JPH09224549A - パン類改質組成物 - Google Patents

パン類改質組成物

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JPH09224549A
JPH09224549A JP6542996A JP6542996A JPH09224549A JP H09224549 A JPH09224549 A JP H09224549A JP 6542996 A JP6542996 A JP 6542996A JP 6542996 A JP6542996 A JP 6542996A JP H09224549 A JPH09224549 A JP H09224549A
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JP
Japan
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hemicellulase
bread
isozyme
dough
enzyme
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Application number
JP6542996A
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English (en)
Inventor
Takafumi Morita
尚文 森田
Noriaki Tanaka
憲彰 田中
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Amano Enzyme Inc
Original Assignee
Amano Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】パン改質組成物及びそれを用いたパン品質を改
良する方法を提供する。 【構成】アスペルギルス(Aspergillus)属由来のヘミ
セルラーゼアイソザイムを主たる有効成分として含有す
るパン類改質組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパン改質組成物及びそれ
を用いたパン品質を改良する方法に関する。より詳細に
は、アスペルギルス(Aspergillus)属由来のヘミセル
ラーゼアイソザイムを主たる有効成分として含有するパ
ン類改質組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】パンは、小麦粉にイースト、食塩、糖
類、油脂、乳製品その他の副原料を添加して混ぜ、均質
な固まり(生地)にこねてから、醗酵後、焙焼して作ら
れる。パン類の原料となる小麦粉の小麦蛋白質に水を混
ぜるとグルテンと呼ばれるスポンジ状のかたまりとな
る。グルテンを構成している主な蛋白質は、弾性を与え
るグリアジンと粘性を与えるグルテニンの2種類である
ことが知られている。
【0003】この特有の性質を有する蛋白質の特性によ
りイーストの醗酵の間に生成する炭酸ガスをパン類に保
持することができ、その容積が増大し、好みの製品を作
ることができる。
【0004】また、生地のイーストの醗酵を助長するた
めに、通常イーストフードが使われている。イーストフ
ードには、無機フード(水の硬度を増し、生地を引き締
める作用をする硫酸カルシウム、イーストの醗酵促進効
果を生じさせる無機アンモニウム塩、生地を強化させて
パンの体積を増大させ、内相品質を改善する酸化剤とか
らなる)と、有機フード(α−アミラーゼ等の酵素剤を
配合)がある。
【0005】また、パン等は、経時的に固化現象を来た
し、食感等の物性が劣化し、商品価値が低下する。その
ため、このような劣化を防止または遅延させるために従
来より多くの試みがなされている。
【0006】例えば、生地の調製の段階で、脂肪酸モノ
グリセライド、レシチン、ステアリル−2−乳酸エステ
ルなどの乳化剤、ソルビット、砂糖などの糖類あるいは
これらを含んだ油脂、キサンタンガム、プルランなどの
増粘多糖類又はα化加工澱粉などを添加することが行わ
れてきた。
【0007】更に、パンの製造において、酵素を添加す
る方法も種々検討されている。上記に述べたように、イ
ーストフードにα−アミラーゼが添加されることは公知
であり、そのほかにも、セルラーゼとペルオキシダーゼ
