JPH0922521A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH0922521A JPH0922521A JP16911195A JP16911195A JPH0922521A JP H0922521 A JPH0922521 A JP H0922521A JP 16911195 A JP16911195 A JP 16911195A JP 16911195 A JP16911195 A JP 16911195A JP H0922521 A JPH0922521 A JP H0922521A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、重層塗布型の磁気記録媒体におけ
るコーティング時の媒体の形状を改善し、磁性層表面の
凹凸によるスペーシングが原因となる電磁変換特性の低
下を防止するとともに、単層磁性層からなる磁気記録媒
体では得られない電気抵抗の改善や光透過率の低減を図
るものである。 【解決手段】 非磁性支持体上に非磁性顔料と結合剤と
を主体とする下層と、強磁性粉末と結合剤とを主体とす
る上層が順次形成されてなる磁気記録媒体において、上
記下層を構成してなる下層用結合剤は極性基として四級
アンモニウム塩を有するポリウレタン樹脂を含有するこ
とを特徴とする。
るコーティング時の媒体の形状を改善し、磁性層表面の
凹凸によるスペーシングが原因となる電磁変換特性の低
下を防止するとともに、単層磁性層からなる磁気記録媒
体では得られない電気抵抗の改善や光透過率の低減を図
るものである。 【解決手段】 非磁性支持体上に非磁性顔料と結合剤と
を主体とする下層と、強磁性粉末と結合剤とを主体とす
る上層が順次形成されてなる磁気記録媒体において、上
記下層を構成してなる下層用結合剤は極性基として四級
アンモニウム塩を有するポリウレタン樹脂を含有するこ
とを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体上に
下層と、磁性粉末と結合剤から構成されてなる上層を順
次積層してなる、いわゆる重層塗布型の磁気記録媒体に
関する。
下層と、磁性粉末と結合剤から構成されてなる上層を順
次積層してなる、いわゆる重層塗布型の磁気記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオテープレコーダ(VTR)
等に見られる記録波長の短波長化、高密度化に伴い、ビ
デオテープやオーディオテープ等の磁気記録媒体の電磁
変換特性を向上するために、磁性層を構成してなる磁性
粉末の微粒子化、高充填化が図られている。
等に見られる記録波長の短波長化、高密度化に伴い、ビ
デオテープやオーディオテープ等の磁気記録媒体の電磁
変換特性を向上するために、磁性層を構成してなる磁性
粉末の微粒子化、高充填化が図られている。
【0003】例えば、塗布型のビデオテープでは、超微
粒子の強磁性粉末を含む磁性塗料を高分散化するため
に、結合剤の樹脂中に種々の極性基を導入したり、分散
工程で様々な混練機を用いたりしている。
粒子の強磁性粉末を含む磁性塗料を高分散化するため
に、結合剤の樹脂中に種々の極性基を導入したり、分散
工程で様々な混練機を用いたりしている。
【0004】ところで、従来、非磁性支持体上に単層磁
性層のみを塗布形成してなる磁気記録媒体では、電気抵
抗を下げる目的で、磁性層中にカーボンを添加せしめて
いる。これは、電気抵抗が高いとビデオテープの場合、
静電気によるドロップアウトが増加したり、ビデオテー
プレコーダ(VTR)のガイドピン等にビデオテープが
貼り付いて走行不良を起こすためである。しかし、上記
カーボンの添加は、静電気特性を悪化させ、電磁変換特
性の低下をもたらすため、その添加量が制限される。
性層のみを塗布形成してなる磁気記録媒体では、電気抵
抗を下げる目的で、磁性層中にカーボンを添加せしめて
いる。これは、電気抵抗が高いとビデオテープの場合、
静電気によるドロップアウトが増加したり、ビデオテー
プレコーダ(VTR)のガイドピン等にビデオテープが
貼り付いて走行不良を起こすためである。しかし、上記
カーボンの添加は、静電気特性を悪化させ、電磁変換特
性の低下をもたらすため、その添加量が制限される。
【0005】更に、一部のビデオテープレコーダ(VT
R)においては、テープの端部の検出に光センサーを使
用しているものもあり、磁気記録媒体の光透過率を低減
することも必要となる。
R)においては、テープの端部の検出に光センサーを使
用しているものもあり、磁気記録媒体の光透過率を低減
することも必要となる。
【0006】そこで、これらの問題を解決するために、
非磁性支持体上に非磁性顔料と結合剤とを主体とする下
層を設け、該下層上に磁性粉末と結合剤とを主体とする
上層を順次積層する方法等が提案されている。このよう
に非磁性支持体上に上層と下層を有する、いわゆる重層
塗布型の磁気記録媒体では、下層に電気抵抗や光透過率
を低減するような非磁性体粉末、結合剤、添加剤等を使
用することで、上層にこれらの非磁性粉末等を添加する
必要は基本的にはなくなる。このため、磁気記録媒体と
して電気抵抗、光透過率は低く、電磁変換特性が上述の
ような単層磁性層を有する磁気記録媒体に比べ優れてい
る。
非磁性支持体上に非磁性顔料と結合剤とを主体とする下
層を設け、該下層上に磁性粉末と結合剤とを主体とする
上層を順次積層する方法等が提案されている。このよう
に非磁性支持体上に上層と下層を有する、いわゆる重層
塗布型の磁気記録媒体では、下層に電気抵抗や光透過率
を低減するような非磁性体粉末、結合剤、添加剤等を使
用することで、上層にこれらの非磁性粉末等を添加する
必要は基本的にはなくなる。このため、磁気記録媒体と
して電気抵抗、光透過率は低く、電磁変換特性が上述の
ような単層磁性層を有する磁気記録媒体に比べ優れてい
る。
【0007】あるいは、電磁変換特性の観点から、複数
の磁性層を有する重層塗布型の磁気記録媒体も用いられ
ている。すなわち、VTR等に見られる記録波長の短波
長化、高密度化に伴い、ビデオテープやオーディオテー
プ等の磁気記録媒体の特性を改善するため、非磁性支持
体上に複数の磁性層を積層する手法が用いられている。
これらの磁気記録媒体では、各々の磁性層において、異
なる静磁気特性を持った強磁性粉末や結合剤、添加剤を
用いることで、単一の磁性層からなる磁気記録媒体では
得られない周波数特性、電磁変換特性、耐久性が得られ
る。
の磁性層を有する重層塗布型の磁気記録媒体も用いられ
ている。すなわち、VTR等に見られる記録波長の短波
長化、高密度化に伴い、ビデオテープやオーディオテー
プ等の磁気記録媒体の特性を改善するため、非磁性支持
体上に複数の磁性層を積層する手法が用いられている。
これらの磁気記録媒体では、各々の磁性層において、異
なる静磁気特性を持った強磁性粉末や結合剤、添加剤を
用いることで、単一の磁性層からなる磁気記録媒体では
得られない周波数特性、電磁変換特性、耐久性が得られ
る。
【0008】このような重層塗布型の磁気記録媒体で
は、下層及び上層に必要な磁気特性、機械特性を満たす
組成を開発することが必要になるが、強磁性粉末を結合
剤、研磨剤、その他の添加剤とともに有機溶剤中に混
合、分散して得られる磁性塗料を塗布することにより磁
性層を形成してなる塗布型の磁気記録媒体では、使用す
る結合剤によって磁気記録媒体の特性に大きな差が生じ
ることが知られている。
は、下層及び上層に必要な磁気特性、機械特性を満たす
組成を開発することが必要になるが、強磁性粉末を結合
剤、研磨剤、その他の添加剤とともに有機溶剤中に混
合、分散して得られる磁性塗料を塗布することにより磁
性層を形成してなる塗布型の磁気記録媒体では、使用す
る結合剤によって磁気記録媒体の特性に大きな差が生じ
ることが知られている。
【0009】例えば、ヘッドと摺動する上層では、電磁
変換特性の他に耐久性が要求されることから、比較的多
量の潤滑剤を内添したり、結合剤のガラス転移点温度
(Tg)が下層である非磁性層と比較して高い結合剤を
用いることや、結合剤の分子量を、上層ではより高分子
量のものを用いることがある。また、下層では、非磁性
支持体との接着性を向上させ、磁気記録媒体とヘッドと
のコンタクト性を改善するために、より低分子量のポリ
ウレタン樹脂を用いることもある。更に、これら以外に
も、磁性塗料の分散性を向上させるために、各種の構造
及び極性基が検討されている。
変換特性の他に耐久性が要求されることから、比較的多
量の潤滑剤を内添したり、結合剤のガラス転移点温度
(Tg)が下層である非磁性層と比較して高い結合剤を
用いることや、結合剤の分子量を、上層ではより高分子
量のものを用いることがある。また、下層では、非磁性
支持体との接着性を向上させ、磁気記録媒体とヘッドと
のコンタクト性を改善するために、より低分子量のポリ
ウレタン樹脂を用いることもある。更に、これら以外に
も、磁性塗料の分散性を向上させるために、各種の構造
及び極性基が検討されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな公知の結合剤組成では、上記磁気記録媒体を押し出
しコーティング方式における高速塗布や重層同時塗布
(wet・on・wet)により形成した場合に、塗布
面のコーティング方向にスジ(ストリーク)が発生し、
磁気記録媒体表面の粗度の悪化に伴うスペーシングが原
因の電磁変換特性の低下が見られる場合がある。
うな公知の結合剤組成では、上記磁気記録媒体を押し出
しコーティング方式における高速塗布や重層同時塗布
(wet・on・wet)により形成した場合に、塗布
面のコーティング方向にスジ(ストリーク)が発生し、
磁気記録媒体表面の粗度の悪化に伴うスペーシングが原
因の電磁変換特性の低下が見られる場合がある。
【0011】また、ヘッドと摺動する上層の磁性層と柔
軟性を必要とする下層では、使用する結合剤に求められ
る特性が異なることより、これら結合剤の組み合わせの
中には、上述のようなコーティング方向のスジが発生し
たり、スジが大きくなるものもあり、コーティング性の
良い結合剤とその組み合わせを検討する必要がある。
