum)に属するO
G105株は上記スクリーニングにより得られた菌株で
ある。
するが、本発明はこれらの実施例に限定又は拘束される
ものではない。以下の実施例で使用するVA菌根菌グロ
マス・アグリゲイタム(Glomus aggregatum)に属するO
G105株は上記スクリーニングにより得られた菌株で
ある。
【0026】実施例1 つくば市から採取した土壌から選抜したVA菌根菌(G
lomus aggregatum)OG105株を、
通常の増殖方法(最低地温20℃以上)で増殖した後、
VA菌根菌含有土壌(1g中にOG−105株を約30
0個含有)を調製した。以下の方法で共生活性を調べ
た。1リットルの培土メトロミックス350(グレース
社の商品名、以下同じ)に対して上記VA菌根菌含有土
壌を30gを混入(培土1リットル中にOG105株を
約9000個含む割合)して完全混和し、菌混和培土を
得た。この菌混和培土を128穴プラグプレートに充填
し、レタス種子を播種し、通常の潅水条件で人工気象器
(温度、日照時間、照度が可変設定できる植物栽培用の
機器)内で4週間で栽培した後、根の共生率と地上部の
新鮮重を測定した。結果を表1に示す。なお、上記「共
生率」は、グリッドライン法(New Phytolo
gist ,84, 489−500頁,1980)に
準じて測定した、植物の根の全長に対する共生した根の
長さの割合(%)を意味し、「新鮮重」は地表面で植物
を切った場合の地表面より上の植物の重量を意味する
(以下同じ)。上記人工気象器の設定条件は、明期は8
時間(12000ルクス)で気温は10℃、12℃、1
5℃、20℃、25℃、30℃の5段階とし、暗期は1
6時間で気温は10℃とした。人工気象器内の気温と、
土壌表面から2cm土壌中に入った点の温度の関係を調
べたところ、両者はほとんど同じであった。
lomus aggregatum)OG105株を、
通常の増殖方法(最低地温20℃以上)で増殖した後、
VA菌根菌含有土壌(1g中にOG−105株を約30
0個含有)を調製した。以下の方法で共生活性を調べ
た。1リットルの培土メトロミックス350(グレース
社の商品名、以下同じ)に対して上記VA菌根菌含有土
壌を30gを混入(培土1リットル中にOG105株を
約9000個含む割合)して完全混和し、菌混和培土を
得た。この菌混和培土を128穴プラグプレートに充填
し、レタス種子を播種し、通常の潅水条件で人工気象器
(温度、日照時間、照度が可変設定できる植物栽培用の
機器)内で4週間で栽培した後、根の共生率と地上部の
新鮮重を測定した。結果を表1に示す。なお、上記「共
生率」は、グリッドライン法(New Phytolo
gist ,84, 489−500頁,1980)に
準じて測定した、植物の根の全長に対する共生した根の
長さの割合(%)を意味し、「新鮮重」は地表面で植物
を切った場合の地表面より上の植物の重量を意味する
(以下同じ)。上記人工気象器の設定条件は、明期は8
時間(12000ルクス)で気温は10℃、12℃、1
5℃、20℃、25℃、30℃の5段階とし、暗期は1
6時間で気温は10℃とした。人工気象器内の気温と、
土壌表面から2cm土壌中に入った点の温度の関係を調
べたところ、両者はほとんど同じであった。
【0027】比較例1 VA菌根菌としてグロマス・クララム(Glomus clarum)
を用いた以外は、実施例1と同じ条件で実験をした。結
果を表1に示す。
を用いた以外は、実施例1と同じ条件で実験をした。結
果を表1に示す。
【0028】比較例2 VA菌根菌としてジャイガスポーラ・マルガリータ(Gig
aspora margarita)を用いた以外は、実施例1と同じ条
件で実験をした。結果を表1に示す。
aspora margarita)を用いた以外は、実施例1と同じ条
件で実験をした。結果を表1に示す。
【0029】比較例3 VA菌根菌を用いない以外は、実施例1と同じ条件で実
験をした。結果を表1に示す。なお、培土中にVA菌根
菌が含まれていなかったことを確認するため、共生率を
測定した。
験をした。結果を表1に示す。なお、培土中にVA菌根
菌が含まれていなかったことを確認するため、共生率を
測定した。
【0030】
【表1】 表1から明らかなように、比較例と比べて実施例1は、
温度30℃、25℃でも共生率および新鮮重が大きく効
果的であるが、温度が20℃、15℃、12℃と低温に
なるにつれて、その差はさらに顕著になる。本発明のV
A菌根菌は、低温でもその効果があり、植物栽培に有用
であることが実証された。
温度30℃、25℃でも共生率および新鮮重が大きく効
果的であるが、温度が20℃、15℃、12℃と低温に
なるにつれて、その差はさらに顕著になる。本発明のV
A菌根菌は、低温でもその効果があり、植物栽培に有用
であることが実証された。
【0031】実施例2 人工気象器の設定条件を、明期は25℃(12000ル
クス)で、暗期10℃とし、明期−暗期の設定時間をそ
れぞれ4hrs−20hrs、6hrs−18hrs、8hrs−16h
