JPH09215156A - 密封多極絶縁端子構造体およびその製造方法 - Google Patents

密封多極絶縁端子構造体およびその製造方法

Info

Publication number
JPH09215156A
JPH09215156A JP8019037A JP1903796A JPH09215156A JP H09215156 A JPH09215156 A JP H09215156A JP 8019037 A JP8019037 A JP 8019037A JP 1903796 A JP1903796 A JP 1903796A JP H09215156 A JPH09215156 A JP H09215156A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor
sealing member
terminal structure
insulated terminal
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8019037A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Yoshinaga
功夫 好永
Kazuharu Kato
和晴 加藤
Tadayoshi Murakami
忠禧 村上
Osamu Hiroi
治 廣井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP8019037A priority Critical patent/JPH09215156A/ja
Publication of JPH09215156A publication Critical patent/JPH09215156A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Installation Of Indoor Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の原子炉格納容器等の電線貫通部のモジ
ュールは、封止部材としてエポキシ樹脂が用いられてい
るので、高温高圧状態での気密性が劣るとともに、気密
性に対する長期信頼性が得られない。 【解決手段】 漏れ監視空間を有するモニタリングディ
スク2が円筒状のスリーブ部材5の内部空間内に配設さ
れ、一対の離型板3,3がモニタリングディスク2を挟
んで両側に配設され、複数の導体4がモニタリングディ
スク2および一対の離型板3,3を貫通して配設され、
さらに一対の封止部材1,1がモニタリングディスク2
と一対の離型板3,3とのそれぞれの間に充填されてい
る。この封止部材1は、ガラス質粉末とマイカ粉末との
混合比が60〜70:30〜40重量%の範囲としたマイカ−ガ
ラス系セラミックスで構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高度な気密性を
必要とする容器において、容器内外で電力あるいは制御
・計測用信号を送受するものであり、電子力発電所の電
子炉格納容器電線貫通部に適用可能な密封多極絶縁端子
構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13は例えば特公昭54−33357
号公報に示された従来の原子炉格納容器電線貫通部およ
びモジュール構造を示す全体斜視図である。図におい
て、18はモジュールであり、このモジュール18の両
端にはケーブル19がそれぞれ接続されている。20は
端板であり、この端板20には3つの貫通孔20aが設
けられ、さらに細孔20bが各貫通孔20a間を連通す
るように設けられている。23は一端が端板20に溶接
で固着されたパイプ状のケーシングであり、このケーシ
ング23の他端が図示されていないが格納容器の貫通配
管と溶接される。そして、モジュール18はOリング
(図示せず)を介して各貫通孔20aにそれぞれ挿入さ
れ、金具21にて端板20に固定されている。また、圧
力計等で構成される漏れ検出器22が細孔20bに接続
されている。
【0003】ここで、モジュール18の構造について図
14を参照しつつ説明する。環状のヘッダ24は外周壁
面に複数のOリング溝24aが設けられ、端板20の貫
通孔20aに封止係合できるように構成されている。ま
た、ヘッダ24には後述する漏れ監視空間28に接続で
きるように孔24bが設けられている。このヘッダ24
内には、複数の穴26aを有する一対の絶縁円板26が
穴26aを整列させて、かつ、スペーサ27により離間
されて漏れ監視空間28を形成するように配設されてい
る。各導体25は一対の絶縁円板26の整列された穴2
6aに挿通され、その両端がスプライス31によりケー
ブル19に接続されている。また、ヘッダ24の両端に
はシュラウド29が取り付けられている。このシュラウ
ド29の内部には、境面30aの位置までエポキシ樹脂
30が充填され、残りの空間は別のエポキシ樹脂32が
充填されている。
【0004】つぎに、従来のモジュール18の製造方法
について説明する。なお、製造方法はモジュール18の
両端で同等であるので、その一端について説明する。絶
縁円板26をヘッダ24の内表面に対して所定の位置に
取り付け、漏れ監視空間28を形成する。そして、絶縁
円板26の穴26aに導体25をそれぞれ挿通され、エ
ポキシ樹脂30を境面30aまで注入して封止する。こ
の時、導体25はサンドブラスト等によりその表面に微
小な凹凸を形成しておき、エポキシ樹脂との密着性を向
上させる。また、エポキシ樹脂30は硬化時に収縮して
導体25の表面部を効果的に封止する。ついで、導体2
5の露出した延長端25aをスプライス31によってケ
ーブル19と接続する。その後、別のエポキシ樹脂32
をシュラウド29により形成された残部分に注入してケ
ーブル19周りを保護する。なお、エポキシ樹脂32は
単にケーブル19間の絶縁およびケーブル19の支持と
して作用させるものであり、必ずしも圧縮封止特性を持
つ必要はない。
【0005】このように製造されたモジュール18は、
図13に示されるように、格納容器の貫通配管に取り付
けられた端板20に取り付けられる。このような貫通部
における気密性の確認は、外部から細孔20bを通って
2ガスを供給し、該N2ガス孔24bを介して漏れ監視
空間28に導入し、該N2ガスの圧力変動を漏れ検出器
22にて監視して行っている。すなわち、導体25とエ
ポキシ樹脂30との間で封止が不十分であれば、漏れ監
視空間28に導入されたN2ガスが漏れるので、漏れ検
出器22にて圧力の降下として検出することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の原子炉格納容器
等に使用される電線貫通部のモジュールは以上のように
封止部材として有機材であるエポキシ樹脂30が用いら
れているので、設計条件を上回る非常に高い温度条件下
ではエポキシ樹脂が炭化する可能性があり、この状態で
圧力が加わると破損する危険性が生じるという課題があ
った。また、封止部材が有機材であるので、熱劣化、放
射線照射等により気密性に対する長期信頼性が損なわれ
るという課題もあった。
【0007】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、高温高圧の条件下においても気
密性を維持できるとともに、気密性に対する長期信頼性
を向上させることができる密封多極絶縁端子構造体およ
びその製造方法を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
係る密封多極絶縁端子構造体は、漏れ監視空間を有する
耐熱セラミックスでなるモニタリングディスクが円筒状
のスリーブ部材の内部空間内に配設され、一対の離型板
がスリーブ部材の内部空間内にモニタリングディスクを
挟んで両側に配設され、複数の導体がモニタリングディ
スクおよび一対の離型板を貫通して配設され、マイカ―
ガラス系セラミックスでなる一対の封止部材がスリーブ
部材の内部空間のモニタリングディスクと一対の離型板
とのそれぞれの間に充填されて、複数の導体の周囲およ
びスリーブ部材の内部空間を気密封止してなる密封多極
絶縁端子構造体において、封止部材は、ガラス質粉末と
マイカ粉末との混合比が60〜70:30〜40重量%の範囲と
したマイカ―ガラス系セラミックスで構成されているも
のである。
【0009】この発明の第2の発明に係る密封多極絶縁
端子構造体は、上記第1の発明において、モニタリング
ディスクは、絶縁性セラミックスで作製された円板状を
なし、複数の導体を挿通する導体貫通孔が複数設けら
れ、かつ、外周端面から各導体貫通孔に達する細孔が設
