JPH09217898A - 流量制御方法 - Google Patents
流量制御方法Info
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- JPH09217898A JPH09217898A JP4559596A JP4559596A JPH09217898A JP H09217898 A JPH09217898 A JP H09217898A JP 4559596 A JP4559596 A JP 4559596A JP 4559596 A JP4559596 A JP 4559596A JP H09217898 A JPH09217898 A JP H09217898A
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Abstract
つ精度良く所定の流量になるように制御することができ
る流量制御方法を提供する。 【解決手段】 入力された指令流量設定値に基づいてテ
ーブル記憶部38から対応するバルブ駆動電圧値を求め
てバルブ駆動信号を出力し、この信号により流体通路4
に介設した流量制御弁10を制御して流体の流量を制御
する流量制御方法において、前記指令流量設定値がある
一定値以上変化した時には前記テーブル記憶部より対応
する学習値をバルブ駆動電圧値として求め、この値の所
定の割合の値を所定の時間だけバルブ駆動信号として出
力する初期工程と、その後、PID制御を行なうPID
工程と、流量整定後において指令流量設定値に対応する
前記テーブル記憶部中のバルブ駆動電圧と実際のバルブ
駆動電圧との比に基づいて、前記PID記憶部の比例定
数、積分定数、学習値を選択的に書き換える書き換え工
程とを有するように構成する。これにより、実際の使用
条件に適合するように学習値やPID制御定数等を適宜
補正する。
Description
流量の流体の流量を制御する流量制御方法に関する。
は、半導体ウエハ等に対して例えばCVD成膜やエッチ
ング操作が繰り返し行われるが、この場合に微量のプロ
セスガスを精度良く制御する必要から例えば精密ガス流
量制御装置が用いられている。この種のガス流量制御装
置は、微量ガスの質量流量を検出するセンサ部と、バル
ブ部と、これを制御する制御回路部とにより主に構成さ
れている。センサ部は、全ガス量の僅かな比率の量が通
過するセンサ管に電熱コイルを巻回してなるセンサを有
しており、大部分のガスはバイパスを流れるようになっ
ている。そして、このセンサ部での検出値に基づいて制
御回路部はバルブ部の弁開度を制御し、設定値に合致し
たガス流量を流すようになっている。また、弁開度を制
御するには、全体のガス流量自体が非常に少ないことか
ら例えば数10μm程度のストローク範囲内で精度良く
弁開度を制御しなければならず、このためにアクチュエ
ータとして大きな推力を持ち、微小変位を生ぜしめるこ
とができることから、一般的には積層型圧電素子体が用
いられており、これによりガス指令流量設定値に基づい
てダイヤフラムよりなる弁体を操作し、所望の弁開度に
制御するようになっている。
を制御してガス流量をコントロールする方式としては、
位置PID制御方式や速度型PID制御方式等が知られ
ており、また、ガス流量の制御に際しては、急激なガス
流の流れ込みにより半導体処理室内に製品の欠陥の原因
となるパーティクルが巻き上がらないように制御する必
要がある。従って、パーティクル巻き上げの発生原因と
なるオーバシュートの発生は極力抑制しなければならな
い。
用される速度型PID制御の制御式は一般的にはデジタ
ル系において下記に示す数1のように表される。
修正分を示し、現在のバルブ開度mn を認めて、それに
対してどのような変化を与えるかという式を与えるもの
である。この制御によれば、式より明らかなようにバル
ブ開度の変化分のみ算出し、出力の前回位置との和は出
力処理部で行うために、内部での出力計算値が出力信号
域を越え難い点や、出力計算値が過大に変化し難い点や
積分値の内部計算において飽和することによる問題が生
じない点などの利点を有する反面、設定値が急激に変化
した時など、すなわちステップ応答時の応答速度がかな
り劣るという問題がある。図14はこの状態を示してお
り、設定値が例えば0Vから5Vに急激にステップ状に
変化した時には、バルブの開度(操作量)は点線で示さ
れるように緩慢に上昇し、そのために実際の流量もオー
バシュートすることはないが流量は緩慢に設定値に向け
て上昇することになり、応答速度が悪いという問題があ
る。
度が小さい時の流量変化は少なく、ある程度以上の弁開
度になると流量変化も大きくなるような特性を有してい
るので、バルブ全閉状態で流量ゼロからステップ状に設
定値が変化した時の応答性がかなり劣るという問題があ
った。
−339737号)において、上記問題点を解決するた
めに、指令流量設定値が変化した場合には、予め作成し
ておいたテーブルに基づいて、定常操作量よりも低めの
初期操作量を求めてその値を流量制御弁に出力し、その
後、直ちに速度型PID制御に移行するようにした流量
制御方法を開示した。この制御方法によれば、ある程度
迅速に所望の流量に設定できるが、場合によっては流量
のオーバシュートが発生することが判明した。
は、上述のように最初に初期操作量のバルブ駆動電圧を
オンオフ的にステップ状に出力することから、このステ
ップ状のバルブ開度の変化によるガス流量の急変がPI
D制御系にとって外乱として作用し、これがためにオー
バシュートやハンチングが発生する。また、ある種の精
密ガス流量制御装置には、センサ部の後段に、センサの
応答速度を早めるために微分回路を設けるようにしたも
のもあるが、上記したようなステップ状の変化が発生す
ると、この微分回路が過度に応答してしまい、これがハ
ンチングの原因にもなっていた。また、上記した先の出
