JPH09213387A - プリント配線基板用接続端子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント配線基板に固定した接続端子に電線
側端子を嵌合させる際、接続端子をプリント配線基板に
半田付けした半田部分に割れが生じることがないプリン
ト配線基板用接続端子を提供する。 【解決手段】 本発明のプリント配線基板用接続端子１
０は、端子嵌合部１３に作用する嵌合力が端子嵌合部１
３に連設された固着部１１に直接伝達され、半田付け部
１４には緩衝部１５を介して間接的に伝達される。そし
て、緩衝部１５の曲げ剛性は他の部分よりも低くされて
いるので、端子嵌合部１３に作用する嵌合力の大半は固
着部１１を介してプリント配線基板１に分散され、半田
付け部１４に作用する嵌合力を最小にすることができ
る。これにより、半田付け部１４をプリント配線基板１
に半田付けする半田部分に割れ等が生じるのを確実に防
止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線基板
に電線を接続する際に用いるプリント配線基板用接続端
子に関し、より詳しくは接続端子に電線側端子を嵌合さ
せる際に、接続端子をプリント配線基板に半田付けする
半田部分に亀裂等が生じないように構成したプリント配
線基板用接続端子に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子機器には種々の形式のプリン
ト配線基板が用いられているが、電気回路の構成によっ
ては、プリント配線基板に直接電線を接続する必要があ
る。この場合は、図１１に示したように、プリント配線
基板１に貫設した接続端子取付孔１ａに、導電性の金属
板からプレス成形した接続端子２の半田付け部２ａを挿
入し、前記半田付け部２ａをプリント配線基板１上に形
成された図示されない導電路に半田付けする。次いで、
プリント配線基板１に接続する電線側の端子を前記接続
端子２に嵌合させ、電線をプリント配線基板１に接続す
る。

【０００３】また、多数の電線をプリント配線基板に接
続する際には、図１２に示したように、多数の接続端子
３が植設された樹脂製若しくは金属製のハウジング４
を、ボルト５でプリント配線基板１上に固定した接続端
子組立体を使用する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図１１
に示した接続端子２においては、電線側端子を接続端子
２に嵌合させる際の嵌合力が、接続端子２をプリント配
線基板１に半田付けした半田部分に直接作用するので、
半田部分に割れを生じさせるおそれがある。特に、接続
端子２と電線側端子との間に大電流（５０Ａ／１２Ｖ程
度）を流す場合には、両端子同士の接触圧力を高く保つ
必要があるので、接続端子２に作用する接触圧力と摩擦
力により決定される嵌合力も高くなり、半田部分に割れ
が生じる可能性がより一層高くなる。

【０００５】これに対して、図１２に示した接続端子組
立体においては、接続端子３がハウジング４に支持され
ているため、接続端子３に電線側端子を嵌合させる際の
嵌合力が、ハウジング４をプリント配線基板に半田付け
した部分に直接作用することがなく、半田部分に割れを
生じさせるおそれは少ない。しかしながら、接続端子３
と電線側端子との間に大電流を流す場合には、上述した
ように接続端子３に作用する嵌合力が高くなるので、一
つのハウジング４で支持することができる接続端子３の
数は１〜２個となる。これにより、多数の電線をプリン
ト配線基板に接続する際には、多数の接続端子組立体を
プリント配線基板上に取り付けることになり、非経済的
であるばかりでなく、大きな取付スペースを必要とす
る。

【０００６】そこで、本発明の目的は、従来の技術が有
する問題点を解消し、プリント配線基板に取り付けた接
続端子に電線側端子を嵌合させる際に、接続端子をプリ
ント配線基板に半田付けした半田部分に割れが生じるこ
とがなく、かつ低コストでプリント配線基板上の狭い取
付スペースに多数の電線を接続することができるプリン
ト配線基板用接続端子を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のプリント配線基板用接続端子は、導電性の
金属板をプレス加工することにより成形されるプリント
配線基板上に電線を接続するために用いる接続端子であ
って、プリント配線基板上に固着される固着部と、この
固着部に連設された電線側の端子が嵌合する端子嵌合部
と、プリント配線基板に半田付けされる半田付け部とを
備え、前記半田付け部が剛性の低い緩衝部を介して前記
端子嵌合部に連設されている。また、前記固着部がプリ
ント配線基板に螺着されている。また、前記端子嵌合部
がプリント配線基板の表面に対して平行、または垂直に
延びるように配設されている。さらに、複数の端子嵌合
部が前記電線側端子嵌合部に連設されている。

