JP3339281B2 - 回転体若しくは移動体の振動解析装置及び該振動解析装置を用いたタイヤ空気圧推定装置 - Google Patents
回転体若しくは移動体の振動解析装置及び該振動解析装置を用いたタイヤ空気圧推定装置Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転体若しくは
移動体の振動解析装置、及び該振動解析装置を用いて自
動車等のタイヤの空気圧を推定するタイヤ空気圧推定装
置に関し、特に、車輪等の回転体の回転若しくは移動体
の移動に伴いそれら単位回転角度若しくは単位移動距離
に対応して発生されるパルス信号に基づき間接的にその
振動解析、或いはタイヤ空気圧推定を行う装置の改良に
関する。
移動体の振動解析装置、及び該振動解析装置を用いて自
動車等のタイヤの空気圧を推定するタイヤ空気圧推定装
置に関し、特に、車輪等の回転体の回転若しくは移動体
の移動に伴いそれら単位回転角度若しくは単位移動距離
に対応して発生されるパルス信号に基づき間接的にその
振動解析、或いはタイヤ空気圧推定を行う装置の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、車輪等の回転体の回転に伴いそ
の単位回転角度に対応して発生されるパルス信号に基づ
き間接的にその振動解析を行う装置、そして更には、こ
の振動解析結果に基づいて走行状態にある車両のタイヤ
空気圧を推定する装置として、特開平5−133831
号公報に記載の装置、或いは特開平6−328920号
公報に記載の装置、等々が従来から知られている。
の単位回転角度に対応して発生されるパルス信号に基づ
き間接的にその振動解析を行う装置、そして更には、こ
の振動解析結果に基づいて走行状態にある車両のタイヤ
空気圧を推定する装置として、特開平5−133831
号公報に記載の装置、或いは特開平6−328920号
公報に記載の装置、等々が従来から知られている。
【0003】これらの装置では何れも、車輪速度信号か
らタイヤの振動に起因する車輪速度の振動成分を抽出す
るとともに、該抽出した振動成分からタイヤの上下方向
または前後方向の共振周波数を求め、その求めた共振周
波数に基づいてそれらタイヤの空気圧を推定するように
している。
らタイヤの振動に起因する車輪速度の振動成分を抽出す
るとともに、該抽出した振動成分からタイヤの上下方向
または前後方向の共振周波数を求め、その求めた共振周
波数に基づいてそれらタイヤの空気圧を推定するように
している。
【0004】このため、かかる振動解析装置若しくはタ
イヤ空気圧推定装置によれば、振動計或いは圧力センサ
等の如き、タイヤの振動や空気圧を直接検出する手段を
要することなく、それら振動成分や空気圧を把握するこ
とができるようになる。
イヤ空気圧推定装置によれば、振動計或いは圧力センサ
等の如き、タイヤの振動や空気圧を直接検出する手段を
要することなく、それら振動成分や空気圧を把握するこ
とができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、車輪速度
を検出することができれば、これからタイヤの振動に起
因する車輪速度の振動成分を抽出することができ、ま
た、その振動成分から上記共振周波数を求めることでそ
れらタイヤの空気圧を推定することができる。
を検出することができれば、これからタイヤの振動に起
因する車輪速度の振動成分を抽出することができ、ま
た、その振動成分から上記共振周波数を求めることでそ
れらタイヤの空気圧を推定することができる。
【0006】ところで通常、上記車輪速度の検出には車
輪速度センサが用いられ、該センサから車輪の1回転に
つきその単位回転角度に対応して決まった数だけ発生さ
れるパルスを所定の時間間隔でサンプリングしつつそれ
らパルスの平均間隔を求めることでその都度の車輪速度
が計算される。
輪速度センサが用いられ、該センサから車輪の1回転に
つきその単位回転角度に対応して決まった数だけ発生さ
れるパルスを所定の時間間隔でサンプリングしつつそれ
らパルスの平均間隔を求めることでその都度の車輪速度
が計算される。
【0007】そして従来は、このサンプリング周期毎に
算出される車輪速度を高速フーリエ変換(FFT)する
などしてその振動成分を周波数解析するようにしてい
る。ところが、こうしてサンプリング周期毎に上記パル
スの平均間隔を求めて車輪速度を計算することは、該速
度情報そのものを求める上では有効であるものの、同車
輪速度の振動成分を解析するとなると、次のような不都
合が併せ生じることも否めない。
算出される車輪速度を高速フーリエ変換(FFT)する
などしてその振動成分を周波数解析するようにしてい
る。ところが、こうしてサンプリング周期毎に上記パル
スの平均間隔を求めて車輪速度を計算することは、該速
度情報そのものを求める上では有効であるものの、同車
輪速度の振動成分を解析するとなると、次のような不都
合が併せ生じることも否めない。
【0008】すなわち、サンプリング周期毎に上記パル
スの平均間隔を求めることは、その平均化を行う段階で
自ずとそれらパルスの持っている周波数情報に欠落が生
じることを意味する。そして、こうして周波数情報に欠
落が生じることにより、その解析される振動成分の信頼
性も自ずと低いものとなり、ひいては上記推定されるタ
イヤ空気圧もその推定精度が悪化する。
スの平均間隔を求めることは、その平均化を行う段階で
自ずとそれらパルスの持っている周波数情報に欠落が生
じることを意味する。そして、こうして周波数情報に欠
落が生じることにより、その解析される振動成分の信頼
性も自ずと低いものとなり、ひいては上記推定されるタ
イヤ空気圧もその推定精度が悪化する。
【0009】なお、上述したタイヤ空気圧推定装置に限
らず、回転体の回転に伴いその単位回転角度に対応して
発生されるパルス信号に基づき間接的にその振動解析を
行う装置にあっては、こうした実情も概ね共通したもの
となっている。
らず、回転体の回転に伴いその単位回転角度に対応して
発生されるパルス信号に基づき間接的にその振動解析を
行う装置にあっては、こうした実情も概ね共通したもの
となっている。
【0010】また、回転体に限らず、移動体にあって
も、その単位移動距離に対応して発生されるパルス信号
に基づき間接的にその振動解析を行う装置にあってはや
はり、こうした実情は共通する。
も、その単位移動距離に対応して発生されるパルス信号
に基づき間接的にその振動解析を行う装置にあってはや
はり、こうした実情は共通する。
【0011】この発明は、上記実情に鑑みてなされたも
のであり、パルス信号の持っている周波数情報の欠落を
招くことなく、上記回転体若しくは移動体の振動成分を
的確に解析することのできる回転体若しくは移動体の振
動解析装置を提供することを目的とする。
のであり、パルス信号の持っている周波数情報の欠落を
招くことなく、上記回転体若しくは移動体の振動成分を
的確に解析することのできる回転体若しくは移動体の振
動解析装置を提供することを目的とする。
【0012】またこの発明は、こうした振動解析装置を
用いてタイヤの振動に起因する車輪速度の振動成分を正
確に抽出することでそのタイヤ空気圧に依存した正確な
共振周波数を求め、ひいてはその推定精度を大幅に高め
ることのできるタイヤ空気圧推定装置を提供することを
目的とする。
用いてタイヤの振動に起因する車輪速度の振動成分を正
確に抽出することでそのタイヤ空気圧に依存した正確な
共振周波数を求め、ひいてはその推定精度を大幅に高め
ることのできるタイヤ空気圧推定装置を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、この発明にかかる回転体若しくは移動体の振動解
析装置では、請求項1,請求項2,請求項6,請求項7
記載の発明によるように、 (A)回転体の回転若しくは移動体の移動に伴いそれら
単位回転角度若しくは単位移動距離に対応したパルス信
号を発生するパルス信号発生手段。 (B)該発生されるパルス信号のパルス周期を計測する
パルス周期計測手段。 (C)該計測されるパルス周期に基づき前記回転体の1
回転あたりの振動回数若しくは前記移動体の所定移動距
離あたりの振動回数を解析する振動解析手段。をそれぞ
れ具える構成とする。
ため、この発明にかかる回転体若しくは移動体の振動解
析装置では、請求項1,請求項2,請求項6,請求項7
記載の発明によるように、 (A)回転体の回転若しくは移動体の移動に伴いそれら
単位回転角度若しくは単位移動距離に対応したパルス信
号を発生するパルス信号発生手段。 (B)該発生されるパルス信号のパルス周期を計測する
パルス周期計測手段。 (C)該計測されるパルス周期に基づき前記回転体の1
回転あたりの振動回数若しくは前記移動体の所定移動距
離あたりの振動回数を解析する振動解析手段。をそれぞ
れ具える構成とする。
【0014】振動解析装置としてのこのような構成によ
れば、上記パルス周期計測手段を通じて計測されるパル
ス周期の各々がその解析対象となるものであり、したが
ってその解析結果も、それら回転体の1回転あたりの振
動回数若しくは移動体の所定移動距離あたりの振動回数
となる。
れば、上記パルス周期計測手段を通じて計測されるパル
ス周期の各々がその解析対象となるものであり、したが
ってその解析結果も、それら回転体の1回転あたりの振
動回数若しくは移動体の所定移動距離あたりの振動回数
となる。
【0015】そして、この解析される振動回数とは、前
記所定時間間隔でサンプリングされたパルス数に基づき
計算された回転体の回転速度や移動体の移動速度を解析
対象としたものとは異なり、上記パルス個々に含まれる
周波数情報がそれら速度に係わりなく直接反映されたも
のとなっている。
記所定時間間隔でサンプリングされたパルス数に基づき
計算された回転体の回転速度や移動体の移動速度を解析
対象としたものとは異なり、上記パルス個々に含まれる
周波数情報がそれら速度に係わりなく直接反映されたも
のとなっている。
【0016】このため、パルス信号の持っている周波数
情報の欠落を招くことなく、上記回転体若しくは移動体
の振動成分を的確に解析することができるようになる。
情報の欠落を招くことなく、上記回転体若しくは移動体
の振動成分を的確に解析することができるようになる。
【0017】また、移動体が上記回転体に準じて所定移
動距離を周期運動するものである場合には、 (E)前記回転体若しくは前記移動体若しくは前記パル
ス信号発生手段の非規格要素による前記回転体の単位回
転角度若しくは前記移動体の単位移動距離の検出誤差を
補正する非規格要素補正手段。を更に具える構成が、そ
の解析精度を更に高める上で有効である。
動距離を周期運動するものである場合には、 (E)前記回転体若しくは前記移動体若しくは前記パル
ス信号発生手段の非規格要素による前記回転体の単位回
転角度若しくは前記移動体の単位移動距離の検出誤差を
補正する非規格要素補正手段。を更に具える構成が、そ
の解析精度を更に高める上で有効である。
【0018】因みに、これら回転体若しくは移動体若し
くはパルス信号発生手段には、製造公差等、加工精度の
ばらつきや腐食等による変形、経時変化などがあり、そ
れら非規格要素に起因して、上記パルス個々のパルス周
期にもばらつきが発生する。そして、こうしたパルス周
期のばらつきが、上記周期運動する回転体若しくは移動
体の振動解析結果にもよからぬ影響を及ぼすこととなっ
ている。
くはパルス信号発生手段には、製造公差等、加工精度の
ばらつきや腐食等による変形、経時変化などがあり、そ
れら非規格要素に起因して、上記パルス個々のパルス周
期にもばらつきが発生する。そして、こうしたパルス周
期のばらつきが、上記周期運動する回転体若しくは移動
体の振動解析結果にもよからぬ影響を及ぼすこととなっ
ている。
【0019】この点、上記非規格要素に起因するパルス
周期ばらつきを補正する非規格要素補正手段を併せ設け
ることで、こうした影響も好適に回避され、その解析精
度も自ずと高まることとなる。
周期ばらつきを補正する非規格要素補正手段を併せ設け
ることで、こうした影響も好適に回避され、その解析精
度も自ずと高まることとなる。
【0020】なお、この非規格要素補正手段としては、 (E1)前記計測されるパルス周期の回転体1回転分若
しくは移動体所定移動距離分を各別に更新記憶する記憶
手段。 (E2)これら記憶された各パルス周期の任意区間の平
均値を算出する平均値算出手段。 (E3)該算出されたパルス周期平均値と前記計測され
た各パルス周期との偏差が吸収されるよう同計測された
各パルス周期を補正するパルス周期補正手段。をそれぞ
れ具える構成とすることができる。同非規格要素補正手
段としてのこうした構成によって、上記パルス周期のば
らつき補正を容易に、しかも的確に行うことができるよ
うになる。
しくは移動体所定移動距離分を各別に更新記憶する記憶
手段。 (E2)これら記憶された各パルス周期の任意区間の平
均値を算出する平均値算出手段。 (E3)該算出されたパルス周期平均値と前記計測され
た各パルス周期との偏差が吸収されるよう同計測された
各パルス周期を補正するパルス周期補正手段。をそれぞ
れ具える構成とすることができる。同非規格要素補正手
段としてのこうした構成によって、上記パルス周期のば
らつき補正を容易に、しかも的確に行うことができるよ
うになる。
【0021】また、パルス周期補正手段として、 (E31)前記パルス周期平均値と前記計測された各パ
ルス周期との偏差を算出する偏差算出手段。 (E32)この算出された偏差に所定の感度補正係数を
掛けて前記パルス周期の補正感度を調整する感度調整手
段。 (E33)この感度調整された偏差を前記計測された各
パルス周期を補正するためのパルス周期補正係数として
算出するパルス周期補正係数算出手段。をそれぞれ具え
るようにすれば、1回のパルス入力に対する上記パルス
周期補正係数の影響度合いを任意に調整することができ
るようになる。
ルス周期との偏差を算出する偏差算出手段。 (E32)この算出された偏差に所定の感度補正係数を
掛けて前記パルス周期の補正感度を調整する感度調整手
段。 (E33)この感度調整された偏差を前記計測された各
パルス周期を補正するためのパルス周期補正係数として
算出するパルス周期補正係数算出手段。をそれぞれ具え
るようにすれば、1回のパルス入力に対する上記パルス
周期補正係数の影響度合いを任意に調整することができ
るようになる。
【0022】因みに、上記感度補正係数の値を小さな値
に設定した場合には、上記パルス周期補正係数による収
