JPH09211014A - 回転センサの非規格要素補償装置 - Google Patents

回転センサの非規格要素補償装置

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JPH09211014A
JPH09211014A JP1321596A JP1321596A JPH09211014A JP H09211014 A JPH09211014 A JP H09211014A JP 1321596 A JP1321596 A JP 1321596A JP 1321596 A JP1321596 A JP 1321596A JP H09211014 A JPH09211014 A JP H09211014A
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cycle
period
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幸治 小楠
Naoki Matsumoto
直樹 松本
Koji Idogaki
孝治 井戸垣
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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輪速度センサ等の回転センサにあって、車
輪等、回転体の回転速度が変動している場合であって
も、その出力されるパルス信号の非規格要素に起因する
パルス周期ばらつきを的確に補償する。 【解決手段】 回転体1に装着されたロータ11共々回
転センサ10を構成する電磁ピックアップ13から回転
体1の回転に伴い出力される交流信号を波形整形回路2
1にてパルス信号に波形整形し、この波形整形したパル
ス信号をマイクロコンピュータ22に取り込む。マイク
ロコンピュータ22では、このパルス信号のパルス周期
を計測しつつ、該計測したパルス周期を順次メモリに格
納し、ばらつき補償の対象となるパルス周期の過去及び
未来のパルス周期平均値をこれら格納したパルス周期列
に基づき算出する。そして、この算出した平均値との偏
差が吸収されるよう当該ばらつき補償の対象となるパル
ス周期を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転体の回転に
伴いその単位回転角度に対応したパルス信号を出力する
回転センサの非規格要素に起因するパルス信号周期のば
らつきを補償する回転センサの非規格要素補償装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば車輪速度センサ等、回転体の回転
に伴ってその単位回転角度に対応したパルス信号を出力
する回転センサが従来から知られている。
【0003】また、こうして回転センサから出力される
パルス信号の入力回数に応じて上記車輪等の回転体の回
転距離が算出され、更にこの回転距離と上記パルス信号
の周期とに基づいて同回転体の回転速度が算出されるよ
うになることもよく知られている。
【0004】ところで、こうした回転センサには通常、
その単位回転角度検出部等における加工精度のばらつき
や腐食等による変形、経時変化などの非規格要素が存在
し、したがってその出力されるパルス信号周期にも、こ
うした非規格要素に起因するばらつきが生じているのが
普通である。
【0005】そして、こうして回転センサから出力され
るパルス信号の周期にばらつきが生じていることによ
り、例えば上記態様で算出される回転体の回転距離や回
転速度などの値も、自ずとその信頼性は低いものとなっ
ている。
【0006】そこで従来は、例えば特開平6−3081
39号公報に記載の装置にみられるように、上記パルス
信号周期のずれを補正する補正係数を導入し、ある時点
でのパルス信号周期とそれまでのパルス信号周期の平均
値との偏差に基づきこの補正係数を逐次更新することに
よってそれら各時点でのパルス信号周期のずれを補正す
るようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、回転セン
サから出力されるパルス信号の周期に上記非規格要素に
起因するばらつきが生じている場合であれ、上記補正係
数を導入することによって、それらパルス信号周期のば
らつきも好適に抑制されるようになる。
【0008】ただし、上記従来の装置にあっては、補正
しようとするある時点のパルス信号周期の過去のパルス
信号周期列に基づいて上記平均値を算出し、該算出した
平均値と当該補正しようとするパルス信号周期との偏差
をもとにその都度の補正係数を決定するようにしてい
る。このため、例えば車両の加減速時のように車輪等の
回転体の回転速度が変動しているときには、上記平均値
と当該補正しようとするパルス信号周期との偏差も自ず
と大きなものとなり、ひいては正しい補正係数を導き出
すことができなくなる不都合がある。
【0009】また一方、回転センサから出力されるパル
ス信号に上記非規格要素に起因するパルス周期ばらつき
があるとはいえ、従来は、それらパルス周期ばらつきが
どの程度生じているかを知ることはできなかった。この
ため、たとえそれらばらつきを補正する装置が存在して
も、その補正によって同パルス周期のばらつきがどの程
度改善されたかを知ることもできなかった。
【0010】この発明は、こうした実情に鑑みてなされ
たものであり、たとえ回転体の回転速度が変動している
場合であれ、上記非規格要素に起因するパルス周期ばら
つきを的確に補正することのできる回転センサの非規格
要素補償装置を提供することを目的とする。
【0011】またこの発明は、それらパルス周期のばら
つきがどの程度生じているかを的確に評価することがで
き、ひいては上記補正が行われた場合でもその改善の度
合いを的確に評価することのできる回転センサの非規格
要素補償装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、この発明にかかる回転センサの非規格要素補償装
