JPH09225739A - 多軸ヘッド - Google Patents

多軸ヘッド

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Publication number
JPH09225739A
JPH09225739A JP4007396A JP4007396A JPH09225739A JP H09225739 A JPH09225739 A JP H09225739A JP 4007396 A JP4007396 A JP 4007396A JP 4007396 A JP4007396 A JP 4007396A JP H09225739 A JPH09225739 A JP H09225739A
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JP
Japan
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shaft
screw tap
head
transmission mechanism
driving force
Prior art date
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Application number
JP4007396A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Arai
井 泰 彦 新
Takashi Nagayama
山 隆 司 永
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Via Mechanics Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Hitachi Seiko Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多軸でのタップ加工時間の短縮化を実現する
と共に、設計製作時間,修理・調整時間および改造時間
の短縮化ならびに設計製作コスト,保守管理コストおよ
び改造コストの低減化を実現する。 【解決手段】 駆動ユニットPUの出力軸P1と接続・
離間可能な歯車駆動機構40を具備したヘッド本体2
と、スクリュータップ用ホルダHを着脱可能でかつ歯車
駆動機構40を介して伝えられる駆動力により回転する
回転軸15を具備した単軸ユニット10,多軸ユニット
30を備え、軸ユニット10,30の各回転軸15と歯
車駆動機構40とを各々離間可能に接続すると共に、軸
ユニット10,30をヘッド本体2に各々取外し可能に
装着し、軸ユニット10,30に回転軸15の回転方向
を切換える切換機構20を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワーク、例えば、
自動車用エンジンにおけるシリンダブロックの複数箇所
に形成した下孔にタップ加工を施すのに利用する多軸ヘ
ッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記した多軸ヘッドとしては、例
えば、図5に示すものがあった。
【0003】図5に示すように、この多軸ヘッド101
は、ヘッド本体102に形成した軸保持部102a,1
02bに複数の軸受103を介してそれぞれ保持されか
つ各々の先端にスクリュータップ用ホルダをそれぞれ着
脱可能とした第1回転軸104および第2回転軸105
を備え、ヘッド本体102の内部に、駆動源側の出力軸
100と接続・離間可能としたカップリング106を介
して伝達される駆動力を2本の回転軸104,105に
伝える歯車駆動機構110を具備した構成をなしてお
り、この多軸ヘッド101によりワークの下孔に対して
タップ加工を施す場合には、2本の回転軸104,10
5の各先端にスクリュータップ用ホルダ122を介して
