JPH0113620B2 - - Google Patents

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JPH0113620B2
JPH0113620B2 JP55090367A JP9036780A JPH0113620B2 JP H0113620 B2 JPH0113620 B2 JP H0113620B2 JP 55090367 A JP55090367 A JP 55090367A JP 9036780 A JP9036780 A JP 9036780A JP H0113620 B2 JPH0113620 B2 JP H0113620B2
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brazing
shield
insulating
disconnector
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JP55090367A
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Yoshuki Kashiwagi
Yutaka Kashimoto
Shinzo Sakuma
Junichi Warabi
Yukio Kobari
Hidemi Kawaguchi
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Original Assignee
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Priority to US06/279,302 priority patent/US4481390A/en
Publication of JPS5715319A publication Critical patent/JPS5715319A/ja
Publication of JPH0113620B2 publication Critical patent/JPH0113620B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、真空しや断器の製造方法に関する。
従来、真空しや断器における真空容器は、円筒
状に形成された硬質ガラスあるいはセラミツクか
らなる絶縁筒の両端を、熱膨張係数が絶縁筒のそ
れと近似したコバール等からなる金属端板により
直接に、又はコバール等の封着金属を介在させた
金属端板により気密に閉塞して構成されている。
しかし、絶縁筒は、大径化するに従つて急激的
に高価になり、ひいては真空しや断器自体を高価
なものとする。また、絶縁物と気密に接合できる
金属は、上述した如くセラミツク等の熱膨張係数
が近似しているFe―Ni―Co合金(コバール)や
Fe―Ni合金とされていたが、これらの金属は、
価格が非常に高い欠点を有するとともに、各温度
Tにおける熱膨張係数α〔α―T特性〕がセラミ
ツク等と必ずしも一致せず、かつ、強磁性材料で
あるために、両者のろう付けにより発生する熱応
力を緩和するため応力緩和構造を金属端板等に施
さなければならないとともに、渦電流による温度
上昇、交番磁界による騒音発生等の問題がある。
これらの問題を解決するには、絶縁筒を金属円
筒に変える一方、金属端板を絶縁円板に変えるこ
とが考えられる。金属円筒の材料としては塑性変
形しやすいCuやFeが考えられ、絶縁円板の材料
としてはセラミツクや硬質ガラスが考えられる。
しかし、CuやFe等の熱膨張率とセラミツクや
硬質ガラスのそれとの差が大きく、そのためろう
付け後の自然冷却によつて金属円筒と絶縁円板と
の間にろう付け不良が生じると当業者間で考えら
れており、そのために実施されなかつた。つまり
絶縁円板と金属円筒とのろう付けは大気中で局部
的に加熱することでろう付けするため、加熱され
たろう付け部から加熱されていない部分へ熱が逃
げ易く、しかも温度の低い大気中へも熱が逃げ易
く、そのためにCuやFe等とセラミツクとの間に
熱応力が生じてろう付け不良になると考えられて
いた。
そこで本発明は、斯かる問題を解決した真空し
や断器の製造方法を提供することを目的とする。
斯かる目的を達成するための本発明の構成は、
円筒の両端を端板で閉塞して真空容器を形成し、
夫々の端板から真空容器内へ、一対の電極棒を相
対的に接近離反自在に導入し、夫々の電極棒の対
向部に電極を取り付け、前記各構成部材をろう付
