JPH09224503A - 給水栽培方法 - Google Patents
給水栽培方法Info
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- JPH09224503A JPH09224503A JP5831596A JP5831596A JPH09224503A JP H09224503 A JPH09224503 A JP H09224503A JP 5831596 A JP5831596 A JP 5831596A JP 5831596 A JP5831596 A JP 5831596A JP H09224503 A JPH09224503 A JP H09224503A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】少ない水を遠くまで地表面に沿って横移動させ
て植物を成育する地表下10〜20cmの土壌表層面を湿潤状
態にして植物の最適環境を形成し、地表面からの水分の
蒸発を抑制して塩類含有水の場合にも塩類集積を防止で
きる給水栽培方法を提供すること。 【解決手段】土壌表層面2に、少なくとも該土壌表層面
2に接する面が不透水性である重量部材3を密着させて
設け、該重量部材3の下面に存する水を前記土壌表層面
2に沿って横移動させ、又は、土壌表層面2に保水材8
を敷設し、該保水材8上に、少なくとも該保水材8に接
する面が不透水性である重量部材3を載置し、前記保水
材8を上面及び下面から圧着し、該保水材8に導入され
た水を該保水材8によって横移動させることにより該重
量部材3の近傍において植生する植物11に給水する給水
栽培方法。
て植物を成育する地表下10〜20cmの土壌表層面を湿潤状
態にして植物の最適環境を形成し、地表面からの水分の
蒸発を抑制して塩類含有水の場合にも塩類集積を防止で
きる給水栽培方法を提供すること。 【解決手段】土壌表層面2に、少なくとも該土壌表層面
2に接する面が不透水性である重量部材3を密着させて
設け、該重量部材3の下面に存する水を前記土壌表層面
2に沿って横移動させ、又は、土壌表層面2に保水材8
を敷設し、該保水材8上に、少なくとも該保水材8に接
する面が不透水性である重量部材3を載置し、前記保水
材8を上面及び下面から圧着し、該保水材8に導入され
た水を該保水材8によって横移動させることにより該重
量部材3の近傍において植生する植物11に給水する給水
栽培方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は給水栽培方法に関
し、詳しくは植物の成育に必要な水の補給に際し、節水
が可能な給水栽培方法に関する。
し、詳しくは植物の成育に必要な水の補給に際し、節水
が可能な給水栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】農産物を含む植物栽培においては、植物
の成育に不可欠な水を種々の方法で供給しているが、一
般的には雨水に依存している例がほとんどである。しか
し、雨水による給水は、降雨時に大量の水を供給し、そ
れ以外の時は給水しないという方法であり、植物にとっ
ては好ましい成育環境ではない。
の成育に不可欠な水を種々の方法で供給しているが、一
般的には雨水に依存している例がほとんどである。しか
し、雨水による給水は、降雨時に大量の水を供給し、そ
れ以外の時は給水しないという方法であり、植物にとっ
ては好ましい成育環境ではない。
【0003】また植物の給水方法としては、雨水の貯留
水や水道水等を散水する方法もあるが、植物以外の土壌
部分にも散水してしまうため水が無駄になったり、少な
い水を給水しようとすると植物の葉が邪魔をして植物の
根に給水できなかったり、あるいは人力や電力等の動力
を要する欠点がある。
水や水道水等を散水する方法もあるが、植物以外の土壌
部分にも散水してしまうため水が無駄になったり、少な
い水を給水しようとすると植物の葉が邪魔をして植物の
根に給水できなかったり、あるいは人力や電力等の動力
を要する欠点がある。
【0004】一方、寡雨地帯においては、給水自体が困
難であり、農耕を行うためには灌漑が必要となる。灌漑
は一般に貯水池から運河や側溝等を介して農耕地に水を
通して冠水させる方法が採用されているが、かかる方法
では水の消費量が多く、寡雨地帯では水の確保が難し