スクリュータップ121を装着(第2回転軸105側は
省略)して、このスクリュータップ121を回転軸10
4,105とともに回転させつつ図外のワークに形成さ
れた下孔に送り込み、スクリュータップ121の下孔へ
の挿入量が所定量に達する直前に駆動源側における出力
軸100の回転を徐々に落とし、ワークの下孔にめねじ
を形成した直後に、出力軸100の回転を逆にして第1
回転軸104とともにスクリュータップ121を逆回転
させつつ下孔から引き抜くようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来におけ
る多軸ヘッド101において、上記したように、リジッ
ド機能制御により回転軸104,105を同期させて加
工を行う関係上、図6に示すように、出力軸100の回
転を逆にする際の減速,停止,再加速を行う切換時間T
1を必要とするが、このような多軸の同期加工の場合、
回転系全体の負荷慣性(GD)が大きいため、出力軸
100の回転数を増して切換時間T1を相殺しようとし
ても、負荷慣性(GD)も増えて切換時間T1が長く
なってしまい、結局、タップ加工時間の短縮化が実現で
きない。
【0005】ここで、スクリュータップ121の送り速
度が遅すぎたり戻し速度が早すぎたりした場合にスクリ
ュータップ用ホルダと回転軸との間に生じる引っ張り力
を吸収すると共に、スクリュータップ121の送り速度
が早すぎる場合にスクリュータップ用ホルダと回転軸と
の間に生じる圧縮力を吸収するテンション/コンプレッ
ション機能を有したスクリュータップ用ホルダを用いて
切換時間T1の短縮を図ることも考えられるが、この場
合も、高速加工時の追従性に難があり、したがって、い
ずれの場合もタップ加工時間の短縮化が実現できないと
いう問題を有していた。
【0006】また、従来における多軸ヘッド101にお
いて、ワークに対してドリル加工を施して下孔を形成す
る場合には、そのドリル加工に合わせて設計製作した多
軸ヘッドを用いなくてはならない、つまり、ドリル加工
に合わせた多軸ヘッドを設計製作しなくてはならないこ
とから、その分だけ、多軸ヘッドの設計製作に多くの時
間を費やさなくてはならないうえ、コストが高いものと
なってしまうという問題があった。
【0007】さらに、回転軸104,105がヘッド本
体102に一体で形成した軸保持部102a,102b
にそれぞれ組み付けられているため、回転軸104,1
05に不具合が生じた際やサイクルタイム変更時の切削
条件に変更が生じた際には、修理・調整や改造に多くの
時間を要することとなり、その結果、修理・調整コスト
および改造コストが高くついてしまうという問題を有し
ており、これらの問題を解決することが従来の課題であ
った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記した従来の課題に着目し
てなされたもので、多軸でのタップ加工時間の短縮化を
実現することができ、加えて、設計製作時間,不具合が
生じた場合の修理・調整時間および切削条件に変更が生
じた場合の改造時間をそれぞれ短縮することができると
共に、設計製作コスト,保守管理コストおよび改造コス
トをそれぞれ低減させることが可能である多軸ヘッドを
提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
る多軸ヘッドは、駆動ユニットの出力軸と接続・離間可
能な駆動力伝達機構と、スクリュータップ用ホルダを着
脱可能でかつ前記駆動力伝達機構を介して伝えられる駆
動力により回転する回転軸を具備した複数の軸ユニット
を備え、前記複数の軸ユニットの各回転軸と駆動力伝達
機構とをそれぞれ離間可能に接続すると共に、前記駆動
力伝達機構を収納するヘッド本体に複数の軸ユニットを
それぞれ取外し可能に装着し、前記複数の軸ユニットに
は、各々の回転軸の回転方向を切換える切換機構をそれ
ぞれ設けた構成としたことを特徴としており、この多軸
ヘッドの構成を前述した従来の課題を解決するための手