軟性を必要とする下層では、使用する結合剤に求められ
る特性が異なることより、これら結合剤の組み合わせの
中には、上述のようなコーティング方向のスジが発生し
たり、スジが大きくなるものもあり、コーティング性の
良い結合剤とその組み合わせを検討する必要がある。
【0012】そこで、本発明は、このような実情に鑑み
て提案されたものであって、重層塗布型の磁気記録媒体
におけるコーティング時の媒体の形状を改善し、磁性層
表面の凹凸によるスペーシングが原因となる電磁変換特
性の低下を防止するとともに、単層磁性層からなる磁気
記録媒体では得られない電気抵抗の改善や光透過率の低
減を図ることが可能な磁気記録媒体を提供する事を目的
とする。
て提案されたものであって、重層塗布型の磁気記録媒体
におけるコーティング時の媒体の形状を改善し、磁性層
表面の凹凸によるスペーシングが原因となる電磁変換特
性の低下を防止するとともに、単層磁性層からなる磁気
記録媒体では得られない電気抵抗の改善や光透過率の低
減を図ることが可能な磁気記録媒体を提供する事を目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究の結果、ヘッドと摺動しな
い下層を構成してなる結合剤として四級アンモニウム塩
を極性基としたポリウレタン樹脂を用いることにより、
コーティング性に優れた塗料が得られることをみいだ
し、本発明を完成するに至ったものである。
的を達成せんものと鋭意研究の結果、ヘッドと摺動しな
い下層を構成してなる結合剤として四級アンモニウム塩
を極性基としたポリウレタン樹脂を用いることにより、
コーティング性に優れた塗料が得られることをみいだ
し、本発明を完成するに至ったものである。
【0014】即ち、本発明の第1の発明に係る磁気記録
媒体は、非磁性支持体上に非磁性顔料と結合剤とを主体
とする下層と、強磁性粉末と結合剤とを主体とする上層
が順次形成されてなる磁気記録媒体において、上記下層
を構成してなる下層用結合剤は極性基として四級アンモ
ニウム塩を有するポリウレタン樹脂を含有することを特
徴とするものである。
媒体は、非磁性支持体上に非磁性顔料と結合剤とを主体
とする下層と、強磁性粉末と結合剤とを主体とする上層
が順次形成されてなる磁気記録媒体において、上記下層
を構成してなる下層用結合剤は極性基として四級アンモ
ニウム塩を有するポリウレタン樹脂を含有することを特
徴とするものである。
【0015】また、本発明の第2の発明に係る磁気記録
媒体は、非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを主体
とする下層と、強磁性粉末と結合剤とを主体とする上層
が順次形成されてなる磁気記録媒体において、上記下層
を構成してなる下層用結合剤は極性基として四級アンモ
ニウム塩を有するポリウレタン樹脂を含有することを特
徴とするものである。
媒体は、非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを主体
とする下層と、強磁性粉末と結合剤とを主体とする上層
が順次形成されてなる磁気記録媒体において、上記下層
を構成してなる下層用結合剤は極性基として四級アンモ
ニウム塩を有するポリウレタン樹脂を含有することを特
徴とするものである。
【0016】本発明の磁気記録媒体は、基本的に非磁性
支持体上に複数の塗布層が設けられ、その最上層が磁性
層である構成を有する。
支持体上に複数の塗布層が設けられ、その最上層が磁性
層である構成を有する。
【0017】ここで、上記磁性層の下層は、非磁性顔料
と結合剤とを主体とした非磁性層から構成されても良
く、磁性粉末と結合剤とを主体とした磁性層から構成さ
れても良い。また、各層の厚さも任意である。
と結合剤とを主体とした非磁性層から構成されても良
く、磁性粉末と結合剤とを主体とした磁性層から構成さ
れても良い。また、各層の厚さも任意である。
【0018】また、上記非磁性支持体の上記磁性層が設
けられていない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性
の向上や帯電防止、転写防止等を目的としてバックコー
ト層が形成されても良い。この場合、上記バックコート
層の厚みは、0.1〜2.0μmであることが好まし
く、より好ましくは0.3〜1.0μmである。
けられていない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性
の向上や帯電防止、転写防止等を目的としてバックコー
ト層が形成されても良い。この場合、上記バックコート
層の厚みは、0.1〜2.0μmであることが好まし
く、より好ましくは0.3〜1.0μmである。
【0019】更に、上記下層と非磁性支持体との間に
は、該下層と非磁性支持体の接着性を強化する目的で、
下塗り層が設けられても良い。
は、該下層と非磁性支持体の接着性を強化する目的で、
下塗り層が設けられても良い。
【0020】本発明では、ヘッドと摺動しない上記下層
を構成してなる結合剤として、四級アンモニウム塩を極
性基としたポリウレタン樹脂と硬化剤からなるもの、又
はこのポリウレタン樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体や四級アンモニウム塩以外の極性基を有するポリウ
レタン樹脂とを組み合わせたものを用いる。これによ
り、コーティング性に優れた塗料が得られ、コーティン
グ時の磁気記録媒体の形状が改善され、磁性層表面の凹
凸によるスペーシングが原因となる電磁変換特性の低下
が防止される。ただし、前記四級アンモニウム塩を有す
るポリウレタン樹脂を他の樹脂と組み合わせて用いる場
合には、その割合を60重量%以上とすることが好まし
い。四級アンモニウム塩を有するポリウレタン樹脂の割
合がこれを下回ると、所定の効果を得ることができな
い。
を構成してなる結合剤として、四級アンモニウム塩を極
性基としたポリウレタン樹脂と硬化剤からなるもの、又
はこのポリウレタン樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体や四級アンモニウム塩以外の極性基を有するポリウ
レタン樹脂とを組み合わせたものを用いる。これによ
り、コーティング性に優れた塗料が得られ、コーティン
グ時の磁気記録媒体の形状が改善され、磁性層表面の凹
凸によるスペーシングが原因となる電磁変換特性の低下
が防止される。ただし、前記四級アンモニウム塩を有す
るポリウレタン樹脂を他の樹脂と組み合わせて用いる場
合には、その割合を60重量%以上とすることが好まし
い。四級アンモニウム塩を有するポリウレタン樹脂の割
合がこれを下回ると、所定の効果を得ることができな
い。
【0021】上記四級アンモニウム塩を極性基としたポ
リウレタン樹脂は、下記化1に示すように、ポリオール
(1)とイソシアネート(2)〔下記化1中、一合成例
として4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート(M
DI)を用いた場合を示す。〕及び分子内に四級アンモ
ニウム塩を有する鎖延長剤(架橋剤)(3)を共重合し
て上記ポリウレタン樹脂(4)を合成する方法と、下記
化2に示すように、ポリオール(5)とイソシアネート
(6)〔下記化2中、一合成例として4,4’−ジフェ
ニルメタンイソシアネート(MDI)を用いた場合を示
す。〕及び分子内に三級アミンを有する鎖延長剤(架橋
剤)(7)を共重合して得られたポリウレタン樹脂
(8)に、四級化剤を用いて極性基を四級アンモニウム
塩を導入して上記ポリウレタン樹脂(9)を得る方法等
が挙げられる。
リウレタン樹脂は、下記化1に示すように、ポリオール
(1)とイソシアネート(2)〔下記化1中、一合成例
として4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート(M
DI)を用いた場合を示す。〕及び分子内に四級アンモ
ニウム塩を有する鎖延長剤(架橋剤)(3)を共重合し
て上記ポリウレタン樹脂(4)を合成する方法と、下記
化2に示すように、ポリオール(5)とイソシアネート
(6)〔下記化2中、一合成例として4,4’−ジフェ
ニルメタンイソシアネート(MDI)を用いた場合を示
す。〕及び分子内に三級アミンを有する鎖延長剤(架橋
剤)(7)を共重合して得られたポリウレタン樹脂
(8)に、四級化剤を用いて極性基を四級アンモニウム
塩を導入して上記ポリウレタン樹脂(9)を得る方法等
が挙げられる。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】この四級アンモニウム塩を極性基としたポ
リウレタン樹脂の合成に際し、上記ポリオールとして
は、例えばイソフタル酸とネオペンチルグリコールと
1,4−ブタンジオールから合成されるもの(分子量M
n=1000)、イソフタル酸とテトラフタル酸とネオ
ペンチルグリコールとエチレンジオールから合成される
もの(分子量Mn=2000)等が使用可能である。
リウレタン樹脂の合成に際し、上記ポリオールとして
は、例えばイソフタル酸とネオペンチルグリコールと
1,4−ブタンジオールから合成されるもの(分子量M
n=1000)、イソフタル酸とテトラフタル酸とネオ
ペンチルグリコールとエチレンジオールから合成される
もの(分子量Mn=2000)等が使用可能である。
【0025】上記四級アンモニウム塩を有する鎖延長剤
(架橋剤)は、三級アミンを有するジオールを各種のア
ルキル化剤で四級化することで得られる。この場合、用
いられるアルキル化剤としては、例えばヨウ化メチル、
ジメチル硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、P−トルエンスルホン酸、P−トルエンスルホン酸
クロリド、P−トルエンスルホン酸メチル、脂肪族メチ
ル、アルキル化合物、その他のハロゲン化合物等が挙げ
られる。
(架橋剤)は、三級アミンを有するジオールを各種のア
ルキル化剤で四級化することで得られる。この場合、用
いられるアルキル化剤としては、例えばヨウ化メチル、
ジメチル硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、P−トルエンスルホン酸、P−トルエンスルホン酸
