JPH09220677A - めっき鋼材へのナット溶接方法およびそれに使用する電極 - Google Patents
めっき鋼材へのナット溶接方法およびそれに使用する電極Info
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- JPH09220677A JPH09220677A JP4951996A JP4951996A JPH09220677A JP H09220677 A JPH09220677 A JP H09220677A JP 4951996 A JP4951996 A JP 4951996A JP 4951996 A JP4951996 A JP 4951996A JP H09220677 A JPH09220677 A JP H09220677A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ボルト用穴をあけためっき鋼材のその穴部
分上面にナットを電気抵抗溶接により突起溶接しても、
下側電極にめっき層のスパッタが溶着するのを抑制した
めっき鋼材の電気抵抗溶接方法およびそれに使用する電
極を提供する。 【解決手段】 下側電極3からめっき鋼材8の穴9内
に圧搾空気を供給しながら通電する。この供給には電極
3に先端面から基部側に向かって形成した穴4に圧搾空
気供給口15を設けて行う。この供給口15は穴4の途
中に入側方向を狭くする傾斜面12を設けて、その傾斜
面部12より底側に設け、また、穴4の中にガイドピン
5を先端に有し、穴4の前記傾斜面部12を弁座とする
弁14を周設したロッド6を挿入して、先端方向にバネ
機構で付勢し、さらに、弁14が穴4の傾斜面部12に
当接しているときロッド6の先端が電極先端面より突出
するようにすると、圧搾空気の供給、停止を自動的に行
うことができる。
分上面にナットを電気抵抗溶接により突起溶接しても、
下側電極にめっき層のスパッタが溶着するのを抑制した
めっき鋼材の電気抵抗溶接方法およびそれに使用する電
極を提供する。 【解決手段】 下側電極3からめっき鋼材8の穴9内
に圧搾空気を供給しながら通電する。この供給には電極
3に先端面から基部側に向かって形成した穴4に圧搾空
気供給口15を設けて行う。この供給口15は穴4の途
中に入側方向を狭くする傾斜面12を設けて、その傾斜
面部12より底側に設け、また、穴4の中にガイドピン
5を先端に有し、穴4の前記傾斜面部12を弁座とする
弁14を周設したロッド6を挿入して、先端方向にバネ
機構で付勢し、さらに、弁14が穴4の傾斜面部12に
当接しているときロッド6の先端が電極先端面より突出
するようにすると、圧搾空気の供給、停止を自動的に行
うことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボルト挿入用の穴をあ
けためっき鋼材のその穴の部分片面にナットを電気抵抗
溶接により突起溶接しても、めっき鋼材側の電極にめっ
き層のスパッタが溶着するのを抑制しためっき鋼材の電
気抵抗溶接方法およびそれに使用する電極に関する。
けためっき鋼材のその穴の部分片面にナットを電気抵抗
溶接により突起溶接しても、めっき鋼材側の電極にめっ
き層のスパッタが溶着するのを抑制しためっき鋼材の電
気抵抗溶接方法およびそれに使用する電極に関する。
【0002】
【従来技術】溶融亜鉛系めっき鋼板や溶融アルミニウム
系めっき鋼板などのような溶融めっき鋼板を成形加工し
ためっき鋼材は、従来から鉄骨のプレハブ住宅や工場の
部材に使用されているが、このめっき鋼材で住宅や工場
を組み立てるにはめっき鋼材にナットの取り付けを必要
とする場合がある。このナットの取り付けは電気抵抗溶
接が簡単であるので、多くの場合、それで行われてい
る。
系めっき鋼板などのような溶融めっき鋼板を成形加工し
ためっき鋼材は、従来から鉄骨のプレハブ住宅や工場の
部材に使用されているが、このめっき鋼材で住宅や工場
を組み立てるにはめっき鋼材にナットの取り付けを必要
とする場合がある。このナットの取り付けは電気抵抗溶
接が簡単であるので、多くの場合、それで行われてい
る。
【0003】めっき鋼材へのナットの電気抵抗溶接は、
