JPH09227181A - 溶融スラグまたは溶融飛灰の処理方法 - Google Patents
溶融スラグまたは溶融飛灰の処理方法Info
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Abstract
のとする。 【解決手段】溶融炉で発生する溶融スラグまたは溶融飛
灰100重量部に対して、ブレーン値が4000cm2 /
g以上の高炉水砕スラグ微粉末を5〜50重量部、セメ
ントを2〜30重量部、水を10〜50重量部の割合で
添加して固化を図った後、得られた固化体を目的の粒度
に整粒する。
Description
のない限り都市ごみのほか産業廃棄物をも含む)を焼却
処理した場合において生じる焼却灰および焼却飛灰のう
ち少なくとも一方を溶融炉により減容化のために溶融処
理する場合において、前記溶融炉での溶融処理に伴って
発生する溶融スラグまたは溶融飛灰の処理方法に関す
る。
は、その量の増大および廃棄物処分場の確保の困難性に
伴って深刻な事態を招いている。この傾向は、大都市ほ
ど顕著である。
年度で50,441千トンであり、その72.9%の3
6,767千トンが焼却処理されている。この場合にお
ける焼却残渣は5,991千トン排出され、そのほとん
どが埋め立て処理されている。これは総ごみ埋め立て量
の35,6%の相当するとの統計がある。
ることは、特に大都市では処分場の残容量からして問題
である。図1に処理フローを示すように、全国自治体の
大部分は、焼却灰を管理型埋立最終処分場において埋立
処分をしている。
「廃棄物処理法」の改正によって「特定管理廃棄物」に
指定され、これに伴って、焼却飛灰を予めなんらかの安
定化処理した場合にのみ、管理型処分場に埋め立てを可
能とする規定となった。
と焼却飛灰とを混合し、溶融炉において溶融処理するこ
とにより、約1/2に減容化することが行われている。
および焼却飛灰中に含まれる重金属の溶出を溶融スラグ
(溶融灰)として封じ込めるためであり、現状ではコス
ト的に合うとはいい難いものの、将来的にみた必要性か
ら、いくつかの自治体において溶融炉の設置および建設
が行われている。この場合における溶融スラグは、非管
理型埋立にまわすことができるほど無害化がなされてい
る。
は、重金属の含有量が多いので、そのまま埋立て処分に
まわすことはできない。したがって、焼却飛灰は不溶化
処理などの安定化処理を予め行う必要がある。
中和処理法、キレート剤などによる薬剤添加混練法、セ
メント固化法、酸抽出法、飛灰溶融法などが知られてい
るが、この中でもキレート剤による薬剤添加混練法、セ
メント固化法が有力視され、実績もある。
レート剤自体のコストがきわめて嵩む点で問題が大き
い。この点、セメント固化法はコストの点で有利である
ものの、セメントを多く使用する結果、増量化を招き、
減容化に反するばかりでなく、必ずしも重金属類の封じ
込め特性に優れるものとはいい難い。
と共に溶融処理して溶融スラグを得る場合には、重金属
をその溶融スラグ中に封じ込めることができるので有効
な方法であるものの、焼却対象物や焼却条件などによっ
て得られる溶融スラグの物性が変動し、この溶融スラグ
をそのままあるいはセメントとの固化を図っても重金属
が溶出することがあり、万全なものとはいい難い。ま
た、得られた溶融スラグ自体は、強度的にさほど高くな
いので、その用途として有効なものが未だ見出せないで
いた。
金属をより大量に含み、焼却飛灰と同様の安定化処理を
行っても残存する重金属の含有量が多く、有効な安定化
処理自体を見出せない。そこで、金属精錬工場に戻して
処理するいわゆる山元還元方法が考えられているが、溶
融飛灰自体の廃棄量が少なく、単独での処理では到底コ
スト的に見合わず現実的に実施が不可能に近い。また、
たとえ山元還元にて精錬したとしても、十分重金属を除
去できない。
封じ込め特性に優れるとともに、得られる粒状物の組織
は緻密であり、かつ強度が高いものとすることにある。
る処理方法を提供することにある。
項1記載の発明は、廃棄物を焼却炉で焼却した際に発生
する焼却灰および焼却飛灰のうち少なくとも一方を溶融
炉により減容化のために溶融処理する場合において、前
記溶融炉で発生する溶融スラグ100重量部に対して、
ブレーン値が4000cm2 /g以上の高炉水砕スラグ微
粉末を5〜50重量部、セメントを2〜30重量部、水
を10〜50重量部の割合で添加して固化を図った後、
得られた固化体を目的の粒度に整粒することを特徴とす
る溶融スラグの処理方法である。
焼却した際に発生する焼却灰および焼却飛灰のうち少な
くとも一方を溶融炉により減容化のために溶融処理する
場合において、前記溶融炉で発生する溶融飛灰100重
量部に対して、ブレーン値が4000cm2 /g以上の高
炉水砕スラグ微粉末を5〜50重量部、セメントまたは