束速度は遅くなるが、回転体若しくは移動体のランダム
な速度変動等による同パルス周期補正係数の変動量を小
さくすることができるようになる。
に設定した場合には、上記パルス周期補正係数による収
束速度は遅くなるが、回転体若しくは移動体のランダム
な速度変動等による同パルス周期補正係数の変動量を小
さくすることができるようになる。
【0023】また非規格要素補正手段としてのこれらの
構成において、平均値算出手段を、 (E21)前記補正の対象となるパルス周期の前後のパ
ルス周期列のパルス周期平均値を求めるもの。として構
成することにより、回転体の回転速度若しくは移動体の
移動速度の加減速時にあっても、当該補正対象となるパ
ルス周期の過去並びに未来のパルス周期列に基づき、そ
の都度の速度において矛盾のないパルス周期平均値を求
めることができるようになる。
構成において、平均値算出手段を、 (E21)前記補正の対象となるパルス周期の前後のパ
ルス周期列のパルス周期平均値を求めるもの。として構
成することにより、回転体の回転速度若しくは移動体の
移動速度の加減速時にあっても、当該補正対象となるパ
ルス周期の過去並びに未来のパルス周期列に基づき、そ
の都度の速度において矛盾のないパルス周期平均値を求
めることができるようになる。
【0024】また、上記(C)の振動解析手段として
も、例えば請求項3記載の発明によるように、 (C1)フーリエ変換手段を用いる構成。或いは、請求
項5記載の発明によるように、 (C2)ウェーブレット変換手段を用いる構成。或い
は、請求項6又は請求項7記載の発明によるように、 (C3)線形予測手段を用いる構成。等々、各種の構成
を採用することができる。
も、例えば請求項3記載の発明によるように、 (C1)フーリエ変換手段を用いる構成。或いは、請求
項5記載の発明によるように、 (C2)ウェーブレット変換手段を用いる構成。或い
は、請求項6又は請求項7記載の発明によるように、 (C3)線形予測手段を用いる構成。等々、各種の構成
を採用することができる。
【0025】これら何れの構成を採用する場合であれ、
上記回転体1回転あたりの振動回数若しくは前記移動体
の所定移動距離あたりの振動回数についてこれを的確に
解析することができるようになる。
上記回転体1回転あたりの振動回数若しくは前記移動体
の所定移動距離あたりの振動回数についてこれを的確に
解析することができるようになる。
【0026】なお、上記(C1)のフーリエ変換手段を
用いる構成にあっては、特に請求項4記載の発明による
ように、 (C11)高速フーリエ変換(FFT)手段を用いる構
成。が、その演算量をより少なく抑える上で有効とな
る。
用いる構成にあっては、特に請求項4記載の発明による
ように、 (C11)高速フーリエ変換(FFT)手段を用いる構
成。が、その演算量をより少なく抑える上で有効とな
る。
【0027】また、上記(C3)の線形予測手段を用い
る構成にあっては、特に請求項8記載の発明によるよう
に、 (C31)前記(5)式のような2次のモデルを導入し
てその各パラメータc1,c2を同定し、それら同定し
たパラメータc1,c2に基づいて前記回転体の1回転
あたりの振動回数若しくは前記移動体の所定移動距離あ
たりの振動回数を求める構成。が、やはりその演算量や
メモリ容量を最小限に抑える上で有効である。
る構成にあっては、特に請求項8記載の発明によるよう
に、 (C31)前記(5)式のような2次のモデルを導入し
てその各パラメータc1,c2を同定し、それら同定し
たパラメータc1,c2に基づいて前記回転体の1回転
あたりの振動回数若しくは前記移動体の所定移動距離あ
たりの振動回数を求める構成。が、やはりその演算量や
メモリ容量を最小限に抑える上で有効である。
【0028】また、こうした構成において更に、上記パ
ラメータc1,c2を同定する手段としては、請求項9
記載の発明によるように、 ・最小2乗法にて前記パラメータc1,c2を同定す
る。といった構成が、こうした同定を高能率に行う上で
有効である。
ラメータc1,c2を同定する手段としては、請求項9
記載の発明によるように、 ・最小2乗法にて前記パラメータc1,c2を同定す
る。といった構成が、こうした同定を高能率に行う上で
有効である。
【0029】また、請求項10記載の発明によるよう
に、 (D)前記振動解析手段により解析された振動回数情報
を前記回転体の平均回転速度若しくは前記移動体の平均
移動速度に基づき周波数情報に変換する周波数変換手
段。を更に具える構成によれば、直接周波数軸には対応
していない上記解析結果を該周波数軸上で表現すること
ができるようになる。
に、 (D)前記振動解析手段により解析された振動回数情報
を前記回転体の平均回転速度若しくは前記移動体の平均
移動速度に基づき周波数情報に変換する周波数変換手
段。を更に具える構成によれば、直接周波数軸には対応
していない上記解析結果を該周波数軸上で表現すること
ができるようになる。
【0030】したがって、上記パルス個々に含まれる周
波数情報がそれら回転体や移動体の速度に係わりなく直
接反映されている同解析結果の周波数分析も、こうした
変換を通じて極めて容易に実現されるようになる。
波数情報がそれら回転体や移動体の速度に係わりなく直
接反映されている同解析結果の周波数分析も、こうした
変換を通じて極めて容易に実現されるようになる。
【0031】また、平均値算出手段としては、例えば請
求項1又は請求項6記載の発明によるように、 ・前記(1)式若しくは(2)式に基づいてパルス周期
平均値dt(ave)を算出する構成。或いは、請求項
2又は請求項7記載の発明によるように、 ・前記(3)式若しくは(4)式に基づいてパルス周期
平均値dt(ave)を算出する構成。などが有効であ
る。
求項1又は請求項6記載の発明によるように、 ・前記(1)式若しくは(2)式に基づいてパルス周期
平均値dt(ave)を算出する構成。或いは、請求項
2又は請求項7記載の発明によるように、 ・前記(3)式若しくは(4)式に基づいてパルス周期
平均値dt(ave)を算出する構成。などが有効であ
る。
【0032】これら何れの構成であれ、当該補正対象と
なるパルス周期dt(0)を中心として、その過去半周
と未来半周、或いはその過去1周と未来1周のパルス周
期列に基づき、上記その都度の速度において矛盾のない
パルス周期平均値を好適に求めることができるようにな
る。
なるパルス周期dt(0)を中心として、その過去半周
と未来半周、或いはその過去1周と未来1周のパルス周
期列に基づき、上記その都度の速度において矛盾のない
パルス周期平均値を好適に求めることができるようにな
る。
【0033】一方、この発明にかかるタイヤ空気圧推定
装置では、請求項11又は請求項12記載の発明による
ように、 (a)車輪の回転に伴いその単位回転角度に対応したパ
ルス信号を発生するパルス信号発生手段。 (b)該発生されるパルス信号のパルス周期を計測する
パルス周期計測手段。 (c)該計測されるパルス周期に基づき前記車輪の1回
転あたりの振動回数を解析する振動解析手段。 (d)該解析された振動回数情報を前記車輪の平均回転
速度に基づき周波数情報に変換する周波数変換手段。 (e)該変換された周波数情報から車輪速度のタイヤ空
気圧に依存した共振成分を抽出する共振成分抽出手段。 をそれぞれ具え、前記抽出された共振成分に基づいて前
記タイヤ空気圧を推定するようにする。
装置では、請求項11又は請求項12記載の発明による
ように、 (a)車輪の回転に伴いその単位回転角度に対応したパ
ルス信号を発生するパルス信号発生手段。 (b)該発生されるパルス信号のパルス周期を計測する
パルス周期計測手段。 (c)該計測されるパルス周期に基づき前記車輪の1回
転あたりの振動回数を解析する振動解析手段。 (d)該解析された振動回数情報を前記車輪の平均回転
速度に基づき周波数情報に変換する周波数変換手段。 (e)該変換された周波数情報から車輪速度のタイヤ空
気圧に依存した共振成分を抽出する共振成分抽出手段。 をそれぞれ具え、前記抽出された共振成分に基づいて前
記タイヤ空気圧を推定するようにする。
【0034】タイヤ空気圧推定装置としてのこのような
構成によれば、上記振動解析手段を通じて、先の請求項
1,請求項2,請求項6,請求項7記載の発明に準じた
態様で車輪1回転あたりの振動回数が解析され、また上
記周波数変換手段を通じて、先の請求項10記載の発明
に準じた態様でその解析された振動回数情報が周波数情
報に変換されるようになる。そして、上記計測されるパ
ルス周期個々の振動情報がこうして周波数情報に変換さ
れることで、上記共振成分抽出手段によるタイヤ空気圧
に依存した共振成分の抽出も容易となる。
構成によれば、上記振動解析手段を通じて、先の請求項
1,請求項2,請求項6,請求項7記載の発明に準じた
態様で車輪1回転あたりの振動回数が解析され、また上
記周波数変換手段を通じて、先の請求項10記載の発明
に準じた態様でその解析された振動回数情報が周波数情
報に変換されるようになる。そして、上記計測されるパ
ルス周期個々の振動情報がこうして周波数情報に変換さ
れることで、上記共振成分抽出手段によるタイヤ空気圧
に依存した共振成分の抽出も容易となる。
【0035】ここで因みに、タイヤの空気圧と車両ばね
下部材の振動の共振点であるばね下共振周波数との間に
は、「タイヤ空気圧が低いほど、ばね下共振周波数が低
い」という関係が成立する。一方、車両ばね下部材の振
動は車輪の回転運動にも影響を及ぼす。そしてその結
果、このばね下部材の振動は、車輪の回転速度である車
輪速度にも、該ばね下部材と同じ高さの共振周波数を生
じさせる。したがって、タイヤの空気圧とこの車輪速度
の共振周波数との間にも、「タイヤ空気圧が低いほど、
共振周波数が低い」といった関係が成立することとな
る。
下部材の振動の共振点であるばね下共振周波数との間に
は、「タイヤ空気圧が低いほど、ばね下共振周波数が低
い」という関係が成立する。一方、車両ばね下部材の振
動は車輪の回転運動にも影響を及ぼす。そしてその結
果、このばね下部材の振動は、車輪の回転速度である車
輪速度にも、該ばね下部材と同じ高さの共振周波数を生
じさせる。したがって、タイヤの空気圧とこの車輪速度
の共振周波数との間にも、「タイヤ空気圧が低いほど、
共振周波数が低い」といった関係が成立することとな
る。
【0036】このため、上記共振周波数が求まれば、上
記「タイヤ空気圧が低いほど、共振周波数が低い」とい
った関係に基づいてタイヤの空気圧を推定することがで
きるようになる。
記「タイヤ空気圧が低いほど、共振周波数が低い」とい
った関係に基づいてタイヤの空気圧を推定することがで
きるようになる。
【0037】このように、請求項11又は請求項12記
載の発明によれば、サンプリング周期毎に算出される車
輪速度を高速フーリエ変換するなどしてその振動成分を
周波数解析する場合とは異なり、上記パルス信号の持っ
ている周波数情報の欠落を招くことなく、同振動成分を
解析することができるようになる。そしてこのため、上
記タイヤ空気圧についてのより精度の高い推定を行うこ
とができるようにもなる。
載の発明によれば、サンプリング周期毎に算出される車
輪速度を高速フーリエ変換するなどしてその振動成分を
周波数解析する場合とは異なり、上記パルス信号の持っ
ている周波数情報の欠落を招くことなく、同振動成分を
解析することができるようになる。そしてこのため、上
記タイヤ空気圧についてのより精度の高い推定を行うこ
とができるようにもなる。
【0038】また、タイヤ空気圧推定装置としてのこう
した構成において、 (f)前記車輪若しくは前記パルス信号発生手段の非規
格要素による前記車輪の単位回転角度検出誤差を補正す
る非規格要素補正手段。を併せ具えるようにすれば、上
記振動解析精度、ひいては上記タイヤ空気圧推定精度を
更に高めることができるようになる。
した構成において、 (f)前記車輪若しくは前記パルス信号発生手段の非規
格要素による前記車輪の単位回転角度検出誤差を補正す
る非規格要素補正手段。を併せ具えるようにすれば、上
記振動解析精度、ひいては上記タイヤ空気圧推定精度を
更に高めることができるようになる。
【0039】すなわちこの場合には、先の請求項1,請
求項2,請求項6,請求項7記載の発明に準じた態様で
上記計測されるパルス周期のばらつきが補正されること
となり、それらパルス周期のばらつきに起因する振動解
析結果への悪影響も好適に回避されるようになる。
求項2,請求項6,請求項7記載の発明に準じた態様で
上記計測されるパルス周期のばらつきが補正されること
となり、それらパルス周期のばらつきに起因する振動解
析結果への悪影響も好適に回避されるようになる。
【0040】なお、この非規格要素補正手段としては、 (f1)前記計測されるパルス周期の前記車輪1回転分
を各別に更新記憶する記憶手段。 (f2)これら記憶された各パルス周期の任意区間の平
均値を算出する平均値算出手段。 (f3)該算出されたパルス周期平均値と前記計測され
た各パルス周期との偏差が吸収されるよう同計測された
各パルス周期を補正するパルス周期補正手段。をそれぞ
れ具える構成とすることができる。同非規格要素補正手
段としてのこうした構成によって、上記パルス周期のば
らつき補正を容易に、しかも的確に行うことができるよ
うになる。
を各別に更新記憶する記憶手段。 (f2)これら記憶された各パルス周期の任意区間の平
均値を算出する平均値算出手段。 (f3)該算出されたパルス周期平均値と前記計測され
た各パルス周期との偏差が吸収されるよう同計測された
各パルス周期を補正するパルス周期補正手段。をそれぞ
れ具える構成とすることができる。同非規格要素補正手
段としてのこうした構成によって、上記パルス周期のば
らつき補正を容易に、しかも的確に行うことができるよ
うになる。
【0041】また、パルス周期補正手段として、 (f31)前記パルス周期平均値と前記計測された各パ
ルス周期との偏差を算出する偏差算出手段。 (f32)この算出された偏差に所定の感度補正係数を
掛けて前記パルス周期の補正感度を調整する感度調整手
段。 (f33)この感度調整された偏差を前記計測された各
パルス周期を補正するためのパルス周期補正係数として
算出するパルス周期補正係数算出手段。をそれぞれ具え
るようにすれば、1回のパルス入力に対する上記パルス
周期補正係数の影響度合いを任意に調整することができ
るようになる。
ルス周期との偏差を算出する偏差算出手段。 (f32)この算出された偏差に所定の感度補正係数を
掛けて前記パルス周期の補正感度を調整する感度調整手