クロリド、P−トルエンスルホン酸メチル、脂肪族メチ
ル、アルキル化合物、その他のハロゲン化合物等が挙げ
られる。
【0026】また、上記三級アミンを有する鎖延長剤
(架橋剤)を共重合して得られたポリウレタン樹脂を四
級化する際においても、上述の各種アルキル化剤が同様
に用いられる。
(架橋剤)を共重合して得られたポリウレタン樹脂を四
級化する際においても、上述の各種アルキル化剤が同様
に用いられる。
【0027】このポリウレタン樹脂において、導入され
る四級アンモニウム塩の極性基量は、10-7〜10-2モ
ル/gであることが好ましく、より好ましくは10-5〜
10-3モル/gである。この四級アンモニウム塩の極性
基量が上記値よりも多いと、塗料の分散性は向上するも
のの、コーティング性が悪くなり、スジが発生しやすく
なる傾向がある。逆に、該極性基量が上記値よりも少な
いと、塗料の分散性が悪くなる。
る四級アンモニウム塩の極性基量は、10-7〜10-2モ
ル/gであることが好ましく、より好ましくは10-5〜
10-3モル/gである。この四級アンモニウム塩の極性
基量が上記値よりも多いと、塗料の分散性は向上するも
のの、コーティング性が悪くなり、スジが発生しやすく
なる傾向がある。逆に、該極性基量が上記値よりも少な
いと、塗料の分散性が悪くなる。
【0028】この極性基は、上記ポリウレタン樹脂の主
鎖に導入されても良く、側鎖に導入されても良い。
鎖に導入されても良く、側鎖に導入されても良い。
【0029】この極性基である四級アンモニウム塩の種
類としては、脂肪族アンモニウム塩、芳香族アンモニウ
ム塩、アルカノールアンモニウム塩、アルコキシアルキ
ルアンモニウム塩等が挙げられる。
類としては、脂肪族アンモニウム塩、芳香族アンモニウ
ム塩、アルカノールアンモニウム塩、アルコキシアルキ
ルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0030】また、四級化される上記三級アミンの種類
としては、脂肪族アミン、芳香族アミン、アルカノール
アミン、アルコキシアルキルアミン等が挙げられる。
としては、脂肪族アミン、芳香族アミン、アルカノール
アミン、アルコキシアルキルアミン等が挙げられる。
【0031】このポリウレタン樹脂においては、上記四
級アンモニウム塩以外の極性基が少量(10-5モル/g
以下程度)導入されても良い。この四級アンモニウム塩
以外の極性基としては、例えば−SO3 Na、−SO3
K、−SO3 H、−COOH、−COONa、リン酸エ
ステル、リン酸、エポキシ基、1,2,3級アミン、亜
硫酸塩、その他の従来公知の極性基がいずれも使用可能
である。
級アンモニウム塩以外の極性基が少量(10-5モル/g
以下程度)導入されても良い。この四級アンモニウム塩
以外の極性基としては、例えば−SO3 Na、−SO3
K、−SO3 H、−COOH、−COONa、リン酸エ
ステル、リン酸、エポキシ基、1,2,3級アミン、亜
硫酸塩、その他の従来公知の極性基がいずれも使用可能
である。
【0032】上記ポリウレタン樹脂としては、用いるポ
リオールにより、アジペート系、ポリカプロラクトン系
等のポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリ
ウレタン樹脂、その他ポリカーボネート系、アクリル
系、ブタジエン系等の種類があり、なんら限定されるも
のではない。但し、これらのポリウレタン樹脂の中で
も、ポリエステルポリウレタン樹脂及びポリエーテルポ
リウレタン樹脂がより効果的である。
リオールにより、アジペート系、ポリカプロラクトン系
等のポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリ
ウレタン樹脂、その他ポリカーボネート系、アクリル
系、ブタジエン系等の種類があり、なんら限定されるも
のではない。但し、これらのポリウレタン樹脂の中で
も、ポリエステルポリウレタン樹脂及びポリエーテルポ
リウレタン樹脂がより効果的である。
【0033】このポリウレタン樹脂の数平均分子量は、
10,000〜70,000であることが好ましく、よ
り好ましくは15,000〜50,000である。この
ポリウレタン樹脂の数平均分子量が上記範囲内であると
き、良好な効果が得られる。
10,000〜70,000であることが好ましく、よ
り好ましくは15,000〜50,000である。この
ポリウレタン樹脂の数平均分子量が上記範囲内であると
き、良好な効果が得られる。
【0034】また、これらポリウレタン樹脂は、2種以
上含んでいても良い。この場合、例えば分子量の異なる
ポリウレタン樹脂の組み合わせでも良い。但し、分子量
の違いに応じて樹脂の分散性、剛性、耐久性に差がある
ため、目的とする特性に合わせて組み合わせを適宜選択
することが好ましい。同様に、転移点Tgの異なるもの
の組み合わせでも良い。転移点Tgの低いポリウレタン
樹脂は接着性が良く、コーティング性に優れている。一
方、転移点Tgの高いポリウレタン樹脂は塗料の分散性
に優れている。なお、上記ポリウレタン樹脂の転移点T
gとしては、−30〜80℃であることが好ましい。
上含んでいても良い。この場合、例えば分子量の異なる
ポリウレタン樹脂の組み合わせでも良い。但し、分子量
の違いに応じて樹脂の分散性、剛性、耐久性に差がある
ため、目的とする特性に合わせて組み合わせを適宜選択
することが好ましい。同様に、転移点Tgの異なるもの
の組み合わせでも良い。転移点Tgの低いポリウレタン
樹脂は接着性が良く、コーティング性に優れている。一
方、転移点Tgの高いポリウレタン樹脂は塗料の分散性
に優れている。なお、上記ポリウレタン樹脂の転移点T
gとしては、−30〜80℃であることが好ましい。
【0035】この四級アンモニウム塩を極性基としたポ
リウレタン樹脂の他に、硬化剤としてポリイソシアネー
トを重量比で5〜30%混合することが好ましい。これ
により、接着性、剛性、耐久性が向上する。
リウレタン樹脂の他に、硬化剤としてポリイソシアネー
トを重量比で5〜30%混合することが好ましい。これ
により、接着性、剛性、耐久性が向上する。
【0036】なお、下層の柔軟性を付与することを目的
として、硬化剤を添加しなくても、十分な接着性、耐久
性を得ることができる。このことから、下層に含まれる
硬化剤の量は、30%以下であることが好ましく、より
好ましくは20%以下である。
として、硬化剤を添加しなくても、十分な接着性、耐久
性を得ることができる。このことから、下層に含まれる
硬化剤の量は、30%以下であることが好ましく、より
好ましくは20%以下である。
【0037】上記硬化剤としては、芳香族ポリイソシア
ネート及び脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。こ
れらポリイソシアネートは、活性水素化合物との付加体
として使用されることが好ましい。
ネート及び脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。こ
れらポリイソシアネートは、活性水素化合物との付加体
として使用されることが好ましい。
【0038】上記芳香族ポリイソシアネートとしては、
例えばトルエンジイソシアネート(TDI)、1,3−
キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシ
アネート、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート
(MDI)、p−フェニルジイソシアネート、m−フェ
ニルジイソシアネート、1,5−ナフチルジイソシアネ
ート等が挙げられる。
例えばトルエンジイソシアネート(TDI)、1,3−
キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシ
アネート、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート
(MDI)、p−フェニルジイソシアネート、m−フェ
ニルジイソシアネート、1,5−ナフチルジイソシアネ
ート等が挙げられる。
【0039】上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイ
ソシアネート等が挙げられる。
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイ
ソシアネート等が挙げられる。
【0040】これらイソシアネートと付加体を形成する
活性水素化合物としては、エチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン等が挙げられる。これら活性水
素化合物の平均分子量は、100〜5,000の範囲内
であることが好ましい。
活性水素化合物としては、エチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン等が挙げられる。これら活性水
素化合物の平均分子量は、100〜5,000の範囲内
であることが好ましい。
【0041】また、この下層が非磁性層である場合、上
述の結合剤とともに該非磁性層を構成してなる非磁性顔
料としては、例えばα−Fe2 O3 等の非磁性酸化鉄、
ゲータイト、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チ
タン、酸化錫、酸化タングステン、酸化珪素、酸化亜
鉛、酸化クロム、酸化セリウム、チタンカーバイト、B
N、αアルミナ、βアルミナ、γアルミナ、硫酸カルシ
ウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸バ
リウム等が使用可能である。これら非磁性顔料は、単独
で用いることもできるし、複数を混合して用いることも
できる。
述の結合剤とともに該非磁性層を構成してなる非磁性顔
料としては、例えばα−Fe2 O3 等の非磁性酸化鉄、
ゲータイト、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チ
