JPH09225266A - 排気浄化装置 - Google Patents

排気浄化装置

Info

Publication number
JPH09225266A
JPH09225266A JP8041621A JP4162196A JPH09225266A JP H09225266 A JPH09225266 A JP H09225266A JP 8041621 A JP8041621 A JP 8041621A JP 4162196 A JP4162196 A JP 4162196A JP H09225266 A JPH09225266 A JP H09225266A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
cerium oxide
exhaust gas
oxygen
monolith
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8041621A
Other languages
English (en)
Inventor
登志広 ▲高▼田
Toshihiro Takada
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP8041621A priority Critical patent/JPH09225266A/ja
Publication of JPH09225266A publication Critical patent/JPH09225266A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より小さなA/Fの変動においても十分酸素
を吸蔵することができる排気浄化装置を提供する。 【解決手段】 排気ガス中のA/Fの小さな、排気ガス
の流れ方向の下流側において使用する触媒に、酸化セリ
ウムと酸化ジルコニウムの固溶体を添加する、添加する
酸化セリウムの粒径を上流側よりも小さくする、又は酸
化セリウムを触媒金属と近接して配置させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排気浄化装置に関す
る。より詳細には、本発明は1又は2以上のモノリス触
媒を装着した排気浄化装置であって、A/Fの変動の小
さな排気ガスの流れ方向の下流側においても高い酸素吸
蔵放出能を示す排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、排気浄化装置に用いられている排
気浄化触媒としてはモノリス触媒が知られている。これ
は、排気ガスの流れ方向に多数の貫通孔が形成されてい
る担体基材の前記貫通孔の表面にコーティングを施し、
このコーティング層に触媒作用を有する金属を担持させ
たものである。この触媒金属としては一般に白金、パラ
ジウム、ロジウム等が用いられている。
【0003】これらの触媒金属は、COとHCの酸化反
応と、NOx の還元反応を同時に行う機能を有し、一般
には3元触媒として知られている。この3元触媒におい
て、CO、HC及びNOx の3成分ともに高い浄化率を
達成するためには各ガス成分のバランスがとれているこ
とが重要である。このガス成分のバランスはエンジンに
供給するガソリンと空気の混合比率、すなわち空燃比に
支配されており、空燃比ウインドゥと呼ばれる理論空燃
比付近のせまい範囲において3成分が同時に除去され
る。
【0004】しかしながら、実際の内燃機関等からの排
気ガスは酸素濃度が変動しており、空燃比を常に一定に
保持することは困難である。このため、助触媒として酸
素吸蔵能を有する酸化セリウムを添加することが提案さ
れている。酸化セリウムは下式に示すように、その結晶
構造を変えることなく酸素の貯蔵・放出を行う酸化物で
ある。
【化1】
【0005】この酸化セリウムの変化は、排気ガス中の
酸素濃度の変動に伴っておこり、排気ガス中の酸素が過
剰な状態では酸素を吸蔵し、一方排気ガス中の酸素濃度
が低下すると酸素を放出する、その結果、排気ガス中の
空燃比が変動し、酸素の過不足が生じても、酸化セリウ
ムの作用によって酸素濃度の変動が緩衝され、3元触媒
のウインドゥが広がることになる。
【0006】上記のように、このような酸化セリウムを
助触媒として使用することは従来より知られており、ま
た酸化セリウムを使用する場合の問題点、例えば酸化セ
リウムのシンタリング、触媒金属の担持率の低下に伴う
性能低下等を解決するため様々な方法が提案されてい
る。例えば、特開平3−196841号公報では、酸化
セリウムを高濃度で用いると暖機性能が低下し、エンジ
