JPH09213687A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH09213687A
JPH09213687A JP8320584A JP32058496A JPH09213687A JP H09213687 A JPH09213687 A JP H09213687A JP 8320584 A JP8320584 A JP 8320584A JP 32058496 A JP32058496 A JP 32058496A JP H09213687 A JPH09213687 A JP H09213687A
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JP
Japan
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resist pattern
etching
rare gas
semiconductor device
manufacturing
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Withdrawn
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JP8320584A
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English (en)
Inventor
Soichiro Ozawa
聡一郎 小澤
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フッ素含有ガスを用いたドライエッチングによ
り、レジストマスクに従って被加工体をエッチングする
ドライエッチング方法に関し、同じレジストマスクに従
って等方性及び異方性の2段階のエッチングを行った場
合でも、シリコン酸化膜に形成すべきコンタクトホール
の内径の拡大を抑制する。 【解決手段】被加工体14上にレジスト膜15を形成し、レ
ジスト膜15を露光現像してレジストパターン15aを形成
する工程と、レジストパターン15aを第1の温度で加熱
して硬化させる工程と、ハロゲン元素含有ガスとレジス
トパターン15aを用いて被加工体14をエッチングする第
1のエッチング工程と、第1のエッチング工程の際に被
加工体14が上昇する最高の第2の温度よりも高くて第1
の温度よりも低い第3の温度でレジストパターン15cを
加熱する工程と、レジストパターン15cをマスクに使用
して被加工体14をエッチングする第2のエッチング工程
とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライエッチング
方法に関し、より詳しくは、フッ素含有ガスを用いたド
ライエッチングにより、レジストパターンをマスクに使
用して被加工体をパターニングする工程を含む半導体装
置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の半導体デバイスにおけるコンタク
トホールの一部は、等方性エッチングと異方性エッチン
グを連続して行うことにより形成されている。等方性エ
ッチングとして、例えばCF4 +O2、NF3 又はSF6 +O2
用いたダウンフロードライエチングプロセス、或いは、
フッ酸溶液を用いたウェットエチングがある。また、異
方性エッチングとして、例えばCF4 +CHF3を用いた反応
性イオンエッチングがある。
【0003】そのコンタクトホールの形成の一例を図1
4(a) 〜(d) に基づいて説明する。まず、図14(a) に
示すように、層間絶縁膜であるシリコン酸化膜4の上
に、開口部6を有するレジストパターン5を形成する。
続いて、図14(b) に示すように、レジスト膜5の開口
部6から露出したシリコン酸化膜4のうちの上部を上述
したダウンフロードライエッチングによって等方性エッ
チングし、これによりシリコン酸化膜4に凹部7aを形
成する。
【0004】その後に、図14(c) に示すように、同じ
レジストパターン5を用いて、例えばCF4 +CHF3を用い
た反応性イオンエッチングによりシリコン酸化膜4の残
りの膜厚を垂直に異方性エッチングし、凹部7aの下に
続く開口7bを形成する。これにより、開口縁部にテー
パを有するビアホール7が形成される。なお、図中符号
1は半導体基板、2は下地絶縁膜、3は下部配線層であ
る。シリコン酸化膜4は下部配線層3を被覆して形成さ
れている。
【0005】このようなビアホール7では、等方性エッ
チングによりビアホール7の開口縁部にテーパが形成さ
れるため、図14(d) に示すように、シリコン酸化膜4
の上とビアホール7の中にアルミニウム(Al)配線8を
形成すると、Al配線8の段差被覆率(ステップカバレー
ジ)が良くなる。等方性エッチングを行わないでコンタ
クトホールを形成すると、図15(a) 、(b) に示すよう
な工程となってステップカバレージが悪くなる。即ち、
図15(a) に示すように、反応性イオンエッチングのみ
による異方性エッチングを行ってビアホール9を形成し
た後に、図15(b) に示すようにビアホール9及びシリ
コン酸化膜4にAl配線8aを形成すると、Al配線8aの
ステップカバレージが悪くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図14
に示すようなドライエッチング方法では、ステップカバ
レッジが改善されるものの、ビアホール7(7b)の内
径が大きくなってしまい、微細なビアホールを形成する
場合に問題となる。その原因について、本発明者は次の
ような実験結果を得た。又、同様の実験がX.C.Mu and
J.Multani, J.Electrochem. Soc., 137. 2853 (1990)
にも報告されている。
【0007】フッ素系のガスを用いてダウンフローエッ
チングを行うと、図3に示すように、レジスト5表面に
フッ化層が形成される。このレジストのフッ化層は、フ
ッ化していなレジストに比べて異方性の反応性イオンエ
ッチングに対する耐性が弱い。このため、反応性イオン
エッチングを行っている途中で、反応ガスによる物理的
な衝撃あるいは化学的な反応によってレジスト5の開口
部6の内径がエッチング開始前の状態に比べて広くなっ
てしまう。
【0008】これにより、異方性エッチングにより形成
されるビアホール7の下部(7b)の径が広がってく
る。このことは、半導体デバイスでは微細化が進むにつ
れて大きな問題となってくる。本発明は、上記の問題点
に鑑みて創作されたものであり、同じレジストパターン
を用いて2段階のエッチングを行った場合でも、パター
ニグされたホールの径の増加を抑制できる半導体装置の
製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記課題は、図1、図2に例示するように、被加
工体14上にレジスト膜15を形成する工程と、前記レ
ジスト膜15を露光し、現像して、レジストパターン1
5aを形成する工程と、前記レジストパターン15aを
