JPH09225702A - 自動旋盤用ガイドブッシュ - Google Patents

自動旋盤用ガイドブッシュ

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JPH09225702A
JPH09225702A JP3044796A JP3044796A JPH09225702A JP H09225702 A JPH09225702 A JP H09225702A JP 3044796 A JP3044796 A JP 3044796A JP 3044796 A JP3044796 A JP 3044796A JP H09225702 A JPH09225702 A JP H09225702A
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JP
Japan
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guide bush
guide
sleeve
cutting
force
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JP3044796A
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English (en)
Inventor
Ken Tajima
愃 田島
Toshio Ikeda
敏夫 池田
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Tsugami Corp
Original Assignee
Tsugami Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のガイドブッシュを用いた装置では、良
い加工精度が得難いということとガイドブッシュの寿命
が短いという課題があった。 【解決手段】 摺割で分割されたガイドブッシュ口径の
各切片を相互に固定する固定手段を設けて、各切片の独
自の移動を阻止したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動旋盤の被加
工素材のガイドに関する技術分野、詳細には、細長丸棒
素材を高精度に旋削する自動旋盤に使用されるガイドブ
ッシュの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動旋盤で細長丸棒素材(以
下、単に「素材」という。)を高精度に旋削する際に
は、切削加工中において素材が切削抵抗によって曲がる
のを防止するためにガイド部が設けられており、ガイド
部として通常、ガイドブッシュが使用されている。図4
は従来から使用されているガイド部の構成を示した図で
ある。以下、図4について説明する。
【0003】図4において、主軸2は主軸台1に回転自
在に設けられており、主軸台1は図示されていない旋盤
本体に、図の左右方向に自在に移動可能に設けられてい
る。主軸2の左端部には素材Wを把持するためのコレッ
トチャック3が取付けられている。コレットチャック3
と距離を置いて加工中の素材の曲がりを防止するための
ガイド部10が設けられている。
【0004】図4のガイド部10は矢印X−Xから見た
断面図である。旋盤本体に固定して設けられた支持台1
1にハウジング12が取外し可能に設けられており、ハ
ウジング12は固定ナット13により支持台11に固定
されている。ハウジング12の内側にはベアリング1
4、14が装着されており、ベアリング14の内側リン
グはスリーブ15に固定されている。スリーブ15の内
側には、さらに、ガイドブッシュスリーブ16が固設さ
れている。スリーブ15は図示されていない回転駆動手
段によって、主軸2と同期して(同方向、同速度で)回
転駆動される。ガイドブッシュスリーブ16の内側左先
端部は、僅かな勾配で拡がっている。
【0005】ガイドブッシュ17は薄肉の略円筒状をな
しているが、左部分に細長いスリット状の摺割18、1
8、18が設けられている。従って、ガイドブッシュ1
7の左部分は3つの切片17a、17b、17cからな
る。各切片17a、17b、17cの外側左端部には、
左先端部に向かって外径が大きくなるように勾配が設け
られている。ガイドブッシュ17の右端部外側には雄ね
じが切られている。この雄ねじは調整ナット20の内側
に切られた雌ねじと螺合するように切られている。調整
ナット20の外側には突起部が設けられており、この突
起部の径はガイドブッシュスリーブ16の左端の内径よ
りも大きく、螺合させたときにガイドブッシュスリーブ
16の右端面と圧接して停止するようになっている。