けられているものである。
【0010】この発明の第3の発明に係る密封多極絶縁
端子構造体は、上記第1の発明において、ガラス質粉末
はホウケイ酸鉛ガラスであり、その組成がPbO:78〜80
重量%、B2O3:8〜10重量%、SiO2:2〜5重量%、Bi2O3:6
〜8重量%、AlF3:1〜3重量%から構成されるものであ
る。
【0011】この発明の第4の発明に係る密封多極絶縁
端子構造体は、上記第1の発明において、マイカ粉末は
主粒径が60〜200μmの合成マイカとしたものである。
【0012】この発明の第5の発明に係る密封多極絶縁
端子構造体は、上記第1の発明において、マイカ粉末は
主粒径が3〜40μmの合成マイカとしたものである。
【0013】この発明の第6の発明に係る密封多極絶縁
端子構造体は、上記第1の発明において、封止部材は、
モニタリングディスク側を流動性の高い組成に、離型板
側を流動性の低い組成に構成されているものである。
【0014】この発明の第7の発明に係る密封多極絶縁
端子構造体は、上記第1の発明において、封止部材は、
モニタリングディスク側および離型板側を流動性の低い
組成に、中央部を流動性の高い組成に構成されているも
のである。
【0015】この発明の第8の発明に係る密封多極絶縁
端子構造体は、上記第1の発明において、封止部材の熱
膨張係数を9〜13×10-6/℃、導体の熱膨張係数を10〜1
7×10-6/℃の範囲としたものである。
【0016】この発明の第9の発明に係る密封多極絶縁
端子構造体は、上記第1の発明において、導体は、良電
気伝導性を有する素線外周にクラッド層を設けた複合線
材とし、クラッド層の厚さが複合線材外径の3〜5%の
範囲としたものである。
【0017】この発明の第10の発明に係る密封多極絶
縁端子構造体は、上記第1の発明において、導体は、良
電気伝導性を有する素線外周にクラッド層を設けた複合
線材に酸化防止用のメッキを施して構成されているもの
である。
【0018】この発明の第11の発明に係る密封多極絶
縁端子構造体は、上記第1の発明において、離型板、モ
ニタリングディスクの少なくとも一方は、導体が挿通さ
れる導体貫通孔に封止部材に接触する面側から座ぐり加
工が施されているものである。
【0019】この発明の第12の発明に係る密封多極絶
縁端子構造体は、上記第1の発明において、離型板の導
体貫通孔と該導体貫通孔を挿通する導体との間が低融点
ガラスによりガラス封止されているものである。
【0020】この発明の第13の発明に係る密封多極絶
縁端子構造体は、上記第1の発明において、離型板は、
導体が挿通される導体貫通孔に封止部材と接触しない面
側から座ぐり加工が施され、ガラス封止する低融点ガラ
スが該座ぐり加工部に導体周りを包囲して充填されてい
るものである。
【0021】この発明の第14の発明に係る密封多極絶
縁端子構造体の製造方法は、ガラス質粉末とマイカ粉末
とを60〜70:30〜40重量%で混合し円板状の粗成形封止
部材とする工程と、この粗成形封止部材の厚さ方向に導
体貫通孔を形成する工程と、円板状の離型板に粗成形封
止部材の導体貫通孔と対応する位置の導体貫通孔を形成
する工程と、円板状のモニタリィングディスクに漏れ検
知機能を有する粗成形封止部材の導体貫通孔と対応する
位置の導体貫通孔を形成する工程と、粗成形封止部材、
離形板およびモニタリィングディスクを各導体貫通孔を
整列させ、かつ離型板、粗成形封止部材、モニタリング
ディスク、粗成形封止部材、離型板の順に積層して封止
組立部材を構成する工程と、この整列した貫通孔に導体
を挿通する工程と、この導体を挿通した封止組立部材を
円筒状のスリーブ部材に挿入し、粗成形封止部材の軟化
・流動化温度に加熱する行程と、封止組立部材を加圧
し、粗成形封止部材を流動させスリーブ部材および導体
とを封止し、かつ粗成形封止部材を加熱しセラミックス
化させて封止部材とする工程とを有するものである。
【0022】この発明の第15の発明に係る密封多極絶
縁端子構造体の製造方法は、上記第14の発明におい
て、粗成形封止部材およびスリーブ部材の加熱温度が5
00〜550℃の範囲であるものである。
【0023】この発明の第16の発明に係る密封多極絶
縁端子構造体の製造方法は、上記第14の発明におい
て、加圧成形金型の予熱温度が400〜450℃の範囲
で、加圧圧力が300〜600kg/cm2の範囲であ
るものである。
【0024】この発明の第17の発明に係る密封多極絶
縁端子構造体の製造方法は、上記第14の発明におい
て、モニタリングディスクに加工される導体貫通孔は、
粗成形封止部材に加工される導体貫通孔の外径より小径
に加工されるものである。
【0025】この発明の第18の発明に係る密封多極絶
縁端子構造体の製造方法は、上記第14の発明におい
て、離型板に加工される導体貫通孔は、粗成形封止部材
に加工される導体貫通孔の外径より小径に加工されるも
のである。
【0026】この発明の第19の発明に係る密封多極絶
縁端子構造体の製造方法は、上記第14の発明におい
て、封止組立部材を加圧し、粗成形封止部材を流動させ
スリーブ部材および導体とを封止し、かつ粗成形封止部
材を加熱しセラミックス化させて封止部材とした後、離
型板の導体貫通孔を挿通する導体と離型板とを低融点ガ
ラスによりガラス封止するものである。
【0027】この発明の第20の発明に係る密封多極絶
縁端子構造体の製造方法は、上記第19の発明におい
て、離型板の導体貫通孔周りに導体径よりおおきな径で
ガラス溜めの座ぐり加工が施されているものである。
【0028】この発明の第21の発明に係る密封多極絶
縁端子構造体の製造方法は、上記第19の発明におい
て、低融点ガラスはホウケイ酸系ガラスであり、その熱
膨張率が10〜13×10-6/℃の範囲であるものであ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
に基づいて説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に係る密
閉多極絶縁端子構造体(以下、構造体という)を示す要
部断面図であり、図において1はマイカ−ガラス系セラ
ミックスからなる封止部材、2はモニタリングディスク
であり、このモニタリングディスク2は、図示を省略し
ているが、耐熱性および絶縁性を有するマシナブルセラ
ミックスからなる一対の円板をスペーサにより離反させ
て漏れ空間を形成するように構成され、図14に示した
穴26aを有する一対の絶縁円板26をスペーサ27に
より離反させて漏れ監視空間28を形成するように構成
された従来技術と同様の機能を有する。3はセラミック
ス板からなる離型板、4は封止部材1、モニタリングデ
ィスク2および離型板3の整列された各導体貫通孔に挿
通された導体、5は円筒状のスリーブ部材、5aはスリ
ーブ部材5の中央部に設けられた漏れ監視用貫通孔であ
る。ここで、図1は密閉多極絶縁端子構造体の気密性を
保持させる部分を示すもので、封止部材1、スリーブ部
材5は、図14に示されるモジュール18におけるエポ
キシ樹脂30、ヘッダ24にそれぞれ相当している。
【0030】図2はこの発明の実施の形態1に係る密閉
多極絶縁端子構造体におけるモニタリングディスクの他
の実施態様を示す要部断面図である。図において、多孔
質セラミックスからなるモニタリングディスク6を用い
た例を図2の(a)に、マシナブルセラミックスからな
るモニタリングディスク7を用いた例を図2の(b)に
それぞれ示している。なお、モニタリングディスク7に
は各導体4を挿通させる導体貫通孔間を連通するように
細孔7aが形成されている。図2の(a)においては、
スリーブ部材5に設けられた漏れ監視用貫通孔5aを介
して外部から供給されたガス(例えばN2ガス)は、モ
ニタリングディスク6をなす多孔質セラミックスの空隙
を通って封止部材1と導体4との界面まで達する。そし
て、封止部材1と導体4とが剥離等により両者の密着性
が損なわれていると、図中に矢印で示されるようにガス
が流れ、外部から加圧しているガス圧が低下する。そこ
で、該ガス圧を監視することにより、リークが発生して
いることを検知することができる。また、図2の(b)
においては、スリーブ部材5に設けられた漏れ監視用貫
通孔5aを介して外部から供給されたガスは、モニタリ
ングディスク7の細孔7aを通って封止部材1と導体4
との界面まで達する。そして、封止部材1と導体4とが
剥離等により両者の密着性が損なわれていると、図中に
矢印で示されるようにガスが流れ、外部から加圧してい
るガス圧が低下する。そこで、該ガス圧を監視すること
により、リークが発生していることを検知することがで
きる。このように、これらのモニタリングディスク6,
7は封止部材1と導体4との間の気密性、すなわち密着
