JPH09217184A - ステンレス鋼の酸洗処理液 - Google Patents
ステンレス鋼の酸洗処理液Info
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- JPH09217184A JPH09217184A JP2398196A JP2398196A JPH09217184A JP H09217184 A JPH09217184 A JP H09217184A JP 2398196 A JP2398196 A JP 2398196A JP 2398196 A JP2398196 A JP 2398196A JP H09217184 A JPH09217184 A JP H09217184A
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- pickling
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- acid
- phenylurea
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 硝酸を含有しないステンレス鋼の酸洗処理液
であって、経済性に優れており、且つ酸洗能力を低下さ
せることなく過酸化水素の分解が抑制された安定な酸洗
処理液を提供することを課題とする。 【解決手段】 弗酸、硫酸、過酸化水素および第四成分
としてフェニル尿素を、さらには第五成分として飽和脂
肪族アルコールを有効成分として含有することを特徴と
するステンレス鋼の酸洗処理液。
であって、経済性に優れており、且つ酸洗能力を低下さ
せることなく過酸化水素の分解が抑制された安定な酸洗
処理液を提供することを課題とする。 【解決手段】 弗酸、硫酸、過酸化水素および第四成分
としてフェニル尿素を、さらには第五成分として飽和脂
肪族アルコールを有効成分として含有することを特徴と
するステンレス鋼の酸洗処理液。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼の酸
洗処理液に関する。詳しくは、硝酸を使用しない新規な
ステンレス鋼の酸洗処理液に関する。
洗処理液に関する。詳しくは、硝酸を使用しない新規な
ステンレス鋼の酸洗処理液に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来からステンレス鋼の酸洗は、一般に
鉱酸（たとえば塩酸、硫酸、硝酸、弗酸）を二種類以上
の混合物として使用することで行われてきた。現状は、
性能面などから硝酸−弗酸浴を用いて処理するのが一般
的である。しかし、硝酸を用いると、その廃液は高度な
処理が必要となる。すなわち、酸洗時のＮＯx ガスの発
生、高濃度の硝酸イオンを含む処理廃液による環境水域
の富栄養化等が生じ、この富栄養化を防ぐために、廃液
からの硝酸イオンの除去が必要となり、そのための設備
費用や操作コストが嵩むという問題があった。
鉱酸（たとえば塩酸、硫酸、硝酸、弗酸）を二種類以上
の混合物として使用することで行われてきた。現状は、
性能面などから硝酸−弗酸浴を用いて処理するのが一般
的である。しかし、硝酸を用いると、その廃液は高度な
処理が必要となる。すなわち、酸洗時のＮＯx ガスの発
生、高濃度の硝酸イオンを含む処理廃液による環境水域
の富栄養化等が生じ、この富栄養化を防ぐために、廃液
からの硝酸イオンの除去が必要となり、そのための設備
費用や操作コストが嵩むという問題があった。
【０００３】かかる状況下、近年硝酸を使用しない酸洗
浴が強く求められている。たとえば、特開昭６０−２４
３２８９号公報には、弗酸−塩酸または硫酸−過酸化水