段としている。
【0010】本発明の請求項2に係わる多軸ヘッドは、
駆動ユニットの出力軸と接続・離間可能な駆動力伝達機
構と、スクリュータップ用ホルダを着脱可能でかつ前記
駆動力伝達機構を介して伝えられる駆動力により回転す
る回転軸を具備した複数の軸ユニットを備え、前記複数
の軸ユニットの各回転軸と駆動力伝達機構とをそれぞれ
離間可能に接続すると共に、前記駆動力伝達機構を収納
するヘッド本体に複数の軸ユニットをそれぞれ取外し可
能に装着し、前記複数の軸ユニットには、ねじを形成し
たワークの下孔からスクリュータップを戻す際に各々の
回転軸をスクリュータップ送り時とは反対方向に回転さ
せる切換機構をそれぞれ設けた構成としたことを特徴と
しており、この多軸ヘッドの構成を前述した従来の課題
を解決するための手段としている。
【0011】本発明の請求項3に係わる多軸ヘッドにお
いて、回転軸を軸方向に移動可能とし、切換機構は、前
記回転軸に回転自在に嵌装されて駆動力伝達機構を介し
て伝えられる駆動力により正回転する第1傘歯車と、前
記回転軸の周囲に設けられて前記第1傘歯車と噛合うピ
ニオンと、前記回転軸に回転自在でかつ第1傘歯車と対
向して設けられ前記ピニオンと噛合って逆回転する第2
傘歯車と、前記回転軸に設けた凹部に保持されてスクリ
ュータップ送り状態において前記第1傘歯車に設けた第
1係合部と係合しかつスクリュータップ戻し状態におい
て当該回転軸とともに軸方向に移動して第2傘歯車に設
けた第2係合部と係合する係合体を具備している構成と
している。
【0012】本発明の請求項4に係わる多軸ヘッドにお
いて、駆動力伝達機構を歯車駆動機構とし、前記歯車駆
動機構の互いに噛み合う歯車を同一平面に配置した構成
としている。
【0013】本発明の請求項5に係わる多軸ヘッドにお
いて、複数の軸ユニットのうちの少なくとも1個の軸ユ
ニットは、スクリュータップ用ホルダを着脱可能でかつ
駆動力伝達機構を介して伝えられる駆動力により回転す
る回転軸を複数具備している構成としている。
【0014】本発明の請求項6に係わる多軸ヘッドにお
いて、ヘッド本体に切削油供給部を設けると共に、軸ユ
ニットに切削油供給部とスクリュータップ用ホルダ側と
を連通する流路を設けた構成としている。
【0015】
【発明の作用】本発明の請求項1および2に係わる多軸
ヘッドでは、ねじを形成したワークの下孔からスクリュ
ータップを戻す際に、軸ユニット個々に設けた切換機構
により、軸ユニットの各回転軸の回転方向がスクリュー
タップ送り時とは反対方向に切換わるので、この間、駆
動ユニットの出力軸をスクリュータップ送り時とは反対
方向に回転させる必要がなくなり、すなわち、従来必要
としていた軸ユニットの各回転軸の回転方向を切換える
ための出力軸の減速,停止,再加速を行う必要がなくな
り、タップ加工時間の短縮化が図られることとなり、と
くに、軸数が多く回転系全体の負荷慣性(GD)が大
きい場合であったとしても、この負荷慣性(GD)の
大きさが各回転軸の回転方向の切換えに影響しないの
で、軸数が少ない場合と同様にタップ加工時間の短縮化
が図られることとなる。
【0016】また、この多軸ヘッドでは、ワークに対し
てドリル加工を施して下孔を形成する場合、上記した構
成を有する多軸ヘッドのヘッド本体を転用すればよいこ
とから、ドリル加工に合わせた多軸ヘッドを設計製作す
る必要がなく、その分だけ、設計製作時間の短縮および
設計製作コストの低減が図られることとなるのに加え
て、軸ユニットや駆動力伝達機構などの部品に不具合が
生じた場合やサイクルタイム変更時の切削条件に変更が
生じた場合には、軸ユニットをヘッド本体から取り外し
て軸ユニットと駆動力伝達機構とを別けて、修理・調整
作業あるいは改造作業がなされることから、修理・調整
時間や改造時間の短縮および保守管理コストや改造コス
トの低減が実現することとなる。
【0017】さらに、本発明の請求項3に係わる多軸ヘ