く、又乾燥地帯では塩類集積の問題がある。かかる問題
を解決する手法として、本発明者は水の使用効率が高
く、少量の水で作物の要水量を充足可能にし、且つ脱塩
と同時に塩類の上昇集積を最小限に抑止する方法とし
て、蒸留灌水技術を開発した。しかし、この蒸留灌水を
用いる場合には確かに塩類集積は解決できるが、植物に
供給する場合には、やはり上記と同様な問題があり、い
かに植物に水を供給するかという課題は残されている。
難であり、農耕を行うためには灌漑が必要となる。灌漑
は一般に貯水池から運河や側溝等を介して農耕地に水を
通して冠水させる方法が採用されているが、かかる方法
では水の消費量が多く、寡雨地帯では水の確保が難し
く、又乾燥地帯では塩類集積の問題がある。かかる問題
を解決する手法として、本発明者は水の使用効率が高
く、少量の水で作物の要水量を充足可能にし、且つ脱塩
と同時に塩類の上昇集積を最小限に抑止する方法とし
て、蒸留灌水技術を開発した。しかし、この蒸留灌水を
用いる場合には確かに塩類集積は解決できるが、植物に
供給する場合には、やはり上記と同様な問題があり、い
かに植物に水を供給するかという課題は残されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記の課
題を解決する手法として、植物の成育に必要な最小限の
水を植物が要求しているときに常時供給できるようにし
てやる環境の設定が望ましく、植物を成育する土壌表層
面を湿潤状態にしてやることが重要と考え、水を地表面
に沿って横移動させて給水する手法について種々検討し
た。
題を解決する手法として、植物の成育に必要な最小限の
水を植物が要求しているときに常時供給できるようにし
てやる環境の設定が望ましく、植物を成育する土壌表層
面を湿潤状態にしてやることが重要と考え、水を地表面
に沿って横移動させて給水する手法について種々検討し
た。
【0006】しかし、水を地表面に沿って横移動させて
給水しようとすると、水の地下浸透が早く、また蒸発量
が多いために、蒸留灌水を横移動させることは難しいこ
とがわかった。また塩類含有水の場合は地表面に沿って
給水しようとすると、水分の蒸発によって塩類集積が発
生する問題は解消されない。
給水しようとすると、水の地下浸透が早く、また蒸発量
が多いために、蒸留灌水を横移動させることは難しいこ
とがわかった。また塩類含有水の場合は地表面に沿って
給水しようとすると、水分の蒸発によって塩類集積が発
生する問題は解消されない。
【0007】そこで、本発明は、人力や電力等の動力を
要することなく、植物の成育に必要な最小限の水を植物
が要求しているときに常時供給できるようにしてやる環
境の設定を実現できる給水栽培方法を提供することを課
題とする。
要することなく、植物の成育に必要な最小限の水を植物
が要求しているときに常時供給できるようにしてやる環
境の設定を実現できる給水栽培方法を提供することを課
題とする。
【0008】また本発明は、少ない水を遠くまで地表面
に沿って横移動させて植物を成育する地表下10〜20cmの
土壌表層面を湿潤状態にして植物の最適環境を形成し、
地表面からの水分の蒸発を抑制して塩類含有水の場合に
も塩類集積を防止できる給水栽培方法を提供することを
課題とする。
に沿って横移動させて植物を成育する地表下10〜20cmの
土壌表層面を湿潤状態にして植物の最適環境を形成し、
地表面からの水分の蒸発を抑制して塩類含有水の場合に
も塩類集積を防止できる給水栽培方法を提供することを
課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討の結果、本発明に至った。即ち、本発
明に係る給水栽培方法は、土壌表層面に、少なくとも該
土壌表層面に接する面が不透水性である重量部材を密着
させて設け、該重量部材の下面に存する水を前記土壌表
層面に沿って横移動させ、該重量部材の近傍において植
生する植物に給水することを特徴とする。
決すべく鋭意検討の結果、本発明に至った。即ち、本発
明に係る給水栽培方法は、土壌表層面に、少なくとも該
土壌表層面に接する面が不透水性である重量部材を密着
させて設け、該重量部材の下面に存する水を前記土壌表
層面に沿って横移動させ、該重量部材の近傍において植
生する植物に給水することを特徴とする。
