JPH09213216A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法

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JPH09213216A
JPH09213216A JP3754396A JP3754396A JPH09213216A JP H09213216 A JPH09213216 A JP H09213216A JP 3754396 A JP3754396 A JP 3754396A JP 3754396 A JP3754396 A JP 3754396A JP H09213216 A JPH09213216 A JP H09213216A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトリソグラフィー法を用い、塗布層の露
光広がりを抑えてパターン寸法精度が優れ、かつ形状バ
ラツキの小さい障壁および/あるいは反射層を形成し、
表示品位を向上させた歩留の良いPDPの製造方法を提
供する。 【解決手段】 一定の空間を隔てて互いに平行にかつ対
向して配した前面絶縁板と背面絶縁板の内側に、相対向
して交差する二組の電極群を設け、かつ両電極群間の直
交する部分に放電セルを形成するための障壁を設けたプ
ラズマディスプレイパネルの製造方法において、該障壁
を紫外線吸光剤を含有する感光性ペーストを用いたフォ
トリソグラフィー法により形成する手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(以下、PDPという)の製造方法に係り、
より詳細には、フォトリソグラフィー法により、寸法精
度と位置精度に優れ、かつ微細化を可能とした障壁およ
び/あるいは可視光反射用の絶縁層(以下、反射層とい
う)を形成できるPDPの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、PDPのうちのDC型PDPの
一例を示す斜視図である。このPDPは、一定の空間を
隔てて互いに平行にかつ対向して配置した前面絶縁板1
と背面絶縁板2を有し、この両絶縁板1,2の内側に
は、相対向して交差するアノード電極群(陽極)3とカ
ソード電極群(陰極)4を備え、両電極群3,4間の直
交する部分に表示セル6と補助セル7を形成するための
障壁5を有している。この障壁5は、表示セル6と補助
セル7を形成すると共に、電極群3,4間の光のクロス
トークを防ぎ、前面絶縁板1と背面絶縁板2との間隙を
一定に保つために設けている。また、背面絶縁板2の前
面絶縁板1に対向する面(背面絶縁板2の底部)には、
厚さが10〜30μm程度の反射層8を有し、この反射
層8の各表示セル6に対応し、放電に関与する電極群3
の表示陽極3a上には、放電用窓9を有している。そし
て、前記両電極群3,4間には、希ガスが封入されてい
て、両電極群3、4の交差部が一つの画素(表示セル
6)に対応している。ここで、放電用窓9は、均一な放
電を行うために、寸法精度に優れ、形状バラツキの少な
い窓とすることが必要である。なお、3bは補助セル7
の種火放電を司る補助陽極である。
【0003】そして、このPDPは、両電極群3,4間
に電圧をかけると放電が起こり、補助セル7における種
火放電から荷電粒子等の供給を受けながら表示セル6で
は、内部に表示用放電を形成し紫外線が発生する。この
紫外線によって励起された表示セル6の蛍光面(レッド
蛍光面11、グリーン蛍光面12、ブルー蛍光面13)
から可視光を得る。このカラーPDPでは、発光効率、
輝度向上の観点から表示セル6の内壁および/あるいは
背面絶縁板2の前面絶縁板1に対向する面に蛍光体を塗
布し、ここから反射した可視光を表示に利用する。これ
により、障壁5および/あるいは反射層8からの可視光
を効率よく利用できる。
【0004】ところで、従来、このPDPの障壁5や反
射層8は、厚膜形成法で形成している。しかし、この厚
膜形成法による場合、寸法精度、位置精度、および形状
の点で満足できる反射層を得難く、また障壁幅の微細化
に対応できないという課題がある。そこで、近年では、
このような障壁幅の微細化、寸法精度の向上および大型
化における位置精度確保の観点から、フォトリソグラフ
