JPH0921713A - 線材加工ラインにおける線材の張力測定方法、張力測定装置及び張力制御装置 - Google Patents

線材加工ラインにおける線材の張力測定方法、張力測定装置及び張力制御装置

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JPH0921713A
JPH0921713A JP7194304A JP19430495A JPH0921713A JP H0921713 A JPH0921713 A JP H0921713A JP 7194304 A JP7194304 A JP 7194304A JP 19430495 A JP19430495 A JP 19430495A JP H0921713 A JPH0921713 A JP H0921713A
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tension
wire
vibration
frequency
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JP7194304A
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English (en)
Inventor
Sadahisa Fujimura
禎久 藤村
Takao Yabumi
崇生 藪見
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 線材加工ラインにおける線材の張力をより直
接的かつ精度よく測定することができ、測定場所の制約
も少ない張力測定方法及び装置を提供する。 【構成】 張力測定装置100においては、CCDセン
サ13により検出された線材Wの振動の周波数が周波数
算出手段31により算出され、その周波数に基づいて線
材Wの張力が算出される。検出された振動の波形は基本
振動の周波数スペクトルに分離され、その周波数スペク
トルにおいて最も振幅の大きい基本振動の周波数が測定
周波数として採用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、線材圧延ラインや
線引加工ラインなどの線材加工ラインにおいて、線材の
張力を測定する方法及びその装置、さらにはその張力測
定装置を利用した張力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば複数の圧延機により線材に多段圧
延加工を施す線材圧延ラインにおいては、2台の隣接し
て配置された圧延機の間に存在する線材部分の張力を測
定する方法として、被加工線材が上流側の圧延機のみに
噛み込まれた状態と、下流側の圧延機にも噛み込まれた
状態との間における、その上流側の圧延機の駆動モータ
のトルクの変化を測定し、その変化に基づいて線材の張
力を測定することが行われている。この場合、以後の張
力変動は、線材が下流側の圧延機に噛み込まれた時点で
測定された張力を基準値として、上記トルクの変動に基
づき、その基準値に対する相対値として測定されること
となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記方法の場合、線材
の張力は圧延機の駆動モータのトルクから間接的に測定
されるので、モータ電源の電圧変動などにより誤差を生
じやすい欠点がある。
【0004】本発明の課題は、線材加工ラインにおける
線材の張力をより直接的かつ精度よく測定することがで
きる張力測定方法及び装置、さらにはその張力測定装置
を使用することにより高精度で線材の張力制御を行うこ
とができる張力制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】本発明
は、線材を長手方向に搬送しながらこれに加工を施す線
材加工ラインにおいて、その線材の張力を測定する方法
に関し、上述の課題を解決するために、下記の工程を含
むことを特徴とする。 線材の搬送路に沿って所定の間隔で配置され、該線材
の搬送を許容しつつその線材を支持する第一及び第二の
線材支持部の間において、その線材の振動を検出する工