【0006】この従来装置は上記したように構成されて
おり、以下のように機能する。即ち、まず、切削加工す
る素材Wをコレットチャック3によって固定する。次
に、素材Wの径に合わせて、ガイドブッシュ17を適宜
に選択し、ガイドブッシュスリーブ16の内部に挿入す
る。次に、調整ナット20をガイドブッシュ17に設け
られた雄ねじ部に螺合させて締め付ける。調整ナット2
0を締め付けるに従って、ガイドブッシュ17が右方向
に引っ張られ、ガイドブッシュの各切片17a、17
b、17cが内側に撓み、ガイドブッシュの内径が小さ
くなる。ガイドブッシュ17の先端部分の最小内径と素
材Wの隙間は、素材Wが左方向に送り移動できる程度の
僅かな間隙を残して、調整ナット20を締め付け調整す
る。
【0007】ガイドブッシュ17を調整した後、スリー
ブ15と主軸2を同期させて回転駆動する。即ち、素材
Wとガイドブッシュ17との相対回転速度をゼロにし
て、両者間に回転方向の滑りが生じないようにして回転
駆動する。この状態で、バイト(切削刃)21をガイド
ブッシュ17の左端近くで、(図の上方に)前進させな
がら素材Wを切削加工する。バイト21の切削力により
素材Wは後方(図の上方)に撓むが、ガイドブッシュ1
7に突当たり撓みが阻止される。
【0008】しかし、素材Wがバイトの切削力によりガ
イドブッシュ17に突き当たると、ガイドブッシュ17
の摺割で分割された切片17a、17b、17cの個々
が単独移動し、良い加工精度が得られない。また、ガイ
ドブッシュ17に種々様々な傷が生じていることが発見
されている。図5は傷の種類と状態を示したものであ
る。傷31は切粉圧塊による傷で、傷32はスリーブ接
触跡による傷で、傷33はスリーブ内側角による傷で、
傷34は素材接触跡による傷である。これらの傷の発生
原因については後述するが、これらの傷は加工精度を劣
化させると共にガイドブッシュの寿命を短くする。
【0009】また、被加工素材Wから図13(A)に示
すような製品、即ち、先端部a、小径部bと後端部cか
らなり、その小径部bに溝b1を設けた形状の製品を切
削加工する場合、加工は以下のようにして行われる。図
4に示すように、コレットチャック3に素材Wを把持
し、ガイドブッシュ17をガイドブッシュスリーブ16
内に挿入して調整ナット20を調整する。次に、図13
(B)に示すように、素材Wを図の左方へ送りながら、
まず先端部aを加工し、次にバイト21を更に切込ん
で、小径部bを加工する。次いでバイト21を後方へ戻
して、後端部cを加工する(図の1点鎖線)。その後
で、溝b1を加工するために、主軸台1を(右方へ)後
退させて、素材Wを引き戻す(図の実線)。素材Wを再
び図の矢印方向に前進させながら、バイト21(フライ
スカッタ)で溝b1を加工する。しかし、素材Wは先端
部a、小径部b、後端部cが加工されており、直径が小
さくなっているのでガイドブッシュ17で支持すること
ができず、素材Wの自重によって撓み、ガイドブッシュ
17との芯違いが生じる。従って、図に示すように、素
材Wの前進中に素材Wの段部分とガイドブッシュ17の
内部の段部が干渉して素材Wを円滑に前進させることが
困難で、この様な製品の加工は上記の方法では困難であ
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来のガイドブッシュを用いた装置では良い加工精度が
得難いということと、ガイドブッシュの寿命が短いとい
う課題があった。また、素材を引き戻して再度前進させ
る工程を伴う段差付きの製品の切削加工は困難であると
いう課題があった。これらの課題を解決するため、発明
者はこの課題、特に前者の課題の生じる原因について検
討した結果、以下のような知見を得た。
【0011】
【課題の生じた原因】以下、課題の生じた原因について
の詳細な検討結果について説明する。ガイドブッシュ1
7の口径寸法は、素材Wの称呼寸法(呼び径)で選択さ
れる。素材Wの径寸法公差は、研磨材では約「−10ミ
クロン」で、引抜材では約「−30ミクロン」である。
また、ガイドブッシュの口径公差は略「+10ミクロ
ン」である。従って、素材Wとガイドブッシュとの寸法
公差は略「20ミクロン(研磨材の場合)」または略
「40ミクロン(引抜材の場合)」である。図6
(A)、(B)はガイドブッシュ調整前の関係を示して
いる。なお、図6(A)は特徴を明らかにするため、図
6(B)の寸法と異なった寸法で描いてある。また、図
7、図9についても同様で異なった寸法で描いてある。
図6(A)において、直径Aは素材Wの加工前の直径で
あり、直径Bはガイドブッシュの内径である。図6
(A)、(B)から明らかなように、調整前は素材Wと