タン、酸化錫、酸化タングステン、酸化珪素、酸化亜
鉛、酸化クロム、酸化セリウム、チタンカーバイト、B
N、αアルミナ、βアルミナ、γアルミナ、硫酸カルシ
ウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸バ
リウム等が使用可能である。これら非磁性顔料は、単独
で用いることもできるし、複数を混合して用いることも
できる。
【0042】なお、この非磁性顔料は、目的に応じて適
当量の不純物をドープすることもできるし、分散性の改
良、導電性の付与、色調の改善等の目的でAl、Si、
Ti、Sn、Sb、Zr等の化合物で表面処理しても良
い。
当量の不純物をドープすることもできるし、分散性の改
良、導電性の付与、色調の改善等の目的でAl、Si、
Ti、Sn、Sb、Zr等の化合物で表面処理しても良
い。
【0043】これら非磁性顔料の比表面積は、5〜10
0m2 /g、好ましくは20〜70m2 /gであること
が望ましい。比表面積が上記範囲内にあると、非磁性顔
料の形状の微粒子化を伴い、下層が平滑化し、結果的に
上層の平滑化が可能となるため、変調ノイズ特性が優
れ、スペーシングロスの影響の少ない磁気記録媒体を得
ることが可能となる。比表面積が上記範囲よりも大きい
と塗料中の分散が困難となり、逆に小さいと高密度記録
に耐えられる表面平滑性が確保できない。
0m2 /g、好ましくは20〜70m2 /gであること
が望ましい。比表面積が上記範囲内にあると、非磁性顔
料の形状の微粒子化を伴い、下層が平滑化し、結果的に
上層の平滑化が可能となるため、変調ノイズ特性が優
れ、スペーシングロスの影響の少ない磁気記録媒体を得
ることが可能となる。比表面積が上記範囲よりも大きい
と塗料中の分散が困難となり、逆に小さいと高密度記録
に耐えられる表面平滑性が確保できない。
【0044】一方、下層が磁性層である場合、下層の強
磁性粉末としては、γ−Fe2 O3,Fe3 O4 ,γ−
Fe2 O3 とFe3 O4 とのベルトライド化合物,Co
含有γ−Fe2 O3 ,Co含有Fe3 O4 ,Coを含有
するγ−Fe2 O3 とFe3O4 とのベルトライド化合
物, CrO2mに1種又はそれ以上の金属元素(例えばT
e,Sb,Fe,Bi等)を含有させた酸化物等、或い
は六方晶系板状フェライト等も使用可能であり、M型,
W型,Y型,Z型のバリウムフェライト、ストロンチウ
ムフェライト、カルシウムフェライト、鉛フェライト、
及びこれらに保磁力を制御する目的でCo−Ti、Co
−Ti−Zn、Co−Ti−Nb、Co−Ti−Zn−
Nb、Cu−Zr、Ni−Ti等を添加したものも使用
できる。さらには、Fe,Co,Ni等の金属、Fe−
Co,Fe−Ni,Fe−Al,Fe−Ni−Al,F
e−Al−P,Fe−Ni−Si−Al,Fe−Ni−
Si−Al−Mn,Fe−Mn−Zn、Fe−Ni−Z
n,Co−Ni,Co−P,Fe−Co−Ni,Fe−
Co−Ni−Cr,Fe−Co−Ni−P,Fe−Co
−B,Fe−Co−Cr−B,Mn−Bi,Mn−A
l,Fe−Co−V等の合金、窒化鉄、炭化鉄等も使用
可能である。このとき、還元時の焼結防止又は形状維持
等の目的で添加させるAl,Si,P,B等の軽金属元
素が適当量含有されたとしても、本発明の効果を妨げる
ものではない。
磁性粉末としては、γ−Fe2 O3,Fe3 O4 ,γ−
Fe2 O3 とFe3 O4 とのベルトライド化合物,Co
含有γ−Fe2 O3 ,Co含有Fe3 O4 ,Coを含有
するγ−Fe2 O3 とFe3O4 とのベルトライド化合
物, CrO2mに1種又はそれ以上の金属元素(例えばT
e,Sb,Fe,Bi等)を含有させた酸化物等、或い
は六方晶系板状フェライト等も使用可能であり、M型,
W型,Y型,Z型のバリウムフェライト、ストロンチウ
ムフェライト、カルシウムフェライト、鉛フェライト、
及びこれらに保磁力を制御する目的でCo−Ti、Co
−Ti−Zn、Co−Ti−Nb、Co−Ti−Zn−
Nb、Cu−Zr、Ni−Ti等を添加したものも使用
できる。さらには、Fe,Co,Ni等の金属、Fe−
Co,Fe−Ni,Fe−Al,Fe−Ni−Al,F
e−Al−P,Fe−Ni−Si−Al,Fe−Ni−
Si−Al−Mn,Fe−Mn−Zn、Fe−Ni−Z
n,Co−Ni,Co−P,Fe−Co−Ni,Fe−
Co−Ni−Cr,Fe−Co−Ni−P,Fe−Co
−B,Fe−Co−Cr−B,Mn−Bi,Mn−A
l,Fe−Co−V等の合金、窒化鉄、炭化鉄等も使用
可能である。このとき、還元時の焼結防止又は形状維持
等の目的で添加させるAl,Si,P,B等の軽金属元
素が適当量含有されたとしても、本発明の効果を妨げる
ものではない。
【0045】また、これらの強磁性粉末は、所定の原子
以外に、Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、C
u、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、
Ba、Ni、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、B
i、La、Ce、P、Mn、Zn、Co、Sr、B等の
原子を含んでも構わない。
以外に、Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、C
u、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、
Ba、Ni、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、B
i、La、Ce、P、Mn、Zn、Co、Sr、B等の
原子を含んでも構わない。
【0046】これら磁性粉末は、それぞれ一種を単独で
使用しても良く、二種以上を併用しても良い。
使用しても良く、二種以上を併用しても良い。
【0047】なお、下層が磁性層である場合、この下層
にはオーディオ信号を主として記録するため、強磁性粉
末の保磁力Hcは上層の強磁性粉末の保磁力Hcよりも
60〜100(Oe)程度低い方が好ましい。
にはオーディオ信号を主として記録するため、強磁性粉
末の保磁力Hcは上層の強磁性粉末の保磁力Hcよりも
60〜100(Oe)程度低い方が好ましい。
【0048】一方、この下層上に設けられる上記磁性層
(上層)を構成してなる結合剤としては、従来公知の結
合剤がいずれも使用可能であり、なんら限定されない。
この従来公知の結合剤としては、例えば塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア
ルコール共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、アクリル酸エス
テル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−
アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸−塩化ビニリ
デン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合
体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ
弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポリビ
ニルブチラール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジ
エン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、アルキッド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド
樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、又はこれらの混合物
等が挙げられる。
(上層)を構成してなる結合剤としては、従来公知の結
合剤がいずれも使用可能であり、なんら限定されない。
この従来公知の結合剤としては、例えば塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア
ルコール共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、アクリル酸エス
テル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−
アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸−塩化ビニリ
デン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合
体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ
弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポリビ
ニルブチラール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジ
エン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、アルキッド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド
樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、又はこれらの混合物
等が挙げられる。
【0049】中でも、柔軟性を付与するポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体等と、剛性を付与するセルロース誘導体、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂等が好適である。
脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体等と、剛性を付与するセルロース誘導体、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂等が好適である。
【0050】これら結合剤においては、イソシアネート
化合物を架橋させることにより耐久性を向上させたり、
或いは適当な極性基を導入しても良い。
化合物を架橋させることにより耐久性を向上させたり、
或いは適当な極性基を導入しても良い。
【0051】これら結合剤とともに上記上層を構成して
なる磁性粉末としては、従来公知の強磁性粉末がいずれ
も使用可能である。
なる磁性粉末としては、従来公知の強磁性粉末がいずれ
も使用可能である。
【0052】具体的に例示するならば、γ−FeO
x (x=1.33〜1.5)、Co変性γ−FeO
x (x=1.33〜1.5)、Fe又はNi又はCoを
主成分(75%以上)とする強磁性合金、バリウムフェ
ライト、ストロンチウムフェライト等が挙げられる。こ
れら強磁性金属粉末には、還元時の焼結防止又は形状維
持等の目的で、所定の原子以外にAl,Si,S,S
c,Ti,V,Cr,Cu,Y,Mo,Rh,Pd,A
g,Sn,Sb,Te,Ba,Ni,Ta,W,Re,
Au,Hg,Pb,Bi,La,Ce,P,Mn,Z
n,Co,Sr,B等の金属元素が適当量含有されたと
しても、本発明の効果を妨げるものではない。
x (x=1.33〜1.5)、Co変性γ−FeO
x (x=1.33〜1.5)、Fe又はNi又はCoを
主成分(75%以上)とする強磁性合金、バリウムフェ
ライト、ストロンチウムフェライト等が挙げられる。こ
れら強磁性金属粉末には、還元時の焼結防止又は形状維
持等の目的で、所定の原子以外にAl,Si,S,S
c,Ti,V,Cr,Cu,Y,Mo,Rh,Pd,A
g,Sn,Sb,Te,Ba,Ni,Ta,W,Re,
Au,Hg,Pb,Bi,La,Ce,P,Mn,Z
n,Co,Sr,B等の金属元素が適当量含有されたと
しても、本発明の効果を妨げるものではない。
【0053】これら磁性粉末は、それぞれ一種を単独で
使用しても良く、二種以上を併用しても良い。
使用しても良く、二種以上を併用しても良い。
【0054】本発明の磁気記録媒体においては、必要に
応じて潤滑剤、研磨剤、カーボンブラック、分散剤、帯
電防止剤等を上記下層又は上層に含有させることがで
き、その配合比等も通常の磁気記録媒体の場合に準じて
設定される。
応じて潤滑剤、研磨剤、カーボンブラック、分散剤、帯
電防止剤等を上記下層又は上層に含有させることがで
き、その配合比等も通常の磁気記録媒体の場合に準じて
設定される。
【0055】これら潤滑剤、研磨剤、カーボンブラッ
ク、分散剤、帯電防止剤等としては、従来公知の材料が
いずれも使用可能であり、特に限定されない。
ク、分散剤、帯電防止剤等としては、従来公知の材料が
いずれも使用可能であり、特に限定されない。
【0056】例えば、上記潤滑剤としては、シリコーン
オイル、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコー
ン、又はその他のフッ素系潤滑剤、ポリオレフィン、ポ
リグリコール、アルキル燐酸エステル及びその金属塩、
ポリフェニルエーテル、弗化アルキルエーテル、炭素数
12〜24までのアルコール類(それぞれ不飽和を含ん
でも分岐していても構わない。)、炭素数12〜24ま
での高級脂肪酸及び脂肪酸エステル類(それぞれ不飽和
を含んでも分岐していても構わない。)、アルキルカル
ボン酸アミン塩及び弗化アルキルカルボン酸アミン塩等
のアミン系潤滑剤等が使用可能である。
オイル、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコー
ン、又はその他のフッ素系潤滑剤、ポリオレフィン、ポ
リグリコール、アルキル燐酸エステル及びその金属塩、
ポリフェニルエーテル、弗化アルキルエーテル、炭素数
12〜24までのアルコール類(それぞれ不飽和を含ん
でも分岐していても構わない。)、炭素数12〜24ま
での高級脂肪酸及び脂肪酸エステル類(それぞれ不飽和
を含んでも分岐していても構わない。)、アルキルカル
ボン酸アミン塩及び弗化アルキルカルボン酸アミン塩等
のアミン系潤滑剤等が使用可能である。
【0057】上記高級脂肪酸及び脂肪酸エステル類とし
ては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、オ
レイン酸、エイコ酸、エライジン酸、ヘベン酸、リノー
ル酸、リノレイン酸、ステアリン酸オクチル、ミリスチ
ン酸オクチル、ミリスチン酸イソオクチル、ステアリン
酸ブトキシエチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸
ヘプチル等が挙げられる。
ては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、オ
レイン酸、エイコ酸、エライジン酸、ヘベン酸、リノー
ル酸、リノレイン酸、ステアリン酸オクチル、ミリスチ
ン酸オクチル、ミリスチン酸イソオクチル、ステアリン
酸ブトキシエチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸
ヘプチル等が挙げられる。
【0058】これら潤滑剤は、上層のみに添加すること
もできるし、上下両層に添加することもできる。また、
これら潤滑剤は、単独で使用しても良く、複数組み合わ
せて使用しても良い。
もできるし、上下両層に添加することもできる。また、
これら潤滑剤は、単独で使用しても良く、複数組み合わ
せて使用しても良い。
【0059】上記研磨剤としては、α−アルミナ、β−
アルミナ、溶融アルミナ、炭化珪素、酸化クロム、酸化
セリウム、α−酸化鉄、コランダム、ダイヤモンド、ケ
イ石、ザクロ石、ガーネット、窒化ケイ素、窒化ホウ
素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭化タングステン、
酸化チタン等を主成分として、モース硬度が6以上のも
のが使用可能である。
アルミナ、溶融アルミナ、炭化珪素、酸化クロム、酸化
セリウム、α−酸化鉄、コランダム、ダイヤモンド、ケ
イ石、ザクロ石、ガーネット、窒化ケイ素、窒化ホウ
素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭化タングステン、
酸化チタン等を主成分として、モース硬度が6以上のも
のが使用可能である。
【0060】これら研磨剤は、上層のみに添加すること
もできるし、上下両層に添加することもできる。また、
これら研磨剤は、単独で使用しても良く、複数組み合わ
せて使用しても良い。
もできるし、上下両層に添加することもできる。また、
これら研磨剤は、単独で使用しても良く、複数組み合わ
せて使用しても良い。
【0061】これら研磨剤の平均粒径は、0.01〜2
μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる研
磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒度分布を広
げたりして用いることができる。
μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる研
磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒度分布を広
げたりして用いることができる。
【0062】上記カーボンブラックとしては、アセチレ
ンブラック、ファーネスブラック、カラー用ブラック等
が使用可能である。また、製造工程中のハンドリンクを
良くするために、顆粒状のものを使用しても良い。
ンブラック、ファーネスブラック、カラー用ブラック等
が使用可能である。また、製造工程中のハンドリンクを
良くするために、顆粒状のものを使用しても良い。
【0063】これらカーボンブラックの平均粒径は、1
0〜1000nmの範囲であることが好ましい。
0〜1000nmの範囲であることが好ましい。
【0064】上記分散剤としては、炭素数5〜25の脂
肪酸、及びそのアルカリ金属又はアルカリ土類金属から
なる金属石鹸、脂肪酸エステル類、脂肪酸アミド、及び
アミン、リン酸エステル、ホウ酸エステル等が使用可能
である。
肪酸、及びそのアルカリ金属又はアルカリ土類金属から
なる金属石鹸、脂肪酸エステル類、脂肪酸アミド、及び
アミン、リン酸エステル、ホウ酸エステル等が使用可能
である。
【0065】上記帯電防止剤としては、上述のカーボン
ブラックの他、天然界面活性剤、ノニオン性界面活性
剤、カチオン性界面活性剤等が使用可能である。
ブラックの他、天然界面活性剤、ノニオン性界面活性
剤、カチオン性界面活性剤等が使用可能である。
【0066】また、本発明の磁気記録媒体において、上
記非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セ
ルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セ
ルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹
脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、その他のプラスチック、或いはアルミニウム、銅等
の金属、アルミニウム合金、チタン合金等の軽合金、セ
ラミクス、単結晶シリコン等により形成される支持体等
が挙げられる。
記非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セ
ルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セ
ルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹
脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、その他のプラスチック、或いはアルミニウム、銅等
の金属、アルミニウム合金、チタン合金等の軽合金、セ
