JPH09210807A - 多点測温器 - Google Patents

多点測温器

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JPH09210807A
JPH09210807A JP1686196A JP1686196A JPH09210807A JP H09210807 A JPH09210807 A JP H09210807A JP 1686196 A JP1686196 A JP 1686196A JP 1686196 A JP1686196 A JP 1686196A JP H09210807 A JPH09210807 A JP H09210807A
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thermocouple
thermocouples
insulating substrate
mold
multipoint
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JP1686196A
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Jun Azuma
洵 東
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続鋳造設備に具備されるモールドに対し、
その水平方向での温度分布を正確に測定できるようにす
る。測定器が大型化するとモールドに与える熱的外乱が
問題になるので、小型化が要請されている。 【解決手段】 先端部に温接点8が設けられた極細の熱
電対5を、互いに温接点8が位置ズレする状態で多数本
束ね、これらを金属製のシース6によって取り囲むよう
にした。シース6の外径は3mm程度である。各熱電対
5は、信号切換器によって1個づつ、順次交替状に切り
換えられ、温接出力が取り出されるように配線されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば連続鋳造設
備に具備されたモールドの銅板等、所定範囲内での温度
分布測定に用いることができる多点測温器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造では、図10に示すように取鍋
50及びタンディッシュ51を介してモールド52内へ
注入される溶鋼53が、このモールド52内で冷却され
て鋳片55となりつつ下方へ移動してゆくようになって
いるが、モールド52内では、図11に示すように溶鋼
53の一部が冷却水57で冷却されている銅板58と接
触して凝固シェル59を形成し、更にこの凝固シェル5
9と銅板58との間には溶融状態のフラックス60が薄
皮状に介在した状態にある。なお、62はバックアップ
プレートである。
【0003】このフラックス60は潤滑を高める作用を
供しているため、これが途切れるようなことがあると
(矢符A参照)銅板58と凝固シェル59とが局部的に
固着し、モールド52と溶鋼53とが相対的上下動を行
うことに伴って凝固シェル59が引き裂かれる漏鋼現象
(ブレークアウト)を招来することになる。一旦、漏鋼
現象が生じれば操業停止を余儀なくされることは言うま
でもない。
【0004】そこで従来は、モールド52における銅板
58の裏面又は内部に対し、モールド52の幅方向(水
平方向)へ温接点が並ぶようにして複数の熱電対(図示
略)を組み込むと共に、これら熱電対からモールド52
外へリード線を引き出して温度測定を行い、銅板58全
体としての温度分布から上記漏鋼現象の兆候を監視し、
当該漏鋼現象を未然に回避できるようにする技術が提案
されている(例えば、特開昭57−115961号公報
等参照)。
【0005】なお、言うまでもなく、モールド52に対
し、各熱電対における温接点の配設ピッチを短くして可
及的に多くの熱電対を設置することが、正確な温度分布
を測定するうえで好適であり、従って正確な漏鋼現象の
兆候判別ができることになる。本出願人は、モールド5
2の幅方向において10mm間隔以下の高分解能の温度
測定をすることが必要であると考えているが、このため
には温接点を20〜30mmピッチ程に細かくする必要
があり、従って幅寸法が2100mmもあるようなモー
ルド52に対しては100本近い熱電対を要することに
なる。
【0006】なお、参考までに言うと温度分布の測定方
法としては、熱電対を用いる方法の他に、光ファイバー
を用いたOTDR法があるが、このうちラマン散乱を応
用したものでは空間分解能を高くするにも、せいぜい1
m程度が限界であるために実用性上は低いと言わざるを
得ない。またレーリー散乱を応用したものでも、イニシ
ャルコスト的な面から、簡単に採用できるものではなか
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】約100本という極め
て多数本の熱電対をモールド52の銅板58へ組み込む
ということは、各熱電対から出ているリード線の配線ス
ペース等が必要となること等に関連して、実質的に不可
能であった。また、これほど多くのリード線を所定通り
に配線するのは極めて面倒であり、誤配線の原因ともな
っていた。従って従来、10〜20本程度の熱電対を用
いるのがせいぜいであって、その結果、温接点は100
〜200mmピッチとせざるを得ないため、温度分布の
測定としては不満の残るところであった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、連続鋳造設備に備えられるモールドの銅板等
に対して高分解能の温度測定をすることができるように