置では、請求項1記載の発明によるように、 (A)回転センサから出力されるパルス信号のパルス周
期を計測するパルス周期計測手段。 (B)この計測されたパルス周期が順次格納されるパル
ス周期メモリ。 (C)ばらつき補償の対象となるパルス周期の過去及び
未来の任意の区間のパルス周期平均値をこれら格納され
たパルス周期列に基づき算出し、この算出した平均値と
の偏差が吸収されるよう当該ばらつき補償の対象となる
パルス周期を補正するパルス周期補正手段。 をそれぞれ具える構成とする。
【0013】非規格要素補償装置としてのこうした構成
によれば、当該ばらつき補償の対象となるパルス周期の
過去及び未来の両方のパルス周期列を参照してその平均
値が算出されることから、たとえ回転体の回転速度が変
動しているときであれ、その算出される平均値は、同補
償対象となるパルス周期に対して矛盾の生じ難い値とな
る。
【0014】そしてこのため、それら平均値と当該ばら
つき補償の対象となるパルス周期との偏差に基づきこれ
が吸収されるよう算定される補正係数も自ずと、正しく
且つ精度の高い値として導き出されるようになる。
【0015】なお、上記パルス周期メモリに格納される
パルス周期列のうち適宜中間の値を当該ばらつき補償の
対象とするパルス周期として選定することで、同パルス
周期からみた上記未来のパルス周期列についても確実に
参照できるようになる。
【0016】また、上記パルス周期補正手段として、請
求項2記載の発明によるように、 (C1)前記パルス周期平均値と当該ばらつき補償の対
象となるパルス周期との偏差を算出する偏差算出手段。 (C2)この算出された偏差に所定の感度補正係数を掛
けて前記パルス周期の補正感度を調整する感度調整手
段。 (C3)この感度調整された偏差を当該ばらつき補償の
対象となるパルス周期を補正するための、すなわち同偏
差を吸収するためのパルス周期補正係数として算出する
パルス周期補正係数算出手段。 をそれぞれ具えるようにすれば、1回のパルス入力に対
する上記パルス周期補正係数の影響度合いを任意に調整
することができるようになる。
【0017】因みに、上記感度補正係数の値を小さな値
に設定した場合には、上記パルス周期補正係数による収
束速度は遅くなるが、回転体のランダムな速度変動等に
よる同パルス周期補正係数の変動量を更に小さくするこ
とができるようになる。
【0018】なお、同パルス周期補正手段において上記
パルス周期平均値を算出するための構成としては、例え
ば請求項3記載の発明によるように、 ・前記(1)式若しくは(2)式に基づいてパルス周期
平均値dt(ave)を算出する構成。或いは、請求項
4記載の発明によるように、 ・前記(3)式若しくは(4)式に基づいてパルス周期
平均値dt(ave)を算出する構成。などが有効であ
る。
【0019】これら何れの構成であれ、当該ばらつき補
償の対象となるパルス周期dt(0)を中心として、そ
の過去半周と未来半周、或いはその過去1周と未来1周
のパルス周期列に基づき、その都度の速度において矛盾
の生じ難いパルス周期平均値を好適に求めることができ
るようになる。
【0020】また、こうした非規格要素補償装置におい
て、請求項5記載の発明によるように、 (D)前記補正されたパルス周期に基づき前記回転体の
1回転あたりの振動回数を解析する振動解析手段。 (E)この解析結果に基づき前記回転センサの非規格要
素による検出誤差を評価する検出誤差評価手段。 を更に具える構成によれば、上記補正されたパルス周期
列について、それら補正によるパルス周期ばらつきの改
善度合いを的確に評価することができるようになる。
【0021】なお、上記振動解析手段を通じて解析され
る回転体1回転あたりの振動回数情報は、その横軸が
[1/rev(回転)]を単位として出力される。ま
た、この振動回数情報は、上記パルス周期そのものが解
析対象となっているため、当該パルス信号に含まれる振
動成分(ばらつき成分)が的確に反映されたものともな
っている。
【0022】またこうした構成において、請求項6記載
の発明によるように、 (F)前記検出誤差評価手段による評価結果に基づき前
記パルス周期補正手段によるパルス周期補正量を変更す
る補正量変更手段。 を更に具える構成によれば、上記評価結果をその都度参
照する、いわばフィードバック制御を通じて効率的に上
記補正係数を正しい値に収束させることができるように
なる。
【0023】一方、請求項7記載の発明によるように、 (A)回転センサから出力されるパルス信号のパルス周
期を計測するパルス周期計測手段。 (D’)この計測されたパルス周期に基づき前記回転体
の1回転あたりの振動回数を解析する振動解析手段。 (E)この解析結果に基づき前記回転センサの非規格要
素による検出誤差を評価する検出誤差評価手段。 といった各手段を具える構成も、この発明にかかる回転
センサの非規格要素補償装置として有効である。
【0024】因みにこの場合、如何なるかたちで上記パ
ルス周期ばらつきの補正を行おうとも、回転センサの前
記非規格要素を補償するための情報についてはこれを的
確に与えることができるようになる。
【0025】そしてこの場合には、請求項8記載の発明
によるように、 (A)回転センサから出力されるパルス信号のパルス周
期を計測するパルス周期計測手段。 (B)この計測されたパルス周期が順次格納されるパル
ス周期メモリ。 (C’)これら格納されたパルス周期列に基づき任意の
区間のパルス周期平均値を算出し、この算出した平均値
との偏差が吸収されるよう当該ばらつき補償の対象とな
るパルス周期を補正するパルス周期補正手段。 (D)この補正されたパルス周期に基づき前記回転体の
1回転あたりの振動回数を解析する振動解析手段。 (E)この解析結果に基づき前記回転センサの非規格要
素による検出誤差を評価する検出誤差評価手段。 をそれぞれ具える構成、すなわちパルス周期補正手段と
して、前記従来の装置による補正態様をも含むかたちで
の構成も有効となる。そして、このような構成によって
も、上記補正されたパルス周期列について、それら補正