ン始動時における浄化性能が低下するという問題を解決
するため、モノリス触媒に担持させる酸化セリウムの濃
度を、この触媒にガスが流入する上流側と下流側とで変
化させ、下流側に多く担持させるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】排気浄化装置に排気ガ
スが流入すると、触媒の排気ガスの流れの上流側におい
てこの排気ガスが浄化され、この浄化された排気ガスが
触媒の下流側に流れる。この上流側で浄化された排気ガ
スはA/Fの変動幅が小さく、かつ排気ガス成分の濃度
が低くなっている。特に、複数のモノリス触媒を排気ガ
スの流れ方向に配置した排気浄化装置においては、下流
側の触媒に流入する排気ガスの温度が低く、可燃成分が
上流部において反応しているため触媒反応熱が十分に得
られない。
【0008】酸化セリウムの酸素吸蔵能は、流入する排
気ガスのA/Fの変動幅が大きく、かつ排気ガス成分の
濃度が高い条件において十分発揮される。すなわち、酸
化セリウムの酸素の吸蔵・放出は排気ガスの濃度差によ
って発揮される。従って、上記のように、下流側の触媒
では条件が十分ではなく、酸化セリウムを添加していて
も、十分な酸素吸蔵能を発揮することができない。その
結果、特にNOx の浄化能が低下するという問題があ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに1番目の発明によれば、排気ガスの流れ方向に形成
された多数の貫通孔を有するモノリス触媒担体、前記担
体の前記貫通孔表面上に形成された触媒担持層、及び前
記触媒担持層上に担持される触媒金属を具備するモノリ
ス触媒を1又は2以上装着した排気浄化装置において、
前記排気浄化装置の排気ガス流れ方向の少なくとも下流
側において前記モノリス触媒に酸化セリウムと酸化ジル
コニウムの固溶体が担持されている。
【0010】また、2番目の発明では、排気ガスの流れ
方向に形成された多数の貫通孔を有するモノリス触媒担
体、前記担体の前記貫通孔表面上に形成された触媒担持
層、及び前記触媒担持層上に担持される触媒金属を具備
するモノリス触媒を1又は2以上装着した排気浄化装置
において、前記排気浄化装置の排気ガス流れ方向の少な
くとも下流側において前記モノリス触媒に添加されてい
る酸化セリウムの粒径が、上流側の酸化セリウムの粒径
よりも小さくされている。
【0011】また、3番目の発明では、排気ガスの流れ
方向に形成された多数の貫通孔を有するモノリス触媒担
体、前記担体の前記貫通孔表面上に形成された触媒担持
層、及び前記触媒担持層上に担持される触媒金属を具備
するモノリス触媒を1又は2以上装着した排気浄化装置
において、前記触媒金属に酸化セリウムが添加されてお
り、前記排気浄化装置の排気ガス流れ方向の下流側にお
いて、前記モノリス触媒に添加されている酸化セリウム
が上流側よりも触媒金属と近接して配置されている。
【0012】1番目の発明では、酸化セリウムに酸化ジ
ルコニウムを固溶させることにより安定なCeO2 構造
を維持することができる。その結果、リッチ雰囲気下に
おいて酸素を放出しCe4+がCe3+に還元され酸素欠陥
ができても結晶構造の歪みを小さくすることができ、結
晶内における酸素拡散が速くなる。従って、酸素濃度の
小さな変動にも対応することができる。
【0013】2番目の発明では、触媒金属に添加した酸
化セリウムの粒径を、排気ガスの流れ方向の上流側より
も下流側において小さくすることにより、触媒中の酸化
セリウムの実表面積が大きくなり、その結果酸化セリウ
ムの酸素吸蔵量が大きくなる。
【0014】3番目の発明では、排気ガスの流れ方向の
上流側よりも下流側において、酸化セリウムと触媒金属
をより近接に配置することにより、触媒金属に吸着した
酸素が酸素により吸蔵されやすくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の排気浄化装置は、排気ガ
スの流れ方向に複数個のモノリス触媒をいわゆる直列に
配置した構成であり、この複数のモノリス触媒は各々コ
ンバータに装着されていてもよく、又は1つのコンバー
タ内に複数のモノリス触媒を装着したものであってもよ
い。また、使用するモノリス触媒は1つのみであっても
よい。
【0016】このモノリス触媒は通常の方法によって製
造される。すなわち、柱状をなし、排気ガスの流れ方向
に形成された多数の貫通孔を有するモノリス触媒担体に
触媒担持層を形成し、この担持層上に触媒金属を担持さ
せる。このモノリス触媒担体は従来より使用されている
材質・形状を有するものであってよい。触媒担体の材質
