JPH09210815A - トルクセンサ及びこれを用いたパワーステアリング装置 - Google Patents

トルクセンサ及びこれを用いたパワーステアリング装置

Info

Publication number
JPH09210815A
JPH09210815A JP8034204A JP3420496A JPH09210815A JP H09210815 A JPH09210815 A JP H09210815A JP 8034204 A JP8034204 A JP 8034204A JP 3420496 A JP3420496 A JP 3420496A JP H09210815 A JPH09210815 A JP H09210815A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
hall element
magnet
torque sensor
yoke
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8034204A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Minegishi
栄治 峰岸
Mikiya Shinohara
幹弥 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP8034204A priority Critical patent/JPH09210815A/ja
Publication of JPH09210815A publication Critical patent/JPH09210815A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度依存性の低減及び回転角センサとの一体
化を実現でき、低廉でコンパクトなトルクセンサ及びパ
ワーステアリング装置を提供する。 【解決手段】 トルクセンサは、軸1と軸2とがトーシ
ョンバー3で相対的に回動可能に連結され、両軸は筒状
ケース4により回動自在に支持される。軸2の端部外周
には、リング状多極磁石5が軸2と同心に固定され、軸
1の端部外周には、ホール素子6が多極磁石5に対向し
て固定される。多極磁石5に対し、ホール素子6が対向
する面の背面側には、温度補償用ヨーク7が設置され
る。上述のトルクセンサを備えるパワーステアリング装
置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルクセンサ及び
これを用いた自動車用パワーステアリング装置に係り、
更に詳細には、トルク検出感度の温度依存性が改善され
たトルクセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用パワーステアリング装置
として、電子制御式油圧パワーステアリングや電動パワ
ーステアリングが使用されるようになってきている。前
者は、操舵トルクを検出して、車速や舵角に応じた最適
な操舵補助力を発生させ、常時適正な操舵感を得られる
という利点があり、後者は、操舵トルクを検出し、検出
トルクに応じた操舵補助力を電動機が発生する装置であ
り、油圧ポンプが不要な分だけエンジン出力を消費しな
いという利点があるが、両者ともトルク検出手段を不可
欠とする装置である。
【0003】このようなトルク検出手段としては、特開
昭61−235270号公報に開示されたものがあり、
その原理的な構成は図8(a)に示すようになってい
る。図8(a)において、図示しない操舵輪を取り付け
られている操舵側軸101と、同じく図示しない操舵機
構を取り付けられている操舵側軸102とが、トーショ
ンバー103を介して同軸的に且つ相対的に回動変位可
能に連結されており、これらの軸は図示しない他の部品
に固定された筒状のケース104によって回動自在に支
持されている。
【0004】また、操舵機構側軸102の軸端部の外周
には、磁石105が固定されているとともに、操舵側軸
101の軸端部の外周には磁石105が発生する磁束を
検出するホール素子106が固定されている。なお、こ
のときの磁石105とホール素子106との位置関係
は、図8(b)に示すようになっている。更に、操舵側
軸101のケース104内の外周には、スリップリング
107が取り付けられているとともに、これに対応する
位置のケース104の内周にはブラシ108が取り付け
られており、ホール素子106からの検出信号は、スリ