ラミクス、単結晶シリコン等により形成される支持体等
が挙げられる。
【0067】これら非磁性支持体上に上記非磁性層或い
は磁性層を形成するには、上述の上下層構成材料を塗料
化し、これを上記非磁性支持体上に塗布し乾燥して形成
されるが、この塗料化に際し、使用される溶剤として
は、例えばアセトン、メトルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸
エチルモノエチルエーテル等のエステル系溶媒、グリコ
ール、モノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコール
エーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素系溶媒、メチレンクロリド、エチレンクロ
リド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒド
リン、ジクロロベンゼン等の塩素含有系溶媒等が使用可
能である。
は磁性層を形成するには、上述の上下層構成材料を塗料
化し、これを上記非磁性支持体上に塗布し乾燥して形成
されるが、この塗料化に際し、使用される溶剤として
は、例えばアセトン、メトルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸
エチルモノエチルエーテル等のエステル系溶媒、グリコ
ール、モノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコール
エーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素系溶媒、メチレンクロリド、エチレンクロ
リド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒド
リン、ジクロロベンゼン等の塩素含有系溶媒等が使用可
能である。
【0068】また、上記塗料を調製するための分散・混
練には、いずれも公知の方法が利用可能である。例え
ば、ロールミル、ボールミル、サンドミル、トロンミ
ル、高速ストーンミル、バスケットミル、ディスパー、
ホモミキサー、ニーダー、連続ニーダー、エクストルー
ダー、ホモジナイザー、超音波分散機等が用いられる。
練には、いずれも公知の方法が利用可能である。例え
ば、ロールミル、ボールミル、サンドミル、トロンミ
ル、高速ストーンミル、バスケットミル、ディスパー、
ホモミキサー、ニーダー、連続ニーダー、エクストルー
ダー、ホモジナイザー、超音波分散機等が用いられる。
【0069】この塗料の調製に際し、磁性粒子と他の添
加剤粒子とを別々に分散した後、両者を混合しても構わ
ない。
加剤粒子とを別々に分散した後、両者を混合しても構わ
ない。
【0070】また、上記磁性塗料の塗布に際して、上記
非磁性支持体上に直接行う前に、予め接着剤層等の下塗
り層を形成したり、上記非磁性支持体表面にコロナ放電
処理や電子線照射等の前処理を施したりしても良い。
非磁性支持体上に直接行う前に、予め接着剤層等の下塗
り層を形成したり、上記非磁性支持体表面にコロナ放電
処理や電子線照射等の前処理を施したりしても良い。
【0071】更に、このように調製された塗料を上記非
磁性支持体上に塗布する方法としては、例えばエアード
クターコート、ブレードコート、ロッドコート、押し出
しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コ
ート、リバースロールコート、グラビアコート、トラン
スファーロールコート、キャストコート等が挙げられる
が、これに限定されるものではない。また、押し出しコ
ートによる同時重層塗布も使用可能である。
磁性支持体上に塗布する方法としては、例えばエアード
クターコート、ブレードコート、ロッドコート、押し出
しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コ
ート、リバースロールコート、グラビアコート、トラン
スファーロールコート、キャストコート等が挙げられる
が、これに限定されるものではない。また、押し出しコ
ートによる同時重層塗布も使用可能である。
【0072】非磁性支持体上に下層と上層を形成するに
際し、ヘッドと摺動しない下層を構成してなる結合剤と
して四級アンモニウム塩を極性基としたポリウレタン樹
脂を用いることにより、コーティング性に優れた塗料が
得られ、磁性層表面形状が改善される。従って、媒体表
面の凹凸によるスペーシングの問題が防止され、電磁変
換特性の低下が抑えられる。
際し、ヘッドと摺動しない下層を構成してなる結合剤と
して四級アンモニウム塩を極性基としたポリウレタン樹
脂を用いることにより、コーティング性に優れた塗料が
得られ、磁性層表面形状が改善される。従って、媒体表
面の凹凸によるスペーシングの問題が防止され、電磁変
換特性の低下が抑えられる。
【0073】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明がこの実施例に限定されるものでないこと
は言うまでもない。
るが、本発明がこの実施例に限定されるものでないこと
は言うまでもない。
【0074】実験例1 先ず、下記の組成にて上層である磁性層及び下層である
非磁性層の各構成材料の塗料化を行った。
非磁性層の各構成材料の塗料化を行った。
【0075】 <上層用磁性塗料の組成> Co変性γ−Fe2 O3 磁性粉末 100重量部 (BET法による比表面積 45m2 /g) ニトロセルロース(旭化成社製、商品名:NC−1/2H) 8重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 6重量部 (U.C.C.社製、商品名:ビニライトVAGH) ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン社製、商品名:N−2304)8重量部 α−Al2O3 (住友化学社製、商品名:AKP−30) 3重量部 ポリイソシアネート 4重量部 (日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL) ミリスチン酸 1重量部 ステアリン酸ブチル 1重量部 メチルエチルケトン 80重量部 メチルイソブチルケトン 80重量部 トルエン 80重量部 上記組成の上層用磁性塗料材料を連続ニーダーで混練し
た後、サンドミルを用いて分散した。
た後、サンドミルを用いて分散した。
【0076】続いて、ポリイソシアネートを4重量部と
ミリスチン酸1重量部を加え、これを1μmの平均口径
を有するフィルターで濾過し、上層用磁性塗料液とし
た。
ミリスチン酸1重量部を加え、これを1μmの平均口径
を有するフィルターで濾過し、上層用磁性塗料液とし
た。
【0077】 <下層非磁性塗料組成> 結合剤 50重量部 ポリウレタン樹脂 (極性基として四級アンモニウム塩を0.1mmol/g含有、分子量=20,000) 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 (極性基として三級アミンを0.5mmol/g含有、分子量=32,000) カーボンブラック(カボット社製、商品名BP−L) 100重量部 ポリイソシアネート 5重量部 (日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL) ミリスチン酸 1重量部 メチルエチルケトン 100重量部 メチルイソブチルケトン 100重量部 トルエン 50重量部 上記組成の下層用非磁性塗料材料をディスパーで混合し
た後、サンドミルを用いて分散した。
た後、サンドミルを用いて分散した。
【0078】続いて、ポリイソシアネートを5重量部と
ミリスチン酸1重量部を加え、これを1μmの平均口径
を有するフィルターで濾過し、下層用非磁性塗料液とし
た。
ミリスチン酸1重量部を加え、これを1μmの平均口径
を有するフィルターで濾過し、下層用非磁性塗料液とし
た。
【0079】そして、先ず、上述のようにして調製され
た下層用非磁性塗料を押し出しコートにより14μm厚
のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に
厚さが2.0μmとなるようにコーティングした後、乾
燥、硬化して、下層単層のみが設けられたサンプルテー
プを作製した。
た下層用非磁性塗料を押し出しコートにより14μm厚
のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に
厚さが2.0μmとなるようにコーティングした後、乾
燥、硬化して、下層単層のみが設けられたサンプルテー
プを作製した。
【0080】同様に、上述のようにして調製された各塗
料を同時重層塗布装置を用いて、14μm厚のPET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に上層1.
0μm、下層2.0μmの厚み構成となるように同時塗
布(ウェット・オン・ウェット)した後、乾燥、硬化し
て下層、上層を同時に塗布形成した。
料を同時重層塗布装置を用いて、14μm厚のPET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に上層1.
0μm、下層2.0μmの厚み構成となるように同時塗
布(ウェット・オン・ウェット)した後、乾燥、硬化し
て下層、上層を同時に塗布形成した。
【0081】そして、得られた幅広の磁性フィルムを1
/2インチ幅に裁断して、下層及び上層が設けられたサ
ンプルテープを作製した。
/2インチ幅に裁断して、下層及び上層が設けられたサ
ンプルテープを作製した。
【0082】そこで、以上のようにして作製した各サン
プルテープについて、下層単層における分散性とコーテ
ィング性、及び同時重層塗布時のコーティング性とビデ
オ電磁変換特性をそれぞれ調べた。
プルテープについて、下層単層における分散性とコーテ
ィング性、及び同時重層塗布時のコーティング性とビデ
オ電磁変換特性をそれぞれ調べた。
【0083】なお、各特性の測定方法は次に示す通りで
ある。
ある。