ッドでは、スクリュータップ送り状態で第1傘歯車とと
もに正回転する回転軸がスクリュータップ戻し状態とな
った時点で軸方向に移動すると、この回転軸とともに係
合体が軸方向に移動して第1傘歯車の第1係合部から離
脱し、そして、第2傘歯車の第2係合部と係合して逆回
転するようになるので、この切換機構による回転軸の正
回転から逆回転への切換えがスムーズに行われることと
なる。
【0018】さらにまた、本発明の請求項4に係わる多
軸ヘッドでは、軸ユニットをヘッド本体から取り外す作
業が極めて簡単なものとなることから、修理・調整時間
や改造時間の短縮および保守管理コストや改造コストの
より一層の低減が実現することとなり、本発明の請求項
5に係わる多軸ヘッドでは、回転軸の軸配置の自由度が
拡がることとなり、ワーク、例えば、自動車用エンジン
におけるシリンダブロックの複数箇所にタップ加工を施
すに際して、小さい間隔でのタップ加工がなされること
になるのに加えて、回転軸がひとつの軸ユニットを複数
組採用する場合と比べて、部品点数が大幅に増加するこ
とがないことから、コストの低減が図られることとな
る。
【0019】さらにまた、本発明の請求項6に係わる多
軸ヘッドでは、切削油供給部から軸ユニットの流路を通
して工具ホルダ側に切削油が供給されることから、ねじ
精度の向上およびスクリュータップの長寿命化が図られ
ることとなる。
【0020】
【発明の効果】本発明の請求項1および2に係わる多軸
ヘッドでは、軸ユニットにおける各回転軸の回転方向を
切換えるための出力軸の減速,停止,再加速を行う必要
がないので、多軸でのタップ加工時間の大幅な短縮化を
実現でき、軸数が多く回転系全体の負荷慣性が大きい場
合であっても、タップ加工時間の短縮化が実現でき、加
えて、この多軸ヘッドにおけるヘッド本体のドリル加工
への転用が可能であることから、ドリル加工に合わせた
多軸ヘッドを設計製作する必要がない分だけ、設計製作
時間の短縮および設計製作コストの低減を実現できると
共に、軸ユニットや駆動力伝達機構などの部品に不具合
が生じた場合やサイクルタイム変更時の切削条件に変更
が生じた場合には、軸ユニットをヘッド本体から取り外
して軸ユニットと駆動力伝達機構とを別けて、修理・調
整作業あるいは改造作業を行うことができるので、修理
・調整時間や改造時間の短縮および保守管理コストや改
造コストの大幅な低減が実現可能であるという極めて優
れた効果がもたらされる。
【0021】また、本発明の請求項3に係わる多軸ヘッ
ドでは、スクリュータップ送り状態からスクリュータッ
プ戻し状態へと移行する際の回転軸の正回転から逆回転
への切換えをスムーズに行うことができる。
【0022】さらに、本発明の請求項4に係わる多軸ヘ
ッドでは、軸ユニットをヘッド本体から取り外す作業を
極めて簡単に行うことができるので、修理・調整時間や
改造時間の短縮および保守管理コストや改造コストのよ
り一層の低減を実現することが可能である。
【0023】さらにまた、本発明の請求項5に係わる多
軸ヘッドでは、回転軸の軸配置の自由度を拡げることが
でき、ワーク、例えば、自動車用エンジンにおけるシリ
ンダブロックの複数箇所にタップ加工を施すに際して、
小さい間隔でのタップ加工を行うことが可能であるのに
加えて、回転軸がひとつの軸ユニットを複数組採用する
場合と比べて、部品点数の増加を少なく抑えることがで
きることから、コストの低減を実現できる。
【0024】さらにまた、本発明の請求項6に係わる多
軸ヘッドでは、ねじ精度の向上およびスクリュータップ
の長寿命化を実現できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0026】図1は本発明に係わる多軸ヘッドの一実施
例を示しており、図1に示すように、多軸ヘッド1は、
ヘッドケース3Aおよびこのヘッドケース3Aに装着さ
れるヘッドカバー3Bからなるヘッド本体2と、このヘ
ッド本体2に保持される3組の単軸ユニット10と、1