【0010】また本発明に係る給水栽培方法は、土壌表
層面に保水材を敷設し、該保水材上に、少なくとも該保
水材に接する面が不透水性である重量部材を載置し、前
記保水材を上面及び下面から圧着し、該保水材に導入さ
れた水を該保水材の毛管作用によって横移動させ、該重
量部材の近傍において植生する植物に給水することを特
徴とする。
層面に保水材を敷設し、該保水材上に、少なくとも該保
水材に接する面が不透水性である重量部材を載置し、前
記保水材を上面及び下面から圧着し、該保水材に導入さ
れた水を該保水材の毛管作用によって横移動させ、該重
量部材の近傍において植生する植物に給水することを特
徴とする。
【0011】上記の方法において、重量部材の土壌表層
面に接する面に、不透水性フィルムが固着されるか、又
は防水モルタル、防水樹脂が塗設されていることが好ま
しい。
面に接する面に、不透水性フィルムが固着されるか、又
は防水モルタル、防水樹脂が塗設されていることが好ま
しい。
【0012】更に上記保水材は、複数の小孔を有するチ
ューブ内に装填されることが好ましく、更に該チューブ
が透水性を有し植物根の侵入を防止する布製であること
がより好ましい。
ューブ内に装填されることが好ましく、更に該チューブ
が透水性を有し植物根の侵入を防止する布製であること
がより好ましい。
【0013】また上記保水材は、親水性及び又は吸水性
を有する樹脂製品及び又は天然繊維であることが好まし
く、上記親水性及び吸水性を有する樹脂製品が、親水性
吸水性不織布であり、また天然繊維が藁桿類、しゅろ、
干し草、リンタ、バガス、ピートモスから選ばれる少な
くとも1種であることが好ましい。
を有する樹脂製品及び又は天然繊維であることが好まし
く、上記親水性及び吸水性を有する樹脂製品が、親水性
吸水性不織布であり、また天然繊維が藁桿類、しゅろ、
干し草、リンタ、バガス、ピートモスから選ばれる少な
くとも1種であることが好ましい。
【0014】また本発明に係る給水栽培方法は、土壌表
層面に不透水性フィルムを敷設し、該不透水性フィルム
上に重量部材を載置し前記土壌表層面に密着させ、該不
透水性フィルムの下面に存する水を前記土壌表層面に沿
って移動させ、該重量部材の近傍において植生する植物
に給水することを特徴とする。
層面に不透水性フィルムを敷設し、該不透水性フィルム
上に重量部材を載置し前記土壌表層面に密着させ、該不
透水性フィルムの下面に存する水を前記土壌表層面に沿
って移動させ、該重量部材の近傍において植生する植物
に給水することを特徴とする。
【0015】本発明において、上記の重量部材の単位面
積当りの垂直荷重は、2.5g/cm2以上100g/cm2以下である
ことが好ましい。
積当りの垂直荷重は、2.5g/cm2以上100g/cm2以下である
ことが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づき説明する。
て、図面に基づき説明する。
【0017】図1は本発明の基本思想を説明する図であ
り、図1の(A)は土壌1の表層面2に重量部材3を密
着させて設けた例である。かかる密着によって表層面2
の土壌密度が上昇し、また日光や風に直接さらされるこ
とがなく湿潤状態を保ち易いため、毛管を働きやすく
し、水を横移動させることが可能となる。
り、図1の(A)は土壌1の表層面2に重量部材3を密
着させて設けた例である。かかる密着によって表層面2
の土壌密度が上昇し、また日光や風に直接さらされるこ
とがなく湿潤状態を保ち易いため、毛管を働きやすく
し、水を横移動させることが可能となる。
【0018】重量部材下面の表層土は日光に曝されず日
陰状態にあり、常に低温(重量部材下の表層土の日中地
温はいつも重量部材のない裸の表層土より低い)で水分
蒸発が少なく、結露しやすい環境にあるため湿潤状態を
保ちやすい。また風や気流に曝されることもなく、これ
も上記現象の発現に寄与する。
陰状態にあり、常に低温(重量部材下の表層土の日中地
温はいつも重量部材のない裸の表層土より低い)で水分
蒸発が少なく、結露しやすい環境にあるため湿潤状態を
保ちやすい。また風や気流に曝されることもなく、これ
も上記現象の発現に寄与する。
【0019】重量部材3の土壌表層面2に接する面(底
面)3Aは土壌表層面2に対応する面を有していればよ
く、土壌表層面2が平面である場合には底面3Aも平面