【0084】1.分散性 下層用非磁性塗料を14μm厚のPET(ポリエチレン
テレフタレート)フィルム上に塗布、乾燥した後、塗布
面の光沢度(グロス)を日本電色工業社製のデジタル変
角光沢計(商品名 VG−1D)により入射角45°で
測定した。尚、光沢度は、下記の評価基準に従って表し
た。
テレフタレート)フィルム上に塗布、乾燥した後、塗布
面の光沢度(グロス)を日本電色工業社製のデジタル変
角光沢計(商品名 VG−1D)により入射角45°で
測定した。尚、光沢度は、下記の評価基準に従って表し
た。
【0085】 ○:光沢度が120%以上 △:光沢度が100%以上、120%未満 ×:100%未満 2.コーティング性 下層単層のみ及び重層のそれぞれの構成を有するサンプ
ルテープを光学顕微鏡(微分干渉)により、5倍で塗布
表面を観察し、以下の評価基準により表した。
ルテープを光学顕微鏡(微分干渉)により、5倍で塗布
表面を観察し、以下の評価基準により表した。
【0086】 ○:ストリーク(スジ)が全くないもの △:ストリークが発生しているもの ×:全体に大きな傷となり、目視でも確認できるもの 3.RF−OUT(ビデオ出力) 松下電気産業社製のVTR(ビデオテープレコーダ)A
G−6200(商品名)を用いて、ビデオ信号を記録
し、その再生レベルを基準テープ(JVC製、商品名:
VRT−2)を0dBとしたときの相対値により表し
た。
G−6200(商品名)を用いて、ビデオ信号を記録
し、その再生レベルを基準テープ(JVC製、商品名:
VRT−2)を0dBとしたときの相対値により表し
た。
【0087】4.Y−S/N(ビデオS/N) ビデオ信号のS/Nを上記基準テープを0dBとしたと
きの相対値により表した。
きの相対値により表した。
【0088】5.C−OUT(クロマ出力) クロマ信号を記録、再生し、その再生レベルを上記基準
テープを0dBとしたときの相対値により表した。
テープを0dBとしたときの相対値により表した。
【0089】6.C−S/N(クロマS/N) クロマ信号のS/Nを上記基準テープを0dBとしたと
きの相対値により表した。
きの相対値により表した。
【0090】7.表面電気抵抗 サンプルサイズを1/2インチ×1/2インチとし、温
度23℃、湿度30%RHの条件下で松下電気産業社製
のデジタルマルチメーターにより測定した。
度23℃、湿度30%RHの条件下で松下電気産業社製
のデジタルマルチメーターにより測定した。
【0091】8.光透過率 JVC社製のVHSカセットオプチカルテスター(商品
名 VT−2M)により、テープの光透過率を測定し
た。
名 VT−2M)により、テープの光透過率を測定し
た。
【0092】9.走行耐久性 温度40℃、湿度80%RHの条件下で120分長(T
−120)のビデオテープを上記VTRにかけ、全長走
行の繰り返しテストを行い、予め記録された信号レベル
がヘッド目ずまりのためにモニターに現れなくなるまで
の走行回数を測定した。
−120)のビデオテープを上記VTRにかけ、全長走
行の繰り返しテストを行い、予め記録された信号レベル
がヘッド目ずまりのためにモニターに現れなくなるまで
の走行回数を測定した。
【0093】上記下層用非磁性塗料の組成中の結合剤
を、下記の表1、表2に示すようなポリポリウレタン樹
脂と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体にそれぞれ変
え、その他は同様にしてサンプルテープを作製した(但
し、実施例2及び実施例6では、ポリイソシアネートは
添加しなかった。)。なお、上記ポリポリウレタン樹脂
と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体の割合は、下記表
1、表2に示す通りとした。
を、下記の表1、表2に示すようなポリポリウレタン樹
脂と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体にそれぞれ変
え、その他は同様にしてサンプルテープを作製した(但
し、実施例2及び実施例6では、ポリイソシアネートは
添加しなかった。)。なお、上記ポリポリウレタン樹脂
と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体の割合は、下記表
1、表2に示す通りとした。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】そして、得られたサンプルテープについ
て、同様にして下層単層における分散性とコーティング
性、及び同時重層塗布時のコーティング性とビデオ電磁
変換特性をそれぞれ調べた。結果を表3、表4に示す。
て、同様にして下層単層における分散性とコーティング
性、及び同時重層塗布時のコーティング性とビデオ電磁
変換特性をそれぞれ調べた。結果を表3、表4に示す。
【0097】
【表3】
【0098】
【表4】
【0099】表3、表4に示すように、下層用非磁性塗
料の組成中、結合剤として四級アンモニウム塩を極性基
として含有したポリウレタン樹脂のみを使用した場合に
は、他の結合剤を単独、或いは混合して用いた場合に比
べて、著しくコーティング性が優れていることがわかっ
た。
料の組成中、結合剤として四級アンモニウム塩を極性基
として含有したポリウレタン樹脂のみを使用した場合に
は、他の結合剤を単独、或いは混合して用いた場合に比
べて、著しくコーティング性が優れていることがわかっ
た。
【0100】これに対して、塩化ビニルー酢酸ビニル系
共重合体や四級アンモニウム塩以外の極性基を有するポ
リウレタン樹脂を下層の結合剤として使用した場合に
は、数種の結合剤を組み合わせることでコーティング性
を多少改善することができることがわかった。
共重合体や四級アンモニウム塩以外の極性基を有するポ
リウレタン樹脂を下層の結合剤として使用した場合に
は、数種の結合剤を組み合わせることでコーティング性
を多少改善することができることがわかった。
【0101】一方、極性基として三級アミンを有するポ
リウレタン樹脂と塩化ビニルー酢酸ビニル系共重合体を
組み合わせて使用した場合では、塩化ビニルー酢酸ビニ
ル系共重合体の極性基の種類により分散性が著しく低下
したのに対して、四級アンモニウム塩を極性基として含
んだポリウレタン樹脂との組み合わせでは、分散性の低
下が少ないことがわかった。しかし、コーティング性を
考慮すると、四級アンモニウム塩を極性基として含有し
たポリウレタン樹脂を単独で用いることがより効果的で
あるといえる。
リウレタン樹脂と塩化ビニルー酢酸ビニル系共重合体を
組み合わせて使用した場合では、塩化ビニルー酢酸ビニ
ル系共重合体の極性基の種類により分散性が著しく低下
したのに対して、四級アンモニウム塩を極性基として含
んだポリウレタン樹脂との組み合わせでは、分散性の低
下が少ないことがわかった。しかし、コーティング性を
考慮すると、四級アンモニウム塩を極性基として含有し
たポリウレタン樹脂を単独で用いることがより効果的で
あるといえる。
【0102】また、非磁性塗料の分散性が悪くなると、
下層の表面粗度が悪化し、コーティング性にも影響する
ことが判った、このことから、下層用非磁性塗料には、
分散性とコーティング性の両方が良くなければならない
ことが明らかとなった。
下層の表面粗度が悪化し、コーティング性にも影響する
ことが判った、このことから、下層用非磁性塗料には、
分散性とコーティング性の両方が良くなければならない
ことが明らかとなった。
【0103】以上の結果から、下層の結合剤として、四
級アンモニウム塩を極性基として含有したポリウレタン
樹脂を用いることにより、コーティング性が改善され、
磁気記録媒体の電気抵抗及び光透過率の低減、電磁変換
特性の向上を図ることができることがわかった。
級アンモニウム塩を極性基として含有したポリウレタン
樹脂を用いることにより、コーティング性が改善され、
磁気記録媒体の電気抵抗及び光透過率の低減、電磁変換
特性の向上を図ることができることがわかった。
【0104】実験例2 本実験例は、上層、下層共に磁性層とした例である。
【0105】ここで、用いた上層磁性塗料液の組成は、
先の実験例1と同様である。下層磁性塗料液の組成は下
記の通りである。
先の実験例1と同様である。下層磁性塗料液の組成は下
記の通りである。
【0106】 <下層用磁性塗料の組成> Co変性γ−Fe2 O3 磁性粉末 100重量部 (BET法による比表面積 30m2 /g) 結合剤(表5、表6に示す通り。) 20重量部 カーボンブラック(カボット社製、商品名BP−L) 50重量部 ポリイソシアネート 5重量部 (日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL) ミリスチン酸 1重量部 メチルエチルケトン 80重量部 メチルイソブチルケトン 80重量部 トルエン 80重量部
【0107】
【表5】
【0108】
【表6】
【0109】そして、先ず、上述のようにして調製され
た下層用非磁性塗料を押し出しコートにより14μm厚
のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に
厚さが2.0μmとなるようにコーティングした後、乾
燥、硬化して、下層単層のみが設けられたサンプルテー
プを作製した。
た下層用非磁性塗料を押し出しコートにより14μm厚
のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に
厚さが2.0μmとなるようにコーティングした後、乾
燥、硬化して、下層単層のみが設けられたサンプルテー
プを作製した。
【0110】同様に、上述のようにして調製された各塗
料を同時重層塗布装置を用いて、14μm厚のPET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に上層1.
0μm、下層2.0μmの厚み構成となるように同時塗
布(ウェット・オン・ウェット)した後、乾燥、硬化し
て下層、上層を同時に塗布形成した。
料を同時重層塗布装置を用いて、14μm厚のPET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に上層1.