願の方法例においては、流量制御弁のヒステリシス特性
を考慮してテーブルを作成するようにしているため、こ
の作成が非常に煩雑になるという欠点もあった。
これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明
の目的は、オーバシュートを生ずることなく迅速に、且
つ精度良く所定の流量になるように制御することができ
る流量制御方法を提供することにある。
解決するために、複数の指令流量設定値に対応したバル
ブ駆動電圧値を学習値としてテーブル化して記憶したテ
ーブル記憶部と、PID制御の比例定数と積分定数とを
少なくとも記憶したPID定数記憶部とを有する流量制
御装置を用いて、入力された指令流量設定値に基づいて
前記テーブル記憶部から対応するバルブ駆動電圧値を求
めてバルブ駆動信号を出力し、この信号により流体通路
に介設した流量制御弁を制御して流体の流量を制御する
流量制御方法において、前記指令流量設定値がある一定
値以上変化した時には前記テーブル記憶部より対応する
学習値をバルブ駆動電圧値として求め、この値の所定の
割合の値を所定の時間だけバルブ駆動信号として出力す
る初期工程と、その後、PID制御を行なうPID工程
と、流量整定後において指令流量設定値に対応する前記
テーブル記憶部中のバルブ駆動電圧と実際のバルブ駆動
電圧との比が所定の範囲内の場合には、前記PID定数
記憶部の比例定数と積分定数の少なくとも一方を書き換
え、所定の範囲外の場合には前記テーブル記憶部に記憶
された各バルブ駆動電圧としての学習値を書き換える書
き換え工程とを備えるように構成したものである。
時等において、流量制御弁を介設した流体通路にある一
定の圧力をかけた状態で、複数の指令流量設定値を与
え、PID制御の結果、最終的に整定したバルブ駆動信
号の値を初期値としてテーブル記憶部に記憶しておく。
また、PID制御を行なうための最適と思われる比例定
数、積分定数、微分定数及び休止期間等も工場出荷段階
においてPID定数記憶部に記憶させておく。この流量
制御弁を実際に使用する場合は、これを使用系の流体通
路に接続し、指令流量設定値に応じてテーブル記憶部に
基づいて対応する初期値をバルブ駆動信号として出力す
る。この場合、当初の所定時間だけは求めた初期値の所
定の割合、例えば80〜90%程度の出力とし、その
後、一定の休止期間を設け、或いは設けないで、PID
制御へ移行する。
が経過して流量が整定したならば、上記したバルブ駆動
電圧の初期値やPID制御の各種定数等が適正か否かを
学習判断し、初期値が不適正な場合には初期値を学習値
で置き換え、また、各種定数等が不適正な場合にはこれ
らの定数を補正する。このような学習操作或いは補正操
作(書き換え操作)は定期的に頻繁に行なわれ、使用系
の圧力条件等が反映されて常にその系に適応した最適な
値となるようにアップデートされる。これにより、流量
にオーバシュートを生じることなく所定の流量値まで迅
速に変化させることが可能となる。
である初期値(学習値)の書き換えは、その流量に対応
するテーブル記憶中のバルブ駆動電圧を実際のバルブ駆
動電圧との比が所定の範囲、例えば指令流量設定値が増
加する場合には80〜85%の範囲以外の時には、テー
ブル記憶部中の学習値が不適切であることから応答性が
遅過ぎる、或いは早過ぎるとしてこの学習値をアップデ
ートする。尚、指令流量設定値が減少する場合には例え
ば115〜120%の範囲が基準となる。また、両駆動
電圧の比が、上記範囲内に収まっている場合であって
も、流量変化過渡時の所定の時点の流量センサ出力値と
指令流量設定値との比で表される応答係数に応じて比例
定数や積分定数或いは休止期間の長さを適切に補正す
る。この時の補正値は、応答係数と各補正対象値との関
係を予めPID定数記憶部に記憶させており、これより
適切な値を選択することにより行なう。
きくずれている時は、応答変位量に大きな影響を与える
比例定数を少なくとも補正し、小さくずれている時に
は、応答変位量に小さな影響しか与えない積分定数のみ
を補正する。ここで、応答係数を算出するにあたり、用
いる流量センサの出力値は、応答が速くてピーク値が生
じている場合にはそのピーク値を用い、逆に応答が遅く
てピーク値が判別しにくい場合には、例えば、指令流量
設定値の変動後、0.5秒経過した時のセンサ出力値を
用いる。
法の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は本
発明に係る流量制御方法を実施するためのガス質量流量
制御装置を示す概略構成図、図2は図1に示す制御装置
の流量制御部の構成を示すブロック図、図3はセンサ制
御回路の出力からバルブ駆動信号を出力するまでの間の
一般的な制御状態を示す概略ブロック図である。
るためのガス質量流量制御装置について説明する。図示
するようにこのガス質量流量制御装置2は、実際の使用
系である、例えば半導体製造装置のガス配管系PAに着
脱可能に設けられる。この制御装置2は、例えばステン
レススチール等により成形された流体通路4を有してお
り、この流体通路4のガス流体の流れ方向の上流側には
大部分の流量を流すバイパス6が設けられ、下流側には
ガス流体の流量を制御するために弁体として例えばダイ
ヤフラム8を備えた流量制御弁10が設けられる。
出センサ部12のセンサ管14が接続されており、これ
にバイパス6と比較して少量のガス流体を流し得るよう
になっている。このセンサ管14には制御用の一対の電
熱コイル16が巻回されており、これに接続されたセン
サ入力回路18によりガス流体の質量流量を検出するよ
うになっている。
A/Dコンバータ20を介して例えばマイクロコンピュ
ータ等よりなる流量制御部22へ入力されている。ま
た、外部から入力される指令流量設定値を示す設定信号
もこのA/Dコンバータ20を介して上記流量制御部2
2へ入力される。この設定信号は、通常0〜5Vのアナ