第1の温度で加熱して硬化させる工程と、ハロゲン元素
含有ガスを用い、前記レジストパターン15aをマスク
に使用して前記被加工体をエッチングする第1のエッチ
ング工程と、前記第1のエッチング工程の際に被加工体
14が上昇する最高の第2の温度よりも高くて前記第1
の温度よりも低い第3の温度で、前記レジストパターン
15cを加熱する工程と、前記レジストパターン15c
をマスクに使用して前記被加工体14をさらにエッチン
グする第2のエッチング工程とを有する半導体装置の製
造方法によって解決する。
【0010】上記半導体装置の製造方法において、前記
第3の温度は、80℃以上、200℃以下の範囲にある
ことを特徴とする。 (2)上記課題は、図4、図7又は図10に例示するよ
うに、半導体基板21の上の存在する被加工体24上に
レジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を露光
し、現像して、レジストパターン25を形成する工程
と、前記レジストパターン25の表面に希ガス原子、希
ガス活性粒子又は希ガスイオンを照射する工程と、ハロ
ゲン元素含有ガスを用いて前記レジストパターン25を
マスクに使用して前記被加工体24をエッチングする第
1のエッチング工程と、前記レジストパターン25をマ
スクに使用して前記被加工体14をさらにエッチングす
る第2のエッチング工程とを有する半導体装置の製造方
法によって解決する。
【0011】上記半導体装置の製造方法において、前記
希ガスは、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン又は
クリプトンのうちいずれか一つ或いはこれらの混合ガス
であることを特徴とする。上記半導体装置の製造方法に
おいて、前記希ガス原子、希ガス活性粒子又は希ガスイ
オンの照射は、前記レジストパターン25の表面に対し
て斜め方向から行うことを特徴とする。
【0012】上記半導体装置の製造方法において、図1
0に例示するように、前記希ガスのイオンを前記レジス
トパターン25の表面に照射する際に、前記半導体基板
21の面に平行な成分を含む磁場Hを前記レジストパタ
ーン25に印加することを特徴とする。上記半導体装置
の製造方法において、前記希ガス原子の運動エネルギは
400eV以上であることを特徴とする。
【0013】上記半導体装置の製造方法において、前記
希ガスイオンの加速電圧は400V以上であることを特
徴とする。上記半導体装置の製造方法において、前記希
ガスイオン又は希ガス活性粒子を生成するプラズマ生成
電力は6W/cm2 以上であることを特徴とする。上記
半導体装置の製造方法において、前記希ガスイオン又は
希ガス活性粒子を生成するときの、プラズマ電位
(VP )と前記半導体基板のセルフバイアス電圧
(VDC)との差(V1 =VP −VDC)が1.5kV以上
であることを特徴とする。 (3)上記した(1)又は(2)記載の半導体装置の製
造方法において、前記第1のエッチング工程は前記被加
工体を等方性エッチングする工程であり、前記第2のエ
ッチング工程は前記被加工体を異方性エッチングする工
程であることを特徴とする。
【0014】また、(1)又は(2)記載の半導体装置
において、前記ハロゲン元素含有ガスは、フッ素含有ガ
スであることを特徴とする。また、(1)又は(2)記
載の半導体装置において、前記フッ素含有ガスは、CF
4 とO2 の混合ガス、NF3 ガス又はSF6 とO2 の混
合ガスであることを特徴とする。
【0015】また、(1)又は(2)記載の半導体装置
において、前記被加工体14,25はシリコン含有絶縁
膜であることを特徴とする。 (作 用)本発明においては、フッ素含有ガスを用いた
第1のエッチング工程の後であって第2のエッチング工
程の前において、第1のエッチング工程の際に上昇する
被加工体の最高となる第2の温度よりも高くてレジスト
膜を加熱した第1の温度よりも低い第3の温度でレジス
トパターンを加熱している。ここで、第1のエッチング
工程でレジストパターンが最高となる第2の温度(最高
到達温度)以上で加熱する理由は、第1のエッチング工
程でフッ素がレジストパターン中に入るので、第1のエ
ッチング工程でのレジストパターンの最高到達温度以上
にレジストパターンを加熱しないと、レジストパターン
中で他の元素と結合等しているフッ素の結合を切って有
効に蒸発させることができないからである。また、前記
レジスト膜を硬化させるための加熱温度以下である理由
は、レジストパターンの変質や変形を防ぐためである。
【0016】これにより、第1のエッチング工程でレジ
ストパターンの表層にフッ化したレジスト層が形成され
ている場合、フッ素が単体で或いは炭素との化合物を形
成して蒸発し、レジストパターン中から除去される。こ
のため、ドライエッチングに対する耐性が改善されるの
で、第2のエッチング工程において反応ガスによる物理
的な衝撃或いは化学的な反応に起因するレジストパター
ンの膜減りが抑えられて、レジストパターンの開口の内
径の拡大が抑制される。
【0017】また、フッ素含有ガスや塩素含有ガスを用
いた第1のエッチング工程の前に希ガス原子、希ガス活
性粒子又は希ガスイオンの照射処理を行っている。レジ
ストパターンの表層は、高エネルギーの希ガス原子、希
ガス活性粒子又は希ガスイオンにより叩かれて分子密度
が高くなって硬くなったうえに、フッ素或いは塩素を含
むハロゲン含有ガスを用いるその後のエッチングによっ
ても、それらの元素がレジストパターンに侵入しにくく
なり、レジストパターンの表面のフッ化層や塩化層等の
形成を抑制することができる。
【0018】これにより、レジストパターンの表層の耐
エッチング性を強化することができる。従って、第1の
エッチング工程に続く第2のエッチング工程において、
レジストパターンの膜減りを抑制し、パターニング精度
の向上が図れる。また、レジストパターンの窓内面や側
壁に希ガスのイオンを照射するためには、希ガス原子、
希ガス活性粒子又は希ガスイオンを斜めに照射するのが
有効であり、また、基板に平行に磁場をかけてフレミン
グの左手の法則にしたがって希ガスイオンの横方向への
照射成分を大きくすることが有効である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。 (1)第1の実施の形態 図1(a) 〜(d) ,図2(a) 〜(c) は、本発明の第1の実
施の形態に係るドライエッチング方法を示す断面図であ
る。図3(a) は層間絶縁膜にビアホールを形成する途中
工程でのレジストパターンの断面形状の詳細を示す拡大
断面図である。
【0020】図1(a) は、下部配線層が形成された後の
状態を示し、シリコン基板11上にシリコン酸化膜12
が形成され、その上に下部配線層13が形成されてい
る。このような状態で、まず、図1(b) に示すように、
TEOS+O3 を用いたCVD法により、下部配線層1
3を被覆して膜厚約800nmのシリコン酸化膜(被加工
体)14を形成する。続いて、シリコン酸化膜14の上
に回転塗布法によりホトレジストを塗布し、膜厚約1.
