JPH09224676A - 新規プロモーター - Google Patents

新規プロモーター

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JPH09224676A
JPH09224676A JP8039821A JP3982196A JPH09224676A JP H09224676 A JPH09224676 A JP H09224676A JP 8039821 A JP8039821 A JP 8039821A JP 3982196 A JP3982196 A JP 3982196A JP H09224676 A JPH09224676 A JP H09224676A
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JP
Japan
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gene
yeast
promoter
sequence
dna
Prior art date
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Pending
Application number
JP8039821A
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English (en)
Inventor
Osamu Kobayashi
統 小林
Hidetaka Sone
秀隆 曽根
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Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
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Publication date
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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロモーター活性を有するDNA断片の提
供。 【解決手段】 以下の配列を有するDNA配列、または
以下の配列と相同性を有しかつプロモーター活性を保持
する配列を有する、DNA断片。 AATTTTCATG GGAGATACGT TAAATCTTTC ACAGTCTTAT CAAATTTTCA TGGGAGATAC 60 GTTAAATCTT TCACAGTCTT ATCGTTTTGA ATCACTGGAC GGTTCTGGTA TTCTGCTTCA 120 TATTTCGACA AAATAATAAA TATAAAAAGA GCACCCTCAT GATTTCTTGC TCTGCAGTAA 180 ATTCCGCAAA TGATTTTCTT TAAATTGATT AGCACCACTA AAAAAA 226 【効果】 本発明によれば、酵母を宿主とする異種遺伝
子発現系において利用できる、高活性なプロモーターが
提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なプロモーター
に関する。適当なベクターに挿入された本発明のプロモ
ーターは、宿主で外来遺伝子の発現に使用される。
【0002】
【従来の技術】近年、遺伝子工学の技術を酵母に応用す
ることにより、目的とする蛋白質を大量に製造する酵母
株の造成が試みられている。この試みにおいては、目的
とする蛋白質それ自体が有用である場合もあり、また目
的とする蛋白質が製造されて酵母の性質が改良され、そ
の酵母の有用性が高められることもある。後者の可能性
のある具体例としては、酵母を利用したアルコール製
造、アミノ酸製造などの代謝産物の製造のほか、発酵食
物(例えば、パン、味噌、醤油)もしくは発酵飲料(例
えば、ビール、ワイン、清酒、焼酎、スピリット類)の
製造への応用がある。
【0003】今日まで、遺伝子工学の技術を用いて目的
とする蛋白質を酵母中で大量に発現させることを目的と
して、「プロモーター」の開発が精力的に行われてき
た。現在までいくつかの強力なプロモーターが見い出さ
れており、酵母中での外来遺伝子の発現に有用であるこ
とが示されている。例えば、サッカロミセス・セレビシ
アエ(Saccharomyces cerevisiae)の遺伝子ADC1
(別名ADH)、GAPDH(別名GPD)、PGK遺
伝子などのプロモーターが、酵母での異種遺伝子の発現
に使用されている。
【0004】一方、遺伝子工学の進歩に伴い、複数種類