ログ信号であり、上記A/Dコンバータ20にてデジタ
ル信号へ変換された後に流量制御部22へ入力される。
ラム8を上下駆動するためのアクチュエータとして大き
な推力を有し、微小変位を生ずる例えば積層型圧電素子
24を有しており、圧電素子駆動部26からの駆動信号
で制御される。上記駆動部26へは、流量制御部22か
らのデジタル駆動信号がD/Aコンバータ28によりア
ナログ信号へ変換された後に入力されており、上記指令
流量設定値に対応した流量が流れるように流量制御弁1
0の操作量すなわち弁開度を制御している。
予め複数の指令流量設定値に応じて得られたバルブ駆動
信号(電圧)を初期の学習値としてテーブル化して後述
するテーブル記憶部に記憶させてあり、そして、この装
置を実際の使用系に取り付けた後に、流体を流しつつ実
際のバルブ駆動信号(電圧)と各設定値に対応するテー
ブル上の上記学習値とに基づいて上記複数の指令流量設
定値に対応した学習値を求めてこの学習値に基づいてバ
ルブ駆動信号を出力するようにプログラムされている。
ば流量整定後において実際のバルブ駆動電圧と対応する
学習値との比が所定の範囲、例えば指令流量設定値が増
加した時には80〜85%の範囲外の時にはアップデー
トされて補正するようにプログラムされている。また、
同様に工場出荷段階でPID制御に必要とされる各種定
数、例えば比例定数、積分定数、微分定数や制御の休止
期間が後述する応答係数との関係でテーブル化して後述
するPID定数記憶部に予め記憶させてあり、実際の使
用系において動作後、必要に応じて適切にアップデート
されて補正するようにプログラムされている。この補正
は、上記実際のバルブ駆動電圧値と学習値との比が例え
ば指令流量設定値が増加した時は80〜85%の範囲内
に収まっているときに、上記応答係数に依存して行なわ
れることになる。
と、図2のように示され、大きくは工場等においてバル
ブ特性の初期値を学習するバルブ特性初期値用ブロック
30と実際の使用系にて実際の流量制御バルブ特性の学
習を行なう学習ブロック32とよりなり、それぞれのブ
ロックは、バルブ特性初期値演算制御部34及び学習演
算制御部36を含んでいる。各制御部34、36には、
指令流量設定値とバルブ駆動電圧である学習値との関係
を示す表1に示すようなテーブルを記憶するテーブル記
憶部38及び表中の各指令流量設定値の順列をカウント
するテーブルカウンタ40が共通に接続される。
は、初期設定時に種々の指令流量設定値を電気的に発生
させる指令流量設定値発生部42が接続されており、ま
た、制御部34は、センサ出力とその時の指令流量設定
値とを比較して偏差を求めるための比較部44の出力が
接続されている。
選択的に切り替えるために学習フラグ46が設けられて
いる。このフラグ46は図示例では理解を容易にするた
めにスイッチとして記載されてるが、実際にはプログラ
ムで特定のビットを立てるか否かで選択されることにな
る。
のが接続されている。センサ出力記憶部48は、指令流
量設定値変化後のセンサ出力値を順次数秒間に亘って記
憶するメモリである。PID定数テーブル記憶部50
は、PID制御時に必要となる比例定数Kp、積分定数
Ki、微分定数Kd及び制御の休止期間Ptと応答係数
Rkとの関係を予めテーブル化しておくメモリであり、
例えば表2に示すようなテーブルが記憶されており、後
述するように応答係数Rkの値に応じて最適な値を選択
できるようになっている。
テーブル記憶部50にて選択された各定数や休止期間或
いは計算で求められた休止期間を記憶するメモリであ
り、工場出荷時には一定条件下での適正な値でそれぞれ
初期設定されており、動作後においては、必要に応じて
アップデートされ、補正される。尚、実施例では、微分
定数Kdは固定値として、変更しないものとする。タイ
マ54は、指令流量設定値が変化した時からの時間をカ
ウントするカウンタである。Vg/Vn記憶部56は、
実際のバルブ駆動電圧Vnとその時の対応するテーブル
上の学習値Vgとの比の許容範囲を記憶するメモリであ
り、本実施例では指令流量設定値が増加する場合には、
例えば80〜85%の範囲に予め初期設定されている。
すなわち指令流量設定値が増加した時にセンサ出力にピ
ーク値(山部)が判別し難い場合において、指令流量設
定値がある一定値以上、例えば10%以上変化した時か
ら、例えば0.5秒経過した時のセンサ出力値を記憶す
るメモリであり、この値は上記応答係数Rkを算出する
時に用いる。変化点記憶部60は、指令流量設定値があ
る一定値以上増加した時にセンサ出力にピーク値が存在
した場合において、そのピーク値のセンサ出力値を記憶
するメモリであり、上述のように応答係数Rkを算出す
る時に用いる。
ある一定値以上変化した後に、流量修正が収まって整定
するであろうと予期される時間を記憶するメモリであ
り、本実施例では例えば1.5秒に設定されている。後
述するようにこの整定時間1.5秒が経過した時に、テ
ーブル中の学習値を書き換える補正をすべきか否か、或
いはPID制御定数等を補正すべきか否かの判断処理を
開始することになる。SOm/SP記憶部63は、指令
流量設定値SPとセンサ出力の反動出力値SOmとの比
の基準値を記憶するメモリであり、ここでは例えば98
%が記憶される。学習演算制御部36は、学習値補正ブ
ロック36AとPID定数補正ブロック36Bとに区分
され、両者はVg/Vn判断部64の判断結果によりい
ずれか一方が選択される。すなわち、Vg/Vn×10
0の値が、Vg/Vn記憶部56に記憶する範囲、80
〜85%の範囲外の時は学習値を補正するために学習値
補正ブロック36Aが選択され、逆に、80〜85%の
範囲内の時は、PID制御定数等を補正するためにPI
D定数補正ブロック36Bが選択される。
出力とその時の指令流量設定値とを比較してこれらの偏
差を求める比較部66、指令流量設定値が変化したか否