を使用する方法(特公平4-57320)、ペントサナーゼを
使用する方法(特公昭46-29180)、グルコースオキシダ
ーゼとシスチンを用いる方法(特開昭55-132300)、グ
ルコースオキシダーゼとシスチン及びカタラーゼを使用
する方法(特公昭63-58534)、中間の温度安定α−アミ
ラーゼを使用する方法(特開平3-155742)、酸安定の微
生物α−アミラーゼと細菌α−アミラーゼを用いる方法
(特開平4-229128)、トランスグルタミナーゼを使用す
る方法(特開平4-360641)、リパーゼとヘミセルラーゼ
及びアミラーゼを併用する方法(特開平6-169681)など
多くの方法が提案され利用されている。
【0008】しかしながら、これらの酵素剤を利用する
方法においてもパン品質は、十分ではなく、乳化剤の使
用が必要とされることが多い。更に、乳化剤を使用しな
いで非外皮質(non-crusty)の型のパン、例えば、サンド
イッチパンに関して3〜5日の貯蔵寿命を得ることは難
しい現状である。
【0009】これらの酵素剤のうちで特にヘミセルラー
ゼは、小麦粉のヘミセルロース部分を分解し、こうして
この部分に通常結合された水をドウに放出する作用を示
し、ベーキング中のドウの改良されたオーブンスプリン
グ、改良されたローフの体積、粒子構造及びベーキング
された製パン製品の良好な品質保持をもたらすことよ
り、クラムの柔らかさ及びローフの体積を改良するため
にパン改質剤中に広く使用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来よ
り使用されているヘミセルラーゼは種々のアイソザイム
の存在が認められていることより、これらの製パンに及
ぼす影響を明らかにしてこれらのアイソザイムのどの成
分が有効であるかを検討し、それを明らかにする必要が
あった。即ち、本発明は、従来より使用されていたヘミ
セルラーゼのより有効な使用法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述したように、ヘミセ
ルラーゼ、とりわけアスペルギルス属由来のヘミセルラ
ーゼをカラムクロマトなどの手段を用いて分離し、種々
のアイソザイムを分離精製した。得られた各アイソザイ
ムを用いて製パン実験に使用して、その各アイソザイム
の製パンに及ぼす影響を検討し、比較することにより本
発明を完成した。
【0012】即ち、本発明は、ヘミセルラーゼのアイソ
ザイムを各種のカラムクロマトグラフィーにより分離精
製して得ることができる1アイソザイムを主な有効成分
として含有するパン類改質組成物を提供する。
【0013】本発明に使用できるヘミセルラーゼの給源
は特に限定されないが、例えばアスペルギルス属由来の
ヘミセルラーゼやトリコデルマ(Trichoderma)属由来
のヘミセルラーゼなどが使用される。より好ましくは、
アスペルギルス属由来のヘミセルラーゼであり、より具
体的にはヘミセルラーゼ「アマノ」90(商品名:天野製
薬製、Aspergillus niger由来)が使用できる。
【0014】各種のアイソザイムを含むヘミセルラーゼ
から本発明に使用できる1アイソザイム成分を分離精製
するには、各種のカラムクロマトグラフィー例えば、DE
AE−セファロースカラムクロマトグラフィー、ヘキシル
−トヨパールカラムクロマトグラフィー、アフィニティ
ークロマトグラフィー、セファクリルゲル濾過などを適
宜組み合わせて各アイソザイムを分離精製することがで
きる。
【0015】より具体的な方法は実施例1に示される
が、本発明のアイソザイムを分離精製できる方法であれ
ば、何れの方法も利用できる。その精製度合いは、パン
の品質改良効果が発揮できる程度に精製されていればよ
い。
【0016】本発明の、ヘミセルラーゼのアイソザイム
の使用量は、好ましくは小麦粉1kg当たり5,000〜100,0
00単位、更に好ましくは小麦粉1kg当たり10,000〜50,0
00単位の範囲の量で添加される。
【0017】本発明においてパン類及びパン類生地とは
小麦粉を主原料とし、これに水等を加え更に油脂、糖
類、乳製品、卵、イーストフード、各種酵素類、各種乳
化剤等の原料を必要に応じて添加し、イーストの添加の
有無に拘らず、混捏工程を経て得られた一般的生地、餅
や饅頭生地やドーナッツ生地、パイ生地、ピザ生地、ホ