ィー法を用いて障壁や反射層を形成することが試みられ
ている(特開平2−165538号公報参照)。この形
成法は、セラミック粉末と紫外線硬化樹脂を混合した感
光性ペーストの塗布膜に遮光マスクを用いてパターン部
分に紫外線を選択的に照射、硬化させ、この工程を複数
回繰り返すことにより積層された塗布層を得て、この塗
布層を一括現像し、焼成して所定のパターンを形成する
方法である。そして、この方法によれば、100μm以
下のライン幅およびライン間隔を有し、かつ100μm
以上の高さを有するPDP用の障壁を形成することがで
き、また所望の高さの反射層を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述したPD
Pの障壁や反射層を感光性ペーストを用いたフォトリソ
グラフィー法を用いて形成する場合、次のような課題が
ある。すなわち、 障壁や反射層を形成するためには、原料のセラミッ
ク粉末が白色であることが好ましい。これは、障壁や反
射層を白色絶縁体とすることにより、可視光を効率よく
利用できることによる。しかし、該白色粉末は、反射率
が大きいことから、露光時に前記感光性ペースト内での
紫外線の散乱が大きくなり、設計パターン幅より形成パ
ターン幅が広くなり、寸法精度を低下せしめ均一な形状
が得られない。 また、前記塗布層を透過して、該塗布層を形成した
基板(背面絶縁板)面に達した紫外線は、該基板面で反
射して該基板面上の未露光部を露光させるが、同時にパ
ターン周辺部も露光、硬化するため、該パターン周辺部
に硬化した現像の困難な残渣が残り、寸法精度、形状微
細化に悪影響を及ぼす。 従って、寸法精度、位置精度および形状に優れた障
壁や反射層(放電用窓)を形成できず、PDPの高精細
化および大型化に限界がある。という課題がある。
【0006】そこで、本発明者は、このような課題に鑑
み、種々、研究した結果、前記感光性ペースト中に紫外
線吸光剤を含有させることによって、前記露光時に紫外
線の散乱を軽減し得ることを究明した。本発明は、この
ような課題に対処して創作したものであって、その目的
とする処は、フォトリソグラフィー法を用い、塗布層の
露光広がりを抑えてパターン寸法精度が優れ、かつ形状
バラツキの小さい障壁および/あるいは反射層を形成
し、表示品位を向上させた歩留の良いPDPの製造方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そして、上記目的を解決
するための手段としての本発明の請求項1のPDPの製
造方法は、一定の空間を隔てて互いに平行にかつ対向し
て配した前面絶縁板と背面絶縁板の内側に、相対向して
交差する二組の電極群を設け、かつ両電極群間の直交す
る部分に放電セルを形成するための障壁を設けたプラズ
マディスプレイパネルの製造方法において、該障壁を紫
外線吸光剤を含有する感光性ペーストを用いたフォトリ
ソグラフィー法により形成することを特徴とする。
【0008】請求項2のPDPの製造方法は、前記請求
項1の製造方法において、前記背面絶縁板の前記前面絶
縁板に対向する面に反射層を備え、該反射層を紫外線吸
光剤を含有する感光性ペーストを用いたフォトリソグラ
フィー法により形成することを特徴とする。また請求項
3のPDPの製造方法は、前記請求項1または2の製造
方法において、前記紫外線吸光剤として、アゾ系有機染
料を用いることを特徴とする。
【0009】本発明では、前述した従来技術において説
明した図1のPDPにおいて、障壁および/あるいは反
射層を、紫外線吸光剤を含有する感光性ペーストを用い
たフォトリソグラフィー法により形成している。ここ
で、該感光性ペーストとしては、紫外線吸光剤、感光性
樹脂、および溶媒を混合したペースト状組成物を用いて
いる。そして、該感光性ペースト中に紫外線吸光剤を含
有させたことにより、紫外線の散乱と反射による障壁や
反射層パターン形成への悪影響を抑えることができる。
すなわち、紫外線吸光効果の高い吸光剤を含有させるこ
とによって、高解像度を得ることができる。
【0010】ここで、前記紫外線吸光剤としては、45
0nm以下の光を吸収して、それ自身、光に対して安定
であると同時に、可視光を吸収しないことが必要であ
り、この条件を充足すると共に、焼成時に蒸発・分解
し、絶縁抵抗を低下させるおそれのない有機染料が好ま