としては、各種のものを使用することができ、例えばコ
ージェライト、ムライト、アルミナ、マグネシア、スピ
ネル等、又はステンレスのような金属が例示される。こ
の触媒担体上に、触媒金属を分散保持するために設けら
れる触媒担持層も従来より用いられているものであって
よく、活性アルミナ、多孔質セラミックス等を用い、ウ
ォッシュコート法により形成される。そして最後に触媒
金属、例えば白金、ロジウム、パラジウム、イリジウ
ム、ルテニウム、オスミウム等を単独でもしくは複数種
混合して用い、常法により担持させる。すなわち、各種
金属を含む化合物、例えばジニトロジアンミン白金、塩
化ロジウム、硝酸パラジウム等の水溶液を用い、これら
の溶液中にモノリス担体の担持層を浸漬し、乾燥し、焼
成する。
【0017】本発明は、こうして形成されるモノリス触
媒に、助触媒として酸化セリウムと酸化ジルコニウムの
固溶体をさらに添加することを特徴とする。この酸化セ
リウムと酸化ジルコニウムの固溶体とは、酸化セリウム
の結晶構造中のセリウム原子を、酸化セリウムの結晶構
造を変化させることなくジルコニウム原子で置換したも
のである。酸化セリウム(CeO2)と酸化ジルコニウム
(ZrO2)は共にホタル石型の結晶構造を有し、酸化数
も等しいため、容易に固溶体を形成する。具体的には、
酸化セリウムにジルコニウムの塩の水溶液を吸収させ、
加熱した後焼成することにより酸化セリウムと酸化ジル
コニウムの固溶体が得られる。
【0018】酸化セリウムは、上記の式に示すように、
排気ガスが酸素不足、すなわちリッチ雰囲気になると酸
素を放出し、CeO2 構造はCe2 3 構造に変化す
る。ところが、酸化セリウムに酸化ジルコニウムを固溶
させていくと、リッチ雰囲気において酸素を放出してC
4+がCe3+に還元されてもCeO2 構造を維持しやす
く、Ce2 3 構造に変化しにくくなる。このCe2
3 構造では酸素吸蔵能が十分ではないと考えられてい
る。酸化セリウムに酸化ジルコニウムを固溶させていく
とCeO2 構造は安定になり、Ce4+がCe3+に還元さ
れて酸素欠陥ができても結晶構造の歪みが小さく、結晶
内における酸素拡散が速くなる。この結果、酸素吸蔵の
応答速度が速くなり、空燃比の変動が小さな場合であっ
ても酸素の吸蔵・放出を行うことができる。
【0019】上記のように、排気浄化装置では、排気ガ
スが流入する方向に対して上流側、すなわち排気浄化装
置の入口側は浄化されていない排気ガスが流入するため
一般に空燃比の変動が大きく、多量に酸素の吸蔵・放出
を行うことが必要である。これに対し下流側、すなわち
排気浄化装置の出口側では上流側において浄化された排
気ガスが流入するため空燃比の変動は小さく、また排気
ガスの温度も上流側に比して低い。従って、下流側に酸
化セリウムを添加したのでは、小さな空燃比の変動に対
応して酸素を吸蔵・放出することができず、特にNOx
の浄化能が十分ではない。そこでこの下流側に酸化セリ
ウムと酸化ジルコニウムの固溶体を添加することによ
り、排気浄化装置の下流側においても空燃比の変動に応
じて酸素の吸蔵・放出を行い、効率的に排気ガスを浄化
することができる。この固溶体において、酸化ジルコニ
ウムの固溶率は20〜80%であることが好ましい。この固
溶率とは、固溶体中のZr/(Zr+Ce)を意味す
る。この固溶率が20%未満では上記の固溶体を用いる効
果が達成されない。一方、固溶率が80%を越えると、固
溶体中のCeの絶対量が少なく、酸素を吸蔵することが
できないからである。
【0020】上記のように、この固溶体は小さな空燃比
の変動に対応して酸素を吸蔵・放出することができ、応
答速度が高いが、酸素を吸蔵する主体であるセリウムが
ジルコニウムにより置換されているため、酸化セリウム
そのものよりも酸素を吸蔵する絶対量は低い。従って、
この固溶体を排気ガスの流れ方向の上流側に用いると、
空燃比の変動が大きく、吸蔵すべき酸素の量も多いた
め、1個のモノリス触媒の長さを長くするか、使用する
モノリス触媒の数を多くしなければならない。従って、
上流側には固溶体ではなく、酸化セリウム自身を使用す
ることが好ましい。しかしながら、酸素の絶対吸蔵量は
セリウムの量によってきまるため、上流においても固溶
体を使用する場合は、固溶体中のセリウムの量を下流側
よりも上流側で多くする、すなわちジルコニウムの固溶
量を上流側よりも下流側で多くすることが好ましい。酸
素吸蔵能を確保するため、上流側に固溶体を使用する場
合は、固溶体の固溶率は60%以下であることが好まし
い。
【0021】酸化セリウムの酸素吸蔵・放出の応答性を
向上させる手段としては、酸化セリウムの粒径を小さく