組の多軸ユニット30と、駆動ユニットPU側の出力軸
P1と接続・離間可能としたカップリング4を介して伝
達される駆動力を単軸ユニット10および多軸ユニット
30にそれぞれ伝える歯車駆動機構40と、ヘッドケー
ス3Aと駆動ユニットPUを収納する母体Bとの間に配
置された切削油供給部60を備えている。
【0027】単軸ユニット10は、図2にも示すよう
に、軸ハウジング11と、この軸ハウジング11の基端
側スリーブ部分11aに軸受12を介して保持される伝
達軸13と、軸ハウジング11の先端側スリーブ部分1
1bから突出する先端部にスクリュータップ用ホルダH
を取外し可能に装着すると共に基端部を伝達軸13に設
けた軸孔13aにブッシュ14を介して回動可能でかつ
軸方向に摺動可能に嵌合した回転軸15を備えており、
この単軸ユニット10は、ヘッドカバー3Bの正面壁3
aに形成した軸ユニット装着孔3bに、軸ハウジング1
1の基端側スリーブ部分11aを嵌合して、中間フラン
ジ11cを挿通したボルト5(図2では省略)をヘッド
カバー3Bの正面壁3aにねじ込むことにより、ヘッド
本体2に対して取外し可能に装着してある。
【0028】また、単軸ユニット10における軸ハウジ
ング11の先端側スリーブ部分には、切換機構20が設
けてある。
【0029】この切換機構20は、回転軸15に回転自
在に嵌装されかつ軸ハウジング11の先端側スリーブ部
分11bに軸受16を介して支持される伝達軸13の先
端部と連結して駆動力伝達機構40を介して伝えられる
駆動力により正回転する第1傘歯車21と、回転軸15
の周囲に設けられて第1傘歯車21と噛合うピニオン2
2と、回転軸15に回転自在でかつ第1傘歯車21と対
向して設けられてピニオン22と噛合って逆回転する第
2傘歯車23と、回転軸15に設けた凹部15aに保持
されたボール(係合体)24と、上記したように軸方向
に摺動可能とした回転軸15に図2右方向の力を付与す
るコイルばね25を具備している。
【0030】この場合、第1傘歯車21および第2傘歯
車23の各々の内周面には、第1スプライン(第1係合
部)21aおよび第2スプライン(第2係合部)23a
がそれぞれ設けてあって、スクリュータップ送り時(ね
じたて時)、すなわち、図3(a)に示すように、回転
軸15に右方向の力が加わっている状態では、第1傘歯
車21の第1スプライン21aと回転軸15の凹部15
aに保持されたボール24とが係合し、一方、ねじを形
成したワークの下孔からのスクリュータップ戻し時、す
なわち、図3(c)に示すように、回転軸15に左方向
の力が加わった状態では、第2傘歯車23の第2スプラ
イン23aと回転軸15とともに左方向に移動したボー
ル24とが係合するようになっている。そして、第1ス
プライン21aおよび第2スプライン23aの互いに隣
接する部分には、ボール24を逃がす切欠21b,23
bが設けてあり、図3(b)に示すように、回転の切換
時に瞬間的に回転軸15を停止させるようになってい
る。
【0031】多軸ユニット30は、図示しない2つの軸
挿通孔を有する軸ハウジング31を具備しており、この
軸ハウジング31には、上記単軸ユニット10が具備す
る伝達軸13,回転軸15および切換機構20と同じ構
成の伝達軸33,回転軸および切換機構が2組ずつ設け
てあって、この多軸ユニット30は、単軸ユニット10
と同様に、ヘッドカバー3Bの正面壁3aに形成した軸
ユニット装着孔3cに、軸ハウジング31の基端側スリ
ーブ部分31aを嵌合して、中間フランジ31cを挿通
した図示しないボルトをヘッドカバー3Bの正面壁3a
にねじ込むことにより、ヘッド本体2に対して取外し可
能に装着してある。
【0032】上記単軸ユニット10における伝達軸13
および回転軸15の各軸心には流路17が連続して設け
てあり、一方、多軸ユニット30における2組の伝達軸
33および回転軸の各軸心にも流路37,38がそれぞ
れ連続して設けてあって、連通孔付ロータリージョイン