性を確認でき、上述のモニタリングディスク2と同等の
機能を有している。そして、これらのモニタリングディ
スク6,7は単一部品で構成され、その分構造体の製造
性および組立性を向上させることができる。
【0031】ついで、封止前の構造体組立手順について
図3を参照しつつ説明する。粗成形封止部材1aは、ガ
ラス質粉末とマイカ粉末とを所定の割合で混合して円板
状に成型したもので、封止部材1の封止前部材である。
そして、粗成形封止部材1a、モニタリングディスク
2、離型板3のそれぞれに導体4を挿通するための複数
の導体貫通孔1b,2b,3bを加工する。なお、これ
らの導体貫通孔1b,2b,3bは各部材に同じ位置関
係で加工される。そして、導体貫通孔1b,2bが整列
するようにモニタリングディスク2の両側に粗成形封止
部材1aを配し、さらに導体貫通孔3bが導体貫通孔1
b,2bに整列するようにその両側に離型板3を配し、
封止組立部材を組み上げる。ついで、この封止組立部材
の整列された各導体貫通孔1b,2b,3bにそれぞれ
導体4を挿通し、その後スリーブ部材5内の所定位置に
挿入する。
【0032】この時、粗成形封止部材1a、モニタリン
グディスク2、離型板3のそれぞれの外径d1,d2,d
3は、スリーブ部材5の内径d5よりもわずかに小さい寸
法に形成することにより、組立作業性を容易にしてい
る。そして、離型板3の外径d3は粗成形封止部材1a
の外径d1よりも大きくすることにより、封止時に粗成
形封止部材1aを加圧・流動させても、離型板3の外周
端とスリーブ部材5の内周壁面との隙間からの粗成形封
止部材1aの流出が抑えられ、離型性をよくしている。
また、導体4を挿通させるために粗成形封止部材1a、
モニタリングディスク2、離型板3にそれぞれ形成され
る導体貫通孔1b,2b,3bの直径d6,d7,d
8は、導体4の外径寸法d4よりもわずかに大きな寸法と
することにより、導体4の挿入作業を容易としている。
そして、モニタリングディスク2の導体貫通孔2bの直
径d7は、粗成形封止部材1aの導体貫通孔1bの直径
6よりも小さな寸法とすることにより、粗成形封止部
材1aを加熱、加圧する封止工程で粗成形封止部材1a
がモニタリングディスク2の導体貫通孔2bと導体4と
の隙間から漏れ監視空間に流出して該漏れ監視空間を塞
ぐことを防止している。また、モニタリングディスク7
においては、内部に加工された細孔7aの閉塞を防止
し、モニタリングディスク6においては、内部の空隙の
閉塞を防止できる。さらに、離型板3の導体貫通孔3b
の直径d8も、粗成形封止部材1aの導体貫通孔1bの
直径d6よりも小さな寸法とすることにより、封止工程
で粗成形封止部材1aが離型板3の導体貫通孔3bと導
体4との隙間から流出することを防止し、離型性、すな
わちプレス用金型と離型板との分離性を高めている。
【0033】つぎに、封止部材1とスリーブ部材5の材
質について述べる。粗成形封止部材1aは、ガラス質粉
末とマイカ粉末との混合比は60:40重量%であり、
ガラス質粉末は高耐熱絶縁体としての特性を有する低融
点ガラス、マイカ粉末はガラス質粉末の軟化温度におい
ても安定で熱分解しない合成マイカであり、その粒径は
粒径を変えた多数の比較実験による成型時の流動性の確
認から60〜200μmとするのが望ましい。なお、低融点
ガラスはホウケイ酸鉛ガラスであり、その組成は Pb
O:78〜80重量%、B2O3:8〜10重量%、SiO2:2〜5重量
%、Bi2O3:6〜8重量%、AlF3:1〜3重量%から構成さ
れている。この封止部材の熱膨張係数は30〜500℃の範
囲で9〜13×10-6/℃である。ここで、PbO:78重量%未
満では熱膨張率が所定の範囲とならない。また、軟化温
度が高くなり低融点ガラスとならない。80重量%を越え
るとSiO2とのガラス化範囲を逸脱し結晶化してしまう。 B2O3:8重量%未満では、PbOとの関係でガラス化が困難
である。10重量%を越えるとガラス化は容易となり、軟
化点も低下するが、耐水性、電気絶縁性が低下し好まし
くない。 SiO2:2重量%未満ではガラス化しない。また、耐水性
も低下する。5重量%を越えると軟化温度が上昇すると
ともに、流動性も悪くなる。 Bi2O3:6重量%未満では耐水性の向上の効果がなく、8
重量%を越えると分相が起こりガラス化が困難となる。 AlF3:1重量%未満では、低融点化の効果がなく、3重量
%を越えても低融点化の効果は同じで、フッ素成分の揮
発による気泡発生の危険性がある。
【0034】なお、モニタリングディスク7は導体4を
複数挿通させる導体貫通孔および内部に各導体4間を連
通させる細孔を加工するために、機械加工性が良く、電
気絶縁性も高い、マシナブルセラミックスとしてマイカ
系の快削性セラミックスが適している。離型板3も同様
に導体4を貫通させる複数の導体貫通孔を加工する必要
があり、モニタリングディスク7と同じ材質が適してい
る。スリーブ部材5の材質はマルテンサイト系析出硬化
型ステンレス鋼である。熱膨張係数は30〜500℃の範囲
で11〜12×10-6/℃であり、代表的なステンレス鋼であ
るSUS304の熱膨張17〜18-6×10-6/℃と比べ、小さな
値を有している。なお、スリーブ部材5は加熱温度500
℃で表面に酸化劣化層が形成されない材料であれば良
い。上記の封止部材1とスリーブ部材5を使用すること
により、両者の熱膨張差を非常に小さくすることがで
き、成型時の高温状態での界面剥離を防ぐことができ
る。導体4は良電気伝導性を有する材料、例えば銅線や
後述する複合線材が用いられる。そして、封止部材1の
熱膨張係数(9〜13×10-6/℃)、すなわち封止部材1
との界面での剥離防止を考慮すれば、導体4の熱膨張係
数は10〜17×10-6/℃の範囲が望ましい。
【0035】ついで、図3の構成材料を組合せた後の成
形条件について述べる。上述したように組み上げられた
封止組立部材をスリーブ部材5内に挿入した組立品を電
気炉内に設置して温度を上昇させ、温度が500℃に達し
た後、60分間温度を保持し、粗成形封止部材1aを軟化
・流動化する。加熱温度500℃は封止部材の要素試験に
より決めた値である。つまり、550℃以上ではマイカ−
ガラス系封止部材の粘度が急激に低下し流動性が過剰と
なり、流動性の制御が困難となる。一方、500℃以下で
は低融点ガラスの溶融が不十分のため、マイカ−ガラス
系封止部材の流動性が不足し、封止性能が確保されな
い。そこで、粗成形封止部材1aを軟化・流動化させる
ための加熱温度は、500〜550℃の範囲がよい。これは、
後に述べる加圧圧力とも密接に関係している。電気炉で
加熱後、電気ヒータの埋め込まれたプレス用金型(図示
せず)及び加熱枠(図示せず)にセットする。この時、
プレス用金型および加熱枠はあらかじめ400℃に加熱し
ておく。金型および加熱枠はプレスによる加圧時に構成
材料の温度が低下しないようにするためのものであり、
400〜450℃の範囲に予熱させておけばよい。つぎに、プ
レス装置を用いてプレス用金型(図示せず)を介して一
対の離型板3をモニタリングディスク方向に加圧する。
そこで、軟化・流動化した粗成形封止部材1aは離型板
3とモニタリングディスクとの間のスリーブ部材5の内
部空間内に隙間なく行き渡り充填される。そして、粗成
形封止部材1aはセラミックス化し封止が完了する。こ
こで、加圧圧力は500kg/cm2であり、温度が300℃
まで低下した時点で加圧を止める。300℃は封止部材が
脆性破壊しない下限の温度及び封止部材とスリーブ部材
の熱膨張差を極力小さくする温度を考慮して決めた値で
ある。なお、加圧する圧力500kg/cm2は実験により
決めた値であり、600kg/cm2よりも高い圧力では、
封止部材1はスリーブ部材5と離型板3との隙間から流
出するとともに、モニタリングディスク2の内部にも流
入する。逆に、300kg/cm2よりも低い圧力では、封
止部材1の内部で圧力が均一に伝搬せず、圧力未伝達部
分が生じてスリーブ部材5及び導体4との接着性が低下
し、気密性が確保されない。そこで、加圧圧力は300〜6
00kg/cm2の範囲がよい。
【0036】このように、この実施の形態1によれば、
粗成形封止部材1aとして下記組成Aのマイカ−ガラス
系セラミックスを用いているので、封止部材1aが非常
に高温条件下でも従来のエポキシ樹脂のように炭化する
ことがなく、高圧が加わっても破損することがなく、気
密性に対する長期信頼性を確保することができる。ま
た、従来のエポキシ樹脂に比べて熱劣化に優れ、放射線
遮蔽性に優れ、他の材料の放射線劣化を防止し、気密性
に対する長期信頼性を確保することができる。 ・組成A ガラス質粉末:マイカ粉末(粒径60〜200μm)=6