rs、10hrs−14hrs、12hrs−12hrs、14hrs−
10hrs、16hrs−8hrsとした以外は、実施例1と同
じ条件で実験をした。結果を表2に示す。
クス)で、暗期10℃とし、明期−暗期の設定時間をそ
れぞれ4hrs−20hrs、6hrs−18hrs、8hrs−16h
rs、10hrs−14hrs、12hrs−12hrs、14hrs−
10hrs、16hrs−8hrsとした以外は、実施例1と同
じ条件で実験をした。結果を表2に示す。
【0032】比較例4 VA菌根菌としてグロマス・クララム(Glomus clarum)
を用いた以外は、実施例22と同じ条件で実験をした。
結果を表2に示す。
を用いた以外は、実施例22と同じ条件で実験をした。
結果を表2に示す。
【0033】比較例5 VA菌根菌としてジャイガスポーラ・マルガリータ(Gig
aspora margarita)を用いた以外は、実施例2と同じ条
件で実験をした。結果を表2に示す。
aspora margarita)を用いた以外は、実施例2と同じ条
件で実験をした。結果を表2に示す。
【0034】比較例6 VA菌根菌を用いない以外は、実施例2と同じ条件で実
験をした。結果を表2に示す。なお、培土中にVA菌根
菌が含まれていなかったことを確認するため共生率を測
定した。
験をした。結果を表2に示す。なお、培土中にVA菌根
菌が含まれていなかったことを確認するため共生率を測
定した。
【0035】
【表2】 表2から明らかなように、比較例に比べて実施例2で
は、暗期の割合が大きくても共生率が大きく、効果が顕
著である。このことは暗期の温度が10℃と低いためで
ある。
は、暗期の割合が大きくても共生率が大きく、効果が顕
著である。このことは暗期の温度が10℃と低いためで
ある。
【0036】実施例3 人工気象器の設定条件を、明期は8時間で20℃(12
000ルクス)、暗期はそれぞれ16時間で設定温度を
7℃、10℃、12℃、15℃及び25℃の5段階にす
る以外は、実施例1と同じ条件で実験した。結果を表3
に示す。
000ルクス)、暗期はそれぞれ16時間で設定温度を
7℃、10℃、12℃、15℃及び25℃の5段階にす
る以外は、実施例1と同じ条件で実験した。結果を表3
に示す。
【0037】比較例7 VA菌根菌としてグロマス・クララム(Glomus clarum)
を用いた以外は、実施例3と同じ条件で実験をした。結
果を表3に示す。
を用いた以外は、実施例3と同じ条件で実験をした。結
果を表3に示す。
【0038】比較例8 VA菌根菌としてジャイガスポーラ・マルガリータ(Gig
aspora margarita)を用いた以外は、実施例3と同じ条
件で実験をした。結果を表3に示す。
aspora margarita)を用いた以外は、実施例3と同じ条
件で実験をした。結果を表3に示す。
【0039】比較例9 VA菌根菌を用いない以外は、実施例3と同じ条件で実
験をした。結果を表3に示す。なお、培土中にVA菌根
菌が含まれていなかったことを確認するため共生率を測
定した。
験をした。結果を表3に示す。なお、培土中にVA菌根
菌が含まれていなかったことを確認するため共生率を測
定した。
【0040】
【表3】 表3から明らかなように、比較例に比べて実施例3で
は、暗期の温度が15℃以下、特に12℃以下でも共生
率が大きく、植物栽培に効果的である。
は、暗期の温度が15℃以下、特に12℃以下でも共生
率が大きく、植物栽培に効果的である。
【0041】実施例4 OG−105株が高有効態リン酸濃度の土壌中でも共生
活性が高いことを確認するため、以下の実験を行なっ
た。予め過リン酸石灰で表4に示す有効態リン酸濃度
(Olsen法;土壌養分測定法委員会編、養賢堂、1970)
に調整した培土メトロミックス350(グレース社の商
品名)を使用した以外は、実施例1と同じ条件で実験し
た。人工気象器の設定条件は、明期は8時間(1200
0ルクス)で気温設定は25℃で、暗期は16時間で気
温設定20℃とした。結果を表4に示す。
活性が高いことを確認するため、以下の実験を行なっ
た。予め過リン酸石灰で表4に示す有効態リン酸濃度
(Olsen法;土壌養分測定法委員会編、養賢堂、1970)
に調整した培土メトロミックス350(グレース社の商
品名)を使用した以外は、実施例1と同じ条件で実験し
た。人工気象器の設定条件は、明期は8時間(1200
0ルクス)で気温設定は25℃で、暗期は16時間で気
温設定20℃とした。結果を表4に示す。
【0042】比較例10 VA菌根菌としてグロマス・クララム(Glomus clarum)
を用いた以外は、実施例4と同じ条件で実験をした。結
果を表4に示す。
を用いた以外は、実施例4と同じ条件で実験をした。結
果を表4に示す。
【0043】比較例11 VA菌根菌としてジャイガスポーラ・マルガリータ(Gig
aspora margarita)を用いた以外は、実施例4と同じ条
件で実験をした。結果を表4に示す。