がガイドブッシュ17の間には一様な隙間が一定のスパ
ンにわたって生じている。
【0012】図7(A)、(B)はガイドブッシュ調整
後の関係を示す。図7(A)において、切片17a、1
7b、17cは各切片の中央において素材Wに接触し、
両側は開いた状態になる。また、図7(B)で示される
ように、その接触は口径先端部において接触し、内側で
は接触していない。即ち、調整後の接触は面接触ではな
く、点接触で素材Wとガイドブッシュ17が接触してい
ることになる。切片17a、17b、17cがこの様に
偏平に変形する理由については次のように考えられる。
即ち、各切片は、断面が弓状に曲がった薄肉板を片持梁
で支持し、ガイドブッシュスリーブ16による半径方向
の荷重pが半円周線L上に一様に分布した梁と考えるこ
とができる(図8参照)。荷重pはガイドブッシュスリ
ーブ16とガイドブッシュ17の接触圧力である。
【0013】この片持梁のz軸方向の撓みuを理論的に
求めるためには2階連立偏微分方程式を解かねばならな
いが、直感的には以下のように説明できる。各切片に作
用する分布荷重を3つの分布荷重F1、F2、F3に分
解する。まず縦方向荷重F1による撓みu1を考える。
撓みu1はy軸(x=0)の終端点Qで最大となる。何
故ならば、薄板の撓みは板の曲げ剛性(曲げこわさ)D
に反比例し、固定端Oからの距離yの2乗に比例する。
また、曲げ剛性Dは板の厚さhの3乗に比例する。x=
x1における板厚h1はx=0における板厚h0よりも
厚い。従って、撓みu1はy軸上の終端点Qで(x=0
の点で)最大となる。一方、分布荷重F2(または、F
3)によるz軸方向の撓みu2はu1に比べて小さい。
従って、梁の撓みu=u1+u2は点Qで最大となり、
図7(A)に示す形状となる。この場合、素材Wとガイ
ドブッシュの切片17a、17b、17cは、素材Wを
図の左方向に送り移動可能な接触圧力で各切片の中央で
点接触をしている。
【0014】図9(A)、(B)、(C)は傷31、3
2の発生原因について説明した図である。図(A)は切
削力が作用していない状態の図で、図(B)は切削力が
作用している状態で、図(C)は切削力が作用している
状態の図7(B)に示す矢印T−Tから見た断面図であ
る。素材Wをバイト21で切削加工するために、図9
(A)において、素材Wとスリーブ15を同期させて、
反時計方向に回転させる。図9(A)は、摺割18aが
バイト21と反対側の位置にある状態を示している。こ
の状態でバイト21を素材Wに切り込む。また、切削力
が上向きに生じるので、素材Wは左斜め下向きに押圧さ
れる。この押圧力のため、素材Wは切片17b、17c
及び素材Wで構成される隙間s1に入り込もうとする。
この結果、摺割18aを挟む切片17bの先端は図の下
方に移動し、17cの先端は図の上方に移動し、切片1
7b、17cの反対側先端は各々上方、下方に移動す
る。また、切片17aは左側に移動する。素材Wには左
斜め下の力が作用するため、切片17c、17aと素材
Wとで構成される隙間s2はより大きくなる。また、隙
間s2は回転方向に開いている。切削で発生した大小の
切粉の一部が、隙間s2、摺割18bを通って素材Wの
送り方向と反対方向に侵入し、図(C)の矢印が示すよ
うに、切片17aの外側テ−パ部とガイドブッシュスリ
ーブ16の内側との間に容易に侵入する。
【0015】ガイドブッシュ17の切片17a、17
b、17cとガイドブッシュスリーブ16との間の隙間
の大きさが回転によって変化し、侵入した切粉がガイド
ブッシュスリーブ16に押しつぶされて図5に示す多数
の微細な傷31を生じさせている。さらに、切片17
a、17b、17cはガイドブッシュスリーブ16と点
接触し、その接触点が素材Wの回転により連続的に移動
し、図5に示すような連続的なスリーブ接触跡の傷32
を生じさせることになる。
【0016】図10はバイト21の切削力Fの影響につ
いて説明した図である。図10において、バイト21に
よる切削力Fが素材Wに作用する。この結果、ガイドブ
ッシュ切片17cは点Aで素材Wから力FAを受け、点
Bでガイドブッシュスリーブ16に力FBを及ぼし、ガ
イドブッシュスリーブ16からFBによる反力FB'(図の
点線の力)を受ける。従って、切片17cには力FA
反力FB'による曲げモーメントMが生じ、前端部では開
こうとし、後端部では閉じようとするモ−メントが作用
する。また、反力FB'の水平方向分力FBX’によって切
片17cは前方(左側)に極少距離移動し、切片17c
のB点はガイドブッシュスリーブ16の方向(図の上
側)に移動し、素材Wも上側に移動する。切片17cの
後端部に作用する曲げモーメントMはガイドブッシュ1