かを検出するための設定値変化検出部68及びこれらの
出力値に応じて最新の学習値を求めてテーブル中の学習
値を書き換える学習値演算部70を有している。
は、応答係数Rkに応じてPID定数テーブル記憶部5
0から対応するPID制御定数等を選択し、この値でP
ID定数記憶部52の定数や休止期間の長さを書き換え
るPk判断部72と、PID制御定数が最適値である場
合にはおいてもキックバック量を最低に制御するために
指令流量設定値SPとセンサ出力の反動出力値SOmと
の比SOm/SPに応じて休止期間を増減させるための
SOm/SP判断部74を有している。反動出力値SO
mとしては、指令流量設定値が増加する場合には、セン
サ出力がピーク値(山部)を越えた後の最小値が用いら
れ、上記比SOm/SP×100の値が98よりも小さ
い時に、現在の休止期間よりも例えば10m秒だけ休止
期間を長くし、しかし、最長は100m秒とする。
化した後の僅かな時間を除き、通常の動作時にはPID
制御が行われる。この時の制御ブロック図の概要は、図
3に示すように表される。すなわち、センサ入力回路1
8からのセンサ出力は、微分回路76にてその位相が早
められ、その出力は比較部78にて指令流量設定値と比
較されてその偏差が求められる。そして、この偏差に応
じてPID制御され、バルブ駆動信号出力部80から所
定の電圧を示すバルブ駆動信号が出力される。
には、指令流量設定値がある一定値以上変化した時に、
その後の僅かな時間の間に学習値を出力する加算部84
が設けられると共に、この学習値を出力している間はP
ID制御を停止するためのスイッチ部86を設けてい
る。これらの動作は、ソフトウエア的に行なわれるのは
勿論である。尚、図1中、88は流量出力を例えば0〜
5Vのアナログ信号に変換するD/Aコンバータであ
り、90は外部との通信を行う例えばRS232C規格
のインタフェースである。
量制御装置を用いて行われる本発明方法の一例を具体的
に説明する。図1において、例えば差圧3kgf/cm
2 の流体通路4にガス流体が流れると、この一部はセン
サ部12のセンサ管14を流れ、大部分はバイパス6を
流れて行き、流体制御弁10によりその流量が制御され
つつ、例えば半導体製造装置へ向かう。
ンサ入力回路18により検出されて流体通路4全体に流
れる質量流量が求められ、流量制御部22へ入力され
る。そして、この検出値が外部から入力されている指令
流量設定値と同一になるようにフィードバック制御がか
けられて流量制御弁10の積層型圧電素子24を駆動す
ることにより弁開度をPID制御することになる。
的に説明する。図4は指令流量設定値SPが増加した時
のセンサ出力SOと実際のバルブ駆動電圧Vnの関係を
示すグラフである。この場合は、センサ出力SOにオー
バーシュートが見られ、応答が少し速い場合を示してい
る。まず、指令流量設定値SPがステップ状にある一定
値以上変化すると、図2中のテーブル記憶部38に記憶
されている表1から対応する学習値を求め、この値の8
0〜90%の値をバルブ駆動電圧として出力する。この
ように学習値の100%の値を出力しない理由は、10
0%の値を出力すると制御系が過度に応答してオーバー
シュートを生ずることが考えられるからである。また、
出力値が80%よりも少な過ぎると制御性に大きな遅れ
が生じて好ましくなく、逆に、90%よりも大きくなる
と上記したオーバーシュートが生ずる可能性が大きくな
るので同様に好ましくない。この80〜90%の出力値
は、ステップ状に出力してもよく、或いは図示するよう
に例えば300m秒程度の時間をかけて漸増し、リニア
に出力させるようにしてもよい。
ば、このままの状態を維持する休止期間に入り、PID
制御によるキックバックを抑制するようにする。この休
止期間は、PID制御定数等にもよるが、通常は50m
秒〜100m秒の範囲内に設定する。尚、この休止期間
は、上述のようにキックバックを抑制するために好まし
くは設けるのがよいが、より速い応答性を望む場合には
設けなくてもよい。休止期間が終了したならば、次に、
通常のPID制御へ移行して弁開度を制御する。
御定数を調整しているのでセンサ出力特性に山部(ピー
ク値)P1が生じ、その後、キックバックが生じて最低
値P2を記録して、流量が安定する整定状態へと入って
行く。そして、指令流量設定値SPの変化後、略1.5
秒経過した頃には略確実に整定状態となっている。ここ
では、設定値変動後、1.5秒経過して整定状態に入っ
た時に、学習値を補正するか否か、或いはPID制御定
数等を補正するか否かの判断操作が行なわれることにな
る。
ザにおける実際の使用系に取り付ける前に、例えば組み
立て工場にて行なう初期設定モードと、ユーザの実際の
使用系に取り付けた後に行なう学習モード(通常動作モ
ード)があり、これらの選択は図2に示す学習フラグ4
6の切り替えで行なう。まず、全体の流れについて説明
すると、テーブル記憶部38は、前記表1に示すように
なテーブルで構成される。表1中のテーブルカウンタ値
nは、0〜10まで11段階に区分され、この値はテー
ブルカウンタ40でカウントされる。尚、カウンタ値は
11段階に限定する必要はなく、もっと細かく多段階に
してもよい。
て2%〜100%までの間で、適当に略等間隔に設定さ
れる。また、初期値は、学習値の計算のベースとなる値
であり、工場レベルにて計測されて記憶されるバルブ駆
動信号の電圧値である。これに対して、学習値は流量制
御装置を実際の使用系に組み付けた後に計測されて記憶
されるバルブ駆動信号の電圧値である。工場出荷時には
この初期値が学習値の欄にコピーされて記憶されてい
る。この学習値は後述するように、適当時にアップデー
トされ、必要に応じて常に補正される。
て行なうテスト圧力条件と実際の使用系における使用圧
力条件とは通常異なるものであり、工場での評価をその
まま、実際の使用系に適用できないからである。例え
