JPH0921924A - 光ファイバの個別調心装置 - Google Patents

光ファイバの個別調心装置

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JPH0921924A
JPH0921924A JP19620895A JP19620895A JPH0921924A JP H0921924 A JPH0921924 A JP H0921924A JP 19620895 A JP19620895 A JP 19620895A JP 19620895 A JP19620895 A JP 19620895A JP H0921924 A JPH0921924 A JP H0921924A
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Kenji Takahashi
建次 高橋
Manabu Kubota
学 久保田
Koichi Yoshida
耕一 吉田
Masahiko Mikawa
正彦 三河
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微視的な高精度の調心作業を行うことができ
るとともに、その調心作業の際に他への調心作業に悪影
響をもたらす虞がない。 【構成】 アーム1が、基端側が一体に形成されて基台
11に固定されるとともに、中間部から先端側に至る部
分にスリット12Aが形成されて微動可能状態に分岐・
分割され、かつ、この分岐された各分岐部12の先端の
支承部13にそれぞれV溝を設けたものから構成されて
いる。また、駆動手段2が、アーム1の各分岐部12の
それぞれ異なる部位に取り付けた圧電素子22で構成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光ファイバの個別調
心装置に係り、特に多心光ファイバテープを構成する各
光ファイバを個別に軸合わせすることができる光ファイ
バの融着接続機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多心光テープファイバの一括融着接続
は、光ファイバを載置・固定するV溝が一直線上に精密
加工された多心用固定V溝台上に光ファイバを挿入して
融着すべき左右光ファイバの外径軸をほぼ合わせてお
き、放電加熱中の光ファイバに働く表面張力により、こ
れら左右の光ファイバのコア軸心調整が行われていた。
【0003】ところが、光ファイバには偏心或は曲がり
ぐせがあるため、接続損失を大幅に低減させるために
は、この表面張力だけでは不十分であり、各心線毎の調
心作業が必要になっている。
【0004】そこで、この多心光ファイバを個別に調心
する手段として、例えば図7に示す調心装置が開発され
ている。
【0005】即ち、これは、一対のガイドブロック10
0の間に、各端面が互いに45度の角度をなすように圧
電素子101を傾斜して積層し、これら一対の圧電素子
の傾斜した上端面及び隣り合う圧電素子101の側面と
の間に形成するV溝に光ファイバ102を配設し、斜め
方向に1次元的な調心を行う構成である。そして相手側
に傾斜方向の異なる同様の機構を設け、各光ファイバ対
に対して伸縮方向の異なる一対の圧電素子を駆動させる
ことによって2次元的な調心作業を行うことができる。
【0006】また、このような調心装置とは別に、図9
に示すように、一対のガイドブロック100′の間に駆
動手段として先端が斜め45度に傾斜した圧電素子10
1A,101BをV溝可動片として複数積層して可動V
溝を形成し、これらの各圧電素子101A,101Bの
傾斜した上端面間に各光ファイバ102を搭載した構成
も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前者の調心装置では、
圧電素子の配設方向に各光ファイバを移動調節させて調
心を行っているから、1次元的な調心である。従って、
2次元調心を行う場合には、突き合わせる相手側光ファ
イバにも調心方向が異なる同様の機構を設けておき、同
時に異方向の調心を行う必要がある。
【0008】さらに、圧電素子は積層されて重なり合っ
ているから、圧電素子の作動時にその隣の作動してない
