JPH09221447A - フルオレノンの製造方法 - Google Patents
フルオレノンの製造方法Info
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- JPH09221447A JPH09221447A JP8328702A JP32870296A JPH09221447A JP H09221447 A JPH09221447 A JP H09221447A JP 8328702 A JP8328702 A JP 8328702A JP 32870296 A JP32870296 A JP 32870296A JP H09221447 A JPH09221447 A JP H09221447A
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- fluorenone
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高収率でかつ安定的にフルオレノンを製造す
ることを可能にする方法を提供する。 【解決手段】 フルオレンを分子状酸素含有ガスにより
接触気相酸化してフルオレノンを製造する際に、原料フ
ルオレン中の硫黄濃度を0.15重量%以下にすること
を特徴とするフルオレノンの製造方法。
ることを可能にする方法を提供する。 【解決手段】 フルオレンを分子状酸素含有ガスにより
接触気相酸化してフルオレノンを製造する際に、原料フ
ルオレン中の硫黄濃度を0.15重量%以下にすること
を特徴とするフルオレノンの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フルオレノンの製
造方法に関するものである。より詳しくは、本発明は、
フルオレンを接触気相酸化して高収率でフルオレノンを
製造する方法に関するものである。
造方法に関するものである。より詳しくは、本発明は、
フルオレンを接触気相酸化して高収率でフルオレノンを
製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フルオレノンは、農薬、医薬や機能性高
分子などの原料として工業的に有用な物質である。フル
オレノンの製造方法としては、フルオレンを気相または
液相で酸化して製造する方法が知られている。これらの
方法のうち、フルオレンを気相で分子状酸素により気相
接触酸化してフルオレノンを製造する気相酸化法は、液
相法に比べ高生産性であり、廃液がでない等の利点を有
するものの、高転化率で反応を行うと選択性が低下する
欠点があり、高生産性を維持しつつフルオレンを有効利
用することが困難であった。また、用いるフルオレン原
料によってフルオレノンの選択性が低下したり、また触
媒活性が変化するなどの現象があり安定して高収率でフ
ルオレノンを製造することが困難であった。
分子などの原料として工業的に有用な物質である。フル
オレノンの製造方法としては、フルオレンを気相または
液相で酸化して製造する方法が知られている。これらの
方法のうち、フルオレンを気相で分子状酸素により気相
接触酸化してフルオレノンを製造する気相酸化法は、液
相法に比べ高生産性であり、廃液がでない等の利点を有
するものの、高転化率で反応を行うと選択性が低下する
欠点があり、高生産性を維持しつつフルオレンを有効利
用することが困難であった。また、用いるフルオレン原
料によってフルオレノンの選択性が低下したり、また触
媒活性が変化するなどの現象があり安定して高収率でフ
ルオレノンを製造することが困難であった。
【0003】上述したように、フルオレノンの製造方法
としては液相法及び気相法が知られており、液相法とし
ては、アルカリ水溶液と疎水性有機溶媒および四級アン
モニウム塩等の相間移動触媒を用いた分子状酸素による
液相酸化法について多数の報告がある(特開平7−82
206号公報、特開平7−82207号公報等)。ま
た、気相法としては、フルオレンを300〜700℃で
五酸化バナジウムと接触させる方法(米国特許第1,3
74,695号)、バナジン酸鉄および硫酸カリウムよ
りなる触媒を用いる方法(Zh.Pyirl Khim
35、693−696(1962))、五酸化バナジ
ウムおよび錫酸化物よりなる触媒を用いる方法(工化
誌、56,(6),413−416(1953))、バ
ナジン酸、モリブデン酸またはタングステン酸などの金