の外来遺伝子を同時に同一宿主内で発現することによる
菌株改良が行われるようになった。この複数種類の外来
遺伝子の発現を実現するには、それと同数の種類のプロ
モーターを用いることが、遺伝子工学による菌株改良操
作、および目的とする改良株の遺伝的安定性などの点か
ら好ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酵母を宿主
とする異種遺伝子発現系において利用できる、高活性な
プロモーターを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、下面ビール酵母(Saccharomyces cerevi
siae)のLg−FLO1遺伝子の遺伝子発現について鋭
意検討をした結果、下面ビール酵母染色体から高活性な
プロモーターを含むDNA断片を取得することに成功
し、本発明を完成する到った。
【0007】すなわち、本発明は、配列番号1に記載さ
れるDNA配列、またはプロモーター活性を保持するそ
の相同配列を有するDNA配列、または配列番号2に記
載されるDNA配列、またはプロモーター活性を保持す
るその相同配列を有するDNA配列である。本発明はま
た、前記DNA配列と、その下流に位置する外来遺伝子
とを含んでなる発現プラスミドである。さらに、本発明
は、前記発現プラスミドによる形質転換により取得され
た形質転換体である。さらにまた、本発明は、前記形質
転換体を培養し、培養物から蛋白質を得ることを特徴と
する蛋白質の製造法である。法である。
【0008】本発明によるDNA断片は高いプロモータ
ー活性を有するプロモーターを含んでいる。従って、本
発明によるDNA断片を外来遺伝子とともに連結したプ
ラスミドを宿主に導入することによって、外来遺伝子を
高発現させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(1) プロモーター活性を有するDNA断片 本発明のプロモーター活性を有するDNA断片は配列番
号1で表される。このDNA断片は酵母においてLg−
Flo1蛋白質の構造遺伝子の上流に位置し、プロモー
ター領域を含むものである。さらに、本発明によるプロ
モーター活性を有するDNA断片には、配列番号1で表
される配列に加えて、配列番号1に記載されるDNA配
列と相同性を有し、かつプロモーター活性を保持する配
列も含まれる。このような配列には、配列番号1の配列
およびその部分配列中の塩基のいずれかについて欠失、
置換、および付加、並びにこれらの組み合わせが存在す
るが、そのプロモーター活性を保持する配列も包含され
る意味に解釈されるべきである。図3に示したように、
配列番号1で表される226bpの配列ではプロモータ
ー活性を持っているが、配列番号1で表される配列の
3’側の175bpではプロモーター活性をほとんど持
たない。これより、充分なプロモーター活性を持つDN
A断片の長さは、226bp以下、かつ176bp以上
であると推察される。また、配列番号2で表される17
79bp配列は、配列番号1で表される配列を含んでい
るが、図3に示したように、配列番号2で表されるDN
A配列は、配列番号1に示されたDNA配列よりも高い
プロモーター活性を持つ。
【0010】なお、本発明において「プロモーター」と
は、宿主細胞中で構造遺伝子に連結したとき、その構造
遺伝子に関して、そのプロモーターが存在しない条件下
の転写、翻訳、もしくは、mRNAの安定性を増大させ
る任意のDNA配列を意味する。また、「外来遺伝子」
とは、その遺伝子が特定生物に由来するか否かを問わ
ず、自然界では特定のプロモーターと機能的に共存して
いない任意の遺伝子を意味する。さらに、本発明では、
「DNA」、「遺伝子」、および「遺伝子DNA」とい
う用語を実質的に同義のものとして用いることとする。
【0011】本発明の上記酵母プロモーターを含むDN
A断片は慣用されている核酸合成の手法により全合成す
ることができる
【0012】(2) 形質転換および外来遺伝子の発現等 本発明によるプロモーターを含むDNA断片をその上流
に連結した外来遺伝子(以下「プロモーター連結外来遺
伝子」ということがある)を酵母に導入することによ
り、外来遺伝子の発現が本発明によるプロモーターによ
って制御されている酵母を取得することができる。
【0013】このプロモーター連結外来遺伝子を酵母に
導入する方法としては、Methods inEnzymology, Volume
194 (1991) に記載されているように当業界において慣
用されている手法を用いることができる。具体的には、
プロモーター連結外来遺伝子をベクターに組み込んでこ
れを酵母に導入する方法、直接酵母に導入する方法等が