段。 (f33)この感度調整された偏差を前記計測された各
パルス周期を補正するためのパルス周期補正係数として
算出するパルス周期補正係数算出手段。をそれぞれ具え
るようにすれば、1回のパルス入力に対する上記パルス
周期補正係数の影響度合いを任意に調整することができ
るようになる。
【0042】因みに、上記感度補正係数の値を小さな値
に設定した場合には、上記パルス周期補正係数による収
束速度は遅くなるが、路面振動等のランダムな速度変動
による同パルス周期補正係数の変動量を小さくすること
ができるようになる。
に設定した場合には、上記パルス周期補正係数による収
束速度は遅くなるが、路面振動等のランダムな速度変動
による同パルス周期補正係数の変動量を小さくすること
ができるようになる。
【0043】また非規格要素補正手段としてのこれらの
構成において、上記平均値算出手段を、 (f21)前記補正の対象となるパルス周期の前後のパ
ルス周期列のパルス周期平均値を求めるもの。として構
成することにより、たとえ車両の加減速時であれ、当該
補正対象となるパルス周期の過去並びに未来のパルス周
期列に基づき、その都度の速度において矛盾のないパル
ス周期平均値を求めることができるようになる。
構成において、上記平均値算出手段を、 (f21)前記補正の対象となるパルス周期の前後のパ
ルス周期列のパルス周期平均値を求めるもの。として構
成することにより、たとえ車両の加減速時であれ、当該
補正対象となるパルス周期の過去並びに未来のパルス周
期列に基づき、その都度の速度において矛盾のないパル
ス周期平均値を求めることができるようになる。
【0044】なお、このような平均値算出手段として
は、例えば請求項11記載の発明によるように、 ・前記(6)式若しくは(7)式に基づいてパルス周期
平均値dt(ave)を算出する構成。或いは、請求項
12記載の発明によるように、 ・前記(8)式若しくは(9)式に基づいてパルス周期
平均値dt(ave)を算出する構成。などが有効であ
る。
は、例えば請求項11記載の発明によるように、 ・前記(6)式若しくは(7)式に基づいてパルス周期
平均値dt(ave)を算出する構成。或いは、請求項
12記載の発明によるように、 ・前記(8)式若しくは(9)式に基づいてパルス周期
平均値dt(ave)を算出する構成。などが有効であ
る。
【0045】これら何れの構成であれ、当該補正対象と
なるパルス周期dt(0)を中心として、その過去半周
と未来半周、或いはその過去1周と未来1周のパルス周
期列に基づき、上記その都度の速度において矛盾のない
パルス周期平均値を好適に求めることができるようにな
る。
なるパルス周期dt(0)を中心として、その過去半周
と未来半周、或いはその過去1周と未来1周のパルス周
期列に基づき、上記その都度の速度において矛盾のない
パルス周期平均値を好適に求めることができるようにな
る。
【0046】また、上記(c)の振動解析手段として
も、例えば請求項13記載の発明によるように、 (c1)フーリエ変換手段を用いる構成。或いは、請求
項15記載の発明によるように、 (c2)ウェーブレット変換手段を用いる構成。或い
は、請求項16記載の発明によるように、 (c3)線形予測手段を用いる構成。等々、各種の構成
を採用することができる。
も、例えば請求項13記載の発明によるように、 (c1)フーリエ変換手段を用いる構成。或いは、請求
項15記載の発明によるように、 (c2)ウェーブレット変換手段を用いる構成。或い
は、請求項16記載の発明によるように、 (c3)線形予測手段を用いる構成。等々、各種の構成
を採用することができる。
【0047】これら何れの構成を採用する場合であれ、
上記車輪1回転あたりの振動回数についてこれを的確に
解析することができるようになる。なお、上記(c1)
のフーリエ変換手段を用いる構成にあっては、特に請求
項14記載の発明によるように、 (c11)高速フーリエ変換(FFT)手段を用いる構
成。が、その演算量をより少なく抑える上で有効とな
る。
上記車輪1回転あたりの振動回数についてこれを的確に
解析することができるようになる。なお、上記(c1)
のフーリエ変換手段を用いる構成にあっては、特に請求
項14記載の発明によるように、 (c11)高速フーリエ変換(FFT)手段を用いる構
成。が、その演算量をより少なく抑える上で有効とな
る。
【0048】また、上記(c3)の線形予測手段を用い
る構成にあっては、特に請求項17記載の発明によるよ
うに、 (c31)前記(10)式のような2次のモデルを導入
してその各パラメータc1,c2を同定し、それら同定
したパラメータc1,c2に基づいて前記回転体の1回
転あたりの振動回数若しくは前記移動体の所定移動距離
あたりの振動回数を求める構成。が、やはりその演算量
やメモリ容量を最小限に抑える上で有効である。
る構成にあっては、特に請求項17記載の発明によるよ
うに、 (c31)前記(10)式のような2次のモデルを導入
してその各パラメータc1,c2を同定し、それら同定
したパラメータc1,c2に基づいて前記回転体の1回
転あたりの振動回数若しくは前記移動体の所定移動距離
あたりの振動回数を求める構成。が、やはりその演算量
やメモリ容量を最小限に抑える上で有効である。
【0049】また、こうした構成において更に、上記パ
ラメータc1,c2を同定する手段としては、請求項1
8記載の発明によるように、 ・最小2乗法にて前記パラメータc1,c2を同定す
る。といった構成が、こうした同定を高能率に行う上で
有効である。
ラメータc1,c2を同定する手段としては、請求項1
8記載の発明によるように、 ・最小2乗法にて前記パラメータc1,c2を同定す
る。といった構成が、こうした同定を高能率に行う上で
有効である。
【0050】
(第1実施形態)図1に、この発明にかかるタイヤ空気
圧推定装置の第1の実施形態を示す。
圧推定装置の第1の実施形態を示す。
【0051】この実施形態の装置は、各車輪速度の共振
周波数を検出し、その共振周波数に基づいて、実際のタ
イヤ空気圧がその下限値よりも低いか否かを判定する装
置として構成されている。
周波数を検出し、その共振周波数に基づいて、実際のタ
イヤ空気圧がその下限値よりも低いか否かを判定する装
置として構成されている。
【0052】前述したように、タイヤの空気圧と車両ば
ね下部材の振動の共振点であるばね下共振周波数との間
には、「タイヤ空気圧が低いほど、ばね下共振周波数が
低い」という関係が成立する。
ね下部材の振動の共振点であるばね下共振周波数との間
には、「タイヤ空気圧が低いほど、ばね下共振周波数が
低い」という関係が成立する。
【0053】一方、車両ばね下部材の振動は車輪の回転
運動にも影響を及ぼす。そしてその結果、このばね下部
材の振動は、車輪の回転速度である車輪速度にも、該ば
ね下部材と同じ高さの共振周波数を生じさせる。すなわ
ち、タイヤ空気圧と上記車輪速度の共振周波数との間に
も、「タイヤ空気圧が低いほど、共振周波数が低い」と
いった関係が成立することとなる。
運動にも影響を及ぼす。そしてその結果、このばね下部
材の振動は、車輪の回転速度である車輪速度にも、該ば
ね下部材と同じ高さの共振周波数を生じさせる。すなわ
ち、タイヤ空気圧と上記車輪速度の共振周波数との間に
も、「タイヤ空気圧が低いほど、共振周波数が低い」と
いった関係が成立することとなる。
【0054】そこでこの実施形態の装置では、タイヤ空
気圧と車輪速度の共振周波数との間におけるこうした関
係に基づいてタイヤ空気圧を推定し、その推定されるタ
イヤ空気圧が下限値すなわち当該車両の運転に影響を及
ぼさない限界値よりも低いか否かを判定するようにして
いる。
気圧と車輪速度の共振周波数との間におけるこうした関
係に基づいてタイヤ空気圧を推定し、その推定されるタ
イヤ空気圧が下限値すなわち当該車両の運転に影響を及
ぼさない限界値よりも低いか否かを判定するようにして
いる。
【0055】はじめに、図1を参照して、同実施形態の
装置の構成についてその概要を説明する。同実施形態の
装置は、この図1に示されるように、大きくは、車輪速
度センサ10、そのセンサ信号を所要に処理してタイヤ
空気圧についての上記判定を実行する信号処理装置2
0、そしてその判定結果を所定の形態で表示する表示器
30を具えて構成される。
装置の構成についてその概要を説明する。同実施形態の
装置は、この図1に示されるように、大きくは、車輪速
度センサ10、そのセンサ信号を所要に処理してタイヤ
空気圧についての上記判定を実行する信号処理装置2
0、そしてその判定結果を所定の形態で表示する表示器
30を具えて構成される。
【0056】このうち、車輪速度センサ10は、当該車
両の各車輪についてその回転速度を検出するセンサであ
り、同センサ10FRは「右前輪」の車輪速度を、同セ
ンサ10FLは「左前輪」の車輪速度を、同センサ10
RRは「右後輪」の車輪速度を、そして同センサ10R
Lは「左後輪」の車輪速度をそれぞれ検出する。図2
に、これら車輪速度センサ10(10FR,10FL,
10RR,10RL)の構成を示す。
両の各車輪についてその回転速度を検出するセンサであ
り、同センサ10FRは「右前輪」の車輪速度を、同セ
ンサ10FLは「左前輪」の車輪速度を、同センサ10
RRは「右後輪」の車輪速度を、そして同センサ10R
Lは「左後輪」の車輪速度をそれぞれ検出する。図2
に、これら車輪速度センサ10(10FR,10FL,
10RR,10RL)の構成を示す。
【0057】この図2に示されるように、これら車輪速
度センサ10は、それぞれ該当する車輪1に装着されて
共に回転するロータ11と、このロータ11の外周に一
定のピッチで多数設けられた歯(被検出体)12と、ロ
ータ11の回転に伴うこれら歯12の通過を電磁的に検
出する電磁ピックアップ13とを具える構成となってい
る。そして、この電磁ピックアップ13に誘起される交
流信号が、同車輪速度センサ10の出力(車輪速度信
号)として上記信号処理装置20に取り込まれるように
なる。
度センサ10は、それぞれ該当する車輪1に装着されて
共に回転するロータ11と、このロータ11の外周に一
定のピッチで多数設けられた歯(被検出体)12と、ロ
ータ11の回転に伴うこれら歯12の通過を電磁的に検
出する電磁ピックアップ13とを具える構成となってい
る。そして、この電磁ピックアップ13に誘起される交
流信号が、同車輪速度センサ10の出力(車輪速度信
号)として上記信号処理装置20に取り込まれるように
なる。
【0058】また同実施形態の装置において、信号処理
装置20によるタイヤ空気圧についての判定結果を表示
する表示器30は、当該車両の操作パネル中に例えば図
3に示される態様で設けられている警告ランプ31の点
灯をそれぞれ制御する装置である。
装置20によるタイヤ空気圧についての判定結果を表示
する表示器30は、当該車両の操作パネル中に例えば図
3に示される態様で設けられている警告ランプ31の点
灯をそれぞれ制御する装置である。
【0059】すなわち、表示器30FRは、「右前輪」
のタイヤ空気圧が異常である旨判定されるとき警告ラン
プ31FRを点灯し、表示器30FLは、「左前輪」の
タイヤ空気圧が異常である旨判定されるとき警告ランプ
31FLを点灯する。同様に、表示器30RRは、「右
後輪」のタイヤ空気圧が異常である旨判定されるとき警
告ランプ31RRを点灯し、表示器30RLは、「左後
輪」のタイヤ空気圧が異常である旨判定されるとき警告
ランプ31FLを点灯する。
のタイヤ空気圧が異常である旨判定されるとき警告ラン
プ31FRを点灯し、表示器30FLは、「左前輪」の
タイヤ空気圧が異常である旨判定されるとき警告ランプ
31FLを点灯する。同様に、表示器30RRは、「右
後輪」のタイヤ空気圧が異常である旨判定されるとき警
告ランプ31RRを点灯し、表示器30RLは、「左後
輪」のタイヤ空気圧が異常である旨判定されるとき警告
ランプ31FLを点灯する。
【0060】こうして警告ランプ31(31FR,31
FL,31RR,31RL)の点灯が制御されることに
より、空気圧が異常である旨判定されたタイヤが存在す
る場合には、そのタイヤが何れであるかが即座に、しか
も視認性よく運転者に知らしめられるようになる。
FL,31RR,31RL)の点灯が制御されることに
より、空気圧が異常である旨判定されたタイヤが存在す
る場合には、そのタイヤが何れであるかが即座に、しか
も視認性よく運転者に知らしめられるようになる。
【0061】そして、上記車輪速度センサ10の出力
(車輪速度信号)に基づいて各車輪のタイヤ空気圧が異
常であるか否かを判定するとともに、これら表示器30
に対しその表示制御のための駆動信号を出力する信号処
理装置20は、図1に示されるように、上記車輪速度セ
ンサ10から出力される車輪速度信号を各別に波形整形
する波形整形回路21(21FR,21FL,21R
R,21RL)と、それら波形整形された信号を取り込
んで前記共振周波数を検出し、更には該検出された共振
周波数に基づきタイヤ空気圧の異常の有無を判定するマ
イクロコンピュータ22とを具えて構成されている。
(車輪速度信号)に基づいて各車輪のタイヤ空気圧が異
常であるか否かを判定するとともに、これら表示器30
に対しその表示制御のための駆動信号を出力する信号処
理装置20は、図1に示されるように、上記車輪速度セ
ンサ10から出力される車輪速度信号を各別に波形整形
する波形整形回路21(21FR,21FL,21R
R,21RL)と、それら波形整形された信号を取り込
んで前記共振周波数を検出し、更には該検出された共振
周波数に基づきタイヤ空気圧の異常の有無を判定するマ
イクロコンピュータ22とを具えて構成されている。
【0062】なお、マイクロコンピュータ22におい
て、これら共振周波数の検出及び判定はそれぞれ、その
演算処理機能を利用して擬似的に構成される共振点検出
部221(221FR,221FL,221RR,22
1RL)及び判定部222(222FR,222FL,
222RR,222RL)を通じて行われる。マイクロ
コンピュータ22が通常、その演算処理部であるCPU
をはじめ、主にプログラムメモリとして利用されるRO
M、及びデータメモリとして利用されるRAM等を基本
的に具えて構成されるものであることは周知の通りであ
る。
て、これら共振周波数の検出及び判定はそれぞれ、その
演算処理機能を利用して擬似的に構成される共振点検出
部221(221FR,221FL,221RR,22
1RL)及び判定部222(222FR,222FL,
