JPH09222890A - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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JPH09222890A
JPH09222890A JP9059908A JP5990897A JPH09222890A JP H09222890 A JPH09222890 A JP H09222890A JP 9059908 A JP9059908 A JP 9059908A JP 5990897 A JP5990897 A JP 5990897A JP H09222890 A JPH09222890 A JP H09222890A
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岩男 東
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康之 梅山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】管、弦あるいは膜の振動を模倣する物理モデル
音源を用いた楽音合成装置において、管、弦あるいは膜
の振動だけでなく、それらに付随する部材(例えばピア
ノの響板など)の振動をも模倣して、自然楽器における
現象を忠実に再現し、これにより高品位な楽音信号を発
生できるようにすることを目的とする。 【解決手段】少なくとも遅延手段を閉ループ内に含む閉
ループ手段を有する楽音合成装置において、閉ループ手
段から出力される信号の特性を変更して閉ループ手段に
再入力するようにする。閉ループ手段は、自然楽器の
管、弦あるいは膜の振動をシミュレートするものであ
る。閉ループ手段から出力された信号を特性変更して閉
ループ手段に再入力するのは、自然楽器の管、弦あるい
は膜の振動により出力された楽音が響板などの部材を振
動させ、その振動が逆に管、弦あるいは膜の振動に影響
を与えることをシミュレートするものである。楽音信号
はどの位置から取り出してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、楽音合成装置に関
し、例えば自然楽器のピアノなどが備えている響板の振
動をシミュレートすることのできる楽音合成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ピアノなどの自然楽器を物理モデ
ル音源でシミュレートする音源回路の技術がある。例え
ば、特公昭58−48109号公報には、遅延手段を閉
ループ接続した閉ループ手段を有し、この閉ループ手段
を循環する信号を楽音信号として出力する楽音合成装置
が開示されている。これは、所望の周波数特性を有する
フィルタの入力端子に楽音波形を加え、このフィルタの
出力端子に現れる楽音波形を遅延手段で遅延して再び前
記フィルタの入力端子に加えるようにして、楽音波形が
閉ループ手段を循環するようにし、フィルタを通過する
たびにフィルタの特性によって順次変化していく楽音波
形を取り出すようにしたものである。これによれば、
管、弦あるいは膜の振動を利用する自然楽器の楽音に近
似した楽音をよくシュミレートすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の楽音合成装置では、自然楽器における管、弦ある
いは膜の振動のみをシミュレートするに過ぎなかった。
一方、自然楽器のピアノでは、弦の振動が響板に伝達さ
れて響板が振動し、この響板の振動が逆に弦に伝達され
るといった現象がある。上述の従来技術では、このよう
な自然楽器における現象を模倣することはできなかっ
た。
【0004】この発明は、管、弦あるいは膜の振動を模
倣する物理モデル音源を用いた楽音合成装置において、
管、弦あるいは膜の振動だけでなく、それらに付随する
部材(例えばピアノの響板など)の振動をも模倣して、
自然楽器における現象を忠実に再現し、これにより高品
位な楽音信号を発生できるようにすることを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、少なくとも遅延手段を閉ル
ープ内に含む閉ループ手段を有する楽音合成装置におい
て、前記閉ループ手段から出力される信号の特性を変更
して前記閉ループ手段に再入力する手段を備えたことを
特徴とする。
【0006】
【作用】閉ループ手段に駆動波形を入力すると、この波
形は閉ループ手段を循環し、閉ループ手段内の適当な位
置から信号が出力される。閉ループ手段をループする信
号は、自然楽器の管、弦あるいは膜の振動をシミュレー
トするものであり、そのピッチは閉ループ手段のループ