によるパルス周期ばらつきの改善度合いを的確に評価す
ることができるようになる。
【0026】また更に、こうした構成においても、請求
項9記載の発明によるように、 (F)前記検出誤差評価手段による評価結果に基づき前
記パルス周期補正手段によるパルス周期補正量を変更す
る補正量変更手段。 を更に具える構成によれば、上記評価結果をその都度参
照する、いわばフィードバック制御を通じて効率的に上
記補正係数を正しい値に収束させることができるように
なる。
【0027】なお、これら請求項5〜9記載の発明にあ
って、上記(D)若しくは(D’)の振動解析手段とし
ては、例えば請求項10記載の発明によるように、(D
1)フーリエ変換手段を用いる構成。或いは、請求項1
2記載の発明によるように、(D2)ウェーブレット変
換手段を用いる構成。等々を採用することができる。
【0028】これら何れの構成を採用する場合であれ、
上記回転体1回転あたりの振動回数振動回数についてこ
れを的確に解析することができるようになる。また、上
記(D1)のフーリエ変換手段を用いる構成にあって
は、特に請求項11記載の発明によるように、(D1
1)高速フーリエ変換(FFT)手段を用いる構成。
が、その演算量をより少なく抑える上で有効となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)図1に、この発明にかかる回転センサ
の非規格要素補償装置についてその第1の実施形態を示
す。
【0030】この実施形態の装置は、例えば車両の車輪
速度を検出する回転センサに適用されてその前記単位回
転角度検出部等における加工精度のばらつきや腐食等に
よる変形、経時変化などの非規格要素に起因するパルス
周期ばらつきを好適に補償する装置として構成されてい
る。
【0031】はじめに、図1を参照して、同実施形態の
装置の構成についてその概要を説明する。同実施形態の
装置は、図1に示されるように、大きくは、回転センサ
10と、その出力であるパルス信号を所要に処理してそ
のパルス周期ばらつきを補正する信号処理装置20とを
具えて構成される。
【0032】このうち、回転センサ10は、例えば車輪
等の回転体についてその回転速度を検出するセンサであ
り、図1に併せ示されるように、回転体1に装着されて
共に回転するロータ11と、このロータ11の外周に一
定のピッチで多数設けられた歯(被検出体)12と、ロ
ータ11の回転に伴うこれら歯12の通過を電磁的に検
出する電磁ピックアップ13とを具える構成となってい
る。そして、この電磁ピックアップ13に誘起される交
流信号が、同回転センサ10の出力として上記信号処理
装置20に取り込まれるようになる。
【0033】他方、回転センサ10からの出力が取り込
まれる信号処理装置20は、これも同図1に併せ示され
るように、該回転センサ10から出力される交流信号を
波形整形する波形整形回路21と、その波形整形された
パルス信号を所要に処理して前記非規格要素に起因する
パルス周期ばらつきを補正するマイクロコンピュータ2
2とを具えて構成されている。なお、マイクロコンピュ
ータ22が通常、その演算処理部であるCPUをはじ
め、主にプログラムメモリとして利用されるROM、及
びデータメモリとして利用されるRAM等を基本的に具
えて構成されるものであることは周知の通りである。
【0034】図2は、こうしたマイクロコンピュータ2
2の主に上記パルス周期ばらつきを補正する機能部分に
ついてその構成を模式的に示したものであり、次に、同
図2を併せ参照して、同実施形態にかかる装置の信号処
理装置20において実行される信号処理の詳細を説明す
る。
【0035】さて同実施形態の装置において、上記回転
センサ10から回転体1の回転速度に対応した正弦波形
若しくはそれに類似した交流波形として出力される信号
は、上記波形整形回路21によって波形整形されること
により、図2に併せ示されるような2値のパルス信号と
なる。そして、この波形整形されたパルス信号がマイク
ロコンピュータ22に対して入力されることとなる。
【0036】なおここで、上記回転センサ10として
は、そのロータ11の外周に48個の歯(被検出体)1
2が等間隔に設けられたものを想定しており、この場
合、上記マイクロコンピュータ22には、回転体1の1
回転につき48個のパルス信号が入力されることとな
る。
【0037】こうして波形整形されたパルス信号は、図
2に示されるマイクロコンピュータ22においてまず、
Δt計測部221に対して取り込まれる。Δt計測部2
21は、上記波形整形されたパルス信号の例えば立下り
エッジに基づいてその各パルス周期Δtを計測する部分
である。この計測された各パルス周期ΔtはΔtn補正
部222に取り込まれ、該Δtn補正部222を通じ
て、前記非規格要素に起因するばらつきが補正される。
【0038】Δtn補正部222は、この取り込まれる
パルス周期列ΔtnをΔtnメモリ223に一時記憶し
つつ、これに図3〜図5に示される処理を施して、その
周期ばらつきを補正するものであり、以下に、該Δtn
補正部222において実行されるΔtn補正ルーチンに
ついてその詳細を順次説明する。
【0039】すなわち、図3に示されるΔtn補正ルー
チンにおいて、Δtn補正部222は、ステップS10
0にて、上記取り込まれるパルス周期列Δtnに対し、
前記ロータ11の歯の番号「1」〜「48」に対応した
番号「Δt1」〜「Δt48」を順次付与しつつ、ステ
ップS200にてそれら番号付与したパルス周期列Δt
nをΔtnメモリ223に一時記憶する。
【0040】こうしてパルス周期列Δtnを記憶したΔ
tn補正部222は次に、ステップS300にて、それ
ら記憶したパルス周期列Δtnの平均値に基づき各対応
するパルス周期の補正係数ωnを更新する。この補正係
数ωnの更新は、図4に示される補正係数ωn更新ルー
チンにしたがって実行される。
【0041】すなわち、この図4に示される補正係数ω
n更新ルーチンにおいて、Δtn補正部222はまず、
ステップS301にて、上記Δtnメモリ223に記憶