222RR,222RL)を通じて行われる。マイクロ
コンピュータ22が通常、その演算処理部であるCPU
をはじめ、主にプログラムメモリとして利用されるRO
M、及びデータメモリとして利用されるRAM等を基本
的に具えて構成されるものであることは周知の通りであ
る。
【0063】図4は、こうしたマイクロコンピュータ2
2の主に上記共振点検出部221についてその機能的な
構成を具体的に示したものであり、次に、同図4を併せ
参照して、同実施形態にかかる装置の信号処理装置20
において実行される信号処理の詳細を説明する。
2の主に上記共振点検出部221についてその機能的な
構成を具体的に示したものであり、次に、同図4を併せ
参照して、同実施形態にかかる装置の信号処理装置20
において実行される信号処理の詳細を説明する。
【0064】なお、同図4においては便宜上、図1に示
される各車輪に対応した系統のうちの任意の1系統につ
いてのみ図示しており、以下の説明においても、それら
共通する各系統を代表して、任意の1系統における信号
処理態様のみを説明する。
される各車輪に対応した系統のうちの任意の1系統につ
いてのみ図示しており、以下の説明においても、それら
共通する各系統を代表して、任意の1系統における信号
処理態様のみを説明する。
【0065】さて、同実施形態の装置において、上記車
輪速度センサ10から車輪速度に対応した正弦波形若し
くはそれに類似した交流波形として出力される車輪速度
信号は、上記波形整形回路21によって波形整形される
ことにより、図4に併せ示されるような2値のパルス信
号となる。そして、この波形整形されたパルス信号がマ
イクロコンピュータ22の各対応する共振点検出部22
1に対して入力されることとなる。なおここで、上記車
輪速度センサ10としては、そのロータ11の外周に4
8個の歯(被検出体)12が等間隔に設けられたものを
想定しており、この場合上記共振点検出部221には、
車輪の1回転につき48個のパルス信号が入力されるこ
ととなる。
輪速度センサ10から車輪速度に対応した正弦波形若し
くはそれに類似した交流波形として出力される車輪速度
信号は、上記波形整形回路21によって波形整形される
ことにより、図4に併せ示されるような2値のパルス信
号となる。そして、この波形整形されたパルス信号がマ
イクロコンピュータ22の各対応する共振点検出部22
1に対して入力されることとなる。なおここで、上記車
輪速度センサ10としては、そのロータ11の外周に4
8個の歯(被検出体)12が等間隔に設けられたものを
想定しており、この場合上記共振点検出部221には、
車輪の1回転につき48個のパルス信号が入力されるこ
ととなる。
【0066】こうして波形整形されたパルス信号は、図
4に示される共振点検出部221においてまず、Δt計
測部2211に対して取り込まれる。Δt計測部221
1は、上記波形整形されたパルス信号の例えば立下りエ
ッジに基づいてその各パルス周期Δtを計測する部分で
ある。こうして計測された各パルス周期Δtは、Δt
1,Δt2,Δt3,…ΔtNとして、シフトレジスタ
2212に順次シフトレジストされる。なお因みに、こ
れらパルス周期Δtは、車輪速度が速いほど小さな値と
して、逆に、車輪速度が遅いほど大きな値として同シフ
トレジスタ2212にストアされる。
4に示される共振点検出部221においてまず、Δt計
測部2211に対して取り込まれる。Δt計測部221
1は、上記波形整形されたパルス信号の例えば立下りエ
ッジに基づいてその各パルス周期Δtを計測する部分で
ある。こうして計測された各パルス周期Δtは、Δt
1,Δt2,Δt3,…ΔtNとして、シフトレジスタ
2212に順次シフトレジストされる。なお因みに、こ
れらパルス周期Δtは、車輪速度が速いほど小さな値と
して、逆に、車輪速度が遅いほど大きな値として同シフ
トレジスタ2212にストアされる。
【0067】シフトレジスタ2212は、上記車輪の例
えば10回転分のパルス周期Δt1〜Δt480に対応
した480のステージを有して構成されるシフトレジス
タである。このシフトレジスタ2212にシフトレジス
トされた10回転分のパルス周期Δt1〜Δt480
は、当該装置の振動解析対象として、高速フーリエ変換
(FFT)演算部2213に対し一括入力される。
えば10回転分のパルス周期Δt1〜Δt480に対応
した480のステージを有して構成されるシフトレジス
タである。このシフトレジスタ2212にシフトレジス
トされた10回転分のパルス周期Δt1〜Δt480
は、当該装置の振動解析対象として、高速フーリエ変換
(FFT)演算部2213に対し一括入力される。
【0068】FFT演算部2213は、こうして入力さ
れるパルス周期Δt1〜Δt480をFFT演算してそ
の振動解析を行う部分である。ここで、FFT演算は通
常、等間隔にてサンプリングされた時間系列の信号に対
して行われる。このため、そのFFT演算結果は、それ
らサンプリング信号の周波数スペクトルを表すこととな
る。すなわち、こうしたFFT演算結果をグラフ表示し
た場合、その横軸は周波数[Hz]を表すこととなる。
れるパルス周期Δt1〜Δt480をFFT演算してそ
の振動解析を行う部分である。ここで、FFT演算は通
常、等間隔にてサンプリングされた時間系列の信号に対
して行われる。このため、そのFFT演算結果は、それ
らサンプリング信号の周波数スペクトルを表すこととな
る。すなわち、こうしたFFT演算結果をグラフ表示し
た場合、その横軸は周波数[Hz]を表すこととなる。
【0069】これに対し、この実施形態の装置では上述
のように、等間隔にてサンプリングされた時系列信号で
はなく、パルス周期Δt(Δt1〜Δt480)に対し
て同FFT演算が行われることから、その演算結果も、
上記周波数スペクトルを表すものではなく、車輪1回転
あたりの振動回数を表すものとなる。図5に、パルス周
期Δtに対して行われるFFT演算についてその演算結
果の一例を示す。
のように、等間隔にてサンプリングされた時系列信号で
はなく、パルス周期Δt(Δt1〜Δt480)に対し
て同FFT演算が行われることから、その演算結果も、
上記周波数スペクトルを表すものではなく、車輪1回転
あたりの振動回数を表すものとなる。図5に、パルス周
期Δtに対して行われるFFT演算についてその演算結
果の一例を示す。
【0070】すなわち同図5において、その横軸は、周
波数[Hz]ではなく、車輪1回転あたりの振動回数
[1/rev]を表している。この図5の例によれば、
車輪が1回転する間に、約「1.8」回振動する成分と
約「4.3」回振動する成分とが大きいことがわかる。
波数[Hz]ではなく、車輪1回転あたりの振動回数
[1/rev]を表している。この図5の例によれば、
車輪が1回転する間に、約「1.8」回振動する成分と
約「4.3」回振動する成分とが大きいことがわかる。
【0071】なお、こうして解析される振動回数とは、
上記等間隔にてサンプリングされた時系列信号とは異な
り、上記車輪速度信号のパルス個々に含まれる周波数情
報がそれら速度に係わりなく直接反映されたものとなっ
ている。
上記等間隔にてサンプリングされた時系列信号とは異な
り、上記車輪速度信号のパルス個々に含まれる周波数情
報がそれら速度に係わりなく直接反映されたものとなっ
ている。
【0072】このため、同実施形態の装置のこうした構
成によれば、パルス信号の持っている周波数情報の欠落
を招くことなく、上記車輪速度の振動成分を的確に解析
することができるようになる。
成によれば、パルス信号の持っている周波数情報の欠落
を招くことなく、上記車輪速度の振動成分を的確に解析
することができるようになる。
【0073】一方、図4に示す同共振点検出部221に
おいて、上記FFT演算部2213を通じて解析された
振動回数スペクトルPS(n)は次に、周波数(横軸)
変換部2214に対して入力される。
おいて、上記FFT演算部2213を通じて解析された
振動回数スペクトルPS(n)は次に、周波数(横軸)
変換部2214に対して入力される。
【0074】この周波数(横軸)変換部2214は、上
記車輪1回転あたりの振動回数情報(振動回数スペクト
ル)PS(n)を1秒あたりの振動数情報、すなわち周
波数情報に変換する部分である。具体的には、図5に例
示したFFT演算結果の横軸である振動回数[1/re
v]を周波数[Hz]にスケール変換する。
記車輪1回転あたりの振動回数情報(振動回数スペクト
ル)PS(n)を1秒あたりの振動数情報、すなわち周
波数情報に変換する部分である。具体的には、図5に例
示したFFT演算結果の横軸である振動回数[1/re
v]を周波数[Hz]にスケール変換する。
【0075】ここでは、同図4に示されるように上記F
FT演算に用いたパルス周期Δtのデータを用いて車軸
のその間の平均回転数V[rev/sec]を計算し、
該計算した平均回転数V[rev/sec]を上記振動
回数[1/rev]に掛けてその横軸を周波数[Hz]
にスケール変換する。
FT演算に用いたパルス周期Δtのデータを用いて車軸
のその間の平均回転数V[rev/sec]を計算し、
該計算した平均回転数V[rev/sec]を上記振動
回数[1/rev]に掛けてその横軸を周波数[Hz]
にスケール変換する。
【0076】すなわちいま、上記パルス周期Δtのデー
タ列をΔt(k)[sec]とすると、N個のデータの
平均回転数V[rev/sec]は、上記車輪の1回転
毎にパルス周期Δtのデータが48個出力されることを
考慮して、
タ列をΔt(k)[sec]とすると、N個のデータの
平均回転数V[rev/sec]は、上記車輪の1回転
毎にパルス周期Δtのデータが48個出力されることを
考慮して、
【0077】
【数11】
【0078】として求めることができる。したがって、
図5に例示したFFT演算結果における横軸の大きさを
V倍することによって、直接周波数軸には対応していな
い上記パルス周期ΔtのFFT演算結果を周波数軸上で
表現することができるようになる。そして、その変換結
果は、周波数がf(k)[Hz]のときの車輪速度の周
波数スペクトルPS(k)となる。図6に、図5に例示
したFFT演算結果をこうして横軸変換した結果を示
す。
図5に例示したFFT演算結果における横軸の大きさを
V倍することによって、直接周波数軸には対応していな
い上記パルス周期ΔtのFFT演算結果を周波数軸上で
表現することができるようになる。そして、その変換結
果は、周波数がf(k)[Hz]のときの車輪速度の周
波数スペクトルPS(k)となる。図6に、図5に例示
したFFT演算結果をこうして横軸変換した結果を示
す。
【0079】なお、このように横軸変換して求めた周波
数スペクトルPS(k)であれ、上記パルス周期Δtの
FFT演算結果と同様、上記車輪速度信号のパルス個々
に含まれる周波数情報が直接反映されているものである
ことにかわりはない。
数スペクトルPS(k)であれ、上記パルス周期Δtの
FFT演算結果と同様、上記車輪速度信号のパルス個々
に含まれる周波数情報が直接反映されているものである
ことにかわりはない。
【0080】また、同図4に示す共振点検出部221に
おいて、ピーク検出部2215は、この変換出力される
車輪速度の周波数スペクトルPS(k)をもとに、タイ
ヤの空気圧に依存した共振周波数ωを求める部分であ
る。
おいて、ピーク検出部2215は、この変換出力される
車輪速度の周波数スペクトルPS(k)をもとに、タイ
ヤの空気圧に依存した共振周波数ωを求める部分であ
る。
【0081】上記出力される車輪速度信号には、当該車
両の前記ばね下部材の共振周波数と同じ高さの共振周波
数が生じているが、実際にはその他の共振成分も含まれ
ている。因みに、同実施形態において対象とする車両
(通常の乗用車)の場合、上記タイヤ空気圧に依存した
共振周波数は、30Hzから45Hzの間にあることが
実験により判っている。図6に例示した周波数スペクト
ルPS(k)にあっては、37Hz付近のピークが上記
タイヤ空気圧に依存した共振周波数である。
両の前記ばね下部材の共振周波数と同じ高さの共振周波
数が生じているが、実際にはその他の共振成分も含まれ
ている。因みに、同実施形態において対象とする車両
(通常の乗用車)の場合、上記タイヤ空気圧に依存した
共振周波数は、30Hzから45Hzの間にあることが
実験により判っている。図6に例示した周波数スペクト
ルPS(k)にあっては、37Hz付近のピークが上記
タイヤ空気圧に依存した共振周波数である。
【0082】そこで同実施形態にかかる装置では、この
ピーク検出部2215において上記周波数スペクトル波
形の30〜45Hzの区間における重心を演算し、その
算出される重心を上記タイヤ空気圧に依存した共振周波
数ωとする。
ピーク検出部2215において上記周波数スペクトル波
形の30〜45Hzの区間における重心を演算し、その
算出される重心を上記タイヤ空気圧に依存した共振周波
数ωとする。
【0083】すなわちこの場合、上記周波数がf(k)
[Hz]のときの周波数スペクトルPS(k)に基づ
き、該共振周波数ωは、
[Hz]のときの周波数スペクトルPS(k)に基づ
き、該共振周波数ωは、
【0084】
【数12】
【0085】として求められることとなる。また、同図
4に示す共振点検出部221において、空気圧変換部2
216は、この求められた共振周波数ωを更に空気圧p
に変換する部分である。
4に示す共振点検出部221において、空気圧変換部2
216は、この求められた共振周波数ωを更に空気圧p
に変換する部分である。
【0086】前述のように、タイヤ空気圧が高いとその
共振周波数も高くなり、逆にタイヤ空気圧が低いとその
共振周波数も低くなる。そこで、この空気圧変換部22
16では、これらタイヤ空気圧と共振周波数とについて
の図7に例示する関係を予めテーブル(マップ)として
持ち、上記求められた共振周波数ωの値から直接、その
該当する空気圧pの値を推定する。
共振周波数も高くなり、逆にタイヤ空気圧が低いとその
共振周波数も低くなる。そこで、この空気圧変換部22
16では、これらタイヤ空気圧と共振周波数とについて
の図7に例示する関係を予めテーブル(マップ)として
持ち、上記求められた共振周波数ωの値から直接、その
該当する空気圧pの値を推定する。
【0087】その後、同共振点検出部221では、上記
求められる共振周波数ωに基づきこうして推定されるタ
イヤ空気圧pの値を、その各対応する判定部222に対
して出力する。
求められる共振周波数ωに基づきこうして推定されるタ