ップリング107及びブラシ108を介して、ケース1
04外側に取り付けられた回路で増幅され、操舵補助力
を発生する制御回路に送られる。
【0005】このような構成のトルクセンサにおいて
は、操舵側軸101よりトルクが印加されてトーション
バーが捻れると、磁石105とホール素子106の位置
が相対的に変化し、この変化がホール素子106により
検出されて、トルク検出信号が出力される。ここで、印
加トルクに対するトルク検出特性は、図9に示すように
なっており、このようなトルクセンサを備えたパワース
テアリング装置では、このトルク検出信号が電動機の制
御回路で処理され、得られた処理情報に基づいて運転者
の操舵力に応じた操舵補助力を発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しなしながら、かかる
構成のトルクセンサにおいては、磁石より発生する磁束
密度が温度上昇とともに低下するため、トルク検出感度
が温度依存性を有する。即ち、補償回路の無い磁石を用
いると、温度上昇により磁石から発生する磁束密度が低
下し、ホール素子が検出する捻れ変位による磁束密度変
化も減少するため、トルク検出感度が減少するという問
題があった。このような問題に対し、磁束密度の低下を
補償するに当たっては、厳密には磁石に温度センサを取
り付けてホール素子からのトルク検出信号を回路処理に
より補正するのであるが、より簡素で低廉な手段として
は、例えば、総合電子出版社発行の「永久磁石磁気回路
の設計」に記載されているように磁気回路により補償す
ることが挙げられる。
【0007】即ち、この手段よれば、図8(b)に示し
た磁石の周囲に、図10に示すような磁気回路を設置す
る。同図において、この磁気回路は、磁石109、通常
のヨーク110及び温度補償用ヨーク111から構成さ
れ、温度補償用ヨーク111は、室温付近で数十度の温
度上昇により透磁率が数分の一まで減少する特性を有す
る磁性材料(整磁材料)から形成されている。この構成
の磁気回路においては、磁石より発生した磁束密度の一
部は、温度補償用ヨーク111へ流れ、残りがホール素
子106を設置した側に流れる。従って、温度が上昇し
たとき、磁石より発生する全磁束は減少するが、温度補
償用ヨーク側へ流れる磁束も減少するため、ホール素子
106側の磁束は両者の温度変化の大きさの関係で決ま
り、適切に設計することによりホール素子106側の磁
束の温度変化を補償できるのである。
【0008】ところで、パワーステアリング装置を始め
として、一般にトルクセンサを設置する必要がある部位
においては、被測定軸の回転角度を検出する場合が多い
(例えば、ステアリング操舵角、繊維機械の張力制御の
応用における巻取モーターの回転速度等)。従って、回
転角センサとトルクセンサとを一体化できれば、小型化
や低コスト化を図ることができ、メリットが大きくの
で、かかる一体化の要請が強い。ここで、回転角センサ
も磁石とホール素子等とによる磁気センサから構成する
ことが可能であり、多くの場合、かかる磁気センサ11
4は、図11(b)に示すようにケース側に固定され、
軸113に実装された多極磁石112の磁束を検出す
る。従って、この場合、回転角センサ用の多極磁石11
2を図8(b)の磁石105の代わりに使用できれば、
同一の磁石で回転角センサとトルクセンサの機能を有す
るセンサを構成でき、理論上は前述の一体化を実現でき
る。
【0009】しかしながら、図11(a)及び(b)に
示すような多極磁石においては、同一面にN、S極が交
互に配置される構成となっているため、図10に示した
ような磁気回路による温度補償法を使用できないという
課題があった。そのため、温度センサを多極磁石に取り
付けてトルク検出信号を回路処理しなければならず、構
成部品が多くなり、トルクセンサと回転角センサとを統
合しても、少ない部品で低コストのセンサが実現できな
いという課題があった。本発明は、このような従来技術
の有する課題に鑑みてなされたもので、多極磁石を用
い、温度依存性の低減及び回転角センサとの一体化を実
現でき、低廉でコンパクトなトルクセンサ及びパワース
テアリング装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のヨークを用
いることにより、上記目的が達成できることを見出し、
本発明を完成するに至った。即ち、本発明のトルクセン
サは、トーションバーを介して同軸的に連結され、且つ