ト61を介して単軸ユニット10および多軸ユニット3
0の各伝達軸13,33と切削油供給部60とそれぞれ
連通させることにより、各流路17,37,38を通し
て切削油供給部60からスクリュータップ用ホルダH側
へ直接切削油を供給するようにしている。
【0033】歯車駆動機構40は、カップリング4を端
部に装着しかつヘッド本体2に軸ホルダ5および軸受6
を介して支持される入力軸41に伝達歯車42を固定
し、この伝達歯車42の図示上方に、第1中間軸43に
固定した第1アイドル歯車44と、図1上から2番目の
単軸ユニット10の伝達軸13に固定した出力歯車45
と、第2中間軸46に固定した第2アイドル歯車47
と、図1最上部の単軸ユニット10の伝達軸13に固定
した出力歯車48とを同一平面に配置して順次噛合わせ
ると共に、伝達歯車42の図示下方に、図示しない第3
中間軸に固定した第3アイドル歯車49と、単軸ユニッ
ト10の伝達軸13に固定した出力歯車51と、第4中
間軸52に固定した第4アイドル歯車53と、多軸ユニ
ット30の伝達軸33,33に固定した出力歯車54,
54とを同じく同一平面に配置して順次噛合わせた構成
をなしている。
【0034】この多軸ヘッド1では、まず、多軸ヘッド
1全体を早送りして、スクリュータップ用ホルダHに装
着したスクリュータップSTを図外のワークに形成した
下孔近傍に接近させる。
【0035】次いで、所定の送り速度で、スクリュータ
ップSTを下孔に送り込み、ねじたてを行う。この際、
単軸ユニット10(あるいは多軸ユニット30)では、
図3(a)に示すように、回転軸15に右方向の力が加
わっており、回転軸15の凹部15aに保持された切換
機構20のボール24が第1傘歯車21の第1スプライ
ン21aと係合しているので、回転軸15の正方向の回
転が維持される。
【0036】次に、スクリュータップSTを下孔に所定
量だけ送り込んだ後、直ちに多軸ヘッド1全体を後退さ
せると、単軸ユニット10(あるいは多軸ユニット3
0)において、回転軸15に図3左方向の力が加わり、
図3(c)に示すように、切換機構20のボール24が
回転軸15とともに軸方向(図3左方向)に移動して第
2傘歯車23の第2スプライン23aと係合するので、
回転軸15は逆方向に回転することとなる。
【0037】この間、図3(b)に示すように、回転軸
15とともに軸方向に移動したボール24は、第2スプ
ライン23aと係合する直前に第1スプライン21aお
よび第2スプライン23aの互いに隣接する切欠21
b,23bの間に嵌まり込むので、回転切換がスムーズ
に行われることとなる。
【0038】そして、スクリュータップSTをねじたて
の完了した下孔から離間させると、切換機構20のコイ
ルばね25からの引っ張り力により、単軸ユニット10
(あるいは多軸ユニット30)の回転軸15は図3右方
向に移動し、切換機構20のボール24が第1傘歯車2
1の第1スプライン21aと再び係合するので、回転軸
15は正方向に回転することとなる。
【0039】なお、このタップ加工の間、複数の単軸ユ
ニット10および多軸ユニット30において、各々の回
転軸15は同時に回転方向が切換るので、複数の下孔個
々のねじピッチの違いには、歯車駆動機構40の歯車の
適宜入れ替えにより対処し、複数の下孔個々の深さの違
いには、各回転軸15に装着されるスクリュータップ用
ホルダHからのスクリュータップSTの突き出し量を変
えることにより対処する。
【0040】したがって、この多軸ヘッド1において、
ねじを形成したワークの下孔からスクリュータップST
を戻す際には、上記したように、単軸ユニット10およ
び多軸ユニット30の個々に設けた切換機構20によ
り、軸ユニット10、30の各回転軸15の回転方向が
スクリュータップ送り時とは反対方向に切換わるため、
図4のグラフに示すように、このタップ加工の間に駆動
ユニットPUにおける出力軸P1の減速,停止,再加速
を行う必要がなくなり、その結果、タップ加工時間の短