であることが好ましい。
面)3Aは土壌表層面2に対応する面を有していればよ
く、土壌表層面2が平面である場合には底面3Aも平面
であることが好ましい。
【0020】重量部材3の土壌表層面2の単位面積当り
の垂直荷重は、2.5g/cm2以上100g/cm2以下であることが
好ましく、より好ましくは5〜10g/cm2である。2.5g/cm2
以上であれば、凹凸を有する表層土を平均に簡単に填
圧、均平化でき、また表層土と重量部材下面間の間隙を
なくすることができ、風雨で移動することもない。また
100g/cm2を越えると大面積での作業性が悪くなるのでこ
れ以下が好ましい。
の垂直荷重は、2.5g/cm2以上100g/cm2以下であることが
好ましく、より好ましくは5〜10g/cm2である。2.5g/cm2
以上であれば、凹凸を有する表層土を平均に簡単に填
圧、均平化でき、また表層土と重量部材下面間の間隙を
なくすることができ、風雨で移動することもない。また
100g/cm2を越えると大面積での作業性が悪くなるのでこ
れ以下が好ましい。
【0021】上記の例で用いられる重量部材3は全体が
不透水性であってもよいが、土壌表層面2に接する面
(底面)3Aが不透水性であればよい。土壌表層面2か
らの水分の蒸発を防止できるからである。全体が不透水
性の重量部材3としては不透水性のコンクリートブロッ
ク等が挙げられ、また底面3Aが不透水性である重量部
材3としては、レンガのような透水性のものの底面3A
に、不透水性フィルムを固着してもよいし、あるいは防
水モルタル、防水樹脂(防水塗料等)を塗設してもよ
い。
不透水性であってもよいが、土壌表層面2に接する面
(底面)3Aが不透水性であればよい。土壌表層面2か
らの水分の蒸発を防止できるからである。全体が不透水
性の重量部材3としては不透水性のコンクリートブロッ
ク等が挙げられ、また底面3Aが不透水性である重量部
材3としては、レンガのような透水性のものの底面3A
に、不透水性フィルムを固着してもよいし、あるいは防
水モルタル、防水樹脂(防水塗料等)を塗設してもよ
い。
【0022】図示の例では、重量部材3として4個のブ
ロックを用いた場合が示されているが、数は限定され
ず、1個の長尺状ブロックを用いてもよい。複数のブロ
ックを用いる場合には、互いのブロックが接する面の間
隙は可能な限り存在しない方が好ましい。間隙から水分
が蒸発をすることを防止するためである。間隙をなくす
るには、目地止め等を設けることも好ましい。
ロックを用いた場合が示されているが、数は限定され
ず、1個の長尺状ブロックを用いてもよい。複数のブロ
ックを用いる場合には、互いのブロックが接する面の間
隙は可能な限り存在しない方が好ましい。間隙から水分
が蒸発をすることを防止するためである。間隙をなくす
るには、目地止め等を設けることも好ましい。
【0023】図1の(A)において、重量部材3の底面
3Aと土壌表層面2との間(矢符W参照)に導入された
水は、土壌表層面2に沿って横移動(図面上、x方向)
する。導入直下(図面上、左側)では水は地下方向(図
面上、y方向)に浸透するが、横方向にも移動し、全体
としては図示のような湿潤領域4が形成され、この湿潤
領域4は重量部材3の他端3B(水導入側と反対側)に
まで到達する。
3Aと土壌表層面2との間(矢符W参照)に導入された
水は、土壌表層面2に沿って横移動(図面上、x方向)
する。導入直下(図面上、左側)では水は地下方向(図
面上、y方向)に浸透するが、横方向にも移動し、全体
としては図示のような湿潤領域4が形成され、この湿潤
領域4は重量部材3の他端3B(水導入側と反対側)に
まで到達する。
【0024】このため重量部材3の他端3B近傍におい
て植生する植物に給水することが可能となる。また重量
部材3によって蒸発が抑制され、かかる湿潤領域4が形
成されるため、導入水中に塩類が含有されていても塩の
析出がなく、塩類集積を防止できる。
て植生する植物に給水することが可能となる。また重量
部材3によって蒸発が抑制され、かかる湿潤領域4が形
成されるため、導入水中に塩類が含有されていても塩の
析出がなく、塩類集積を防止できる。
【0025】図示の湿潤領域4を示す形態は一例であ
り、かかる形態に限定されない。湿潤領域4は時間の経
過と共に更に拡大し、重量部材3の他端3Bに達した水