7の胴体部17dを図の下方向に押下げ、胴体部17d
の外径下側面はガイドブッシュスリーブ16の内径面の
角Sと押圧接触し、反力FSを受ける。
【0017】図11は調整ナット20による調整力(右
方向軸心線上に生じる力)の影響について説明した図で
ある。ガイドブッシュ17全体が調整ナット20により
常に、後方(図の右方)に引張られているため、切片1
7b(17c)は調整力FQを受ける。切片17bの外
径テ−パ部はガイドブッシュスリーブ16の内径テ−パ
部に比べて勾配が大きいため、点Cでスリーブ16によ
る反力Fcを受け、この結果、曲げモーメントM’とD
点での押圧力FDが生じる。曲げモーメントM’により
切片17b、及び胴径部17dは時計方向に曲がろうと
し、ガイドブッシュスリーブ16の角Sで力FS'を受け
る。前記した角Sにおける力Fsと Fs'のため、図5
に示した傷33の一部ができる。素材Wとガイドブッシ
ュ等は回転しているため、略全周にわたって傷33がで
きる。
【0018】図12は傷34の発生原因を説明した図で
ある。前記した切削力F及びそれによって発生した曲げ
モーメントM、ならびに、力FD及び曲げモーメント
M’により、切片17c、17b及び素材Wは図の2点
鎖線のごとく撓んで変形し、また、ガイドブッシュのB
点、C点には上記したように反力FB’、力Fcが作用し
ている。この結果、図12の(E,E’)間及び(e,
e’)間の区間で素材Wとガイドブッシュ17の内側が
最も強く押圧接触する。この結果、図5で示した広がり
をもった素材接触跡の傷34が発生する。
【0019】
【課題を解決するための手段】以上に述べた理由により
前記した課題が生じていることが解った。そこで、前記
課題を解決するために、上記の知見に基づき以下の解決
手段を採用した。請求項1記載の自動旋盤用ガイドブッ
シュは、ガイドブッシュ口径を摺割で分割された各切片
を固定する固定手段を設けたことを特徴としている。各
切片は相互に固定されると、何れの切片も単独の動きを
することができない。従って、固定手段により固定され
た後は、各切片は全体としてリングとして挙動するた
め、各切片の独立な撓みや移動が阻止される。
【0020】請求項2に記載の自動旋盤用ガイドブッシ
ュは、前記固定手段として、各切片間の摺割の開放端部
に雌ねじを設け、前記摺割の間隔を拡大する摺割間隔拡
大部を具備した、該雌ねじと螺合する固定ねじを設けた
ことを特徴としている。ガイドブッシュは、該ガイドブ
ッシュと接触するガイドブッシュスリ−ブによって各切
片は、内側方向に撓まされ、一方、固定ねじによって摺
割間隔が広がるように力を受けるため、ガイドブッシュ
の各切片は相互に固定されると共に前記スリーブに固定
される。
【0021】請求項3記載のガイドブッシュは、前記ガ
イドブッシュに、さらにガイドブッシュ本体の全長にわ
たって素材をガイドするガイド手段を設けたことを特徴
としている。素材がガイドブッシュの1点ではなく、全
長にわたってガイドされ、撓みを阻止するため、バイト
等による横から切削力に対して素材の撓みは小さくな
る。従って上記した傷の発生原因も緩和される。また、
ガイドブッシュの口径端で素材をガイドしていなくて
も、全長にわたってガイドしているため、製品の長さが
ガイドの範囲内にあれば素材に小径部を含む切削加工を
した後でも、素材を引き戻したり、前進させたりする素
材の移動が円滑に行える。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。 <実施形態 1>図1に本願発明の実施形態1の構成を
示す。図1(A)は正面図、図1(B)は側面図、図1
(C)はY−Y’から見た側面断面図である。図1
(D)はガイドブッシュ本体の固定部分の部分拡大図で
矢印S−Sから見た断面図を示す。図1(A)〜(D)
において、ガイドブッシュ101の左端部には3つのス
リット状の摺割102、102、102が設けられてい
る。各摺割102に丸穴107が設けられており、丸穴
107の奥に固定ネジ103と螺合する雌ねじ104が
切られている。雌ねじ104は、ガイドブッシュ本体1
01の左端部がガイドブッシュスリーブによって締め付
けられ、調整された状態で切られている。なお、固定ネ
ジと螺合する雌ねじのねじ切りは調整しない状態で切っ
てもよい。何故ならば、摺割の幅は調整によって略(1
00分の2〜3)程度変化するが、3mmの固定ネジの
場合、公差は外径で0.067cm、有効径で0.04
8cmであり、問題は生じない。
【0023】また、固定ネジ103に傾斜部105が設
けられており、丸穴107に傾斜部106が設けられて
いる。固定ネジ103の傾斜部105の勾配は丸穴10
7の傾斜部106の勾配よりも大きく、固定ネジ103