けする真空しや断器の製造方法において、前記円
筒として塑性変形しやすい材料で形成した金属円
筒を用いるとともに、金属円筒の両端を無機絶縁
物からなる絶縁円板で直接に閉塞して真空容器を
形成し、各構成部材間にろう材を介在させて仮組
立した真空しや断器を真空炉内で加熱してろう付
けし、ろう付け後に真空炉内を徐冷するようにし
たことを特徴とする。
従来は大気中でろう付けしていたためにろう付
け後の冷却速度が大きく、そのためにろう付け不
良を生じていたが、真空炉中でこれらをろう付け
するとともに徐冷したみたところ、ろう付け不良
は生じず問題は生じないことが判明した。これ
は、真空炉中でのろう付けは真空容器全体の加熱
であつてしかも真空炉内の冷却速度が小さいこと
から、ろう付け部の温度低下速度も小さくなり、
CuやFeが長い時間をかけて塑性変形するためと
考えられる。本発明は、斯かる事実に基づいてな
されたものである。
まず初めに、本発明の実施の対象である真空し
や断器の構成を以下に説明する。
第1図は本発明に係る真空しや断器の半截断面
図で、この真空しや断器は、熱応力により塑性変
形自在の金属材料からなる金属円筒1の両端を無
機絶縁物からなる絶縁円板2,2により気密に閉
塞して真空容器3を形成し、この真空容器3内に
各絶縁円板2から相対的に接近離反自在に導入し
た一対の固定、可動電極棒4,5を介して一対の
固定、可動電極6,7を接触離反自在に設けて構
成されている。
すなわち、真空容器3の一部を構成する金属円
筒1は、絶縁円板2とのろう付けによつて生じた
熱応力によりろう付け後の徐冷過程において塑性
変形自在にして、かつ、非磁性材料の銅からなる
もので、円筒状に形成されており、その両端内周
部には、その内径より大径にして、かつ、外端側
から順次小径に形成した第1、第2段付嵌合部
8,9がそれぞれ設けられている。なお、金属円
筒1は、真空しや断器が小電流用である場合に
は、絶縁円板2とのろう付けによつて生じた熱応
力によりろう付け後の徐冷過程において塑性変形
自在であるとともに、磁性材料にして、かつ銅よ
り安価な鉄からなるものを用いてもよい。金属円
筒1の各第2段嵌合部9には、第1図、第2図及
び第3図に示すように、金属円筒1の両端部付近
に対向配置した円筒状の補助シールド10,10
が、それぞれの外端部に一体成形したフランジ部
10aを介して嵌合されるとともに、ろう付けに
より固着されている。各補助シールド10は、オ
ーステナイト系ステンレス鋼からなるもので、後
述するアークシールドと相俟つて固定、可動電極
6,7の接離により生ずる金属蒸気が各絶縁円板
2の内端面あるいは後述するベローズに付着する
のを防止するためのものである。なお、各補助シ
ールド10は、真空しや断器が小電流用である場
合には、ステンレス鋼より安価な鉄からなるもの
を用いてもよい。
前記金属円筒1の各第1段付嵌合部8には、前
記絶縁円板2がそれぞれ嵌合されているとともに
気密に接合されている。すなわち、各絶縁円板2
は、アルミナセラミツクあるいは結晶化ガラス等
の無機絶縁物からなるもので、中央部に孔11を
設けた円板状に形成されており、それぞれの内端
面における孔11の周辺及び外周縁部付近には、
アルミナセラミツク等と同等の熱膨張係数のMn
―T1合金あるいはMo―Mn―T1合金等からなる
メタライズ層12,13がそれぞれ形成されてい
る。なお、各絶縁円板2のメタライズ層12,1
3の形成に際しては、あらかじめ研削加工が施さ
れるものであるが、内端面における両メタライズ
層12,13の間には、研削加工を容易にするた
め0.1〜0.5mm程度の深さの円形の溝14が形成さ
れているものである。そして、各絶縁円板2は、
それぞれの第1段付嵌合部8に嵌合して位置決め
されるとともに、メタライズ層13を第1段付嵌
合部8の段部にろう付けすることにより気密に接
合されている。
なお、第1図、第3図において15は、比較的
薄肉に形成された円形のスペーサリングで、オー
ステナイト系ステンレス鋼、あるいは鉄からなる
ものであり、後述する如く真空しや断器を仮組立
する際に、下方に位置する他方の補助シールド1
0が他方(第1図において下方)の絶縁円板2に
接触しないように位置決めをするためのものであ
る。また、金属円筒1に対する各絶縁円板2の位
置決めは、上述した如く金属円筒1の両端内周部
に形成した第1段付嵌合部8に絶縁円板2を嵌合
する場合に限らず、例えば第4図、第5図に示す
ように、金属円筒1の両端外周部に段付嵌合部1