程。 その検出された振動の周波数を算出する工程。 その算出された周波数に基づいて線材の張力を算出す
る工程。
【0006】また、上記方法を実施するための本発明の
張力測定装置は、下記の要件を含むことを特徴とする。 振動検出手段:線材の搬送を許容しつつその線材を支
持するとともに、線材の搬送路に沿って所定の間隔で配
置された第一及び第二の線材支持部の間において、その
線材の振動を検出する。 周波数算出手段:検出された振動の周波数を算出す
る。 張力算出手段:その算出された振動周波数に基づいて
線材の張力を算出する。
【0007】上述の張力測定方法ならびに装置によれ
ば、第一及び第二の線材支持部の間において線材に生ず
る振動が検出され、その振動の周波数に基づいて線材の
張力が測定される。すなわち、線材の張力が振動周波数
から直接的に測定されるので、張力の測定精度を大幅に
高めることができる。特に、線材の搬送速度が30m/
秒を超える高速精密圧延においても、線材の張力を比較
的容易にかつ高精度で測定することができる。
【0008】上記のような振動は、線材がその搬送方向
と交差する向きの外力を受けることで発生するが、この
ような振動は線材加工の実施に伴い不可避的に生ずるも
のを利用することができる。しかしながら、上記外力を
線材に与える手段、例えば線材に対し横方向から打撃を
加える打撃手段を設けて、強制的に振動を発生させるこ
とも可能である。
【0009】一方、第一及び第二の線材支持部は、線材
の搬送を許容した状態でこれを支持できるものであれば
各種使用することができる。具体的には、線材搬送路の
端部ないし中間に設けられた各種装置ないし設備類、す
なわち線材圧延機、線材送りローラ(ピンチローラ
等)、補助ローラ、ダンサーロール、線引加工ダイス、
線材供給装置、線材巻取装置などを使用することができ
る。従って、上記装置ないし設備類に挟まれた領域であ
れば、基本的に線材搬送路のどの位置でも測定を行うこ
とができ、測定位置の制約が少ない。さらに、線材圧延
ラインに限らず、ダイス引抜きによる線引加工ラインな
ど、各種加工方式のラインに対し適用が可能であり、汎
用性にも富むものとなる。
【0010】次に、振動検出手段は、線材の像を検出す
るイメージセンサを含み、その像の変位の時間的な変動
に基づいて線材の振動波形を検出するものとすることが
できる。イメージセンサとしては、1次元ないし2次元
のCCDセンサや撮像管等を使用することができる。
【0011】また、周波数算出手段は、振動検出手段が
検出した振動波形を基本振動の周波数スペクトルに分離
する演算を行い、その周波数スペクトルにおいて、線材
加工ラインに含まれるノイズ振動発生源からの振動成分
を除いて、その最も振幅の大きい基本振動の周波数を、
線材の測定周波数として採用するものとして構成するこ
とができる。ここで、「基本振動の周波数スペクトルに
分離する演算」とは、各種周波数の正弦波を基本振動と
して、振動波形をその正弦波の重ね合わせで表現した場
合に、その基本振動の周波数と振幅(ないし振動強度)
の関係を求めることをいう。具体的には、検出された振
動波形をフーリエ級数展開し、展開された各正弦関数項
の係数(フーリエ係数)の値から各基本振動の振幅(な
いしは振幅に関係する値)を算出することができる。こ
の場合、各フーリエ係数の値を簡便かつ迅速に算出する
方法として、公知のフーリエ変換処理、特に高速フーリ
エ変換処理を使用することが有効である。
【0012】次に、本発明の張力制御装置は、上述の張
力測定装置と、その張力測定装置による張力測定結果に
基づいて、搬送される線材の張力を調整する張力調整手
段とを備える。このような張力制御装置によれば、上述
の張力測定装置により線材の張力を精密にモニタしなが
ら、きめ細かくかつ正確な張力制御を行うことができ、
ひいては加工される線材の寸法精度を向上させることが
できる。特に、前述の高速精密圧延においては、線材の
搬送速度が大きいにも拘わらずその張力を高精度で制御
することができ、ひいては線材の加工寸法精度を向上さ
せることができる。ここで、第一及び第二の線材支持部
が、それぞれ線材に対し圧延ロールにより圧延加工を施