の遅延時間によって定まる。さらに、閉ループ手段から
出力された楽音信号は、その特性が変更されて閉ループ
手段に再入力される。これは、自然楽器の管、弦あるい
は膜の振動により出力された楽音が響板などの部材を振
動させ、その振動が逆に管、弦あるいは膜の振動に影響
を与えることをシミュレートするものである。どのよう
な特性変更を行なって閉ループ手段に再入力するかは、
例えば自然楽器のピアノにおける弦と響板との関係を規
定する。
【0007】
【実施例】以下、図面を用いてこの発明の実施例を説明
する。
【0008】第1図は、この発明の一実施例に係る楽音
合成装置を適用した電子ピアノのブロック構成を示す。
【0009】この実施例の電子ピアノは、88鍵の鍵盤
(キーボード)2およびダンパー操作子であるダンパー
ペダル4を有する。
【0010】制御部6は、鍵盤4の各鍵の押下およびダ
ンパーペダル4の操作を検出し、検出結果に応じて各鍵
ごとのキーオン信号KON1〜KON88およびダンパ
ー操作量DMPRを出力する。また、制御部6は、各鍵
に対応したピッチと該特性を有する楽音を合成するため
のパラメータである遅延時間DLY1〜DLY88およ
び弦特性フィルタ係数STRG1〜STRG88を生成
し、音源部8に出力する。さらに、制御部6は音源部8
における全体フィールドバックレベルFBを出力する。
【0011】8は音源部(楽音波形出力手段)を示す。
音源部8は各鍵に対応した88個の音源8−1〜8−8
8を有する。18は情報変換部である。情報変換部18
は、制御部6からダンパー操作量DMPRおよびキーオ
ン信号KON1〜KON88を入力し、音源部8の各音
源8−1〜8−88に与えるダンパー特性フィルタ係数
DMPF1〜DMPF88,DMPG1〜DMPG88
およびフィードバックレベルFBLVL1〜FBLVL
88を出力する。
【0012】音源8−n(n=1〜88)は、キーオン
信号KONn、遅延時間DLYn、弦特性フィルタ係数
STRGn、ダンパー特性フィルタ係数DMPFn,D
MPGn、フィードバックレベルFBLVLnを入力
し、これらのパラメータに応じて所定のピッチの楽音波
形を出力する。音源8ーnからの出力は加算器(楽音波
形合成手段)10にて合成され楽音信号(合成出力)と
して出力される。
【0013】一方、この出力楽音信号(加算器10の合
成出力)は、乗算器12および響板共鳴付与部14に入
力する。乗算器12はその入力信号に全体フィードバッ
クレベルFBを乗算し加算器16に出力する。響板共鳴
付与部14は自然楽器であるピアノの響板の特性をシミ
ュレートするフィルタである。響板共鳴付与部14は、
響板による共鳴の効果を付与した出力信号を加算器16
に向けて出力する。加算器16は、これらの入力を加算
し、各音源8−1〜8−88へとフィードバックする。
【0014】次に第2図を参照して、1つの音源8−n
の構成を説明する。
【0015】音源8−n(n=1〜88)は、加算器2
6と、遅延回路20と、弦特性フィルタ22と、ダンパ
ー特性フィルタ24とを直列接続したループ回路29を
有する。また、音源8−nはキーオン信号KONnに対
応する初期駆動波形を出力する初期駆動波形発生部28
を有する。初期駆動波形発生部28から出力される初期
駆動波形は、加算器26を介して上記のループ回路29
に供給される。
【0016】このループ回路29の遅延回路20は、入
力楽音波形を遅延時間DLYnだけ遅延させて出力す
る。この音源8−nで発生する楽音信号のピッチはルー
プ回路全体の遅延時間によって決まるので、ここでは遅
延時間DLYnにより制御される。なお、フィルタとし
て高次のFIRなどのフィルタで所望のピッチを得るに
十分な遅延量を持つものを使用する場合は、特に別途、
遅延回路を用意する必要はなく、フィルタの係数を適宜
設定することにより、遅延量を制御できることは公知で
ある。
【0017】弦特性フィルタ22は、シミュレートすべ
き発音体(この実施例ではピアノ弦)の周波数特性と同
等のフィルタであり、入力楽音波形をその周波数特性に
基づいて変化させ出力する。その周波数特性は弦特性フ
ィルタ係数STRGnに応じて各音源ごとに設定され
る。
【0018】ダンパー特性フィルタ24は、ダンパーの
特性を近似する可変フィルタであり、入力楽音波形をダ
ンパー特性に基づいて変化させ出力する。ダンパー特性
フィルタ24の周波数特性は、ダンパー操作量DMPR
に対応する周波数特性係数DMPFnに応じて変化す
る。ダンパー特性フィルタ24のゲイン特性は、ダンパ
ー操作量DMPRに対応するゲイン特性係数DMPGn
に応じて変化する。
【0019】ループ回路29の加算器26は、初期駆動
波形発生部28からの初期駆動波形と、ダンパー特性フ