されているパルス周期列Δt1〜Δt48のパルス周期
平均値Δt(ave)を算出する。
【0042】ここで通常、パルス周期平均値Δt(av
e)は、
【0043】
【数5】 として算出され、この算出される平均値Δt(ave)
と当該補正しようとするパルス周期Δtnとの偏差をも
とにその都度の補正係数ωnが決定される。
【0044】しかし前述のように、このような態様で、
すなわち過去の48個のパルスに基づいてパルス周期平
均値Δt(ave)を求めると、例えば車両の加減速時
等、回転体1の回転速度が変動しているときには、この
平均値Δt(ave)と当該補正しようとするパルス周
期Δtnとの偏差が大きくなり、正しい補正係数ωnを
導き出すことができなくなることがある。
【0045】そこで、同実施形態にかかる装置では、図
5に示されるように、最新のパルス周期ΔtをΔtpと
するとき、ロータ11の半周前のパルス周期Δtp-24
についてその補正係数ωp-24 (p-24 <0の場合は、
ωp+24 )の更新を行うようにすることで、その是正を
図るようにしている。
【0046】すなわちこの場合、上記パルス周期平均値
Δt(ave)は、
【0047】
【数6】 として求めることとなる。こうしてパルス周期平均値Δ
t(ave)を求めると、Δtn補正部222は次に、
ステップS302にてこの平均値Δt(ave)と各パ
ルス周期Δtnとの偏差を求め、更に、ステップS30
3にて、この求めた偏差の速度依存性をなくすために同
偏差の上記パルス周期平均値Δt(ave)に対する割
合Δthを求める。この割合Δthは、同例の場合
【0048】
【数7】 として求められる。ここで、mは、ロータ11(車輪)
の回転回数を表し、mを今回の回転回数とすると、(m
−1)は前回の回転回数を表す。すなわち、ωn(m−
1)は、補正係数ωnについての前回求められた値を示
している。
【0049】こうして求められる割合Δthが、上述し
た非規格要素に起因するパルス周期Δtnのずれ量を示
していると考えられる。ところが、実際に車両が路面を
走行した場合、路面から受ける振動によって車輪速度は
ランダムに変動する。このため上記割合Δthも、実際
にはパルス信号の入力毎にランダムに変動し、厳密に
は、当該ロータ11及びその歯12の特徴を示す値とは
なり得ない。
【0050】そこで、Δtn補正部222では、次のス
テップS304にて、求めるべき補正係数ωnの収束速
度を調整する感度補正係数K(例えば0.08)を上記
求めた割合Δthに掛けて補正感度の調整を行う(K×
Δth)。そして、ステップS305にて、
【0051】
【数8】 といった態様で、補正係数ωnの今回の値ωn(m)を
算出する。こうして補正感度の調整を行うことで、1回
のパルス入力に対する上記補正係数ωnの影響度合いを
任意に調整することができるようになる。
【0052】因みに、上記感度補正係数Kの値を小さな
値に設定した場合には、補正係数ωnによる収束速度は
遅くなるが、ロータ11(回転体1)のランダムな速度
変動等による同補正係数ωnの変動量を小さくすること
ができるようになる。このため例えば、回転センサ10
を車輪速度センサとして用いて車両の車輪速度を検出す
る場合に免れることのできない路面振動によるランダム
な車輪速度の変動が同補正係数ωnに及ぼす影響等も好
適に回避することができるようになる。
【0053】こうして補正係数ωnを算出し、その更新
を終えたΔtn補正部222は、図3に示されるΔtn
補正ルーチンに戻り、そのステップS400の処理とし
て、その都度の対応するパルス周期Δtnを
【0054】
【数9】 として補正する。例えば前述のように、回転センサ10
から出力されるパルス信号の入力回数に応じて車輪等、
回転体1の回転距離を算出し、更にこの回転距離と該パ
ルス信号のパルス周期とに基づいて同回転体1の回転速
度を算出するような場合であれ、そのパルス周期の値と
してこうして補正されるパルス周期Δtn’を用いるこ
とにより、同算出される回転速度の値も自ずと精度の高
い値となる。
【0055】以上説明したように、同第1の実施形態に
かかる回転センサの非規格要素補償装置によれば、 (イ)当該ばらつき補償の対象となるパルス周期の過去
及び未来の両方のパルス周期列を参照してその平均値Δ
t(ave)を算出するようにしたことから、たとえ回
転体1の回転速度が変動している場合であれ、それら算
出する平均値Δt(ave)を、同補償対象となるパル
ス周期に対して矛盾の生じ難い値とすることができる。 (ロ)そしてこのため、それら平均値Δt(ave)と
当該ばらつき補償の対象となるパルス周期との偏差に基
づきこれが吸収されるよう算定される補正係数ωnも自
ずと、正しく且つ精度の高い値として導き出される。 (ハ)また、補正係数ωnの算定に際し、上記感度補正
係数Kを更に導入することとしたことから、1回のパル
ス入力に対する同補正係数ωnの影響度合いを任意に調
整することができる。等々、多くの優れた効果が奏せら
れるようになる。
【0056】なお、同実施形態の装置を通じて補正され
るパルス周期Δtn’の用途は上記回転体1の回転速度
算出に限られることなく任意であり、それらパルス周期
の値が必要とされる全ての演算、制御に対して利用する
ことができることは云うまでもない。
【0057】また、同実施形態の装置にあっては、上記
(6)式を用いてパルス周期平均値Δt(ave)を求
めることとしたが、より一般的には、前記パルス周期列
をdt(i)、前記補正の対象となるパルス周期をdt
(0)、ロータ11(回転体1)の1回転に発生するパ
ルス数をnとするとき、
【0058】
【数10】 若しくは
【0059】
【数11】 として、また或いは、
【0060】
【数12】 若しくは
【0061】
【数13】 として、同パルス周期平均値Δt(ave)を求めるこ
とができる。これら何れの場合であれ、当該補正対象と
なるパルス周期dt(0)を中心として、その過去半周
と未来半周、或いはその過去1周と未来1周のパルス周
