JP2023030773A - 小麦ふすま含有ベーカリー食品の製造方法 - Google Patents

小麦ふすま含有ベーカリー食品の製造方法 Download PDF

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彩夏 大谷
Ayaka Otani
聡 野間
Satoshi Noma
洋介 菊池
Yosuke Kikuchi
孝弘 真鍋
Takahiro Manabe
聡 貴島
Satoshi Kishima
一民 塚本
Ichitami Tsukamoto
千尋 相田
Chihiro Aida
みゆ 西口
Miyu Nishiguchi
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Abstract

【課題】小麦ふすまを含有しても、二次加工性が良好で、ボリュームがあり、食感、経時耐性(老化耐性)が良好なベーカリー食品を製造できる小麦ふすま含有ベーカリー食品の製造方法を提供すること。【解決手段】原料として用いる穀粉類100質量部中、小麦ふすまを5~50質量部含有し、さらに(A)グルコースオキシダーゼと、(B)ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、及びアミラーゼからなる群から選択される1種以上とを生地に配合する小麦ふすま含有ベーカリー食品の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、小麦ふすま含有ベーカリー食品の製造方法に関する。
近年、健康意識の高まりから、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養素や、機能性成分に富み、良好な風味を有する小麦ふすまを用いて、パンや麺類等の二次加工品が製造されている。
しかし、小麦ふすまを配合した食品は、二次加工性や品質が低下してしまうことから、美味しく摂取するための方法が求められている。特に、小麦ふすまを配合したベーカリー食品では、二次加工性、ボリューム、食感、経時耐性(老化耐性)に課題が生じている。
これまでに、ふすま特有のエグミや臭いが少ない一方で、ふすまの好ましい風味を有しており、食感に優れ、ボリュームある外観を有するふすま入りパン類を提供するための技術として、小麦ふすまとグルテンと胚芽とを含有する原料粉中、小麦ふすまとグルテンとの合計含有量を80質量%以上とし、胚芽の含有量を0.2~0.4質量%とし、かつ小麦ふすまとグルテンとの質量比を3:7~7:2とする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記提案によれば、上記した良好な効果が得られる。しかしながら、近年の消費者の要望は日々高まっており、更なる改良が求められている。
また、パン生地に各種の酵素を配合し、所望の機能を付与する技術も提案されている。例えば、冷凍又は冷蔵生地用パン類の品質改良剤として、グルコースオキシダーゼ、トランスグルタミナーゼ、α-アミラーゼ、ヘミセルラーゼ及び/又はセルラーゼ、並びにカタラーゼを含有する品質改良剤が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、小麦ふすま含有ベーカリー食品に特有の上記課題に対応することができ、また、近年の消費者の要望に応えることも可能な、各種酵素を用いる技術として有用なものは未だ提供されていない。
特開2018-166420号公報 特開2017-127270号公報
本発明は、このような要望に応え、現状を打破し、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、小麦ふすまを含有しても、二次加工性が良好で、ボリュームがあり、食感、経時耐性(老化耐性)が良好なベーカリー食品を製造できる小麦ふすま含有ベーカリー食品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、原料として用いる穀粉類100質量部中、小麦ふすまを5~50質量部含有する小麦ふすま含有ベーカリー食品において、(A)グルコースオキシダーゼと、(B)ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、及びアミラーゼからなる群から選択される1種以上とを生地に配合することにより、前記課題を解決できることを知見した。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 小麦ふすま含有ベーカリー食品の製造方法であって、
原料として用いる穀粉類100質量部中、小麦ふすまを5~50質量部含有し、
さらに(A)グルコースオキシダーゼと、(B)ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、及びアミラーゼからなる群から選択される1種以上とを生地に配合することを特徴とする方法である。
<2> 前記(B)成分として、少なくともヘミセルラーゼ及びセルラーゼからなる群から選択される1種以上を用いる前記<1>に記載の方法である。
<3> 前記小麦ふすまが、熱処理された小麦ふすまである前記<1>または<2>に記載の方法である。