することも有効である。酸素の吸蔵・放出に関与するの
は酸化セリウムの表面近傍のみである。従って、酸化セ
リウムの粒子を小さくし、表面積を大きくすることによ
り十分な酸素吸蔵・放出の応答性を確保することができ
る。酸化セリウムの粒子が大きいと、例えばリーン雰囲
気で酸素を吸蔵する場合に、酸化セリウム表面から酸素
が吸蔵されるが、リッチ雰囲気時において放出しきれな
かった酸化セリウム粒子内に残存している酸素が表面に
拡散し、排気ガス中の酸素の吸蔵を阻害してしまう。
【0022】具体的には、上流側の酸化セリウムの粒径
を15〜35nmに、下流側の酸化セリウムの粒径を0.5 〜15
nmにすることが好ましい。上流側の酸化セリウムの粒径
を下流側の粒径と同様に小さくすると下流側で酸素吸蔵
が不十分となり好ましくない。
【0023】酸化セリウムの酸素吸蔵・放出の応答性を
向上させる他の手段としては、触媒金属の分散性を高く
して酸化セリウムと触媒金属を近接して配置することも
有効である。酸化セリウムの酸素の吸蔵能は、酸化セリ
ウムと触媒金属との相互作用により発揮される特性であ
る。すなわち、触媒金属が酸素を吸着し、その吸着され
た酸素が酸化セリウムにスピルオーバーすることにより
酸素吸蔵能が発揮される。従って、酸化セリウムと触媒
金属を積極的に近接して配置すると、例えば酸化セリウ
ム上に触媒金属を担持させると、触媒金属に吸着した酸
素をより容易に、かつ効果的に酸化セリウムにスピルオ
ーバーさせることができる。このことは、酸化セリウム
と触媒金属を近接して配置させることによって、空燃比
の変動の小さな排気ガスの流れ方向の下流部においても
十分な酸素吸蔵能を発揮することができることを意味す
る。排気ガスの流れ方向の上流部は、空燃比の変動が大
きく、従って酸素吸蔵能を発揮させるエネルギーが大き
いため、酸化セリウムと触媒金属とを近接して配置させ
ておかなくても十分な酸素吸蔵能を発揮することができ
る。むしろ、酸化セリウムは触媒担持層であるアルミナ
よりも熱的に不安定であるので、酸化セリウム上に担持
させておくと触媒金属の劣化も大きくなるため、近接さ
せないほうが好ましい。
【0024】酸化セリウムと触媒金属を近接して配置す
るためには、触媒担体に触媒担持層である活性アルミナ
を担持させる際に、この活性アルミナ中にあらかじめ触
媒金属を担持させておく、又は酸化セリウムと触媒金属
をあらかじめ担持させておいてから担持層に担持させる
などの担持方法を工夫すればよい。例えば、以下のよう
な方法が例示される。
【0025】(1) 上流側触媒を、コートする全活性アル
ミナ量に対してあらかじめ50%以下の活性アルミナのみ
に触媒金属を担持させ、残りのアルミナに酸素吸蔵能を
有する酸化セリウム及びその他のLa、Ni等の助触媒
を混合し、これをモノリス担体にコートすることにより
形成する。下流側触媒を、コートする全活性アルミナ量
に対してあらかじめ50%以上の活性アルミナに触媒金属
を担持させ、残りのアルミナに酸素吸蔵能を有する酸化
セリウム及びその他のLa、Ni等の助触媒を混合し、
これをモノリス担体にコートすることにより形成する。
【0026】(2) 上流側触媒を、添加する全酸化セリウ
ム量に対してあらかじめ50%以下の酸化セリウムのみに
触媒金属を担持させ、残りの酸化セリウム、活性アルミ
ナ、及びその他のLa、Ni等の助触媒を混合し、これ
をモノリス担体にコートすることにより形成する。下流
側触媒を、コートする全酸化セリウム量に対してあらか
じめ50%以上の酸化セリウムに触媒金属を担持させ、残
りの酸化セリウム、活性アルミナ、及びその他のLa、
Ni等の助触媒を混合し、これをモノリス担体にコート
することにより形成する。
【0027】(3) 上流側触媒を、添加する全酸化セリウ
ム/活性アルミナ量に対してあらかじめ50%以下の酸化
セリウム/活性アルミナのみに触媒金属を担持させ、残
りの酸化セリウム、活性アルミナ、及びその他のLa、
Ni等の助触媒を混合し、これをモノリス担体にコート
することにより形成する。下流側触媒を、添加する全酸
化セリウム/活性アルミナ量に対してあらかじめ50%以
上の酸化セリウム/活性アルミナに触媒金属を担持さ
せ、残りの酸化セリウム、活性アルミナ、及びその他の
La、Ni等の助触媒を混合し、これをモノリス担体に
コートすることにより形成する。この場合、酸化セリウ
ムと活性アルミナ総量に対して触媒金属を担持させる割
合を変化させればよい。
【0028】(4) 上流側触媒を、添加する全酸化セリウ
ム/活性アルミナ量に対してあらかじめ50%以下の酸化
セリウム/活性アルミナのみに触媒金属を担持させ、残