属塩及びアルカリ金属硫酸塩などからなる触媒を用いて
通常よりも多量の水蒸気を反応系に加えて気相酸化する
方法(米国特許第1,892,768号)、五酸化バナ
ジウム、シリカおよび硫酸カリウムよりなる触媒を用い
る方法(米国特許2,956,065号)、バナジウム
−チタニア−アルカリ金属よりなる触媒を用いる方法
(特開昭60−233028号公報)が示されている。
また、バナジウム−鉄−セシウムよりなる触媒を用いる
方法(Stud.Surf.Sci.Catal(19
93)、75(New Frontiers in C
atalysis,Pt.A),707−17)もまた
開示されている。
としては液相法及び気相法が知られており、液相法とし
ては、アルカリ水溶液と疎水性有機溶媒および四級アン
モニウム塩等の相間移動触媒を用いた分子状酸素による
液相酸化法について多数の報告がある(特開平7−82
206号公報、特開平7−82207号公報等)。ま
た、気相法としては、フルオレンを300〜700℃で
五酸化バナジウムと接触させる方法(米国特許第1,3
74,695号)、バナジン酸鉄および硫酸カリウムよ
りなる触媒を用いる方法(Zh.Pyirl Khim
35、693−696(1962))、五酸化バナジ
ウムおよび錫酸化物よりなる触媒を用いる方法(工化
誌、56,(6),413−416(1953))、バ
ナジン酸、モリブデン酸またはタングステン酸などの金
属塩及びアルカリ金属硫酸塩などからなる触媒を用いて
通常よりも多量の水蒸気を反応系に加えて気相酸化する
方法(米国特許第1,892,768号)、五酸化バナ
ジウム、シリカおよび硫酸カリウムよりなる触媒を用い
る方法(米国特許2,956,065号)、バナジウム
−チタニア−アルカリ金属よりなる触媒を用いる方法
(特開昭60−233028号公報)が示されている。
また、バナジウム−鉄−セシウムよりなる触媒を用いる
方法(Stud.Surf.Sci.Catal(19
93)、75(New Frontiers in C
atalysis,Pt.A),707−17)もまた
開示されている。
【0004】しかしながら、上記したような従来公知の
方法では、使用する原料フルオレンの品質によってフル
オレノンの選択率が低下したり、触媒活性が変化するな
どの現象があるため、高収率でかつ安定してフルオレノ
ンを製造することは困難であった。
方法では、使用する原料フルオレンの品質によってフル
オレノンの選択率が低下したり、触媒活性が変化するな
どの現象があるため、高収率でかつ安定してフルオレノ
ンを製造することは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、フルオレノンの改良された製造方法を提供する
ことにある。
目的は、フルオレノンの改良された製造方法を提供する
ことにある。
【0006】本発明の他の目的は、気相酸化における問
題点を解決し、高収率でかつ安定的にフルオレノンを製
造することを可能にする方法を提供することにある。
題点を解決し、高収率でかつ安定的にフルオレノンを製
造することを可能にする方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、各種フル
オレン原料を評価し、接触気相酸化反応により安定して
フルオレノンを生産する条件を検討した結果、原料フル
オレン中の硫黄成分が触媒活性やフルオレノン選択率に
影響を与えることを見いだし、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
オレン原料を評価し、接触気相酸化反応により安定して
フルオレノンを生産する条件を検討した結果、原料フル
オレン中の硫黄成分が触媒活性やフルオレノン選択率に
影響を与えることを見いだし、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0008】すなわち、上記諸目的は、下記(1)〜
(3)により達成される。
(3)により達成される。
【0009】(1) フルオレンを分子状酸素含有ガス
により接触気相酸化してフルオレノンを製造する際に、
原料フルオレン中の硫黄濃度を0.15重量%以下にす
ることを特徴とするフルオレノンの製造方法。
により接触気相酸化してフルオレノンを製造する際に、
原料フルオレン中の硫黄濃度を0.15重量%以下にす