期列に基づき、その都度の速度において矛盾のないパル
ス周期平均値Δt(ave)を求めることができるよう
になる。
【0062】(第2実施形態)前述のように、回転セン
サから出力されるパルス信号に上記非規格要素に起因す
るパルス周期ばらつきがあるとはいえ、従来は、それら
パルス周期ばらつきがどの程度生じているかを知ること
はできなかった。
【0063】そしてこのため、たとえそれらばらつきを
上述のように補正することができたとしても、その補正
によって同パルス周期のばらつきがどの程度改善された
かを知ることもできなかった。
【0064】そこで、この発明にかかる非規格要素補償
装置の第2の実施形態として、上記パルス周期のばらつ
きがどの程度生じているかを的確に評価することがで
き、ひいては上記補正による改善度合いをも的確に評価
することのできる装置についてその構成の一例を図6に
示す。
【0065】なお、同第2の実施形態にかかる装置にあ
っても、その全体の構成は先の図1に示される第1の実
施形態の装置と同様であり、そのマイクロコンピュータ
22内部の機能構成のみが、この図6に示されるように
相違する。
【0066】また同図6において、先の図2に例示した
第1の実施形態にかかる装置と同一の要素にはそれぞれ
同一の符号を付して示しており、それら共通する要素に
ついての重複する説明は割愛する。
【0067】さて、この図6に示されるように、同第2
の実施形態にかかる装置において、Δtn補正部222
を通じて順次補正されたパルス周期Δtn’は、Δt
1’,Δt2’,Δt3’,…ΔtN’としてシフトレ
ジスタ224に順次シフトレジストされる。なお因み
に、これら補正されたパルス周期Δtn’は、前記回転
体1(図1)の回転速度が速いほど小さな値として、逆
に、回転速度が遅いほど大きな値として同シフトレジス
タ224にストアされる。
【0068】シフトレジスタ224は、前記ロータ11
(回転体1)の例えば10回転分のパルス周期Δt1〜
Δt480に対応した480のステージを有して構成さ
れるシフトレジスタである。このシフトレジスタ224
にシフトレジストされた10回転分のパルス周期Δt
1’〜Δt480’は、当該装置の振動解析対象として
高速フーリエ変換(FFT)演算部225に一括入力さ
れる。
【0069】FFT演算部225は、こうして入力され
るパルス周期Δt1’〜Δt480’をFFT演算して
その振動解析を行う部分である。ここで、FFT演算は
通常、等間隔にてサンプリングされた時間系列の信号に
対して行われる。このため、そのFFT演算結果は、そ
れらサンプリング信号の周波数スペクトルを表すことと
なる。すなわち、こうしたFFT演算結果をグラフ表示
した場合、その横軸は周波数[Hz]を表すこととな
る。
【0070】これに対し、この実施形態の装置では上述
のように、等間隔にてサンプリングされた時系列信号で
はなく、パルス周期Δtn’(Δt1’〜Δt48
0’)に対して同FFT演算が行われることから、その
演算結果PS(n)も上記周波数スペクトルを表すもの
ではなく、図7に示されるような回転体1の1回転あた
りの振動回数[1/rev]を表すものとなる。
【0071】なお、同図7において、図7(a)は、前
述したパルス周期Δtnのばらつき補正を行わなかった
場合、すなわちΔt計測部221によって計測されたパ
ルス周期ΔtnをΔtn補正部222を介さずに直接シ
フトレジスタ224にストアしてFFT演算を実行した
場合の演算結果例を参考までに示している。
【0072】前述したように、回転センサ10(図1)
には通常、製造公差等、加工精度のばらつきや腐食等に
よる変形、経時変化などの非規格要素が存在し、したが
ってその波形整形される信号のパルス周期Δtにも、こ
うした非規格要素に起因するばらつきが生じている。
【0073】そしてこのため、このFFT演算部225
を通じて解析される回転体1の1回転あたりの振動回数
のスペクトルPS(n)にも、実際には、図7(a)に
示されるように、基本波の整数倍毎に大きなパワースペ
クトルが生じることとなっている。
【0074】因みに同図7(a)において、例えば振動
回数「16」のところで特に大きなスペクトルを生じて
いるのは次の理由による。すなわち、当該装置に用いら
れている回転センサ10にあってそのロータ11は、前
記歯(被検出体)12となる部分が選択的に残るように
円盤状の磁性体材料の周辺部分を順次打ち抜くなどして
形成されている。そして、このロータ11ではたまた
ま、歯12が3個ずつまとめて形成される態様で該打ち
抜きが行われている。このため、歯12の3個ずつは比
較的高い精度で配設されるものの、それら3個ずつの歯
の各隣接する部分においては、その配設間隔も自ずと精
度が落ちることとなっている。そしてここでは、ロータ
11として、その外周に48個の歯が形成されたものを
用いていることから、同ロータ11の1回転に16(=
48/3)回、この配設精度の落ちた部分が電磁ピック
アップ13の近傍を通過することとなる。そして同FF
T演算部225では、この配設精度の落ちた部分に起因
して生じるパルス周期Δtnのばらつきも振動成分とし
て同図7(a)の如く解析することとなる。
【0075】また、同図7(a)に示されるように、ロ
ータ11(車輪)の1回転に1回振動する成分があれば
自ずとその逓倍波成分も存在することとなり、結局は上
述のように、基本波の整数倍毎に大きなパワースペクト
ルが生じることとなる。
【0076】これに対し、図6に示される同第2の実施
形態の装置にあっては、Δtn補正部222を通じてこ
うして非規格要素に起因するばらつき補正のなされたパ
ルス周期Δtn’がシフトレジスタ224に順次ストア
されるようになっている。
【0077】このため、上記FFT演算部225を通じ
て解析される回転体1の1回転あたりの振動回数のスペ
クトルPS(n)も、図7(b)に示される態様で、基
本波の整数倍毎に生じていた大きなパワースペクトルが
排除されるようになる。
【0078】一方、図6に示される同第2の実施形態の