しい。そして、該有機染料としては、高吸光度を有する
種々の染料が使用でき、例えば、アゾ系染料、アントラ
キノン系染料(アントラキノン媒染染料、アントラキノ
ン酸性染料)、キサンテン系染料(ピロニン染料、スタ
イレン染料)等を使用でき、このうちアゾ系染料が好ま
しい。該アゾ系染料は、比較的容易にかつ安価に得られ
るばかりでなく、成分の多様な組み合わせのなかから目
的に合った安定な染料を選択することができる。このア
ゾ系染料としては、直接アゾ染料、酸性アゾ染料、酸性
媒染アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、反応性アゾ染料、分
散アゾ染料、アゾイック染料、油溶性アゾ染料等を用い
ることができ、好ましいアゾ染料の具体例としては、ダ
イレクト・イエロー−12、アシッド・イエロー23、
モルダント・オレンジ1、リアクティブ・イエロー3、
ディスパース・イエロー3、スダンI、スダンII、スダ
ンIII 、スダンIV、スダンブルーGL、オレンジI、オ
レンジSS、オイルイエローOB、オイルイエローA
B、ブラック2IIB、ナフトールイエローS、アシッド
レッド52、ニューコクシン、ベンゾパープリン4B、
クロラチンフアストレッド5B等を挙げることができ、
このうちスダンIV、オイルイエローOBが特に好まし
い。ここで、有機染料の添加量は、前記セラミック粉末
の種類、粒径等によって決定されるが、セラミック粉末
に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.02〜
0.2重量%の範囲がよい。この範囲より少なすぎる
と、該有機染料の添加による効果が認められず、多すぎ
ると紫外線の吸収が過度に進み非効率である。
【0011】前記感光性樹脂としては、従来から公知の
感光性樹脂が使用でき、例えば、ジアゾ基を感光基とす
るジアゾ樹脂、アジド基を感光基とする芳香族アジド樹
脂、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有す
るアクリル系共重合体等を挙げることができる。この感
光性樹脂を含有する感光性ペーストを塗布した塗布層
は、活性な光線を照射することにより不溶化または可溶
化する層である。なお、前記溶媒としては、エチレング
リコール−n−ブチルエーテルアセテート等を用いるこ
とができる。
【0012】ところで、本発明において、前記感光性ペ
ーストはセラミック粉末と混合して用いる。このセラミ
ックス粉末としては、特に限定されるものでなく、低温
焼成用等の公知のセラミック絶縁材料がいずれも適用で
き、セラミックス粉末単独、ガラス−セラミック複合
系、結晶化ガラスを挙げることができる。該セラミック
粉末を単独で用いる場合としては、アルミナ、ジルコニ
ア、マグネシア、ムライト、コーディライト、アノーサ
イト、シリカ、クリノエンスタタイト、窒化アルミニウ
ムなどの粉末、あるいは低温焼成セラミック粉末があ
る。ガラス−セラミック複合系の例としては、シリカ、
アルミナ、カルシア、ボリアおよび必要に応じてマグネ
シア、およびチタニア等を含むガラス組成粉末と、アル
ミナ、ジルコニア、マグネシア、ムライト、コーディラ
イト、アノーサイト、シリカおよび窒化アルミニウムの
群れから選ばれる一種またはそれらの混合物がある。そ
して、該セラミック粉末の粒子径および比表面積は、作
製しようとする障壁および/あるいは反射層の厚みや焼
成後の収縮率を考慮して選択する。
【0013】また、前記感光性ペーストには、前記感光
性樹脂、紫外線吸光剤および溶媒の他に、必要に応じ
て、安定化剤、増感剤、増感助剤、光重合促進剤、熱重
合禁止剤、可塑剤、酸化防止剤、分散剤、有機あるいは
無機の沈澱防止剤などを適宜添加する。
【0014】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の請求項1、2のPDPの製造方法によれば、露光広が
りを抑え、密着性を損なわずに残渣のない障壁形成が可
能となり、またパターン寸法および形状のバラツキを抑
えた反射層を得ることができ、感光性ペーストを用いた
フォトリソグラフィー法による障壁の白色化が可能とな
り、PDPの輝度および発光効率を向上できると共に、
放電バラツキが抑えられ表示品位を向上できるという効