鋼材にボルト挿入用の穴を予めあけておいて、鋼材を水
平方向にした状態でその穴の部分片面にナットを当接し
て、そのナット上側と鋼材の下側とを銅製の電極で挟持
しながら通電する方法で行うが、溶接により鋼材の非溶
接側のめっき層が損なわれないようにするため、ナット
としては突起ナットを使用して、突起溶接している。図
3は突起ナット1を示したもので、通常のナットのネジ
穴方向片側外周に突起2を部分的にネジ穴方向に突出す
るように設けてある。
鋼材にボルト挿入用の穴を予めあけておいて、鋼材を水
平方向にした状態でその穴の部分片面にナットを当接し
て、そのナット上側と鋼材の下側とを銅製の電極で挟持
しながら通電する方法で行うが、溶接により鋼材の非溶
接側のめっき層が損なわれないようにするため、ナット
としては突起ナットを使用して、突起溶接している。図
3は突起ナット1を示したもので、通常のナットのネジ
穴方向片側外周に突起2を部分的にネジ穴方向に突出す
るように設けてある。
【0004】この突起溶接は、従来より連続的に行って
いるが、これには下側電極として、ガイドピン付きのも
のを使用して行っていた。図4はこの下側電極3を使用
して溶接する方法を示すもので、下側電極3には先端面
から基部側に向かって有底の円形穴4を筒状に伸長する
ように形成して、その円形穴4の底に先端にガイドピン
5を有するロッド6を起立させ、ガイドピン5が下側電
極3の先端面より突出するようにしてある。ここで、ガ
イドピン5は突起ナット1のネジ穴より細く、ロッド6
の先端径は突起ナット1のネジ穴よりより大きくなって
いる。上側電極7は円柱状のものである。
いるが、これには下側電極として、ガイドピン付きのも
のを使用して行っていた。図4はこの下側電極3を使用
して溶接する方法を示すもので、下側電極3には先端面
から基部側に向かって有底の円形穴4を筒状に伸長する
ように形成して、その円形穴4の底に先端にガイドピン
5を有するロッド6を起立させ、ガイドピン5が下側電
極3の先端面より突出するようにしてある。ここで、ガ
イドピン5は突起ナット1のネジ穴より細く、ロッド6
の先端径は突起ナット1のネジ穴よりより大きくなって
いる。上側電極7は円柱状のものである。
【0005】この下側電極3と上側電極7とは、下側電
極3が所定位置に不動状態で配置されていて、そこにめ
っき鋼材8が移送されてくると、上側電極7が上下動し
て、突起ナット1を溶接するようになっている。すなわ
ち、めっき鋼材8の移送は下側電極3のところで停止し
て、下降するようになっていて、その下降の際にボルト
用穴9にガイドピン5が挿入され、下側電極3で支承さ
れたとき停止するようになっている。めっき鋼材8が下
側電極3で支承されると、ガイドピン5がボルト用穴9
より突出するので、ナット供給装置からの突起ナット1
を供給して、ガイドピン5に受け取らせる。ガイドピン
5が受け取った突起ナット1をボルト用穴9の位置に正
確に案内した後、上側電極7が下降するようになってい
て、突起ナット1をめっき鋼材8に加圧し、その後、通
電するようになっている。
極3が所定位置に不動状態で配置されていて、そこにめ
っき鋼材8が移送されてくると、上側電極7が上下動し
て、突起ナット1を溶接するようになっている。すなわ
ち、めっき鋼材8の移送は下側電極3のところで停止し
て、下降するようになっていて、その下降の際にボルト
用穴9にガイドピン5が挿入され、下側電極3で支承さ
れたとき停止するようになっている。めっき鋼材8が下
側電極3で支承されると、ガイドピン5がボルト用穴9
より突出するので、ナット供給装置からの突起ナット1
を供給して、ガイドピン5に受け取らせる。ガイドピン
5が受け取った突起ナット1をボルト用穴9の位置に正
確に案内した後、上側電極7が下降するようになってい
て、突起ナット1をめっき鋼材8に加圧し、その後、通
電するようになっている。
【0006】この溶接は、突起溶接であるので、突起ナ
ット1の突起2とめっき鋼材8との間の溶接だけが行わ
れるが、めっき鋼材8が溶融めっき鋼板のようにめっき
厚みの厚いものの成形材であると、溶接の際にはめっき
層が溶融、昇華して、煙状のスパッタを多量に発生させ