す圧延装置とされている場合には、上記張力調整手段
は、それら圧延装置の少なくともいずれかに対し、その
圧延ロールの回転速度を変化させることにより線材の張
力を調整するものとして構成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のいくつかの実施の
形態を図面に基づいて説明する。図1は線材圧延ライン
の一例を模式的に示すものである。鋼線等の線材Wは図
示しない加熱炉において所定の温度に加熱された後、第
一の線材支持部を構成する第一圧延機1において1段目
の圧延加工が施され、続いて第二の線材支持部を構成す
る第二圧延機2により2段目の圧延加工が施される。本
説明においては、第一圧延機1は原料線材を所定の線径
まで粗加工する高速ブロックミルとされ、第二圧延機2
は粗加工後の線材の線径を定められた寸法にサイジング
するサイジングミルとされており、線材Wの搬送速度が
100m/sec程度、サイジング後の線径の寸法公差が±
0.1mm程度に設定された高速精密圧延を例にとってい
る。
【0014】第一圧延機1及び第二圧延機2は、それぞ
れ線材Wの搬送方向に所定の間隔で配置された複数の圧
延ロールの組3及び4を含んでいる。これら各圧延ロー
ルの組3(4)は、図3に示すように、それぞれ線材W
の長手方向に対しほぼ直角に配置された2本のロール3
a(4a)からなり、各ロール3a(4a)の線材Wと
の接触部には、線材Wの断面に対応する形状の溝部3b
(4b)が形成されている。また、図1に示すように、
各圧延ロール3(4)は、互いに隣り合う組の間でその
ロール回転軸がほぼ90℃の角度をなすように配置され
ており、分配減速器5(6)を介して駆動モータ7
(8)により回転駆動されるようになっている。ここ
で、第一圧延機1の駆動モータ7は予め定められた回転
数で定速駆動されるのに対し、第二圧延機の2の駆動モ
ータ8はその回転速度が可変とされている。
【0015】これら第一及び第二圧延機1及び2の間に
おいて、線材Wの搬送路の中間には、振動検出手段とし
ての像検出ユニット9が設けられている。像検出ユニッ
ト9は、図2に示すように、光源10とコリメータレン
ズ11とを備えて平行ビームを線材Wに向けて発する光
照射部12と、イメージセンサとしての1次元CCDセ
ンサ13と受光レンズ14とを備えた受光部15とを備
える。そして、CCDセンサ13上には、上記平行ビー
ムのうち線材Wに遮光された残りの部分を照射され、線
材Wの影が像として投影される。なお、光源10からの
光を線材Wの表面で反射させ、その反射光により線材W
の像を結ぶようにしてもよい。ここで、像検出ユニット
9は、図3中に矢印で示すように、そのCCDセンサ1
3への光の入射方向が、互いに隣接する圧延ロール3a
(4a)の回転軸線V及びH同士のなす角度(ほぼ90
°となる)をほぼ2等分する位置関係で配置されてい
る。
【0016】図4は、本発明の張力制御装置の一構成例
を示している。張力制御装置100においてCCDセン
サ13は、センサコントローラ16を介してI/Oポー
ト23に接続されている。このセンサコントローラ16
は、直鎖状に接続されたシーケンサ17、アンプ18、
フィルタ19、A/D変換器20、比較器21及びパル
スカウンタ22を含む。また、I/Oポート23には、
CPU24、周波数スペクトル演算プログラム25a等
が格納されたROM25、及びRAM26が接続され、
これらが波形解析部27を形成している。そして、この
波形解析部27が前述の像検出ユニット9とともに線材
Wの振動波形を検出する振動検出手段を構成する。ここ
で、CPU24はディジタルシグナルプロセッサなど、
信号処理に適したものが使用される。
【0017】次に、CPU24は、張力算出・制御部3
1内に設けられたCPU33に接続されており、波形解
析部27からのデータがその張力算出・制御部31に直
接転送されるようになっている。張力算出・制御部31
は上記CPU33の他、ROM28、RAM29、及び
それらが接続されるI/Oポート30を備える。そのR
OM28には、周波数算出プログラム28a、張力算出
プログラム28b、張力算出用データテーブル28c、
圧延機駆動モータ制御プログラム28d、及び張力設定