2μmのレジスト膜15を形成する。
【0021】次に、図1(c) に示すように、ビアホール
を形成すべき領域を開口するためにホトマスクを用いて
レジスト膜15を露光する。続いて、有機溶剤によりレ
ジスト膜15を現像すると、ビアホールを形成すべき領
域に直径0.6μmの窓16が形成される。この窓16
を有するレジスト膜15を、以下にレジストパターン1
5aと称する。
【0022】次いで、レジストパターン15aを温度1
70℃でベーキングし、硬化させる。なお、レジスト膜
15の種類により、ベーキング温度は異なってくる。例
えば、ディープUVレジストの場合110℃,i線用レ
ジストの場合170℃,g線用レジストの場合110
℃,電子線用レジストの場合110℃,X線用レジスト
の場合110〜150℃である。
【0023】次いで、ダウンフローエッチング装置のエ
ッチング室内にシリコン基板11を入れて、減圧し、シ
リコン基板11の温度を150℃に保持する。続いて、
流量600sccmのCF4 と流量150sccmのO2 との混
合ガスをエッチング室の上流にあるプラズマ生成室内に
導入し、圧力1Torrに保持した後、マイクロ波パワ
ー1.5kWの条件で、プラズマをつくり、混合ガスよ
り中性活性粒子であるフッ素ラジカルを生成する。その
ようなフッ素ラジカルはエッチング室に流れてくる。
【0024】そのフッ素ラジカルにより、図1(d) に示
すように、レジストパターン15aに従ってシリコン酸
化膜14を等方性エッチングする(第1のエッチング工
程)。このとき、シリコン酸化膜14のエッチング量を
全膜厚の約半分程度約400nmとする。これにより、シ
リコン酸化膜14の上部には、レジストパターン15a
の窓16より広い直径約1.4μmの上部開口17aが
形成される。そしてこの段階で、レジストパターン15
aの表層には図3(a) に示すようなフッ化されたレジス
ト層が形成されると考えれる。
【0025】この第1のエッチング工程におけるレジス
トパターン15aの温度の最大値(以下、最高到達温度
という)は150℃に達すると考えられる。次に、図2
(a) に示すように、最高到達温度以上であって且つレジ
スト膜15の加熱温度170℃以下となる温度でレジス
トパターン15aを加熱する。これにより、レジストパ
ターン15aの表層のフッ化したレジスト層からフッ素
単体及びフッ素の炭素化合物が蒸発して出ていき、レジ
ストパターン15aの耐性が改善される。ここで、第1
のエッチング工程でのレジストパターン15aの最高到
達温度以上で加熱する理由は、第1のエッチング工程で
フッ素がレジストパターン15a中に入るので、第1の
エッチング工程でのレジストパターン15aの最高到達
温度以上にレジストパターン15aを加熱しないと、レ
ジストパターン15a中で他の元素と結合等しているフ
ッ素の結合を切って有効に蒸発させることができないか
らである。また、レジスト膜15を硬化させるための加
熱温度以下にした理由は、レジストパターン15aの変
質や変形を防ぐためである。
【0026】次いで、対向電極が設置された反応性イオ
ンエッチング装置のチャンバ内の一方の対向電極の上
に、レジストパターン15aがそのまま残されたシリコ
ン基板11を入れて、減圧し、シリコン基板11の温度
を25℃に保持する。続いて、流量44sccmのCF4
流量57sccmのCHF3 の混合ガスをチャンバ内に導入
し、圧力0.1Torrに保持する。次いで、対向電極
間にRFパワー600Wを印加して混合ガスをプラズマ
化する。このプラズマガスにより、図2(b) に示すよう
に、レジストパターン15aに従ってシリコン酸化膜1
4の残りの膜厚を異方性エッチングし、除去する(第2
のエッチング工程)。このとき、レジストパターン15
aの耐性が改善されているため、図3(a) に示すよう
に、CF4 +CHF3 によるレジストパターン15aの
エッチングは僅かであり、レジストパターン15aの開
口の直径は最終的に約0.7μmとなる。この開口の直
径に従って、第1のエッチング工程で形成された上部開
口17aの下にその上部開口17aと繋がる直径約0.
7μmの下部開口17bが形成される。
【0027】そして、上部開口17aと下部開口17b
によりビアホール17が構成され、その上部の縁部はテ
ーパ形状となる。図3(b) に示す従来の場合と比べて、
直径で約0.2μmの精度向上、即ちより微細化を図る
ことができた。その後、図2(c) に示すように、アルミ
ニウム(Al)膜18を形成した後に、パターニングし、
ビアホール17を通して下部配線層13と接続する上部
配線層18を形成する。
【0028】以上のように、第1の実施の形態によれ
ば、CF4 +O2 を用いた第1のエッチング工程の後
に、第1のエッチング工程でのレジストパターン15a
の最高到達温度150℃以上であって、レジスト膜15
の加熱温度170℃以下の温度でレジストパターン15
aを加熱している。従って、第1のエッチング工程で、
レジストパターン15aの表層にフッ化したレジスト層
が形成された場合、フッ素はフッ素単体或いはフッ素の
炭素化合物としてレジストパターン中から除去される。
このため、反応性イオンエッチングに対する耐性が改善
されるので、第2のエッチング工程において反応ガスに
よる物理的な衝撃或いは化学的な反応に起因するレジス
トパターン15aの膜減りが抑えられ、レジストパター
ン15aの開口の内径の拡大が抑制される。これによ
り、ビアホール17の微細化を図ることができる。
【0029】(2)第2の実施の形態 第1の実施の形態の第1のエッチング工程におけるダウ
ンフローエッチングの反応ガスとしてNF3 を用いた場
合について、第2の実施の形態として図1(a)〜図2(c)
を参照しながら以下に説明する。第1の実施の形態と
異なるところは以下の工程である。即ち、図1(d) に示
すダウンフローエッチングを用いた第1のエッチング工
程において、流量408ccmのNF3 を用いてガス圧
力1Torrに保持した後に、マイクロ波パワー1.5
kWの条件で1.5kWの条件で、プラズマをつくり、
NF3 より中性活性粒子であるフッ素ラジカルを生成
し、基板温度80℃の条件で、レジストパターン15a
に従って下部配線層13上のシリコン酸化膜14をエッ
チングする。
【0030】次いで、図2(a) に示すレジストパターン