は地下浸透すると図中の破線5まで拡大することが予想
される。
り、かかる形態に限定されない。湿潤領域4は時間の経
過と共に更に拡大し、重量部材3の他端3Bに達した水
は地下浸透すると図中の破線5まで拡大することが予想
される。
【0026】以下に、重量部材3の重量と水の横方法の
移動距離の関係に関する実験例を表1に示す。
移動距離の関係に関する実験例を表1に示す。
【0027】実験は雨の入らないハウス内に深さ100cm
の隔離床(砂質土)を設けて行った。
の隔離床(砂質土)を設けて行った。
【0028】
【表1】
【0029】上記の表1から明らかなように、実験番号
1、2、3では、コンクリートブロックやレンガの長さ
(L)以上の移動距離が認められ、実験番号4では少し
の移動距離が認められた。また実験番号5のように重量
部材がない場合には、横移動がほとんど認められなかっ
た。
1、2、3では、コンクリートブロックやレンガの長さ
(L)以上の移動距離が認められ、実験番号4では少し
の移動距離が認められた。また実験番号5のように重量
部材がない場合には、横移動がほとんど認められなかっ
た。
【0030】次に、図1の(B)は土壌表層面2と重量
部材3との間に不透水性フィルム6を介在させた場合を
示す例である。
部材3との間に不透水性フィルム6を介在させた場合を
示す例である。
【0031】この例では、重量部材3と土壌表層面2を
密着させている点は図1の(A)と変わらないので、不
透水性フィルム6の下面に存する水は土壌表層面2に沿
って横移動させることができる。この例の特徴は、土壌
中の水が日中の高温下で蒸発しようとしても不透水性フ
ィルム6で阻止されると共にその表面で冷却され、結露
水となって再度土壌中に戻されるため、土壌中の湿潤領
域4は図1の(A)よりも若干拡大される点である。
密着させている点は図1の(A)と変わらないので、不
透水性フィルム6の下面に存する水は土壌表層面2に沿
って横移動させることができる。この例の特徴は、土壌
中の水が日中の高温下で蒸発しようとしても不透水性フ
ィルム6で阻止されると共にその表面で冷却され、結露
水となって再度土壌中に戻されるため、土壌中の湿潤領
域4は図1の(A)よりも若干拡大される点である。
【0032】この例では、重量部材3は底面3Aが不透
水性である必要はないので、レンガのような透水性のも
のもそのまま使用できる。
水性である必要はないので、レンガのような透水性のも
のもそのまま使用できる。
【0033】不透水性フィルム6としては、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエステル、低密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン等を用いることができる。
ニル、ポリエステル、低密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン等を用いることができる。
【0034】次に、図1の(C)は土壌表層面2の上面
に重量部材3を載置しないで、水を導入した場合を示す
参考例である。この場合には同図に示すように、湿潤領
域4は導入付近にしか存在せず、水の横移動は認められ
ない。
に重量部材3を載置しないで、水を導入した場合を示す
参考例である。この場合には同図に示すように、湿潤領
域4は導入付近にしか存在せず、水の横移動は認められ
ない。
【0035】次に、図2及び図3において、本発明の好
ましい実施の形態を説明する。
ましい実施の形態を説明する。
【0036】図2は保水材を土壌表層面と重量部材の間
に介在させた例であり、図2において、7は貯留水タン
クであり、8はチューブ9に装填された保水材である。
チューブ9には図示しない複数の細孔が形成されてい
る。チューブを用いると、土壌中の害虫やもぐら等によ
って保水材の毛管作用が切断されるのを防止できて好ま
しい。またチューブ9は透水性を有し植物根の侵入を防
止する布製であることも好ましい。更に細孔付きチュー
ブ9の細孔より植物根や害虫の侵入を防止するためにチ
ューブ9の外周に透水性を有し植物根の侵入を防止する
布製のシート(いわゆる透水性防根シート)を被覆した
り、あるいはチューブ9の内周にいわゆる透水性防根シ
ートを被覆することも好ましい。更にチューブ9の細孔
部分の内面にいわゆる透水性防根シートをシールするこ