プログラム28e等が格納されており、RAM29に随
時書き込まれて使用される。また、RAM29には張力
設定値記憶部29a、制御パラメータ記憶部29bが設
けられている。
【0018】次に、I/Oポート30には、モータ駆動
・制御回路32が接続されており、これに第二圧延機2
の駆動モータ8がつながれている。また、I/Oポート
30には、測定張力値を表示したり、制御パラメータの
入力画面等を表示するモニタ35が表示制御部34を介
して接続されている。また、そのパラメータ入力等に使
用されるキーボード等の入力部36も同様にI/Oポー
ト30に接続されている。
【0019】以下、張力制御装置100の作動について
説明する。図1において、線材Wは第一及び第二圧延機
1及び2により圧延されながら長手方向に搬送される。
そして、像検出ユニット9において線材Wの像がCCD
センサ13(図2)上に結ばれる。ここで、図5に示す
CCDセンサ13の感光セル13bのうち、受光したも
のには電荷が蓄積され、その電荷がシーケンサ17(図
4)により、例えば一方の側のものから順次所定のクロ
ック周波数で取り出される。そして図4に示すように、
その取り出された電荷信号はアンプ18で増幅され、さ
らにフィルタ19により波形調整された後、A/D変換
器20によりデジタル信号とされる。
【0020】続いてそのデジタル信号は、比較器21に
より所定のレベルを超えるものが「1」、そのレベルを
下回るものが「0」として二値信号化され、例えばその
「1」信号がパルスカウンタ22によりカウントされて
波形解析部27へ送られる。ここで、図6に示すよう
に、線材Wのエッジ部W0の位置は、CCDセンサ13
上において、上記「0」信号に対応する感光セル13d
と「1」信号に対応する感光セル13cの境界位置とし
て表れる。そして、この境界部(すなわち線材Wのエッ
ジ)のCCDセンサ13上における位置の時間変化を測
定することにより、図7に示すような線材Wの振動波形
Oが得られることとなる。
【0021】以下、フローチャートに基づいて、張力測
定及び張力制御のための処理の流れを説明する。図8は
波形解析部27(図4)における処理の流れを示してお
り、A1において線材Wのエッジ位置をサンプリング周波
数FSでサンプリングするとともに、A2においてこれを
波形化する。ここで、そのサンプリング周波数は、測定
される線材の振動の周波数帯域(線材Wの寸法や材質に
応じて定まる)を考慮して調整される。この場合、張力
測定結果の精度向上の観点から、上記サンプリング周波
数FSは、測定される振動波形の最大周波数の2〜3倍
程度に設定するのがよい。
【0022】続いて、A3において、得られた振動波形に
対し高速フーリエ変換処理を施すことにより、その振動
波形を、図9に示すように正弦波(基本振動)の重ね合
わせで表現した場合の各基本振動の振幅(ないし振動強
度)を算出する。これにより、図10に示すような、振
動波形を構成する基本振動の振幅Aと周波数fの関係
(周波数スペクトル)が得られることとなる。そして上
記周波数fと対応付けられた振幅Aの値が、周波数スペ
クトルデータとして張力算出・制御部31(図4)側へ
転送される。この一連の処理は、ROM25に格納され
た周波数スペクトル演算プログラム25aに基づいて実
施される。
【0023】張力算出・制御部31においては、図11
及び図12に示すフローチャートに従い、線材Wの張力
の算出と制御とが行われる。すなわち、周波数算出プロ
グラム28aが起動され、図11のS1において波形解析
部27から転送されてきた周波数スペクトルデータを受
信する。そして、図10に示す周波数スペクトルにおい
て、振幅A(スペクトル強度)の最大値Amに対応する
基本振動の周波数fmを求める(S2)。なお、図10に
おいては、振幅が最大となる周波数fmの他にも、それ
よりも高周波領域に比較的大きな強度ピーク(例えばf
g)が認められるが、このピークは圧延機の駆動モータ
等、線材圧延ラインに含まれるノイズ振動発生源から発
せられる振動に基づくものである。このノイズ振動によ
るピークは、例えばモータの駆動等に起因するものであ
れば、線材Wの振動に基づくピークよりも必ず高周波側