ば、同じ弁開度でも流すガス圧力によってその流量も異
なるので評価をし直す必要が生ずるからである。この表
1の内容は、図5に示すグラフに表されており、初期値
を求める場合には、そのテーブルカウンタ40の値nを
順次増加することによって指令流量設定値を2%〜10
0%まで順次11段階に変化させ、その時のバルブ駆動
信号の電圧値をリードする。尚、1回目の学習値の補正
については、後述するように、ある所定の指令流量設定
値SPの時の実際のバルブ駆動信号の電圧(実際の使用
系なので初期値とは異なるのが一般的である)をリード
し、この時の学習値(コピーされた初期値)との関係よ
り比例配分で学習値をシフトすることにより演算で求め
る。以後、2回目の学習値の補正は、直前の学習値を参
照して行なわれることになる。
す学習値を求めるために行われるバルブ特性初期設定操
作を図6に示すフローを参照して説明する。
の特性であり、工場での装置組み立て調整時に一定圧力
(例えば1.5kgf/cm2 )のガス圧のもとで初期
設定させるが、この操作は、学習フラグを初期設定側へ
セットすることで自動的に開始される。この場合、前述
のように表1に示す11段階の各指令流量設定値は、テ
ーブルカウンタ34の内容を1つずつインクリメントす
ることにより指令流量設定値発生部42から発生させ
る。
初期設定側へセットされたか否かをチェックする(S
1)。図2では、学習フラグ46としては、便宜上、ス
イッチとして表されているが、実際にはCPUの所定の
メモリに[1]を書き込むことでセットが行われる。以
後の動作はバルブ特性初期値演算制御部34の制御下で
行われる。学習フラグ46がバルブ特性初期設定側にセ
ットされると、指令流量設定値を0%にし(S2)、更
にテーブルカウンタ40の値nをクリアする(S3)。
次に、テーブルカウンタのカウント値nに従い、指令流
量設定値をセットする(S4)。この場合、カウント値
nは0なので例えば5秒間、指令流量設定値を0%(バ
ルブ全閉)とした後、指令流量設定値を2%にセットす
る。これにより、流量制御弁10は、PID制御で実際
のガス流量がセンサ出力(流量)に一致するように動作
する(S5)。そして、次に、例えば5秒後、実際の流
量を示すセンサ出力と現在の指令流量設定値(2%)と
が比較部44にて比較されてこれらの偏差を求め、この
偏差値が所定の範囲内、例えば±1.0%以下であるか
否かが判断される(S6)。この動作は、偏差値が所定
の範囲内に入るまで行われる。
ならば(YES)、流量が安定して整定状態になってい
ることを示していることから、その時のバルブ駆動信号
の電圧をリードし、このリード値をテーブルの対応する
初期値の欄に記憶する(S7)。ここでは指令流量設定
値が2%であるのに対して、初期値C0が記憶される。
次に、テーブルカウンタ40の値nが、10に達したか
否かが判断され(S8)、NOの場合には、テーブルカ
ウンタ40が値nを1つインクリメントし(S9)、上
記S4からS8のステップを繰り返し行なう。これによ
り、指令流量設定値は10〜100%まで段階的に上げ
られ、表1のC10まで埋められることになる。そし
て、カウンタ40の値nが10まで達すると、S8にて
YESとなり、得られた初期値を学習値の欄にコピーし
(S10)、学習フラグ46をクリアし(S11)、バ
ルブ特性初期設定操作を終了する。
合、センサ出力SOは、例えば図4に示すような曲線を
描くのであるが、ここで、PID制御定数、すなわち比
例定数Kp、積分定数Ki、微分定数Kdも種々変更し
て流量制御を行い、各定数の最適値と思われる値を基準
値として予め設定しておく。この場合、制御系の過敏な
応答を抑制し得、しかも過度な制御遅れを生ずることな
くキックバックを抑制することが可能な休止期間の範囲
を予め設定しておく。そして、実際の流量制御時におい
て、各制御定数や休止期間をより最適な値に補正するた
めに求められた各制御定数及び休止期間を応答係数Rk
との関係を表2に示すように予めテーブル化して記憶し
ておく。
影響を与えないので、ここでは固定値とする。表2にお
いて、横線は補正しないで現状維持する場合を示し、休
止期間Ptは、本実施例では50m秒から100m秒ま
での範囲とし、後述するように必要に応じてこの間を1
0m秒ずつ増減する。また、応答係数Rkが100%よ
りも上下に大きくずれている時には、比例定数Kpと微
分定数Kiの両方を補正し、小さくずれている時には積
分定数Kiのみを補正することとした理由は以下の理由
による。バルブ駆動電圧修正量△mは以下の数2で与え
られる。
の変化は、修正量△mに大きな変動を与えるのに対し
て、積分定数Kiの変化は、修正量に対して小さな変動
しか与えないからである。従って、本実施例では応答係
数Rkが100%より大きくずれている時にはKp、K
iの相方を補正するようにしたが、少なくともバルブ駆
動電圧修正量に大きな影響を与えるKpを補正するよう
にすればよい。このように、テーブル記憶部38には表
1に示す数値が埋められた状態で、また、PID定数テ
ーブル記憶部50には表2に示す数値が埋められた状態
で、流量制御装置2は工場より出荷され、ユーザの実際
の使用系の配管類に接続される。尚、PID定数記憶部
52には初期値として、例えば先に求められたKi、K
p、Kd、Ptがコピーされて記憶される。次に、この
実際の使用系の配管系に接続された状態で行われる実際
の流量制御動作と、これに併せて行なわれる学習値と制
御定数等の補正操作について説明する。
る。図7は流量制御の全体の流れを示すフローであり、
図4に示すような制御形態を例にとって説明する。ま
ず、図2中の学習フラグ46は、学習(通常動作)側へ
たおされ、ホストコンピュータ等より入力される指令流
量設定値SPがある一定値以上、例えば10%以上変化
したか否かが常時判断されており(S1、S1’)、こ