ットケーキ生地、スポンジケーキ生地、クレープ生地、
餃子生地等も包含し、これらを蒸したり、焼いたり或い
は油揚げしたものを包含する。更に上記原料の他に小麦
粉以外の穀物、例えばライ麦等を混入したものをも包含
する。
【0018】本発明のパン改質組成物は上記したような
ヘミセルラーゼアイソザイム単独で形成されていても良
いが、通常、ヘミセルラーゼアイソザイム以外のパン類
製造に必要とされる各種の添加物や賦形剤を添加した組
成物で使用することもできる。
【0019】各種の添加剤や賦形剤としては原料の穀類
粉末、イースト、イーストフード、食塩、砂糖、油脂な
どのほかにヘミセルラーゼのアイソザイムの作用を妨げ
ない範囲で脱脂粉乳、卵、多糖類、調味料、香料、アス
コルビン酸、膨張剤(炭酸水素アンモニウム、炭酸水素
ナトリウム等)、漂白剤(過硫酸アンモニウム等)、乳
化剤(ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エ
ステル、しょ糖脂肪酸エステル等)、ステアロイル硫酸
カルシウム、L−システイン塩酸塩、カルボキシメチル
セルロースナトリウム、果実、コーヒー抽出物、香辛料
が添加されうる。
【0020】もちろん他の酵素、例えばα−アミラ−
ゼ、マルトトリオース生成酵素、セルラーゼ、グルコー
スオキシダーゼ、カタラーゼ、トランスグルタミナー
ゼ、ペントサナーゼ、ペルオキシダーゼ、アスコルビン
酸オキシダーゼ、グルコアミラーゼ等を併用して用いる
こともできる。
【0021】これらの添加量は、種々の因子、例えば、
酵素活性、ベーキング方法、パンの種類、醗酵の時間及
び温度並びに使用される原料の種類に応じて変化する。
当業者は過度の実験を要することなく容易にこれらの添
加量を見いだすことができる。
【0022】本発明のヘミセルラーゼアイソザイムを含
むパン類改質組成物の生地調製時に添加する方法は、そ
れらが生地中に均一に分散する方法であれば制限はな
い。例えば、小麦粉等のいずれかの原料と同時に加えて
もよいし、予め、水に溶解し加えてもよい。
【0023】パン類改質組成物を添加した後、一定時間
保温することが好ましい。即ち、おおよそ30分以上、20
〜50℃で保温することが好ましく、パンの製造のような
醗酵工程を有する場合、醗酵工程がこれに該当する。
【0024】本発明のパン類改質組成物を添加してパン
類生地を製造した後は通常の方法でパン類を製造するこ
とができる。又、パン類生地を冷凍する方法としてはミ
キシング後、成形後、最終プルーフ後に冷凍する場合等
がある。これらは解凍後それぞれ通常の方法で使用され
る。
【0025】尚、以下の実施例などで表示するヘミセル
ラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ及びアミラーゼの酵素
活性は以下のようにして測定する。
【0026】ヘミセルラーゼの活性測定法 基質(キシラン10mg/ml)1mlに0.1N酢酸緩衝液(pH4.
5)3mlを加え、攪拌後、40℃、10分間予熱する。その
後、酵素液1mlを加え40℃で30分間反応する。反応後、
ソモギー溶液2mlを加えて振り混ぜ、沸騰水中で20分間
加熱する。冷後、ヒ素モリブデン酸アンモニウム溶液1
mlを加えて振り混ぜ、水で全量を25mlとし、遠心分離
(3000rpm、10分間)した後、波長500nmの吸光度を測定
する。上記条件下において、1分間に1mgのキシロース
に相当する還元糖を生成するに要する酵素量を100単位
とする。
【0027】プロテアーゼの活性測定法 基質[ミルクカゼイン1.5%(pH6)]1mlに酵素液1m
lを加え37℃で30分間反応する。反応後、0.4Mトリクロ
ロ酢酸溶液2mlを加えて振り混ぜ、37℃で25分間放置後
ろ過する。ろ液1mlに0.4M炭酸ナトリウム溶液5mlと希
釈したフォリン溶液(1→2)1mlを加えて37℃で20分
間放置した後、波長660nmの吸光度を測定する。上記条
件下において、60分間に反応ろ液1ml中にチロジン100
μgに相当するアミノ酸を生成するに要する酵素量を1
単位とする。
【0028】リパーゼの活性測定法 リパーゼキットS(商品名:大日本製薬社製)を利用し
て測定する。但し、緩衝液は塩酸にてpH7.0に調整して
使用する。キットの説明書に従い調製した発色液1mlに
酵素液0.05mlを加えて、30℃で5分間予熱後、基質液0.