<4> 前記アミラーゼとして、少なくともG4アミラーゼを用いる前記<1>~<3>のいずれかに記載の方法である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、小麦ふすまを含有しても、二次加工性が良好で、ボリュームがあり、食感、経時耐性(老化耐性)が良好なベーカリー食品を製造できる小麦ふすま含有ベーカリー食品の製造方法を提供することができる。
(小麦ふすま含有ベーカリー食品の製造方法)
本発明の小麦ふすま含有ベーカリー食品の製造方法は、原料として用いる穀粉類100質量部中、小麦ふすまを5~50質量部含有し、さらに(A)グルコースオキシダーゼと、(B)ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、及びアミラーゼからなる群から選択される1種以上とを生地に配合する限り、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
例えば、生地の製造の手法としては、ストレート法、中種法、速成法、液種法などの各種常法に従って行うことができる。これらの中でも、ストレート法、中種法が好ましい。
前記生地を、常法に従って発酵、成型、焼成することで小麦ふすま含有ベーカリー食品を製造することができる。
<原料として用いる穀粉類>
前記原料として用いる穀粉類は、その100質量部中、小麦ふすまを5~50質量部含有する。
-小麦ふすま-
小麦ふすまとは、一般的な小麦粉の製造過程において、小麦粒から胚乳部を除去した残部、またはそこから、付着した胚乳または胚芽をさらに除去したものをいう。本発明で用いる小麦ふすま(以下、単にふすまということもある)は、脱脂されていても、未脱脂(全脂)であってもよく、または焙煎ふすまであっても、未焙煎(生)のふすまであってもよい。また、本発明で用いるふすまは、その粒度は特に限定されないが、好ましくは粉末ふすまである。本発明で用いるふすまとしては、例えば、通常の小麦粉の製粉工程で得られるフレーク状の小麦ふすま、それをさらに微粉砕工程に供した粉末ふすま、それらの混合物、それらを脱脂処理したもの、それらを焙煎処理したもの、などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。あるいは、本発明で用いる小麦ふすまには、各種市販品を用いてもよい。
前記小麦ふすまとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、エグミが少なく、風味が良好であるだけでなく、パンの加工性及び食感を更に向上できる点で、乾熱(焙煎)処理及び湿熱処理などの熱処理が施されたものを用いることが好ましい。
小麦ふすまの原料としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、赤小麦(1CW、DNS、HRW、きたほなみ等)、白小麦(ASW、WW、PH、デュラム小麦等)などが挙げられる。
また、小麦ふすまとして、小麦全粒粉を用いてもよい。本明細書において、小麦全粒粉中の小麦ふすまの割合は、15質量%と設定することができる。すなわち、例えば原料として用いる小麦ふすまとして全量全粒粉を使用する場合、原料として用いる穀粉類100質量部中33.3質量部以上用いることになる。ただし、ふすまをより多く摂取する観点、また、熱処理されたふすまを用いたほうが好ましい点から、全粒粉よりも、分取した小麦ふすまを用いることが好適な場合が多い。
小麦ふすまの平均粒径としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、食感を一層向上させる観点から、20~2,000μmが好ましく、20~750μmがより好ましく、30~300μmがさらに好ましく、50~120μmが特に好ましい。ここでいう「平均粒径」とは、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置(例えば、日機装株式会社製、「マイクロトラック粒径分布測定装置9200FRA」)を用いて乾式で測定したときの累積体積50容量%における体積累積粒径D50を指す。
原料として用いる穀粉類100質量部中の小麦ふすまの含有量としては、5~50質量部であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記原料として用いる穀粉類における小麦ふすま以外の穀粉類としては、特に制限はなく、公知の成分を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パン用小麦粉、パン用小麦粉以外の穀粉類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記パン用小麦粉としては一般的に強力粉が用いられ、その他デュラム小麦粉、中力粉、薄力粉等のその他の小麦粉を用いてもよい。前記パン用小麦粉の量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、前記原料として用いる穀粉類の全量に対して、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましい。
前記パン用小麦粉以外の穀粉類としては、ライムギ粉、米粉、コーンフラワー、そば粉、でん粉類(加工でん粉含む)などが挙げられる。