素からなるチタン、ステンレス鋼等の酸洗処理方法が開
示されている。本発明者等の知見によると、この方法は
硝酸を使用しない有効な処方であり、特に弗酸−硫酸−
過酸化水素浴は、塩化水素のような腐食性ガスを発生す
ることなく、硝酸−弗酸浴より酸洗速度が速い利点を有
する。
浴が強く求められている。たとえば、特開昭６０−２４
３２８９号公報には、弗酸−塩酸または硫酸−過酸化水
素からなるチタン、ステンレス鋼等の酸洗処理方法が開
示されている。本発明者等の知見によると、この方法は
硝酸を使用しない有効な処方であり、特に弗酸−硫酸−
過酸化水素浴は、塩化水素のような腐食性ガスを発生す
ることなく、硝酸−弗酸浴より酸洗速度が速い利点を有
する。
【０００４】しかしながら、この浴の致命的な欠点は、
処理時浴中での過酸化水素の分解が甚だしい点である。
特に、ステンレス鋼溶解時の鉄、クロム、ニッケル等の
トータル金属濃度が１０ｇ／Ｌ以上では過酸化水素は速
やかに分解し、大過剰の補給が必要となり不経済となる
ばかりでなく安定した浴の維持が困難となる。過酸化水
素を安定化させる試みとして、特開昭５３−１５２２７
号公報に過酸化水素−ハロゲンイオンを含む無機酸（塩
酸、弗酸など）−無機酸（硫酸、燐酸）浴に第四級アン
モニウム塩を加えることが、特開平６−２１２４６３号
公報には硫酸−Ｆｅ3+−弗酸−過酸化水素（公知の安定
剤が添加されたもの）系が開示され、後者では公知の安
定剤として８−ヒドロキシキノリン、スズ酸ナトリウ
ム、燐酸、フェナセチンなどが例示されている。
処理時浴中での過酸化水素の分解が甚だしい点である。
特に、ステンレス鋼溶解時の鉄、クロム、ニッケル等の
トータル金属濃度が１０ｇ／Ｌ以上では過酸化水素は速
やかに分解し、大過剰の補給が必要となり不経済となる
ばかりでなく安定した浴の維持が困難となる。過酸化水
素を安定化させる試みとして、特開昭５３−１５２２７
号公報に過酸化水素−ハロゲンイオンを含む無機酸（塩
酸、弗酸など）−無機酸（硫酸、燐酸）浴に第四級アン
モニウム塩を加えることが、特開平６−２１２４６３号
公報には硫酸−Ｆｅ3+−弗酸−過酸化水素（公知の安定
剤が添加されたもの）系が開示され、後者では公知の安
定剤として８−ヒドロキシキノリン、スズ酸ナトリウ
ム、燐酸、フェナセチンなどが例示されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】安定剤の機能として
は、単に過酸化水素を安定化させることに留まらず以下
の点が要求される。 １）少量の添加で有効であること（経済性に優れている
こと） ２）酸洗能力を極端に低下させないこと（溶解速度や表
面仕上がりへの影響が少ないこと） これらの機能を満たす安定剤は、上述した公知の安定剤
はもとより、未だ見出せていないのが実状である。本発
明は、従来技術における上述したような課題を解決し、
硝酸を含有しない新規なステンレス鋼の酸洗処理液であ
って、経済性に優れており、且つ酸洗能力を低下させる
ことなく過酸化水素の分解が抑制された安定な酸洗処理
液を提供することにある。
は、単に過酸化水素を安定化させることに留まらず以下
の点が要求される。 １）少量の添加で有効であること（経済性に優れている
こと） ２）酸洗能力を極端に低下させないこと（溶解速度や表
面仕上がりへの影響が少ないこと） これらの機能を満たす安定剤は、上述した公知の安定剤
はもとより、未だ見出せていないのが実状である。本発
明は、従来技術における上述したような課題を解決し、
硝酸を含有しない新規なステンレス鋼の酸洗処理液であ
って、経済性に優れており、且つ酸洗能力を低下させる
ことなく過酸化水素の分解が抑制された安定な酸洗処理