【０００８】上記構成のプリント配線基板用接続端子に
おいては、端子嵌合部に作用する嵌合力は、端子嵌合部
に連設された固着部に直接伝達され、半田付け部には緩
衝部を介して間接的に伝達される。そして、前記緩衝部
の曲げ剛性は他の部分よりも低くされているので、端子
嵌合部に作用する嵌合力の大半は前記固着部を介してプ
リント配線基板に分散され、半田付け部に作用する嵌合
力は小さい。これにより、前記半田付け部をプリント配
線基板に半田付けする半田部分に割れを生じるような心
配はない。また、本発明のプリント配線基板用接続端子
は、導電性の金属板からプレス成形されるので、製造コ
ストを低く抑えることができる。また、端子嵌合部がプ
リント配線基板の表面に対して水平方向、または垂直方
向に延びるので狭い取付スペースに多くの接続端子を取
り付けることができる。さらに、複数の端子嵌合部を前
記端子嵌合部に連設するので、一つの接続端子に多数の
電線を接続することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係るプリント配線
基板用接続端子の各実施の形態例について図１乃至図１
０を参照して詳細に説明する。図１は本発明に係る第１
実施形態のプリント配線基板用接続端子の全体斜視図、
図２は図１に示したプリント配線基板用接続端子の縦断
面図、図３は図１に示したプリント配線基板用接続端子
の展開図、図４乃至図１０は第２実施の形態乃至第８実
施の形態のプリント配線基板用接続端子の全体斜視図で
ある。

【００１０】図１に示したように、第１実施形態の接続
端子１０は、導電性の金属板をプレス加工することによ
り成形されたもので、プリント配線基板１上に固着され
る固着部１１と、この固着部１１に連設された図示され
ない電線側の端子が嵌合する端子嵌合部１３と、プリン
ト配線基板１に半田付けされる半田付け部１４と、この
半田付け部１４を前記端子嵌合部１３に接続する減肉さ
れてその他の部分よりも曲げ剛性が低くされた緩衝部１
５を備えている。

【００１１】前記固着部１１には、図１および図２に示
したように、ボルト孔１２が形成されている。そして、
このボルト孔１２には、プリント配線基板１に貫設され
たボルト挿通孔１ｂに挿通されるボルトＢの先端が螺合
する。なお、前記ボルト孔１２の周囲は円錐状に盛り上
げられてプリント配線基板１の表面に密着しないように
されている。これにより、ボルトＢを締め付けたときに
ボルトＢに作用する軸力が高まり、ボルトＢが容易に緩
むことがない。

【００１２】前記端子嵌合部１３は先端が面取りされた
帯板状とされ、前記固着部１３に対して互いに直交する
ように、固着部１３の一方の側縁から延設されている。
そして、固着部１３がプリント配線基板１上に固着され
た状態では、前記端子嵌合部１３は、その幅方向にはプ
リント配線基板１の表面に対して垂直に延びるが、その
長手方向にはプリント配線基板１の表面に対して平行に
延びるようにされ、かつプリント配線基板１の縁部から
外側に向かって延びるように配設されている。

【００１３】前記半田付け部１４は、前記端子嵌合部１
３に対向して平行に延びている。そして、プリント配線
基板１側の端部には、プリント配線基板１に貫設された
長孔１ａ内に挿通される一対の突起部１４ａが形成され
ている。そして、これらの突起部１４ａは、図２に示し
たように、前記固着部１３がプリント配線基板１に螺着
された状態で、プリント配線基板１上に形成された図示
されない導電路に半田部Ｈにより半田付けされる。

【００１４】前記緩衝部１５は、前記固着部１１に対向
して互いに平行に延びている。そして、その中央部に
は、図３に示したように、矩形状の肉抜き孔が形成され
ており、その曲げ剛性が固着部１１、端子嵌合部１３、
半田付け部１４よりも低くされている。

【００１５】図３に示した接続端子１０の展開図を参照
して、前述した固着部１１、端子嵌合部１３、半田付け
部１４および緩衝部１５の相対関係を説明する。先ず、
端子嵌合部１３は固着部１１に直接連設されており、半
田付け部１４は緩衝部１５を介して端子嵌合部１３に連
設されており、プリント配線基板１に半田付けされる一
対の突起部１４ａは端子嵌合部１３から最も遠い位置に
配設されている。