6を形成し、それぞれの段付嵌合部16に絶縁円
板2の溝14の外径側を嵌合して位置決めした
り、あるいは第6図に示すように、金属円筒1の
両端外周部にその外径より小径にして、かつ、外
端側から順次大径に形成した第1、第2段付嵌合
部17,18をそれぞれ設け、この第1段付嵌合
部17に絶縁円板2の溝14の外径側を嵌合して
位置決めするようにしてもよい。なお、この第2
段付嵌合部18には、後述する如く真空しや断器
を仮組立する際に、板ろうあるいは線ろうが嵌合
されるものである。
前記一方(第1図において上方)の絶縁円板2
における孔11の周辺のメタライズ層12には、
銅あるいは鉄からなるリング状の補助部材19が
ろう付けにより気密に接合されている。そして、
真空容器3内には、銅あるいは銅合金からなる前
記固定電極棒4が、孔11及び補助部材19を挿
通して導入されている。固定電極棒4は、補助部
材19の内径とほぼ同径に形成されているもの
で、その長手方向の中央部付近の周溝4aに嵌合
したスナツプリングの如き止め輪20を、補助部
材19に当接することによつて一方の絶縁円板2
方向への移動を規制されるとともに、ろう付けに
より補助部材19と気密に接合されている。
前記固定電極棒4の内端部には、前記補助シー
ルド10より大径にして、かつ、カツプ状に形成
されたアークシールド21が、その開口端を一方
の絶縁円板2に対向せしめるとともに、底部中央
に設けた孔22を介して嵌装されている。そし
て、アークシールド21は、固定電極棒4の内端
部付近の周溝4bに嵌合した止め輪23により他
方の絶縁円板2方向への移動を規制されるととも
に、ろう付けにより固定電極棒4の内端部付近に
固着されている。アークシールド21は、前述し
た一方の絶縁円板2側の補助シールド10と協働
して金属蒸気が一方の絶縁円板2の内端面に付着
するのを防止するためのもので、オーステナイト
系ステンレス鋼からなり、その開口端部付近と一
方の補助シールド10の開口端部付近とは、固定
電極棒4を中心とする同心状に重畳されている。
なお、このアークシールド21は、真空しや断器
が小電流である場合には、安価な鉄からなるもの
を用いてもよい。また、固定電極棒4の内端部に
は、ほぼ円板状に形成された前記固定電極6が、
その接触裏面(第1図において上面)中央部に穿
設した凹部6aを介して嵌合されるとともにろう
付けにより固着されている。
前記他方(第1図において下方)の絶縁円板2
の孔11の周辺のメタライズ層12には、真空容
器3内に同心状に収納されたオーステナイト系ス
テンレス鋼からなるベローズ24が、その一端の
内径側を軸方向(第1図において上下方向)へ延
伸して形成した筒部24aの端部を介しろう付け
により気密に接合されている。ベローズ24の他
端には、その他端の内径側を径方向(第1図にお
いて左右方向)へ延伸してリング状の載置部24
bが形成されている。そして、真空容器3内に
は、銅あるいは銅合金からなる前記可動電極棒5
が、他方の絶縁円板2の孔11及びベローズ24
の中心を挿通するとともに、その内端部をベロー
ズ24の載置部24bから適宜に突出せしめて導
入されている。可動電極棒5は、その内端部付近
に一体成形したフランジ部5aをベローズ24の
載置部24bに載置することによりその他方の絶
縁円板2方向への移動を規制されるとともに、こ
のフランジ部5aと載置部24bとがろう付けに
より気密に接合されている。可動電極棒5の内端
部には、固定電極棒4に固着したアークシールド
21と同様の金属からなるとともに、他方の補助
シールド10より大径にして、かつ、カツプ状に
形成されたアークシールド25が、その開口端部
を他方の絶縁円板2に対向せしめるとともに、そ
の底部中央に設けた孔26を介して嵌装されてい
る。そして、アークシールド25は、フランジ部
5aにより他方の絶縁円板2方向への移動を規制
されるとともに、ろう付けにより可動電極棒5の
内端部付近に固着されている。なお、このアーク
シールド25は、他方の補助シールド10と協働
して金属蒸気が他方の絶縁円板2の内端面及びベ
ローズ24に付着するのを防止するためのもの
で、その開口端部付近と他方の補助シールド10
の開口端部付近とは、第1図に示す如き投入状態
において、可動電極棒5を中心とする同心状に重
畳されているものである。また、可動電極棒5の
内端部には、ほぼ円板状に形成された前記可動電
極7が、その対向裏面(第1図において下面)中
央部に穿設した凹部7aを介して嵌合されるとと
もにろう付けにより固着されている。そして、可