とも好ましい。
に介在させた例であり、図2において、7は貯留水タン
クであり、8はチューブ9に装填された保水材である。
チューブ9には図示しない複数の細孔が形成されてい
る。チューブを用いると、土壌中の害虫やもぐら等によ
って保水材の毛管作用が切断されるのを防止できて好ま
しい。またチューブ9は透水性を有し植物根の侵入を防
止する布製であることも好ましい。更に細孔付きチュー
ブ9の細孔より植物根や害虫の侵入を防止するためにチ
ューブ9の外周に透水性を有し植物根の侵入を防止する
布製のシート(いわゆる透水性防根シート)を被覆した
り、あるいはチューブ9の内周にいわゆる透水性防根シ
ートを被覆することも好ましい。更にチューブ9の細孔
部分の内面にいわゆる透水性防根シートをシールするこ
とも好ましい。
【0037】チューブ9の細孔はチューブ9が土壌表層
面に設けられる場合は該チューブ9の下方に向くように
設けられることが好ましい。
面に設けられる場合は該チューブ9の下方に向くように
設けられることが好ましい。
【0038】保水材8の一方は貯留水タンク7の水内に
浸漬されており、他方は土壌表層面2と重量部材3の間
に上面及び下面から圧着され密着状態で敷設されてい
る。
浸漬されており、他方は土壌表層面2と重量部材3の間
に上面及び下面から圧着され密着状態で敷設されてい
る。
【0039】本発明に用いられる保水材8は、それ自体
が吸水性を有し、上記の圧着状態で毛管作用を呈するも
のが用いられる。
が吸水性を有し、上記の圧着状態で毛管作用を呈するも
のが用いられる。
【0040】保水材としては、親水性及び又は吸水性を
有する樹脂製品及び又は天然繊維を用いることができ、
親水性及び又は吸水性を有する樹脂製品としては、耐蝕
性の高いポリエステル、ポリアミド等合成樹脂を用いた
不織布に親水性処理を施した資材が望ましく、スポンバ
ンド紡糸等によって形成できる。また、表面を親水処理
したポリエチレン、ポリプロピレン繊維等を用いて形成
することもできる。
有する樹脂製品及び又は天然繊維を用いることができ、
親水性及び又は吸水性を有する樹脂製品としては、耐蝕
性の高いポリエステル、ポリアミド等合成樹脂を用いた
不織布に親水性処理を施した資材が望ましく、スポンバ
ンド紡糸等によって形成できる。また、表面を親水処理
したポリエチレン、ポリプロピレン繊維等を用いて形成
することもできる。
【0041】保水材として天然繊維を用いる場合には、
藁桿類(例えば稲わら、麦わら)、しゅろ、干し草、リ
ンタ、バガス、ピートモス等を用いることができ、これ
らは単独で又は二種以上を混合して使用することができ
る。中でも好ましいのはピートモス又はピートモスと他
の天然繊維の混合物である。かかる天然繊維は保水材全
体を構成していてもよいし、又保水材の一部に繊維質と
して含有されていてもよい。ピートモスを用いる場合、
圧縮板状に成形されたものを用いることも好ましい。
藁桿類(例えば稲わら、麦わら)、しゅろ、干し草、リ
ンタ、バガス、ピートモス等を用いることができ、これ
らは単独で又は二種以上を混合して使用することができ
る。中でも好ましいのはピートモス又はピートモスと他
の天然繊維の混合物である。かかる天然繊維は保水材全
体を構成していてもよいし、又保水材の一部に繊維質と
して含有されていてもよい。ピートモスを用いる場合、
圧縮板状に成形されたものを用いることも好ましい。
【0042】貯留水タンク7に用いられる水は、水道
水、雨水、河川水、蒸留水、工業用水等のいずれでもよ
い。
水、雨水、河川水、蒸留水、工業用水等のいずれでもよ
い。
【0043】貯留水タンク7内の水は保水材8によって
吸引され、土壌表層面2と重量部材3の間に介在する保
水材が水を横移動させると共に地下浸透し、地下浸透過
程で土壌表層面2も圧密状態にあるので毛管作用を呈し
水を横移動させる。従って、大きな湿潤領域4が形成さ
れる。かかる横移動の際に重量部材3は水分蒸発の防止
機能も発揮する。
吸引され、土壌表層面2と重量部材3の間に介在する保
水材が水を横移動させると共に地下浸透し、地下浸透過
程で土壌表層面2も圧密状態にあるので毛管作用を呈し
水を横移動させる。従って、大きな湿潤領域4が形成さ
れる。かかる横移動の際に重量部材3は水分蒸発の防止
機能も発揮する。
【0044】図3は保水材を水の導入材として利用し、