ることを特徴とするフルオレノンの製造方法。
【0010】(2) 上記分子状酸素含有ガスが空気で
ある前記(1)に記載の方法。
ある前記(1)に記載の方法。
【0011】(3) 少なくともバナジウム、チタニア
及びアルカリ金属を含有し、アルカリ金属のバナジウム
に対する原子比がアルカリ金属/バナジウム0.8〜8
である触媒を使用する、前記(1)または(2)に記載
の方法。
及びアルカリ金属を含有し、アルカリ金属のバナジウム
に対する原子比がアルカリ金属/バナジウム0.8〜8
である触媒を使用する、前記(1)または(2)に記載
の方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明で用いるフルオレン原料としては、
コールタールより得られるフルオレン含有油から得られ
るフルオレン(タール系のフルオレン)、脱アルキル化
ベンゼン製造プロセスで副生する残油から得られるフル
オレン(石油プロセス系のフルオレン)など各種フルオ
レンを用いることができる。また、本発明において用い
られるフルオレン原料は、その硫黄濃度が0.15重量
%以下、好ましくは0.1重量%以下であれば、その組
成に特段の制限はなく、フルオレンからフルオレノンへ
の酸化反応を実質的に阻害しない範囲内でその製造原料
や製造方法などに起因する不純物、例えば、メチルビフ
ェニルなどのビフェニル化合物、メチルナフタレンなど
のナフタレン化合物、9−メチルフルオレンなどのフル
オレン派生物、ジベンゾフランなどを含んでいてもよ
い。
コールタールより得られるフルオレン含有油から得られ
るフルオレン(タール系のフルオレン)、脱アルキル化
ベンゼン製造プロセスで副生する残油から得られるフル
オレン(石油プロセス系のフルオレン)など各種フルオ
レンを用いることができる。また、本発明において用い
られるフルオレン原料は、その硫黄濃度が0.15重量
%以下、好ましくは0.1重量%以下であれば、その組
成に特段の制限はなく、フルオレンからフルオレノンへ
の酸化反応を実質的に阻害しない範囲内でその製造原料
や製造方法などに起因する不純物、例えば、メチルビフ
ェニルなどのビフェニル化合物、メチルナフタレンなど
のナフタレン化合物、9−メチルフルオレンなどのフル
オレン派生物、ジベンゾフランなどを含んでいてもよ
い。
【0014】また、フルオレン原料中のフルオレン濃度
は、60重量%以下であっても、高収率でフルオレノン
を製造することができるが、その後の精製などを考慮す
ると、フルオレン濃度を70重量%以上、好ましくは8
0重量%以上に調整したフルオレン原料を用いるのがよ
い。
は、60重量%以下であっても、高収率でフルオレノン
を製造することができるが、その後の精製などを考慮す
ると、フルオレン濃度を70重量%以上、好ましくは8
0重量%以上に調整したフルオレン原料を用いるのがよ
い。
【0015】本発明の特徴は、フルオレン原料中の硫黄
濃度を0.15重量%以下、好ましくは0.1重量%以
下、さらに好ましくは0.05重量%以下とすることで
あり、フルオレン原料中の硫黄濃度が0.15重量%を
超える場合、例えば0.2重量%では高収率でフルオレ
ノンを製造することができない(比較例1参照)。この
理由は末だ明らかではないが、硫黄が使用する酸化触媒
の活性を高め酸化反応もしくは燃焼反応を異常に促進す
るためではないかと考えられている。例えば、硫黄濃度
が0.2重量%のフルオレン原料を用いて酸化反応を行
うと触媒層中の熱点部の温度が上昇して燃焼反応が増加
し、フルオレノン選択率が著しく低下するが、フルオレ
ン原料中の硫黄濃度を実質的に0とすることにより熱点
部の温度上昇を効果的に抑制し、安定して反応を続ける
ことができる(実施例4および比較例2参照)。
濃度を0.15重量%以下、好ましくは0.1重量%以
下、さらに好ましくは0.05重量%以下とすることで
あり、フルオレン原料中の硫黄濃度が0.15重量%を
超える場合、例えば0.2重量%では高収率でフルオレ
ノンを製造することができない(比較例1参照)。この
理由は末だ明らかではないが、硫黄が使用する酸化触媒
の活性を高め酸化反応もしくは燃焼反応を異常に促進す
るためではないかと考えられている。例えば、硫黄濃度
が0.2重量%のフルオレン原料を用いて酸化反応を行
うと触媒層中の熱点部の温度が上昇して燃焼反応が増加
し、フルオレノン選択率が著しく低下するが、フルオレ