該トーションバーの捻れにより相対的に回動可能な2軸
間に印加される回動トルクを検出するトルクセンサにお
いて、前記2軸のうちの一方の端部に同軸に設置された
リング状の多極磁石と、他方の端部に前記多極磁石の着
磁面と対向して設置され、前記回動トルクによるトーシ
ョンバーの捻れを該多極磁石との相対変位として検出す
るトルク検出用のホール素子とを備え、前記トルク検出
用ホール素子おける対向面の背面側に、透磁率が正の温
度係数を有する材料から成るヨークを備えることを特徴
とする。また、本発明のパワーステアリング装置は、前
述のトルクセンサを備えることを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明のトルクセンサは、前記構成としたこと
により、トルク検出用ホール素子付近の磁束分布がトル
ク検出用ホール素子に接して設置された温度補償用ヨー
クの作用により高密度になっている。そして、かかる温
度補償用ヨークは、室温付近で温度が上昇すると透磁率
も上昇する磁気特性を有している。そのため、本発明の
トルクセンサにおいては、温度が上昇すると、磁石単体
での磁化の強さは減少するが、トルク検出用ホール素子
の背面側に設置されている該温度補償用ヨークの透磁率
は増大し、磁石から見たトルク検出用ホール素子付近の
磁気抵抗は低下するので、温度上昇によるトルク検出用
ホール素子付近の磁束分布の変化を(磁束密度の低下)
を補償でき、トルク検出感度の温度変化を少なくでき
る。従って、温度センサ等を取り付けなくても、多極着
磁のリング状磁石を回転角検出用ホール素子と共有する
ことが可能となり、小型化やコスト上のメリットがあ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面を参照して
実施形態により詳細に説明する。図1は、本発明のトル
クセンサの一実施形態を示す部分切欠断面図であって、
図示しない操舵輪が取り付けられている操舵側軸1と、
同じく図示しない操舵機構が取り付けられている操舵機
構側軸2とが、トーションバー3を介して、相対的に回
動変位可能に連結されており、これらの軸は、図示して
いない他の部品に固定された筒状のケース4によって回
動自在に支持されている。
【0013】また、操舵機構側軸2の端部の外周には、
リング状の多極磁石5が操舵機構側軸2と同心に固定さ
れており、一方、操舵側軸1の端部の外周で且つ前記多
極磁石5の着磁面に対向する位置には、トルク検出用ホ
ール素子6が固定されている。そして、多極磁石5に対
し、トルク検出用ホール素子6が対向する面の背面側に
は、温度補償用ヨーク7が設置されている。更に、操舵
側軸1にはスリップリング8が、ケース4にはブラシ9
が取り付けられており、ホール素子6からの検出信号
は、スリップリング8及びブラシ9を介してセンサ回路
に送られる。
【0014】また、ケース4の内壁には、操舵角検出用
ホール素子10が多極磁石5の着磁面に対向するように
固定されており、多極磁石5の回動による磁束密度の変
化を検出することができるような構成となっている。更
にこの場合、操舵角検出用ホール素子10は、トルク検
出用ホール素子6が操舵側軸1とともに回動しても干渉
しないような位置、即ち、トーションバー3の軸心から
見て、トルク検出用ホール素子6よりも、少なくとも遠
い位置に固定されている。
【0015】次に、図2(a)は、図1における多極磁
石5、ホール素子6及びヨーク7の位置関係を図示矢印
Aの方向から見た場合の部分側面図である。同図におい
て、トルク検出用ホール素子6は、多極磁石の着磁面5
aに対して磁気感受面(ホール素子は磁気感受面を垂直
に通過する磁束密度を検出する)が平行となるように設
置されており、トーションバー3にトルクが印加されて
いないときには、多極磁石5のNS磁極の境界と対向す
る位置で、多極磁石5が発生する磁束がホール素子6を
ほぼ水平に通過する位置に設置されている。また、温度
補償用ヨーク7は、その中心をトルク検出用ホール素子
6の磁気感受面の中心と一致させ、多極磁石5から見て
トルク検出用ホール素子6の反対側の面に固定されてい
る。
【0016】また、図2(b)に示すように、トーショ
ンバー3の軸心からホール素子6の中央までの高さR1
は、トルクセンサを保護するためのケース4が、トーシ
ョンバー3を内蔵でき且つ大きくなり過ぎないように、
10〜30mmとすることが望ましいが、本実施形態で
は、R1を23mmとした。なお、図2(c)に示す多