0:40(重量%) また、ガラス質粉末として、PbO:78〜80重量%、B
2O3:8〜10重量%、SiO2:2〜5重量%、Bi2O3:6〜8重
量%、AlF3:1〜3重量%からなるホウケイ酸鉛ガラスを
用いているので、軟化温度を低くでき、セラミックス化
された封止部材1の耐水性、電気絶縁性を確保できると
ともに、封止部材1の熱膨張係数を30〜500℃の範囲で
スリーブ部材5の熱膨張係数と同等の9〜13×10-6/℃
とでき、製造性および気密性を高めることができる。
【0037】実施の形態2.上記実施の形態1では、粗
成形封止部材1aを組成Aを用いるものとしているが、
この実施の形態2では、粗成形封止部材1aを組成B〜
Dのものを用いて構造体を製造するものとしている。こ
こで、粗成形封止部材1aの組成B〜Dは下記の通りで
ある。
【0038】・組成B ガラス質粉末:マイカ粉末=65:35(重量%) マスカ粉末35重量%=(粒径60〜200μm:20重量%)+
(粒径5〜40μm:15重量%) ・組成C ガラス質粉末:マイカ粉末=60:40(重量%) マイカ粉末40重量%=(粒径60〜200μm:30重量%)+
(粒径5〜40μm:10重量%) ・組成D ガラス質粉末:マイカ粉末=70:30(重量%) マイカ粉末30重量%=(粒径60〜200μm:20重量%)+
(粒径3〜20μm:10重量%) なお、組成A〜Dにおいては、ガラス質粉末は同一の組
成のホウケイ酸鉛ガラスである。
【0039】この実施の形態2によれば、上記実施の形
態1で用いた粗成形封止部材1aの組成に対してガラス
質粉末とマイカ粉末との混合比及びマイカ粉末の粒径を
変えることにより、成型時の粗成形封止部材1aの流動
特性を調整でき、封止部材1とスリーブ部材5及び導体
4との界面での接着性を更に向上させることができる構
造体を製造することができた。
【0040】ここで、マイカ−ガラス系封止部材を流動
させて、スリーブ部材5、導体4、モニタリングセラミ
ックス2といった各構成部材を一体化させる加熱加圧工
程において、マイカ−ガラス系封止部材中のガラス質粉
末の重量比が60重量%未満(即ち、マイカ粉末が40重量
%を越える)となると、図4に曲線Aで示すように、加
熱加圧工程での流動性が極度に悪くなり、気密成形を要
求する本発明品には適さない。逆に、ガラス質粉末の重
量比を大きくする(ガラス質粉末の重量比が70重量%を
越える)と、封止部材の粘度は低下し、成型時の流動性
は向上する。しかしながら、流動性が過大となると、成
型時に粗成形封止部材1aはスリーブ部材5と離型板3
との隙間から流出し、あるいはモニタリングディスク2
の内部に流入してしまう。さらに、ガラス質粉末の重量
比が70重量%を越えると、図4に曲線Bで示すように、
電気絶縁性が低下してしまう。そこで、ガラス質粉末の
重量比は60〜70重量%とするのが望ましい。マイカ粉末
の粒径としては、上記実施の形態1で用いた粒径よりも
小さな粒径のものを混合することにより、成型時に細か
な凹凸にもマイカ粉末を流入させることができ、封止部
材1とスリーブ部材5及び導体4との界面での気密性を
更に向上させることができる。これは、マイカ粉末の粒
径を小さくすると、マイカ粉末が壁面に沿って配列しや
すくなる特性によるものである。
【0041】なお、粒径の異なるマイカ粉末の混合割合
とそれに適応するガラス質粉末との重量比は上述の多数
の比較実験による比較検討から得られた一例を示すもの
で、本発明品の特性を満足する流動性と気密性が達成さ
れればよく、これに限定されるものではない。
【0042】実施の形態3.上記実施の形態1では、粗
成形封止部材1aとしてガラス質粉末:マイカ粉末(粒
径60〜200μm)=60:40(重量%)の組成Aを用
いるものとしているが、この実施の形態3では、粗成形
封止部材としてガラス質粉末:マイカ粉末(粒径5〜40
μm)=65:35(重量%)の組成Eを用いるものと
している。なお、組成A,Eにおいては、ガラス質粉末
は同一の組成のホウケイ酸鉛ガラスである。この場合、
マイカ粉末は、上記実施の形態1で用いた粒径よりも小
さな粒径のものを用いており、成型時に、流動性および
細かな凹凸へのマイカ粉末の流入性が高められ、封止部
材1とスリーブ部材5及び導体4との界面での気密性を
更に向上させることができる。なお、流動性および凹凸
への流入性が高められるので、加圧圧力は500kg/c
2よりも小さく、加熱温度は500℃よりも低くすること
が望ましい。
【0043】実施の形態4.上記実施の形態3では、粗
成形封止部材としてガラス質粉末:マイカ粉末(粒径5
〜40μm)=65:35(重量%)の組成Eを用いるも
のとしているが、この実施の形態4では、粗成形封止部
材としてガラス質粉末:マイカ粉末(粒径3〜20μm)
=70:30(重量%)の組成Fを用いるものとしてい
る。なお、組成E,Fにおいては、ガラス質粉末は同一
の組成のホウケイ酸鉛ガラスである。この場合、マイカ
粉末は、上記実施の形態3で用いた粒径よりも小さな粒
径のものを用いており、成型時に、流動性および細かな
凹凸へのマイカ粉末の流入性がより高められ、封止部材
1とスリーブ部材5及び導体4との界面での気密性を更
に向上させることができる。なお、流動性および凹凸へ
の流入性が高められるので、加圧圧力は500kg/cm2
よりも小さく、加熱温度は500℃よりも低くすることが
望ましい。
【0044】実施の形態5.上記実施の形態1、2で
は、モニタリングディスク2と離型板3との間に封止部
材1を1層介装させるものとしているが、この実施の形
態5では、図5に示すように、モニタリングディスク2
と離型板3との間に組成の異なる封止部材8,9の2層
を介装させるものとしている。
【0045】この実施の形態5では、封止部材9は上記
実施の形態1で用いた組成Aの粗成形封止部材とし、封
止部材8は上記実施例2で用いた組成Bの粗成形封止部
材としている。そして、封止部材8をモニタリングディ
スク2側に、封止部材9を離型板3側に位置するよう
に、モニタリングディスク2と離型板3との間に2層に
積層配置している。そこで、封止部材9の組成Aはマイ
カ粉末の粒径が大きく、ガラス質粉末の重量比も封止部
材8の組成Bに比べ少ないので、封止部材9は封止部材
8に比べて流動性が小さい。そこで、成型時に狭い隙間
から封止部材9が流出しにくくなり、スリーブ部材5と
離型板3との隙間からの封止部材9の流出を防止するこ
とができる。一方、封止部材8の組成Bはマイカ粉末に
粒径の小さなものを混合しており、ガラス質粉末の重量
比も大きくしているので、スリーブ部材5の内表面の細
かな凹凸へのマイカ−ガラス系セラミックス粗成型体の
流入性が良く、封止部材8とスリーブ部材5および導体
4との界面での接着特性がよい。
【0046】このように、この実施の形態5によれば、
流動性の高い組成の封止部材8がモニタリングディスク
2側に、流動性の低い組成の封止部材9が離型板3側に
位置するように、封止部材8,9をモニタリングディス
ク2と離型板3との間に2層に積層配置しているので、
封止部材8により気密性を確保し、封止部材9により離
型板3からの封止部材の流出を抑えて離型性を高めるこ
とができる。つまり、封止部材それぞれの特性を生かし
て、気密性を確保し、かつ、離型性を高めて製造性を向
上できることになる。
【0047】なお、上記実施の形態5では、封止部材8
として組成Bを、封止部材9として組成Aを用いるもの
としているが、以外の封止部材の組合せとして、以下の
ものが考えられるが、封止部材8の流動性が封止部材9
の流動性より高い組み合わせであればその他の組合せで
もよく、これらの組み合わせに限定されるものではな
い。 ・封止部材8:組成C,封止部材9:組成A ・封止部材8:組成D,封止部材9:組成A ・封止部材8:組成E,封止部材9:組成A ・封止部材8:組成F,封止部材9:組成A ・封止部材8:組成B,封止部材9:組成C ・封止部材8:組成D,封止部材9:組成C
【0048】実施の形態6.上記実施の形態5では、モ
ニタリングディスク2と離型板3との間に組成の異なる
封止部材を2層に介装させるものとしているが、この実
施の形態6では、図6に示すように、モニタリングディ
スク2と離型板3との間に組成の異なる封止部材を3層
に介装させるものとしている。
【0049】この実施の形態6では、封止部材10は組
成Aの粗成形封止部材とし、封止部材11は組成Bの粗
成形封止部材とし、封止部材12は組成Aの粗成形封止
部材としている。つまり、封止部材11の流動性を封止
部材10,12の流動性より高くしている。そして、封
止部材10をモニタリングディスク2側に、封止部材1
2を離型板3側に、封止部材11をその中間に位置する
ように、モニタリングディスク2と離型板3との間に3