ン原料中の硫黄濃度を実質的に0とすることにより熱点
部の温度上昇を効果的に抑制し、安定して反応を続ける
ことができる(実施例4および比較例2参照)。
【0016】なお、本発明における硫黄濃度とは、フル
オレン原料中の有機及び無機硫黄化合物合計の硫黄換算
濃度であり、JIS−K2547に示される「石油製品
燃焼管式硫黄分試験方法」に基づいて測定したものであ
る。
オレン原料中の有機及び無機硫黄化合物合計の硫黄換算
濃度であり、JIS−K2547に示される「石油製品
燃焼管式硫黄分試験方法」に基づいて測定したものであ
る。
【0017】フルオレン原料中の硫黄濃度は、蒸留、晶
析などによる精製および石油脱硫に使用される各種方法
などにより0.15重量%以下に調整することができる
が、特にその方法を限定するものではなく、硫黄濃度
0.05重量%以下であることが特に望ましい。
析などによる精製および石油脱硫に使用される各種方法
などにより0.15重量%以下に調整することができる
が、特にその方法を限定するものではなく、硫黄濃度
0.05重量%以下であることが特に望ましい。
【0018】本発明において使用される酸化触媒につい
ては特に制限はなく、フルオレンの酸化によりフルオレ
ノンの製造用触媒として従来公知の触媒を使用すること
ができる。具体的には、前記のような五酸化バナジウム
からなる触媒、バナジン酸鉄及び硫酸カリウムからなる
触媒、五酸化バナジウム及び錫酸化物からなる触媒、バ
ナジン酸、モリブデン酸またはタングステン酸などの金
属塩またはアルカリ金属硫酸塩などからなる触媒、五酸
化バナジウム−シリカ−硫酸カリウムからなる触媒、バ
ナジウム−チタニア−アルカリ金属よりなる触媒、およ
びバナジウム−鉄−硫酸セシウムなどからなる触媒など
を挙げることができる。これらのうち、バナジウム、酸
化チタンおよびアルカリ金属硫酸塩からなる触媒が好適
に用いられる。なおこの際、触媒のアルカリ金属元素/
バナジウム(原子比)は、0.8〜8、より好ましくは
1〜5、特に1〜3であるのが好ましい。特に、上記の
ような触媒活性成分を炭化珪素、アルミナ、シリカ、シ
リカ−アルミナ、軽石などの不活性担体上に担持した担
持型触媒が好適に用いられる。なお、該担持型触媒は、
球状、円柱状、サドル状、円筒状等の粒状であり、通
常、その粒径は3〜15mm、好ましくは3〜10mm
である。
ては特に制限はなく、フルオレンの酸化によりフルオレ
ノンの製造用触媒として従来公知の触媒を使用すること
ができる。具体的には、前記のような五酸化バナジウム
からなる触媒、バナジン酸鉄及び硫酸カリウムからなる
触媒、五酸化バナジウム及び錫酸化物からなる触媒、バ
ナジン酸、モリブデン酸またはタングステン酸などの金
属塩またはアルカリ金属硫酸塩などからなる触媒、五酸
化バナジウム−シリカ−硫酸カリウムからなる触媒、バ
ナジウム−チタニア−アルカリ金属よりなる触媒、およ
びバナジウム−鉄−硫酸セシウムなどからなる触媒など
を挙げることができる。これらのうち、バナジウム、酸
化チタンおよびアルカリ金属硫酸塩からなる触媒が好適
に用いられる。なおこの際、触媒のアルカリ金属元素/
バナジウム(原子比)は、0.8〜8、より好ましくは
1〜5、特に1〜3であるのが好ましい。特に、上記の
ような触媒活性成分を炭化珪素、アルミナ、シリカ、シ
リカ−アルミナ、軽石などの不活性担体上に担持した担
持型触媒が好適に用いられる。なお、該担持型触媒は、
球状、円柱状、サドル状、円筒状等の粒状であり、通
常、その粒径は3〜15mm、好ましくは3〜10mm
である。
【0019】本発明における接触気相酸化反応を実施す
る際の温度、空間速度などの反応条件については特に制
限はなく、本発明による接触気相酸化はフルオレンから
フルオレノンへの酸化に一般的に使用される条件下で行
なうことができる。例えば、反応温度や空間速度は、使
用する触媒の種類などに応じて適宜決定することができ
るが、一般的には、反応温度は、250〜480℃、好
ましくは300〜450℃の範囲から、空間速度は、1
00〜10,000/hr、好ましくは200〜5,0
00/hrの範囲から選ばれる。
る際の温度、空間速度などの反応条件については特に制
限はなく、本発明による接触気相酸化はフルオレンから
フルオレノンへの酸化に一般的に使用される条件下で行
なうことができる。例えば、反応温度や空間速度は、使