ィルタ24の出力波形と、乗算器30からのフィードバ
ック入力とを加算し出力する。
【0020】乗算器30は、第1図における合成出力の
フィードバックをフィードバック入力FBINとして入
力し、これに音源ごとのフィードバックレベルFBLV
Lnを乗算して出力する。
【0021】加算器26の出力が音源8−nとしての最
終出力となる。
【0022】次に第3図を参照して、第2図のダンパー
特性フィルタ24について説明する。
【0023】ここで用いたダンパー特性フィルタ24
は、基本的にはローパスフィルタである。ダンパー特性
フィルタ24は、減算器26、乗算器28、加算器3
0、および遅延回路32を直列接続したループ回路を有
する。遅延回路32の出力は減算器26だけでなく加算
器30にもフィードバックする。ダンパー特性フィルタ
24への入力波形INnは減算器26を介してこのルー
プ回路に注入され、このループ回路を循環する。
【0024】乗算器28は、このフィルタ24のカット
オフ周波数を制御するためのものである。乗算器28の
乗数である周波数特性係数DMPFnはダンパーペダル
の操作量(踏み込み量)に応じて、例えば第7図のよう
に、変化する。第7図において、横軸はダンパー位置を
示し、ダンパー位置「0」でダンパーペダルを踏み込ん
でいない状態を、ダンパー位置「1」でダンパーペダル
を最大踏み込みした状態を、それぞれ示す。ダンパーペ
ダルの踏み込み量が増加するにつれて、乗算器28にお
ける乗数である周波数特性係数DMPFnが増加し、ダ
ンパー特性フィルタ24のカットオフ周波数が高くな
る。
【0025】ダンパー特性フィルタ24の出力は、加算
器30の出力から乗算器34を介して取出される。乗算
器34は、このフィルタ24のレベル制御のためのもの
である。乗算器34の乗数であるゲイン特性係数DMP
Gnは、ダンパーペダルの操作量(踏み込み量)に応じ
て、例えば第8図のように、変化する。この図に示すよ
うにダンパーペダルの踏み込み量が増加するにつれて、
乗算器34の乗数であるゲイン特性係数DMPGnが増
加し、ダンパー特性フィルタ24のゲインが高くなる。
【0026】なお、ダンパー特性フィルタは簡単には乗
算器のみで構成してもよい。第4図は、ダンパー特性フ
ィルタ24’をゲイン特性係数DMPGnを乗数とする
乗算器36のみで構成した例を示す。ただし、実際のピ
アノのダンパーペダルのように弦をフェルトで押えた効
果を出すためには第3図の構成の方が好ましい。
【0027】次に第5図を参照して、第1図の情報変換
部18について説明する。
【0028】情報変換部18は、ダンパー特性フィルタ
24に与えるためのダンパー特性を規定する係数などを
算出する回路である。情報変換部18は、各鍵に対応す
る88個の個別の変換部40−1〜40−88を有す
る。各変換部は同様の構成であるので、以下変換部40
−1につき説明する。
【0029】変換部40−1は、N個のオア(OR)回
路、フィルタ係数テーブル44、ゲイン係数テーブル4
6、およびフィードバック入力係数テーブル48を有す
る。
【0030】オア回路42−1はキーオン信号KON1
(1ビット)とダンパー操作量DMPR(所定のビット
数)の第1ビットとを入力し、オア演算した結果を出力
する。同様に、オア回路42−n(n=1〜N)はキー
オン信号KON1とダンパー操作量DMPRの第nビッ
トを入力し、オア演算した結果を出力する。したがっ
て、N個のオア回路42−1〜42−Nは、対応する鍵
がキーオンされていないときはダンパー操作量DMPR
を出力し、対応する鍵がキーオンされたときは全ビット
「1」を出力する。
【0031】フィルタ係数テーブル44は、ダンパー操
作量DMPRに対応する周波数特性係数DMPF1の一
覧表を記憶したテーブルである。また、ゲイン係数46
は、ダンパー操作量DMPRに対応するゲイン特性係数
DMPG1の一覧表を記憶したテーブルである。
【0032】オア回路42−1〜42−Nの出力に応じ
てフィルタ係数テーブル44およびゲイン係数テーブル
46が読み出され、周波数特性係数DMPF1およびゲ
イン特性係数DMPG1が出力される。対応する鍵がキ
ーオンされている場合は、テーブル44,46には全ビ
ット「1」のデータが入力する。これは、ダンパー操作
量DMPRを強制的に「1」(即ち最大踏み込み状態)
にすることに相当する。
【0033】一方、1ビットのキーオン信号KON1と
所定ビットのダンパー操作量DMPRは、フィードバッ
ク入力係数テーブル48に入力する。フィードバック入
力係数テーブル48は、対応する鍵がオンされている場
合といない場合のそれぞれについて、ダンパー操作量D
MPRに対応するフィードバックレベルFBLVL1の
一覧表を記憶したテーブルである。