15aの加熱の工程において、第1のエッチング工程で
のレジストパターン15aの最高到達温度80℃以上、
レジスト膜15の加熱温度170℃以下の温度約170
℃でレジストパターン15aを加熱する。なお、他の製
造工程は第1の実施の形態と同一であるので、説明を省
略する。
【0031】以上のような第2の実施の形態によって
も、第1のエッチング工程で、レジストパターン15a
の表層にフッ化したレジスト層が形成された場合、レジ
ストパターン15aの加熱によりフッ素はフッ素単体或
いはフッ素の炭素化合物となってレジストパターン15
a中から除去される。このため、ドライエッチングに対
する耐性が改善されるので、第2のエッチング工程にお
いて反応ガスによる物理的な衝撃或いは化学的な反応に
起因するレジストパターン15aの膜減りが抑えられ、
レジストパターン15aの開口の内径の拡大が抑制され
る。これにより、ビアホール17の微細化を図ることが
できる。
【0032】(3)第3の実施の形態 次に、本発明の第3の実施の形態に係るドライエッチン
グ方法について図面を参照しながら説明する。図4(a)
〜(c) は第3の実施の形態について示す断面図である。
第1及び第2の実施の形態と異なるところは、ビアホー
ルを形成するための窓26を有するレジストパターン2
5を形成した後であって等方性のダウンフローエッチン
グの前に、以下に示すように、イオンミリング装置によ
り酸素及びフッ素を含まない希ガス、例えばArを用い
た原子又はイオン照射処理を行っていることである。
【0033】即ち、まず、シリコン基板21上にシリコ
ン酸化膜22を形成し、その上に下部配線層23を形成
する。続いて、例えばTEOS+O3 を用いたCVD法
により、下部配線層23を被覆して膜厚約800nmのシ
リコン酸化膜(被加工体)24を形成する。続いて、シ
リコン酸化膜24の上に回転塗布法によりホトレジスト
を塗布し、膜厚約1.2μmのレジスト膜を形成する。
レジストとして、例えば、ノボラック系のホトレジスト
を用いる。
【0034】続いて、ビアホールの形成領域に開口を形
成するため、ホトマスクを用いてレジスト膜を露光す
る。続いて、有機溶剤により現像すると、図4(a) に示
すように、ビアホールの形成領域に直径0.6μmの窓
26を有するレジストパターン25が形成される。次い
で、レジスト膜を温度170℃でベーキングし、硬化さ
せる。
【0035】次に、イオンミリング装置のチャンバ内に
シリコン基板21を入れ、基板の温度を−5℃〜室温程
度に保持する。次いで、Arガスを流量7sccmでチャン
バ内に導入し、チャンバ内のガス圧を2.4×10-4To
rrに保持する。次に、所定の加速電圧を印加してイオン
化したArを加速する。イオン化したArは試料に到達
する途中で電子照射領域(ニュウトラライザ)を通過し
て中性化する。これにより、Ar原子又はArイオンが
レジストパターン25の表層に照射されはじめる。な
お、このとき、シリコン基板21上のレジストパターン
25表面に対してArイオンの照射方向を斜め方向に設
定することで、レジストパターン25の窓26内の側壁
がArイオンの照射を受けることになり、好ましい。こ
の状態を1分間保持する。なお、比較のため、加速電圧
を200V,400V,1000Vの3条件に振った。下の
表1に成膜条件をまとめた。
【0036】
【表1】
【0037】次いで、図4(b) に示すように、表2に示
す条件でダウンフローエッチング(DFE)を行って、
シリコン酸化膜24を等方的にエッチングし、エッチン
グ領域の縁がレジストパターン25の下まで広がった直
径1.4μmの上部開口27aを形成する。続いて、図
4(c) に示すように、表2に示す条件で異方性エッチン
グである反応性イオンエッチング(RIE)を行い、上
部開口27a内にレジストパターン25の窓26の直径
に対応する直径約0.7μmの下部開口27bを形成す
る。なお、以下に示す条件以外は第1の実施の形態の工
程及び条件と同一とした。
【0038】
【表2】
【0039】以上により、開口の上部にテーパを有する
ビアホール27が形成される。次に、上記のエッチング
工程で生じたレジストパターンの膜減りについて調査し
た結果について説明する。図5は、Ar原子又はArイ
オン照射(イオンミリング)前処理を行ったものと行わ
なかったものとの比較において、等方性エッチング(図
4(b) )前、等方性エッチング(図4(b) )後及び異方
性エッチング(図4(c) )後のレジストパターンの膜厚
の変化の様子を示す特性図である。縦軸は線形目盛りで
表したレジストパターンの膜厚の変動分(nm)を示し、
横軸はレジストパターンの膜厚を測定したウエハ処理時
点を示す。
【0040】なお、比較のため、Ar原子又はArイオ
ン照射処理を行わなかった試料で、等方性エッチングを
行わないで、直ちに異方性エッチングを行ったもの(×
印)のレジストパターンの膜厚の変化の様子も図5に示
した。図5に示す結果によれば、加速電圧400V,10
00Vの試料ではレジストパターンの膜減りが大幅に改善
された。等方性エッチングを行わなかった試料(×印)
とほぼ同じ程度まで膜減りを抑制することができた。
【0041】一方、加速電圧200Vの試料では、原子
又はイオン照射処理しなかったものとほぼ同じ程度の膜
減りが生じた。レジストパターンへの原子又はイオン照
射エネルギが不足していたものと考えられる。単に原子
又はイオン照射処理を行うだけでは効果が無く、十分な
エネルギの原子又はイオンを照射することが必要である
ことが分かった。
【0042】さらに、Ar原子又はArイオン照射前処
理した試料について等方性エッチング前(図6の)及
び等方性エッチングした後(図6の)に、それぞれフ
ーリエ変換赤外分光法によりレジストパターン25表面
を調査した結果を図6に示す。縦軸は吸収強度(任意単
位)を示し、横軸は波数(cm-1)を示す。なお、比較
例としてAr原子又はArイオン照射処理をしない試料
についてダウンフローエッチングした後のレジストパタ
ーン表面をフーリエ変換赤外分光法により調査した結果
(図6の)も同図に示す。
【0043】図6に示す結果によれば、等方性エッチン
グした後でも、Ar原子又はArイオン照射前処理をし
たものは波数1250cm-1付近に検出ピークが生じない。即
ち、炭化フッ素が検出されず、レジストのフッ化層が形