0μm、下層2.0μmの厚み構成となるように同時塗
布(ウェット・オン・ウェット)した後、乾燥、硬化し
て下層、上層を同時に塗布形成した。
【0111】そして、得られた幅広の磁性フィルムを1
/2インチ幅に裁断して、下層及び上層が設けられたサ
ンプルテープを作製した。
/2インチ幅に裁断して、下層及び上層が設けられたサ
ンプルテープを作製した。
【0112】以上のようにして作製した各サンプルテー
プについて、下層単層における分散性とコーティング
性、及び同時重層塗布時のコーティング性とビデオ電磁
変換特性をそれぞれ調べた。測定結果を表7、表8に示
す。
プについて、下層単層における分散性とコーティング
性、及び同時重層塗布時のコーティング性とビデオ電磁
変換特性をそれぞれ調べた。測定結果を表7、表8に示
す。
【0113】
【表7】
【0114】
【表8】
【0115】表7、表8に示すように、本実験例におい
ても、下層用磁性塗料の組成中、結合剤として四級アン
モニウム塩を極性基として含有したポリウレタン樹脂の
みを使用した場合には、他の結合剤を単独、或いは混合
して用いた場合に比べて、著しくコーティング性が優れ
ていることがわかった。
ても、下層用磁性塗料の組成中、結合剤として四級アン
モニウム塩を極性基として含有したポリウレタン樹脂の
みを使用した場合には、他の結合剤を単独、或いは混合
して用いた場合に比べて、著しくコーティング性が優れ
ていることがわかった。
【0116】これに対して、塩化ビニルー酢酸ビニル系
共重合体や四級アンモニウム塩以外の極性基を有するポ
リウレタン樹脂を下層の結合剤として使用した場合に
は、数種の結合剤を組み合わせることでコーティング性
を多少改善することができることがわかった。具体的に
は、四級アンモニウム塩を極性基として含有したポリウ
レタン樹脂を60重量%以上含む方が、コーティング性
が良好である。
共重合体や四級アンモニウム塩以外の極性基を有するポ
リウレタン樹脂を下層の結合剤として使用した場合に
は、数種の結合剤を組み合わせることでコーティング性
を多少改善することができることがわかった。具体的に
は、四級アンモニウム塩を極性基として含有したポリウ
レタン樹脂を60重量%以上含む方が、コーティング性
が良好である。
【0117】一方、極性基として三級アミンを有するポ
リウレタン樹脂と塩化ビニルー酢酸ビニル系共重合体を
組み合わせて使用した場合では、塩化ビニルー酢酸ビニ
ル系共重合体の極性基の種類により分散性が著しく低下
したのに対して、四級アンモニウム塩を極性基として含
んだポリウレタン樹脂との組み合わせでは、分散性の低
下が少ないことが判った。しかし、コーティング性を考
慮すると、四級アンモニウム塩を極性基として含有した
ポリウレタン樹脂を単独で用いることがより効果的であ
るといえる。
リウレタン樹脂と塩化ビニルー酢酸ビニル系共重合体を
組み合わせて使用した場合では、塩化ビニルー酢酸ビニ
ル系共重合体の極性基の種類により分散性が著しく低下
したのに対して、四級アンモニウム塩を極性基として含
んだポリウレタン樹脂との組み合わせでは、分散性の低
下が少ないことが判った。しかし、コーティング性を考
慮すると、四級アンモニウム塩を極性基として含有した
ポリウレタン樹脂を単独で用いることがより効果的であ
るといえる。
【0118】また、下層磁性塗料の分散性が悪くなる
と、下層の表面粗度が悪化し、コーティング性にも影響
することがわかった、このことから、下層用磁性塗料に
は、分散性とコーティング性の両方が良くなければなら
ないことが明らかとなった。
と、下層の表面粗度が悪化し、コーティング性にも影響
することがわかった、このことから、下層用磁性塗料に
は、分散性とコーティング性の両方が良くなければなら
ないことが明らかとなった。
【0119】以上の結果から、下層の結合剤として、四
級アンモニウム塩を極性基として含有したポリウレタン
樹脂を用いることにより、コーティング性が改善され、
磁気記録媒体の電磁変換特性、オーディオ特性の向上を
図ることができることがわかった。
級アンモニウム塩を極性基として含有したポリウレタン
樹脂を用いることにより、コーティング性が改善され、
磁気記録媒体の電磁変換特性、オーディオ特性の向上を
図ることができることがわかった。
【0120】実験例3 本実験例では、本発明の効果をより明確なものとするた
め、下層磁性層、上層磁性層からなる重層磁気記録媒
体、下層非磁性層、上層磁性層からなる重層磁気記録媒
体、及び単層磁気記録媒体について、磁気転写装置(H
SP:High SpeedPrinter)でのオーディオ特性の測定
を行った。
め、下層磁性層、上層磁性層からなる重層磁気記録媒
体、下層非磁性層、上層磁性層からなる重層磁気記録媒
体、及び単層磁気記録媒体について、磁気転写装置(H
SP:High SpeedPrinter)でのオーディオ特性の測定
を行った。
【0121】<磁性+磁性重層塗料液>先の実験例2と
同様の上層磁性塗料、下層磁性塗料を用いた。
同様の上層磁性塗料、下層磁性塗料を用いた。
【0122】<非磁性+磁性重層塗料>先の実験例1と
同様の上層磁性塗料、下層非磁性塗料を用いた。ただ
し、下層非磁性塗料の結合剤は、実験例2における下層
磁性塗料に準ずる。(表5、表6参照) <単層磁性塗料>下記の組成の塗料を前記実験例1の磁
性塗料と同様の手法で混合した。
同様の上層磁性塗料、下層非磁性塗料を用いた。ただ
し、下層非磁性塗料の結合剤は、実験例2における下層
磁性塗料に準ずる。(表5、表6参照) <単層磁性塗料>下記の組成の塗料を前記実験例1の磁
性塗料と同様の手法で混合した。
【0123】 Co変性γ−Fe2 O3 磁性粉末 100重量部 (BET法による比表面積 45m2 /g) 結合剤 30重量部 α−Al2O3 (住友化学社製、商品名:AKP−30) 3重量部 カーボンブラック(カボット社製、商品名BP−L) 5重量部 ポリイソシアネート 4重量部 (日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL) ミリスチン酸 1重量部 ステアリン酸ブチル 1重量部 メチルエチルケトン 80重量部 メチルイソブチルケトン 80重量部 トルエン 80重量部 ただし、結合剤は、実験例2における下層磁性塗料に準
ずる。(表5、表6参照) 測定は、ソニー社製、HSP−5000AR(商品名)
を用いてオーディオ信号を記録し、その再生レベルを基
準テープ(JVC社製、VRT−2)を0dBとしたと
きの相対値で表した。結果を表9、表10、表11に示
す。
ずる。(表5、表6参照) 測定は、ソニー社製、HSP−5000AR(商品名)
を用いてオーディオ信号を記録し、その再生レベルを基
準テープ(JVC社製、VRT−2)を0dBとしたと
きの相対値で表した。結果を表9、表10、表11に示
す。
【0124】
【表9】
【0125】
【表10】
【0126】
【表11】
【0127】これら表を見ると明らかなように、磁性+
磁性の重層磁気記録媒体は、磁気転写記録においても有
効であり、これまでの単層磁気記録媒体より特性の向上
が見られる。したがって、この記録方式においても、表
面粗度が大きく影響していることがわかる。
磁性の重層磁気記録媒体は、磁気転写記録においても有
効であり、これまでの単層磁気記録媒体より特性の向上
が見られる。したがって、この記録方式においても、表
面粗度が大きく影響していることがわかる。
【0128】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
においては、非磁性支持体上に上層と下層とが形成され
てなる重層塗布型の磁気記録媒体において、下層を構成
してなる結合剤として、四級アンモニウム塩を極性基と
して含有したポリウレタン樹脂又はこの樹脂と硬化剤を
用いているので、上記下層用の塗料のコーティング性が
良好となり、優れた電磁変換特性を実現することが可能
となる。また、上記ポリウレタン樹脂を他の結合剤樹脂
と組み合わせて使用した場合にも、コーティング性の悪
化が抑えられるとともに、優れた耐久性及び機械的特性
を確保することができる。従って、本発明によれば、電
磁変換特性、特にビデオS/NやマクロS/Nに優れた
磁気記録媒体を得ることができる。
においては、非磁性支持体上に上層と下層とが形成され
てなる重層塗布型の磁気記録媒体において、下層を構成
してなる結合剤として、四級アンモニウム塩を極性基と
して含有したポリウレタン樹脂又はこの樹脂と硬化剤を
用いているので、上記下層用の塗料のコーティング性が
良好となり、優れた電磁変換特性を実現することが可能
となる。また、上記ポリウレタン樹脂を他の結合剤樹脂
と組み合わせて使用した場合にも、コーティング性の悪
化が抑えられるとともに、優れた耐久性及び機械的特性
を確保することができる。従って、本発明によれば、電
磁変換特性、特にビデオS/NやマクロS/Nに優れた
磁気記録媒体を得ることができる。
【0129】また、本発明では、磁性塗料を単層塗布し
た場合と比べ、電気抵抗及び光透過率の低減、さらには
オーディオ特性の改善が図られる。従って、本発明によ
れば、いずれの特性においても優れた磁気記録媒体を得
ることができ、より厳しい環境下においても長期間に亘
って高品質の記録・再生を行うことが可能となる。
た場合と比べ、電気抵抗及び光透過率の低減、さらには
オーディオ特性の改善が図られる。従って、本発明によ
れば、いずれの特性においても優れた磁気記録媒体を得
ることができ、より厳しい環境下においても長期間に亘
って高品質の記録・再生を行うことが可能となる。
Claims (6)
- 【請求項1】 非磁性支持体上に非磁性顔料と結合剤と
を主体とする下層と、強磁性粉末と結合剤とを主体とす
る上層が順次形成されてなる磁気記録媒体において、 上記下層を構成してなる下層用結合剤は極性基として四
級アンモニウム塩を有するポリウレタン樹脂を含有する
ことを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】 四級アンモニウム塩を有するポリウレタ
ン樹脂の割合が下層用結合剤の60重量%以上であるこ
とを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 下層に含まれる硬化剤の量が上記下層用
結合剤を100重量部としたときに30重量部以下であ
ることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤と
を主体とする下層と、強磁性粉末と結合剤とを主体とす
る上層が順次形成されてなる磁気記録媒体において、 上記下層を構成してなる下層用結合剤は極性基として四
級アンモニウム塩を有するポリウレタン樹脂を含有する
ことを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項5】 四級アンモニウム塩を有するポリウレタ
ン樹脂の割合が下層用結合剤の60重量%以上であるこ
とを特徴とする請求項4記載の磁気記録媒体。 - 【請求項6】 下層に含まれる硬化剤の量が上記下層用
結合剤を100重量部としたときに30重量部以下であ
ることを特徴とする請求項4記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16911195A JPH0922521A (ja) | 1995-07-04 | 1995-07-04 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16911195A JPH0922521A (ja) | 1995-07-04 | 1995-07-04 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0922521A true JPH0922521A (ja) | 1997-01-21 |
Family
ID=15880510
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16911195A Pending JPH0922521A (ja) | 1995-07-04 | 1995-07-04 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0922521A (ja) |
-
1995
- 1995-07-04 JP JP16911195A patent/JPH0922521A/ja active Pending
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Date | Code | Title | Description |
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A02 | Decision of refusal |
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