液を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、弗酸−硫
酸−過酸化水素系の基本浴組成を有する酸洗処理液に着
目し鋭意検討を重ねた結果、第四成分としてフェニル尿
素を、さらには第五成分として飽和脂肪族アルコールを
使用することで上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は弗酸、硫酸、過酸化水素および第四
成分としてフェニル尿素、さらには第五成分として飽和
脂肪族アルコールを有効成分として含有することからな
るステンレス鋼の酸洗処理液に関する。
酸−過酸化水素系の基本浴組成を有する酸洗処理液に着
目し鋭意検討を重ねた結果、第四成分としてフェニル尿
素を、さらには第五成分として飽和脂肪族アルコールを
使用することで上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は弗酸、硫酸、過酸化水素および第四
成分としてフェニル尿素、さらには第五成分として飽和
脂肪族アルコールを有効成分として含有することからな
るステンレス鋼の酸洗処理液に関する。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。本発明のステンレス鋼の酸洗処理液は、弗酸−硫
酸−過酸化水素系の基本浴組成を有する。ここで、本発
明に使用する弗酸、硫酸、過酸化水素は任意の濃度の水
溶液が使用できるが、通常、弗酸は４６重量％程度、硫
酸は６０〜８０重量％、過酸化水素は３５重量％程度の
ものが工業薬品として入手可能な点から好ましい。弗
酸、硫酸、過酸化水素の酸洗処理液中での含有量、すな
わち酸洗浴中への初期添加量および保持濃度は、酸洗浴
における酸洗処理液中の各薬品成分の正味の量として、
弗酸１〜１０重量％、硫酸０．５〜２０重量％、過酸化
水素０．１〜５重量％となる量である。弗酸、硫酸、過
酸化水素の濃度がこれらの範囲を下回ると実用上必要な
酸洗速度が保てなくなり、上回ると必要以上に酸洗速度
が速くなったり不経済となる。よって、各薬品成分を所
定濃度含む水溶液を、各薬品成分の正味の量がこれらの
範囲となるように配合して調製するのがよい。
する。本発明のステンレス鋼の酸洗処理液は、弗酸−硫
酸−過酸化水素系の基本浴組成を有する。ここで、本発
明に使用する弗酸、硫酸、過酸化水素は任意の濃度の水
溶液が使用できるが、通常、弗酸は４６重量％程度、硫
酸は６０〜８０重量％、過酸化水素は３５重量％程度の
ものが工業薬品として入手可能な点から好ましい。弗
酸、硫酸、過酸化水素の酸洗処理液中での含有量、すな
わち酸洗浴中への初期添加量および保持濃度は、酸洗浴
における酸洗処理液中の各薬品成分の正味の量として、
弗酸１〜１０重量％、硫酸０．５〜２０重量％、過酸化
水素０．１〜５重量％となる量である。弗酸、硫酸、過
酸化水素の濃度がこれらの範囲を下回ると実用上必要な
酸洗速度が保てなくなり、上回ると必要以上に酸洗速度
が速くなったり不経済となる。よって、各薬品成分を所
定濃度含む水溶液を、各薬品成分の正味の量がこれらの
範囲となるように配合して調製するのがよい。
【０００８】本発明の酸洗処理液は、上述した基本浴組
成に、第四成分としてフェニル尿素、さらには第五成分
として飽和脂肪族アルコールを含有するものである。フ
ェニル尿素の酸洗浴中への初期添加量および保持濃度
は、０．００１〜１重量％、好ましくは０．００５〜
０．１重量％である。０．００１重量％以下では安定剤
としての機能が不十分となり、１％以上の使用は不経済
となる。通常０．１重量％以下で良好な機能が発揮され
る。
成に、第四成分としてフェニル尿素、さらには第五成分
として飽和脂肪族アルコールを含有するものである。フ