圧電素子まで一緒に摩擦により動作してしまい、所望の
制御方向から外れた動作をしたり、正確に位置決めされ
ていた光ファイバにまで誤差を生じる虞れがある。
【0009】また、後者の調心装置では、片側のみで2
次元的方向の調心が可能であるが、隣り合う圧電素子間
の影響と調心量が少ないという問題がある。いずれにし
ても、これら装置は光ファイバの変位方向と圧電素子の
伸縮方向、伸縮量が一致しないので調心制御系が複雑と
なり、良好な調心結果が得にくかった。
【0010】そこで、この発明は、上記した事情に鑑
み、調心量が大であるにもかかわらず、微視的な高精度
の調心を行うことができるとともに、その調心の際に隣
り合うV溝の調心に悪影響をもたらす虞がなく、さらに
片側の調心装置だけで2次元方向への調心を行うことが
できる光ファイバの個別調心装置を提供することを目的
とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ちこの発明は、ファイ
バ溝の断面は変形せず、アームの先端側に設けられたフ
ァイバ溝各辺の位置調整を駆動手段により個別に行うこ
とにより、前記ファイバ溝内に支承・配置された光ファ
イバを個別に調心する光ファイバの調心装置であって、
前記駆動手段を、前記アームの各分岐部に取り付けた少
なくとも2個の圧電素子で構成したものである。
【0012】
【作用】この発明では、駆動手段である圧電素子が1本
のアームに対して少なくとも2個、自身の伸縮方向が交
叉する方向に向けて独立して設けられており、圧電素子
の伸縮量に応じてアームの先端側が上下左右へ捩れるよ
うに変位することにより自由端を構成する各分岐部先端
の支承部が所望の位置方向へ微動動作する。
【0013】また、調心の際にV溝は変形しないのであ
るから、そのV溝に支承された光ファイバは、そのV溝
の各辺との間の摺動や摩擦が生ぜず、V溝の位置に追随
して高精度な調心を行うことができ、調心状態をモニタ
する場合に於て、光ファイバの調心方向とモニタ像との
相関を捉えるのが容易である。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例について、添付図面
を参照しながら説明する。図1は、この実施例に係る光
ファイバの個別調心装置を示す概略斜視図である。この
実施例の光ファイバの個別調心装置は、複数に分岐され
たアーム1と、当該アーム1の各種構成要素を個別に駆
動する駆動手段2とを備えており、光ファイバ調心用の
2次元アクチュエータとして使用される。
【0015】アーム1は、複数に分岐・分割され各基端
側が一体となって基部11に連なる分岐部12と、この
分岐部12の先端側において上方に向けて折曲され、先
端部にV溝(この実施例ではV溝だが、U溝又はU溝と
V溝との組合せでも可)13Aを設けた支承部13とを
備えており、V溝13A各面の位置調整を、分岐された
各アーム毎に設けられた駆動手段2により個別(V溝毎
に)に行うようになっている。
【0016】即ち、アーム1は、基部11と放電加工に
より一体加工された、全体としてL型形状をなす薄板部
材の積層体であって、特に図示しないが、各アーム1の
上側端に接触し下方に向けて付勢する適宜の部材で常時
押さえつけられている。
【0017】基部11は、基準となる固定部(図略)へ
ボルト締めされている。
【0018】各分岐部12は、図2及び図3に示すよう
に、上端面側の基部11からそれぞれ圧電素子の幅分だ
け異なる適宜の位置にアームの上端から切り欠かかれた
スリット12Aが形成されている。当該スリット12A
が形成された部分に於けるアーム1の幅狭(薄肉)部1
2A′は、アーム1が上方へ屈曲する際に於ける弾性変
形の中心部である。下端面側のそれぞれスリット12A
形成位置近傍であってこれと対応する位置よりも幾分か
先端側には推力伝導突起12Bが形成され、当該推力伝
導突起12Bには、伝達ブロック21を介して2個の圧
電素子が下側から連結されている。
【0019】前記推力伝導突起12Bの位置をアーム長
手方向に沿ってずらす理由は、圧電素子をアームの下部
に配置する場所を確保するためである。但しアーム先端
の変位量を大にするには、前記推力伝達突起12Bとス
リット12Aがアーム長手方向で接近することが好まし