の変化すなわち流量変更指令が確認されると、タイマ5
4(図1参照)のカウントが開始される(S2)。以下
の時間的基準はこのカウント値を参照して判断される。
そして、この指令流量設定値SP値に対応する学習値、
すなわちバルブ駆動電圧Vgを表1から求める。表1中
に存在しない場合には補完法により求める(S3)。
(増加)、或いは下がったか(減少)が判断され(S
4)、上がった場合には、まず、上記求めた学習値の所
定の割合、例えば85%の値をステップ状或いは図4に
示すように僅かな時間、例えば300m秒程度の時間を
かけてリニアに出力する(S5)。この所定の割合の範
囲は、例えば80〜90%の範囲とし、これよりも小さ
いと制御に遅れが生じ、大き過ぎるとオーバショートが
発生する恐れが生ずる。また、指令流量が下がった場合
には、求めた学習値の所定の割合、例えば110〜12
0%の範囲内の値、例えば115%の値を出力する(S
6)。この場合は、図8に示すように弁開度が小さくな
って流量が低下するのでオーバショート等を防止するた
めにはS5の場合と異なり、初期出力時には学習値より
も大きなバルブ駆動電圧を出力する。
なったならば、キックバックの発生を抑制するために所
定の長さの休止期間を設ける(S7)。この期間は、キ
ックバックの抑制と過度の制御遅れを生じないようにす
るために、例えば50〜100m秒の範囲内に設定し、
本実施例では、後述するように、この範囲内で可変とな
っている。この休止期間中に、応答性の遅いセンサ出力
が次第に増加して行く。尚、この休止期間は、制御系の
過剰応答を抑制するためのものであり、図示例のように
設けるのが好ましいが、設けなくてもよい。この所定の
長さの休止期間が終了したならば(S8)、通常のPI
D制御へと移行する(S9)。そして、指令流量設定値
の変化後、流量が整定するであろう所定の時間、例えば
1.5秒経過したならば(S10)、次に、表1の学習
値の補正操作やPID制御定数及び休止期間の長さの補
正操作へ移行して行く(S11)。この時の所定の時間
の基準値1.5秒は、、整定時間記憶部62に記憶され
ている。このような補正操作が終了したならば、また、
最初のステップSに戻り、同じ操作が繰り返し行なわれ
ることになる。
を参照して説明する。まず、流量整定後において実際の
流量を示すセンサ出力と指令流量設定値との差、すなわ
ち偏差が許容範囲内、例えば±2%以内に収まっている
か否かが判断され(S1)、これが収まっていない場合
には、機械的故障と考えられるので(S2)、処理を終
了する。
場合には、まず、表1の学習値が適切か否かが判断され
る(S3)。この判断に際しては、後述するように実際
のバルブ駆動電圧Vnとその時の流量に対する学習値V
gの比が参照される。ここで、学習値が適切でない場合
には(NO)、学習値の補正操作が実際に実行されるこ
とになる(S4)。また、S3において学習値が適切な
場合には(YES)、次に、応答係数Rkが適切か否か
が判断され(S5)、NOの場合、すなわち不適切な場
合には、PID制御定数Kp,Kiや休止期間の長さな
どを表2に基づいて選択的に補正する(S6)。また、
S5において応答係数Rkが適切な場合には(YE
S)、より適正な制御を行なうために、必要に応じて休
止期間の長さを微調整する(S7)。このように制御性
が劣る場合には、まず、学習値が適正な値になっている
か否かを判断し、これが適正な場合に初めてPID制御
定数等を補正するようにしている。
説明する。この学習操作は、主にガス流の圧力条件で決
まる実使用条件に適合させるための操作であり、例えば
次の条件を満足する時に学習を行なう。 応答係数Rkが所定の範囲外となること。 指令流量設定値に変化がないこと。 指令流量設定値とセンサ出力(流量)との偏差が、所
定の範囲、例えば±1.0%以内に一定時間、例えば5
秒間、収まっていること。この学習操作は、上記
の条件を満たしている時に、現在の指令流量設定値SP
と上記表1中の学習値の内、SPを挟む2つの学習値に
より仮の学習値(バルブ駆動電圧)Vcを数3により求
め、次に、現実のバルブ駆動電圧Vmと上記仮の学習値
Vcの比から各指令流量設定値の新たな学習値mn を数
4により求める。従って、図5に示すように新たな学習
値のグラフは、初期値或いは旧学習値のグラフを所定の
量だけシフトしたような形態となる。
る指令流量設定値の両側の指令流量設定値(n:1〜1
0)。そして、新たな学習値が計算された後は、指令流
量設定値が変化した場合にはこの学習値を基にしてバル
ブ駆動電圧が出力される。ここでは、現在の指令流量設
定値が65%の場合を例にとって説明する。図10にお
いて、指令流量設定値が変化した後、所定時間、例えば
1.5秒が経過して応答係数Rkが所定の範囲外となっ
ていることを前提とし、設定値変化検出部68(図2参
照)にて指令流量設定値が変化しているか否かを判断す
る(S1)。ここで、指令流量設定値が変化していない
ものと判断されたならば、比較部66にて現在の指令流
量設定値(65%)と実際の流量を示すセンサ出力とを
比較して偏差を求め、この偏差が所定の範囲内、例えば
±1.0%以内に一定の時間、例えば5秒間収まってい
るか否かが判断される(S2)。
は現在のバルブ駆動信号の電圧Vmをリードする(S
3)。次に、上記バルブ電圧Vmと表1中の学習値よ
り、数3、数4に基づいて新たな学習値を求める(S
4)。ここでは指令流量設定値SPは65%に設定され
ることからこれを挟む両側の学習値はm6、m7とな
る。まず、数3より仮の学習値Vcは以下の数5のよう
になる。
n を0から10まで変化させることにより、表1中の全
ての新たな学習値m0〜m10を得ることができ、この
新たな学習値で旧学習値を置き換える。尚、SP値が表
1中に示す指令流量設定値ならば、仮の学習値Vcとし
てそれに対応する学習値を用いればよい。また、新たな