消石灰あるいはこれらの混合物を2〜30重量部、水を
10〜50重量部の割合で添加して固化を図るととも
に、蒸気養生またはオートクレーブ養生を行い、得られ
た固化体を目的の粒度に整粒することを特徴とする溶融
飛灰の処理方法である。
g以上の高炉水砕スラグ微粉末を使用して固化を図る。
その結果、固化体は緻密なものとなり、後述の実施例か
らも明らかなように、重金属の封じ込め特性に優れたも
のとなるとともに、セメント単独による固化体に比較し
て強度がより高いものとなる。
廃棄物を焼却炉にて焼却した際に発生する焼却灰および
焼却飛灰のうち少なくとも一方を溶融炉により減容化の
ために溶融処理する場合において、溶融炉で発生する溶
融スラグまたは溶融飛灰の処理を対象とする。
または両者を溶融処理する。この溶融処理に際しては、
公知の溶融炉にて処理できる。すなわち、回転炉または
固定炉による表面溶融炉、アーク加熱による電気溶融
炉、コークス加熱によるコークスベッド炉、自己燃焼内
部溶融炉、プラズマ加熱による電気溶融炉、抵抗加熱に
よる電気溶融炉などを用いることができる。
場合には、図2に処理フローを示すように、溶融スラグ
100重量部に対して、ブレーン値が4000cm2 /g
以上の高炉水砕スラグ微粉末を、5〜50重量部、より
好適には8〜20重量部、さらにセメントを2〜30重
量部、水を10〜50重量部添加し、この添加材料を、
型枠を用いて適宜の形状に成型するか造粒機などにより
ブリケット化し固化体を得る。
めるのが組織の緻密化により好ましく、締固めの後は養
生を行う。養生は自然乾燥養生のほか、加熱することに
より硬化の促進を図ることができる。次いで、脱型した
後、この固化体を破砕整粒する。
ブリッケト化し、これを養生した後に破砕整粒すること
もできる。
は、使用目的に応じて選定できるが、主に道路用砕石、
コンクリート用骨材として使用するのが最適であるの
で、粒度分布をたとえば40mm〜05mm、25mm〜05
mm、20mm〜05mm、とするのが好ましい。
ては、図3に処理フローを示すように、溶融飛灰100
重量部に対して、ブレーン値が4000cm2 /g以上の
高炉水砕スラグ微粉末を、5〜30重量部、より好適に
は8〜20重量部、さらにセメントおよび消石灰の少な
くとも一方を2〜30重量部、水を10〜50重量部添
加し、この添加材料を、型枠を用いて適宜の形状に成型
するか造粒機などによりブリケット化し固化体を得る。
めるのが組織の緻密化により好ましく、締固めの後は養
生を行う。養生は蒸気養生またはオートクレーブ養生に
より緻密化を図るのが好ましい。特に、溶融飛灰の処理
の場合には、オートクレーブ養生が緻密化を図り重金属
の溶出を防止するために望ましい。次いで、脱型した
後、この固化体を破砕整粒する。
ブリッケト化し、これを養生した後に破砕整粒すること
もできる。
灰のそれぞれの処理において、用いる高炉水砕スラグ微
粉末のブレーン値が小さいと、得られる固化体および整
粒粒状物の緻密性が十分でなく、重金属の溶出の可能性
を生じる。ブレーン値が大きくなるに従って固化体の緻
密性が高まるものの、経済性に難点がある。したがっ
て、ブレーン値の上限は限定されるものではないが、実
用上、20000cm2 /gを上限とするのが好ましい。
下限はより好適には6000cm2 /gとする。
と、固化特性が低いとともに、緻密な固化体が得難い。
高炉水砕スラグ微粉末の添加量が過度に多いと、効果自
体が飽和するとともに、コスト高となり、かつ減容化に
反する。
添加量は、少ないと固化体または粒状物の強度が小さ
く、また過度に多くとも強度が十分でなくなる。セメン
トとしては、緻密性が確保するために、1000〜50
00cm2 /g程度の微粒子セメントを用いるのが好まし
い。
機や造粒機、あるいは混練と造粒機能を併せ持つ混練造
粒機にて材料を混練または造粒させた後、これを大気中
で硬化を待つほか、蒸気養生にて固化を促進させること
ができる。
造粒機としては転圧式造粒機、押出し式造粒機、ペレタ
イザーなど、混練造粒機としてはパン型混練造粒機、振
動式混練造粒機などを用いることができる。
またはオートクレーブ養生により硬化促進を図ること
は、廃棄物処理場における養生保管スペースを小さくで
きる点で好適である。特に、60〜180℃程度の温度
範囲における公知の方法に従う蒸気養生によって、硬化
促進を図ると、たとえば2日後強度で5kgf/cm2 が得
られ、4週後強度と実質的に同様であり、かつ重金属の
封じ込め特性は4週後のものと実質的に同一となった。
おり、道路用砕石、コンクリート骨材などに積極的に利
用するほか、特に溶融飛灰由来の整粒粒状物は管理型処
分場に埋め立てすることができる。
た溶融スラグに対して、本発明に係る各配合材料につい
て、配合割合を変更しながら、図2に示す処理フローに