1mlを加えて振り混ぜ、30℃で15分間反応する。反応
後、アセトン2mlを加えて反応を停止し、反応液を遠心
分離(3000rpm、5分間)した後、波長412nmの吸光度を
測定する。酵素活性は以下の式に従って算出する。ブラ
ンクは酵素液とアセトン溶液の添加順序を変え同様にし
て吸光度を測定する。 活性(u/g)=(検体吸光度−ブランク吸光度)×20×
酵素希釈倍数
【0029】アミラーゼの活性測定法 アミラーゼ−テストワコー(商品名:和光純薬工業社
製)を利用して測定する。キットの説明書に従い基質緩
衝液1mlを37℃で5分間予熱後、酵素液0.02mlを加え
て、37℃で7分30秒反応する。反応後、発色試液1mlを
加えて反応を停止し、更に水5mlを加えて振り混ぜた
後、波長660nmの吸光度を測定する。酵素活性は以下の
式に従って算出する。ブランクは酵素液に代えて水を用
いて同様にして吸光度を測定する。 活性(u/g)=(ブランク吸光度−検体吸光度)×酵素
希釈倍数×8/ブランク吸光度
【0030】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下の実施例における製パン法及びパンの評価法は
特に規定しない限り以下のようにして行った。
【0031】ホームベーカリー(松下電器社製)を用い
て2時間45分のコースで製パンする。用いた実験材料は
以下の通りである。 小麦粉 [商品名:ヘルメス(奥本製粉社製)] 280g 砂糖 17g 食塩 5g ドライイースト[商品名:フェルミドライイースト] 3g
【0032】製パンは小麦粉280gに砂糖17g、食塩5gを
加えポリエチレン製の袋に取り、手動で50回攪拌後、ホ
ームベーカリーのパンケースに入れる。各種添加物は小
麦粉重量に対して秤量し、このものを210mlの水に溶解
後、パンケース中の小麦粉材料に加える。ドライイース
ト3gをベーカリーの外ブタの上部のイースト容器に入
れ、焼き上げ時間を4時間にセットする。なお、すべて
の実験は、室温(24±1℃)で行い、パンの容積は「な
たね置換法」で求め、パン重量(g)と体積との関係か
ら比容積(cm/g)で表す。また、コントロールとの各種
濃度の試料を添加後のパンの比容積の有意差の検定はSt
udentのt検定により行った。
【0033】パンの硬さ測定は、レオメーター(不動工
業社製)により行い、試料の厚さ3cm、円盤状プランジ
ャー(径3cm)、押し込み深さ7mm、押し込み速度6cm/
minで行った。
【0034】
【実施例】
実施例1 ヘミセルラーゼアイソザイムの分離精製 ヘミセルラーゼ「アマノ」90(商品名:天野製薬社
製)150gを25mMリン酸緩衝液(pH6.5)で溶解して2,800
mlとする。次いで45%飽和となるように硫安を添加し、
30分間攪拌後遠心分離(6,000rpm、20分間)して上清を
分取する。得られた上清に80%飽和となるように硫安を
添加し、30分間攪拌後遠心分離(6,000rpm、20,分間)
する。得られた沈殿を50mMリン酸緩衝液(pH6.5)567ml
に溶解し、UF脱塩濃縮を行う。その後、DEAE−セファロ
ース CL-6Bカラムクロマトで分画した。
【0035】 DEAE−セファロース カラムクロマト条件 カラムボリューム:750ml 平衡化緩衝液 :50mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 溶離条件 :50mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 0〜0.5M NaCl直線勾配
【0036】アイソザイムAの精製 で得られた画分(フラクション No.281-340)をUF脱
塩濃縮し、次いでヘキシル−トヨパール カラムクロマ
トグラフィーにより精製し、更に脱塩濃縮した。
【0037】 ヘキシル−トヨパール カラムクロマト条件 カラムボリューム:60ml 平衡化緩衝液 :10mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 溶離条件 :10mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 0〜0.5M NaCl直線勾配
【0038】更に、セファクリル−S−200ゲル濾過
を行い、UF濃縮した。
【0039】 ゲル濾過条件 カラムボリューム:1000ml 緩衝液 :30mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5)
【0040】次いで、D-キシロースをEpoxy-activated
Sepharose 6Bにリガンドとして固定化した担体を用い
て、アフィニティークロマトグラフィーを行い、UF脱塩
濃縮した。