る。このスパッタは突起ナット1のネジ穴が上側電極7
で閉鎖されているので、下側電極3の円形穴4に回って
充満して、下側電極3とめっき鋼材8との隙間にも進入
し、下側電極3に付着する。
ット1の突起2とめっき鋼材8との間の溶接だけが行わ
れるが、めっき鋼材8が溶融めっき鋼板のようにめっき
厚みの厚いものの成形材であると、溶接の際にはめっき
層が溶融、昇華して、煙状のスパッタを多量に発生させ
る。このスパッタは突起ナット1のネジ穴が上側電極7
で閉鎖されているので、下側電極3の円形穴4に回って
充満して、下側電極3とめっき鋼材8との隙間にも進入
し、下側電極3に付着する。
【0007】このスパッタの下側電極3への付着は、連
続溶接すると、次第に付着量が増加し、ある程度多くな
った時点でめっき層にクレ−タ状の肌荒れを発生させ、
さらに付着量が増加すると、めっき層を破壊して、鋼板
素地を露出させてしまう。このため、連続溶接する場合
は溶接状態を常時観察して、溶接部が品質上問題になる
ようになったら、溶接を中止して、電極の研磨や取り替
えを行っていた。しかし、このような溶接作業では、一
定品質の溶接ができず、また、電極の消耗も激しく、生
産性も劣るという問題があった。
続溶接すると、次第に付着量が増加し、ある程度多くな
った時点でめっき層にクレ−タ状の肌荒れを発生させ、
さらに付着量が増加すると、めっき層を破壊して、鋼板
素地を露出させてしまう。このため、連続溶接する場合
は溶接状態を常時観察して、溶接部が品質上問題になる
ようになったら、溶接を中止して、電極の研磨や取り替
えを行っていた。しかし、このような溶接作業では、一
定品質の溶接ができず、また、電極の消耗も激しく、生
産性も劣るという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解消しためっき鋼材へのナット溶接方法およびそ
れに使用する電極を提供するものである。
問題を解消しためっき鋼材へのナット溶接方法およびそ
れに使用する電極を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、穴
を有するめっき鋼材の穴の部分片面に突起ナットを突起
が当接するように配置して、その突起ナット上側とめっ
き鋼材の下側とを1対の電極で挟持しながら電気抵抗溶
接する方法において、めっき鋼材の下側電極からめっき
鋼材の穴内に圧搾空気を供給しながら通電するようにし
た。
を有するめっき鋼材の穴の部分片面に突起ナットを突起
が当接するように配置して、その突起ナット上側とめっ
き鋼材の下側とを1対の電極で挟持しながら電気抵抗溶
接する方法において、めっき鋼材の下側電極からめっき
鋼材の穴内に圧搾空気を供給しながら通電するようにし
た。
【0010】また、第2発明は、電極の先端面から基部
側に向かって有底の穴を形成して、その穴の中に突起ナ
ットのガイドピンが先端に固着されたロッドをガイドピ
ンが電極の先端面より突出するように配置した電極にお
いて、電極に穴に達する圧搾空気供給口を設けた。
側に向かって有底の穴を形成して、その穴の中に突起ナ
ットのガイドピンが先端に固着されたロッドをガイドピ
ンが電極の先端面より突出するように配置した電極にお
いて、電極に穴に達する圧搾空気供給口を設けた。
【0011】さらに、第3発明は、電極の先端面から基
部側に向かって有底の穴を形成して、その穴の中に突起
ナットのガイドピンを先端に固着したロッドをガイドピ
ンが電極の先端面より突出するように配置した電極にお
いて、前記穴を入側が小径部、底側が大径部となり、両
者の境界が傾斜面部になった形状にするとともに、前記
ロッドの穴の大径部側に位置する部分に穴の傾斜面を弁
座とする弁を周設して、ロッドに先端方向に付勢するバ
ネ機構を設け、また、ロッドの弁より先端までの長さは
弁が穴の傾斜面部に当接しているとき先端が電極の先端
面より突出する長さとし、さらに、穴の傾斜面部の弁座
となる部分より底側には圧搾空気供給口を設けた。
部側に向かって有底の穴を形成して、その穴の中に突起
ナットのガイドピンを先端に固着したロッドをガイドピ
ンが電極の先端面より突出するように配置した電極にお