層に積層配置している。そこで、封止部材12の組成A
はマイカ粉末の粒径が大きく、ガラス質粉末の重量比も
封止部材11の組成Bに比べ少ないので、封止部材12
は封止部材11に比べて流動性が小さい。そこで、成型
時に狭い隙間から封止部材12が流出しにくくなり、ス
リーブ部材5と離型板3との隙間からの封止部材12の
流出を防止することができる。封止部材10も同様に組
成Aの粗成形封止部材としているので、流動性が小さ
く、モニタリングディスク2の内部への流入を防止する
ことができる。一方、封止部材11の組成Bはマイカ粉
末に粒径の小さなものを混合しており、ガラス質粉末の
重量比も大きくしているので、スリーブ部材5の内表面
の細かな凹凸へのマイカ−ガラス系セラミックス粗成型
体の流入性が良く、封止部材11とスリーブ部材5およ
び導体4との界面での接着性を高めることができる。
【0050】このように、この実施の形態6によれば、
流動性の高い組成の封止部材11を中央部に、流動性の
低い組成の封止部材10,12をそれぞれモニタリング
ディスク2側および離型板3側に位置するように、封止
部材10〜12をモニタリングディスク2と離型板3と
の間に3層に積層配置しているので、封止部材11によ
り気密性を確保し、封止部材12により離型板3からの
封止部材の流出を抑えて離型性を高めることができ、さ
らに封止部材10によりモニタリングディスク2内部へ
の封止部材の流入を抑えて漏れ空間の閉塞を防止するこ
とができる。
【0051】なお、上記実施の形態6では、封止部材1
1として組成Bを、封止部材10,12として組成Aを
用いるものとしているが、以外の封止部材の組合せとし
て、以下のものが考えられるが、封止部材11の流動性
が封止部材10,12の流動性より高い組み合わせであ
ればその他の組合せでもよく、これらの組み合わせに限
定されるものではない。 ・封止部材10,12:組成(A),封止部材11:組
成(C) ・封止部材10,12:組成(A),封止部材11:組
成(D) ・封止部材10,12:組成(A),封止部材11:組
成(E) ・封止部材10,12:組成(C),封止部材11:組
成(D)
【0052】実施の形態7.上記実施の形態1では、離
型板3の導体4を挿通させるための導体貫通穴3bは真
っ直ぐであるが、この実施の形態7では、図7に示すよ
うに、離型板3に設けられた導体貫通孔3bの封止部材
1側に座ぐり加工を施して、座ぐり加工部3cを設ける
ものとしている。この実施の形態7によれば、成型時に
座ぐり加工部3c近傍に圧力が集中し、封止部材1の組
織を緻密にすることができ、導体4と封止部材1との界
面での接着性ひいては気密性を向上させることができ
る。
【0053】なお、上記実施の形態7では、上記実施の
形態1において離型板3の導体貫通孔3bに座ぐり加工
部3cを設けるものとしているが、他の実施の形態に適
用しても同様の効果を奏する。
【0054】実施の形態8.上記実施の形態1では、モ
ニタリングディスク2の導体4を挿通させるための導体
貫通穴2bは真っ直ぐであるが、この実施の形態8で
は、図8に示すように、モニタリングディスク2に設け
られた導体貫通孔2bの封止部材1側に座ぐり加工を施
して、座ぐり加工部2cを設けるものとしている。この
実施の形態8によれば、成型時に座ぐり加工部2c近傍
に圧力が集中し、封止部材1の組織を緻密にすることが
でき、導体4と封止部材1との界面での接着性ひいては
気密性を向上させることができる。
【0055】なお、上記実施の形態8では、上記実施の
形態1においてモニタリングディスク2の導体貫通孔2
bに座ぐり加工部2cを設けるものとしているが、他の
実施の形態に適用しても同様の効果を奏する。
【0056】実施の形態9.図9はこの発明の実施の形
態9に係る密閉多極絶縁端子構造体に用いられる導体を
示す断面図である。図において、導体4は無酸素銅13
の素線外周に高温状態で酸化しにくく、かつ、マイカ−
ガラス系セラミックスとの密着性のよい鉄ニッケル合金
14のクラッド層が被覆された鉄ニッケル合金/無酸素
銅の複合導体であり、クラッド法により作製している。
なお、導体4として鉄ニッケル合金/無酸素銅の複合導
体を用いる点を除いて、他の構成は、上記実施の形態1
と同様に構成されている。
【0057】導体4としては導体抵抗の観点から、通常
は電気伝導性のよい銅が使用されるが、成型時に温度を
500℃まで上昇させるため、導体表面に酸化皮膜が形成
され、封止部材1との界面で剥離が生じてしまう恐れが
ある。この実施の形態9によれば、高温状態でも酸化皮
膜が生じ難い鉄ニッケル合金14を無酸素銅13の外周
に被覆した複合導体を用いているので、成型時に導体表
面に酸化皮膜が形成されず、封止部材1との界面での剥
離の発生を防止することができ、気密性の長期信頼性を
向上させることができる。
【0058】なお、導体抵抗の観点からは、クラッド層
である鉄ニッケル合金14は極力薄くするのが望まし
く、例えば、導体の外径d0が1.3mmでは、厚さtは0.05
mmである。鉄ニッケル合金14の厚さを薄くすること
で、導電率は銅に近ずくが、封止部材1との熱膨張差が
大きくなるため加熱加圧後の冷却過程での界面剥離の危
険性がある。従って、複合導体の鉄ニッケル合金14の
厚さは導体外径の3〜5%とするのが望ましい。上記の
厚さの場合、導体の熱膨張係数は10〜17×10-6/℃とな
り、スリーブ部材5及び封止部材1の熱膨張係数と同等
の値となる。成形する際の加熱時に導体、スリーブ部
材、封止部材の熱膨張差を小さくすることで、熱膨張差
による剥離を防止し、気密性に対する長期信頼性を向上
させることができる。
【0059】なお、上記実施の形態9では、クラッド材
として鉄ニッケル合金を用いるものとしているが、クラ
ッド材は鉄ニッケル合金に限定されるものではなく、ニ
ッケルクロム合金、チタンニオブ合金あるいはガラス封
着性のよい金属であるコバールでもよい。
【0060】また、上記実施の形態9では、上記実施の
形態1において導体4として鉄ニッケル合金/無酸素銅
の複合導体を用いるものとしているが、他の実施の形態
に適用しても同様の効果を奏する。
【0061】実施の形態10.上記実施の形態9では、
導体に複合導体を用いるものとしているが、この実施の
形態10では、図10に示すように、複合導体の表面に
酸化しにくいメッキ15を施すものとしている。この場
合、成形加熱時に導体表面に酸化皮膜が発生するのをさ
らに防止できるという効果が得られる。そして、高温酸
化皮膜の増加を防止し、酸化皮膜と金属との界面での剥
離を防止でき、長期信頼性を向上させることができる。
この実施の形態10による導体は、600℃においても表
面が僅かに変色するのみで、切断観察においても深さ方
向への変色は確認されなかった。ここで、メッキ材とし
ては、封止部材1との接着性の観点から、ニッケルある
いは金が適している。なお、導体にガラス封着性のよい
金属たとえばコバールを使用した場合、酸化劣化を防止
するために、メッキ処理は特に有効である。
【0062】実施の形態11.上記実施の形態1では、
図1に示したように、封止部材1とスリーブ部材5間お
よび封止部材1と導体4間を密着させることにより、気
密性を維持させているが、この実施の形態11では、図
11に示すように、さらに離型板3の外面全面に低融点
ガラス16を配設するものとしている。この場合、離型
板3の端面とスリーブ部材5の内周壁面との隙間および
導体4周りが低融点ガラス16で封止され、気密性をさ
らに向上させることができる。この低融点ガラス16は
PbO-B2O3-SiO2系ガラスであり、その組成はPbO:85〜90
重量%、B2O3:5〜8重量%、SiO2:5〜10重量%である。
その熱膨張率は離型板3との接着性も考慮に入れて、10
〜13×10-6/℃とする。
【0063】なお、上記実施の形態11では、上記実施
の形態1において離型板3の外面全面に低融点ガラス1
6を配設するものとしているが、離型板3の導体貫通孔
3bを挿通する導体4と離型板3とのみを低融点ガラス
16でガラス封止しても、上記実施の形態1に比べて気
密性を高めることができる。また、上記実施の形態11
では、上記実施の形態1において離型板3の外面全面に
低融点ガラス16を配設するものとしているが、他の実
施の形態に適用しても同様の効果を奏する。
【0064】実施の形態12.上記実施例11では、離
型板3の外面全面に低融点ガラス16を配設し、離型板
3の端面とスリーブ部材5との隙間および導体4周りを
低融点ガラス16で封止するものとしているが、この実
施の形態12では、図12に示すように、離型板3に設
けられた導体貫通孔3bの外面側に座ぐり加工を施し、