<生地>
本発明では、生地に(A)グルコースオキシダーゼと、(B)ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、及びアミラーゼからなる群から選択される1種以上とを少なくとも配合し、必要に応じてさらにその他の成分を配合する。
-(A)グルコースオキシダーゼ-
前記グルコースオキシダーゼ(以下、「(A)成分」と称することがある。)としては、食品用途に使用できるもの(グレード)であれば、特に制限はなく、適宜選択することができる。
前記グルコースオキシダーゼは市販されており、市販品を適宜使用することができる。
前記グルコースオキシダーゼの配合量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、原料として用いる穀粉類100gに対して、グルコースオキシダーゼ活性が1~70ユニット(U)となるような範囲が好ましく、5~70Uとなるような範囲がより好ましく、10~50Uとなるような範囲がさらに好ましい。
本発明において、前記グルコースオキシダーゼの活性単位(U)は、グルコースオキシダーゼ活性測定キットK-GLOX 04/14 Glucose oxidase(Megazyme社製)を用い、ペルオキシダーゼ存在下でβ-D-グルコースと反応させた際の1分間当たりの590nmでの吸光度から、下記の計算式を用いて算出することができる。なお、下記の計算式は、サンプル1gあたりの酵素活性を計算するものである。
Figure 2023030773000001
上記式中、「Es」は「酵素サンプルの吸光度」、「Eblank」は「ブランクの吸光度」を表す。
測定方法は、酵素の抽出方法、分析温度、及び上記した計算式以外は、K-GLOX 04/14 Glucose oxidase(Megazyme社製)のプロトコルに従って測定することができる。
酵素の抽出方法は、次の通りである。市販酵素製剤0.1gに0.4M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)10mLを添加し、40秒間ボルテックスミキサーで撹拌する。次いで、4,700rpmで10分間遠心した後、上清を酵素抽出液とする。
前記分析温度は27℃とする。
前記グルコースオキシダーゼの配合量としては、特に制限はなく、比活性などに応じて適宜選択することができるが、原料として用いる穀粉類100質量部に対する濃度として、5~100ppmが好ましく、10~70ppmがより好ましい。
-(B)ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、及びアミラーゼからなる群から選択される1種以上-
前記ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、及びアミラーゼからなる群から選択される1種以上(以下、「(B)成分」と称することがある。)としては、食品用途に使用できるもの(グレード)であれば、特に制限はなく、適宜選択することができる。前記(B)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(B)成分は、市販されており、市販品を適宜使用することができる。
前記ヘミセルラーゼとしては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、キシラナーゼ、アラビノフラノシダーゼが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ヘミセルラーゼの配合量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、原料として用いる穀粉類100gに対して、キシラナーゼ活性として、5~350Uとなるような範囲が好ましく、10~300Uとなるような範囲がより好ましく、50~250Uとなるような範囲がさらに好ましい。
本発明において、前記ヘミセルラーゼのキシラナーゼとしての活性単位(U)は、キシラナーゼ活性測定キットK-GLOX 04/14 Glucose oxidase(Megazyme社製)を用い、ペルオキシダーゼ存在下でAX tabletと反応させた際の1分間当たりの590nmでの吸光度から、下記の計算式を用いて算出することができる。なお、下記の計算式は、サンプル1gあたりの酵素活性を計算するものである。
Figure 2023030773000002
上記式中、「Es」は「酵素サンプルの吸光度」、「Eblank」は「ブランクの吸光度」を表す。
測定方法は、酵素の抽出方法、分析温度、及び上記した計算式以外は、K-GLOX 04/14 Glucose oxidase(Megazyme社製)のプロトコルに従って測定することができる。
酵素の抽出方法は、次の通りである。市販酵素製剤0.1gに0.4M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)10mLを添加し、40秒間ボルテックスミキサーで撹拌する。次いで、4,700rpmで10分間遠心した後、上清を酵素抽出液とする。
前記分析温度は27℃とする。
前記ヘミセルラーゼの配合量としては、特に制限はなく、比活性などに応じて適宜選択することができるが、原料として用いる穀粉類100質量部に対する濃度として、1~500ppmが好ましく、3~400ppmがより好ましい。