に表れることが知られており、容易に判別・除去するこ
とができる。例えば周波数fmを算出する際に、ノイズ
振動を拾わないように、算出に使用する周波数領域を予
め設定しておき、その範囲内で演算を行うようにすれば
よい。
【0024】次に、S3において、張力算出用データテー
ブル28c(図4)から、張力の算出に必要なデータ
(例えば線材Wの断面積、密度、温度、第一圧延機1及
び第二圧延機2の配置間隔(すなわち、線材Wの振動部
の長さ)等)が読み出され、S4において前述の周波数f
mとその読み出された算出用データとを用いて張力θが
算出される。算出された張力θはモニタ35に表示され
る。
【0025】例えば、張力Tは、次の数1に基づいて算
出することができる。
【0026】
【数1】
【0027】ただし、fは振動周波数、nは振動モー
ド、Lは第一圧延機1及び第二圧延機2の配置間隔、T
は張力、ρは線材Wの単位長さ当りの重量である。
【0028】次に、S5において設定張力値θ0が読み出
され、図12のS101において測定張力値θと比較され
る。ここで、設定張力値θ0は、張力設定プログラム2
8e(図4)に基づいて予め入力部36等から入力さ
れ、RAM29の張力設定値記憶部29aに記憶されて
いる。そして、比較結果がθ0>θであった場合はS101
からS102へ向かう流れとなり、設定張力値からのずれΔ
θ(=θ0−θ)の値が下限設定値B1よりも大きく上限
設定値M1よりも小さければ、第二圧延機2の駆動モー
タ8(図1)の回転数が設定値ΔR1だけ上昇させられ
る(S103〜S105)。これにより、線材Wの張力θが増加
して設定値θ0に近づくこととなる。ここで、S104にお
いてΔθが上限設定値M1を超えた場合には、線材Wに
切断等のトラブルが発生したものとみなされ、S106に進
んで圧延ラインの運転が停止される。
【0029】一方、比較結果がθ0<θの場合はS107か
らS108に向かう流れとなり、Δθ(=θ−θ0)の値が
下限設定値B2よりも大きく上限設定値M2よりも小さけ
れば、第二圧延機2の駆動モータ8(図1)の回転数が
設定値ΔR2だけ減少させられる(S109〜S111)。これ
により張力θが減少して設定値θ0に近づく。なお、Δ
θが上限設定値M2を超えた場合には、線材Wの切断等
を防止するために、S110からS112に進んで圧延ラインの
運転が停止される。
【0030】なお、上記処理においてΔθの値が下限設
定値B1(ないしB2)以下となった場合は張力θは適性
値にあるとみなされ、駆動モータ8の回転数は変更され
ない。その後、制御の流れはS1(図11)に戻り、以下
同様の処理が繰り返されて、線材Wの張力θは設定値θ
0の近傍に維持されることとなる。なお、上記下限設定
値B1及びB2ならびに上限設定値M1及びM2の値は、入
力部36から予め入力されてRAM29の制御パラメー
タ記憶部29b(図4)に記憶されている。
【0031】以上、本発明の実施の形態の一例を説明し
たが、線材Wの振動波形から周波数fmを算出するに当
たっては、高速フーリエ変換処理に基づいて周波数スペ
クトルを求める方法以外に、設定張力値θ0の値に対応
する周波数F0を予め設定しておき、その周波数F0を中
心とする所定の周波数帯域をカバーするように構成され
た、バイクワッドフィルタ等の公知の帯域通過型フィル
タプログラム(ないし回路)を利用する態様とすること
もできる。この場合、測定された振動波形にフィルタ処
理を施し、そのフィルタ処理後の波形シグナルの大小に
基づいて、張力θが設定値θ0からずれているか否かを
判定することができる。そして、その波形シグナルがな
るべく大きくなるように、駆動モータ8の回転数を調整
することにより、張力θの値は設定張力値θ0の近傍に
維持されることとなる。また、張力制御はフィードバッ
ク制御により行っているがフィードフォワード制御によ
り行うようにしてもよい。
【0032】さらに、第一及び第二の線材支持部は必ず
しも両方を線材圧延機とする必要はなく、例えば図13
(a)に示すように一方を補助ロール102とし、他方
を圧延機101としたり、(b)に示すように、一方を
線材貯溜部を作るダンサーロール103とし、他方を圧