ェニル尿素の酸洗浴中への初期添加量および保持濃度
は、０．００１〜１重量％、好ましくは０．００５〜
０．１重量％である。０．００１重量％以下では安定剤
としての機能が不十分となり、１％以上の使用は不経済
となる。通常０．１重量％以下で良好な機能が発揮され
る。
【０００９】フェニル尿素と飽和脂肪族アルコールを用
いる場合、飽和脂肪族アルコール自体は、過酸化水素の
安定化へ殆ど寄与しないが、フェニル尿素と併用するこ
とで初めて過酸化水素の安定性が高まり、より少量のフ
ェニル尿素の使用で良好な過酸化水素の安定化が達成さ
れる。本発明で用いる飽和脂肪族アルコールとしては、
一価アルコールとして、メチルアルコール、エチルアル
コール、ｎ−プロピルアルコール、ｉｓｏープロピルア
ルコール等、多価アルコールとして、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、１，３−及び１，４−ブタ
ンジオール、１，５−ペンタンジオール、１，６−ヘキ
サンジオール、グリセリン等が上げられるが、中でもｎ
−プロピルアルコール、１，３−及び１，４−ブタンジ
オールが好ましい。飽和脂肪族アルコールの酸洗浴中へ
の初期添加量および保持濃度は、０．０１〜５重量％、
好ましくは０．１〜１重量％となるようにする。０．０
１重量％以下では、フェニル尿素との併用効果が乏しく
なり、１重量％以上の使用は不経済となる。通常０．１
重量％以上で良好な効果が発揮される。
いる場合、飽和脂肪族アルコール自体は、過酸化水素の
安定化へ殆ど寄与しないが、フェニル尿素と併用するこ
とで初めて過酸化水素の安定性が高まり、より少量のフ
ェニル尿素の使用で良好な過酸化水素の安定化が達成さ
れる。本発明で用いる飽和脂肪族アルコールとしては、
一価アルコールとして、メチルアルコール、エチルアル
コール、ｎ−プロピルアルコール、ｉｓｏープロピルア
ルコール等、多価アルコールとして、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、１，３−及び１，４−ブタ
ンジオール、１，５−ペンタンジオール、１，６−ヘキ
サンジオール、グリセリン等が上げられるが、中でもｎ
−プロピルアルコール、１，３−及び１，４−ブタンジ
オールが好ましい。飽和脂肪族アルコールの酸洗浴中へ
の初期添加量および保持濃度は、０．０１〜５重量％、
好ましくは０．１〜１重量％となるようにする。０．０
１重量％以下では、フェニル尿素との併用効果が乏しく
なり、１重量％以上の使用は不経済となる。通常０．１
重量％以上で良好な効果が発揮される。
【００１０】本発明の酸洗処理液の調製方法は特に限定
されず、例えば弗酸、硫酸、過酸化水素、フェニル尿
素、飽和脂肪族アルコールの各薬品成分を、それぞれ別
個に酸洗浴に添加して酸洗処理液を調製してもよい、ま
た、予め各薬品成分を混合した後酸洗浴に添加して酸洗
処理液を調製してもよい。予め混合する場合は、過酸化
水素にフェニル尿素及び飽和脂肪族アルコールを溶解、
混合させて使用するのが好ましい。酸洗処理の方法とし
ては、スプレーノズル等を用いた噴射法、エアレーショ
ンやポンプ循環を併用した浸漬法など、所望の方法を適
宜選択することができる。酸洗処理温度は室温から６０
℃程度の範囲で実施すればよいが、ステンレス鋼の酸洗
速度と過酸化水素の安定性との兼合いを考慮して、４０
〜５０℃で処理するのが好ましい。
されず、例えば弗酸、硫酸、過酸化水素、フェニル尿
素、飽和脂肪族アルコールの各薬品成分を、それぞれ別
個に酸洗浴に添加して酸洗処理液を調製してもよい、ま
た、予め各薬品成分を混合した後酸洗浴に添加して酸洗
処理液を調製してもよい。予め混合する場合は、過酸化
水素にフェニル尿素及び飽和脂肪族アルコールを溶解、