【００１６】次に、上述のように構成された本実施形態
の接続端子２０の作用について説明する。プリント配線
基板１に接続する電線側の端子を端子嵌合部１３に嵌合
させる際には、嵌合力が端子嵌合部１３に作用する。そ
して、この嵌合力は、端子嵌合部１３から固着部１１に
直接的、および緩衝部１５を介して半田付け部１４に間
接的にそれぞれ伝達される。この時、緩衝部１５の曲げ
剛性がその他の部分よりも低くされているので、端子嵌
合部１３に作用する嵌合力の大半は、曲げ剛性が高い固
着部１１によって受け止められる。そして、固着部１１
に作用する嵌合力は、ボルトＢによってプリント配線基
板１に伝達されて分散される。これにより、半田付け部
１４には、端子嵌合部１３に作用する嵌合力の一部のみ
が作用するだけであるから、端子嵌合部１３に電線側の
端子を嵌合させる際に、半田部分Ｈに割れの生じるおそ
れはない。

【００１７】なお、緩衝部１５の曲げ剛性を低下させる
ために、緩衝部の形状を様々に変更することができる。
例えば、図４に示した第２実施形態の接続端子２１にお
いては、緩衝部２１ａに複数のスリットが形成され、こ
れによって緩衝部２１ａの曲げ剛性が低くされている。

【００１８】また、図５に示した第３実施形態の接続端
子２２のように、端子嵌合部２２ａに貫通孔２２ｂを形
成し、この貫通孔２２ｂに挿通するボルトによって、プ
リント配線基板１に接続する電線側の端子を端子嵌合部
２２ａに接続しても良い。

【００１９】また、図６に示した第４実施形態の接続端
子２３のように、端子嵌合部２３ａを固着部２３ｂと面
一に形成することも可能である。

【００２０】一方、図７乃至図９に示した第５乃至第７
実施形態の接続端子２４、２５、２６のように、端子嵌
合部２４ａ、２５ａ、２６ａをプリント配線基板１の表
面に対して垂直方向に延びるようにすれば、プリント配
線基板１上への接続端子２４、２５、２６の取付スペー
スを最小限とすることができ、プリント配線基板１上の
限られた取付スペースに多数の接続端子を取り付けるこ
とができる。

【００２１】また、図１０に示した第８実施形態の接続
端子２７においては、端子嵌合部２７ａに連設された延
長部分２７ｂに第２および第３の端子嵌合部２７ｃ、２
７ｄがそれぞれ形成されている。これにより、この接続
端子２７一つで合計３本の電線をプリント配線基板１に
接続することができる。また、前記第２および第３の端
子嵌合部２７ｃ、２７ｄを、プリント配線基板１上に形
成されている導電路２８ａ、２８ｂには接触しないよう
に形成することにより、プリント配線基板１上の導電路
の引き回しや、その他の電気部品の実装設計を容易に行
うことができる。

【００２２】以上、本発明に係るプリント配線基板用接
続端子の各実施形態について説明したが、本発明は上述
した実施形態によって限定されるものではなく、本発明
の主旨に基づいて種々の変更が可能であることは言うま
でもない。例えば、上述した各実施形態の接続端子は、
ボルトによってプリント配線基板上に螺着されている
が、これをスクリュねじ、あるいはボルトとナットとの
組み合わせに置き換えても良いし、リベット等の締結部
品を用いてプリント配線基板上に固着しても良い。ま
た、上述した各実施形態においては、半田付け部を緩衝
部を介して端子嵌合部に接続しているが、固着部に接続
しても良い。さらに、半田付け用の突起部を固着部の端
子嵌合部とは反対側の側縁に直接連設する構成としても
良い。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように本発明のプリント配
線基板用接続端子においては、端子嵌合部に作用する嵌
合力は、端子嵌合部に連設された固着部に直接伝達さ
れ、半田付け部には緩衝部を介して間接的に伝達され
る。そして、緩衝部の曲げ剛性は他の部分よりも低くさ
れているので、端子嵌合部に作用する嵌合力の大半は固
着部を介してプリント配線基板に分散され、半田付け部
に作用する嵌合力を最小にすることができる。これによ
り、プリント配線基板に接続する電気配線側の端子を端
子嵌合部に嵌合させる際に、半田付け部をプリント配線
基板に半田付けする半田部分に大きな力が作用して半田
部分に割れを生じるようなことを確実に防止することが
できる。また、導電性の金属板をプレス加工することに
より成形されるので、製造コストを低く抑えることがで
きる。また、端子嵌合部をプリント配線基板の表面に対
して平行、または垂直に延びるように配設することで、
プリント配線基板上の狭い取付スペースに多くの接続端
子を取り付けることができる。さらに、複数の端子嵌合
部を端子嵌合部に連設すれば、一つの接続端子を用いて
多数の電線をプリント配線基板に接続することができる
から、プリント配線基板上の導電路の引き回し、および
その他の電子部品の実装設計を容易に行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る第１実施形態のプリント配線基板
用接続端子の全体斜視図である。