を螺合させて深く挿入すると摺割102の間隔が開き、
切片101a、101b、101cで構成される外径が
大きくなる(図1(D)の矢印参照)。また、ガイドブ
ッシュ本体101の外側左端部には内径調整用の傾斜部
110が設けられている。ガイドブッシュ本体101の
右端部には調整ナット20(図4参照)と螺合する雄ね
じ111が切られている。
【0024】実施形態1は以上のように構成されてお
り、以下のように機能する。従来例のところで述べたご
とく素材Wをコレットチャック3で把持した後、ガイド
ブッシュ101を位置を合わせながら、ガイドブッシュ
スリーブ16の内部に挿入する。位置合わせは、図示さ
れていないガイドブッシュスリーブ16に設けられたピ
ンキーと図示されていないガイドブッシュ101に設け
られたキー溝を利用しても行ってもよい。ガイドブッシ
ュ101を挿入後、調整ナット20を螺合し、レンチ等
の工具で調整ナット20を締め込む。次に、雌ねじ10
4に固定ネジ103を取り付け、軽く止まる程度に締め
込む。
【0025】次に、図3に示すように、ガイドブッシュ
101の口径先端より距離h(約30mm)の点で素材
Wが止まる程度に、確認しながら調整ナット20を締め
る。この調整が終わったら、3個の固定ネジ103を順
番に少しづつ締め込み、素材Wが滑らかに貫通するまで
手加減しながら平均に締める。この調整により、素材W
が左方向に滑らかに送り移動できるようになると共に、
ガイドブッシュ101の各切片101a、101b、1
01cを相互に固定する。即ち、切片101a、101
b、101cは、ガイドブッシュスリーブ16によって
内側に撓まされ、半径方向内向きの力を受ける。同時
に、固定ネジ103を締め付けたことによって、各切片
は図1(A)及び(D)の矢印の方向に移動して、摺割
102の間隔が開き、各切片の外径テーパ部の直径が大
きくなる。この半径方向内向きの力と摺割を開く力によ
りガイドブッシュ101の各切片101a、101b、
101cは固定される。
【0026】上記のように、各切片が固定されているの
で、素材Wがバイト21による切削力Fを受けた場合、
素材Wは図9(A)に示す隙間S1の方に極微少量だけ
逃げるが、切片が固定されているため、図9(B)に示
すように、切片が移動して、切粉が切片の外径テ−パ部
とガイドブッシュスリ−ブ16との間の隙間に入り込む
ことはなくなる。また、切片が移動しないため、素材W
の撓み量も少なくなり、加工精度が良くなる。さらに、
各切片が相互に固定されているため、切片自体の撓みは
殆どゼロになり、従って、前述した傷31〜34は生じ
にくくなる。以上のように、実施形態1によれば、加工
精度が良くなり、前述した各種の傷が発生しにくくなる
ため、ガイドブッシュの寿命が長くなるという効果が得
られる。
【0027】<実施形態 2>図2は本願発明の実施形
態2を示す。図2(A)は正面図、図2(B)はY−
Y’から見た断面図である。図1で説明したと同じ構成
部分については同一の引用番号を付して説明を省略す
る。図2において、ガイドブッシュ本体121の内径は
右端部分ではD0で素材Wの径よりも僅かに大きい。内
側左端部分122の内径がD0からD1に緩やかに拡大
しており、調整ナットによって切片が締め付けられた状
態ではD0よりも僅かに小さくなるように構成されてい
る。従って、調整ナットで締め付けられた状態では素材
Wはガイドブッシュ121の口径端の手前の位置で止ま
る。さらに、固定ネジ103を締め込んだ状態で、素材
Wが滑らかに前進でき、かつ切片101a、101b、
101cが固定されるように構成されている。
【0028】実施形態2は上記のように構成されている
ので以下のように作用する。即ち、素材Wとガイドブッ
シュ121が取り付けられ、調整された後、固定ネジ1
03によって固定された段階で切削加工が行われる。切
削時において、素材Wはバイトの切削力を受けるが、素
材Wはガイドブッシュ121の全長にわたってガイドさ
れているため、素材Wの撓み量はさらに少なくなる。従
ってより精度の高い切削加工が可能となる。また、各切
片は固定されているので、前述したような傷も生じな
い。さらに、図2に示すように、素材Wをガイド全長に
わたって、ガイドしているため、製品の長さがガイドの
範囲内にあれば、素材Wに段差のような切削加工をした
後でも、素材Wを引戻し(後退)させたり、前進させた
りする素材の移動が容易に行える。
【0029】以上説明したように、実施形態2ではガイ
ドブッシュの全長にわたって、素材Wをガイドしている
ため、実施形態1と同様に撓み量が少なく、従って加工
精度も良くなるという効果がある。さらに、より複雑な
切削加工ができ、切削加工の範囲が広くなるという効果