果を有する。また、フォトリソグラフィー法を用いてい
るため微細な障壁および/あるいは反射層についても形
成可能となるため、大型高精細なPDPが歩留まりよく
作成できるという効果を有する。
【0015】請求項3のPDPの製造方法によれば、紫
外線吸光剤として有機染料を用いているので、フォトリ
ソグラフィー法により障壁や反射層を形成する過程にお
いて、高吸光度を得ることができ、かつ焼成時に有機染
料は蒸発し、焼成後に消失するので、形成された障壁や
反射層において、紫外線吸収剤による絶縁性、緻密性お
よび白色度の低下を防止でき、また有機染料として、ア
ゾ系有機染料を用いているので、該紫外線吸収剤が、比
較的容易にかつ安価に得られるばかりでなく、成分の多
様な組み合わせのなかから目的に合った安定な染料を選
択することができるという効果を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明のPDPの製造方法
の好ましい実施形態について説明する。PDPとして
は、前述した図1に示すようなDC型PDP、その他に
種々のDC型、AC型のPDPがある。本実施形態のP
DPの製造方法においては、その障壁および/あるいは
反射層を紫外線吸光剤を含有した感光性ペーストを用い
てフォトリソグラフィー法により形成した点に特徴を有
する。その他の構成については、従来の技術でも説明し
たように、特開平2−165538号公報等に開示され
ている方法を用い、その製造を行っている。また、本実
施形態においては、障壁および反射層を白色絶縁体で形
成した。
【0017】本発明の実施形態において、前記特徴を有
する感光性ペーストは、セラミック粉末100重量部に
対して、10〜70重量%とし、特に、30〜50重量
%の範囲が好ましい。これより少なすぎると紫外線硬化
が不十分でパターン形成ができず、また多すぎると収縮
が大きくなり積層工程が増え、更に緻密性が劣ることに
なるからである。また、感光性ペーストに含有される紫
外線吸光剤は、セラミック粉末100重量部に対して、
0.01〜5重量%、特に、0.02〜2重量%の範囲
が好ましい。これは、これより少ないと添加効果が認め
られず、これより多いと紫外線の吸収が過度に進み、非
効率であることによる。また、前記紫外線吸光剤として
は、有機染料、特にアゾ系有機染料が好ましい。該アゾ
系有機染料を用いることにより、高吸光度を得ることが
でき、かつ焼成時に蒸発して焼成後にセラミック中に残
存しないので、形成された障壁および/あるいは反射層
において、紫外線吸光剤による絶縁性、緻密性および白
色度の低下を防止できる。そして、露光は、水銀ランプ
を光源として平行光を用い、露光後、現像液を使用して
現像を行ない、光硬化していない部分を除去し、アスペ
クト比1〜5、好ましくは2〜3の範囲の生障壁パター
ンを形成する。ここで、露光前の障壁の高さは、100
〜500μm、露光前の反射層の高さは、15〜50μ
mの範囲に形成する。現像方法としては、浸漬法やスプ
レー法で行ない、現像液としては、アルカリ水溶液、あ
るいは未硬化物が溶解可能である有機溶媒を使用でき、
該該有機溶媒にその溶解力が失われない範囲で水を添加
してもよい。次に、焼成炉で焼成を行って障壁を形成す
る。ここで、焼成雰囲気や焼成温度は、絶縁板や導体の
種類によって異なる。
【0018】そして、前記組成からなる感光性ペースト
を用いると、フォトリソグラフィー法を用いた障壁、反
射層の形成工程において、露光広がりを抑えることがで
き、背面絶縁板との密着性を損なわない微細な障壁、パ
ターン寸法および形状のバラツキを抑えた反射層、放電
用窓を形成でき、表示品位の向上したPDPを歩留り良
く製造することができた。
【0019】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の主旨を変更しない範囲内
で変形実施できる構成を含む。後述の実施例では、障壁
および反射層の各々について示したが、このパターン形
成は、上記反射層を得た後、上記障壁を形成した方が、
より優れたPDPを得られる。また、後述する実施例で
は、セラミック粉末の組成を限定したが、いかなるセラ
ミック粉末に対しても有機染料の種類および添加量を適
正化することにより本発明を効果的に実施できる。とこ
ろで、本発明は、DC型PDPに限られるものでなく、