いて、前記穴を入側が小径部、底側が大径部となり、両
者の境界が傾斜面部になった形状にするとともに、前記
ロッドの穴の大径部側に位置する部分に穴の傾斜面を弁
座とする弁を周設して、ロッドに先端方向に付勢するバ
ネ機構を設け、また、ロッドの弁より先端までの長さは
弁が穴の傾斜面部に当接しているとき先端が電極の先端
面より突出する長さとし、さらに、穴の傾斜面部の弁座
となる部分より底側には圧搾空気供給口を設けた。
【0012】
【作用】まず、第1発明において、突起ナットとめっき
鋼材との間には突起が溶融、消滅するまで隙間が存在す
るので、下側電極から圧搾空気を供給すると、めっき鋼
材の突起ナット溶接側から発生するスパッタは圧搾空気
で吹き飛ばされて、隙間より外部に放出される。このた
め、突起ナットが消滅するまでスパッタは下側電極側に
回ってこない。突起ナットの突起が消滅すると、その時
点ではめっき鋼材のめっき層はほとんど昇華してしまっ
ていて、大部分が鋼材同士の溶接になるので、スパッタ
の発生は僅かである。この結果、めっき鋼材の反対面側
電極にはスパッタが付着しにくくなる。
鋼材との間には突起が溶融、消滅するまで隙間が存在す
るので、下側電極から圧搾空気を供給すると、めっき鋼
材の突起ナット溶接側から発生するスパッタは圧搾空気
で吹き飛ばされて、隙間より外部に放出される。このた
め、突起ナットが消滅するまでスパッタは下側電極側に
回ってこない。突起ナットの突起が消滅すると、その時
点ではめっき鋼材のめっき層はほとんど昇華してしまっ
ていて、大部分が鋼材同士の溶接になるので、スパッタ
の発生は僅かである。この結果、めっき鋼材の反対面側
電極にはスパッタが付着しにくくなる。
【0013】次に、第2発明においては、電極を下側電
極に使用すると、圧搾空気供給口から供給された圧搾空
気が下側電極の穴の内部に供給されるので、めっき鋼材
の突起ナット溶接側から発生するスパッタを突起ナット
方向に吹き飛ばすことができる。
極に使用すると、圧搾空気供給口から供給された圧搾空
気が下側電極の穴の内部に供給されるので、めっき鋼材
の突起ナット溶接側から発生するスパッタを突起ナット
方向に吹き飛ばすことができる。
【0014】次に、第3発明の場合も電極を下側電極に
使用する。この電極ではロッドがバネ機構で先端側に付
勢されているので、ロッドの弁が穴の傾斜面に当接し
て、穴の底側を常に密閉し、圧搾空気供給口からの圧搾
空気を穴の入り口から放出させない。また、ロッドの弁
が穴の傾斜面に当接しているときはロッドの先端が電極
の先端面から突出している。なお、ロッドはめっき鋼材
にあけるボルト用穴より細くする。
使用する。この電極ではロッドがバネ機構で先端側に付
勢されているので、ロッドの弁が穴の傾斜面に当接し
て、穴の底側を常に密閉し、圧搾空気供給口からの圧搾
空気を穴の入り口から放出させない。また、ロッドの弁
が穴の傾斜面に当接しているときはロッドの先端が電極
の先端面から突出している。なお、ロッドはめっき鋼材
にあけるボルト用穴より細くする。
【0015】溶接は、従来のようにこの電極を固定した
状態でガイドピンに突起ナットを供給し、最後に上側電
極を下降させる方法で行う。すなわち、この電極の位置
にめっき鋼材を停止させて、下側が電極に当接まで下降
させると、ロッドの先端はめっき鋼材のボルト用穴を通
過して、めっき鋼材より突出する。ロッドの先端をこの
ように突出した状態でガイドピンに突起ナットを供給し
て、上側電極の下降により突起ナットを加圧すると、ロ
ッドはバネ機構の付勢に抗して後退して、弁が穴の傾斜
面から離れ、圧搾空気がロッドの周囲を通って穴の入り
口から放出される。ロッドの後退は突起ナットがめっき
鋼材に当接した時点で停止するので、通電中圧搾空気を
供給し続けることができる。溶接が完了すると、上側電
極を突起ナットから離すので、ロッドは弁が穴の傾斜面
部に当接するまでバネ機構で前進させられ、穴からの圧
搾空気放出を停止させる。
状態でガイドピンに突起ナットを供給し、最後に上側電
極を下降させる方法で行う。すなわち、この電極の位置
にめっき鋼材を停止させて、下側が電極に当接まで下降
させると、ロッドの先端はめっき鋼材のボルト用穴を通