混合させて使用するのが好ましい。酸洗処理の方法とし
ては、スプレーノズル等を用いた噴射法、エアレーショ
ンやポンプ循環を併用した浸漬法など、所望の方法を適
宜選択することができる。酸洗処理温度は室温から６０
℃程度の範囲で実施すればよいが、ステンレス鋼の酸洗
速度と過酸化水素の安定性との兼合いを考慮して、４０
〜５０℃で処理するのが好ましい。
【００１１】酸洗処理は、予め所定濃度の酸洗処理液を
調製した後、各薬品成分の補充を行わずに、あるいは適
宜補充して限界まで処理するバッチ処理でも良いし、酸
洗浴の組成を一定に保つように各薬品成分の連続的供給
と排出を行う連続処理でも良い。特に、フェニル尿素ま
たは、フェニル尿素及び飽和脂肪族アルコールの使用に
よって過酸化水素が安定化され、酸洗浴中に蓄積する金
属濃度が増加しても酸洗能力を高く保持できることか
ら、連続処理を行うのが効果的である。
調製した後、各薬品成分の補充を行わずに、あるいは適
宜補充して限界まで処理するバッチ処理でも良いし、酸
洗浴の組成を一定に保つように各薬品成分の連続的供給
と排出を行う連続処理でも良い。特に、フェニル尿素ま
たは、フェニル尿素及び飽和脂肪族アルコールの使用に
よって過酸化水素が安定化され、酸洗浴中に蓄積する金
属濃度が増加しても酸洗能力を高く保持できることか
ら、連続処理を行うのが効果的である。
【００１２】
【実施例】以下に本発明を実施例によって詳細に説明す
るが、本発明は実施例によって制限されるものではな
い。なお、以下の実施例において「％」は、特に断らな
い限り酸洗処理液全量に対する重量％を意味するとす
る。
るが、本発明は実施例によって制限されるものではな
い。なお、以下の実施例において「％」は、特に断らな
い限り酸洗処理液全量に対する重量％を意味するとす
る。
【００１３】実施例１ ステンレス鋼ＳＵＳ３０４を予め弗酸、硫酸、過酸化水
素を用いて溶解し、その液を用いて弗酸４％、硫酸８
％、過酸化水素３％、トータル金属濃度約１５ｇ／Ｌ
（Ｆｅ１１ｇ／Ｌ、Ｃｒ３ｇ／Ｌ、Ｎｉ１ｇ／Ｌ）、約
３０ｇ／Ｌ（Ｆｅ２２ｇ／Ｌ、Ｃｒ６ｇ／Ｌ、Ｎｉ２ｇ
／Ｌ）の組成の酸洗処理液を調製した。この２種類の酸
洗処理液のそれぞれに、下記表１に示す所定量のフェニ
ル尿素を添加して、４５℃、２時間静置後の過酸化水素
濃度を分析した。比較のために、フェニル尿素を添加し
なかった場合についても試験を行った。フェニル尿素の
添加により、過酸化水素の安定度が明らかに向上した。
結果を第１表に示す。
素を用いて溶解し、その液を用いて弗酸４％、硫酸８
％、過酸化水素３％、トータル金属濃度約１５ｇ／Ｌ
（Ｆｅ１１ｇ／Ｌ、Ｃｒ３ｇ／Ｌ、Ｎｉ１ｇ／Ｌ）、約
３０ｇ／Ｌ（Ｆｅ２２ｇ／Ｌ、Ｃｒ６ｇ／Ｌ、Ｎｉ２ｇ
／Ｌ）の組成の酸洗処理液を調製した。この２種類の酸
洗処理液のそれぞれに、下記表１に示す所定量のフェニ
ル尿素を添加して、４５℃、２時間静置後の過酸化水素
濃度を分析した。比較のために、フェニル尿素を添加し
なかった場合についても試験を行った。フェニル尿素の
添加により、過酸化水素の安定度が明らかに向上した。
結果を第１表に示す。
【００１４】
【表１】
【００１５】実施例２ 実施例１と同様にして、弗酸４．０％、硫酸８．０％、
過酸化水素３．０％、トータル金属濃度約１５ｇ／Ｌ
（Ｆｅ１１ｇ／Ｌ、Ｃｒ３ｇ／Ｌ、Ｎｉ１ｇ／Ｌ）、及
び約３０ｇ／Ｌ（Ｆｅ２２ｇ／Ｌ、Ｃｒ６ｇ／Ｌ、Ｎｉ
２ｇ／Ｌ）とし、且つ薬品成分が表２に示す組成となる
ように酸洗処理液を調製した。これらの酸洗処理液につ
いて、所定量のフェニル尿素と飽和脂肪族アルコールを
添加して、４５℃、２時間静置後の過酸化水素を分析し
た。比較のために、飽和脂肪族アルコールのみを添加し