装置において、FFT演算部225を通じてこうして振
動解析されたスペクトルPS(n)は次に、検出誤差評
価部226に対して入力される。
【0079】検出誤差評価部226は、この入力される
スペクトルPS(n)に基づき上記パルス周期ばらつき
の大きさを評価する部分である。図7に例示したFFT
演算による振動解析結果からも明らかなように、同入力
されるパワースペクトルPS(n)において、その基本
波の整数倍毎のスペクトルの大きさは、上記パルス周期
ばらつきの大きさに直接対応したものとなっている。
【0080】そこで、同実施形態の装置にあっては、こ
のパワースペクトルPS(n)に対し、
【0081】
【数14】 といった評価関数Jを導入して、上記パルス周期Δt
n’(Δtn)のばらつきの大きさを評価する。すなわ
ち、基本波の整数倍毎のスペクトルの大きさの総和を求
める。
【0082】FFT演算部225とともに、このような
検出誤差評価部226を設けることにより、パルス周期
列の振動解析結果に基づき、それらパルス周期のばらつ
きがどの程度生じているかを的確に評価することができ
るようになる。
【0083】しかも、図6に示される態様で、ばらつき
補正されたパルス周期列を振動解析し、その解析結果を
上記評価関数Jに基づき評価する構成によれば、その補
正による改善度合いをも的確に評価することができるよ
うになる。
【0084】図8に、回転センサ10を車輪速度センサ
に用いた実車走行データをもとに、タイヤが回転するに
つれて上記パルス周期ばらつきがどのように除去される
かについて、同第2の実施形態の装置(第1の実施形態
の装置)と前記従来の装置とによる同ばらつき補正によ
る改善度合いの評価結果を参考までに示す。
【0085】因みにこの図8において、評価結果LP
は、前記従来の装置によってばらつき補正を行ったパル
ス周期列に対する評価結果であり、評価結果LEは、同
第2の実施形態の装置(第1の実施形態の装置)によっ
てばらつき補正を行ったパルス周期列に対する評価結果
である。
【0086】また、同図8において、ばらつき補正の対
象となるパルス周期列データとしては何れも、車両を1
00km/hの一定速度にて走行させた際に車輪速度セ
ンサ(回転センサ10)から出力されるパルス周期列デ
ータを用いた。
【0087】この図8によれば、車輪の回転とともに前
記非規格要素に起因するパルス周期ばらつきが小さくな
っていく様子がわかる。そして更に、先の第1の実施形
態の装置によるばらつき補正の方が前記従来の装置によ
るばらつき補正よりも速やかに同非規格要素に起因する
パルス周期ばらつきが除去されることも、この図8によ
って明らかである。
【0088】以上のように、同第2の実施形態にかかる
回転センサの非規格要素補償装置によれば、 (ニ)FFT演算部225並びに検出誤差評価部226
を設けたことで、パルス周期列の振動解析結果に基づ
き、それらパルス周期のばらつきがどの程度生じている
かを的確に評価することができる。 (ホ)また、如何なるかたちで上記パルス周期ばらつき
の補正を行おうとも、回転センサの前記非規格要素を補
償するための情報についてはこれを的確に与えることが
できる。 (ヘ)他方、上記解析される振動回数は、等間隔にてサ
ンプリングされた時系列信号とは異なり、パルス信号の
個々に含まれる周波数情報がそれら速度に係わりなく直
接反映されたものとなっている。このため、それらパル
ス信号の持っている周波数情報の欠落を招くことなく、
その振動成分を的確に解析することができるようにな
る。換言すれば、こうした振動解析手法を採用したこと
で、上記評価結果の信頼性も自ずと高いものとなってい
る。等々、先の第1の実施形態の装置とはまた別の、優
れた効果が奏せられるようになる。
【0089】そして、特に、同第2の実施形態にかかる
装置を先の第1の実施形態の装置に適用した図6に例示
した構成によれば、 (ト)前記補正されたパルス周期列Δtn’について、
それら補正によるパルス周期ばらつきの改善度合いを的
確に評価することができる。といった効果が併せ奏せら
れるようにもなる。
【0090】なお、同第2の実施形態の装置にあって
は、FFT演算部225によるFFT演算によって上記
パルス周期列の振動解析を行うこととしたが、他に例え
ば、 ・図9に示されるような離散フーリエ変換(DFT)演
算部225’を設け、該演算部225’によるDFT演
算によって上記パルス周期列の振動解析を行う構成。 ・図10に示されるようなウェーブレット変換演算部2
29を設け、該演算部229によるウェーブレット変換
演算によって上記パルス周期列の振動解析を行う構成。 等々、も適宜採用することができる。
【0091】もっとも、図9に示されるDFT演算部2
25’を設ける構成においては、上記同様にフーリエ変
換演算が行われるとはいえ、その演算量は、FFT演算
に比べてやや増大されるようになる。
【0092】(第3実施形態)図11に、この発明にか
かる回転センサの非規格要素補償装置について、その第
3の実施形態を示す。
【0093】先の第2の実施形態にかかる装置の、特に
図6に例示した構成のように、ばらつき補正されたパル
ス周期列の同補正による改善度合いを評価することがで
きることにより、その評価結果を用いて、例えば前記
(8)式にて導入される感度補正係数Kの値を動的に最
適化することも可能となる。
【0094】図11に例示する同第3の実施形態の装置
は、こうした原理に基づいて構成したものであり、以
下、この図11に基づいて、同第3の実施形態にかかる
装置の構成、並びに動作を詳述する。
【0095】なお、同第3の実施形態にかかる装置にあ
っても、その全体の構成は先の図1に示される第1の実
施形態の装置と同様である。また、図11に示されるマ
イクロコンピュータ22内部の機能構成は、先の図6に
例示した第2の実施形態の装置の構成に対して更に補正
感度K演算部227とKメモリ228とが追加されたか
たちとなっている。
【0096】さて、同第3の実施形態にかかる装置にお
いて、上記補正感度K演算部227は、前記検出誤差評