りの酸化セリウム、活性アルミナ、及びその他のLa、
Ni等の助触媒を混合し、これをモノリス担体にコート
することにより形成する。下流側触媒を、全酸化セリウ
ム/活性アルミナ量に対してあらかじめ50%以上の酸化
セリウム/活性アルミナに触媒金属を担持させ、残りの
酸化セリウム、活性アルミナ、及びその他のLa、Ni
等の助触媒を混合し、これをモノリス担体にコートする
ことにより形成する。この場合も、酸化セリウムと活性
アルミナ総量に対して触媒金属を担持させる割合を変化
させればよい。
【0029】(5) 上流側触媒を、コートする全活性アル
ミナ量に対してあらかじめ50%以下の活性アルミナのみ
に触媒金属を担持させ、残りのアルミナに酸素吸蔵能を
有する酸化セリウム、及びその他のLa、Ni等の助触
媒を混合し、これをモノリス担体にコートすることによ
り形成する。下流側触媒を、全酸化セリウム量に対して
50%以上の酸化セリウムに触媒金属を担持させ、残りの
酸化セリウム、活性アルミナ、及びその他のLa、Ni
等の助触媒を混合し、これをモノリス担体にコートする
ことにより形成する。
【0030】上記の方法において用いられる触媒金属
は、白金、パラジウム、ロジウム等の少なくとも1種以
上であり、2種以上の触媒金属を組み合わせて使用する
場合は、その中の1種のみ担持分布に変化をもたせ、残
りの触媒金属は、分布をもたせる触媒金属を担持させた
後に均一に担持させてもよい。また、触媒金属の総担持
量の一部についてのみ担持分布に変化をもたせ、残りの
触媒金属は、分布をもたせる触媒金属を担持させた後に
均一に担持させてもよい。
【0031】
【実施例】以下、排気浄化装置の下流側に使用すること
が効果的なモノリス触媒について説明する。実施例1 活性アルミナ100 部、水40部、酸化セリウムと酸化ジル
コニウムの固溶体40部、及びバインダー5部からなるス
ラリーに13R(1.3 リットルの丸型)セラミック担体を
浸漬し、150 〜400 ℃において1時間乾燥し、次いで40
0 〜700 ℃において焼成して活性アルミナをコートし
た。酸化セリウムと酸化ジルコニウムの固溶体は、酸化
セリウムにオキシ硝酸ジルコニウムの水溶液を吸水さ
せ、500 〜900 ℃において大気中で1〜10時間焼成する
ことにより調製し、セリウムとジルコニウムの量比を調
整することによりジルコニウム固溶率(固溶体中のモル
比、Zr/(Zr+Ce))、0、20%、40%、60%、
80%、100 %の固溶体を得た。次いでPt/Rh=1.0/
0.2g/L-cat. となるように白金及びロジウムを担持さ
せた。また、比較のため、固溶体ではなく、単なる酸化
セリウムと酸化ジルコニウムの混合物(Zr:Ce=
0:100 、20:80、40:60、60:40、80:20、及び100
:0)を固溶体の代わりに用いて同様に触媒を調製し
た。
【0032】こうして製造したモノリス触媒について、
4気筒、2.2 リットルの実エンジンにおいて850 ℃×50
hrの触媒耐久試験を実施し、性能評価を行った。まず、
1200rpm(Ga=8.5g/sec) の運転条件において触媒入り
ガス温度を400 ℃に保持し、空燃比(A/F)を16にし
た。この状態で酸化セリウムに酸素を十分吸蔵させ、次
いでA/F=14.2にしてストイキ保持時間を比較した。
すると酸化セリウムの添加量が同一の触媒では、Zrの
固溶率が高いほどストイキ保持時間が長かった。また、
当然のことながら酸化セリウムの添加量が多いほどスト
イキ保持時間が長かった。
【0033】次に、上記の触媒耐久試験と同様にし、A
/F=14.5に設定し、これを中心にして2.1 秒の変動周
期で強制的に振幅を大きくしていく。すると供試触媒の
出ガスのA/Fがストイキ保持状態から供給A/Fと同
じ波形を示すようになる。このときの供給A/Fを触媒
の動的酸素吸蔵能の指標として測定した。この結果を図
1に示す。
【0034】図1より、酸化セリウムと酸化ジルコニウ
ムの固溶体を用いた場合は、酸化セリウムと酸化ジルコ
ニウムの混合体を用いた場合に比して、A/Fの変動を
吸収できる幅が大きい。すなわちストイキ状態を長く維
持することができる。この傾向は、触媒の酸素吸蔵量を
示す高周波数において顕著であった。また、酸素の吸蔵
・放出の応答性を示す低周波数においても固溶体を用い
ることにより向上した。
【0035】実施例2 実施例1と同様にして13Rセラミック担体に活性アルミ
ナコート層を形成した。固溶体は、実施例1と同様にし
てZr固溶率50%のものを調製し、これを粉砕し、粒径
5、10、100 、1000、及び10000nm の各種のものを用い