イヤ空気圧pの値を、その各対応する判定部222に対
して出力する。
【0088】判定部222では、空気圧異常を判定する
ための閾値として予め設定されている判定値とこの共振
点検出部221から出力されるタイヤ空気圧pの値との
比較に基づいて、各該当するタイヤの空気圧異常の有無
を判定する。そして、共振点検出部221から出力され
るタイヤ空気圧pの値が上記判定値よりも低ければ、空
気圧異常として、その対応する表示器30(30FR,
30FL,30RR,30RL)を駆動する。
ための閾値として予め設定されている判定値とこの共振
点検出部221から出力されるタイヤ空気圧pの値との
比較に基づいて、各該当するタイヤの空気圧異常の有無
を判定する。そして、共振点検出部221から出力され
るタイヤ空気圧pの値が上記判定値よりも低ければ、空
気圧異常として、その対応する表示器30(30FR,
30FL,30RR,30RL)を駆動する。
【0089】表示器30では上述のように、判定部22
2からこうして駆動信号が与えられることにより、その
該当する警告ランプ31(図3)を点灯して、空気圧が
異常である旨判定されたタイヤが存在することを運転者
に通知するようになる。
2からこうして駆動信号が与えられることにより、その
該当する警告ランプ31(図3)を点灯して、空気圧が
異常である旨判定されたタイヤが存在することを運転者
に通知するようになる。
【0090】すなわち、自然漏れや釘踏み等によって車
両走行中にタイヤ空気圧が異常低下した場合には、その
事実が直ちに運転者に通知される。また、こうした通知
に基づいてその後、当該タイヤへの空気補給がなされ、
その空気圧が正常復帰された場合には、上記判定部22
2から表示器30への駆動信号の付与が停止され、上記
点灯された警告ランプ31も自ずと消灯される。
両走行中にタイヤ空気圧が異常低下した場合には、その
事実が直ちに運転者に通知される。また、こうした通知
に基づいてその後、当該タイヤへの空気補給がなされ、
その空気圧が正常復帰された場合には、上記判定部22
2から表示器30への駆動信号の付与が停止され、上記
点灯された警告ランプ31も自ずと消灯される。
【0091】なお参考までに、同実施形態にかかる装置
によって上記共振周波数を推定した結果を図8に示す。
同図8によれば、タイヤ空気圧の変化に応じてその推定
される共振周波数もほぼリニアに変化していく様子をみ
ることができる。
によって上記共振周波数を推定した結果を図8に示す。
同図8によれば、タイヤ空気圧の変化に応じてその推定
される共振周波数もほぼリニアに変化していく様子をみ
ることができる。
【0092】また、特に同実施形態にかかる装置にあっ
ては、上記共振周波数の推定を上記周波数情報の欠落の
ないパルス周期の振動解析に基づいて行うこととしたた
め、車両が高速となるほど多くの解析データが得られる
ようになり、その推定精度も自ずと向上されるようにな
る。
ては、上記共振周波数の推定を上記周波数情報の欠落の
ないパルス周期の振動解析に基づいて行うこととしたた
め、車両が高速となるほど多くの解析データが得られる
ようになり、その推定精度も自ずと向上されるようにな
る。
【0093】因みに、等間隔にてサンプリングされた時
系列信号を解析して上記共振周波数を推定する従来の装
置の場合には、車両が高速となるほど取りこぼされる周
波数情報も多くなり、その推定精度も、車両が高速とな
るほど悪化する。車輪速度にもよるものの、少なくとも
該共振周波数推定にかかる分解能は、この実施形態の装
置によって大きく向上されることとなる。
系列信号を解析して上記共振周波数を推定する従来の装
置の場合には、車両が高速となるほど取りこぼされる周
波数情報も多くなり、その推定精度も、車両が高速とな
るほど悪化する。車輪速度にもよるものの、少なくとも
該共振周波数推定にかかる分解能は、この実施形態の装
置によって大きく向上されることとなる。
【0094】以上説明したように、同実施形態にかかる
タイヤ空気圧推定装置によれば、 (イ)車輪速度信号のパルス周期Δtに基づいて車輪速
度の振動解析を行うこととしたため、同パルス信号の持
っている周波数情報の欠落を招くことなく、当該車輪速
度の振動成分を的確に解析することができる。 (ロ)また、この解析結果である車輪1回転あたりの振
動回数情報をその都度の平均回転数(平均回転速度でも
よい)に基づいて周波数情報に変換することとしたた
め、上記振動成分を周波数分析することも容易であり、
且つ、その周波数分析精度も好適に維持される。 (ハ)そして、こうした高い精度の周波数分析結果をも
とにタイヤ空気圧に依存した共振周波数を抽出し、該抽
出した共振周波数に基づいてタイヤ空気圧を推定するこ
ととしたため、その推定精度も自ずと高く維持される。 (ニ)しかも、このタイヤ空気圧推定精度は、車両が高
速になるにしたがって更に向上する。 (ホ)一方、従来の装置のように、所定のサンプリング
周期毎に車輪速度演算を行う必要がないため、全体とし
ての演算量も低減される。 等々、多くの優れた効果が奏せられるようになる。
タイヤ空気圧推定装置によれば、 (イ)車輪速度信号のパルス周期Δtに基づいて車輪速
度の振動解析を行うこととしたため、同パルス信号の持
っている周波数情報の欠落を招くことなく、当該車輪速
度の振動成分を的確に解析することができる。 (ロ)また、この解析結果である車輪1回転あたりの振
動回数情報をその都度の平均回転数(平均回転速度でも
よい)に基づいて周波数情報に変換することとしたた
め、上記振動成分を周波数分析することも容易であり、
且つ、その周波数分析精度も好適に維持される。 (ハ)そして、こうした高い精度の周波数分析結果をも
とにタイヤ空気圧に依存した共振周波数を抽出し、該抽
出した共振周波数に基づいてタイヤ空気圧を推定するこ
ととしたため、その推定精度も自ずと高く維持される。 (ニ)しかも、このタイヤ空気圧推定精度は、車両が高
速になるにしたがって更に向上する。 (ホ)一方、従来の装置のように、所定のサンプリング
周期毎に車輪速度演算を行う必要がないため、全体とし
ての演算量も低減される。 等々、多くの優れた効果が奏せられるようになる。
【0095】なお、同実施形態の装置にあっては、FF
T演算部2213によるFFT演算によって上記パルス
周期の振動解析(車輪1回転あたりの振動回数解析)を
行うこととしたが、他に例えば、 ・図9に示されるような離散フーリエ変換(DFT)演
算部2213’を設け、該演算部2213’によるDF
T演算によって上記パルス周期の振動解析を行う構成。 ・図10に示されるようなウェーブレット変換演算部2
217を設け、該演算部2217によるウェーブレット
変換演算によって上記パルス周期の振動解析を行う構
成。 ・図11に示されるような線形予測演算部2218を設
け、該演算部2218による線形予測演算によって上記
パルス周期の振動解析を行う構成。 等々、も適宜採用することができる。
T演算部2213によるFFT演算によって上記パルス
周期の振動解析(車輪1回転あたりの振動回数解析)を
行うこととしたが、他に例えば、 ・図9に示されるような離散フーリエ変換(DFT)演
算部2213’を設け、該演算部2213’によるDF
T演算によって上記パルス周期の振動解析を行う構成。 ・図10に示されるようなウェーブレット変換演算部2
217を設け、該演算部2217によるウェーブレット
変換演算によって上記パルス周期の振動解析を行う構
成。 ・図11に示されるような線形予測演算部2218を設
け、該演算部2218による線形予測演算によって上記
パルス周期の振動解析を行う構成。 等々、も適宜採用することができる。
【0096】もっとも、図9に示されるDFT演算部2
213’を設ける構成においては、上記同様にフーリエ
変換演算が行われるとはいえ、その演算量は、FFT演
算に比べてやや増大されるようになる。
213’を設ける構成においては、上記同様にフーリエ
変換演算が行われるとはいえ、その演算量は、FFT演
算に比べてやや増大されるようになる。
【0097】また特に、図11に示される線形予測演算
部2218を設ける構成においては、該線形予測演算部
2218を通じて次のような処理が行われる。いま、計
測回数をk、該計測されるパルス周期をΔt(k)、外
乱をm(k)とおくと、同パルス周期Δt(k)につい
ての2次の離散時間モデルは、次式のように表すことが
できる。
部2218を設ける構成においては、該線形予測演算部
2218を通じて次のような処理が行われる。いま、計
測回数をk、該計測されるパルス周期をΔt(k)、外
乱をm(k)とおくと、同パルス周期Δt(k)につい
ての2次の離散時間モデルは、次式のように表すことが
できる。
【0098】
【数13】
【0099】ここで、パラメータ同定の目的は、有限個
の観測データΔt(k)を用いて未知パラメータc1,
c2を推定することである。ここでは、最小2乗法を用
いてこれら未知パラメータc1,c2の同定を行う。
の観測データΔt(k)を用いて未知パラメータc1,
c2を推定することである。ここでは、最小2乗法を用
いてこれら未知パラメータc1,c2の同定を行う。
【0100】すなわち、(13)式において、m(k)
は外乱であり、白色ノイズとみなすことができるから、
最小2乗法による未知パラメータの推定は、次式(1
4)式の評価関数Jを最小するc1,c2を求めること
である。
は外乱であり、白色ノイズとみなすことができるから、
最小2乗法による未知パラメータの推定は、次式(1
4)式の評価関数Jを最小するc1,c2を求めること
である。
【0101】
【数14】
【0102】そして、この評価関数Jを最小するc1,
c2の推定値は、一括型最小2乗法を用いると、次式
(15)式のように表すことができる(例えば「信号処
理」、森下巌ほか著、計測自動制御学会、参照)。
c2の推定値は、一括型最小2乗法を用いると、次式
(15)式のように表すことができる(例えば「信号処
理」、森下巌ほか著、計測自動制御学会、参照)。
【0103】
【数15】
【0104】こうしてパラメータc1,c2が同定され
ることにより、車輪1回転あたりの振動回数rは、これ
ら同定されたパラメータc1,c2に基づき、
ることにより、車輪1回転あたりの振動回数rは、これ
ら同定されたパラメータc1,c2に基づき、
【0105】
【数16】
【0106】として求めることができるようになる。こ
こで、Tは、前記車輪速度センサ10がそのロータ11
の外周に48個の歯(被検出体)12を等間隔に有する
ものである場合、「1/48」といった固定値となる。
こで、Tは、前記車輪速度センサ10がそのロータ11
の外周に48個の歯(被検出体)12を等間隔に有する
ものである場合、「1/48」といった固定値となる。
【0107】そして、この求められる車輪1回転あたり
の振動回数rについても、前記周波数(横軸)変換部2
214を通じてその都度の車輪平均回転数Vに基づき横
軸スケール変換を行うことで、前記タイヤ空気圧に依存
した共振周波数ωが抽出されるようになる。因みにこの
場合には、上記振動回数rとして直接ピーク値が得られ
るようになることから、前記ピーク検出部2215の配
設は割愛される。
の振動回数rについても、前記周波数(横軸)変換部2
214を通じてその都度の車輪平均回転数Vに基づき横
軸スケール変換を行うことで、前記タイヤ空気圧に依存
した共振周波数ωが抽出されるようになる。因みにこの
場合には、上記振動回数rとして直接ピーク値が得られ
るようになることから、前記ピーク検出部2215の配
設は割愛される。
【0108】この抽出される共振周波数ωが、空気圧変
換部2216を通じて例えば図7に示される態様で空気
圧pに変換されるようになることは、先のフーリエ変換
演算やウェーブレット変換演算によって上記パルス周期
の振動解析を行う場合と同様である。
換部2216を通じて例えば図7に示される態様で空気
圧pに変換されるようになることは、先のフーリエ変換
演算やウェーブレット変換演算によって上記パルス周期
の振動解析を行う場合と同様である。
【0109】このような線形予測法を採用することによ
り、上記フーリエ変換演算やウェーブレット変換演算を
行う場合に比べて、その必要とされる演算量並びにメモ
リ容量を更に低減することができるようになる。
り、上記フーリエ変換演算やウェーブレット変換演算を
行う場合に比べて、その必要とされる演算量並びにメモ
リ容量を更に低減することができるようになる。
【0110】なお前述のように、Δt計測部2211を
通じて計測されるパルス周期Δtには、タイヤ空気圧に
依存した共振周波数(30〜45Hz)の他にも共振成
分が含まれている。このため、こうしたかたちで線形予
測法を採用する場合には、上記計測されるパルス周期Δ
tに上記タイヤ空気圧に依存した共振成分のみを選択的
に通過せしめるフィルタリングを施すことが望ましい。
そして、周波数情報に変換される以前の振動回数情報r
は、前記(11)式の如く求められる車輪平均回転数V
で除したかたちのものであることから、上記振動回数情
報rを求めるべく上記計測されるパルス周期Δtにフィ
ルタリングを施すためには、この帯域通過型のフィルタ
としても、その都度の車輪速度に応じて通過帯域が変更
されることが望ましい。
通じて計測されるパルス周期Δtには、タイヤ空気圧に
依存した共振周波数(30〜45Hz)の他にも共振成
分が含まれている。このため、こうしたかたちで線形予
測法を採用する場合には、上記計測されるパルス周期Δ
tに上記タイヤ空気圧に依存した共振成分のみを選択的
に通過せしめるフィルタリングを施すことが望ましい。
そして、周波数情報に変換される以前の振動回数情報r
は、前記(11)式の如く求められる車輪平均回転数V
で除したかたちのものであることから、上記振動回数情
報rを求めるべく上記計測されるパルス周期Δtにフィ
ルタリングを施すためには、この帯域通過型のフィルタ
としても、その都度の車輪速度に応じて通過帯域が変更
されることが望ましい。
【0111】また、上記の例では、パラメータc1,c
2の同定に一括型最小2乗法を用いることとしたが、他
に逐次型最小2乗法なども同様に用いることができるこ
とは云うまでもない。
2の同定に一括型最小2乗法を用いることとしたが、他
に逐次型最小2乗法なども同様に用いることができるこ
とは云うまでもない。
【0112】また、こうして逐次型最小2乗法を採用す
る場合も含め、上記線形予測モデルとしては、3次以上
のモデルを導入することもできる。ただし、次数が上が
るにつれて、その必要とされる演算量やメモリ容量も増