土壌表層面と重量部材の間に不透水性フィルムを介在さ
せた例である。
土壌表層面と重量部材の間に不透水性フィルムを介在さ
せた例である。
【0045】貯留水タンク7内の水は保水材8によって
吸水され、不透水性フィルム6と土壌表層面2の間まで
移送される。その導入された水は蒸発することなく、図
1の(B)と同様に横移動する。
吸水され、不透水性フィルム6と土壌表層面2の間まで
移送される。その導入された水は蒸発することなく、図
1の(B)と同様に横移動する。
【0046】次に、図4に基づいて給水栽培例を説明す
る。
る。
【0047】図4には、(A)、(B)、(C)の3列
の栽培例が示されている。(A)列は用水溝10の水をシ
ート状の保水材8が吸水し、その用水を土壌表層面2と
重量部材3の間に移送し、保水材8及び土壌表層面2の
土壌の作用によって用水を横移動させ、重量部材3の下
面及びその周辺部を湿潤させる。同図ではその周辺湿潤
部に植物11が植生されている例が示されている。なお12
は保水材8からの蒸発を防止するための被覆材である。
の栽培例が示されている。(A)列は用水溝10の水をシ
ート状の保水材8が吸水し、その用水を土壌表層面2と
重量部材3の間に移送し、保水材8及び土壌表層面2の
土壌の作用によって用水を横移動させ、重量部材3の下
面及びその周辺部を湿潤させる。同図ではその周辺湿潤
部に植物11が植生されている例が示されている。なお12
は保水材8からの蒸発を防止するための被覆材である。
【0048】(B)は土壌表層面2と重量部材3の間に
不透水性フィルム6を介在させた例を示しており、
(C)は土壌表層面2と重量部材3の間に何も介在させ
ない例を示している。
不透水性フィルム6を介在させた例を示しており、
(C)は土壌表層面2と重量部材3の間に何も介在させ
ない例を示している。
【0049】図4に示す実施の形態において、用水溝10
は、貯留タンク、貯め池等であってもよく、またこれら
の栽培例はハウス栽培、トンネル栽培等にも適用でき
る。
は、貯留タンク、貯め池等であってもよく、またこれら
の栽培例はハウス栽培、トンネル栽培等にも適用でき
る。
【0050】図5の(A)及び(B)はハウス栽培やト
ンネル栽培に本発明を適用する例を示しており、同図に
示す貯留水タンク7はハウスの中に設けても外に設けて
もよい。
ンネル栽培に本発明を適用する例を示しており、同図に
示す貯留水タンク7はハウスの中に設けても外に設けて
もよい。
【0051】本発明においては、地下浸透した水を一定
の深度に保持するために、前述の保水材を地下に埋設す
ることも好ましい。埋設位置は、図1における破線5の
近傍が好ましい。これによって節水効果を助長できる。
の深度に保持するために、前述の保水材を地下に埋設す
ることも好ましい。埋設位置は、図1における破線5の
近傍が好ましい。これによって節水効果を助長できる。
【0052】保水材としては、保水材分散土壌を用いる
こともできるが、その場合にはその下層にピートモスの
成形品、圧縮板、不透水性のポリエチレン等の合成樹脂
フィルムを敷設することも水の土壌下方への無用な浸透
を防止する効果があり好ましい。
こともできるが、その場合にはその下層にピートモスの
成形品、圧縮板、不透水性のポリエチレン等の合成樹脂
フィルムを敷設することも水の土壌下方への無用な浸透
を防止する効果があり好ましい。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、人力や電力等の動力を
要することなく、土壌表層面に導入された水を該土壌表
層面に沿って横方向に毛管によって微量づつ移動するた
め、植物の成育に必要な最小限の水を植物が要求してい
るときに常時供給できるようにしてやる環境の設定を実
現できる。
要することなく、土壌表層面に導入された水を該土壌表
層面に沿って横方向に毛管によって微量づつ移動するた
め、植物の成育に必要な最小限の水を植物が要求してい
るときに常時供給できるようにしてやる環境の設定を実
現できる。
【0054】また本発明によれば、少ない水を遠くまで
地表面に沿って横移動させて植物を成育する地表下10〜
20cmの土壌表層面を湿潤状態にして植物の最適環境を形
成し、地表面からの水分の蒸発を抑制して塩類含有水の
場合にも塩類集積を防止できる。