価部226において評価された評価結果Jに基づいて、
その都度の最適な感度補正係数Kを算定する部分であ
る。
【0097】前述のように、評価結果Jは、前記パルス
周期Δtn’のばらつきの大きさに直接対応した値とし
て出力される。一方、感度補正係数Kは、これも前述の
ように、前記補正係数ωnによる補正感度の調整を行う
ことで、1回のパルス入力に対する同補正係数ωnの影
響度合いを任意に調整することのできる値である。例え
ば、この感度補正係数Kの値を小さな値に設定した場合
には、補正係数ωnによる収束速度は遅くなるが、ロー
タ11(回転体1)のランダムな速度変動等による同補
正係数ωnの変動量についてはこれを小さくすることが
できるようになることも前述した。
【0098】すなわち、これら評価結果Jの値と感度補
正係数Kの値とは、 ・評価結果Jの値が大きいほど前記パルス周期Δtn’
のばらつきも大きいことから、この場合、感度補正係数
Kの値を大きめの値に設定することで、上記補正係数ω
nによる補正の収束速度を高めることができる。 ・他方、評価結果Jの値が小さいほど前記パルス周期Δ
tn’のばらつきも小さいことから、この場合、感度補
正係数Kの値を小さめの値に設定することで、同補正係
数ωnによる補正の安定性を高めることができる。 といった関係にある。
【0099】そこで、補正感度K演算部227では、評
価結果Jと感度補正係数Kとのこうした関係に基づい
て、その都度の評価結果Jの値に見合った、上記補正係
数ωnによる補正の収束速度を高めることのできる、若
しくは上記補正係数ωnによる補正の安定性を高めるこ
とのできる感度補正係数Kの最適値をマップ等を用いて
算定する。
【0100】Kメモリ228は、補正感度K演算部22
7を通じてこうして算定される感度補正係数Kの最適値
がその都度更新登録されるメモリである。そして、同第
3の実施形態にかかる装置において、Δtn補正部22
2では、先の図4との対応のもとに図12に例示するよ
うに、前記補正係数ωn更新ルーチンの実行に際し、こ
のKメモリ228に格納されている最新の感度補正係数
Kを用いて、前記(8)式により算出される補正係数ω
nの感度調整を行う(同図12ステップ304a及び3
04b参照)。
【0101】このようなかたちで補正係数ωnの感度調
整が行われることにより、同補正によるパルス周期ばら
つきの改善度合いに応じて、該改善度合いが小さい(パ
ルス周期Δtn’のばらつきが大きい)場合にはより迅
速にばらつきの抑制が行われるよう、また逆に、同改善
度合いが大きい(パルス周期Δtn’のばらつきが小さ
い)場合には当該状態がより安定に維持されるよう、い
わばフィードバック制御によって、正しい補正係数ωn
の値が効率的に設定されるようになる。
【0102】以上のように、同第3の実施形態にかかる
回転センサの非規格要素補償装置によれば、特に第1の
実施形態の装置のようなパルス周期列のばらつき補正を
行う装置にあって、 (チ)その都度のばらつき改善度合いに応じた最適の補
正係数ωnを極めて効率的に得ることができる。といっ
た、更に有用な効果が併せ奏せられるようになる。
【0103】なお、同第3の実施形態にかかる装置のこ
うした構成は、先の第1の実施形態の装置に限らず、前
記従来の装置のようなばらつき補正手法が用いられるも
のについても同様に適用することができ、同様の効果を
奏することができる。
【0104】また、同第3の実施形態の装置にあって
も、FFT演算部225によるFFT演算によってパル
ス周期列の振動解析を行うこととしたが、この場合であ
れ、 ・図9に示されるような離散フーリエ変換(DFT)演
算部225’を設け、該演算部225’によるDFT演
算によって上記パルス周期列の振動解析を行う構成。 ・図10に示されるようなウェーブレット変換演算部2
29を設け、該演算部229によるウェーブレット変換
演算によって上記パルス周期列の振動解析を行う構成。 等々、を適宜採用することができることは云うまでもな
い。
【0105】ところで、第1〜第3の実施形態にあって
は何れも、回転センサ10(図1)として、ロータ11
に配設された歯(被検出体)12を電磁ピックアップ1
3で検出するタイプのものを想定したが、この発明にか
かる非規格要素補償装置が適用される回転センサは任意
であり、このようなタイプのものには限られない。
【0106】すなわちこの発明にかかる非規格要素補償
装置は、前記電磁ピックアップを具えるもの以外にも、
例えばホール素子や磁気抵抗素子等の磁電変換素子を用
いたもの、また或いは発・受光素子を用いたもの(光セ
ンサ)等、任意の回転センサに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非規格要素補償装置の第1の実施形態を示すブ
ロック図。
【図2】同実施形態のパルス周期ばらつき補正構造を示
すブロック図。
【図3】上記パルス周期ばらつきの補正手順を示すフロ
ーチャート。
【図4】同ばらつき補正での補正係数更新手順を示すフ
ローチャート。
【図5】パルス周期データと更新対象補正係数との関係
を示す略図。
【図6】非規格要素補償装置の第2の実施形態を示すブ
ロック図。
【図7】パルス周期データのFFT演算結果例を示すグ
ラフ。
【図8】同第2の実施形態による補償度合い評価例を示
すグラフ。
【図9】振動解析手段の他の構成例を示すブロック図。
【図10】振動解析手段の更に他の構成例を示すブロッ
ク図。
【図11】非規格要素補償装置の第3の実施形態を示す
ブロック図。
【図12】第3の実施形態による補正係数更新手順を示
すフローチャート。
【符号の説明】
1…回転体、10…回転センサ、11…ロータ、12…
歯(被検出体)、13…電磁ピックアップ、20…信号
処理装置、21…波形整形回路、22…マイクロコンピ
ュータ、221…Δt計測部、222…Δtn補正部、
223…Δtnメモリ、224…シフトレジスタ、22
5…FFT(高速フーリエ変換)演算部、225’…D
FT(離散フーリエ変換)演算部、226…検出誤差評