則って処理したものについて、圧縮強度および重金属の
溶出量の代表としてのPb溶出量(目標は0.3mg/
リットル以下である)を測定した。なお、Pbの溶出量
は他の重金属の溶出量を示す指標であり、これが小さい
ことは、他の重金属についても当然に小さいことを示し
ている。結果を表1に示す。
して重金属一般において溶出の虞れはない。
場合に比較して、高炉水砕スラグ微粉末(以下単に微粉
末ともいう)を配合することにより、強度が高まり、か
つこの程度に高い強度の整粒体は、道路用砕石、コンク
リート用骨材、再生骨材として十分転用可能である。
した場合に比較して、強度が低くなる傾向がある。ただ
し、酸性溶融スラグの場合においては、中性化できるの
で、この程度、強度が発現すれば、消石灰の使用も有効
である。
較して、やや強度の低下(約30%程度の)が認められ
る。
ら排出された溶融飛灰に対して、本発明に係る各配合材
料について、配合割合を変更しながら、図3に示す処理
フローに則って処理したものについて、圧縮強度および
重金属の溶出量の代表としてのPb溶出量(目標は0.
3mg/リットル以下である)を測定した。また、自然
養生したものについても試験した。結果を表2に示す。
下で、握り潰すと崩壊してしまうものであり、用途がな
い。
場合には、Pbの溶出量が多く、封じ込め特性が十分で
ない。これに対して、微粉末を配合することにより、規
制値を十分クリアできるものとなる。
場合に比較して、微粉末を配合することにより、強度が
高まり、再生骨材として十分転用可能である。
した場合に比較して、若干強度が低くなる傾向があるも
のの、酸性溶融スラグの場合においては、中性化できる
ので、この程度、強度が発現すれば、消石灰の使用も有
効である。
い。これに対して、オートクレーブ養生を行うと、十分
な強度のものが得られる。
と溶融飛灰との両者を図3に示すフローに従って処理し
た場合、溶融スラグの混入率の高まりに応じて、表2に
示す結果より強度が増大し、かつPbの溶出量の低減が
みられた。
類の封じ込め特性に優れ、得られる粒状物の組織は緻密
であり、かつ強度が高いものとなる。さらに、処理コス
トは比較的安価となる。
Claims (2)
- 【請求項1】廃棄物を焼却炉で焼却した際に発生する焼
却灰および焼却飛灰のうち少なくとも一方を溶融炉によ
り減容化のために溶融処理する場合において、 前記溶融炉で発生する溶融スラグ100重量部に対し
て、 ブレーン値が4000cm2 /g以上の高炉水砕スラグ微
粉末を5〜50重量部、セメントまたは消石灰あるいは
これらの混合物を2〜30重量部、水を10〜50重量
部の割合で添加して固化を図った後、 得られた固化体を目的の粒度に整粒することを特徴とす
る溶融スラグの処理方法。 - 【請求項2】廃棄物を焼却炉で焼却した際に発生する焼
却灰および焼却飛灰のうち少なくとも一方を溶融炉によ
り減容化のために溶融処理する場合において、 前記溶融炉で発生する溶融飛灰100重量部に対して、 ブレーン値が4000cm2 /g以上の高炉水砕スラグ微
粉末を5〜50重量部、セメントまたは消石灰あるいは
これらの混合物を2〜30重量部、水を10〜50重量
部の割合で添加して固化を図るとともに、蒸気養生また
はオートクレーブ養生を行い、 得られた固化体を目的の粒度に整粒することを特徴とす
る溶融飛灰の処理方法。
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---|---|---|---|
JP08039750A JP3113574B2 (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | 溶融スラグまたは溶融飛灰の処理方法 |
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JPH09227181A true JPH09227181A (ja) | 1997-09-02 |
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JP08039750A Expired - Fee Related JP3113574B2 (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | 溶融スラグまたは溶融飛灰の処理方法 |
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-
1996
- 1996-02-27 JP JP08039750A patent/JP3113574B2/ja not_active Expired - Fee Related
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