地表面に沿って横移動させて植物を成育する地表下10〜
20cmの土壌表層面を湿潤状態にして植物の最適環境を形
成し、地表面からの水分の蒸発を抑制して塩類含有水の
場合にも塩類集積を防止できる。
【図1】本発明の基本思想を説明する図
【図2】保水材を土壌表層面と重量部材の間に介在させ
た例を示す断面図
た例を示す断面図
【図3】保水材を水の導入材として利用し、土壌表層面
と重量部材の間に不透水性フィルムを介在させた例を示
す断面図
と重量部材の間に不透水性フィルムを介在させた例を示
す断面図
【図4】本発明の給水栽培例を示す斜視図
【図5】本発明をハウス栽培やトンネル栽培に適用する
例を示す平面図
例を示す平面図
1:土壌 2:土壌表層面 3:重量部材 4:湿潤領域 5:破線 6:不透水性フィルム 7:貯留水タンク 8:保水材 9:チューブ 10:用水溝 11:植物 12:被覆材
Claims (8)
- 【請求項1】土壌表層面に、少なくとも該土壌表層面に
接する面が不透水性である重量部材を密着させて設け、
該重量部材の下面に存する水を前記土壌表層面に沿って
横移動させ、該重量部材の近傍において植生する植物に
給水することを特徴とする給水栽培方法。 - 【請求項2】土壌表層面に保水材を敷設し、該保水材上
に、少なくとも該保水材に接する面が不透水性である重
量部材を載置し、前記保水材を上面及び下面から圧着
し、該保水材に導入された水を該保水材によって横移動
させ、該重量部材の近傍において植生する植物に給水す
ることを特徴とする給水栽培方法。 - 【請求項3】重量部材の土壌表層面に接する面に、不透
水性フィルムが固着されるか、又は防水モルタル、防水
樹脂が塗設されていることを特徴とする請求項1又は2
記載の給水栽培方法。 - 【請求項4】保水材が、複数の小孔を有するチューブ内
に装填されることを特徴とする請求項2記載の給水栽培
方法。 - 【請求項5】保水材が、親水性及び又は吸水性を有する
樹脂製品及び又は天然繊維であることを特徴とする請求
項2、3又は4記載の給水栽培方法。 - 【請求項6】親水性及び吸水性を有する樹脂製品が、親
水性吸水性不織布であり、また天然繊維が藁桿類、しゅ
ろ、干し草、リンタ、バガス、ピートモスから選ばれる
少なくとも1種であることを特徴とする請求項5記載の
給水栽培方法。 - 【請求項7】土壌表層面に不透水性フィルムを敷設し、
該不透水性フィルム上に重量部材を載置し前記土壌表層
面に密着させ、該不透水性フィルムの下面に存する水を
前記土壌表層面に沿って移動させ、該重量部材の近傍に
おいて植生する植物に給水することを特徴とする給水栽
培方法。 - 【請求項8】重量部材の単位面積当りの垂直荷重が、2.
5g/cm2以上であることを特徴とする請求項1、2、3、
4、5、6又は7記載の給水栽培方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5831596A JPH09224503A (ja) | 1996-02-21 | 1996-02-21 | 給水栽培方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5831596A JPH09224503A (ja) | 1996-02-21 | 1996-02-21 | 給水栽培方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09224503A true JPH09224503A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=13080836
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5831596A Pending JPH09224503A (ja) | 1996-02-21 | 1996-02-21 | 給水栽培方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09224503A (ja) |
-
1996
- 1996-02-21 JP JP5831596A patent/JPH09224503A/ja active Pending
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