縮化が図られることとなる。
【0041】とくに、軸数が多く回転系全体の負荷慣性
(GD)が大きい場合であったとしても、この負荷慣
性(GD)の大きさが各回転軸の回転方向の切換えに
ほとんど影響しないので、軸数が少ない場合と同様にタ
ップ加工時間の短縮化が図られることとなる。
【0042】また、この多軸ヘッド1では、ワークに対
してドリル加工を施して下孔を形成する場合、上記多軸
ヘッド1のヘッド本体2を転用すればよいので、ドリル
加工に合わせた多軸ヘッドをその都度設計製作する必要
がなく、その分だけ、設計製作時間の短縮および設計製
作コストの低減が図られることとなる。
【0043】さらに、この多軸ヘッド1において、単軸
ユニット10,多軸ユニット30や歯車駆動機構40な
どの部品に不具合が生じた場合やサイクルタイム変更時
の切削条件に変更が生じた場合には、単軸ユニット10
および多軸ユニット30を一旦ヘッド本体2から取り外
してこれらの軸ユニット10,30と歯車駆動機構40
とを別けて、修理・調整作業あるいは改造作業がなされ
るため、修理・調整時間や改造時間が大幅に短縮される
と共に保守管理コストや改造コストが低減することとな
り、とくに、この多軸ヘッド1では、歯車駆動機構40
の伝達歯車42,第1アイドル歯車44,出力歯車4
5,第2アイドル歯車47,出力歯車48,第3アイド
ル歯車49,出力歯車51,第4アイドル歯車53,出
力歯車54,54を同一平面に配置しているので、軸ユ
ニット10,30をヘッド本体2から取り外す作業が極
めて簡単なものとなり、その結果、修理・調整時間や改
造時間の短縮および保守管理コストや改造コストのより
一層の低減が実現する。
【0044】さらにまた、この多軸ヘッド1において、
多軸ユニット30に2組の回転軸を設けた構成としてい
るので、回転軸の軸配置の自由度が拡がることとなっ
て、例えば、自動車用エンジンにおけるシリンダブロッ
クの複数箇所にタップ加工を施すに際して、小さいピッ
チでのタップ加工が可能になるのに加えて、単軸ユニッ
ト10を複数組採用する場合と比較して、部品点数の大
幅な増加を抑えることができるため、コストの低減が図
られることとなる。
【0045】さらにまた、この多軸ヘッド1では、切削
油供給部60から軸ユニット10,30の各流路17,
37,38を通してスクリュータップ用ホルダH側に直
接切削油が供給されるので、ねじ精度が向上すると共
に、スクリュータップSTの寿命が延びることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる多軸ヘッドの一実施例を示す断
面説明図である。
【図2】図1に示した多軸ヘッドにおける軸ユニットの
切換機構の拡大断面説明図である。
【図3】図2に示した切換機構の動作説明図(a),
(b),(c)である。
【図4】図1の多軸ヘッドを用いてタップ加工を行う際
における駆動ユニットの出力軸の回転数と加工時間の関
係を表すグラフである。
【図5】従来の多軸ヘッドを示す断面説明図である。
【図6】図5の多軸ヘッドを用いてタップ加工を行う際
における駆動ユニットの出力軸の回転数と加工時間の関
係を表すグラフである。
【符号の説明】
1 多軸ヘッド 2 ヘッド本体 10 単軸ユニット 15 回転軸 15a 凹部(切換機構) 17,37,38 流路 20 切換機構 21 第1傘歯車(切換機構) 22 ピニオン(切換機構) 23 第2傘歯車(切換機構) 21a 第1スプライン(第1係合部;切換機構) 23a 第2スプライン(第2係合部;切換機構) 24 ボール(係合体;切換機構) 30 多軸ユニット 40 歯車駆動機構(駆動力伝達機構) 60 切削油供給部 H スクリュータップ用ホルダ P1 出力軸 PU 駆動ユニット ST スクリュータップ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動ユニットの出力軸と接続・離間可能