がある。
【0030】以上、この発明の実施形態および実施例を
図面により詳細に説明してきたが、具体的な構成は以上
の説明又は例示されたものに限られるものではなく、こ
の発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても
この発明に含まれる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、各切片の独立の動きが固定手段によって固定さ
れるので、素材の逃げが少なくなると共に種々の傷の発
生が防止されるので加工の精度が良くなるという効果及
び傷が発生しにくく寿命が長くなるという効果がある。
請求項3の発明によれば、素材はガイドブッシュの全長
にわたってガイドされているため、切削力によって生じ
る応力は分散されて素材の逃げは更に小さくなり、加工
精度が更に良くなるという効果がある。さらに、ガイド
ブッシュ全長をガイド部としたことにより切削加工でき
るケースが広くなり、従ってより多様な対象物の加工が
可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の構成を示す。図(A)
は正面図、図(B)は側面図、図(C)はY−Y’から
見た側面断面図である。図(D)はS−Sから見たガイ
ドブッシュ本体の固定部分の部分拡大断面図である。
【図2】 本発明の実施形態2の構成を示す。図(A)
は正面図、図(B)はY−Y’から見た側面断面図であ
る。
【図3】 本発明の実施形態の調整方法を示した図であ
る。
【図4】 従来装置のガイド部を示した図である。
【図5】 従来装置で使用した場合のガイドブッシュに
生じた種々の傷跡を示した図である。
【図6】 ガイドブッシュ調整前の関係を示した図であ
る。(A)は正面図、(B)は断面側面図である。
【図7】 ガイドブッシュ調整後の関係を示した図であ
る。(A)は正面図、(B)は断面側面図である。
【図8】 切片の変形を説明した図である。
【図9】 傷31、32の発生理由を説明した図であ
る。(A)は切削前、(B)は切削加工時を示す。
(C)は図7のT−Tから見た断面図である。
【図10】 傷33の発生理由を説明した図である。
【図11】 傷33の発生理由を説明した図である。
【図12】 傷34の発生理由を説明した図である。
【図13】 (A)は段差付製品の例を示した図で、
(B)は段差付製品の加工順序を示した図である。
【符号の説明】
16 ガイドブッシュスリーブ 17、101、121、131 ガイドブッシュ 17a〜17c、101a〜101c ガイドブッシ
ュ切片 18、102 摺割 21 バイト(切削刃) 31〜34 ガイドブッシュに生じた傷 103 固定ネジ(固定手段) 104 雌ねじ 105、106 傾斜部(摺割間隔拡大部) 122 ガイド部(ガイド手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摺割で分割されたガイドブッシュ口径の
    各切片を固定する固定手段を設けたことを特徴とする自
    動旋盤用ガイドブッシュ。
  2. 【請求項2】 前記固定手段は、各切片間の摺割の開放
    端部に雌ねじを設け、前記摺割の間隔を拡大する摺割間
    隔拡大部を具備し、該雌ねじと螺合する固定ねじを設け
    たことを特徴とする請求項1に記載の自動旋盤用ガイド
    ブッシュ。
  3. 【請求項3】 前記ガイドブッシュに、さらに、ガイド
    ブッシュ本体の全長にわたって素材をガイドするガイド
    手段を設けたことを特徴とする請求項1または2のいず
    れか1項に記載の自動旋盤用ガイドブッシュ。
JP3044796A 1996-02-19 1996-02-19 自動旋盤用ガイドブッシュ Pending JPH09225702A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005095033A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-13 Citizen Watch Co., Ltd. 素材ガイド装置及び自動旋盤
JP2013158807A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Suguro Tekko:Kk 薄肉有底円筒金属部材の製造方法
JP2017170570A (ja) * 2016-03-24 2017-09-28 シチズン時計株式会社 ガイドブッシュ装置

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