挙げられる。
【0014】本発明によれば、プロモーター遺伝子を含
むDNA断片と、その下流に位置する外来遺伝子とを連
結してなるDNA断片を含むDNAがベクターに連結さ
れた発現プラスミドが提供される。
【0015】発現プラスミド構築のために用いられるベ
クターとしては、例えばYRp系(酵母染色体のARS
配列を複製起点とする酵母用マルチコピーベクター)、
YEp系(酵母の2μmDNAの複製起点を持つマルチ
コピーベクター)、YCp系(酵母染色体のARS配列
を複製起点として持ち、かつ酵母染色体のセントロメア
のDNA配列を持つ酵母用シングルコピーベクター)、
YIp系(酵母の複製起点を持たない酵母染色体組み込
み用ベクター)などの酵母用ベクターとして用いられて
いるものを挙げることができる。これらのベクターおよ
びその組み換え体の作製等については、Methods in Enz
ymology, Volume194 (1991) に記載されている。
【0016】連結される外来遺伝子は特に限定されるも
のではないが、例えば、α−アセト乳酸脱炭酸酵素遺伝
子、アルコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子、グ
ルコアミラーゼ遺伝子などを用いることができる。連結
される外来遺伝子はそれにコードされている遺伝子産物
の発現を目的とすることに限定されず、アンチセンスR
NAによる発現制御もその目的に含まれる。
【0017】発現プラスミドには、形質転換体選択のた
めのマーカー遺伝子(例えばG418耐性遺伝子、セル
レニン耐性遺伝子、銅耐性遺伝子)、形質転換する宿主
の種類に応じたターミネーター(例えばPGK遺伝子、
ADC遺伝子、GPD遺伝子のターミネーター)などを
連結することができる。
【0018】発現プラスミドによる形質転換法として
は、例えば、リチウムアセテート法が挙げられるが、こ
れに限定されるものではない。
【0019】また、酵母に直接DNAを導入する手法と
しては、薬剤耐性遺伝子等のマーカー遺伝子を持つプラ
スミドと導入する遺伝子DNAとで同時に酵母を形質転
換する共形質転換法(特公平5−60918号)を挙げ
ることができる。
【0020】発現ベクターによって形質転換される宿主
としては、好ましくは酵母が挙げられる。具体的には実
験酵母、ビール酵母、ワイン酵母、清酒酵母、ウィスキ
ー酵母、焼酎酵母などの醸造用酵母のほか、パン酵母な
どの食品用酵母、アルコール生産用酵母などの工業用酵
母などを用いることができる。
【0021】また、本発明による形質転換体を培養する
ことによって、蛋白質を製造することができる。発現す
ることができる蛋白質としては、例えばビール酵母にお
いては、α−アセト乳酸脱炭酸酵素、アルコールアセチ
ルトランスフェラーゼ、グルコアミラーゼなどである。
【0022】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 〔実施例1〕 醸造用酵母のLg-FLO1遺伝子の発現様式
の調査 Lg-FLO1遺伝子を持つ醸造用酵母、KBY001を、YM15培地
[1.25%酵母抽出物(ディフコ社)、1.25%麦芽抽出物
(ディフコ社)、15%ブドウ糖(和光純薬)] で30℃で
振とう培養し、静止期に達した細胞を、OD600=0.15とな
るようにYM15培地に植菌し、20℃で振とう条件下で培養
し、12時間ごとにサンプリングを行った。その際に、培
地中の細胞のOD600の値も測定した。得られた試料か
ら、ElitonとWarnerの方法(Cell, 39, 663-673, 198
4)で全RNAを抽出し、その0.01mgを0.016mlのDMSO溶液
(1Mグリオキサール、50%DMSO、10mMリン酸ナトリ
ウム緩衝液、pH7.0)で1時間、50℃の処理によってグ
リオキサール化を行った後、0.002mlのアプライ用緩衝
液 [50%(W/V)グリセロール、10mMリン酸緩衝液
(pH7.0)、0.4%(W/V)ブロムフェニルブルー] お
よび0.01mlの臭化エチジウム溶液(1mg/ml)を加え、10
mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)、1%アガロースを
含むゲル中で電気泳動を行った。電気泳動中は、ペリス
タポンプを用いて、電気泳動槽中の緩衝液を常に循環さ
せ、pHの勾配が生ずることを防いだ。ブロムフェニルブ
ルーがゲルの長さの70%程度に達したときに電気泳動を
中止し、紫外線トランスイルミネーターを用いて臭化エ
チジウムで染色されたゲル中のRNAを観察し、リボゾー
マルRNAを指標にRNAが分解されていないことを確認し