ガラス溜めの座ぐり加工部17を設け、座ぐり加工部1
7に低融点ガラス16を流入させて、低融点ガラス16
で導体4および導体貫通孔3bの周りをガラス封止する
ものとし、同様の効果を奏する。この場合、低融点ガラ
ス16が座ぐり加工部17内に収められるので、ガラス
封止工程を簡易に行うことができる。
【0065】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0066】この発明の第1の発明によれば、漏れ監視
空間を有する耐熱セラミックスでなるモニタリングディ
スクが円筒状のスリーブ部材の内部空間内に配設され、
一対の離型板がスリーブ部材の内部空間内にモニタリン
グディスクを挟んで両側に配設され、複数の導体がモニ
タリングディスクおよび一対の離型板を貫通して配設さ
れ、マイカーガラス系セラミックスでなる一対の封止部
材がスリーブ部材の内部空間のモニタリングディスクと
一対の離型板とのそれぞれの間に充填されて、複数の導
体の周囲およびスリーブ部材の内部空間を気密封止して
なる密封多極絶縁端子構造体において、封止部材は、ガ
ラス質粉末とマイカ粉末との混合比が60〜70:30〜40重
量%の範囲としたマイカ−ガラス系セラミックスで構成
されているので、高温高圧の条件下においても気密性を
維持でき、気密性に対する長期信頼性を向上させること
ができる密閉多極絶縁端子構造体が得られる。
【0067】この発明の第2の発明によれば、上記第1
の発明において、モニタリングディスクは、絶縁性セラ
ミックスで作製された円板状をなし、複数の導体を挿通
する導体貫通孔が複数設けられ、かつ、外周端面から各
導体貫通孔に達する細孔が設けられているので、モニタ
リングディスクを単一部品で構成でき、組立性を向上さ
せることができる。
【0068】この発明の第3の発明によれば、上記第1
の発明において、ガラス質粉末はホウケイ酸鉛ガラスで
あり、その組成がPbO:78〜80重量%、B2O3:8〜10重量
%、SiO2:2〜5重量%、Bi2O3:6〜8重量%、AlF3:1〜3重
量%から構成されるので、封止部材の耐水性、電気絶縁
性を確保できるとともに、軟化温度を低くでき、製造性
および気密性を向上させることができる。
【0069】この発明の第4の発明によれば、上記第1
の発明において、マイカ粉末は主粒径が60〜200μmの合
成マイカとしたので、成型時の流動性が確保でき、気密
性を向上させることができる。
【0070】この発明の第5の発明によれば、上記第1
の発明において、マイカ粉末は主粒径が3〜40μmの合成
マイカとしたので、成型時の流動性および細かな凹凸へ
の流入性を大きくでき、気密性をさらに向上させること
ができる。
【0071】この発明の第6の発明によれば、上記第1
の発明において、封止部材は、モニタリングディスク側
を流動性の高い組成に、離型板側を流動性の低い組成に
構成されているので、気密性を確保しつつ、離型性を向
上させることができる。
【0072】この発明の第7の発明によれば、上記第1
の発明において、封止部材は、モニタリングディスク側
および離型板側を流動性の低い組成に、中央部を流動性
の高い組成に構成されているので、気密性を確保しつ
つ、離型性を向上させることができるとともに、モニタ
リングディスクの漏れ監視空間の閉塞を防止することが
できる。
【0073】この発明の第8の発明によれば、上記第1
の発明において、封止部材の熱膨張係数を9〜13×10-6
/℃、導体の熱膨張係数を10〜17×10-6/℃の範囲とし
たので、封止部材と導体との界面での剥離の発生が抑え
られ、気密性を向上させることができる。
【0074】この発明の第9の発明によれば、上記第1
の発明において、導体は、良電気伝導性を有する素線外
周にクラッド層を設けた複合線材とし、クラッド層の厚
さが複合線材外径の3〜5%の範囲としたので、成型時
に導体表面に酸化皮膜の生成が抑えられ、封止部材と導
体との界面での剥離の発生を抑え、気密性を向上させる
ことができる。
【0075】この発明の第10の発明によれば、上記第
1の発明において、導体は、良電気伝導性を有する素線
外周にクラッド層を設けた複合線材に酸化防止用のメッ
キを施して構成されているので、成型時に導体表面に酸
化皮膜の生成が確実に抑えられ、封止部材と導体との界
面での剥離の発生を抑え、気密性を一層向上させること
ができる。
【0076】この発明の第11の発明によれば、上記第
1の発明において、離型板、モニタリングディスクの少
なくとも一方は、導体が挿通される導体貫通孔に封止部
材に接触する面側から座ぐり加工が施されているので、
成型時に座ぐり加工部近傍に圧力が集中し、座ぐり加工
部近傍の封止部材の組織が緻密化され、気密性を向上さ
せることができる。
【0077】この発明の第12の発明によれば、上記第
1の発明において、離型板の導体貫通孔と該導体貫通孔
を挿通する導体との間が低融点ガラスによりガラス封止
されているので、その分気密性を向上させることができ
る。
【0078】この発明の第13の発明によれば、上記第
1の発明において、離型板は、導体が挿通される導体貫
通孔に封止部材と接触しない面側から座ぐり加工が施さ
れ、ガラス封止する低融点ガラスが該座ぐり加工部に導
体周りを包囲して充填されているので、ガラス封止工程
が簡易に行うことができる。
【0079】この発明の第14の発明によれば、ガラス
質粉末とマイカ粉末とを60〜70:30〜40重量%で混合し
円板状の粗成形封止部材とする工程と、この粗成形封止
部材の厚さ方向に導体貫通孔を形成する工程と、円板状
の離型板に粗成形封止部材の導体貫通孔と対応する位置
の導体貫通孔を形成する工程と、円板状のモニタリィン
グディスクに漏れ検知機能を有する粗成形封止部材の導
体貫通孔と対応する位置の導体貫通孔を形成する工程
と、粗成形封止部材、離形板およびモニタリィングディ
スクを各導体貫通孔を整列させ、かつ離型板、粗成形封
止部材、モニタリングディスク、粗成形封止部材、離型
板の順に積層して封止組立部材を構成する工程と、この
整列した貫通孔に導体を挿通する工程と、この導体を挿
通した封止組立部材を円筒状のスリーブ部材に挿入し、
粗成形封止部材の軟化・流動化温度に加熱する行程と、
封止組立部材を加圧し、粗成形封止部材を流動させスリ
ーブ部材および導体とを封止し、かつ粗成形封止部材を
加熱しセラミックス化させて封止部材とする工程とを有
するので、高温高圧の条件下においても気密性を維持で
き、気密性に対する長期信頼性を向上させることができ
る密閉多極絶縁端子構造体を製造することができる。
【0080】この発明の第15の発明によれば、上記第
14の発明において、粗成形封止部材およびスリーブ部
材の加熱温度が500〜550℃の範囲であるので、粗
成形封止部材のガラス質粉末が十分溶融され、粗成形封
止部材の流動性を確保することができる。
【0081】この発明の第16の発明によれば、上記第
14の発明において、加圧成形金型の予熱温度が400
〜450℃の範囲で、加圧圧力が300〜600kg/
cm2の範囲であるので、加圧時の封止組立体の温度低
下が抑えられるとともに、軟化された粗成形封止部材を
スリーブ部材の内部空間に隙間なく行き渡すことができ
る。
【0082】この発明の第17の発明によれば、上記第
14の発明において、モニタリングディスクに加工され
る導体貫通孔は、粗成形封止部材に加工される導体貫通
孔の外径より小径に加工されるので、成型時に軟化され
た粗成形封止部材がモニタリングディスクの内部に流入
するのが抑えられる。
【0083】この発明の第18の発明によれば、上記第
14の発明において、離型板に加工される導体貫通孔
は、粗成形封止部材に加工される導体貫通孔の外径より
小径に加工されるので、成型時に軟化された粗成形封止
部材が離型板の導体貫通孔から流出するのが抑えられ
る。
【0084】この発明の第19の発明によれば、上記第
14の発明において、封止組立部材を加圧し、粗成形封
止部材を流動させスリーブ部材および導体とを封止し、
かつ粗成形封止部材を加熱しセラミックス化させて封止
部材とした後、離型板の導体貫通孔を挿通する導体と離
型板とを低融点ガラスによりガラス封止するので、気密
性を向上させることができる。
【0085】この発明の第20の発明によれば、上記第
19の発明において、離型板の導体貫通孔周りに導体径
よりおおきな径でガラス溜めの座ぐり加工が施されてい
るので、ガラス封止工程が簡易に行われる。
【0086】この発明の第21の発明によれば、上記第
19の発明において、低融点ガラスはホウケイ酸系ガラ
スであり、その熱膨張率が10〜13×10-6/℃の範
囲であるので、低融点ガラスと離型板との密着性を高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る密閉多極絶縁