過して、めっき鋼材より突出する。ロッドの先端をこの
ように突出した状態でガイドピンに突起ナットを供給し
て、上側電極の下降により突起ナットを加圧すると、ロ
ッドはバネ機構の付勢に抗して後退して、弁が穴の傾斜
面から離れ、圧搾空気がロッドの周囲を通って穴の入り
口から放出される。ロッドの後退は突起ナットがめっき
鋼材に当接した時点で停止するので、通電中圧搾空気を
供給し続けることができる。溶接が完了すると、上側電
極を突起ナットから離すので、ロッドは弁が穴の傾斜面
部に当接するまでバネ機構で前進させられ、穴からの圧
搾空気放出を停止させる。
【0016】
【実施例】図1、図2は、本発明の溶接方法を示すもの
で、下側電極3には先端面から基部側に向かって有底の
円形穴4を形成してあるが、この円形穴4は入側が小径
部10、底側が大径部11となり、両者の境界が傾斜面
部12となっている。円形穴4には従来のように先端に
ガイドピン5を有するロッド6が挿入されている。この
ロッド6は穴の底に固着されたコイルバネ13により基
部が支承されていて、円形穴4の大径部11側に位置す
る部分に円形穴4の傾斜面部12と密着する弁14が周
設されている。この弁14は円形穴4の傾斜面部12を
弁座とし、コイルバネ13はロッド6を先端方向に付勢
している。
で、下側電極3には先端面から基部側に向かって有底の
円形穴4を形成してあるが、この円形穴4は入側が小径
部10、底側が大径部11となり、両者の境界が傾斜面
部12となっている。円形穴4には従来のように先端に
ガイドピン5を有するロッド6が挿入されている。この
ロッド6は穴の底に固着されたコイルバネ13により基
部が支承されていて、円形穴4の大径部11側に位置す
る部分に円形穴4の傾斜面部12と密着する弁14が周
設されている。この弁14は円形穴4の傾斜面部12を
弁座とし、コイルバネ13はロッド6を先端方向に付勢
している。
【0017】ロッド6の弁14より先端までの長さは、
弁14が円形穴4の傾斜面部12に当接しているとき先
端が電極の先端面より突出するようになっており、ま
た、円形穴4の傾斜面部12より底側には圧搾空気供給
口15が設けられている。なお、ガイドピン5の基部径
は突起ナット1のネジ穴より若干小さい程度で、高さは
上側電極7との短絡を避けるため、突起ナット1の厚み
より低くしてある。また、ロッド6の先端径は突起ナッ
ト1のネジ穴より大きくなっている。上側電極7は円柱
状のものである。
弁14が円形穴4の傾斜面部12に当接しているとき先
端が電極の先端面より突出するようになっており、ま
た、円形穴4の傾斜面部12より底側には圧搾空気供給
口15が設けられている。なお、ガイドピン5の基部径
は突起ナット1のネジ穴より若干小さい程度で、高さは
上側電極7との短絡を避けるため、突起ナット1の厚み
より低くしてある。また、ロッド6の先端径は突起ナッ
ト1のネジ穴より大きくなっている。上側電極7は円柱
状のものである。
【0018】以上のような下側電極3と上側電極7とは
対向させて、下側電極3の圧搾空気供給口15にはコン
プレッサ−のような圧搾空気供給源を接続し、円形穴4
の内部に圧搾空気を常時供給しておく。しかし、圧搾空
気はコイルバネ13がロッド6を常に先端側に付勢し
て、弁14が円形穴4の傾斜面部12を密閉しているの
で、円形穴4の入り口から放出されない。従って、下側
電極3は溶接前に圧搾空気を放出することはない。
対向させて、下側電極3の圧搾空気供給口15にはコン
プレッサ−のような圧搾空気供給源を接続し、円形穴4
の内部に圧搾空気を常時供給しておく。しかし、圧搾空
気はコイルバネ13がロッド6を常に先端側に付勢し
て、弁14が円形穴4の傾斜面部12を密閉しているの
で、円形穴4の入り口から放出されない。従って、下側
電極3は溶接前に圧搾空気を放出することはない。
【0019】下側電極3は、固定しておき、めっき鋼材
8の移送はボルト用穴9が下側電極3と一致するところ
で停止させ、その位置で下降させるように制御する。め
っき鋼材8を下降させると、ガイドピン5がボルト用穴
9を通って突出するので、ガイドピン5には突起ナット
1を挿入することができる。図1はこのガイドピン5に
突起ナット1を挿入した状態を示している。