極磁石5には、フェライトや希土類磁石材料の粉末から
成るプラスチックマグネットが用いられるが、本実施形
態では、SmCoを含有するプラスチックマグネットを
使用した。
【0017】また、図2(c)において、リング状多極
磁石5の内径φ1は、トーションバー3を内蔵できるよ
うに10mm以上であることが望ましく、外径φ2は、
多極磁石5がトルク検出用ホール素子6と操舵角検出用
ホール素子10に同時に対向できて、且つトルクセンサ
自体を現実的な大きさに収めるため、30〜100mm
であることが望ましいが、本実施形態では内径φ1を3
0mm、外径φ2を60mmとした。更に、多極磁石5
の各N及びS磁極の着磁ピッチθ1は、トーションバー
3にトルクが印加されて生じる捻れ角の2倍以上とする
のが好ましく、トーションバーの一般的な捻れ角度が2
〜10°であることから、4〜20°が望ましく、本実
施形態では11.25°とした。
【0018】また、温度補償用ヨーク7には、透磁率が
正の温度係数を有する材料を用いるが、具体的には、炭
素含有量が0.1〜0.5重量%の鋼材を使用すること
が望ましく、本実施形態においては、炭素鋼S20Cを
使用した。更に、図2(a)に示した温度補償用ヨーク
7の幅Wは、トルク検出用ホール素子6付近の磁束密度
を増加させるため、該ホール素子6の磁気感受面の幅よ
りも広く、且つ加工組み付けが容易になるように2mm
以上とすることが望ましく、本実施形態では8mmとし
た。また、温度補償用ヨーク7の厚さtは、ヨークとし
てトルク検出用ホール素子6付近の磁束密度を増加させ
るために1mm以上とするのが望ましく、本実施形態で
は4mmとした。なお、これと同様の理由から、温度補
償用ヨーク7は、トルク検出用ホール素子6の、多極磁
石5から見た反対面に接して固定されている。更に、ホ
ール素子6と多極磁石5の着磁面5aとの間隔G1は、
1〜3mm程度とするのが望ましく、本実施形態では1
mmとした。また、温度補償用ヨーク7と多極磁石5の
着磁面5aとの間隔G2は、4mm以下とするのが望ま
しく、本実施形態では2mmとした。
【0019】次に、本実施形態における温度補償用ヨー
クの作用を説明する。図3は、炭素鋼S12C(炭素含
有量0.10〜0.15重量%)、S20C(炭素含有
量0.18〜0.23重量%)、及びS40C(0.3
7〜0.42重量%)に対して磁界を印加し、各鋼材が
室温での消磁状態から磁束密度1kGとなるように着磁
した後、磁界強度を一定に保ったまま温度を変化させた
ときの各鋼材中の磁束密度の変化を示している。
【0020】ここで、通常、ヨークとして使用するのに
好適な強磁性体の透磁率は、一般に負の温度係数を持
ち、磁界強度一定の条件下では、磁束密度は温度上昇に
より減少する。これに対し、本発明者らは、図3に示し
たように、炭素鋼が1kG程度の磁束密度(磁石とホー
ル素子を応用したセンサにおいてホール素子の回りに分
布する磁束の密度)が流れる磁界中におかれたとき、温
度の上昇に伴ってその磁束密度を増加する現象を見出
し、本発明に至ったのである。なお、磁束密度1kG程
度の磁束が流れるような一定磁界中で、磁束密度が正の
温度係数を示すのは炭素含有量0.1重量%以上の炭素
鋼に認められたが、炭素含有量が高い鋼材では保磁力も
大きくなり、永久磁石用のヨークとしては不適当な場合
があるので、温度補償用ヨークとしては、炭素含有量
0.1〜0.5重量%のものが望ましい。
【0021】この範囲の炭素含有量の鋼材から成る温度
補償用ヨークを図2(a)の位置に設置すると、多極磁
石5から発生する磁束がトルク検出用ホール素子6の近
傍に集中するため、多極磁石5とホール素子6の変位に
よる、ホール素子上の磁束密度変化も大きくなり、トル
ク感度も増加する。図4は、温度補償用ヨーク7を設置
した場合と、設置しない場合のトルク出力特性を比較し
て示したものであるが、ヨーク7の設置により、トルク
感度は室温において約1.3倍に増加した。また、図5
に示すように、この温度補償用ヨーク7によるトルク感
度の増加は、トルク検出用ホール素子6と多極磁石5と
の間隔が1〜3mmであっても確認されている(本実施
形態におけるトルク検出用ホール素子の厚みは1mmで
あるので図2(a)より、温度補償用ヨーク7と多極磁
石5との間隔G2が4mm以下であれば、磁束が集中し
てトルク感度の増加をもたらすことが確認された)。
【0022】前述のような構成において、温度補償用ヨ