動電極7の対向面には、その中心を中心とする円
形の溝7bが穿設されており、この溝7bには、
リング状の接触子27が対向面から突出して嵌合
されるとともにろう付けにより固着されている。
なお、上述した実施例の真空しや断器において
は、絶縁円板2とともに真空容器3を形成する金
属円筒1を、無機絶縁物からなる絶縁円板2との
ろう付けによつて生ずる熱応力により、ろう付け
後の徐冷過程において塑性変形自在な金属材料で
ある銅あるいは鉄とした場合について述べたが、
金属円筒1は、銅あるいは鉄からなるものに限ら
ず、例えば金属円筒1を、非磁性材料にして、か
つ、機械的強度が比較的大きいオーステナイト系
ステンレス鋼からなるものとしてもよい。
以上構成からなる真空しや断器を製造するに
は、各構成部材間にろう材を介装せしめて真空し
や断器を仮組立し、この仮組立した真空しや断器
を真空炉中でろう付けする。
真空しや断器を仮組立するには、まず、他方の
絶縁円板2をそのメタライズ層12,13が上面
となるように水平に支持し、この絶縁円板2上に
ベローズ24をその筒部24aの端部とメタライ
ズ層12との間にろう材を介在せしめて同心状に
載置する。ついで、絶縁円板2の外周絶縁部付近
のメタライズ層13上に、他方の補助シールド1
0をそのフランジ部10aとメタライズ層13と
の間にスペーサリング15を介在せしめて同心状
に載置する。そして、ベローズ24に可動電極棒
5を上方から挿入するとともに、そのフランジ部
5aを介してベローズ24の載置部24bに載置
し、かつ、フランジ部5aと載置部24bとの間
にろう材を介在せしめる。
なお、可動電極棒5の上端には、アークシール
ド25があらかじめろう材を介在せしめてフラン
ジ部5aに係止されているとともに、接触子27
をろう材を介在せしめて溝7bに嵌合した可動電
極7が、あらかじめろう材を底部に配材した凹部
7aを介して嵌合されているものである。
上述した如く他方の絶縁円板2上に可動電極7
等の可動部を仮組立した後に、まず、金属円筒1
をその一端の第1段付嵌合部8を介して他方の絶
縁円板2の外周に嵌合するとともに、その一端の
第2段付嵌合凹部9を介して他方の補助シールド
10におけるフランジ部10aの外周に嵌合す
る。なお、一端の第1段付嵌合部8の段部と他方
の絶縁円板2のメタライズ層13との間及び一端
の第2段付嵌合部9の段部と他方の補助シールド
10のフランジ部10aとの間には、第3図に示
すように、板状あるいは線状のろう材32が介在
されているものである。ついで、固定電極6をろ
う材を介在せしめて下端部に嵌合するとともに、
アークシールド21をろう材を介在せしめて下端
部付近の止め輪23に係止した固定電極棒4を、
金属円筒1に同心状に収納するとともに、固定電
極6を介して可動電極7上に載置する。そして、
一方の補助シールド10をそのフランジ部10a
を介して金属円筒1における上端の第2段付嵌合
部9に嵌合する。固定電極棒4に補助部材19を
嵌装するとともに、この補助部材をろう材を介在
せしめて固定電極棒4の中央部付近の止め輪20
に係止する。また、固定電極棒4に一方の絶縁円
板2をそのメタライズ層12と補助部材19との
間にろう材を介在せしめ孔11を介して嵌装する
とともに、一方の絶縁円板2をその外周縁部付近
のメタライズ層13と金属円筒1における上端の
第1段付嵌合部8の段部との間にろう材32(第
2図参照)を介在せしめて第1段付嵌合部8に嵌
合すると真空しや断器の仮組立が完了する。
なお、金属円筒1に対する固定部、可動部の絶
縁円板2の組付けは、第4図、第5図及び第6図
に示すように、板状あるいは線状のろう材32を
介在せしめて行つてもよいものである。
上述した如く仮組立した真空しや断器を真空炉
中に納置し、10-5Torr以下に排気し加熱する。
なお、加熱は排気と脱ガスおよびろう付け部の酸
化膜除去を兼ねるので、ろう材が溶けぬ温度なら
加熱温度は高い方が良く、真空度も10-5Torr以
下が望ましい。ついで、真空炉中を、オーステナ
イト系ステンレス鋼の表面の活性化のため900℃
以上1050℃未満の温度にするとともに、
10-5Torr以下の圧力となるように排気しながら
ろう材32により各構成部材間を気密に接合す
る。そして、真空炉内をろう付け温度から徐冷
(炉冷)により所定温度まで下降させ、この温度
で所定時間保持した後再び徐冷により室温まで低
下された後、あるいは真空炉内をろう付け温度か
ら徐冷により室温まで低下させた後に真空しや断