8の移送はボルト用穴9が下側電極3と一致するところ
で停止させ、その位置で下降させるように制御する。め
っき鋼材8を下降させると、ガイドピン5がボルト用穴
9を通って突出するので、ガイドピン5には突起ナット
1を挿入することができる。図1はこのガイドピン5に
突起ナット1を挿入した状態を示している。
【0020】ガイドピン5に突起ナット1を挿入した
後、上側電極7を下降させると、ロッド6が突起ナット
1を介して上側電極7により押されるので、ロッド6の
弁14が円形穴4の傾斜面部12から離れ、圧搾空気が
放出される。ロッド6がさらに押されて、突起ナット1
の突起2がめっき鋼材8と接触したなら、通電を開始す
る。図2はこの状態を示したものであるが、通電中、ロ
ッド6の弁14は円形穴4の傾斜面部12から離れてい
るので、下側電極3から圧搾空気が供給され続ける。こ
のため、スパッタは突起ナット1の突起2とめっき鋼材
8との隙間から外側に吹き飛ばされる。溶接完了のとき
には、下側電極3およびめっき鋼材8はともほぼ同時に
上昇するので、下側電極3のロッド6は前進し、弁14
が円形穴4の傾斜面部12を密閉する。このため、溶接
完了後圧搾空気を放出しない。
後、上側電極7を下降させると、ロッド6が突起ナット
1を介して上側電極7により押されるので、ロッド6の
弁14が円形穴4の傾斜面部12から離れ、圧搾空気が
放出される。ロッド6がさらに押されて、突起ナット1
の突起2がめっき鋼材8と接触したなら、通電を開始す
る。図2はこの状態を示したものであるが、通電中、ロ
ッド6の弁14は円形穴4の傾斜面部12から離れてい
るので、下側電極3から圧搾空気が供給され続ける。こ
のため、スパッタは突起ナット1の突起2とめっき鋼材
8との隙間から外側に吹き飛ばされる。溶接完了のとき
には、下側電極3およびめっき鋼材8はともほぼ同時に
上昇するので、下側電極3のロッド6は前進し、弁14
が円形穴4の傾斜面部12を密閉する。このため、溶接
完了後圧搾空気を放出しない。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明の電気抵抗溶接法
によれば、スパッタが下側電極側にほとんど回ってこな
いので、めっき鋼材を連続溶接しても、めっき層が下側
電極により損傷されることがない。また、本発明の電極
は溶接開始の際に圧搾空気が先端から自動的に放出し、
溶接完了後には自動的に停止するようになっているの
で、圧搾空気の供給管理が容易で、圧搾空気の無駄がな
い。
によれば、スパッタが下側電極側にほとんど回ってこな
いので、めっき鋼材を連続溶接しても、めっき層が下側
電極により損傷されることがない。また、本発明の電極
は溶接開始の際に圧搾空気が先端から自動的に放出し、
溶接完了後には自動的に停止するようになっているの
で、圧搾空気の供給管理が容易で、圧搾空気の無駄がな
い。
【図1】は本発明の溶接方法を示すもので、通電前の状
態を示している。
態を示している。
【図2】は本発明の溶接方法を示すもので、通電後の状
態を示している。
態を示している。
【図3】は突起ナットの斜視図である。
【図4】は従来の溶接方法を示すものである。
1…突起ナット、2…突起、3…下側電極、4…円形
穴、5…ガイドピン、6…ロッド、7……上側電極、8
…めっき鋼材、9…ボルト用穴、10…小径部、11…
大径部、12…傾斜面部、13…コイルバネ、14…
弁、15…圧搾空気供給口、
穴、5…ガイドピン、6…ロッド、7……上側電極、8
…めっき鋼材、9…ボルト用穴、10…小径部、11…
大径部、12…傾斜面部、13…コイルバネ、14…
弁、15…圧搾空気供給口、
Claims (3)
- 【請求項1】 穴を有するめっき鋼材の穴の部分上面
に突起ナットを突起が当接するように配置して、その突
起ナット上側とめっき鋼材の下側とを1対の電極で挟持
しながら電気抵抗溶接する方法において、めっき鋼材の
下側電極からめっき鋼材の穴内に圧搾空気を供給しなが
ら通電することを特徴とするめっき鋼材へのナット溶接
方法。 - 【請求項2】 電極の先端面から基部側に向かって有
底の穴を形成して、その穴の中に突起ナットのガイドピ