加する。タイヤ毎にその空気圧に依存した共振点は1つ
であることに鑑みれば、この線形予測モデルの次数は2
次で十分である。
る場合も含め、上記線形予測モデルとしては、3次以上
のモデルを導入することもできる。ただし、次数が上が
るにつれて、その必要とされる演算量やメモリ容量も増
加する。タイヤ毎にその空気圧に依存した共振点は1つ
であることに鑑みれば、この線形予測モデルの次数は2
次で十分である。
【0113】(第2実施形態)前記車輪速度を検出する
車輪速度センサ10には通常、製造公差等、加工精度の
ばらつきや腐食等による変形、経時変化などの非規格要
素が存在し、したがってその波形整形される車輪速度信
号のパルス周期Δtにも、こうした非規格要素に起因す
るばらつきが生じているのが普通である。
車輪速度センサ10には通常、製造公差等、加工精度の
ばらつきや腐食等による変形、経時変化などの非規格要
素が存在し、したがってその波形整形される車輪速度信
号のパルス周期Δtにも、こうした非規格要素に起因す
るばらつきが生じているのが普通である。
【0114】そしてこのため、例えば前記FFT演算部
2213を通じて解析される車輪1回転あたりの振動回
数のスペクトルPS(n)にも、実際には、図12
(a)に示されるように、基本波の整数倍毎に大きなパ
ワースペクトルが生じることとなっている。
2213を通じて解析される車輪1回転あたりの振動回
数のスペクトルPS(n)にも、実際には、図12
(a)に示されるように、基本波の整数倍毎に大きなパ
ワースペクトルが生じることとなっている。
【0115】因みに、図12は、先の図5に例示した振
動解析結果を対数にて表現したものである。また、図1
2(a)において、例えば振動回数「16」のところで
特に大きなスペクトルを生じているのは次の理由によ
る。
動解析結果を対数にて表現したものである。また、図1
2(a)において、例えば振動回数「16」のところで
特に大きなスペクトルを生じているのは次の理由によ
る。
【0116】すなわち、当該装置に用いられている前記
車輪速度センサ10にあって、前記ロータ11は、前記
歯(被検出体)12となる部分が選択的に残るように円
盤状の磁性体材料の周辺部分を順次打ち抜くなどして形
成されている。そして、同例のロータ11ではたまた
ま、歯12が3個ずつまとめて形成される態様で該打ち
抜きが行われている。このため、歯12の3個ずつは比
較的高い精度で配設されるものの、それら3個ずつの歯
の各隣接する部分においては、その配設間隔も自ずと精
度が落ちることとなっている。そしてここでは、ロータ
11として、その外周に48個の歯が形成されたものを
用いていることから、同ロータ11の1回転に16(=
48/3)回、この配設精度の落ちた部分が電磁ピック
アップ13の近傍を通過することとなる。そして前記F
FT演算部2213では、この配設精度の落ちた部分に
起因して生じるパルス周期Δtのばらつきも振動成分と
して同図12(a)の如く解析することとなる。
車輪速度センサ10にあって、前記ロータ11は、前記
歯(被検出体)12となる部分が選択的に残るように円
盤状の磁性体材料の周辺部分を順次打ち抜くなどして形
成されている。そして、同例のロータ11ではたまた
ま、歯12が3個ずつまとめて形成される態様で該打ち
抜きが行われている。このため、歯12の3個ずつは比
較的高い精度で配設されるものの、それら3個ずつの歯
の各隣接する部分においては、その配設間隔も自ずと精
度が落ちることとなっている。そしてここでは、ロータ
11として、その外周に48個の歯が形成されたものを
用いていることから、同ロータ11の1回転に16(=
48/3)回、この配設精度の落ちた部分が電磁ピック
アップ13の近傍を通過することとなる。そして前記F
FT演算部2213では、この配設精度の落ちた部分に
起因して生じるパルス周期Δtのばらつきも振動成分と
して同図12(a)の如く解析することとなる。
【0117】また、同図12(a)に示されるように、
ロータ11(車輪)の1回転に1回振動する成分があれ
ば自ずとその逓倍波成分も存在することとなり、結局は
上述のように、基本波の整数倍毎に大きなパワースペク
トルが生じることとなる。
ロータ11(車輪)の1回転に1回振動する成分があれ
ば自ずとその逓倍波成分も存在することとなり、結局は
上述のように、基本波の整数倍毎に大きなパワースペク
トルが生じることとなる。
【0118】そこで、図13に、この発明にかかるタイ
ヤ空気圧推定装置の第2の実施形態として、このような
非規格要素に起因するパルス周期Δtのばらつきを補償
して、前記振動解析精度並びに前記タイヤ空気圧推定精
度の更なる向上を図ることのできる装置についてその一
例を示す。
ヤ空気圧推定装置の第2の実施形態として、このような
非規格要素に起因するパルス周期Δtのばらつきを補償
して、前記振動解析精度並びに前記タイヤ空気圧推定精
度の更なる向上を図ることのできる装置についてその一
例を示す。
【0119】なお、同第2の実施形態にかかる装置にあ
っても、その全体の構成は先の図1に示される第1の実
施形態の装置と同様であり、その共振点検出部221と
しての内部構成のみが、図13に示されるように相違す
る。
っても、その全体の構成は先の図1に示される第1の実
施形態の装置と同様であり、その共振点検出部221と
しての内部構成のみが、図13に示されるように相違す
る。
【0120】また、同図13において、先の図4に例示
した第1の実施形態にかかる装置の共振点検出部221
と同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示してお
り、それら共通する要素についての重複する説明は割愛
する。
した第1の実施形態にかかる装置の共振点検出部221
と同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示してお
り、それら共通する要素についての重複する説明は割愛
する。
【0121】以下、この図13を参照して、同第2の実
施形態にかかる装置の共振点検出部221において実行
される信号処理の詳細を説明する。同第2の実施形態に
かかる装置においても、車輪速度センサ10から車輪速
度に対応した正弦波形若しくはそれに類似した交流波形
として出力され、波形整形回路21によって図13に併
せ示されるような2値のパルス信号に波形整形された車
輪速度信号は、共振点検出部221に入力され、該共振
点検出部221内のΔt計測部2211によってそのパ
ルス周期Δtが計測される。ただし同第2の実施形態の
装置において、この計測されたパルス周期Δtは、Δt
n補正部2201に取り込まれ、該Δtn補正部220
1を通じてその非規格要素に起因するばらつきが補正さ
れる。
施形態にかかる装置の共振点検出部221において実行
される信号処理の詳細を説明する。同第2の実施形態に
かかる装置においても、車輪速度センサ10から車輪速
度に対応した正弦波形若しくはそれに類似した交流波形
として出力され、波形整形回路21によって図13に併
せ示されるような2値のパルス信号に波形整形された車
輪速度信号は、共振点検出部221に入力され、該共振
点検出部221内のΔt計測部2211によってそのパ
ルス周期Δtが計測される。ただし同第2の実施形態の
装置において、この計測されたパルス周期Δtは、Δt
n補正部2201に取り込まれ、該Δtn補正部220
1を通じてその非規格要素に起因するばらつきが補正さ
れる。
【0122】Δtn補正部2201は、この取り込まれ
るパルス周期列ΔtnをΔtnメモリ2202に一時記
憶しつつ、これに図14及び図15に示される処理を施
してそのばらつきを補正するものであり、以下に、該Δ
tn補正部2201において実行されるΔtn補正ルー
チンについてその詳細を順次説明する。
るパルス周期列ΔtnをΔtnメモリ2202に一時記
憶しつつ、これに図14及び図15に示される処理を施
してそのばらつきを補正するものであり、以下に、該Δ
tn補正部2201において実行されるΔtn補正ルー
チンについてその詳細を順次説明する。
【0123】すなわち、図14に示されるΔtn補正ル
ーチンにおいて、Δtn補正部2201は、ステップS
100にて、上記取り込まれるパルス周期列Δtnに対
し、前記ロータ11の歯の番号「1」〜「48」に対応
した番号「Δt1」〜「Δt48」を順次付与しつつ、
ステップS200にてそれら番号付与したパルス周期列
ΔtnをΔtnメモリ2202に一時記憶する。
ーチンにおいて、Δtn補正部2201は、ステップS
100にて、上記取り込まれるパルス周期列Δtnに対
し、前記ロータ11の歯の番号「1」〜「48」に対応
した番号「Δt1」〜「Δt48」を順次付与しつつ、
ステップS200にてそれら番号付与したパルス周期列
ΔtnをΔtnメモリ2202に一時記憶する。
【0124】こうしてパルス周期列Δtnを記憶したΔ
tn補正部2201は次に、ステップS300にて、そ
れら記憶したパルス周期列Δtnの平均値に基づき、各
対応するパルス周期の補正係数ωnを更新する。この補
正係数ωnの更新は、図15に示される補正係数ωn更
新ルーチンにしたがって実行される。
tn補正部2201は次に、ステップS300にて、そ
れら記憶したパルス周期列Δtnの平均値に基づき、各
対応するパルス周期の補正係数ωnを更新する。この補
正係数ωnの更新は、図15に示される補正係数ωn更
新ルーチンにしたがって実行される。
【0125】すなわち、この図15に示される補正係数
ωn更新ルーチンにおいて、Δtn補正部2201はま
ず、ステップS301にて、上記Δtnメモリ2202
に記憶されているパルス周期列Δt1〜Δt48のパル
ス周期平均値Δt(ave)を算出する。このパルス周
期平均値Δt(ave)は、同例の場合
ωn更新ルーチンにおいて、Δtn補正部2201はま
ず、ステップS301にて、上記Δtnメモリ2202
に記憶されているパルス周期列Δt1〜Δt48のパル
ス周期平均値Δt(ave)を算出する。このパルス周
期平均値Δt(ave)は、同例の場合
【0126】
【数17】
【0127】として求められる。こうしてパルス周期平
均値Δt(ave)を求めると、Δtn補正部2201
は次に、ステップS302にてこの平均値Δt(av
e)と各パルス周期Δtnとの偏差を求め、更に、ステ
ップS303にて、この求めた偏差の速度依存性をなく
すために同偏差の上記パルス周期平均値Δt(ave)
に対する割合Δthを求める。この割合Δthは、
均値Δt(ave)を求めると、Δtn補正部2201
は次に、ステップS302にてこの平均値Δt(av
e)と各パルス周期Δtnとの偏差を求め、更に、ステ
ップS303にて、この求めた偏差の速度依存性をなく
すために同偏差の上記パルス周期平均値Δt(ave)
に対する割合Δthを求める。この割合Δthは、
【0128】
【数18】
【0129】として求められる。ここで、mは、ロータ
11(車輪)の回転回数を表し、mを今回の回転回数と
すると、(m−1)は前回の回転回数を表す。すなわ
ち、ωn(m−1)は、補正係数ωnについての前回求
められた値を示している。
11(車輪)の回転回数を表し、mを今回の回転回数と
すると、(m−1)は前回の回転回数を表す。すなわ
ち、ωn(m−1)は、補正係数ωnについての前回求
められた値を示している。
【0130】こうして求められる割合Δthが、上述し
た非規格要素に起因するパルス周期Δtnのずれ量を示
していると考えられる。ところが、実際に車両が路面を
走行した場合、路面から受ける振動によって車輪速度は
ランダムに変動する。このため上記割合Δthも、実際
にはパルス信号の入力毎にランダムに変動し、厳密に
は、当該ロータ11及びその歯12の特徴を示す値とは
なり得ない。
た非規格要素に起因するパルス周期Δtnのずれ量を示
していると考えられる。ところが、実際に車両が路面を
走行した場合、路面から受ける振動によって車輪速度は
ランダムに変動する。このため上記割合Δthも、実際
にはパルス信号の入力毎にランダムに変動し、厳密に
は、当該ロータ11及びその歯12の特徴を示す値とは
なり得ない。
【0131】そこで、Δtn補正部2201では、次の
ステップS304にて、求めるべき補正係数ωnの収束
速度を調整する感度補正係数K(例えば0.08)を上
記求めた割合Δthに掛けて補正感度の調整を行う(K
×Δth)。そして、ステップS305にて、
ステップS304にて、求めるべき補正係数ωnの収束
速度を調整する感度補正係数K(例えば0.08)を上
記求めた割合Δthに掛けて補正感度の調整を行う(K
×Δth)。そして、ステップS305にて、
【0132】
【数19】
【0133】といった態様で、補正係数ωnの今回の値
ωn(m)を算出する。こうして補正感度の調整を行う
ことで、1回のパルス入力に対する上記補正係数ωnの
影響度合いを任意に調整することができるようになる。
ωn(m)を算出する。こうして補正感度の調整を行う
ことで、1回のパルス入力に対する上記補正係数ωnの
影響度合いを任意に調整することができるようになる。
【0134】因みに、上記感度補正係数Kの値を小さな
値に設定した場合には、補正係数ωnによる収束速度は
遅くなるが、ロータ11(車輪)のランダムな速度変動
等による同補正係数ωnの変動量を小さくすることがで
きるようになる。すなわち、車輪速度センサ10によっ
て車輪速度を検出する場合に免れることのできない路面
振動によるランダムな車輪速度の変動がこの補正係数ω
nに及ぼす影響を好適に回避することができるようにな
る。
値に設定した場合には、補正係数ωnによる収束速度は
遅くなるが、ロータ11(車輪)のランダムな速度変動
等による同補正係数ωnの変動量を小さくすることがで
きるようになる。すなわち、車輪速度センサ10によっ
て車輪速度を検出する場合に免れることのできない路面
振動によるランダムな車輪速度の変動がこの補正係数ω
nに及ぼす影響を好適に回避することができるようにな
る。
【0135】こうして補正係数ωnを算出し、その更新
を終えたΔtn補正部2201は、図14に示されるΔ
tn補正ルーチンに戻り、そのステップS400の処理
として、その都度の対応するパルス周期Δtnを
を終えたΔtn補正部2201は、図14に示されるΔ
tn補正ルーチンに戻り、そのステップS400の処理
として、その都度の対応するパルス周期Δtnを
【0136】
【数20】
【0137】として補正する。図13に示される同第2