前記セルラーゼの配合量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、原料として用いる穀粉類100gに対して、セルラーゼ活性が1~15Uとなるような範囲が好ましく、2~10Uとなるような範囲がより好ましく、3~8Uとなるような範囲がさらに好ましい。
本発明において、前記セルラーゼの活性単位(U)は、セルラーゼ活性測定キットK-CellG5-2V Cellulase Assay Kit(CellG5 Method)(Megazyme社製)を用い、耐熱性β-グルコシダーゼ存在下、定義された条件下で基質CellG5より1分間に1マイクロモルの4-ニトロフェノールを遊離するのに必要な酵素量とする。
測定方法は、酵素の抽出方法及び分析温度以外は、K-CellG5-2V Cellulase Assay Kit(CellG5 Method)(Megazyme社製)のプロトコルに従って測定することができる。
酵素の抽出方法は、次の通りである。市販酵素製剤0.1gに0.4M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)10mLを添加し、40秒間ボルテックスミキサーで撹拌する。次いで、4,700rpmで10分間遠心した後、上清を酵素抽出液とする。
前記分析温度は27℃とする。
前記セルラーゼの配合量としては、特に制限はなく、比活性などに応じて適宜選択することができるが、原料として用いる穀粉類100質量部に対する濃度として、1~500ppmが好ましく、3~400ppmがより好ましい。
前記アミラーゼとしては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、α-アミラーゼ、G2アミラーゼ(G2生成アミラーゼと称することもある。)、G4アミラーゼ(G4生成アミラーゼ、マルトテトラオース生成酵素と称することもある。)が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、これらの中でも、少なくともG4アミラーゼを用いることがより好ましい。
前記アミラーゼの配合量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、原料として用いる穀粉類100gに対して、アミラーゼ活性が0.1~250Uとなるような範囲が好ましく、0.2~200Uとなるような範囲がより好ましく、0.5~150Uとなるような範囲がさらに好ましい。
本発明において、前記アミラーゼの活性単位(U)は、アミラーゼ活性測定キットK-CERA alpha-Amylase Assay Kit(Ceralpha Method)(Megazyme社製)を用い、熱安定性α-グルコシダーゼ存在下、基質BPNPG7より1分間に1マイクロモルのp-ニトロフェノールを遊離するのに必要な酵素量とする。
測定方法は、酵素の抽出方法及び分析温度以外は、K-CERA alpha-Amylase Assay Kit(Ceralpha Method)(Megazyme社製)のプロトコルに従って測定することができる。
酵素の抽出方法は、次の通りである。市販酵素製剤0.1gに0.4M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)10mLを添加し、40秒間ボルテックスミキサーで撹拌する。次いで、4,700rpmで10分間遠心した後、上清を酵素抽出液とする。
前記分析温度は27℃とする。
前記アミラーゼの配合量としては、特に制限はなく、比活性などに応じて適宜選択することができるが、原料として用いる穀粉類100質量部に対する濃度として、1~400ppmが好ましく、3~250ppmがより好ましい。
前記(B)成分は、少なくともヘミセルラーゼ及びセルラーゼからなる群から選択される1種以上を用いることが好ましい。
-その他の成分-
前記その他の成分としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、パン類の製造に通常用いられる副原料などが挙げられる。該副原料としては、サワー種、ルバン種等の各種発酵種;生イースト、セミドライイースト、ドライイースト等のパン酵母;イーストフード;砂糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水あめ、麦芽糖、乳糖等の糖類;卵または卵粉;脱脂粉乳、全脂粉乳、チーズ粉末、ヨーグルト粉末、ホエー粉末などの乳製品;グルテンなどの蛋白質;粉末油脂類;乳化剤;膨張剤;増粘剤;甘味料;香料;着色料;アスコルビン酸;食塩等の無機塩類;麦芽粉末、麦芽エキス;市販の生地改良剤;食物繊維などが挙げられる。これらの副原料は、生地の調製の前に予め原料として用いる穀粉類に添加しておいてもよく、あるいは生地の調製の際に、原料として用いる穀粉類に添加してもよい。該副原料の使用量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、該原料として用いる穀粉類100質量部に対して、20質量部以下が好ましい。
<ベーカリー食品>