AC型PDPにおける障壁の形成方法としても適用でき
る。また、障壁および/あるいは反射層の形状は、特に
限定されるものでなく、その機能を発揮できる限り、例
えば、段差状、すり鉢状、円形等の反射層放電窓であっ
てもよい。
【0020】
【実施例】以下、本発明のPDPの製造方法において、
その障壁の形成方法を、実施例1〜3、および比較例1
〜3により、また反射層の形成方法を、実施例4〜6、
および比較例4〜6により具体的に説明する。なお、以
下の説明で使用量や配合割合はすべて重量で表す。 原料 A.セラミック粉末 障壁:99.8%純度アルミナ粉末20部、鉛ホウ
硅酸ガラス組成粉末80部からなる原料を用いた。ま
た、アルミナ粉末は、平均粒子1.5μm、比表面積
4.0m2 /g、ガラス組成は、PbO:50〜70
%、B2 3 :15〜25%、SiO2 :8〜25%、
Al2 3 :1〜10%であった。1200℃でフリッ
ト化した後、ボールミルにて粉砕した。平均粒径3.0
μm、比表面積1.5m2 /gであった。 反射層:99.8%純度アルミナ粉末20%、鉛ホ
ウ硅酸ガラス組成粉末65%、チタン粉末15%からな
る原料を用いた。アルミナ粉末は、平均粒径1.5μ
m、比表面積4.0m2 /g、チタン粉末は、平均粒径
0.5μm、比表面積20m2 /g以上、ガラス組成
は、PbO:50〜70%、B2 3 :15〜25%、
SiO2 :8〜25%、Al2 3 :1〜10%であっ
た。1200℃でフリット化した後、ボールミルにて粉
砕した。平均粒径3.0μm、比表面積1.5m2 /g
であった。 B.有機染料 アゾ系有機染料として、スダンIV(化学式:C2420
4 O、分子量 380.5)、およびアゾ系有機染料
として、オイルイエローOB(化学式:CH3 4
4 N、分子量 261.3)を用いた。 C.感光性樹脂 市販のアルカリ水溶液現像できる光重合型液状レジスト
を用いた。 D.溶媒 エチレングリコール−n−ブチルエーテルアセテートを
用いた。
【0021】実施例1〜3、比較例1〜3 (感光性ペーストの作製)ペーストの作製は、前記した
セラミック粉末100重量部に対して、アゾ系有機染料
(有機染料と有機染料)0.005%〜10%およ
び感光性樹脂40%(固形分換算)を遊星ミルで10分
間混合して調整した。溶媒は、ペーストの粘度を調整す
るために適宜混合した。
【0022】(障壁パターン形成) a.ペースト塗布 電極、抵抗体および反射層を設けたガラス板(背面絶縁
板)上に障壁形成用の感光性ペーストをロールコーター
により塗布した。 b.露光 上記塗布層に波長420nmの紫外線を超高圧水銀灯で
照射(露光)して、障壁形成部を選択的に硬化させた。
この塗布〜露光の工程を障壁の所望とする生厚みになる
まで数回繰り返した。実施例1〜3および比較例1〜3
では、150μmの生厚みを得た。 c.現像 上記で作製した露光積層された感光性ペースト塗布層
を、Na2 CO3 濃度1%、温度30℃、スプレー圧力
2Kg/cm2 の条件で現像し、障壁パターンを得た。 d.焼成 上記工程により得られた障壁パターンを520℃×15
分間焼成し、障壁パターン中の有機成分を揮散させ、ガ
ラス板上に無機成分のみからなるガラス化した高さ12
0μmの白色の障壁を得た。
【0023】(障壁パターンの評価)実施例1〜3、比
較例1〜3のそれぞれについて、焼成後の障壁パターン
について残渣、セラミック粉末のガラス化状態、ガラス
板との密着性、塗布膜層間の密着性およびマスク寸法5
0μmでの実測障壁幅を観察および測定した。そして、
その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1に示すように、得られた実施例1〜3
の障壁パターンは、セラミック粉末のガラス化状態、ガ
ラス板との密着性、塗布膜層間の密着性に不具合は見ら
れず、残渣も観察されなかった。また、露光による障壁
幅の拡大は、焼成収縮量と同じとなり、障壁幅50μm
が得られた。このように露光広がりを抑えることによ
り、障壁パターンの微細化が可能となった。これに対し
て、有機染料添加量のうち適正範囲以外を添加した場合
および無機染料を添加した比較例1〜3の障壁パターン
は、有機染料の添加量が5%より多いと紫外線の透過が
十分行われず、現像時に塗布層間およびガラス基板から