ーク7が設置されていない場合には、多極磁石5より発
生する磁束は温度の上昇とともに減少するため、トルク
検出感度も温度の上昇により減少する。しかし、温度補
償用ヨーク7が設置されている本実施形態においては、
前述の如く、温度上昇によって磁束が温度補償用ヨーク
7に流れ易くなるため、多極磁石5から見たトルク検出
用ホール素子6近傍の磁気抵抗が減少し、この効果が温
度上昇による多極磁石5の磁束減少を補償するので、ト
ルク検出感度の温度変化は、図6に示すように実用的な
レベルまで緩やかなものとなる(温度補償用ヨークを設
置していない場合と比べると、トルク検出感度の温度依
存性は約1/4以下になることが確認された)。
【0023】即ち、温度補償用ヨークの設置により、ト
ルク検出感度が従来の構成のものに比べて高く(図7
に、20〜80℃における両者のトルク検出感度を比較
して示す)、図6に示すように、トルク検出感度の温度
特性に優れ、且つ多極磁石を使用しているため、これを
回転角度検出用ホール素子とも組み合わせることが可能
となり、回転角度センサとの一体化も容易なトルクセン
サが得られる。
【0024】以上、本発明を一実施形態により詳細に説
明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものでは
なく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能
である。例えば、温度補償用ヨーク7は、必ずしもホー
ル素子6と当接している必要はなく、近接していてもよ
い。また、ヨークの幅Wや、ホール素子6と多極磁石5
との間隔を適宜調整することにより、図4のトルク検出
出力の低い領域や、大トルク印加時の領域におけるトル
ク検出出力の増加率を適宜変更することが可能である。
【0025】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、特定のヨークを用いることとしたため、温度依存性
の低減及び回転角センサとの一体化を実現でき、低廉で
コンパクトなトルクセンサ及びパワーステアリング装置
を提供することができる。即ち、本発明のトルクセンサ
では、トルク検出用ホール素子の多極磁石に対して反対
側に、炭素含有量0.1〜0.5重量%の鋼材から成る
温度補償用ヨークを設置した構成にすることにより、温
度センサと処理回路を必要とせず、簡素で低廉な構成に
も拘らず、トルク検出感度が高く温度依存性の小さい優
れた性能が得られ、また、多極磁石を回転角度検出用ホ
ール素子と組み合わせることにより、回転角センサとの
一体化が可能となるという著大な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトルクセンサの一実施形態を示す部分
切欠断面図である。
【図2】図1に示すトルクセンサの多極磁石、ホール素
子及びヨークの位置関係等を詳細に示す平面説明図であ
る。
【図3】磁界強度を一定に保ったまま温度を変化させた
ときの各種炭素鋼中の磁束密度の変化を示すグラフであ
る。
【図4】温度補償用ヨークを設置した場合と、設置しな
い場合のトルク出力特性を比較して示すグラフである。
【図5】トルク検出用ホール素子と多極磁石との間隔を
変化させた場合の、温度補償用ヨークの有無よるトルク
検出感度を示すグラフである。
【図6】温度補償用ヨークの有無によるトルク検出感度
の温度変化を示すグラフである。
【図7】温度補償用ヨークの有無による所定温度範囲で
のトルク検出感度を比較して示すグラフである。
【図8】従来のトルクセンサの一例を示す部分切欠断面
図、及び磁石及びホール素子の構成を示す説明図であ
る。
【図9】従来のトルクセンサにおけるトルク検出特性例
を示すグラフである。
【図10】従来のトルクセンサに対する温度補償法の一
例を示す説明図である。
【図11】回転角センサの構成及び多極磁石の一例を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 操舵側軸 2 操舵機構側軸 3 トーションバー 4 ケース 5 多極磁石 5a 着磁面 6 トルク検出用ホール素子 7 温度補償用ヨーク 8 スリップリング 9 ブラシ 10 操舵角検出用ホール素子 Φ 磁束線

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トーションバーを介して同軸的に連結さ
    れ、且つ該トーションバーの捻れにより相対的に回動可