成されていないことを示している。一方、Ar原子又は
Arイオン照射前処理をしないものは、波数1250cm-1
近に高い検出ピークが生じている。即ち、多量の炭化フ
ッ素が存在し、レジストのフッ化層が形成されているこ
とを示している。これらは、図5に示す異方性エッチン
グ後のレジストパターンの膜厚の変動と対応している。
【0044】以上、図5及び図6に示す結果よれば、A
r原子又はArイオン照射前処理をしたものは、その後
のフッ素を含む反応ガスを用いた等方性のダウンフロー
エッチングに続く異方性エッチングにおいてレジストパ
ターン25の膜減りを抑制することが可能である。これ
は、酸素及びフッ素を含まない希ガスの原子又はイオン
を用いてレジストパターン25表面を叩くことで、レジ
ストパターン25の表面が強固になり、これにより、レ
ジストパターン表層へのフッ素の進入が阻止されて、レ
ジストのフッ化層の形成が抑制され、異方性エッチング
に対する耐エッチング性が増したためであると考えられ
る。レジストパターン25の表面が強固になったのはレ
ジストパターン25表層の炭素を含む材料構成分子同士
の結合が促進されたためだと考えられる。
【0045】これにより、パターニング精度の向上を図
ることができる。 (4)第4の実施の形態 次に、本発明の第4の実施の形態に係るドライエッチン
グ方法について図面を参照しながら説明する。図7は第
4の実施の形態について示す断面図である。
【0046】第3の形態と異なるところは、イオンミリ
ング装置の代わりに、反応性イオンエッチング装置によ
り、酸素及びフッ素を含まない希ガスを用いてレジスト
パターン25表面にプラズマ照射を行っていることであ
る。即ち、ビアホールの形成領域に窓26を有するレジ
ストパターン25を形成した後に、反応性イオンエッチ
ング装置のチャンバ内にシリコン基板21を入れ、シリ
コン基板21の温度を25℃程度に保持する。次いで、
希ガスを所定の流量でチャンバ内に導入し、ガス圧を所
定の圧力に保持する。比較のため、ガスの種類を以下の
3条件に振って実験を行った。即ち、流量101sccmの
Ar単独の場合、流量50sccmのArと流量50sccmの
Heの混合ガスの場合、流量101sccmのHe単独の場
合の3条件である。
【0047】次に、所定のRFパワー(PRF)を印加し
てArをプラズマ化する。これにより、図7に示すよう
に、Ar活性粒子がレジストパターン25の表層に照射
されはじめる。この状態を1分間保持する。このとき、
RFパワー(PRF)を200W,600W,1kWの3
条件とし、また、RFパワーや圧力等を調整して、電極
に加わる交流の印加電圧のピーク−ピーク(Vpp)を
2.5,3,4kVの3条件とした。なお、RIEの場
合、セルフバイアス電圧(VDc)の2倍が試料バイアス
電圧の振幅の2倍(VPP)にほぼ等しくなる(2×VDc
≒VPP)ことが知られている。また、VP は一般に数十
Vであるため、VDcに対して無視でき、プラズマ電位
(VP )と試料バイアスのセルフバイアス電圧(VDc
の差(V1 =VP −VDc)の2倍がVppにほぼ等しくな
る(2×V1 ≒VPP)。
【0048】標準の条件を以下の表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】そして、図4(b) に示すダウンフローエッ
チングと図4(c) に示すRIEを表4に示す条件で続け
て行い、直径約0.7μmの下部開口27bと、直径約
1.4μmの上部開口部27aを有するビアホール27
をシリコン酸化膜24に形成する。ビアホール27の上
縁はテーパ形状となる。それらのダウンフローエッチン
グと反応性イオンエッチングは、表4に示す条件以外は
第3の実施の条件と同一にした。
【0051】
【表4】
【0052】次に、上記エッチング工程で生じたレジス
トパターンの膜減りを調査した結果について説明する。
図8(a) ,(b) は、Ar活性粒子照射(RIE)前処理
を行ったものと行わなかったものとの比較において、等
方性エッチング前、等方性エッチング後及び異方性エッ
チング後のそれぞれのレジストパターンの膜厚の変化の
様子を示す特性図である。
【0053】図8(a) は、RFパワー(PRF)をパラメ
ータとしたもの、図8(b) はVPPをパラメータとしたも
のを示す。ともに縦軸は線形目盛りで表したレジストパ
ターンの膜厚の変動分(nm)を示し、横軸はレジストパ
ターンの膜厚を測定したウエハ処理時点を示す。VPP
通常PRFと比例関係にあるが、PRFをはじめその他の成
膜条件も調整してPRFとVPPとを独立に制御した。
【0054】図8(a) に示す結果によれば、PRFが60
0W,1kWの試料では、レジストパターンの膜減りが
大幅に改善された。一方、PRFが200Wの試料では、
Ar活性粒子照射処理をしなかったものとほぼ同じ程度
の膜減りが生じた。レジストパターンへのAr活性粒子
の衝突エネルギが不足していたものと考えられる。前記
と同じように、単にAr活性粒子照射処理を行うだけで
は効果が無く、十分なエネルギのAr活性粒子を照射す
ることが必要であることが分かった。
【0055】図8(b) に示す結果によれば、VPPが3k
V(V1 ≒1.5kV),4kVの試料では、レジスト
パターンの膜減りが大幅に改善された。一方、VPP
2.5kVの試料では、イオン照射処理をしなかったも
のとほぼ同じ程度の膜減りが生じた。レジストパターン
へのAr活性粒子の衝突エネルギが不足していたものと
考えられる。前記と同じように、単にAr活性粒子照射
処理を行うだけでは効果が無く、十分なエネルギのAr
活性粒子を照射することが必要であることが分かった。
【0056】また、Ar活性粒子照射前処理を行ったも
のと行わなかったものとの比較において、等方性エッチ
ング前後に、それぞれフーリエ変換赤外分光法によりレ
ジストパターン表面を調査した。その結果は、図8(a)
,(b) の結果と対応し、図6に示すように、膜減りの
小さいものはフッ素の検出ピークがほとんど検出され
ず、膜減りの大きいものはフッ素の検出ピークが高く出
た。
【0057】更に、処理ガスの種類の違いによるレジス
トパターン表層のフッ化層の厚さの違いと、Arガス圧
力の違いによるレジストパターン表層のフッ化層の厚さ
の違いとについて、それぞれ以下の表5及び表6に示