た。固溶体担持量は0.4mol/L-cat. となるように担持さ
せた。次いでPt/Rh=1.0/0.2g/L-cat. となるよ
うに白金及びロジウムを担持させた。こうして製造した
モノリス触媒について、4気筒、2.2 リットルの実エン
ジンにおいて850 ℃×50hrの触媒耐久試験を実施し、性
能評価を行った。
【0036】すなわち、1200rpm(Ga=8.5g/sec) の運
転条件において触媒入りガス温度を400 ℃に保持し、A
/Fを16にした。この状態で酸化セリウムに酸素を十分
吸蔵させ、次いでA/F=14.2にしてストイキ保持時間
を比較した。この条件では、酸化セリウムの粒径に関係
なく酸化セリウムの添加量が同一であれば同じストイキ
保持時間を示した。次いでA/F=14.5を中心にしてA
/F=±1で振幅させ、周波数を変化させた。この結果
を図2に示す。図2より明らかなように、酸化セリウム
固溶体の粒径が小さいほどA/F変動吸収幅が高い、す
なわちストイキ状態を維持することができ、低周波数ほ
ど顕著であった。
【0037】実施例3 まず、30、50、75、及び100g/L-catの活性アルミナに
Pt/Pd/Rh=0.5/0.5/0.2g/L-catをあらかじめ
担持させ、これに未担持の活性アルミナを加えて全量を
100g/L-catとした。これに固溶体、水、及びバインダ
ーを加え、実施例1と同様の13Rセラミック担体にコー
トしてモノリス触媒を調製した。固溶体は、実施例2と
同様にZr固溶率が50%であるものを用いた。この触媒
を実施例2と同様にして4気筒、2.2 リットルの実エン
ジンにおいて850 ℃×50hrの触媒耐久試験を実施し、性
能評価を行った。
【0038】すなわち、1200rpm(Ga=8.5g/sec) の運
転条件において触媒入りガス温度を400 ℃に保持し、A
/Fを16にした。この状態で酸化セリウムに酸素を十分
吸蔵させ、次いでA/F=14.2にしてストイキ保持時間
を比較した。この条件では、触媒金属の担持を高分散化
してもストイキ保持時間への影響は少なかった。次いで
A/F=14.5を中心にしてA/F=±1で振幅させ、周
波数を変化させた。この結果を図3に示す。図3より明
らかなように、触媒金属をあらかじめ活性アルミナに担
持させておいた方が、すなわち触媒金属を高分散化させ
ておいた方が向上している。
【0039】次に、10、30、50g L-catの上記固溶体に
Pt/Pd/Rh=0.5/0.5/0.2g/L-catをあらかじめ
担持させ、これに未担持の固溶体を加えて全量を50g/L
-catとした。これに活性アルミナ、水、及びバインダー
を加え、実施例1と同様の13Rセラミック担体にコート
してモノリス触媒を調製した。この触媒を上記と同様に
して性能評価を行った。この結果を図4に示す。図4よ
り明らかなように、触媒金属をあらかじめ固溶体に担持
させておいた方が、すなわち触媒金属を酸化セリウムに
より近接に配置させておいた方が向上している。
【0040】
【発明の効果】排気浄化装置の排気ガスの流れ方向の下
流側において、モノリス触媒に酸化セリウムと酸化ジル
コニウムの固溶体を用いること、添加する酸化セリウム
の粒径を上流側よりも小さくすること、又は酸化セリウ
ムを触媒金属と近接して配置させること、により排気ガ
ス中の小さなA/Fの変動にも対応することができ、応
答性を高くすることができる。その結果、特にNOx
浄化率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化セリウムと酸化ジルコニウムの固溶体を使
用することによる応答性の向上を示すグラフである。
【図2】酸化セリウムの粒径と応答性の関係を示すグラ
フである。
【図3】触媒金属の分散度と応答性の関係を示すグラフ
である。
【図4】触媒金属と酸化セリウムとの近接度と応答性の
関係を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1又は2以上のモノリス触媒を装着した
    排気浄化装置であって、前記モノリス触媒が排気ガスの
    流れ方向に形成された多数の貫通孔を有するモノリス触
    媒担体、 前記担体の前記貫通孔表面上に形成された触媒担持層、
    及び前記触媒担持層上に担持される触媒金属を具備し、
    前記排気浄化装置の排気ガス流れ方向の少なくとも下流
    側において前記モノリス触媒に酸化セリウムと酸化ジル
    コニウムの固溶体が担持されていることを特徴とする排
    気浄化装置。
  2. 【請求項2】 1又は2以上のモノリス触媒を装着した