た。その後に、ゲル中のRNAを、その添付されたプロト
コールに従って、ナイロンフィルターGenescreen-Plus
(デュポン社)にブロッティングし、RNAがブロッティ
ングされたフィルターに対し、80℃、2時間の処理を行
った。このフィルターは、Genescreen-Plusに添付され
たプロトコールに従ってノーザン解析に供試した。プロ
ーブとしては、5'GATGAAACTGTCATTGTTGTCAAA3'と5'TCGT
TTCAGCAGCTAAAGTAT3'の2種のプライマーと、酵母ABXL-
1D(Yeast Genetic Stock Center)からHerefordら(Ce
ll, 18, 1261-1271, 1979)の方法で抽出したDNAを用い
て、PCRで増幅した1045bpのFLO1遺伝子の部分長を用い
た。プローブは [α-32P]dCTP(アマシャム社)で標識
して用いた。放射能の測定は、バイオ・イメージングア
ナライザーBAS2000(富士写真フィルム)を用いて行っ
た。結果を図1に示す。酵母細胞が対数増殖の中期〜後
期にあるときに、Lg-FLO1遺伝子の転写産物量はピーク
に達し、その後酵母細胞が静止期に入ると、この遺伝子
の転写産物量は微減してゆくことが示された。
【0023】〔実施例2〕 Lg-FLO1遺伝子のプロモー
ター領域のDNA塩基配列の決定 Lg-FLO1遺伝子のクローニングは、European Brewery Co
nvention第25回大会(1995年、ブリュッセル)講演要旨
集361〜368ページに記載した通りに行った。得られた全
長のLg-FLO1遺伝子から、翻訳開始点と推定される点よ
り上流1779bpの断片をLg-FLO1遺伝子のプロモーター領
域とし、この断片をPCRで増幅し、pT7-BlueT-Vector
(宝酒造)にクローニングした。得られたプラスミドの
挿入断片について、キロシーケンス用デレーションキッ
ト(宝酒造)を用いて添付プロトコールに従って段階的
欠失シリーズを作製し、DNA塩基配列を決定した。DNA塩
基配列の決定は、PCR/シーケンシングキット(パーキ
ン・エルマー社)を用い、DNAシーケンサ(パーキン・
エルマー社)によって行った。結果として得られたDNA
塩基配列を、配列表の配列番号2に示す。
【0024】〔実施例3〕 Lg-FLO1遺伝子のプロモー
ターの最小必要領域の決定 lacZ遺伝子発現用プラスミドを図2のように構築した。
プラスミドpMC1871(ファルマシア社)より、β−ガラ
クトシダーゼをコードするlacZ遺伝子を3.1kbのBamHI断
片として切り出した。この断片をプラスミドYEp13K(So
neら、Appl.Environ.Microbiol., 54, 38-42, 1988)の
BglII部位に連結し、遺伝子の5'側にHindIII部位のある
pZ4を作製した。次にpZ4のHindIII部位をクレノーフラ
グメント(宝酒造)で平滑化後、BamHIリンカーを挿入
し、さらにSalI部位をクレノーフラグメントで平滑化
後、HindIIIリンカーを挿入した。得られたプラスミド
より、5'側にHindIII部位とBamHI部位をこの順で持ち、
3'側にYEp13K由来のFLP遺伝子のターミネーターを持
ち、lacZ遺伝子を含む、HindIII〜XbaI断片を切り出し
た。一方、プラスミドpYT37(Kobayashiら、European B
rewery Convention第25回大会講演要旨集、361-368、19
95、ブリュッセル)のNruI部位にXbaIリンカーを挿入
し、得られたプラスミドのHindIII〜XbaI部位に、前述
のHindIII〜XbaI断片を挿入し、pYT-lacZと命名した。
【0025】上述のLg-FLO1遺伝子のプロモーター領域
の内、翻訳開始点と推定される点より上流1779bp、786b
p、654bp、570bp、474bp、363bp、328bp、226bp、175bp
の断片を、5'側にHindIII部位、3'側にBamHI部位を付与
した形でPCRで増幅した。得られたPCR産物を、HindIII
およびBamHIで消化後、pYT-lacZのHindIII〜BamHI部位
に挿入した。この中で、1779bpの断片を含むプラスミド
を、LgF1Zと命名した。
【0026】これらのプラスミドを、酵母KY644株(Kob
ayashiら、European Brewery Convention第25回大会講
演要旨集、361-368、1995、ブリュッセル)に、導入し
た。得られた形質転換体は、0.125mlのSD培地(0.67% Y
east Nitrogen Base(アミノ酸抜き、ディフコ社)、0.