す。なお、他の処理条件は上記標準の処理条件と同じと
した。
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】以上の結果によれば、処理ガスの種類の違
いによるレジストパターン表層のフッ化層の厚さの違い
はあまりないが、なかでも、Ar+He混合ガスの場合
は薄かった。この理由はよく分からないが、原子量の異
なる希ガス原子の混合ガスを用いることで、原子量の異
なる原子同士が散乱しあって横向きのイオンの動きが生
じて、レジストパターンの開口の側壁を叩くようにな
り、側壁の耐エッチング性の強化を図ることができると
いう新たな効果があると考えられる。
【0061】以上のように、第4の実施の形態によれ
ば、酸素及びフッ素を含まない希ガスのイオンを用いて
レジストパターン25表面を叩くことで、レジストパタ
ーン25の表面を強固にすることができる。これによ
り、レジストのフッ化層の形成を抑制して、異方性エッ
チングに対する耐エッチング性を向上させ、パターニン
グ精度の向上を図ることができる。
【0062】(5)第5の実施の形態 第4の実施の形態においては、反応性イオンエッチング
装置内にシリコン基板21を置き、さらに反応性イオン
エッチング装置内で希ガスの活性粒子を発生させて、レ
ジストパターンの表面に希ガスの活性粒子を照射するこ
とによりその表面がフッ化することを防止している。
【0063】しかし、通常使用されている反応性イオン
エッチング装置では、希ガスの活性粒子の照射方向のう
ちシリコン基板21の面に対して垂直方向に入る成分が
大きいので、レジストパターンの直径0.6μmの開口
の内周面には希ガスが注入されにくい。したがって、フ
ッ素系ガスを使用したダウンフロードライエッチングを
行うと希ガスの注入量が少ない開口の内周面はフッ化さ
れ易くなる。
【0064】本実施形態では、希ガスのイオンを開口の
内周面に注入し易くする方法を説明する。図9(a) 〜図
9(c) は、反応性イオンエッチング(RIE)装置の断
面構成図である。図9(a) において、チャンバ33内に
は、第4実施形態で説明した下側電極31が基板載置台
を兼ねて配置され、さらに下側電極31の上方には間隔
をおいて上側電極30が配置されている。また、図9
(b) に示すように、チャンバ33の外側の周囲には複数
の電磁石34が間隔をおいて配置され、それらの電磁石
34によって下側電極31を横切るように回転磁場Hが
発生するように構成されている。
【0065】なお、図9(a) において符号35は、ブロ
ッキングキャパシタ36を介して下側電極31に電力を
供給する高周波電力、37は、チャンバ33に形成され
たガス導入口、38は、チャンバ33の下側に設けられ
た排気口、39は下側電極31の下に配置されたヒータ
を示している。このようなRIE装置を用いて希ガスの
イオンをレジストパターンに照射する方法を説明する。
【0066】まず、上記した実施形態と同様に、シリコ
ン基板21の上に第一のシリコン酸化膜22を形成し、
その上に下部配線層23を形成する。さらに下部配線層
23を覆う第二のシリコン酸化膜24を第一のシリコン
酸化膜22の上に形成する。続いて、第二のシリコン酸
化膜24の上にレジスト膜を形成し、これを露光、現像
して、図10(a) に示すような直径0.6μmの平面円
形の窓26を有するレジストパターン25を形成する。
【0067】次に、RIE装置の下側電極31の上にシ
リコン基板21を載置した状態で、ガス導入口37から
Arガス(希ガス)を101sccmで導入し、基板温度を
25℃、チャンバ33内の圧力を0.1Torr、高周波電
源35の出力を1000Wに設定するとともに、電磁石
34によってシリコン基板21に水平方向、即ち基板面
に平行な方向に磁場Hを印加し、その磁場Hの方向を回
転させた。そのシリコン基板21における回転磁場の大
きさは2×106 gauss となるように、電磁石34に流
す電流値を調整した。また、その磁場Hは、少なくとも
レジストパターン25とその周辺に印加される。
【0068】このような条件によれば、RIE装置内で
Arがプラズマ化して、そこに生じたAr活性粒子がレ
ジストパターン25に照射される。しかも、Arイオン
が磁場によって横方向の力を受けるのでレジストパター
ン25の開口26においてAr活性粒子が斜めに照射さ
れる。この結果、レジストパターン25の上面のみなら
ず、開口26の内周面においてもレジストパターン25
の分子密度が高くなって硬化する。
【0069】この後に、シリコン基板21をチャンバ3
3から取り出し、続いて、図10(b) に示すように、第
4実施形態の表4と同じ条件によってダウンフローエッ
チングを行い、これにより開口26を通して第二のシリ
コン酸化膜24を等方性エッチングすると、第二のシリ
コン酸化膜24の上層部にレジストパターン25の開口
26よりも広い上部開口27aが形成される。
【0070】この状態のシリコンパターン25の表面に
は第4実施形態と同じようにフッ素の進入が抑制され、
その表面で形成されるフッ化層が薄くなるだけでなく、
シリコンパターン25の開口26の内周面でもフッ素が
侵入しににくく、その内周でのフッ化層は極めて薄くな
る。そのような断面は図11のようになった。これに対
して、磁場を印加せずにAr活性粒子を垂直にレジスト
パターン25に照射した場合(第4実施形態)には、そ
の断面図は図11(b) のようになって開口の内周にはフ
ッ化層が発生しており、また、Ar活性粒子の照射が無
い従来方法によれば図11(c) のような断面が得られレ
ジストパターン25の上面と開口26の内面の双方にフ
ッ化層が発生していた。なお、図11は、写真に基づい
て描いた図面である。
【0071】以上のような回転磁場H中でArイオンを
照射し、さらに等方性エッチングを行った後に、図10
(c) に示すように、レジストパターン25の窓26を通
して第二のシリコン酸化膜24を垂直に異方性エッチン
グして下部開口27bを形成する。その異方性エッチン
グは反応性イオンエッチングによって行い、そのエッチ
ング条件は、第4実施形態で示した表4と同じに設定し
た。
【0072】このエッチングの後に下部開口27bの直
径を調べたところ、図12に示すように、その直径は、
レジストパターン25を形成した直後の窓26の径0.