    能な2軸間に印加される回動トルクを検出するトルクセ
    ンサにおいて、 前記2軸のうちの一方の端部に同軸に設置されたリング
    状の多極磁石と、 他方の端部に前記多極磁石の着磁面と対向して設置さ
    れ、前記回動トルクによるトーションバーの捻れを該多
    極磁石との相対変位として検出するトルク検出用のホー
    ル素子とを備え、 前記トルク検出用ホール素子おける対向面の背面側に、
    透磁率が正の温度係数を有する材料から成るヨークを備
    える、ことを特徴とするトルクセンサ。
  2. 【請求項2】 前記2軸を支持するケースを備え、この
    ケースに、前記多極磁石の着磁面と対向して設置され、
    前記一方の軸の回動を前記多極磁石との相対変位として
    検出する回転角検出用のホール素子を設けたことを特徴
    とする請求項1記載のトルクセンサ。
  3. 【請求項3】 前記回転角検出用ホール素子が、前記ケ
    ース内壁であって、前記トーションバーの軸心から見
    て、前記トルク検出用ホール素子よりも、少なくとも遠
    い位置に固定されていることを特徴とする請求項2記載
    のトルクセンサ。
  4. 【請求項4】 前記多極磁石の着磁ピッチが、印加トル
    クによる前記トーションバーの捻れ角の2倍以上である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記
    載のトルクセンサ。
  5. 【請求項5】 前記ヨークの中央部が、前記トルク検出
    用ホール素子の磁気感受面の中央部と一致すること特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載のトルク
    センサ。
  6. 【請求項6】 前記ヨークの幅が、前記トルク検出用ホ
    ール素子の磁気感受面の幅より大きいことを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか1つの項に記載のトルクセン
    サ。
  7. 【請求項7】 前記透磁率が正の温度係数を有する材料
    が、炭素含有量0.1〜0.5重量%の鋼材であること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の
    トルクセンサ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1つの項に記載
    のトルクセンサを備えることを特徴とするパワーステア
    リング装置。
  9. 【請求項9】 磁石とホール素子の間の相対変位を検出
    するセンサに用いられ、前記磁石と共に磁気回路を形成
    し、前記磁石より発生する磁束分布の温度依存性を補償
    するヨークにおいて、透磁率が正の温度係数を有する磁
    性材料から成り、前記ホール素子の前記磁石に対向する
    面の反対側に設置されて用いられることを特徴とする温
    度補償ヨーク。
  10. 【請求項10】 前記透磁率が正の温度係数を有する材
    料は、炭素含有量0.1〜0.5重量%の鋼材であるこ
    とを特徴とする請求項9記載の温度補償ヨーク。
JP8034204A 1996-01-30 1996-01-30 トルクセンサ及びこれを用いたパワーステアリング装置 Pending JPH09210815A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8034204A JPH09210815A (ja) 1996-01-30 1996-01-30 トルクセンサ及びこれを用いたパワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8034204A JPH09210815A (ja) 1996-01-30 1996-01-30 トルクセンサ及びこれを用いたパワーステアリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09210815A true JPH09210815A (ja) 1997-08-15

Family

ID=12407639