用する触媒の種類などに応じて適宜決定することができ
るが、一般的には、反応温度は、250〜480℃、好
ましくは300〜450℃の範囲から、空間速度は、1
00〜10,000/hr、好ましくは200〜5,0
00/hrの範囲から選ばれる。
【0020】本発明において、分子状酸素含有ガスとし
ては、通常、空気が用いられるが、そのほかに酸素富化
空気、窒素や二酸化炭素等の不活性ガスと酸素の混合ガ
スなども使用することができる。なお、供給原料ガスは
水蒸気で希釈して供給してもよい。
ては、通常、空気が用いられるが、そのほかに酸素富化
空気、窒素や二酸化炭素等の不活性ガスと酸素の混合ガ
スなども使用することができる。なお、供給原料ガスは
水蒸気で希釈して供給してもよい。
【0021】本発明において、供給原料ガス中のフルオ
レンガス濃度は特に制限はなく、任意のガス濃度を選ぶ
ことができるが、好ましくは、供給原料ガス中のフルオ
レン/分子状酸素(モル比)は、1〜0.13の範囲が
良く、より好ましくは0.9〜0.3、最も好ましくは
0.8〜0.6となるように調整される。供給原料ガス
中のフルオレン/分子状酸素(モル比)が1を超える場
合は、酸素が不足し転化率が急激に低下するので好まし
くない。なお、分子状酸素含有ガスに空気を用いた場
合、上記条件は、供給原料ガス1Nm3 中のフルオレン
含有量に換算して、それぞれ、200〜1280g/N
m3 、450〜1170g/Nm3 および900g/N
m3 〜1060g/Nm3 に相当する。なお、フルオレ
ン/分子状酸素は、「純フルオレン(モル)/(原料ガ
ス中の分子状酸素(モル)−不純物が消費する分子状酸
素(モル))」と定義される。
レンガス濃度は特に制限はなく、任意のガス濃度を選ぶ
ことができるが、好ましくは、供給原料ガス中のフルオ
レン/分子状酸素(モル比)は、1〜0.13の範囲が
良く、より好ましくは0.9〜0.3、最も好ましくは
0.8〜0.6となるように調整される。供給原料ガス
中のフルオレン/分子状酸素(モル比)が1を超える場
合は、酸素が不足し転化率が急激に低下するので好まし
くない。なお、分子状酸素含有ガスに空気を用いた場
合、上記条件は、供給原料ガス1Nm3 中のフルオレン
含有量に換算して、それぞれ、200〜1280g/N
m3 、450〜1170g/Nm3 および900g/N
m3 〜1060g/Nm3 に相当する。なお、フルオレ
ン/分子状酸素は、「純フルオレン(モル)/(原料ガ
ス中の分子状酸素(モル)−不純物が消費する分子状酸
素(モル))」と定義される。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
説明する。
【0023】調製例1 80℃の純水180mlにバナジン酸アンモニウム1
3.4g、シュウ酸26.8g、硫酸カリウム2.4g
および硫酸セシウム25.1gを加えて撹拌し均一な溶
液とした。この溶液を室温まで冷却した後、表面積20
m2 /gのアナターゼ型酸化チタン120gおよび炭化
ケイ素ウィスカー4.8gを加えて十分撹拌し均一なス
ラリーとし、さらにこのスラリーに純水400mlを加
えて触媒調製スラリーとした。
3.4g、シュウ酸26.8g、硫酸カリウム2.4g
および硫酸セシウム25.1gを加えて撹拌し均一な溶
液とした。この溶液を室温まで冷却した後、表面積20
m2 /gのアナターゼ型酸化チタン120gおよび炭化
ケイ素ウィスカー4.8gを加えて十分撹拌し均一なス
ラリーとし、さらにこのスラリーに純水400mlを加
えて触媒調製スラリーとした。
【0024】ステンレス製回転炉に平均直径4mmの球
状の炭化ケイ素担体200gを投入し、炉を回転させ、
炭化ケイ素担体温度を180〜220℃に保持しつつ、
上記触媒調製スラリー20gを噴霧し把持させた後、空
気流通下550℃で5時間焼成した酸化触媒を調製し
た。各添加成分の原子比は下記のとおりである。
状の炭化ケイ素担体200gを投入し、炉を回転させ、
炭化ケイ素担体温度を180〜220℃に保持しつつ、
上記触媒調製スラリー20gを噴霧し把持させた後、空
気流通下550℃で5時間焼成した酸化触媒を調製し
た。各添加成分の原子比は下記のとおりである。
【0025】V:Cs:K:S:TiO2=7.64:
9.26:l.84:5.55:l00 比較例l 上記酸化触媒を、図1に示すように、内径25mmのス