た場合、及び両者を添加しなかった場合も試験を行っ
た。フェニル尿素と飽和脂肪族アルコールを添加するこ
とで、添加しない場合はもちろん、飽和脂肪族アルコー
ルのみを単独で使用した場合に比べ、組み合わせ効果に
より過酸化水素の安定度が明らかに向上した。結果を第
２表に示す。
過酸化水素３．０％、トータル金属濃度約１５ｇ／Ｌ
（Ｆｅ１１ｇ／Ｌ、Ｃｒ３ｇ／Ｌ、Ｎｉ１ｇ／Ｌ）、及
び約３０ｇ／Ｌ（Ｆｅ２２ｇ／Ｌ、Ｃｒ６ｇ／Ｌ、Ｎｉ
２ｇ／Ｌ）とし、且つ薬品成分が表２に示す組成となる
ように酸洗処理液を調製した。これらの酸洗処理液につ
いて、所定量のフェニル尿素と飽和脂肪族アルコールを
添加して、４５℃、２時間静置後の過酸化水素を分析し
た。比較のために、飽和脂肪族アルコールのみを添加し
た場合、及び両者を添加しなかった場合も試験を行っ
た。フェニル尿素と飽和脂肪族アルコールを添加するこ
とで、添加しない場合はもちろん、飽和脂肪族アルコー
ルのみを単独で使用した場合に比べ、組み合わせ効果に
より過酸化水素の安定度が明らかに向上した。結果を第
２表に示す。
【００１６】
【表２】
【００１７】実施例３ 実施例１と同様にして、金属濃度約２５ｇ／Ｌ（Ｆｅ１
８ｇ／Ｌ、Ｃｒ５ｇ／Ｌ、Ｎｉ２ｇ／Ｌ）となるように
酸洗処理液を調製した。これらの酸洗処理液について、
４５℃でのステンレス鋼ＳＵＳ３０４の溶解速度を調べ
た。本実施例では、過酸化水素を２％、フェニル尿素を
用いる場合は０．０５％とし、弗酸、硫酸濃度を変化さ
せた。溶解速度は、調製された酸洗浴にＳＵＳ３０４テ
ストピースを２分揺動浸漬し、重量減少から求めた。フ
ェニル尿素を添加しても溶解速度は、殆ど低下しないこ
とがわかった。結果を第３表に示す。
８ｇ／Ｌ、Ｃｒ５ｇ／Ｌ、Ｎｉ２ｇ／Ｌ）となるように
酸洗処理液を調製した。これらの酸洗処理液について、
４５℃でのステンレス鋼ＳＵＳ３０４の溶解速度を調べ
た。本実施例では、過酸化水素を２％、フェニル尿素を
用いる場合は０．０５％とし、弗酸、硫酸濃度を変化さ
せた。溶解速度は、調製された酸洗浴にＳＵＳ３０４テ
ストピースを２分揺動浸漬し、重量減少から求めた。フ
ェニル尿素を添加しても溶解速度は、殆ど低下しないこ
とがわかった。結果を第３表に示す。
【００１８】
【表３】
【００１９】実施例４ 実施例１と同様にして、金属濃度約２５ｇ／Ｌ（Ｆｅ１
８ｇ／Ｌ、Ｃｒ５ｇ／Ｌ、Ｎｉ２ｇ／Ｌ）となるように
酸洗処理液を調製した。これらの酸洗処理液について、
４５℃でフェニル尿素と飽和脂肪族アルコールを添加し
た場合のステンレス鋼ＳＵＳ３０４の溶解速度を調べ
た。フェニル尿素とｎ−プロパノール及び／又は１．４
−ブタンジオールを組み合わせることで溶解速度の明か
な向上が認められた。結果を第４表に示す。
８ｇ／Ｌ、Ｃｒ５ｇ／Ｌ、Ｎｉ２ｇ／Ｌ）となるように
酸洗処理液を調製した。これらの酸洗処理液について、
４５℃でフェニル尿素と飽和脂肪族アルコールを添加し
た場合のステンレス鋼ＳＵＳ３０４の溶解速度を調べ
た。フェニル尿素とｎ−プロパノール及び／又は１．４
−ブタンジオールを組み合わせることで溶解速度の明か
な向上が認められた。結果を第４表に示す。
【００２０】
【表４】
【００２１】
【発明の効果】弗酸−硫酸−過酸化水素のステンレス酸
洗基本浴に、第四成分としてフェニル尿素、さらには第
五成分として飽和脂肪族アルコールを加えることによ
り、環境面で問題のある硝酸を使用せず、且つ基本浴の
性能を低下させることなくむしろ酸洗速度を向上せし
め、過酸化水素の安定化を達成した優れた酸洗処理液を
得ることができる。
洗基本浴に、第四成分としてフェニル尿素、さらには第
五成分として飽和脂肪族アルコールを加えることによ
り、環境面で問題のある硝酸を使用せず、且つ基本浴の