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8034204A Pending JPH09210815A (ja) 1996-01-30 1996-01-30 トルクセンサ及びこれを用いたパワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09210815A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003523501A (ja) * 1999-03-26 2003-08-05 ファースト テクノロジー アーゲー トルク兼速度センサ
JP2005308442A (ja) * 2004-04-19 2005-11-04 Favess Co Ltd トルク検出装置
CN108622186A (zh) * 2017-03-20 2018-10-09 现代摩比斯株式会社 用于补偿电机驱动动力转向低温扭矩的设备及其控制方法
CN118225133A (zh) * 2024-05-23 2024-06-21 四川新川航空仪器有限责任公司 霍尔式接近开关温度漂移补偿方法
CN118337196A (zh) * 2024-06-12 2024-07-12 四川新川航空仪器有限责任公司 霍尔式接近开关温度漂移补偿方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003523501A (ja) * 1999-03-26 2003-08-05 ファースト テクノロジー アーゲー トルク兼速度センサ
JP2005308442A (ja) * 2004-04-19 2005-11-04 Favess Co Ltd トルク検出装置
JP4549095B2 (ja) * 2004-04-19 2010-09-22 株式会社ジェイテクト トルク検出装置
CN108622186A (zh) * 2017-03-20 2018-10-09 现代摩比斯株式会社 用于补偿电机驱动动力转向低温扭矩的设备及其控制方法
CN108622186B (zh) * 2017-03-20 2020-11-06 现代摩比斯株式会社 用于补偿电机驱动动力转向低温扭矩的设备及其控制方法
CN118225133A (zh) * 2024-05-23 2024-06-21 四川新川航空仪器有限责任公司 霍尔式接近开关温度漂移补偿方法
CN118337196A (zh) * 2024-06-12 2024-07-12 四川新川航空仪器有限责任公司 霍尔式接近开关温度漂移补偿方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3874642B2 (ja) トルクセンサ及びこのトルクセンサを具備する電動パワーステアリング装置
US7089809B2 (en) Torque sensor and electric power steering system having same
US5663641A (en) Rotational speed detection unit
JP2004020527A (ja) トルクセンサ
JP2004125717A (ja) トルクセンサ
JP4204294B2 (ja) 回転角検出装置
JP2007086018A (ja) 磁歪式トルクセンサ
US9395255B2 (en) On-vehicle detector
US11035745B2 (en) Torque sensor
JP7158189B2 (ja) スロットルグリップ装置
JPH09210815A (ja) トルクセンサ及びこれを用いたパワーステアリング装置
US20100270100A1 (en) Electric Power Steering Device
JP3886434B2 (ja) トルクセンサの組立方法
JP6287053B2 (ja) 車両用検出装置
JP3094049B2 (ja) トルクセンサ
JP2887338B2 (ja) 磁気継手
US6581477B1 (en) Torque sensor for a power assist steering system
JP3737011B2 (ja) トルクセンサ
JP2002310819A (ja) トルクセンサ
JP3458771B2 (ja) トルクセンサ
JP2008215942A (ja) トルクセンサ及び電動式パワーステアリング装置
JP3673138B2 (ja) トルクセンサ
JPH09203673A (ja) トルクセンサ、トルク検出方法及びパワーステアリング装置
JPH0442016A (ja) 変位センサ
JPH08304193A (ja) トルクセンサ