テンレス製反応管1のガス出口側に250mmの層長て
充填し、この反応管1を430℃の溶融塩バス2中に保
持した。図lに示す装置を用い、フィーダー3から14
0℃に保温したパイプを経て供給された下記組成のター
ル系のフルオレン原料を、反応管の入口部に送り予熱さ
れた空気と混合して触媒層4に導入した。
9.26:l.84:5.55:l00 比較例l 上記酸化触媒を、図1に示すように、内径25mmのス
テンレス製反応管1のガス出口側に250mmの層長て
充填し、この反応管1を430℃の溶融塩バス2中に保
持した。図lに示す装置を用い、フィーダー3から14
0℃に保温したパイプを経て供給された下記組成のター
ル系のフルオレン原料を、反応管の入口部に送り予熱さ
れた空気と混合して触媒層4に導入した。
【0026】原料組成(重量%) フルオレン(75) 硫黄(0.2) 9−メチルフルオレン、メチルビフェニル、ジベンゾフ
ランなど(残余) フルオレンの供給速度39.3mg/分(純フルオレン
換算)および空気送風量2050ml/分(0℃l気圧
換算)で反応を行った。
ランなど(残余) フルオレンの供給速度39.3mg/分(純フルオレン
換算)および空気送風量2050ml/分(0℃l気圧
換算)で反応を行った。
【0027】反応生成ガスは内径35mmのガラス製空
冷捕集管(図示せず)および、直列に3つのアセトンを
満たした洗気瓶(図示せず)に通じ捕集を行い、アセト
ン溶液として回収し、ガスクロマトグラフ(島津GC−
14B、カラムOV−1/0.25mmID/50m)
によって分析した。フルオレン転化率94.2モル%、
フルオレノン選択率78.7モル%であり、フルオレノ
ン収率は74.1モル%であった。
冷捕集管(図示せず)および、直列に3つのアセトンを
満たした洗気瓶(図示せず)に通じ捕集を行い、アセト
ン溶液として回収し、ガスクロマトグラフ(島津GC−
14B、カラムOV−1/0.25mmID/50m)
によって分析した。フルオレン転化率94.2モル%、
フルオレノン選択率78.7モル%であり、フルオレノ
ン収率は74.1モル%であった。
【0028】実施例1 比較例1において、フルオレン原料として硫黄を含まな
い下記組成の石油プロセス系のものを使用した以外は比
較例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
い下記組成の石油プロセス系のものを使用した以外は比
較例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
【0029】原料組成(重量%) フルオレン(96) 硫黄(0) メチルビフェニル、メチルナフタレン、9−メチルフル
オレンなど(残余) 実施例2 比較例1において、フルオレン原料として下記組成のタ
ール系のものを使用した以外は比較例1と同様に反応を
行った。結果を表1に示す。
オレンなど(残余) 実施例2 比較例1において、フルオレン原料として下記組成のタ
ール系のものを使用した以外は比較例1と同様に反応を
行った。結果を表1に示す。
【0030】原料組成(重量%) フルオレン(94) 硫黄(0.05) 9−メチルフルオレン、メチルビフェニル、ジベンゾフ
ランなど(残余) 実施例3 比較例1において、フルオレン原料として硫黄を含まな
い下記組成の石油プロセス系のものを使用した以外は比
較例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
ランなど(残余) 実施例3 比較例1において、フルオレン原料として硫黄を含まな
い下記組成の石油プロセス系のものを使用した以外は比
較例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
【0031】原料組成(重量%) フルオレン(94) 硫黄(0) メチルビフェニル、メチルナフタレン、9−メチルフル
オレンなど(残余)
オレンなど(残余)
【0032】
【表1】
【0033】実施例4 実施例1において、ガス濃度を460g/Nm3 に変更
した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。フル
オレン転化率93.lモル%、フルオレノン選択率9
5.8モル%、フルオレノン収率89.2モル%であっ
た。また、触媒層の最高温度は480℃であった。