06%アミノ酸ミックス(ウラシル、ロイシン抜き)、5%
ブドウ糖)で24時間、30℃で振とう培養後、5mlのSD培
地を加え、さらに72時間、20℃で振とう培養を行った。
培養後の細胞は、遠心分離によって集菌し、Methods in
Yeast Genetics - A Laboratory Course Manual(Rose
ら著、Cold Spring Harbor Laboratory Press、NY、199
0)に従って、β−ガラクトシダーゼ活性の測定を行っ
た。その結果を図3に示す。1779bp〜328bpの間では、
β−ガラクトシダーゼ活性の差異はほとんど見られなか
ったのに対し、226bpのプロモーターでは、328bpのもの
の半分以下の活性しかなく、175bpのプロモーターで
は、プロモーターを全く含まないpYT-lacZを導入した形
質転換体と同様、活性はほとんど見られなかった。以上
より、Lg-FLO1プロモーターは、176bp〜226bpのDNA断片
が最低必要であると考えられた。さらに高発現させるた
めには、少なくとも226bp〜328bpのDNA断片が必要であ
ると推定された。
【0027】〔実施例4〕 醸造酵母中でのLg-FLO1プ
ロモーターによる異種タンパクの発現 G418抵抗性遺伝子発現カセットを含むプラスミドpYT71
(Kobayashiら、European Brewery Convention第25回大
会講演要旨集、361-368、1995、ブリュッセル)のNruI
部位に、XbaIリンカーを挿入し、得られたプラスミドの
HindIII〜XbaI部位に、上述のプラスミドLgF1Z由来のHi
ndIII〜XbaI断片(1779bpのLg-FLO1遺伝子のプロモータ
ー、lacZ遺伝子、FLP遺伝子のターミネーターからなる
カセットを含む)をクローニングした。得られたプラス
ミドLgF1ZNEOを、特開平6-62849号中に記載されている
方法にしたがって、醸造用酵母KBY001株に導入した。得
られた形質転換体を、0.05mg/mlのG418(BRL社)を含む
YPD培地で1昼夜培養後、最終的にOD600=0.15となるよう
に0.05mg/mlのG418を含む200mlのYPD培地に植菌し、20
℃で振とう培養を行った。培養開始後12時間ごとに72時
間目まで5mlずつのサンプリングを行い、遠心分離によ
る集菌後、Methods in Yeast Genetics - ALaboratory
Course Manual(Roseら著、Cold Spring Harbor Labora
tory Press、NY、1990)に従って、β−ガラクトシダー
ゼ活性の測定を行った。その結果を図4に示す。Lg-FLO
1遺伝子のプロモーターに制御されたβ−ガラクトシダ
ーゼの発現は、酵母細胞が対数増殖の中期〜後期にある
ときにピークに達し、その後酵母細胞が静止期に入る
と、β−ガラクトシダーゼの発現は減少することが示さ
れた。すなわち、実施例1で示したLg-FLO1遺伝子の転
写産物量の経時変化と、概ね同様の傾向を示した。
【0028】〔実施例5〕 Lg-FLO1とグリセルアルデ
ヒド−3−デヒドロゲナーゼ遺伝子のプロモーター活性
の比較 グリセルアルデヒド−3−デヒドロゲナーゼ(GPD)遺
伝子のプロモーター領域を含む約1.0kbの断片を、5'側
にHindIII部位、3'側にBamHI部位を付与した形でPCRで
増幅した。得られたPCR産物を、HindIIIおよびBamHIで
消化後、pYT-lacZのHindIII〜BamHI部位に挿入し、得ら
れたプラスミドをGPDZYCpと命名した。LgF1ZおよびGPDZ
YCpを、リチウム法によって酵母KY644に導入した。得ら
れた形質転換体を、1昼夜、30℃でSD培地によって振と
う培養した後、最終密度OD600=0.15となるように20mlの
SD培地に植菌し、20℃で振とう培養した。培養開始後、
12時間ごとに5mlずつサンプリングを行い、遠心分離に
よって集菌した。これらのサンプルから、Methods in Y
east Genetics - A Laboratory Course Manual(Roseら
著、Cold Spring Harbor Laboratory Press、NY、199
0)に従って、β−ガラクトシダーゼ活性の測定を行っ
た。その結果を図5に示す。Lg-FLO1プロモーターに制
御されたβ−ガラクトシダーゼ活性は、対数増殖の中期
である36時間目にピークに達し、その後減少したのに対
し、GPD遺伝子のプロモーターに制御されたβ−ガラク