前記ベーカリー食品としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、食パンやロールパン等のパン類、ワッフル、クレープ、パンケーキ、ホットケーキ、スポンジケーキなどが挙げられる。これらの中でも、二次加工性やその食感において効果が奏されやすい点で、パン類が好ましい。
本発明の小麦ふすま含有ベーカリー食品の製造方法によれば、生地の製造時に配合するだけで、小麦ふすまを含有しても、二次加工性が良好で、ボリュームがあり、食感、経時耐性(老化耐性)が良好なベーカリー食品を製造することができる。
本発明によれば、小麦ふすま含有ベーカリー食品の品質を改良することができる。したがって、本発明は、原料として用いる穀粉類100質量部中、小麦ふすまを5~50質量部含有する小麦ふすま含有ベーカリー食品用品質改良剤であって、(A)グルコースオキシダーゼと、(B)ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、及びアミラーゼからなる群から選択される1種以上とを少なくとも含み、必要に応じてさらにその他の成分を含む品質改良剤にも関する。
前記品質改良剤における前記(A)成分、前記(B)成分、およびその他の成分のそれぞれの含有量としては、特に制限はなく、原料として用いる穀粉類に対する配合量などに応じて適宜選択することができる。また、前記品質改良剤の原料として用いる穀粉類に対する配合量としても、特に制限はなく、適宜選択することができる。
前記品質改良剤は、前記(A)成分と、前記(B)成分と、必要に応じて前記その他の成分とを同一の包材に含むものであってもよいし、前記各成分を別々の包材に入れ、使用時に混合するものであってもよい。
また、本発明は、小麦ふすま含有ベーカリー食品の品質改良方法であって、原料として用いる穀粉類100質量部中、小麦ふすまを5~50質量部含有し、さらに(A)グルコースオキシダーゼと、(B)ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、及びアミラーゼからなる群から選択される1種以上とを生地に配合することを特徴とする方法にも関する。
前記品質改良方法は、原料として用いる穀粉類100質量部中、小麦ふすまを5~50質量部含有し、さらに(A)グルコースオキシダーゼと、(B)ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、及びアミラーゼからなる群から選択される1種以上とを生地に配合する限り、特に制限はなく、公知のベーカリー食品の製造方法を適宜選択することができる。前記公知のベーカリー食品の製造方法は、上記した本発明の小麦ふすま含有ベーカリー食品の製造方法の項目に記載したものと同様である。
以下、試験例を示して本発明を説明するが、本発明は、これらの試験例に何ら限定されるものではない。
(試験例1:小麦ふすま含有ベーカリー食品の製造)
下記の配合及び工程で小麦ふすま含有パン類を製造した。
<配合>
・ 小麦粉 ・・・ 80質量部
(ミリオン;強力粉、日清製粉株式会社製)
・ 小麦ふすま ・・・ 20質量部
(ウィートブランM;焙煎処理された小麦ふすま、フレッシュ・フード・サービス株式会社製)
・ 生イースト ・・・ 2.8質量部
(オリエンタル酵母工業株式会社製)
・ 食塩 ・・・ 2質量部
・ 砂糖 ・・・ 6質量部
・ 脱脂粉乳 ・・・ 2質量部
・ ショートニング ・・・ 5質量部
・ 水 ・・・ 70質量部
※ 各酵素製剤は、原料として用いる穀粉類(以下、「原料粉」と称することがある。)100gに対する添加量として、表1-1~1-6に記載の量(U)となるよう、小麦粉1gに希釈し、混ぜて使用した。
<工程>
1. ミキシング : 上記<配合>に記載の原料粉(小麦粉、小麦ふすま)、副原料(生イースト、食塩、砂糖、脱脂粉乳)、水を混合し、ショートニングを添加してミキシング(低速2分→中高速6分→高速1分、温度27℃)した。
2. 一次発酵 : 80分(27~28℃、相対湿度75~80%)
3. 生地分割 : 500g
4. ベンチタイム : 20分
5. 二次発酵(ホイロ) : 50分(38℃、相対湿度80~85%)
6. 焼成 : 210℃、25分
<評価>
上記で製造した小麦ふすま含有ベーカリー食品又はパン生地について、下記評価項目について評価した。結果を表1-1~1-6に示す。
[体積]
小麦ふすま含有ベーカリー食品の体積は、3D Laser Volume Measurement(レーザー体積計(Selnac-WinVM2100、アステックス社製))によって測定した。
[食感]
10名のパネルにより、小麦ふすま含有ベーカリー食品のソフトさ、しっとり感、及び口溶けについて、下記に示す評価基準に従って評価し、その平均点を算出した。なお、比較例1-2を対照例とした。
-ソフトさ-
5点 : 対照例と比較して非常にソフトである。
4点 : 対照例と比較してソフトである。
3点 : 対照例と比較してややソフトである。
2点 : 対照例と同程度である。
1点 : 対照例と比較して硬い。
-しっとり感-
5点 : 対照例と比較して非常にしっとりしている。
4点 : 対照例と比較してしっとりしている。
3点 : 対照例と比較してややしっとりしている。
2点 : 対照例と同程度である。
1点 : 対照例と比較してぼそつきがある。