した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。フル
オレン転化率93.lモル%、フルオレノン選択率9
5.8モル%、フルオレノン収率89.2モル%であっ
た。また、触媒層の最高温度は480℃であった。
【0034】比較例2 実施例4において、フルオレン原料として比較例1で使
用したフルオレン原料に変更した以外は実施例4と同様
に反応を行った。触媒層の最高温度は560℃を超え、
さらに温度が上昇していくため反応を打ち切った。
用したフルオレン原料に変更した以外は実施例4と同様
に反応を行った。触媒層の最高温度は560℃を超え、
さらに温度が上昇していくため反応を打ち切った。
【0035】
【発明の効果】本発明のフルオレノンの製造方法は、フ
ルオレンを分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して
フルオレノンを製造する際に、原料フルオレン中の硫黄
濃度を0.15重量%以下にすることを特徴とするもの
である。本発明の方法によれば、フルオレノンを高収率
でかつ安定的に製造することができる。
ルオレンを分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して
フルオレノンを製造する際に、原料フルオレン中の硫黄
濃度を0.15重量%以下にすることを特徴とするもの
である。本発明の方法によれば、フルオレノンを高収率
でかつ安定的に製造することができる。
【図1】 実施例および比較例で用いた反応装置の概略
図である。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 フルオレンを分子状酸素含有ガスにより
接触気相酸化してフルオレノンを製造する際に、原料フ
ルオレン中の硫黄濃度を0.15重量%以下にすること
を特徴とするフルオレノンの製造方法。 - 【請求項2】 該分子状酸素含有ガスが空気である請求
項1に記載の方法。 - 【請求項3】 少なくともバナジウム、チタニア及びア
ルカリ金属を含有し、アルカリ金属のバナジウムに対す
る原子比がアルカリ金属/バナジウム0.8〜8である
触媒を使用する、請求項1または2に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8328702A JPH09221447A (ja) | 1995-12-11 | 1996-12-09 | フルオレノンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32137195 | 1995-12-11 | ||
JP7-321371 | 1995-12-11 | ||
JP8328702A JPH09221447A (ja) | 1995-12-11 | 1996-12-09 | フルオレノンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09221447A true JPH09221447A (ja) | 1997-08-26 |
Family
ID=26570454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8328702A Pending JPH09221447A (ja) | 1995-12-11 | 1996-12-09 | フルオレノンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09221447A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022102502A1 (ja) * | 2020-11-13 | 2022-05-19 | 三菱瓦斯化学株式会社 | フルオレノンの製造方法 |
-
1996
- 1996-12-09 JP JP8328702A patent/JPH09221447A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022102502A1 (ja) * | 2020-11-13 | 2022-05-19 | 三菱瓦斯化学株式会社 | フルオレノンの製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20011225 |