【図２】図１に示したプリント配線基板用接続端子の縦
断面図である。

【図３】図１に示したプリント配線基板用接続端子の展
開図である。

【図４】本発明に係る第２実施形態のプリント配線基板
用接続端子の斜視図である。

【図５】本発明に係る第３実施形態のプリント配線基板
用接続端子の斜視図である。

【図６】本発明に係る第４実施形態のプリント配線基板
用接続端子の斜視図である。

【図７】本発明に係る第５実施形態のプリント配線基板
用接続端子の斜視図である。

【図８】本発明に係る第６実施形態のプリント配線基板
用接続端子の斜視図である。

【図９】本発明に係る第７実施形態のプリント配線基板
用接続端子の斜視図である。

【図１０】本発明に係る第８実施形態のプリント配線基
板用接続端子の斜視図である。

【図１１】従来のプリント配線基板用接続端子の斜視図
である。

【図１２】従来の別のプリント配線基板用接続端子の斜
視図である。

【符号の説明】

１ プリント配線基板 １ａ 半田付け部挿通孔 １ｂ ボルト挿通孔 １０ 第１実施形態の接続端子 １１ 固着部 １２ ボルト孔 １３ 端子嵌合部 １４ 半田付け部 １５ 緩衝部 １５ａ 肉抜き孔 Ｂ ボルト Ｈ 半田部 ２１ 第２実施形態の接続端子 ２１ａ スリット状緩衝部 ２２ 第３実施形態の接続端子 ２２ａ 端子嵌合部 ２２ｂ ボルト挿通孔 ２３ 第４実施形態の接続端子 ２３ａ 端子嵌合部 ２４ 第５実施形態の接続端子 ２４ａ 固着部 ２４ｂ 端子嵌合部 ２４ｃ 半田付け部 ２４ｄ 緩衝部 ２５ 第６実施形態の接続端子 ２５ａ 緩衝部スリット状 ２６ 第７実施形態の接続端子 ２６ａ 端子嵌合部 ２６ｂ ボルト挿通孔 ２７ 第８実施形態の接続端子 ２７ａ 端子嵌合部 ２７ｂ 延設部 ２７ｃ 第２の端子嵌合部 ２７ｄ 第３の端子嵌合部 ２８ａ、２８ｂ 導電路

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 導電性の金属板をプレス加工することに
   より成形されるプリント配線基板上に電線を接続するた
   めに用いる接続端子であって、 プリント配線基板上に固着される固着部と、この固着部
   に連設された前記電線側の端子が嵌合する端子嵌合部
   と、前記プリント配線基板に半田付けされる半田付け部
   とを備え、該半田付け部が剛性の低い緩衝部を介して前
   記端子嵌合部に連設されていることを特徴とするプリン
   ト配線基板用接続端子。
2. 【請求項２】 前記固着部が前記プリント配線基板に螺
   着されることを特徴とする請求項１に記載のプリント配
   線基板用接続端子。
3. 【請求項３】 前記端子嵌合部が、前記プリント配線基
   板の表面に対して平行に延びるように配設されているこ
   とを特徴とする請求項１または２に記載のプリント配線
   基板用接続端子。
4. 【請求項４】 前記端子嵌合部が、前記プリント配線基
   板の表面に対して垂直に延びるように配設されているこ
   とを特徴とする請求項１または２に記載のプリント配線
   基板用接続端子。
5. 【請求項５】 複数の端子嵌合部が前記端子嵌合部に連
   設されていることを特徴とする請求項１から３のいずれ
   かに記載のプリント配線基板用接続端子。