学習値が前の旧学習値から変化が少ない場合(例えば、
1〜2%)は、指令流量設定値を挟む両側の学習値だけ
を書き換えてもよい。
て、例えば指令流量設定値が変化した時には、繰り返し
上記学習値が更新(アップデート)されて、常に補正が
なされる。尚、表1中に示されていない指令流量設定値
に対する学習値を求めるには、補完法を用い、その値を
出力すればよい(図5参照)。例えば、指令流量設定値
が0%から85%(SP値)に変化した時には、補完法
により出力すべき学習値(バルブ駆動電圧)Vmは数6
に示すように求められる。
制御定数等の補正操作の詳細について説明する。ここで
は、指令流量設定値がステップ状に増加した時を例にと
って説明する。この時の制御態様は大きく分けて図12
に示すように3つに分けられ、図12(A)は応答が遅
い場合、図12(B)はオーバショートが生じて応答が
速い場合、図12(C)は応答が略適正な場合をそれぞ
れ示している。図11において、まず、前述したように
指令流量設定値が変化した後、1.5秒経過して流量が
整定したか否かが判断され(S1)、流量が整定したな
らばVg/Vn判断部64(図2参照)にてVg/Vn
×100の値が80〜85%の範囲内に入っているか否
かを判断する(S2、S3)。ここで、Vnは実際のバ
ルブ駆動電圧、Vgはその時の流量に対応する学習値で
ある。
さくて図12(A)に示すような応答性を示すような場
合(S2のYES)及び85%よりも大きくで図12
(B)に示すような応答性を示すような場合(S3のY
ES)には、ともに学習値と実際のバルブ駆動電圧との
差が大き過ぎることを意味しているので、表1中の学習
値を補正する(S4)。この時の補正操作は先に説明し
た図10に示すフローに従って行なわれる。尚、基準値
80〜85%は、Vg/Vn記憶部56に予め記憶され
ている。
内の場合には(S3のNO)、学習値は適正であること
から実質的にPID制御定数等の補正操作に入る。ま
ず、流量変化過渡時にセンサ出力に凸部(山部)があっ
たか否かに応じて(S5)、Rk判断部72にて応答係
数Rkを求める。ここで応答係数Rkは、応答の速さを
表す係数であり、センサ出力に凸部が存在しなかった場
合(S5のNO)、例えば図12(A)に示すような遅
い応答の場合には例えば設定値変化後、0.5秒後のセ
ンサ出力と設定値との比(SO0.5/SP)×100で
表され(S6)、センサ出力に凸部(ピーク)が存在し
た場合(S5のYES)、例えば図12(B)に示すよ
うな速い応答の場合には、ピーク時点のセンサ出力と設
定値との比(SOpk/SP)×100で表される(S
7)。尚、図12(C)に示すような応答性の場合にも
上記いずれか一方の方法で応答係数Rkが求められる。
また、指令流量設定変化後のセンサ出力はセンサ出力記
憶部48に記憶されており、上記した0.5秒経過時の
センサ出力値及びピーク時のセンサ出力値は、センサ出
力記憶部48よりピックアップされて、それぞれ所定の
時点記憶部58及び変曲点記憶部60に記憶されてい
る。
囲、例えば98〜102%の範囲内に入っているか否か
が判断され(S8)、NOの場合、すなわち上記範囲内
に入っていない場合には、応答係数Rkに基づいて表2
から対応するKp、Ki、休止期間Ptを求め(S
9)、この値でPID定数記憶部52に記憶されていた
各値をアップデートし、補正する(S10)。 前述し
たように表2中において横線は変更しない場合を示し、
また、例えばKp×0.9は、工場にて設定された基準
値Kpに対して0.9を乗算した値を設定することを意
味する。
場合には(S8のYES)、図12(C)に示すように
応答性がかなり良好な場合であるが、この場合にはキッ
クバックをより少なくして制御性を向上させるために必
要ならば休止期間Ptを微調整する。そのために、SO
m/SP判断部74において、SOm/SP×100の
値が所定の値、例えば98%よりも小さいか否かを判断
する(S11)。ここで、SOmは、ここではセンサ出
力の最小値を示し、SPは設定値を示す。また、基準値
98%は、予めSOm/SP記憶部63に記憶されてい
る。
小さい場合には(S11のYES)、現在の休止期間P
tに対して10m秒を加えた値を新たな休止期間として
PID定数記憶部52の対応する値を補正し(S1
2)、PID制御の修正動作を穏やかにすることによっ
てキックバックをより抑制させる。ただし、この休止期
間は50m秒を最小とし、100m秒を最大とする。従
って、50m秒から100m秒の範囲内で適宜選択され
ることになる。また、S11において両者の比が98%
から100%の範囲内の場合には(S11のNO)、適
正な値であることから何ら補正は行なわない(S1
3)。このように、本発明においては実際の流量制御の
特性を参照して指令流量設定値に対応した学習値(バル
ブ駆動電圧)を補正したり、学習値が適正な場合にはP
ID制御定数等を選択的に補正するようにしたので、常
に、実際の流量制御特性に対応させて各値を適正値に変
更、補正することが可能となる。
迅速且つ高精度な流量制御が可能となる。尚、上記実施
例における各判断基準の定数、例えばSOm/SP基準
値の98%、整定基準値の1.5秒、Vg/Vm基準範
囲の80〜85%、表2中の各制御定数Kp、Ki、休
止期間Ptの長さ等はすべて一例を示したに過ぎず、こ
れに限定されない。また、これらの値は、バルブ使用系
に対応させて可変的に記憶できる構造としてもよい。ま
た、図11に示すフローは、指令流量設定値が増加した
場合のフローを示しているが、指令流量設定値が減少し
た時のフローは図13に示される。この場合には、図8
において説明したように流量が減少することから、この
場合にもアンダーシュート等が生じないようにするため
に図11に示すフローの各基準値が、100%を越えて
相補的な関係となる。すなわち、図13中のS2及びS