パターンの剥がれが認められ、また有機染料の添加量が
0.01%より少ないと紫外線の散乱および反射が抑え
られずガラス基板上に残渣が残り、更に、無機染料を添
加した場合は、前記障壁のガラス化および白色化が阻害
され、緻密で白色の障壁パターンが得られないことが確
認できた。
【0026】実施例4〜6、比較例4〜6 (反射層パターン形成) a´ ペースト塗布 電極、抵抗体を設けたガラス板(背面絶縁板)上に反射
層形成用の感光性ペーストをロールコーターにより塗布
した。 b´ 露光 上記塗布後に波長420nmの紫外線を超高圧水銀灯で
照射(露光して、反射層形成部を選択的に硬化させた。
この塗布〜露光の工程を反射層の所望とする生厚みにな
るまで数回繰り返した。本実施例4〜6、比較例4〜6
では、40μmの生厚みを得た。 c´ 現像 上記で作製した露光積層された感光性ペースト塗布層
を、Na2 CO3 濃度1%、温度30℃、スプレー圧力
2kg/cm2 の条件で現像し、反射層パターンを得
た。 d´ 焼成 上記工程により得られた反射層パターンを535℃×1
5分間焼成し、反射層パターン中の有機成分を揮散さ
せ、無機成分のみからなるガラス化した高さ30μmの
白色の反射層を得た。
【0027】(反射層パターンの評価)焼成後の反射層
パターンについて残渣、ガラス板との密着性、放電用窓
径のマスク寸法がφ150μmでの実測放電窓寸法およ
びバラツキを観察および測定した。そして、その結果を
表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2に示すように、実施例4〜6の得られ
た反射層壁パターンは、ガラス板との密着性に不具合は
見られず、残渣も観察されなかった。また、露光広がり
による反射層の放電窓径の縮小を抑えることができ、均
一な放電窓形状および寸法が得られ、放電窓径の微細化
が可能となとなることが確認できた。これに対して、比
較例4〜6のた反射層パターンは、有機染料の添加量が
5%より多いと紫外線の透過が十分行われず、現像時に
ガラス基板からパターンが剥がれた。また有機染料の添
加量が0.01%より少ない場合あるいは吸光度の低い
有機染料を用いた場合は、紫外線の散乱および反射が抑
えられず放電窓が潰れたり、放電窓径のバラツキを生じ
均一な放電が得られなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明におけるPDPのうちのDC型PDP
の一例の基本構造の斜視図である。
【符合の説明】
1・・・前面絶縁板、2・・・背面絶縁板、3・・・ア
ノード電極群(陽極)、3a・・・表示陽極、3b・・
・補助陽極、4・・・カソード電極群(陰極)、5・・
・障壁、6・・・表示セル、7・・・補助セル、8・・
・反射層、9・・・放電用窓、11・・・レッド蛍光
面、12・・・グリーン蛍光面、13・・・ブルー蛍光

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の空間を隔てて互いに平行にかつ対
    向して配した前面絶縁板と背面絶縁板の内側に、相対向
    して交差する二組の電極群を設け、かつ両電極群間の直
    交する部分に放電セルを形成するための障壁を設けたプ
    ラズマディスプレイパネルの製造方法において、該障壁
    を紫外線吸光剤を含有する感光性ペーストを用いたフォ
    トリソグラフィー法により形成することを特徴とするプ
    ラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記背面絶縁板の前記前面絶縁板に対向
    する面に可視光反射用の絶縁層を設け、該絶縁層を紫外
    線吸光剤を含有する感光性ペーストを用いたフォトリソ
    グラフィー法により形成する請求項1に記載のプラズマ
    ディスプレイパネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記紫外線吸光剤が、アゾ系有機染料で
    ある請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパ
    ネルの製造方法。
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