aspora margarita)を用いた以外は、実施例4と同じ条
件で実験をした。結果を表4に示す。
【0044】比較例12 VA菌根菌を用いない以外は、実施例4と同じ条件で実
験をした。結果を表4に示す。なお、培土中にVA菌根
菌が含まれていなかったことを確認するため共生率を測
定した。
験をした。結果を表4に示す。なお、培土中にVA菌根
菌が含まれていなかったことを確認するため共生率を測
定した。
【0045】
【表4】 比較例と実施例4とを比較すると、実施例4では、有効
態リン酸濃度が、培土1リットル当たり50〜300m
gにおいて大きな効果があり、特に100〜300m
g,150〜300mg,200〜300mgにおい
て、その差が顕著になる。
態リン酸濃度が、培土1リットル当たり50〜300m
gにおいて大きな効果があり、特に100〜300m
g,150〜300mg,200〜300mgにおい
て、その差が顕著になる。
【0046】実施例5 OG−105株が高pH土壌中でも発芽活性が高いこと
を確認するため、以下の実験を行なった。なお、発芽活
性が高いことは共生活性が高いことの前提となる。つく
ばから採取した土壌から選抜したVA菌根菌(Glomus ag
gregatum)OG105株を、通常の方法(最低気温20
℃以上)で増殖したのち胞子を回収した。回収した胞子
を、表5に示すpHに調整した1%寒天培地上に置床し
た後、25℃暗所で10日間培養し、実体顕微鏡下で観
察することにより発芽率をカウントした。結果を表5に
示す。
を確認するため、以下の実験を行なった。なお、発芽活
性が高いことは共生活性が高いことの前提となる。つく
ばから採取した土壌から選抜したVA菌根菌(Glomus ag
gregatum)OG105株を、通常の方法(最低気温20
℃以上)で増殖したのち胞子を回収した。回収した胞子
を、表5に示すpHに調整した1%寒天培地上に置床し
た後、25℃暗所で10日間培養し、実体顕微鏡下で観
察することにより発芽率をカウントした。結果を表5に
示す。
【0047】比較例13 VA菌根菌としてグロマス・クララム(Glomus clarum)
を用いた以外は、実施例5と同じ条件で実験をした。結
果を表5に示す。
を用いた以外は、実施例5と同じ条件で実験をした。結
果を表5に示す。
【0048】比較例14 VA菌根菌としてジャイガスポーラ・マルガリータ(Gig
aspora margarita)を用いた以外は、実施例5と同じ条
件で実験をした。結果を表5に示す。
aspora margarita)を用いた以外は、実施例5と同じ条
件で実験をした。結果を表5に示す。
【0049】
【表5】 表5から明らかなように、比較例と比べると実施例5で
は、広いpH領域で高い発芽率を示し、pHが8以上で
も発芽活性が顕著に高い。
は、広いpH領域で高い発芽率を示し、pHが8以上で
も発芽活性が顕著に高い。
【0050】実施例6 実施例1に記載した方法で作成した供試サンプルを30
g/Lの培土メトロミックスと完全に混和して700m
lの園芸用ポットに充填し、ゼラニウム種子を播種し
た。通常の灌水条件で人工気象器内で10週間培養した
後、根の共生率、葉数、草丈、株径を測定した。人工気
象器の設定条件は、明期12時間(12000ルク
ス)、気温設定25℃で、暗期は12時間で気温設定1
0℃とした。結果を表6に示す。
g/Lの培土メトロミックスと完全に混和して700m
lの園芸用ポットに充填し、ゼラニウム種子を播種し
た。通常の灌水条件で人工気象器内で10週間培養した
後、根の共生率、葉数、草丈、株径を測定した。人工気
象器の設定条件は、明期12時間(12000ルク
ス)、気温設定25℃で、暗期は12時間で気温設定1
0℃とした。結果を表6に示す。
【0051】比較例15 VA菌根菌としてグロマス・クララム(Glomus clarum)
を用いた以外は、実施例6と同じ条件で実験をした。結
果を表6に示す。
を用いた以外は、実施例6と同じ条件で実験をした。結
果を表6に示す。
【0052】比較例16 VA菌根菌としてジャイガスポーラ・マルガリータ(Gig
aspora margarita)を用いた以外は、実施例6と同じ条
件で実験をした。結果を表6に示す。
aspora margarita)を用いた以外は、実施例6と同じ条
件で実験をした。結果を表6に示す。
【0053】比較例17 VA菌根菌を用いない以外は、実施例6と同じ条件で実
験をした。結果を表6に示す。なお、培土中にVA菌根
菌が含まれていなかったことを確認するため共生率を測
定した。
験をした。結果を表6に示す。なお、培土中にVA菌根
菌が含まれていなかったことを確認するため共生率を測
定した。
【0054】
【表6】 表から明らかなように、比較例に比べて実施例6では、
共生率だけでなく、葉数、草丈、株径が大きく、植物の
成育促進効果が大きい。
共生率だけでなく、葉数、草丈、株径が大きく、植物の
成育促進効果が大きい。
【0055】
【発明の効果】本発明のVA菌根菌は低温条件下でも共