ンが先端に固着されたロッドをガイドピンが電極の先端
面より突出するように配置した電極において、電極に穴
に達する圧搾空気供給口を設けたことを特徴とするめっ
き鋼材へのナット溶接用電極。 - 【請求項3】 電極の先端面から基部側に向かって有
底の穴を形成して、その穴の中に突起ナットのガイドピ
ンを先端に固着したロッドをガイドピンが電極の先端面
より突出するように配置した電極において、前記穴を入
側が小径部、底側が大径部となり、両者の境界が傾斜面
になった形状にするとともに、前記ロッドの穴の大径部
側に位置する部分に穴の傾斜面部を弁座とする弁を周設
して、ロッドに先端方向に付勢するバネ機構を設け、ま
た、ロッドの弁より先端までの長さは弁が穴の傾斜面部
に当接しているとき先端が電極の先端面より突出する長
さとし、さらに、穴の傾斜面部の弁座となる部分より底
側には圧搾空気供給口を設けたことを特徴とするめっき
鋼材へのナット溶接用電極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4951996A JPH09220677A (ja) | 1996-02-13 | 1996-02-13 | めっき鋼材へのナット溶接方法およびそれに使用する電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4951996A JPH09220677A (ja) | 1996-02-13 | 1996-02-13 | めっき鋼材へのナット溶接方法およびそれに使用する電極 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09220677A true JPH09220677A (ja) | 1997-08-26 |
Family
ID=12833395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4951996A Pending JPH09220677A (ja) | 1996-02-13 | 1996-02-13 | めっき鋼材へのナット溶接方法およびそれに使用する電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09220677A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001259856A (ja) * | 2000-03-17 | 2001-09-25 | Hirata Technical Co Ltd | 多段式ナット溶接不良検出装置 |
KR101442300B1 (ko) * | 2009-04-17 | 2014-09-19 | 가부시키가이샤 에스엠케이 | 용접용 하부전극장치 |
CN111112818A (zh) * | 2018-10-31 | 2020-05-08 | 宁波方太厨具有限公司 | 水槽清洗机用下水器支架的储能焊工装及储能焊方法 |
-
1996
- 1996-02-13 JP JP4951996A patent/JPH09220677A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001259856A (ja) * | 2000-03-17 | 2001-09-25 | Hirata Technical Co Ltd | 多段式ナット溶接不良検出装置 |
JP4503774B2 (ja) * | 2000-03-17 | 2010-07-14 | 株式会社エイチワン | 多段式ナット溶接不良検出装置 |
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CN111112818B (zh) * | 2018-10-31 | 2021-10-01 | 宁波方太厨具有限公司 | 水槽清洗机用下水器支架的储能焊工装及储能焊方法 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041008 |
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