3においては、Vg/Vn×100の値が115%〜1
20%の範囲内に収まっているか否かが判断され、ま
た、S4においては流量変化過渡時にピーク値ではなく
谷部が存在するか否かが判断される。図8においてはセ
ンサ出力に谷部P2が存在している時の曲線を示してい
る。
にあたり、凸部ではなく、上記谷部P2におけるセンサ
出力値を用いている。更には、S11においては、SO
m/SPを算出するにあたり、SOmの値としては、谷
部P2を経過した後の最大値を用いている。このよう
に、指令流量設定値が増加する時と減少する時の制御方
向は互いに逆方向となるので、各基準値も上述のように
相補的となるように設定すればよい。また、本実施例で
はダイヤフラム8を駆動するアクチュエータとして圧電
素子を用いているが、これに限定されず、例えば電磁式
のアクチュエータを用いることもできる。バルブ駆動電
圧は、圧電素子の場合には、0〜120V程度の範囲内
になるのに対し、電磁式のアクチュエータの場合は、0
〜15V程度の範囲内となる。
方法によれば、次のように優れた作用効果を発揮するこ
とができる。実際の流量制御特性を参照して、指令流量
設定値に対応した学習値(バルブ駆動電圧)やPID制
御定数等を選択的に適切に補正して制御特性に合致させ
るようにしたので、常に、高速で、且つオーバシュート
等が生ずることのない制御性の良好な流量制御を行なう
ことができる。また、制御途中に可変になされた休止期
間を設けることにより、PID制御の修正動作を適正に
制御でき、制御の遅延等を生ずることなく一層精度の高
い流量制御を行なうことができる。更に、上述のように
学習値やPID制御定数等は、所定の条件下において常
にアップデートされるので、バルブの経年変化や流体の
圧力変化によってバルブ特性が変化してもこれに追従す
ることができる。
ス質量流量制御装置を示す概略構成図である。
ブロック図である。
力するまでの間の一般的な制御状態を示す概略ブロック
図である。
である。
補正する場合のバルブ駆動電圧の変化を示すグラフであ
る。
す図である。
を示すグラフである。
す図でる。
フローを示す図である。
フローを示す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 複数の指令流量設定値に対応したバルブ
駆動電圧値を学習値としてテーブル化して記憶したテー
ブル記憶部と、PID制御の比例定数と積分定数とを少
なくとも記憶したPID定数記憶部とを有する流量制御
装置を用いて、入力された指令流量設定値に基づいて前
記テーブル記憶部から対応するバルブ駆動電圧値を求め
てバルブ駆動信号を出力し、この信号により流体通路に
介設した流量制御弁を制御して流体の流量を制御する流
量制御方法において、前記指令流量設定値がある一定値
以上変化した時には前記テーブル記憶部より対応する学
習値をバルブ駆動電圧値として求め、この値の所定の割
合の値を所定の時間だけバルブ駆動信号として出力する
初期工程と、その後、PID制御を行なうPID工程
と、流量整定後において指令流量設定値に対応する前記
テーブル記憶部中のバルブ駆動電圧と実際のバルブ駆動
電圧との比が所定の範囲内の場合には、前記PID定数
記憶部の比例定数と積分定数の少なくとも一方を書き換
え、所定の範囲外の場合には前記テーブル記憶部に記憶
された各バルブ駆動電圧としての学習値を書き換える書
き換え工程とを有するように構成したことを特徴とする
流量制御方法。 - 【請求項2】 前記テーブル記憶部のバルブ駆動電圧の
書き換えは、前記テーブル記憶部のバルブ駆動電圧と実
際のバルブ駆動電圧との比に基づいて行なわれることを
特徴とする請求項1記載の流量制御方法。 - 【請求項3】 前記比例定数と積分定数の少なくとも一
方の書き換えは、流量変化過渡時の所定の時点の流量セ
ンサの出力値と指令流量設定値との比で表される応答係
数と比例定数または/及び積分定数との関係を予めテー
ブル化したPID定数テーブル記憶部から選択した値を
用いて書き換えるように構成したことを特徴とする請求
項1または2記載の流量制御方法。 - 【請求項4】 前記比例定数と積分定数の少なくとも一
方の書き換えは、前記応答係数が100%よりも大きく
ずれている時には比例定数と積分定数の内、少なくとも
比例定数の書き換えを行い、小さくずれている時には積
分定数のみの書き換えを行なうことを特徴とする請求項
1乃至3記載の流量制御方法。 - 【請求項5】 前記初期工程と前記PID工程との間に
は、前記初期工程の終点状態を保持する休止期間を設け
るように構成したことを特徴とする請求項1乃至4記載
の流量制御方法。 - 【請求項6】 前記休止期間の長さは、前記比例定数ま
たは/及び積分定数と共に補正されることを特徴とする
請求項5記載の流量制御方法。 - 【請求項7】 前記初期工程における所定の割合は、流
量が増加する時は求められた学習値の80〜90%の範
囲内であり、流量が減少する時には110〜120%の
範囲内であることを特徴とする請求項1乃至6記載の流
量制御方法。 - 【請求項8】 前記流量変化過渡時の所定の時点は、流
量が増加する場合において前記流量センサの出力値に山
部が存在する時にはその山部の時点であり、流量が減少
する場合において前記流量センサの出力値に谷部が存在
する時にはその谷部であることを特徴とする請求項3乃
至7記載の流量制御方法。 - 【請求項9】 前記流量変化過渡時の所定の時点は、前
記流量センサの出力値に山部及び谷部が存在しない場合
には、指令流量設定値の変化後、所定の時間が経過した
時点であることを特徴とする請求項3乃至7記載の流量
制御方法。
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ID=12723715
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