トシダーゼ活性は、12時間目より60時間目まで緩やかに
上昇を続けた。両遺伝子のプロモーターに制御されたβ
−ガラクトシダーゼ活性の最大値は、ほぼ同等か、Lg-F
LO1プロモーターに制御されたものの方がやや高かっ
た。
【0029】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:226 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源: 生物名:サッカロマイセス セレビシエ(Saccharomyce
s cerevisiae) 配列の特徴 Lg−FLO1遺伝子のプロモーター領域 配列 AATTTTCATG GGAGATACGT TAAATCTTTC ACAGTCTTAT CAAATTTTCA TGGGAGATAC 60 GTTAAATCTT TCACAGTCTT ATCGTTTTGA ATCACTGGAC GGTTCTGGTA TTCTGCTTCA 120 TATTTCGACA AAATAATAAA TATAAAAAGA GCACCCTCAT GATTTCTTGC TCTGCAGTAA 180 ATTCCGCAAA TGATTTTCTT TAAATTGATT AGCACCACTA AAAAAA 226
【0030】配列番号:2 配列の長さ:1779 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源: 生物名:サッカロマイセス セレビシエ(Saccharomyce
s cerevisiae) 配列の特徴 Lg−FLO1遺伝子のプロモーター領域 配列 GAATATCAAA TGCTGTTGTT TTCAACTAAA TCAGACAAGC AAAGGCGATT GCTAAAAGTG 60 AACATATGGA AAATATATGG AAAAAATCTA GAGGCAACAA ACGTTCGGGT TTCCTTTTAA 120 CTCCGAGAAA GAAAAATCAT TAGAACTTCG TGTTAATCCT AATAGAGTTC AAATATGCTA 180 CTAGCCGTCA GAAACCTCAG TTACATGATT GCACATTCTA AGACTTCACA AGTGAAAAAT 240 TTCCCGACGT TCATAGCATG TTACGTGATC GCGCAGGATG GGACAATTAA ACGATCTTTG 300 CAGTGGAGAA GGAATAACTT CCGGTTGCAG CTACTTGTCA AACAGAACAC TGGTATGGAT 360 AAGATAATAG TTAGATCTTT TATTACTTAT GAAACAATGT CAGTAACACA GCGTGTTTAA 420 CAGATAATGT TCTTTTAACA AAATTAAATG AGGTCTTTTA TTGTGTGTGT CAAGTTGACA 480 AGCCGCCTTT ATTGATAGAT CCCCACTAAA AATACCAGGA AATGATGAGC TCGAGTCTTT 540 GTGCCTTTCT CATCATGGAC CATTCGCACA TGCAGTGCTG CACAACAAAA GATAAATCAC 600 CAGTATTAGG TGACTTTCAA AACACTAGAA TTTAGGCACT TTCAACCCAG CCCAGCGCGT 660 AGTAAGAATA AAGTAGGGGA AAACCTTACG AAAAGCCTCT TTCTTTTTTG TAAAAAATTC 720 TGTTTTTAAT AGCCAGTTCT TTAGTGATTA CAGGTAAGGG GGTTTCATAT TTTAGAAGTG 780 CAGCCATGAT GAAGCACTTT TGCTCATTTA TTGCGAGAAG TTTAATAAGT AGTATGGTTC 840 CATTTTCAAG AATCGAGGCA CTGTTCCTTC CCAACCTTGG AATCATACTC CGAAAGGATT 900 TCAAGCCGAT TTAAATTCAC CTGGTAACTT TCCTACGGTT TGGCCCAAGG TGATTATAAT 960 TAACTTGCGG CTTGTTTTCA GCCTGCGATC GAACCTTTTT TACGCAAAAA AACCTTATTA 1020 ATTAAGGTTT TGAAAATTTT CTTCTTTCCG GGAGATTTTC ATGTAGCCTC GAGCTTCTGG 1080 ATTCTCACGG GATTATCTCG CGTTACATTT