端子構造体を示す要部断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る密閉多極絶縁
端子構造体におけるモニタリングディスクの他の実施態
様を示す要部断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る密閉多極絶縁
端子構造体の要部を示す分解断面図である。
【図4】 この発明に係る密閉多極絶縁端子構造体に用
いられる封止部材におけるガラス質粉末の混合割合と流
動性および電気絶縁性との関係を示すグラフである。
【図5】 この発明の実施の形態5に係る密閉多極絶縁
端子構造体を示す要部断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態6に係る密閉多極絶縁
端子構造体を示す要部断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態7に係る密閉多極絶縁
端子構造体を示す要部断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態8に係る密閉多極絶縁
端子構造体を示す要部断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態9に係る密閉多極絶縁
端子構造体に用いられる導体を示す断面図である。
【図10】 この発明の実施の形態10に係る密閉多極
絶縁端子構造体に用いられる導体を示す断面図である。
【図11】 この発明の実施の形態11に係る密閉多極
絶縁端子構造体を示す要部断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態12に係る密閉多極
絶縁端子構造体を示す要部断面図である。
【図13】 従来の原子炉格納容器電線貫通部およびモ
ジュール構造を示す全体斜視図である。
【図14】 従来のモジュール構造を示す一部破断側面
図である。
【符号の説明】
1、8、9、10、11、12 封止部材、1a 粗成
形封止部材、1b、2b、3b 導体貫通孔、2、6、
7 モニタリングディスク、2c、3c、17座ぐり加
工部、3 離型板、4 導体、5 スリーブ部材、7a
細孔、13無酸素銅(素線)、14 鉄ニッケル合金
(クラッド層)、15 メッキ層、16 低融点ガラ
ス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣井 治 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 漏れ監視空間を有する耐熱セラミックス
    でなるモニタリングディスクが円筒状のスリーブ部材の
    内部空間内に配設され、一対の離型板が上記スリーブ部
    材の内部空間内に上記モニタリングディスクを挟んで両
    側に配設され、複数の導体が上記モニタリングディスク
    および上記一対の離型板を貫通して配設され、マイカ―
    ガラス系セラミックスでなる一対の封止部材が上記スリ
    ーブ部材の内部空間の上記モニタリングディスクと上記
    一対の離型板とのそれぞれの間に充填されて、上記複数
    の導体の周囲および上記スリーブ部材の内部空間を気密
    封止してなる密封多極絶縁端子構造体において、 上記封止部材は、ガラス質粉末とマイカ粉末との混合比
    が60〜70:30〜40重量%の範囲としたマイカ―ガラス系
    セラミックスで構成されていることを特徴とする密封多
    極絶縁端子構造体。
  2. 【請求項2】 上記モニタリングディスクは、絶縁性セ
    ラミックスで作製された円板状をなし、上記複数の導体
    を挿通する導体貫通孔が複数設けられ、かつ、外周端面
    から各導体貫通孔に達する細孔が設けられていることを
    特徴とする請求項1に記載の密封多極絶縁端子構造体。
  3. 【請求項3】 上記ガラス質粉末はホウケイ酸鉛ガラス
    であり、その組成がPbO:78〜80重量%、B2O3:8〜10重
    量%、SiO2:2〜5重量%、Bi2O3:6〜8重量%、AlF3:1〜3
    重量%から構成されることを特徴とする請求項1に記載
    の密封多極絶縁端子構造体。
  4. 【請求項4】 上記マイカ粉末は主粒径が60〜200μmの
    合成マイカとしたことを特徴とする請求項1に記載の密
    封多極絶縁端子構造体。
  5. 【請求項5】 上記マイカ粉末は主粒径が3〜40μmの合
    成マイカとしたことを特徴とする請求項1に記載の密封
    多極絶縁端子構造体。
  6. 【請求項6】 上記封止部材は、上記モニタリングディ
    スク側を流動性の高い組成に、上記離型板側を流動性の
    低い組成に構成されていることを特徴とする請求項1に
    記載の密封多極絶縁端子構造体。
  7. 【請求項7】 上記封止部材は、上記モニタリングディ
    スク側および上記離型板側を流動性の低い組成に、中央
    部を流動性の高い組成に構成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の密封多極絶縁端子構造体。
  8. 【請求項8】 上記封止部材の熱膨張係数を9〜13×10
    -6/℃、上記導体の熱膨張係数を10〜17×10-6/℃の範
    囲としたことを特徴とする請求項1に記載の密封多極絶
    縁端子構造体。
  9. 【請求項9】 上記導体は、良電気伝導性を有する素線
    外周にクラッド層を設けた複合線材とし、該クラッド層
    の厚さが該複合線材外径の3〜5%の範囲としたことを
    特徴とする請求項1に記載の密封多極絶縁端子構造体。
  10. 【請求項10】 上記導体は、良電気伝導性を有する素
    線外周にクラッド層を設けた複合線材に酸化防止用のメ
    ッキを施して構成されていることを特徴とする請求項1
    に記載の密封多極絶縁端子構造体。
  11. 【請求項11】 上記離型板、上記モニタリングディス
    クの少なくとも一方は、上記導体が挿通される導体貫通
    孔に上記封止部材に接触する面側から座ぐり加工が施さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の密封多極絶
    縁端子構造体。
  12. 【請求項12】 上記離型板の導体貫通孔と該導体貫通
    孔を挿通する上記導体との間が低融点ガラスによりガラ
    ス封止されていることを特徴とする請求項1に記載の密
    封多極絶縁端子構造体。
  13. 【請求項13】 上記離型板は、上記導体が挿通される
    導体貫通孔に上記封止部材と接触しない面側から座ぐり
    加工が施され、ガラス封止する上記低融点ガラスが該座
    ぐり加工部に上記導体周りを包囲して充填されているこ
    とを特徴とする請求項12に記載の多極絶縁端子構造
    体。
  14. 【請求項14】 ガラス質粉末とマイカ粉末とを60〜7
    0:30〜40重量%で混合し円板状の粗成形封止部材とす
    る工程と、この粗成形封止部材の厚さ方向に導体貫通孔
    を形成する工程と、円板状の離型板に上記粗成形封止部
    材の導体貫通孔と対応する位置の導体貫通孔を形成する
    工程と、円板状のモニタリィングディスクに漏れ検知機
    能を有する上記粗成形封止部材の導体貫通孔と対応する
    位置の導体貫通孔を形成する工程と、上記粗成形封止部
    材、上記離形板および上記モニタリィングディスクを各
    導体貫通孔を整列させ、かつ離型板、粗成形封止部材、
    モニタリングディスク、粗成形封止部材、離型板の順に
    積層して封止組立部材を構成する工程と、この整列した
    貫通孔に導体を挿通する工程と、この導体を挿通した封
    止組立部材を円筒状のスリーブ部材に挿入し、上記粗成
    形封止部材の軟化・流動化温度に加熱する行程と、上記
    封止組立部材を加圧し、上記粗成形封止部材を流動させ
    上記スリーブ部材および上記導体とを封止し、かつ上記
    粗成形封止部材を加熱しセラミックス化させて封止部材
    とする工程とを有する密封多極絶縁端子構造体の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 上記粗成形封止部材および上記スリー
    ブ部材の加熱温度が500〜550℃の範囲であること
    を特徴とする請求項14に記載の密閉多極絶縁端子構造
    体の製造方法。
  16. 【請求項16】 加圧成形金型の予熱温度が400〜4