価部、227…補正感度K演算部、228…Kメモリ、
229…ウェーブレット変換演算部。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転体の回転に伴いその単位回転角度に対
    応したパルス信号を出力する回転センサの非規格要素に
    よるパルス信号周期のばらつきを補償する回転センサの
    非規格要素補償装置において、 前記出力されるパルス信号のパルス周期を計測するパル
    ス周期計測手段と、 この計測されたパルス周期が順次格納されるパルス周期
    メモリと、 ばらつき補償の対象となるパルス周期の過去及び未来の
    任意の区間のパルス周期平均値をこれら格納されたパル
    ス周期列に基づき算出し、この算出した平均値との偏差
    が吸収されるよう当該ばらつき補償の対象となるパルス
    周期を補正するパルス周期補正手段と、 を具えることを特徴とする回転センサの非規格要素補償
    装置。
  2. 【請求項2】前記パルス周期補正手段は、 前記パルス周期平均値と当該ばらつき補償の対象となる
    パルス周期との偏差を算出する偏差算出手段と、 この算出された偏差に所定の感度補正係数を掛けて前記
    パルス周期の補正感度を調整する感度調整手段と、 この感度調整された偏差を当該ばらつき補償の対象とな
    るパルス周期を補正するためのパルス周期補正係数とし
    て算出するパルス周期補正係数算出手段と、 を具えて構成される請求項1記載の回転センサの非規格
    要素補償装置。
  3. 【請求項3】前記パルス周期補正手段は、前記格納され
    たパルス周期列をdt(i)、当該ばらつき補償の対象
    となるパルス周期をdt(0)とし、前記回転体の1回
    転に伴って発生するパルス数をnとするとき、 【数1】 若しくは 【数2】 として前記パルス周期平均値dt(ave)を算出する
    請求項1または2記載の回転センサの非規格要素補償装
    置。
  4. 【請求項4】前記パルス周期補正手段は、前記格納され
    たパルス周期列をdt(i)、当該ばらつき補償の対象
    となるパルス周期をdt(0)とし、前記回転体の1回
    転に伴って発生するパルス数をnとするとき、 【数3】 若しくは 【数4】 として前記パルス周期平均値dt(ave)を算出する
    請求項1または2記載の回転センサの非規格要素補償装
    置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の何れかに記載の回転センサ
    の非規格要素補償装置において、 前記補正されたパルス周期に基づき前記回転体の1回転
    あたりの振動回数を解析する振動解析手段と、 この解析結果に基づき前記回転センサの非規格要素によ
    る検出誤差を評価する検出誤差評価手段と、 を更に具えることを特徴とする回転センサの非規格要素
    補償装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の回転センサの非規格要素補
    償装置において、 前記検出誤差評価手段による評価結果に基づき前記パル
    ス周期補正手段によるパルス周期補正量を変更する補正
    量変更手段を更に具えることを特徴とする回転センサの
    非規格要素補償装置。
  7. 【請求項7】回転体の回転に伴いその単位回転角度に対
    応したパルス信号を出力する回転センサの非規格要素に
    よるパルス信号周期のばらつきを補償する回転センサの
    非規格要素補償装置において、 前記出力されるパルス信号のパルス周期を計測するパル
    ス周期計測手段と、 この計測されたパルス周期に基づき前記回転体の1回転
    あたりの振動回数を解析する振動解析手段と、 この解析結果に基づき前記回転センサの非規格要素によ
    る検出誤差を評価する検出誤差評価手段と、 を具えることを特徴とする回転センサの非規格要素補償
    装置。
  8. 【請求項8】回転体の回転に伴いその単位回転角度に対
    応したパルス信号を出力する回転センサの非規格要素に
    よるパルス信号周期のばらつきを補償する回転センサの
    非規格要素補償装置において、 前記出力されるパルス信号のパルス周期を計測するパル
    ス周期計測手段と、 この計測されたパルス周期が順次格納されるパルス周期
    メモリと、 これら格納されたパルス周期列に基づき任意の区間のパ
    ルス周期平均値を算出し、この算出した平均値との偏差
    が吸収されるよう当該ばらつき補償の対象となるパルス
    周期を補正するパルス周期補正手段と、 この補正されたパルス周期に基づき前記回転体の1回転
    あたりの振動回数を解析する振動解析手段と、 この解析結果に基づき前記回転センサの非規格要素によ
    る検出誤差を評価する検出誤差評価手段と、 を具えることを特徴とする回転センサの非規格要素補償
    装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の回転センサの非規格要素補
    償装置において、 前記検出誤差評価手段による評価結果に基づき前記パル
    ス周期補正手段によるパルス周期補正量を変更する補正
    量変更手段を更に具えることを特徴とする回転センサの
    非規格要素補償装置。
  10. 【請求項10】前記振動解析手段は、フーリエ変換手段
    である請求項5〜9の何れかに記載の回転センサの非規
    格要素補償装置。
  11. 【請求項11】前記フーリエ変換手段は、高速フーリエ
    変換(FFT)手段である請求項10記載の回転センサ
    の非規格要素補償装置。
  12. 【請求項12】前記振動解析手段は、ウェーブレット変
    換手段である請求項5〜9の何れかに記載の回転センサ
    の非規格要素補償装置。
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