    排気浄化装置であって、前記モノリス触媒が排気ガスの
    流れ方向に形成された多数の貫通孔を有するモノリス触
    媒担体、 前記担体の前記貫通孔表面上に形成された触媒担持層、
    及び前記触媒担持層上に担持される触媒金属を具備し、
    前記触媒金属に酸化セリウムが添加されており、前記排
    気浄化装置の排気ガス流れ方向の下流側において前記モ
    ノリス触媒に添加されている酸化セリウムの粒径が、上
    流側の酸化セリウムの粒径よりも小さいことを特徴とす
    る排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 1又は2以上のモノリス触媒を装着した
    排気浄化装置であって、前記モノリス触媒が排気ガスの
    流れ方向に形成された多数の貫通孔を有するモノリス触
    媒担体、 前記担体の前記貫通孔表面上に形成された触媒担持層、
    及び前記触媒担持層上に担持される触媒金属を具備し、
    前記触媒金属に酸化セリウムが添加されており、前記排
    気浄化装置の排気ガス流れ方向の下流側において、前記
    モノリス触媒に添加されている酸化セリウムが上流側よ
    りも触媒金属と近接して配置されていることを特徴とす
    る排気浄化装置。
JP8041621A 1996-02-28 1996-02-28 排気浄化装置 Pending JPH09225266A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8041621A JPH09225266A (ja) 1996-02-28 1996-02-28 排気浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8041621A JPH09225266A (ja) 1996-02-28 1996-02-28 排気浄化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09225266A true JPH09225266A (ja) 1997-09-02

Family

ID=12613415

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8041621A Pending JPH09225266A (ja) 1996-02-28 1996-02-28 排気浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09225266A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1119514A (ja) * 1997-06-27 1999-01-26 Toyota Central Res & Dev Lab Inc リーン排ガス浄化用触媒
WO2010110298A1 (ja) * 2009-03-26 2010-09-30 株式会社 キャタラー 排ガス浄化用触媒
JP2011036834A (ja) * 2009-08-18 2011-02-24 Mazda Motor Corp 排気ガス浄化用触媒およびその製造方法
JP2011167631A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Toyota Motor Corp Osc材を含む排ガス浄化用触媒
JP2011212641A (ja) * 2010-04-02 2011-10-27 Toyota Motor Corp 排ガス浄化用触媒
JP2012154259A (ja) * 2011-01-26 2012-08-16 Mazda Motor Corp 排気ガス浄化用触媒装置
JP2013056301A (ja) * 2011-09-08 2013-03-28 Chugoku Electric Power Co Inc:The ベンゼン分解処理装置
JP2015035268A (ja) * 2013-08-07 2015-02-19 三浦工業株式会社 燃料電池システム
US8993475B2 (en) 2006-07-06 2015-03-31 Cataler Corporation Oxygen storage material
CN113606714A (zh) * 2020-05-04 2021-11-05 Lg电子株式会社 空气净化器

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1119514A (ja) * 1997-06-27 1999-01-26 Toyota Central Res & Dev Lab Inc リーン排ガス浄化用触媒