い。
【0020】支承部13は、図4及び図5に示すよう
に、アームの先端部が平行等間隔で並設され、それぞれ
上端面に光ファイバ3を支承するV溝13Aが形成され
ている。
【0021】この実施例の駆動手段2には、圧電素子2
2、例えばスタック型(積層型)のピエゾ素子22A,
22Bが使用され、各分岐部毎に設けてある推力伝導突
起12Bに圧入する等脚台形状の伝達ブロック21を介
し、左右各一対のピエゾ素子がハ字型で左右対称に、つ
まりこの実施例では(自身の伸縮方向が交差するよう
に)45度傾いた状態で、45度の交差角で固設されて
いる。
【0022】即ち、この各駆動手段2は、図6に示すよ
うに、各対のピエゾ素子22A,22Bの推力伝達方向
α,β(圧電素子の伸縮方向)が交差する一点がアーム
1の弾性変形部の重心部A(図6参照)と一致するよう
な位置及び方向で伝達ブロック21の側端面に取り付け
てあり、換言すればアクチュエータとしての作動方向と
光ファイバ3の調心方向とが一致するように構成されて
いる。なお、この実施例では駆動手段にピエゾ素子が使
用されているが、勿論これに限定されるものではなく、
例えば、モータ駆動等でも可能である。また、1本のア
ームに対するピエゾ素子の数も2本に限定されず必要に
応じてこれ以上の複数とすることが可能である。
【0023】次に、この実施例の作用について説明す
る。
【0024】先ず、駆動手段2である左右一対のピエゾ
素子22A,22Bのいずれか一方若しくは双方に電圧
を印加すると、図6に示すように、ピエゾ素子の図示せ
ぬ下端部は、基準となる台に固定されているから印加電
圧の値に応じてピエゾ素子22A,22Bが伸縮するこ
とにより上端部が微小変動(上下動)する。この変動が
伝達ブロック21及び推力伝導突起12Bを介してアー
ムの各分岐部12へ伝達する。
【0025】分岐部12は不動状態に固定された基部1
1に連結されているから、ピエゾ素子22A,22Bの
伸縮量が等しい場合には、スリット12A近傍を支点と
してアーム先端の支承部13が上下方向のみへ変移動作
するだけである。左右のピエゾ素子22A,22Bのい
ずれかを駆動させるか、またこの左右のピエゾ素子22
A,22Bに印加する電圧値を異ならせることによって
左右の伸縮量を制御すると、その支承部13の変移する
方向(つまり調心方向)は上下方向のみならず、前記A
点を弾性変形の重心としてアーム1を左右へ捩る方向へ
制御することができる。
【0026】従って、この支承部13のV溝13Aに搭
載・載置してある一方の光ファイバの先端部もまたこの
V溝13Aの微小変移動に応じて上下左右方向へ変移
し、これによって相手側の光ファイバ3との微視的な調
心作業を確実に行うことができるのである。例えば、図
6においてアーム先端をα方向に動かす場合には、一方
のピエゾ素子22Aへの印加電圧をピエゾ素子22Bよ
りも大とすればアーム1は上に伸びるのと同時に紙面左
方向へ捩れるように変位する。
【0027】以上のように、各分岐部毎に設けられた一
対のピエゾ素子22A,22Bへの印加電圧を変化させ
ることによって、各V溝13A内の各光ファイバを任意
方向へ調心する。
【0028】次に、本発明の調心装置を融着接続機に適
用した場合について説明する。前述の如く、本調心装置
は2次元調心が可能であるから、相手側光ファイバの位
置決めは固定V溝台上に形成されたV溝によって行なわ
れる。
【0029】まず、電源がOFFでピエゾ素子へ通電さ
れていないと、アーム1全体は、図示せぬ押し下げ手段
により下側へ押し付けられ、スリット12Aより先端側
は基準位置以下となる。ここで、基準位置とは、調心を
開始する位置であって調心側と固定側のV溝高さが一致
し、調心側と固定側のV溝がほぼ一直線上に配置された
状態である。
【0030】次いで、電源をONとし両ピエゾ素子へ通
電すると、両ピエゾ素子22A,22Bはそれぞれ規定
量だけ伸長し、各V溝12Aは上昇して基準位置となる
ように位置調整される。
【0031】次いでTVカメラ等のモニタ手段により、
光ファイバ接続部の近傍を拡大モニタしながら両ピエゾ
素子22A,22Bへの印加電圧を各アーム1毎に個別
に調整して、光ファイバのコア軸を調心する。