-口溶け-
5点 : 対照例と比較して非常に口溶けが良い。
4点 : 対照例と比較して口溶けが良い。
3点 : 対照例と比較してやや口溶けが良い。
2点 : 対照例と同程度である。
1点 : 対照例と比較して口溶けが悪い。
[触感]
小麦ふすま含有ベーカリー食品を室温(25℃)の環境で72時間保管した後、10名のパネルにより、小麦ふすま含有ベーカリー食品の触感について、下記に示す評価基準に従って評価し、その平均点を算出した。なお、比較例1-2を対照例とした。
5点 : 対照例と比較して非常に弾力がある。
4点 : 対照例と比較して弾力がある。
3点 : 対照例と比較してやや弾力がある。
2点 : 対照例と同程度である。
1点 : 対照例と比較して弾力が弱い。
[二次加工性]
10名のパネルにより、パン生地の伸展性、及びべたつきについて、下記に示す評価基準に従って評価し、その平均点を算出した。なお、比較例1-2を対照例とした。
-生地の伸展性-
5点 : 対照例と比較して非常に伸展性が優れる。
4点 : 対照例と比較して伸展性が優れる。
3点 : 対照例と比較してやや伸展性が優れる。
2点 : 対照例と同程度である。
1点 : 対照例と比較して伸展性が劣る。
-生地のべたつき-
5点 : 対照例と比較してべたつきが非常に少ない。
4点 : 対照例と比較してべたつきが少ない。
3点 : 対照例と比較してべたつきがやや少ない。
2点 : 対照例と同程度である。
1点 : 対照例と比較してべたつきが多い。
Figure 2023030773000003
Figure 2023030773000004
Figure 2023030773000005
Figure 2023030773000006
Figure 2023030773000007
Figure 2023030773000008
(試験例2:小麦ふすま含有ベーカリー食品の製造)
試験例1の<配合>において、小麦粉を90質量部、小麦ふすまを10質量部とし、各酵素製剤は、原料として用いる穀粉類100gに対する添加量として、表2に記載の量(U)となるよう、小麦粉1gに希釈し、混ぜて使用した以外は、試験例1と同様にして小麦ふすま含有ベーカリー食品を製造した。
また、対照例を比較例2-2とした以外は試験例1と同様にして各評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2023030773000009
(試験例3:小麦ふすま含有ベーカリー食品の製造)
試験例1の<配合>において、小麦粉を70質量部、小麦ふすまを30質量部とし、各酵素製剤は、原料として用いる穀粉類100gに対する添加量として、表3に記載の量(U)となるよう、小麦粉1gに希釈し、混ぜて使用した以外は、試験例1と同様にして小麦ふすま含有ベーカリー食品を製造した。
また、対照例を比較例3-2とした以外は試験例1と同様にして各評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2023030773000010
上記試験例の結果から、本発明によれば、小麦ふすまを含有しても、二次加工性が良好で、ボリュームがあり、食感、経時耐性(老化耐性)が良好なベーカリー食品を製造できることが確認された。
上記試験例で使用した酵素製剤は下記のとおりである。
[グルコースオキシダーゼ]
・ グルコースオキシダーゼ(1)
Bakezyme(登録商標) GO Pure(DSM社製)
・ グルコースオキシダーゼ(2)
Bakezyme(登録商標) GO1500BG(DSM社製)
[ヘミセルラーゼ]
・ キシラナーゼ(1)
Bakezyme(登録商標) HS2000BG(DSM社製)
・ キシラナーゼ(2)
Bakezyme(登録商標) Real-X(DSM社製)
・ アラビノフラノシダーゼ
Bakezyme(登録商標) ARA10000BG(DSM社製)
[セルラーゼ]
・ セルラーゼ
Bakezyme(登録商標) Wholegain(DSM社製)
[アミラーゼ]
・ G4アミラーゼ
デナベイクEXTRA(ナガセケムテックス社製)
・ α-アミラーゼ
Fungamyl 4000 SG(novozymes社製)
・ G2アミラーゼ
Bakezyme(登録商標) MAM10.000(DSM社製)

Claims (4)

  1. 小麦ふすま含有ベーカリー食品の製造方法であって、
    原料として用いる穀粉類100質量部中、小麦ふすまを5~50質量部含有し、
    さらに(A)グルコースオキシダーゼと、(B)ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、及びアミラーゼからなる群から選択される1種以上とを生地に配合することを特徴とする方法。
  2. 前記(B)成分として、少なくともヘミセルラーゼ及びセルラーゼからなる群から選択される1種以上を用いる請求項1に記載の方法。
  3. 前記小麦ふすまが、熱処理された小麦ふすまである請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記アミラーゼとして、少なくともG4アミラーゼを用いる請求項1~3のいずれかに記載の方法。
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