    50℃の範囲で、加圧圧力が300〜600kg/cm
    2の範囲であることを特徴とする請求項14に記載の密
    閉多極絶縁端子構造体の製造方法。
  17. 【請求項17】 上記モニタリングディスクに加工され
    る導体貫通孔は、上記粗成形封止部材に加工される導体
    貫通孔の外径より小径に加工されることを特徴とする請
    求項14に記載の密閉多極絶縁端子構造体の製造方法。
  18. 【請求項18】 上記離型板に加工される導体貫通孔
    は、上記粗成形封止部材に加工される導体貫通孔の外径
    より小径に加工されることを特徴とする請求項14に記
    載の密閉多極絶縁端子構造体の製造方法。
  19. 【請求項19】 上記封止組立部材を加圧し、上記粗成
    形封止部材を流動させ上記スリーブ部材および上記導体
    とを封止し、かつ上記粗成形封止部材を加熱しセラミッ
    クス化させて封止部材とした後、上記離型板の導体貫通
    孔を挿通する導体と上記離型板とを低融点ガラスにより
    ガラス封止することを特徴とする請求項14に記載の密
    封多極絶縁端子構造体の製造方法。
  20. 【請求項20】 上記離型板の導体貫通孔周りに導体径
    よりおおきな径でガラス溜めの座ぐり加工が施されてい
    ることを請求項19に記載の密封多極絶縁端子構造体の
    製造方法。
  21. 【請求項21】 上記低融点ガラスはホウケイ酸系ガラ
    スであり、その熱膨張率が10〜13×10-6/℃の範
    囲であることを特徴とする請求項19に記載の密封多極
    絶縁端子構造体の製造方法。
JP8019037A 1996-02-05 1996-02-05 密封多極絶縁端子構造体およびその製造方法 Pending JPH09215156A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8019037A JPH09215156A (ja) 1996-02-05 1996-02-05 密封多極絶縁端子構造体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8019037A JPH09215156A (ja) 1996-02-05 1996-02-05 密封多極絶縁端子構造体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09215156A true JPH09215156A (ja) 1997-08-15

Family

ID=11988248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8019037A Pending JPH09215156A (ja) 1996-02-05 1996-02-05 密封多極絶縁端子構造体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09215156A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009146901A (ja) * 2007-12-17 2009-07-02 Schott Ag 電気リードスルーを製造する方法及び当該方法によって製造される電気リードスルー
CN104332190A (zh) * 2014-11-19 2015-02-04 中国核动力研究设计院 矿物绝缘组件及制备方法和具备矿物绝缘组件的安全装置
JP2017034798A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 電気配線貫通部モジュール
JP2019221136A (ja) * 2019-08-07 2019-12-26 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 電気配線貫通部構造体
WO2021160442A1 (de) * 2020-02-14 2021-08-19 Schott Ag Kabeldurchführung für radioaktive umgebungen
CN114619244A (zh) * 2022-03-31 2022-06-14 蚌埠市创业电子有限责任公司 一种高效的传感器基座组合装配工装及其装配方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009146901A (ja) * 2007-12-17 2009-07-02 Schott Ag 電気リードスルーを製造する方法及び当該方法によって製造される電気リードスルー
CN104332190A (zh) * 2014-11-19 2015-02-04 中国核动力研究设计院 矿物绝缘组件及制备方法和具备矿物绝缘组件的安全装置
CN104332190B (zh) * 2014-11-19 2017-04-12 中国核动力研究设计院 矿物绝缘组件及制备方法和具备矿物绝缘组件的安全装置
JP2017034798A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 電気配線貫通部モジュール
JP2019221136A (ja) * 2019-08-07 2019-12-26 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 電気配線貫通部構造体
WO2021160442A1 (de) * 2020-02-14 2021-08-19 Schott Ag Kabeldurchführung für radioaktive umgebungen
CN114619244A (zh) * 2022-03-31 2022-06-14 蚌埠市创业电子有限责任公司 一种高效的传感器基座组合装配工装及其装配方法
CN114619244B (zh) * 2022-03-31 2023-12-22 蚌埠市创业电子有限责任公司 一种高效的传感器基座组合装配工装及其装配方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9818500B2 (en) Feed-through element for harsh environments
US8378221B2 (en) Method for manufacturing an electrical leadthrough and an electrical leadthrough manufactured according to said method
JP3899017B2 (ja) ガラスソルダにより金属フィードスルースリーブ内でファイバオプティックライトガイドを密封的にシールする方法及びそれにより製造された密封的なフィードスルー装置
JPH0461450B2 (ja)
KR20090091763A (ko) 연료전지 스택, 연료전지 스택용 밀봉부 및 이 장치들의 제조 방법
JPH09215156A (ja) 密封多極絶縁端子構造体およびその製造方法
JPS63123841A (ja) 複合プリフォーム
JPS6363092B2 (ja)
JP2008028297A (ja) 静電チャック
CN113381218A (zh) 一种具有硅铝合金外壳的密封电连接器及其制造方法
JP2019221136A (ja) 電気配線貫通部構造体
JP2008218978A (ja) 静電チャックとその製造方法
JP3061523B2 (ja) 密封多極絶縁端子構造体の製造方法
CN110596198B (zh) 腐蚀传感器以及腐蚀传感器的制造方法
US3528102A (en) Semiconductor header assembly and method of fabrication thereof
JPH0628123B2 (ja) 光ファイバ複合碍子及びその製造方法
EP3922617A1 (en) Glass unit
JP4665348B2 (ja) ガスセンサ
JP3283692B2 (ja) 気密絶縁端子
JPH0113620B2 (ja)
US3573021A (en) Method of making a ceramic-metallic composite
US20200149635A1 (en) Hermetic glass-to-metal seal reinforced with a ceramic disc to prevent crack propagation
US20220388903A1 (en) Glass-To-Metal Seal
JPH06269114A (ja) 電線貫通部モジュール構造
JPS627154B2 (ja)