生活性を有する。そのため、低温下でも植物の成長を促
進する上で有用である。すなわち、一般にVA菌根菌は
15℃以上の温度で植物と共生できるが、15℃以下の
温度では共生しにくいため、これまで報告のあったVA
菌根菌は秋季及び冬季の作物に使用すると、低温のため
共生活性が低下し(休眠状態になり)、成長促進効果を発
現させることは困難であった。これに対して、本発明の
VA菌根菌は明期時間/暗期時間の割合が1/2で、明
期気温が12℃又は13℃、暗期気温が10℃という過
酷な条件下でも植物の根に対して共生活性を有する。こ
のため、本発明のVA菌根菌を使用する方法では、従来
使用できなかった低温でも条件下でもVA菌根菌を共生
させ、植物の成長を促進し、収量増加、開花促進などの
効果が得られる。さらに、本発明のVA菌根菌は有効態
リン酸濃度が高い土壌でも使用できるとともに、土壌の
pHへの順応性も高い。
生活性を有する。そのため、低温下でも植物の成長を促
進する上で有用である。すなわち、一般にVA菌根菌は
15℃以上の温度で植物と共生できるが、15℃以下の
温度では共生しにくいため、これまで報告のあったVA
菌根菌は秋季及び冬季の作物に使用すると、低温のため
共生活性が低下し(休眠状態になり)、成長促進効果を発
現させることは困難であった。これに対して、本発明の
VA菌根菌は明期時間/暗期時間の割合が1/2で、明
期気温が12℃又は13℃、暗期気温が10℃という過
酷な条件下でも植物の根に対して共生活性を有する。こ
のため、本発明のVA菌根菌を使用する方法では、従来
使用できなかった低温でも条件下でもVA菌根菌を共生
させ、植物の成長を促進し、収量増加、開花促進などの
効果が得られる。さらに、本発明のVA菌根菌は有効態
リン酸濃度が高い土壌でも使用できるとともに、土壌の
pHへの順応性も高い。
【図1】図1は菌根をミキサーで潰した後の胞子の状態
を示した生物の形態を表す図面代用写真である。
を示した生物の形態を表す図面代用写真である。
【図2】図2は潰した胞子の状態を示した生物の形態を
表す図面代用写真である。
表す図面代用写真である。
【図3】図3は潰した胞子の状態を示した生物の形態を
表す図面代用写真である。
表す図面代用写真である。
【図4】図4は潰した胞子の状態を示した生物の形態を
表す図面代用写真である。
表す図面代用写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 63/00 C12N 1/14
Claims (2)
- 【請求項1】 植物の根に共生し植物成長促進作用を有
するグロマス・アグリゲイタム種に属するVA菌根菌O
G−105。 - 【請求項2】 請求項1記載のVA菌根菌を植物の根に
共生させることを特徴とする植物栽培方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08083094A JP3026067B2 (ja) | 1996-03-11 | 1996-03-11 | 植物成長促進菌及びそれを用いた植物栽培方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08083094A JP3026067B2 (ja) | 1996-03-11 | 1996-03-11 | 植物成長促進菌及びそれを用いた植物栽培方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09249512A JPH09249512A (ja) | 1997-09-22 |
JP3026067B2 true JP3026067B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=13792602
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08083094A Expired - Lifetime JP3026067B2 (ja) | 1996-03-11 | 1996-03-11 | 植物成長促進菌及びそれを用いた植物栽培方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3026067B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107027620B (zh) * | 2016-10-27 | 2020-08-25 | 江西省农业科学院农产品质量安全与标准研究所 | 一种同时富含硒和γ-氨基丁酸的植物的选育方法 |
-
1996
- 1996-03-11 JP JP08083094A patent/JP3026067B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09249512A (ja) | 1997-09-22 |
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