器を取出すと所望のものが得られる。
なお、上述した製造方法において、オーステナ
イト系ステンレス鋼からなるベローズ24等のろ
う付け部分に、あらかじめニツケルメツキ処理を
施しておくことにより、加熱温度の上限を900℃
以下とすることができる。
ここで、アルミナセラミツク等の無機絶縁物か
らなる絶縁円板2と銅あるいは鉄からなる金属円
筒1との接合を、両者の熱膨張係数が大きく異な
るにもかかわらず気密性及び機械的強度の高いも
のとすることができるのは、以下の理由によるも
のと考えられる。
すなわち、温度に対する銅の抗張力と伸び及び
鉄の抗張力と伸びは、横軸に温度〔℃〕、縦軸に抗
張力〔Kg/mm2〕と伸び〔%〕をとつた第7図におい
て曲線A1,A2及び曲線B1,B2で示すように、抗
張力は温度の下降に従つて増大し、伸びは温度の
下降に従つてほぼ減少することが知られている。
従つて、銅あるいは鉄からなる金属円筒1が、
900℃以上1050℃未満の高温でアルミナセラミツ
ク等の無機絶縁物からなる絶縁円板2とろう付け
されると、銅あるいは鉄からなる金属円筒1は、
その抗張力がアルミナセラミツク等の無機絶縁物
からなる絶縁円板2の機械的強度に比して非常に
小さいので、ろう付けによつて生じた熱応力によ
り、ろう付け後の徐冷過程において塑性変形され
る。ために、室温まで冷却した際における両者の
接合部の気密性が損なわれることがないとともに
残留熱応力が極めて小さくなるものと考えられ
る。
なお、鉄は、温度に対する抗張力が、第7図に
示す如く銅のそれより大きく、かつ、一定条件下
における荷重時間に対するクリープ伸びが銅のそ
れより小さいにもかかわらず、銅と同様にアルミ
ナセラミツク等の無機絶縁物と気密にして、か
つ、機械的強度を高めた状態で接合できるのは、
熱膨張係数が銅のそれより小さいためであると考
えられる。
また、アルミナセラミツク等の無機絶縁物から
なる絶縁円板2とオーステナイト系ステンレス鋼
からなるベローズ24との接合を、気密性及び機
械的強度の高いものとすることがてきるのは、ベ
ローズ24は、通常0.1〜0.2mm程度と極めて薄く
形成され、かつ、両者のろう付けによつて生ずる
熱応力が無機絶縁物からなる絶縁円板2の機械的
強度に比して極めて小さいので、ベローズ24自
身がろう付け後の徐冷過程において塑性変形する
ためと考えられる。
以上の如く本発明は、熱応力により塑性変形自
在の金属材料からなる金属円筒の両端を絶縁円板
により閉塞して真空容器を形成し、各構成部材間
にろう材を介在せしめて組立した真空しや断器を
真空炉中でろう付けするので、真空炉中での徐冷
によつて金属円筒が塑性変形をし、熱膨張係数が
異なる金属円筒と絶縁円板とからなる真空容器を
両者の接合部における気密性と機械的強度を損な
うことなく得ることができるとともに、大径の真
空しや断器を容易かつ安価に得ることができ、ひ
いては真空しや断器の通電容量を大巾に増加する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施に係る真空しや断器の半
截断面図、第2図、第3図はそれぞれ第1図の真
空しや断器における要部の拡大断面図、第4図、
第5図及び第6図はそれぞれ第1図の真空しや断
器における要部の他の実施例の拡大断面図、第7
図は銅及び鉄の温度に対する抗張力と伸びの関係
を表した説明図である。 1…金属円筒、2…絶縁円板、3…真空容器、
4…固定電極棒、5…可動電極棒、6…固定電
極、7…可動電極、11…孔、24…ベローズ、
32…ろう材。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 円筒の両端を端板で閉塞して真空容器を形成
    し、夫々の端板から真空容器内へ、一対の電極棒
    を相対的に接近離反自在に導入し、夫々の電極棒
    の対向部に電極を取り付け、前記各構成部材をろ
    う付けする真空しや断器の製造方法において、 前記円筒として塑性変形しやすい材料で形成し
    た金属円筒を用いるとともに、金属円筒の両端を
    無機絶縁物からなる絶縁円板で直接に閉塞して真
    空容器を形成し、 各構成部材間にろう材を介在させて仮組立した
    真空しや断器を真空炉内で加熱してろう付けし、
    ろう付け後に真空炉内を徐冷するようにしたこと
    を特徴とする真空しや断器の製造方法。
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