TTTACTTTCT TCTTTCTTTT TGACTTAGGA 1140 TATACAGATG ATAGGTCATT GTGTCATTAA ACCCGCTGTT GTGCAACAAA AGGGAAAAAG 1200 AAAAATACTC CTTTTTAGGT CTTATAAATA TTTTTAGCAG CCATCAAATC CGGCTTTCAA 1260 ACTTAATTTC ACCCTTTTTC ACGGCACCCT CGAGAATTAC ACTTTGGTTG CATGTAGGAG 1320 TACGCGAAAT GCAGCAGAAG CTACACATCT ATGCGTAGAC CGCTTAACGT CTAAAGGCCG 1380 TAAACTTTTA TTTTGTTTTG CGCTCATTAA AACCTAGTGG GAGCTGGTAG GAAATAAGCT 1440 AGTAGCTTCT ATGGATAGAA TGGAAATAAA CGTAGGTGTA AACACTATTG GTAGAGAAGT 1500 TCCTCTGGTC AAATTTTCAT GGGAGATACG TTAAATCTTT CACAGTCTTA TCAAATTTTC 1560 ATGGGAGATA CGTTAAATCT TTCACAGTCT TATCAAATTT TCATGGGAGA TACGTTAAAT 1620 CTTTCACAGT CTTATCGTTT TGAATCACTG GACGGTTCTG GTATTCTGCT TCATATTTCG 1680 ACAAAATAAT AAATATAAAA AGAGCACCCT CATGATTTCT TGCTCTGCAG TAAATTCCGC 1740 AAATGATTTT CTTTAAATTG ATTAGCACCA CTAAAAAAA 1779
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、酵母を宿主とする異種
遺伝子発現系において利用できる、高活性なプロモータ
ーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 醸造用酵母中のLg−FLO1遺伝子転写産
物量の経時変化を示す。
【図2】 lacZ遺伝子発現用プラスミドpYT−l
acZの構築図を示す。
【図3】 Lg−FLO1遺伝子5’上流の長さとプロ
モーター活性の関係を示す。
【図4】 醸造用酵母中のLg−FLO1プロモーター
によるlacZ遺伝子発現量の経時変化を示す。
【図5】 Lg−FLO1プロモーターとGPDプロモ
ーターによるlacZ遺伝子発現量の比較を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 9/26 C12N 9/26 (C12N 1/19 C12R 1:865) (C12N 9/04 C12R 1:865) (C12N 9/10 C12R 1:865) (C12N 9/26 C12R 1:865)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1に記載されるDNA配列、ま
    たはプロモーター活性を保持するその相同配列を有する
    DNA配列。
  2. 【請求項2】 配列番号2に記載されるDNA配列、ま
    たはプロモーター活性を保持するその相同配列を有する
    DNA配列。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のDNA配列
    と、その下流に位置する外来遺伝子とを含んでなる発現
    プラスミド。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の発現プラスミドによる
    形質転換により取得された形質転換体。
  5. 【請求項5】 宿主が酵母である請求項4に記載の形質
    転換体。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の形質転換体を
    培養し、培養物から蛋白質を得ることを特徴とする蛋白
    質の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7504239B2 (en) 2001-02-09 2009-03-17 Sapporo Breweries Limited Method of differentiating beer yeast

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