の実施形態の装置の共振点検出部221にあっては、Δ
tn補正部2201を通じてこうして非規格要素に起因
するばらつき補正のなされたパルス周期Δtn’がシフ
トレジスタ2212’に順次シフトレジストされること
となる。
の実施形態の装置の共振点検出部221にあっては、Δ
tn補正部2201を通じてこうして非規格要素に起因
するばらつき補正のなされたパルス周期Δtn’がシフ
トレジスタ2212’に順次シフトレジストされること
となる。
【0138】このため、前記FFT演算部2213を通
じて解析される車輪1回転あたりの振動回数のスペクト
ルPS(n)も、図12(b)に示される態様で、基本
波の整数倍毎に生じていた大きなパワースペクトルが排
除され、車輪速度の振動成分のみが好適に抽出されるよ
うになる。
じて解析される車輪1回転あたりの振動回数のスペクト
ルPS(n)も、図12(b)に示される態様で、基本
波の整数倍毎に生じていた大きなパワースペクトルが排
除され、車輪速度の振動成分のみが好適に抽出されるよ
うになる。
【0139】そして、こうして車輪速度の純粋な振動成
分が抽出されることにより、その後周波数(横軸)変換
部2214を通じて横軸がスケール変換され、ピーク検
出部2215及び空気圧変換部2216を通じて推定さ
れるタイヤ空気圧も、自ずと信頼性の高いものとなる。
分が抽出されることにより、その後周波数(横軸)変換
部2214を通じて横軸がスケール変換され、ピーク検
出部2215及び空気圧変換部2216を通じて推定さ
れるタイヤ空気圧も、自ずと信頼性の高いものとなる。
【0140】以上説明したように、同第2の実施形態に
かかるタイヤ空気圧推定装置によれば、第1の実施形態
の装置による先の(イ)〜(ホ)の効果に更に加えて、 (ヘ)車輪速度センサ10の非規格要素に起因するパル
ス周期Δtのばらつきが好適に補償される。といった効
果が併せ奏せられることとなり、前記振動解析精度並び
に前記タイヤ空気圧推定精度の更なる向上が図られるよ
うになる。
かかるタイヤ空気圧推定装置によれば、第1の実施形態
の装置による先の(イ)〜(ホ)の効果に更に加えて、 (ヘ)車輪速度センサ10の非規格要素に起因するパル
ス周期Δtのばらつきが好適に補償される。といった効
果が併せ奏せられることとなり、前記振動解析精度並び
に前記タイヤ空気圧推定精度の更なる向上が図られるよ
うになる。
【0141】なお、同第2の実施形態にあっては、上記
パルス周期平均値Δt(ave)を求める際、先の(1
7)式に示されるように、過去の48個のパルスに基づ
いて同パルス周期平均値Δt(ave)を求め、この求
めた平均値Δt(ave)とその時点のパルス周期Δt
nとの偏差をもとに補正係数ωnを決定することとして
いる。このため、例えば車両の加減速時等、車両の速度
が変動している環境にあっては、それら平均値Δt(a
ve)とその時点のパルス周期Δtnとの偏差が大きく
なり、正しい補正係数ωnが得られないことがある。
パルス周期平均値Δt(ave)を求める際、先の(1
7)式に示されるように、過去の48個のパルスに基づ
いて同パルス周期平均値Δt(ave)を求め、この求
めた平均値Δt(ave)とその時点のパルス周期Δt
nとの偏差をもとに補正係数ωnを決定することとして
いる。このため、例えば車両の加減速時等、車両の速度
が変動している環境にあっては、それら平均値Δt(a
ve)とその時点のパルス周期Δtnとの偏差が大きく
なり、正しい補正係数ωnが得られないことがある。
【0142】そのような場合には、例えば図16に示さ
れるように、最新のパルス周期ΔtをΔtpとすると
き、ロータ11の半周前のパルス周期Δtp-24 につい
てその補正係数ωp-24 (p-24 <0の場合は、ωp+2
4 )の更新を行うようにすることで、その是正を図るこ
とができるようになる。
れるように、最新のパルス周期ΔtをΔtpとすると
き、ロータ11の半周前のパルス周期Δtp-24 につい
てその補正係数ωp-24 (p-24 <0の場合は、ωp+2
4 )の更新を行うようにすることで、その是正を図るこ
とができるようになる。
【0143】因みにこの場合、上記パルス周期平均値Δ
t(ave)は、
t(ave)は、
【0144】
【数21】
【0145】として求められることとなり、また上記
(18)式及び(19)式に示した上記偏差のパルス周
期平均値Δt(ave)に対する割合ΔthΔ及び補正
係数ωnも、それぞれ
(18)式及び(19)式に示した上記偏差のパルス周
期平均値Δt(ave)に対する割合ΔthΔ及び補正
係数ωnも、それぞれ
【0146】
【数22】
【0147】
【数23】
【0148】として求められることとなる。より一般的
には、前記パルス周期列をdt(i)、前記補正の対象
となるパルス周期をdt(0)とし、ロータ(車輪)の
1回転に発生するパルス数をnとするとき、前記求める
パルス周期平均値dt(ave)を
には、前記パルス周期列をdt(i)、前記補正の対象
となるパルス周期をdt(0)とし、ロータ(車輪)の
1回転に発生するパルス数をnとするとき、前記求める
パルス周期平均値dt(ave)を
【0149】
【数24】
【0150】若しくは
【0151】
【数25】
【0152】として算出することで、また或いは、
【0153】
【数26】
【0154】若しくは
【0155】
【数27】
【0156】として算出することで、当該補正対象とな
るパルス周期dt(0)を中心として、その過去半周と
未来半周、或いはその過去1周と未来1周のパルス周期
列に基づき、上記その都度の速度において矛盾のないパ
ルス周期平均値を求めることができるようになる。
るパルス周期dt(0)を中心として、その過去半周と
未来半周、或いはその過去1周と未来1周のパルス周期
列に基づき、上記その都度の速度において矛盾のないパ
ルス周期平均値を求めることができるようになる。
【0157】すなわち、同第2の実施形態の装置として
の更にこのような構成によれば、 (ト)車輪速度センサの非規格要素に起因するパルス周
期Δtのばらつきを車両の速度に拘わらずに常に適正に
補償することができる。といった効果が併せ奏せられる
ようになる。
の更にこのような構成によれば、 (ト)車輪速度センサの非規格要素に起因するパルス周
期Δtのばらつきを車両の速度に拘わらずに常に適正に
補償することができる。といった効果が併せ奏せられる
ようになる。
【0158】なお、同第2の実施形態の装置にあって
も、FFT演算部2213によるFFT演算によって上
記パルス周期の振動解析(車輪1回転あたりの振動回数
解析)を行うこととしたが、この場合であれ、 ・図9に示されるような離散フーリエ変換(DFT)演
算部2213’を設け、該演算部2213’によるDF
T演算によって上記パルス周期の振動解析を行う構成。 ・図10に示されるようなウェーブレット変換演算部2
217を設け、該演算部2217によるウェーブレット
変換演算によって上記パルス周期の振動解析を行う構
成。 ・図11に示されるような線形予測演算部2218を設
け、該演算部2218による線形予測演算によって上記
パルス周期の振動解析を行う構成。 等々、を適宜採用することができることは云うまでもな
い。
も、FFT演算部2213によるFFT演算によって上
記パルス周期の振動解析(車輪1回転あたりの振動回数
解析)を行うこととしたが、この場合であれ、 ・図9に示されるような離散フーリエ変換(DFT)演
算部2213’を設け、該演算部2213’によるDF
T演算によって上記パルス周期の振動解析を行う構成。 ・図10に示されるようなウェーブレット変換演算部2
217を設け、該演算部2217によるウェーブレット
変換演算によって上記パルス周期の振動解析を行う構
成。 ・図11に示されるような線形予測演算部2218を設
け、該演算部2218による線形予測演算によって上記
パルス周期の振動解析を行う構成。 等々、を適宜採用することができることは云うまでもな
い。
【0159】また、上記第1及び第2の実施形態では何
れも、タイヤ空気圧推定装置を取り上げ、同推定装置に
あってその車輪速度の振動解析を行う場合について示し
たが、この発明にかかる振動解析装置は、それらタイヤ
空気圧推定装置への適用には限られない。
れも、タイヤ空気圧推定装置を取り上げ、同推定装置に
あってその車輪速度の振動解析を行う場合について示し
たが、この発明にかかる振動解析装置は、それらタイヤ
空気圧推定装置への適用には限られない。
【0160】すなわち、回転体の回転に伴いその単位回
転角度に対応して発生されるパルス信号に基づき間接的
にその振動解析を行う装置でさえあれば、その計測され
るパルス周期に基づき前記回転体の1回転あたりの振動
回数を解析する同構成を通じて、それらパルス信号の持
っている周波数情報の欠落を招くことなく、当該回転速
度の振動成分を的確に解析することができる。
転角度に対応して発生されるパルス信号に基づき間接的
にその振動解析を行う装置でさえあれば、その計測され
るパルス周期に基づき前記回転体の1回転あたりの振動
回数を解析する同構成を通じて、それらパルス信号の持
っている周波数情報の欠落を招くことなく、当該回転速
度の振動成分を的確に解析することができる。
【0161】また、回転体に限らず、移動体にあって
も、その単位移動距離に対応して発生されるパルス信号
に基づき間接的にその振動解析を行う装置であれば、上
記に準じた態様でこの発明にかかる振動解析装置を適用
することはできる。
も、その単位移動距離に対応して発生されるパルス信号
に基づき間接的にその振動解析を行う装置であれば、上
記に準じた態様でこの発明にかかる振動解析装置を適用
することはできる。
【図1】タイヤ空気圧推定装置の第1の実施形態を示す
ブロック図。
ブロック図。
【図2】同実施形態の車輪速度センサの構成を模式的に
示す略図。
示す略図。
【図3】同実施形態の表示器の概略構成を示す平面図。
【図4】同実施形態の主に共振点検出部の構成を示すブ
ロック図。
ロック図。
【図5】同実施形態によるFFT演算結果を示すグラ
フ。
フ。
【図6】該FFT演算結果の周波数(横軸)変換例を示
すグラフ。
すグラフ。
【図7】共振周波数−タイヤ空気圧の変換態様を示すグ
ラフ。
ラフ。
【図8】同実施形態の装置による共振周波数推定態様を
示すグラフ。
示すグラフ。
【図9】上記共振点検出部の他の構成例を示すブロック
図。
図。
【図10】上記共振点検出部の他の構成例を示すブロッ
ク図。
ク図。
【図11】上記共振点検出部の他の構成例を示すブロッ
ク図。
ク図。
【図12】車輪速度センサの非規格要素補償前後のFF
T演算結果を示すグラフ。
T演算結果を示すグラフ。
【図13】第2の実施形態にかかる共振点検出部構成を
示すブロック図。
示すブロック図。
【図14】上記非規格要素の補償手順を示すフローチャ
ート。
ート。
【図15】同非規格要素補償での補正係数更新手順を示
すフローチャート。
すフローチャート。
【図16】パルス周期データと更新対象補正係数との関
係を示す略図。
係を示す略図。
1…車輪、10(10FR,10FL,10RR,10
RL)…車輪速度センサ、11…ロータ、12…歯(被
検出体)、13…電磁ピックアップ、20…信号処理装
置、21(21FR,21FL,21RR,21RL)
…波形整形回路、22…マイクロコンピュータ、221
(221FR,221FL,221RR,221RL)
…共振点検出部、2211…Δt計測部、2212、2
212’…シフトレジスタ、2213…FFT演算部、
2213’…DFT演算部、2214…周波数(横軸)
変換部、2215…ピーク検出部、2216…空気圧変
換部、2217…ウェーブレット変換演算部、2218
…線形予測演算部、2201…Δtn補正部、2202
…Δtnメモリ、222(22FR,222FL,22
2RR,222RL)…判定部、30(30FR,30
FL,30RR,30RL)…表示器、31(31F
R,31FL,31RR,31RL)…警告ランプ。
RL)…車輪速度センサ、11…ロータ、12…歯(被
検出体)、13…電磁ピックアップ、20…信号処理装
置、21(21FR,21FL,21RR,21RL)
…波形整形回路、22…マイクロコンピュータ、221
(221FR,221FL,221RR,221RL)
…共振点検出部、2211…Δt計測部、2212、2
212’…シフトレジスタ、2213…FFT演算部、
2213’…DFT演算部、2214…周波数(横軸)
変換部、2215…ピーク検出部、2216…空気圧変
換部、2217…ウェーブレット変換演算部、2218
…線形予測演算部、2201…Δtn補正部、2202
…Δtnメモリ、222(22FR,222FL,22
2RR,222RL)…判定部、30(30FR,30
FL,30RR,30RL)…表示器、31(31F
R,31FL,31RR,31RL)…警告ランプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−319039(JP,A) 特開 平7−318574(JP,A) 特開 平6−308139(JP,A) 特開 平6−58808(JP,A) 特開 平5−173593(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 17/00 G01H 1/00 - 17/00 B60C 23/00 - 23/06
Claims (18)
- 【請求項1】回転体の回転若しくは移動体の移動に伴い
それら単位回転角度若しくは単位移動距離に対応したパ
ルス信号を発生するパルス信号発生手段と、 この発生されるパルス信号のパルス周期を計測するパル
ス周期計測手段と、 この計測されるパルス周期に基づき前記回転体の1回転
あたりの振動回数若しくは前記移動体の所定移動距離あ
たりの振動回数を解析する振動解析手段と、 前記回転体若しくは前記移動体若しくは前記パルス信号
発生手段の非規格要素による前記回転体の単位回転角度
若しくは前記移動体の単位移動距離の検出誤差を補正す
る非規格要素補正手段とを具え、前記移動体は前記所定移動距離を周期運動するものであ
り、 前記非規格要素補正手段は、 前記計測されるパルス周期の前記回転体1回転分若しく
は前記移動体所定移動距離分を各別に更新記憶する記憶
手段と、 これら記憶された各パルス周期の任意区間の平均値を算
出する平均値算出手段と、 この算出されたパルス周期平均値と前記計測された各パ
ルス周期との偏差が吸収されるよう同計測された各パル