【0034】そして、キーオンの有無およびダンパー操
作量DMPRに対応してフィードバックレベルFBLV
L1が読出され出力される。
【0035】なお、通常キーオンされた弦は共鳴に関与
しないようにすべきであるから、キーオン信号KON1
が「1」である場合はダンパー操作量DMPRの値にか
かわらずフィードバックレベルFBLVL1を「0」と
するようにフィードバック入力係数テーブル48を設定
しておくとよい。
【0036】また、フィードバック入力係数テーブル4
8には、キーオンされていない場合の情報のみ記憶し、
テーブル出力をキーオン信号でゲーティングするように
してもよい。
【0037】第6図は、このようなフィードバック入力
係数テーブルの接続例を示す。この図において、フィー
ドバック入力係数テーブル50はダンパー操作量DMP
Rを入力し、それに対応するフィードバックレベルFB
LVLnを出力する。この出力はアンド(AND)回路
54に入力する。一方、キーオン信号KONnはノット
(NOT)回路52により反転されて、アンド回路54
に入力する。したがって、キーオン信号KONnが
「0」のときすなわち対応する鍵がキーオンされていな
いときはフィードバックレベルFBLVLnがアンド回
路54から出力され、キーオン信号KONnが「1」の
ときすなわち対応する鍵がキーオンされているときはフ
ィードバックレベルFBLVLnとして全ビット「0」
のデータがアンド回路54から出力される。
【0038】フィードバックレベルFBLVLnが全ビ
ット「0」ということは、第3図の音源回路においてフ
ィードバック入力FBINを切断するということにな
り、当該音源回路は共鳴に関与しないこととなる。
【0039】次に、この電子ピアノの動作を簡単に説明
する。この電子ピアノの鍵盤2を押下すると、制御部6
はこの押下を検出し対応するキーオン信号KONn、遅
延時間DLYn、および弦特性フィルタ係数STRGn
を出力する。また制御部6は、ダンパーペダル4の操作
量を検出し、対応するダンパー操作量DMPRおよび全
体フィードバックレベルFBを出力する。
【0040】制御部6から出力されたキーオン信号KO
Nnなどの信号は、対応する音源8−nに入力する。音
源8−nにおいて、キーオン信号KONnは初期駆動波
形発生部28に入力し、これにより初期駆動波形がルー
プ回路29の加算器26に供給される。初期駆動波形は
ループ回路29を循環し出力波形が生成出力される。ル
ープ回路29の出力すなわち音源8−nの出力は、加算
器10にて他の音源からの出力と合成され出力される。
【0041】また加算器10の出力は、乗算器12およ
び加算器16を介して、さらに響板共鳴付与部14およ
び加算器16を介して、全音源8−1〜8−88のフィ
ードバック入力FBINに入力する。各音源8−1〜8
−88では、このフィードバック入力FBINにフィー
ドバックレベルFBLVLnを乗算して、ループ回路2
9に注入する。
【0042】以上により、例えばピアノなどの楽器にお
いて、ある鍵が打鍵されて発音された場合に、その振動
がピアノのフレームや響板を伝搬して他の弦全体を加振
し、共鳴音が発生される状況をシミュレートすることが
できる。
【0043】一方、制御部6から出力されたダンパー操
作量DMPRは、キーオン信号KON1〜KON88と
ともに情報変換部18に入力する。情報変換部18にお
いて、ダンパー操作量DMPRに対応する周波数特性係
数DMPFn、ゲイン特性係数DMPGn、およびフィ
ードバックレベルFBLVLnが読み出され出力され
る。このとき、キーオンされた鍵に対応する音源に与え
るこれらのパラメータとしては、強制的にダンパー操作
量DMPRの最大値に対応する値を出力し、共鳴効果の
ためのフィードバックレベルFBLVLnとしては強制
的に「0」を出力する。これにより、キーオンされた音
源が共鳴音を発生しないようにできる。
【0044】情報変換部18から出力された周波数特性
係数DMPFn、ゲイン特性係数DMPGnおよびフィ
ードバックFBLVLnは、対応する音源8−nに入力
する。周波数特性係数DMPFnおよびゲイン特性係数
DMPGnは、音源8−nのループ回路29のダンパー
特性フィルタ29の特性を変化させる。これにより、ダ
ンパーの効果が付与されて共鳴音成分の楽音波形が出力
される。また、フィードバックレベルFBLVLnによ
り合成出力のフィードバックのレベルを制御して共鳴音
成分を出力することができる。
【0045】以上説明したように、上記の実施例では、
ループ回路を用いて物理モデル音源を構成しているの
で、ピアノなどの自然楽器の楽音に近似した楽音を発生
させることができる。また、各音源からの出力を合成し