性能を低下させることなくむしろ酸洗速度を向上せし
め、過酸化水素の安定化を達成した優れた酸洗処理液を
得ることができる。
Claims (3)
- 【請求項１】 弗酸、硫酸、過酸化水素及びフェニル尿
素を有効成分として含有することを特徴とするステンレ
ス鋼の酸洗処理液。 - 【請求項２】 弗酸、硫酸、過酸化水素及びフェニル尿
素、飽和脂肪族アルコールを有効成分として含有するこ
とを特徴とするステンレス鋼の酸洗処理液。 - 【請求項３】 飽和脂肪族アルコールが、ｎ−プロパノ
ール、１，３−ブタンジオール、１，４−ブタンジオー
ルからなる群から選ばれるものであることを特徴とする
請求項２記載のステンレス鋼の酸洗処理液。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2398196A JPH09217184A (ja) | 1996-02-09 | 1996-02-09 | ステンレス鋼の酸洗処理液 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2398196A JPH09217184A (ja) | 1996-02-09 | 1996-02-09 | ステンレス鋼の酸洗処理液 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09217184A true JPH09217184A (ja) | 1997-08-19 |
Family
ID=12125749
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2398196A Pending JPH09217184A (ja) | 1996-02-09 | 1996-02-09 | ステンレス鋼の酸洗処理液 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09217184A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100666527B1 (ko) * | 2005-02-17 | 2007-01-09 | 주식회사 한솔케미칼 | 스테인레스 강철 무질산 산세 처리액 |
| KR101242990B1 (ko) * | 2010-12-28 | 2013-03-12 | 주식회사 포스코 | 표면 품질 개선을 위한 페라이트계 스테인리스 냉연강판의 산세공정 |
| KR101243021B1 (ko) * | 2010-12-28 | 2013-03-12 | 주식회사 포스코 | 저크롬계 페라이트계 스테인레스 강판의 산세 결함 저감 방법 및 제거 방법 및 산세용액 |
| JP2015523469A (ja) * | 2012-07-31 | 2015-08-13 | ポスコ | オーステナイト系ステンレス冷延鋼板を製造するための高速酸洗プロセス |
| JP2015537124A (ja) * | 2012-12-11 | 2015-12-24 | ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェンＨｅｎｋｅｌ ＡＧ ＆ Ｃｏ．ＫＧａＡ | ステンレス鋼表面の光沢化および不動態化 |
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1996
- 1996-02-09 JP JP2398196A patent/JPH09217184A/ja active Pending
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