【0041】 アフィニティークロマトグラフィー条件 カラムボリューム:35ml 平衡化緩衝液 :20mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 溶離条件 :20mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 0〜0.5M NaCl直線勾配
【0042】更に、上述したアフィニティークロマトグ
ラフィーを用いて精製後、UF脱塩濃縮して、精製標品を
得た。(電気泳動での純度:約80%)
【0043】得られた標品(アイソザイムA)の各種酵
素活性は以下のようであった。
【0044】
【表1】
【0045】アイソザイムBの精製 で得られた画分(フラクション No.181-225)をUF脱
塩濃縮し、次いでD-キシロースをEpoxy-activated Seph
arose 6Bにリガンドとして固定化した担体を用いて、ア
フィニティークロマトグラフィーを行い、UF脱塩濃縮し
た。
【0046】 アフィニティークロマトグラフィー条件 カラムボリューム:30ml 平衡化緩衝液 :30mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 溶離条件 :30mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 0〜0.5M NaCl直線勾配
【0047】更に、上述したアフィニティークロマトグ
ラフィーを用いて同条件で精製後、UF脱塩濃縮した。次
いで、ヘキシル−トヨパール カラムクロマトグラフィ
ーにより精製後、UF脱塩濃縮して、精製標品を得た。
(電気泳動での純度:約70%)
【0048】 ヘキシル−トヨパール カラムクロマト条件 カラムボリューム:30ml 平衡化緩衝液 :30mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 溶離条件 :30mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 0〜0.5M NaCl直線勾配
【0049】得られた標品(アイソザイムB)の各種酵
素活性は以下のようであった。
【0050】
【表2】
【0051】アイソザイムC及びDの精製 で得られた画分(フラクション No.131-180)をUF脱
塩濃縮し、次いでヘキシル−トヨパール カラムクロマ
トグラフィーにより精製し、更に脱塩濃縮した。
【0052】 ヘキシル−トヨパール カラムクロマト条件 カラムボリューム:260ml 平衡化緩衝液 :30mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 溶離条件 :30mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 0〜0.5M NaCl直線勾配
【0053】次いで、D-キシロースをEpoxy-activated
Sepharose 6Bにリガンドとして固定化した担体を用い
て、アフィニティークロマトグラフィーを行い、UF脱塩
濃縮した。
【0054】 アフィニティークロマトグラフィー条件 カラムボリューム:130ml 平衡化緩衝液 :30mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 溶離条件 :30mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 0〜0.5M NaCl直線勾配
【0055】得られた画分(フラクション No.21-33)
をUF脱塩濃縮して、精製標品を得た。(電気泳動での純
度:約50%) 得られた標品(アイソザイムC)の各種酵素活性は以下
のようであった。
【0056】
【表3】
【0057】更に上記のアフィニティークロマトグラフ
ィーで得られた画分(フラクション No.44-53)をUF脱
塩濃縮した。次いで、上述したアフィニティークロマト
グラフィーを用いて精製後、UF脱塩濃縮して、精製標品
を得た。(電気泳動での純度:約50%)
【0058】 アフィニティークロマトグラフィー条件 カラムボリューム:30ml 平衡化緩衝液 :30mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 溶離条件 :30mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 0〜0.5M NaCl直線勾配
【0059】得られた標品(アイソザイムD)の各種酵
素活性は以下のようであった。
【0060】
【表4】
【0061】実施例2 実施例1で得られたアイソザイムA、アイソザイムB、
アイソザイムC、アイソザイムD及びヘミセルラーゼ
「アマノ」90を用いてこれらのパンの比容積に及ぼす影
響を検討した。
【0062】添加物(ヘミセルラーゼ「アマノ」90)
の製パンに及ぼす影響 添加物をキシラナーゼ活性で0、2500、5000、7500、15