    な駆動力伝達機構と、スクリュータップ用ホルダを着脱
    可能でかつ前記駆動力伝達機構を介して伝えられる駆動
    力により回転する回転軸を具備した複数の軸ユニットを
    備え、前記複数の軸ユニットの各回転軸と駆動力伝達機
    構とをそれぞれ離間可能に接続すると共に、前記駆動力
    伝達機構を収納するヘッド本体に複数の軸ユニットをそ
    れぞれ取外し可能に装着し、前記複数の軸ユニットに
    は、各々の回転軸の回転方向を切換える切換機構をそれ
    ぞれ設けたことを特徴とする多軸ヘッド。
  2. 【請求項2】 駆動ユニットの出力軸と接続・離間可能
    な駆動力伝達機構と、スクリュータップ用ホルダを着脱
    可能でかつ前記駆動力伝達機構を介して伝えられる駆動
    力により回転する回転軸を具備した複数の軸ユニットを
    備え、前記複数の軸ユニットの各回転軸と駆動力伝達機
    構とをそれぞれ離間可能に接続すると共に、前記駆動力
    伝達機構を収納するヘッド本体に複数の軸ユニットをそ
    れぞれ取外し可能に装着し、前記複数の軸ユニットに
    は、ねじを形成したワークの下孔からスクリュータップ
    を戻す際に各々の回転軸をスクリュータップ送り時とは
    反対方向に回転させる切換機構をそれぞれ設けたことを
    特徴とする多軸ヘッド。
  3. 【請求項3】 回転軸を軸方向に移動可能とし、切換機
    構は、前記回転軸に回転自在に嵌装されて駆動力伝達機
    構を介して伝えられる駆動力により正回転する第1傘歯
    車と、前記回転軸の周囲に設けられて前記第1傘歯車と
    噛合うピニオンと、前記回転軸に回転自在でかつ第1傘
    歯車と対向して設けられ前記ピニオンと噛合って逆回転
    する第2傘歯車と、前記回転軸に設けた凹部に保持され
    てスクリュータップ送り状態において前記第1傘歯車に
    設けた第1係合部と係合しかつスクリュータップ戻し状
    態において当該回転軸とともに軸方向に移動して第2傘
    歯車に設けた第2係合部と係合する係合体を具備してい
    る請求項1または2に記載の多軸ヘッド。
  4. 【請求項4】 駆動力伝達機構を歯車駆動機構とし、前
    記歯車駆動機構の互いに噛み合う歯車を同一平面に配置
    した請求項1ないし3のいずれかに記載の多軸ヘッド。
  5. 【請求項5】 複数の軸ユニットのうちの少なくとも1
    個の軸ユニットは、スクリュータップ用ホルダを着脱可
    能でかつ駆動力伝達機構を介して伝えられる駆動力によ
    り回転する回転軸を複数具備している請求項1ないし4
    のいずれかに記載の多軸ヘッド。
  6. 【請求項6】 ヘッド本体に切削油供給部を設けると共
    に、軸ユニットに切削油供給部とスクリュータップ用ホ
    ルダ側とを連通する流路を設けた請求項1ないし5のい
    ずれかに記載の多軸ヘッド。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100579700B1 (ko) * 2004-10-22 2006-05-15 주식회사 아트라스비엑스 납축전지 케이스 성형용 금형
KR20200099518A (ko) * 2017-12-22 2020-08-24 시티즌 도케이 가부시키가이샤 공구보유장치 및 공작기계
TWI834618B (zh) 2017-12-22 2024-03-11 日商西鐵城時計股份有限公司 工具保持裝置及工作機械

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JPWO2019123699A1 (ja) * 2017-12-22 2020-12-10 シチズン時計株式会社 工具保持装置及び工作機械
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