ス周期を補正するパルス周期補正手段とを具え、 前記パルス周期補正手段は、 前記パルス周期平均値と前記計測された各パルス周期と
の偏差を算出する偏差算出手段と、 この算出された偏差に所定の感度補正係数を掛けて前記
パルス周期の補正感度を調整する感度調整手段と、 この感度調整された偏差を前記計測された各パルス周期
を補正するためのパルス周期補正係数として算出するパ
ルス周期補正係数算出手段とを具え、 前記平均値算出手段は、 前記補正の対象となるパルス周期dt(0)の前後のパ
ルス周期列dt(i)のパルス周期平均値dt(av
e)を、前記回転体の1回転若しくは前記移動体の所定
移動距離の移動に伴って発生するパルス数をnとすると
き、 【数1】 若しくは 【数2】 として算出することを特徴とする回転体若しくは移動体
の振動解析装置。 - 【請求項2】回転体の回転若しくは移動体の移動に伴い
それら単位回転角度若しくは単位移動距離に対応したパ
ルス信号を発生するパルス信号発生手段と、 この発生されるパルス信号のパルス周期を計測するパル
ス周期計測手段と、 この計測されるパルス周期に基づき前記回転体の1回転
あたりの振動回数若しくは前記移動体の所定移動距離あ
たりの振動回数を解析する振動解析手段と、 前記回転体若しくは前記移動体若しくは前記パルス信号
発生手段の非規格要素による前記回転体の単位回転角度
若しくは前記移動体の単位移動距離の検出誤差を補正す
る非規格要素補正手段とを具え、 前記移動体は前記所定移動距離を周期運動するものであ
り、 前記非規格要素補正手段は、 前記計測されるパルス周期の前記回転体1回転分若しく
は前記移動体所定移動距離分を各別に更新記憶する記憶
手段と、 これら記憶された各パルス周期の任意区間の平均値を算
出する平均値算出手段と、 この算出されたパルス周期平均値と前記計測された各パ
ルス周期との偏差が吸収されるよう同計測された各パル
ス周期を補正するパルス周期補正手段とを具え、 前記パルス周期補正手段は、 前記パルス周期平均値と前記計測された各パルス周期と
の偏差を算出する偏差 算出手段と、 この算出された偏差に所定の感度補正係数を掛けて前記
パルス周期の補正感度を調整する感度調整手段と、 この感度調整された偏差を前記計測された各パルス周期
を補正するためのパルス周期補正係数として算出するパ
ルス周期補正係数算出手段とを具え、 前記平均値算出手段は、 前記補正の対象となるパルス周期dt(0)の前後のパ
ルス周期列dt(i)のパルス周期平均値dt(av
e)を、前記回転体の1回転若しくは前記移動体の所定
移動距離の移動に伴って発生するパルス数をnとすると
き、 【数3】 若しくは 【数4】 として算出することを特徴とする回転体若しくは移動体
の振動解析装置。 - 【請求項3】前記振動解析手段は、フーリエ変換手段で
ある請求項1または2記載の回転体若しくは移動体の振
動解析装置。 - 【請求項4】前記フーリエ変換手段は、高速フーリエ変
換(FFT)手段である請求項3記載の回転体若しくは
移動体の振動解析装置。 - 【請求項5】前記振動解析手段は、ウェーブレット変換
手段である請求項1または2記載の回転体若しくは移動
体の振動解析装置。 - 【請求項6】回転体の回転若しくは移動体の移動に伴い
それら単位回転角度若しくは単位移動距離に対応したパ
ルス信号を発生するパルス信号発生手段と、 この発生されるパルス信号のパルス周期を計測するパル
ス周期計測手段と、 この計測されるパルス周期に基づき前記回転体の1回転
あたりの振動回数若し くは前記移動体の所定移動距離あ
たりの振動回数を解析する振動解析手段と、 前記回転体若しくは前記移動体若しくは前記パルス信号
発生手段の非規格要素による前記回転体の単位回転角度
若しくは前記移動体の単位移動距離の検出誤差を補正す
る非規格要素補正手段を具え前記移動体は前記所定移動
距離を周期運動するものであり、 前記振動解析手段は、前記計測されるパルス周期に対し
て振動に関する線形予測モデルを導入し、該導入した線
形予測モデルのパラメータを同定して前記回転体の1回
転あたりの振動回数若しくは前記移動体の所定移動距離
あたりの振動回数を解析する線形予測手段であり、 前記非規格要素補正手段は、 前記計測されるパルス周期の前記回転体1回転分若しく
は前記移動体所定移動距離分を各別に更新記憶する記憶
手段と、 これら記憶された各パルス周期の任意区間の平均値を算
出する平均値算出手段と、 この算出されたパルス周期平均値と前記計測された各パ
ルス周期との偏差が吸収されるよう同計測された各パル
ス周期を補正するパルス周期補正手段とを具え、 前記パルス周期補正手段は、 前記パルス周期平均値と前記計測された各パルス周期と
の偏差を算出する偏差算出手段と、 この算出された偏差に所定の感度補正係数を掛けて前記
パルス周期の補正感度を調整する感度調整手段と、 この感度調整された偏差を前記計測された各パルス周期
を補正するためのパルス周期補正係数として算出するパ
ルス周期補正係数算出手段と、 を具え、 前記平均値算出手段は、 前記補正の対象となるパルス周期dt(0)の前後のパ
ルス周期列dt(i)のパルス周期平均値dt(av
e)を、前記回転体の1回転若しくは前記移動体の所定
移動距離の移動に伴って発生するパルス数をnとすると
き、 【数1】 若しくは 【数2】 として算出することを特徴とする回転体若しくは移動体
の振動解析装置。 - 【請求項7】回転体の回転若しくは移動体の移動に伴い
それら単位回転角度若しくは単位移動距離に対応したパ
ルス信号を発生するパルス信号発生手段と、 この発生されるパルス信号のパルス周期を計測するパル
ス周期計測手段と、 この計測されるパルス周期に基づき前記回転体の1回転
あたりの振動回数若しくは前記移動体の所定移動距離あ
たりの振動回数を解析する振動解析手段と、 前記回転体若しくは前記移動体若しくは前記パルス信号
発生手段の非規格要素による前記回転体の単位回転角度
若しくは前記移動体の単位移動距離の検出誤差を補正す
る非規格要素補正手段を具え前記移動体は前記所定移動
距離を周期運動するものであり、 前記振動解析手段は、前記計測されるパルス周期に対し
て振動に関する線形予測モデルを導入し、該導入した線
形予測モデルのパラメータを同定して前記回転体の1回
転あたりの振動回数若しくは前記移動体の所定移動距離
あたりの振動回数を解析する線形予測手段であり、 前記非規格要素補正手段は、 前記計測されるパルス周期の前記回転体1回転分若しく
は前記移動体所定移動距離分を各別に更新記憶する記憶
手段と、 これら記憶された各パルス周期の任意区間の平均値を算
出する平均値算出手段と、 この算出されたパルス周期平均値と前記計測された各パ
ルス周期との偏差が吸 収されるよう同計測された各パル
ス周期を補正するパルス周期補正手段とを具え、 前記パルス周期補正手段は、 前記パルス周期平均値と前記計測された各パルス周期と
の偏差を算出する偏差算出手段と、 この算出された偏差に所定の感度補正係数を掛けて前記
パルス周期の補正感度を調整する感度調整手段と、 この感度調整された偏差を前記計測された各パルス周期
を補正するためのパルス周期補正係数として算出するパ
ルス周期補正係数算出手段と、 を具え、 前記平均値算出手段は、 前記補正の対象となるパルス周期dt(0)の前後のパ
ルス周期列dt(i)のパルス周期平均値dt(av
e)を、前記回転体の1回転若しくは前記移動体の所定
移動距離の移動に伴って発生するパルス数をnとすると
き、 【数3】 若しくは 【数4】 として算出することを特徴とする回転体若しくは移動体
の振動解析装置。 - 【請求項8】前記線形予測手段は、 前記計測回数をk、前記計測されるパルス周期をΔt
(k)、外乱をm(k)とするとき、前記振動に関する
線形予測モデルとして、 【数5】 を導入してその各パラメータc1,c2を同定するパラ
メータ同定手段と、 これら同定されるパラメータc1,c2に基づいて前記
回転体の1回転あたりの振動回数若しくは前記移動体の
所定移動距離あたりの振動回数を求める振動回数算出手
段とを具えて構成される請求項6または7 記載の回転体
若しくは移動体の振動解析装置。 - 【請求項9】前記パラメータ同定手段は、最小2乗法に
て前記パラメータc1,c2を同定するものである請求
項8記載の回転体若しくは移動体の振動解析装置。 - 【請求項10】前記振動解析手段により解析された振動
回数情報を前記回転体の平均回転速度若しくは前記移動
体の平均移動速度に基づき周波数情報に変換する周波数
変換手段を更に具えることを特徴とする請求項1〜9の
何れかに記載の回転体若しくは移動体の振動解析装置。 - 【請求項11】車輪の回転に伴いその単位回転角度に対
応したパルス信号を発生するパルス信号発生手段と、 この発生されるパルス信号のパルス周期を計測するパル
ス周期計測手段と、 この計測されるパルス周期に基づき前記車輪の1回転あ
たりの振動回数を解析する振動解析手段と、 この解析された振動回数情報を前記車輪の平均回転速度
に基づき周波数情報に変換する周波数変換手段と、 この変換された周波数情報から車輪速度のタイヤ空気圧
に依存した共振成分を抽出する共振成分抽出手段と、 前記車輪若しくは前記パルス信号発生手段の非規格要素
による前記車輪の単位回転角度検出誤差を補正する非規
格要素補正手段を具え、 前記抽出された共振成分に基づいて前記タイヤ空気圧を
推定し、 前記非規格要素補正手段は、 前記計測されるパルス周期の前記車輪1回転分を各別に
更新記憶する記憶手段 と、 これら記憶された各パルス周期の任意区間の平均値を算
出する平均値算出手段と、 この算出されたパルス周期平均値と前記計測された各パ
ルス周期との偏差が吸収されるよう同計測された各パル
ス周期を補正するパルス周期補正手段とを具え、 前記パルス周期補正手段は、 前記パルス周期平均値と前記計測された各パルス周期と
の偏差を算出する偏差算出手段と、 この算出された偏差に所定の感度補正係数を掛けて前記
パルス周期の補正感度を調整する感度調整手段と、 この感度調整された偏差を前記計測された各パルス周期
を補正するためのパルス周期補正係数として算出するパ
ルス周期補正係数算出手段とを具え、 前記平均値算出手段は、 前記補正の対象となるパルス周期dt(0)の前後のパ
ルス周期列dt(i)のパルス周期平均値dt(av
e)を、前記回転体の1回転若しくは前記移動体の所定
移動距離の移動に伴って発生するパルス数をnとすると
き、 【数6】 若しくは 【数7】 として算出することを特徴とするタイヤ空気圧推定装
置。 - 【請求項12】車輪の回転に伴いその単位回転角度に対
応したパルス信号を発生するパルス信号発生手段と、 この発生されるパルス信号のパルス周期を計測するパル
ス周期計測手段と、 この計測されるパルス周期に基づき前記車輪の1回転あ
たりの振動回数を解析する振動解析手段と、 この解析された振動回数情報を前記車輪の平均回転速度
に基づき周波数情報に変換する周波数変換手段と、 この変換された周波数情報から車輪速度のタイヤ空気圧
に依存した共振成分を抽出する共振成分抽出手段と、 前記車輪若しくは前記パルス信号発生手段の非規格要素
による前記車輪の単位回転角度検出誤差を補正する非規
格要素補正手段を具え、 前記抽出された共振成分に基づいて前記タイヤ空気圧を
推定し、 前記非規格要素補正手段は、 前記計測されるパルス周期の前記車輪1回転分を各別に
更新記憶する記憶手段と、 これら記憶された各パルス周期の任意区間の平均値を算
出する平均値算出手段と、 この算出されたパルス周期平均値と前記計測された各パ
ルス周期との偏差が吸収されるよう同計測された各パル
ス周期を補正するパルス周期補正手段とを具え、 前記パルス周期補正手段は、 前記パルス周期平均値と前記計測された各パルス周期と
の偏差を算出する偏差算出手段と、 この算出された偏差に所定の感度補正係数を掛けて前記
パルス周期の補正感度を調整する感度調整手段と、 この感度調整された偏差を前記計測された各パルス周期
を補正するためのパルス周期補正係数として算出するパ
ルス周期補正係数算出手段とを具え、 前記平均値算出手段は、 前記補正の対象となるパルス周期dt(0)の前後のパ
ルス周期列dt(i)のパルス周期平均値dt(av
e)を、前記回転体の1回転若しくは前記移動体の所定
移動距離の移動に伴って発生するパルス数をnとすると
き、 【数8】 若しくは 【数9】 として算出することを特徴とするタイヤ空気圧推定装
置。 - 【請求項13】前記振動解析手段は、フーリエ変換手段
である請求項11または12記載のタイヤ空気圧推定装
置。 - 【請求項14】前記フーリエ変換手段は、高速フーリエ
変換(FFT)手段である請求項13記載のタイヤ空気
圧推定装置。 - 【請求項15】前記振動解析手段は、ウェーブレット変
換手段である請求項11または12記載のタイヤ空気圧
推定装置。 - 【請求項16】前記振動解析手段は、前記計測されるパ
ルス周期に対して振動に関する線形予測モデルを導入
し、該導入した線形予測モデルのパラメータを同定して
前記振動の1回転あたりの振動回数を解析する線形予測
手段である請求項11または12記載のタイヤ空気圧推
定装置。 - 【請求項17】前記線形予測手段は、 前記計測回数をk、前記計測されるパルス周期をΔt
(k)、外乱をm(k)とするとき、前記振動に関する
線形予測モデルとして、 【数10】 を導入してその各パラメータc1,c2を同定するパラ
メータ同定手段と、 これら同定されるパラメータc1,c2に基づいて前記
車輪の1回転あたりの振動回数を求める振動回数算出手
段と、 を具えて構成される請求項16記載の タイヤ空気圧推定
装置。 - 【請求項18】前記パラメータ同定手段は、最小2乗法
にて前記パラメータc1,c2を同定するものである請
求項17記載のタイヤ空気圧推定装置。
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JP00522596A Expired - Fee Related JP3339281B2 (ja) | 1996-01-16 | 1996-01-16 | 回転体若しくは移動体の振動解析装置及び該振動解析装置を用いたタイヤ空気圧推定装置 |
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- 1996-01-16 JP JP00522596A patent/JP3339281B2/ja not_active Expired - Fee Related
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