た合成出力波形を再び各音源のループ回路に供給してお
り、共鳴や残響効果が物理モデル音源により実現された
こととなる。さらに、各音源のループ回路内にダンパー
の特性を近似する可変フィルタを設けて、ダンパーペダ
ルなどによるダンパーの効果を実現している。
【0046】なお、上記の実施例では物理モデルの例と
して初期波形を入力する撥弦のモデルを用いたが、これ
に限らず種々の励起信号を用いるようにしてよい。例え
ば、初期波形の代わりに弦を打つハンマーをシミュレー
トしたモデルを用いてもよい。
【0047】ダンパーによる減衰特性は弦のループの中
に押入された可変フィルタにより近似したが、ダンパー
の物理モデルを用いてもよい。
【0048】弦の本数は88本としたが、それぞれが複
数弦の場合や、88本より少なくしてキーアサインにお
いて弦の長さを変化させるようなモデルを用いてもよ
い。
【0049】音源に与える遅延時間DLYや弦特性フィ
ルタ係数STRGは制御部6から入力するようにしてい
るが、あらかじめ固定された値を設定しておいてもよ
い。
【0050】第5図の変換部18において、フィードバ
ック入力係数テーブル48はキーオンされている場合と
されていない場合の2つの場合に対応してテーブルを設
けているが、第6図に示したようにキーオン信号KON
nによりゲーティングすることとし、フィードバック入
力係数テーブルはキーオンされていない場合のデータの
みをもつようにしてもよい。
【0051】ただし、キーオンされている場合とされて
いない場合とで、音源のループ回路へのフィードバック
入力信号FBINのレベルを適宜可変制御することが望
ましいので、上記実施例のようにペダル操作量DMPR
とキーオン信号KONnを並列化した信号をアドレスと
してフィードバック入力係数テーブルを参照することが
好ましい。
【0052】現実のピアノの高音域弦にはダンパー機構
が備えられていないので、その範囲の高音弦に対応する
音源については、ダンパー開放状態に固定することとし
対応する変換部40−iを省略してもよい。
【0053】ループ回路からの出力はループ回路内のど
こから取り出してもよい。また、ループ回路の複数の異
なる位置から出力を取り出して合成するようにしてもよ
い。
【0054】上記実施例のように遅延回路を設けること
なく、例えば所望のピッチを得るに十分な遅延量を有す
るフィルタのみをループ回路に用いてよい。この場合、
フィルタの係数を適宜設定して遅延量を制御すればよ
い。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、遅延手段を閉ループ接続した閉ループ手段を循環す
る信号を楽音信号として出力する楽音合成装置におい
て、閉ループ手段から出力される楽音信号の特性を変更
して閉ループ手段に再入力するようにしているので、例
えば、自然楽器のピアノにおける「弦の振動が響板に伝
達されて響板が振動し、この響板の振動が逆に弦に伝達
される」という現象などを模倣することができる。した
がって、自然楽器における現象を忠実に再現し、これに
より高品位な楽音信号を発生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係る楽音合成装置を適
用した電子ピアノのブロック構成図
【図2】 この楽音合成装置の音源のブロック構成図
【図3】 音源のダンパー特性フィルタのブロック構成
【図4】 ダンパー特性フィルタの別の例を示す構成図
【図5】 上記楽音合成装置の情報変換部のブロック構
成図
【図6】 フィードバック入力係数テーブルの接続例を
示すブロック構成図
【図7】 ダンパー位置と周波数特性係数との対応を示
すグラフ
【図8】 ダンパー位置とゲイン特性係数との対応を示
すグラフ
【符号の説明】
2…鍵盤、4…ダンパーペダル、6…制御部、8…音源
部、8−1〜8−88…各音源、10,16…加算器、
12…乗算器、14…響板共鳴付与部、18…情報変換
部、20…遅延回路、22…弦特性フィルタ、24…ダ
ンパー特性フィルタ、26…加算器、28…初期駆動波
形発生部、29…ループ回路、30…乗算器、42−1
〜42−N…オア回路、44…フィルタ係数テーブル、
46…ゲイン係数テーブル、48…フィードバック入力
係数テーブル。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも遅延手段を閉ループ内に含む閉
    ループ手段を有する楽音合成装置において、 前記閉ループ手段から出力される信号の特性を変更して
    前記閉ループ手段に再入力する手段を備えたことを特徴
    とする楽音合成装置。
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