US8993475B2 (en) 2006-07-06 2015-03-31 Cataler Corporation Oxygen storage material
WO2010110298A1 (ja) * 2009-03-26 2010-09-30 株式会社 キャタラー 排ガス浄化用触媒
JP2011036834A (ja) * 2009-08-18 2011-02-24 Mazda Motor Corp 排気ガス浄化用触媒およびその製造方法
JP2011167631A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Toyota Motor Corp Osc材を含む排ガス浄化用触媒
JP2011212641A (ja) * 2010-04-02 2011-10-27 Toyota Motor Corp 排ガス浄化用触媒
JP2012154259A (ja) * 2011-01-26 2012-08-16 Mazda Motor Corp 排気ガス浄化用触媒装置
JP2013056301A (ja) * 2011-09-08 2013-03-28 Chugoku Electric Power Co Inc:The ベンゼン分解処理装置
JP2015035268A (ja) * 2013-08-07 2015-02-19 三浦工業株式会社 燃料電池システム
CN113606714A (zh) * 2020-05-04 2021-11-05 Lg电子株式会社 空气净化器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100484688B1 (ko) 엔진배기가스처리장치및사용방법
EP2307122B1 (en) Nox storage materials and traps resistant to thermal aging
JP5386121B2 (ja) 排気ガス浄化触媒装置、並びに排気ガス浄化方法
EP1967263B1 (en) Catalytic Material And Catalyst For Purifying Exhaust Gas Component
JP5720949B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
KR102117221B1 (ko) 3원 촉매 시스템
JP2005505403A (ja) 内燃機関用排気装置製品
EP2034149A1 (en) Exhaust gas purifying apparatus and exhaust gas purifying method using the same
JP2006326573A (ja) ディーゼルパティキュレートフィルタ
JP2006263582A (ja) 排気ガス浄化用触媒
CN113597336A (zh) 催化剂制品、方法和用途
JP6869976B2 (ja) ガソリンエンジン排気ガスの浄化用三元触媒
CN109475843A (zh) 三区柴油机氧化催化剂
JP4633509B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
JPH09225266A (ja) 排気浄化装置
CN101534942A (zh) 排放气体净化催化剂、排放气体净化系统和排放气体净化方法
CN111841534A (zh) 废气净化用催化剂
JP3882627B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP2020157262A (ja) 排ガス浄化用触媒
JPH0538421A (ja) ガスエンジンの排ガス浄化方法
JPS63178847A (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP4106762B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒装置及び浄化方法
EP3699410B1 (en) A catalytic article and the use thereof for the treatment of an exhaust gas
JP7388951B2 (ja) 排ガス浄化装置
US12025041B2 (en) Catalytic article and the use thereof for the treatment of an exhaust gas