000、20000、30000及び50000単位使用してその影響を比
較した。その結果を表5に示す。
【0063】
【表5】
【0064】上記結果より、キシラナーゼ活性として、
約5000単位以上使用することによって製パンにおける比
容積の増大効果が得られることがわかる。
【0065】添加物(ヘミセルラーゼ「アマノ」90)
及び乳化剤(ステアロイル乳酸カルシウム:以下、CS
Lとも記す)の製パンに及ぼす影響 添加物をキシラナーゼ活性で0、2500、5000、7500、15
000、20000、30000及び50000単位使用し、乳化剤を0.3
%(W/W)加えてその影響を比較した。その結果を表6
に示す。
【0066】
【表6】
【0067】上記結果より、乳化剤を併用することによ
ってキシラナーゼの効果は増強されることがわかる。
【0068】添加物(ヘミセルラーゼアイソザイム
A、B、C及びDとヘミセルラーゼ「アマノ」90)の製
パンに及ぼす影響の比較 各添加物をキシラナーゼ活性で5000単位使用してその影
響を比較した。その結果を表7に示す。
【0069】
【表7】
【0070】上記結果より、アイソザイムDが製パンに
おける比容積の増大に大きく関与していることがわか
る。尚、得られたパンの容積を比較する写真を参考写真
として添付する。
【0071】添加物(アイソザイムD)、乳化剤(C
SL)及びカルシウム強化剤(グルコン酸カルシウム:
以下、GCAとも記す)の製パンに及ぼす影響 アイソザイムDをキシラナーゼ活性で5000単位使用し、
CSL及びGCAを各々0.3%(W/W)使用してその影響
を比較した。その結果を表8に示す。
【0072】
【表8】
【0073】上記結果より、アイソザイムDと乳化剤等
の添加物を併用することにより、より効果を示すことが
わかる。また、グルコン酸カルシウム単独でも乳化剤と
しての効果を発揮することがわかる。
【0074】実施例3 実施例1で得られたアイソザイムA、アイソザイムB、
アイソザイムC、アイソザイムD及びヘミセルラーゼ
「アマノ」90を用いてこれらのパンの硬さに及ぼす影響
を検討した。
【0075】添加物(ヘミセルラーゼ「アマノ」90)
の製パンに及ぼす影響 添加物をキシラナーゼ活性で0、2500、5000、7500及び
15000単位使用してパンを製し、室温で保存した場合を
比較した。3回の測定結果の平均で表9に示す。
【0076】
【表9】
【0077】表中で、()内は0日目の値を100とした
ときの各濃度の酵素剤での硬さの変化を示し、<>内は
経過日における無添加の値を100としたときの各濃度の
酵素剤を使用した場合の硬さを示す。上記結果より、キ
シラナーゼ活性として、5000単位以上使用することによ
って製されたパンは3日間の貯蔵おける硬さの変化が少
なくなることがわかる。
【0078】添加物(ヘミセルラーゼアイソザイム
A、B、C及びDとヘミセルラーゼ「アマノ」90)の製
パンに及ぼす影響の比較 各添加物をキシラナーゼ活性で5000単位使用してパンを
製し、室温で保存した場合を比較した。3回の測定結果
の平均で表10に示す。
【0079】
【表10】
【0080】表中で、()内は0日目の値を100とした
ときの各酵素での硬さの変化を示し、<>内は経過日に
おける無添加の値を100としたときの各酵素を使用した
場合の硬さを示す。上記結果より、アイソザイムDが製
パンにおける硬さの貯蔵における変化を押さえる効果に
大きく関与していることがわかる。
【0081】添加物(ヘミセルラーゼアイソザイムD
とヘミセルラーゼ「アマノ」90)、乳化剤(CSL)及
びカルシウム強化剤(GCA)のドウに及ぼす影響 各添加物をキシラナーゼ活性で5000単位使用し、CSL
及びGCAを各々0.3%(W/W)使用してドウに及ぼす効
果を比較した。その結果の平均で表11に示す。
【0082】
【表11】
【0083】上記結果より、アイソザイムDはドウのハ
ンドリングを改善する作用が大きいことがわかる。
【0084】
【発明の効果】本発明により、通常使用されるヘミセル
ラーゼの各種アイソザイムの製パンに及ぼす影響を明ら
かにして、その1成分を分離精製してその効果を確認す
ることができ、本アイソザイムを主な有効成分として含
有することにより、少量の添加で最大の効果を上げるこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘミセルラーゼアイソザイムを有効成分と
    して含有するパン類改質組成物。
  2. 【請求項2】アスペルギルス(Aspergillus)属の生産
    するヘミセルラーゼより分離精製されたヘミセルラーゼ
    アイソザイムを有効成分として含有するパン類改質組成
    物。
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