延機101とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】線材加工ラインの一例を概念的に示す平面図。
【図2】像検出ユニットの側面図。
【図3】線材と圧延ロールの相対的な位置関係を示す説
明図。
【図4】張力制御装置の構成を示すブロック図。
【図5】CCDセンサの構造を示す断面模式図。
【図6】CCDセンサ上に線材の像が結ばれた状態を示
す断面模式図。
【図7】線材の振動波形の一例を示す図。
【図8】波形解析部における処理の流れを示すフローチ
ャート。
【図9】振動波形を基本振動の重ね合わせで表した状態
を示す模式図。
【図10】周波数スペクトルの一例を示す図。
【図11】張力算出・制御部における処理の流れを示す
フローチャート。
【図12】図11に続くフローチャート。
【図13】第一及び第二の線材支持部を圧延機以外で構
成した例を示す模式図。
【符号の説明】
1 第一圧延機(第一の線材支持部) 2 第二圧延機(第二の線材支持部) 3、4 圧延ロール 9 像検出ユニット(振動検出手段) 27 波形解析部(振動検出手段) 31 張力算出・制御部(周波数算出手段、張力算出手
段、張力制御手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線材を長手方向に搬送しながらこれに加
    工を施す線材加工ラインにおいて、その線材の張力を測
    定する方法であって、 前記線材の搬送路に沿って所定の間隔で配置され、該線
    材の搬送を許容しつつその線材を支持する第一及び第二
    の線材支持部の間において、その線材の振動を検出する
    工程と、 その検出された振動の周波数を算出する工程と、 その算出された周波数に基づいて前記線材の張力を算出
    する工程と、 を含むことを特徴とする線材加工ラインにおける線材の
    張力測定方法。
  2. 【請求項2】 線材を長手方向に搬送しながらその線材
    に加工を施す線材加工ラインにおいて、その線材の張力
    を測定する装置であって、 前記線材の搬送を許容しつつその線材を支持するととも
    に、前記線材の搬送路に沿って所定の間隔で配置された
    第一及び第二の線材支持部の間において、その線材の振
    動を検出する振動検出手段と、 その検出された振動の周波数を算出する周波数算出手段
    と、 その算出された振動周波数に基づいて前記線材の張力を
    算出する張力算出手段と、 を含む線材加工ラインにおける線材の張力測定装置。
  3. 【請求項3】 前記振動検出手段は、前記線材の像を検
    出するイメージセンサを含み、その像の変位の時間的な
    変動に基づいて該線材の振動波形を検出するものとされ
    る請求項2記載の線材の張力測定装置。
  4. 【請求項4】 前記周波数算出手段は、前記振動検出手
    段が検出した前記振動波形を基本振動の周波数スペクト
    ルに分離する演算を行い、その周波数スペクトルにおい
    て、前記線材加工ラインに含まれるノイズ振動発生源か
    らの振動成分を除いて、その最も振幅の大きい基本振動
    の周波数を、前記線材の測定周波数として採用するもの
    である請求項3記載の張力測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4に記載の張力測定装置
    と、 その張力測定装置による張力測定結果に基づいて、前記
    搬送される線材の張力を調整する張力調整手段と、 を備えたことを特徴とする線材加工ラインにおける線材
    の張力制御装置。
  6. 【請求項6】 前記第一及び第二の線材支持部は、それ
    ぞれ前記線材に対し圧延ロールにより圧延加工を施す圧
    延装置とされ、 前記張力調整手段は、それら圧延装置の少なくともいず
    れかに対し、その圧延ロールの回転速度を変化させるこ
    とにより、前記線材の張力を調整するものとされている
    請求項5記載の張力制御装置。
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