【0032】ここで、コア軸のモニタ方式は、ミラーを
用いた周知の2方向観察方式であって、光ファイバの位
置変化に対して、TVカメラでモニタされる光ファイバ
の実・虚像(直交する2方向からの像)の変化の割合を
大きくし、調心精度並びに調心能率を向上させるために
は、前述の如くピエゾ素子22A,22Bの交差角度を
45度とすることが最良である。上記各アーム毎の調心
は、画像処理技術を用いてCPUにより自動調心され
る。
【0033】なお、本調心装置は、MTコネクタ等のプ
ラスチック製光コネクタの製作時に於て、光ファイバ穴
の基準となるマスタコネクタと相手側光コネクタとの軸
心を合わせる作業であって、光コネクタフェルールの光
ファイバ穴に狂いがある場合、当該光コネクタフェルー
ルに挿入する光ファイバを個別調心して、マスタコネク
タ側の光ファイバと軸心を合わせることにより、低損失
の光コネクタフェルールを製作することができる。
【0034】また、さらに、LD(半導体レーザ)等の
デバイス或は光導波路基板等と、光ファイバを接続する
場合に於て、光導波路のコア部と光ファイバコアの調心
にも用いることができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、駆動手段である圧電素子がアームの分岐・分割さ
れた各分岐部に互いに独立して設けられており、自由端
を構成する各分岐部先端の支承部が変移動作する際に、
分岐部が互いに干渉することなく独立し、しかも、V溝
は変形しないので、調心量(調心幅)が大にも拘らず正
確な調心を行うことができる効果がある。
【0036】すなわち、調心の際にそのV溝に支承され
た光ファイバは、従来のようなV溝変形に起因するV溝
各辺間の摺動動作や摩擦動作も無く、光ファイバがV溝
の位置、傾きに追随するから、高精度な調心作業を行う
ことができる。
【0037】さらに、この発明によれば、V溝を構成す
る固定片と可動片、あるいは可動片と可動片の組み付け
作業を必要としない単純な構成であるから、加工工数・
組み立て工数の削減が図れるとともに、製造コストの低
減も可能であり、実用上大きな効果がえられるものであ
る。
【0038】また、この発明によれば、調心すべき光フ
ァイバを2方向に微調整できるから、互いに突合せよう
とする一対の光ファイバのうち、何れか一方側の光ファ
イバ側にのみ、つまり片側にのみ、この発明の個別調心
装置を設けるだけですみ、その分コストの削減が図れる
と共に、調心作業も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る光ファイバの個別調心装置を示
す概略斜視図。
【図2】同装置のアームを示す平面図。
【図3】同装置のアームを示す正面図。
【図4】同アームの先端支承部を示す要部斜視図。
【図5】同支承部のV溝を示す拡大正面図。
【図6】同装置の作用を示す説明図。
【図7】従来例を示す概略断面図。
【図8】従来例の作用を示す説明図。
【図9】他の従来例を示す概略断面図。
【図10】他の従来例の作用を示す説明図。
【符号の説明】
1 アーム 11 基台 12 分岐部 12A スリット 12B 伝達突起 13 支承部 13A V溝 2 駆動手段 21 伝達ブロック 22 圧電素子 3 光ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 耕一 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 三河 正彦 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーム(1)の先端側に設けられたファ
    イバ溝(13A)各辺の位置調整を駆動手段(2)によ
    り個別に行うことにより、前記ファイバ溝(13A)内
    に支承・配置された光ファイバ(3)を個別に調心する
    光ファイバの調心装置であって、 前記駆動手段(2)を、前記アーム(1)の各分岐部に
    取り付けた少なくとも2個の圧電素子(22)で構成し
    たことを特徴とする光ファイバの個別調心装置。
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