6μmよりも、約0.1μmだけ広がった。これに対し
て、磁場を印加せずにAr活性粒子を垂直にレジストパ
ターン25に照射した場合(第4実施形態)には、その
第二のシリコン酸化膜24の下部開口27bの直径は
0.6μmからさらに約0.2μmだけ増加し、また、
Ar活性粒子の照射が無い従来技術の場合の開口の直径
は0.6μmからさらに0.25μmだけ増加した。
【0073】このように、Arイオンをレジストパター
ン26に照射する場合には、コンタクトホール27の径
方向に磁場Hを印加することは、フッ化層の発生を防止
し、ひいてはコンタクトホール27の径の増加の抑制に
有効であることがわかる。次に、Arイオンをレジスト
パターン26に照射する場合に印加する磁場Hの大きさ
が、コンタクトホール27の直径の増加の抑制にどのよ
うに影響を及ぼすかを調べたところ、図12のような結
果が得られた。即ち、印加する磁場Hが大きくなるほど
コンタクトホールの直径の増加量が少なくなることがわ
かる。
【0074】これは、Arイオンがレジストパターン2
5に照射する際の横方向の成分が大きくなるので、レジ
ストパターン25の窓26の内周面に照射されるArイ
オンの量が増えて、その面のレジストパターン25が硬
くなったからと考えられる。そのような磁場Hが僅かで
も存在するとコンタクトホールの直径の増加を減少させ
る効果がある。
【0075】なお、上記した第3実施形態で説明したA
rイオンのイオンミリングの際に磁場Hを印加しても、
同様な作用効果が得られる。 (6)その他の実施の形態 上記第1乃至第5の実施の形態では、レジストの種類と
してノボラック系のホトレジストを用いているが、他の
材料のホトレジストを用いてもよいし、ディープUVレ
ジスト、i線用レジスト、g線用レジスト、電子線用レ
ジスト又はX線用レジスト等を用いることができる。
【0076】また、下部配線層を被覆する層間絶縁膜と
してのシリコン酸化膜14,24にビアホールを形成す
る場合に本発明を適用しているが、半導体基板を被覆す
る層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する場合にも適
用することができる。更に、被加工体としてシリコン酸
化膜14,24を用いているが、これに限られるもので
はなく、他の種類の絶縁膜を用いてもよい。この場合、
レジストパターンを用い、かつ第1のエッチング工程で
エッチングガスとしてフッ素含有ガスを用いるものであ
ればよい。
【0077】また、第1のエッチング工程で用いるフッ
素含有ガスとしては、CF4 +O2、NF3 に限られる
ものではなく、他の種類のフッ素含有ガス、例えばSF
6 +O2 等を用いる場合にも本発明を適用することがで
きる。更に、絶縁膜のみならず、シリコンやアルミニウ
ムのパターニングに適用してもよい。この場合、シリコ
ンやアルミニウムのエッチングガスである塩素含有ガス
Cl2 ,BCl3 を用いたエッチング工程を含むパター
ニング方法に適用することも可能である。また、フッ素
や塩素の他のハロゲン元素を含有するガスHBrを用い
て上記の他の材料窒化チタン(TiN)やタングステン
(W)をエッチングする場合にも適用できる。
【0078】更に、イオンやプラズマの照射処理にAr
を用いているが、他の希ガス、例えばHe、Ne、X
e、Kr等を用いることもできる。
【0079】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、フッ
素含有ガスを用いた第1のエッチング工程の後、第1の
エッチング工程での被加工体の最高到達温度以上であっ
て、レジスト膜の加熱温度以下の温度でレジストパター
ンを加熱している。これにより、第1のエッチング工程
で、レジストパターンの表層にフッ化したレジスト層が
形成された場合、フッ素は単体で或いは炭素との化合物
を形成してレジストパターン中から除去される。このた
め、ドライエッチングに対する耐性が改善されるので、
第2のエッチング工程において反応ガスによる物理的な
衝撃或いは化学的な反応に起因するレジストパターンの
膜減りが抑えられて、レジストパターンの開口の内径の
拡大が抑制される。これにより、被加工体に形成される
開口の微細化を図ることができる。
【0080】また、フッ素含有ガスや塩素含有ガスを用
いた第1のエッチング工程の前にイオン照射処理を行っ
ている。これにより、レジストパターンの表層の耐エッ
チング性を強化することができるので、第1のエッチン
グ工程に続く第2のエッチング工程において、レジスト
パターンの膜減りを抑制し、レジストパターンの開口の
内径の拡大を抑制して、パターニング精度の向上を図る
ことができる。
【0081】また、フッ素含有ガスや塩素含有ガスを用
いた第1のエッチング工程の前に希ガスのイオンの照射
処理を行っている。レジストパターンの表層は、高エネ
ルギーの希ガス活性粒子又は希ガスイオンにより叩かれ
て分子密度が高くなって硬くなったうえに、フッ素或い
は塩素を含むハロゲン含有ガスを用いるその後のエッチ
ングによっても、それらの元素がレジストパターンに侵
入しにくくなり、レジストパターンの表面のフッ化層や
塩化層等の形成を抑制することができる。
【0082】これにより、レジストパターンの表層の耐
エッチング性を強化することができる。従って、第1の
エッチング工程に続く第2のエッチング工程において、
レジストパターンの膜減りを抑制し、パターニング精度
の向上を図ることができる。また、希ガスのイオンを斜
めに照射し、または基板に平行に磁場をかけてフレミン
グの左手の法則によって、希ガスイオンの横方向への照
射成分を大きくすると、レジストパターンの窓内面や側
壁に希ガスのイオンを照射してその面を硬くしてフッ化
を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、2の実施の形態に係るドライエ
ッチング方法について示す断面図(その1)である。
【図2】本発明の第1、2の実施の形態に係るドライエ
ッチング方法について示す断面図(その2)である。
【図3】本発明の第1、2の実施の形態に係るドライエ
ッチング方法と従来のドライエッチング方法によるレジ
ストパターンの断面形状の比較について示す断面図であ
る。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係るドライエッチ
ング方法について示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係るドライエッチ
ング方法に用いたレジストパターンの膜減りの様子を示
す特性図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るドライエッチ
ング方法に用いたレジストパターンのフッ化層の形成状
態について示すフーリエ変換赤外分光法による吸収特性
図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係るドライエッチ
ング方法について示す断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係るドライエッチ
ング方法に用いたレジストパターンの膜減りの様子を示
す特性図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に使用するRIE装
置の断面図と、RIE装置の周囲に配置される電磁石を
示す平面図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係るドライエッ
チング方法について示す断面図である。
【図11】図11(a) は、本発明の第5の実施の形態の
半導体装置の製造工程において、ダウンフローエチング
を経た後のレジストの表面状態を示す写真に基づく断面
図と、図11(b) は、本発明の第4の実施の形態の半導
体装置の製造工程において、ダウンフローエチングを経
た後のレジストの表面状態を示す写真に基づく断面図
と、図11(c) は、従来の半導体装置の製造工程におけ
るダウンフローエチングを経た後のレジストの表面状態
を示す写真に基づく断面図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態によるエッチング
方法と、本発明の第4の実施の形態によるエッチング方
法と、従来の半導体装置の製造工程におけるエッチング
方法によってそれぞれ形成されたコンタクトホールの直
径の広がりを比較する図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態において、印加磁
場の相違によるコンタクトホールの直径の広がりの違い
を比較する図である。
【図14】従来例に係るドライエッチング方法について
示す断面図である。
【図15】他の従来例に係るドライエッチング方法につ
いて示す断面図である。
【符号の説明】
11,21 シリコン基板、 12,22 シリコン酸化膜、 13,23 下部配線層、 14,24 シリコン酸化膜(層間絶縁膜)、 15 レジスト膜、 15a,25 レジストパターン、 16,17b,26,27b 下部開口、 17,27 ビアホール、 17a,27a 上部開口(テーパ)、 18 上部配線層、 30 上側電極、 31 下側電極、 33 チャンバ、 34 電磁石。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/88 D

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工体上にレジスト膜を形成する工程
    と、 前記レジスト膜を露光し、現像して、レジストパターン
    を形成する工程と、 前記レジストパターンを第1の温度で加熱して硬化させ
    る工程と、 ハロゲン元素含有ガスを用い、前記レジストパターンを
    マスクに使用して前記被加工体をエッチングする第1の
    エッチング工程と、 前記第1のエッチング工程の際に被加工体が最高に上昇
    する第2の温度よりも高くて前記第1の温度よりも低い
    第3の温度で、前記レジストパターンを加熱する工程
    と、 前記レジストパターンをマスクに使用して前記被加工体
    をさらにエッチングする第2のエッチング工程とを有す
    る半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】前記第3の温度は、80℃以上、200℃
    以下の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の半
    導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】半導体基板の上の存在する被加工体上にレ
    ジスト膜を形成する工程と、 前記レジスト膜を露光し、現像して、レジストパターン
    を形成する工程と、 前記レジストパターンの表面に希ガス分子、希ガスイオ
    ン又は希ガス活性粒子を照射する工程と、 ハロゲン元素含有ガスを用い、前記レジストパターンを
    マスクに使用して前記被加工体をエッチングする第1の
    エッチング工程と、 前記レジストパターンをマスクに使用して前記被加工体
    をさらにエッチングする第2のエッチング工程とを有す
    る半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】前記希ガスは、アルゴン、ヘリウム、ネオ
    ン、キセノン又はクリプトンのうちいずれか一つ或いは
    これらの混合ガスであることを特徴とする請求項3に記
    載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】前記希ガス分子、希ガスイオン又は希ガス
    活性粒子の照射は、前記レジストパターンの表面に対し
    て斜め方向から行うことを特徴とする請求項3記載の半
    導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】前記希ガスイオンを前記レジストパターン
    の表面に照射する際に、前記半導体基板の面に平行な成
    分を含む磁場を前記レジストパターンに印加することを
    特徴とする請求項3又は4記載の半導体装置の製造方
    法。
  7. 【請求項7】前記希ガス原子の運動エネルギは400e
    V以上であることを特徴とする請求項3乃至請求項5の
    いずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】前記希ガスイオンの加速電圧は400V以
    上であることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいず
    れかに記載の半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】前記希ガスイオン又は前記希ガス活性粒子
    は高周波電力が供給される2つの電極で希ガスプラズマ
    を発生させることによって生成され、かつプラズマの生
    成電力は6W/cm2 以上であることを特徴とする請求
    項3又は請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】前記希ガスイオン又は前記希ガス活性粒
    子は高周波電力が供給される2つの電極で希ガスプラズ
    マを発生させることによって生成され、かつプラズマ電
    位(VP )と前記半導体基板のセルフバイアス電圧(V
    DC)との差(V1 =VP −VDC)が1.5kV以上であ
    ることを特徴とする請求項3、請求項4、請求項8又は
    請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】前記第1のエッチング工程は前記被加工
    体を等方性エッチングする工程であり、前記第2のエッ
    チング工程は前記被加工体を異方性エッチングする工程
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいず
    れかに記載の半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】前記ハロゲン元素含有ガスは、フッ素含
    有ガスであることを特徴とする請求項1乃至請求項11
    のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】前記フッ素含有ガスは、CF4 とO2
    混合ガス、NF3 ガス又はSF6 とO2 の混合ガスであ
    ることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製
    造方法。
  14. 【請求項14】前記被加工体はシリコン含有絶縁膜であ
    ることを特徴とする請求項12又は請求項13のいずれ
    かに記載の半導体装置の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013106044A (ja) * 2012-11-09 2013-05-30 El-Seed Corp エッチング方法
JP2016012664A (ja) * 2014-06-30 2016-01-21 豊田合成株式会社 サファイア基板の製造方法およびiii族窒化物半導体発光素子の製造方法
US9472736B2 (en) 2011-11-15 2016-10-18 El-Seed Corporation Etching method

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