した多点測温器を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、請求
項1記載の本発明では、温接点が互いに位置ズレした状
態で集合された複数の熱電対と、この熱電対の集合体ま
わりを一体的に取り囲むシース部材とを有し、該シース
部材が金属素材により形成されていることを特徴として
いる。
【0010】このようにシース部材を金属素材製とする
ならば、当該シース部材の外径は所望に応じて径小化で
きるため、熱電対はその事情が許される範囲で径小化が
可能となり、多点測温器全体として(複数本の熱電対を
集合させたかたちとして)可及的な径小化が可能とな
る。またシース部材を金属製としたため、曲げ加工等が
簡単に施せるものであり、連続鋳造設備のモールド等に
対する装着が簡単に行えるという利点がある。
【0011】また、請求項2記載の本発明では、温接点
が互いに位置ズレした状態で集合された複数の熱電対
と、各熱電対からの出力信号取り出しを順次切り換える
ことで多点測温を可能とする信号切換器とを有している
ことを特徴としている。このような構成であれば、熱電
対相互間の配線数を減らし簡素化できる(外部配線とし
てのリード線結線は殆ど不要である)ので、複数本の熱
電対を集合させたかたちとしてのコンパクト化が図れ
る。また何よりも、配線が簡素化されることに伴って配
線作業の簡潔化及び誤配線の防止が図れる等の利点があ
る。
【0012】前記熱電対の集合体は、絶縁基板と、該絶
縁基板上に印刷、蒸着又は貼着により設けられた陰極用
及び陽極用の各複数本の熱電対素材と、上記絶縁基板に
対して全ての熱電対素材を被覆すべく設けられた絶縁被
覆材とによって構成させることが可能である(請求項
3)。このような構成であれば、陰極用及び陽極用の熱
電対素材を例えば線状にする等、それぞれ微小細さのも
のとして絶縁基板上に形成させることができる。従っ
て、この絶縁基板上で複数本の熱電対を構成させるよう
にしても、その全体太さを細く抑えることができる。
【0013】また、この絶縁基板上で各熱電対相互の配
線部分も形成させることができるので、その後に行う配
線作業を殆ど不要化できる。従って、配線作業の簡潔化
が一層図れると共に、誤配線が生じるおそれは無くな
る。前記熱電対の集合体において、各熱電対における少
なくとも一方の極の熱電対素材を、各熱電対相互間で共
通使用させるように構成することができる。(請求項
4)。
【0014】このようにすれば、熱電対相互間の配線数
は更に半減できるものとなり、簡素化できるため、絶縁
基板の一層のコンパクト化が図れる利点がある。各熱電
対の温接点は、連続鋳造設備に具備されるモールドに対
してその幅方向に10mm間隔以下の高分解能を確保可
能なピッチで配される構成とすることが可能である(請
求項5)。
【0015】10mm間隔以下の高分解能を確保するに
は、おおよそ熱電対の温接点を20〜30mm程度にす
ればよく、このことは請求項1乃至請求項4記載の技術
事項によって達成できるため、これによりモールドの銅
板における正確な温度分布を調べることが可能となり、
正確な漏鋼現象の兆候判別ができることは勿論、連続鋳
造として高品質で均質な鋳片を得ることができるものと
なる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1乃至図5は本発明の第1実施
形態に係る多点測温器1を示している。この多点測温器
1は、図3に示すように棒状本体部2と、この棒状本体
部2の根元部に設けられた信号切換器3とを有したもの
で、このうち棒状本体部2を連続鋳造設備のモールド
(図示略)等に組み込むようにして用いる。
【0017】棒状本体部2は、図1に示すように線状を
した複数本の熱電対5と、これら熱電対5の集合体まわ
りを一体的に取り囲むべく管状をしたシース部材6とを
有している。熱電対5は先端部を温接点8としており、
シース部材6内では、各温接点8がその軸方向に沿って
位置ズレするように配設されている。熱電対5は、図2
に示すように陰極用及び陽極用とされる一対の熱電対素
材10,11と、これら両極の熱電対素材10,11を
被覆する極細の金属製個別シース12とを有している。
両極の熱電対素材10,11は、図4に示すようにそれ
らの先端部分が接続されて上記温接点8とされる以外
は、互いに絶縁状態に保持されている。全ての熱電対5
は、両極の熱電対素材10,11とも、補償導線13,
14によってそれぞれ並列接続されている。
【0018】なお、個別シース12に対して熱電対素材
10,11を挿通させるには、個別シース12の一端側
から吸引する方法を採用して、熱電対素材10,11に
折れや曲がり又は絡み等が生じないようにしている。シ
ース部材6(図1及び図2参照)は、ステンレス等の金
属素材により管状に形成されたもので、その先端部は半
球状に閉塞されている。このシース部材6に対して熱電
対5を挿通させる場合にも、上記と同様に、一端側から
の吸引方法を採用すればよい。
【0019】信号切換器3は、図4に示すように各熱電
対5と共に並列関係を有して接続された冷接点15と、
この冷接点15及び全熱電対5に対応して設けられる個
別スイッチ16(16-1,16-2,16-3,…16-n,
16-m)と、これら個別スイッチ16を所定順番、所定
間隔で1個つづON−OFF切り換え可能なスイッチコ
ントローラ17と、各個別スイッチ16を介して出力さ
れる温接点出力又は冷接点出力を増幅するアンプ18と
を有している。
【0020】個別スイッチ16にはFET(電界効果ト
ランジスタ)等の無接点切換器が用いられている。また
冷接点15には基準抵抗が用いられている。この冷接点
15は、言うまでもなく各温接点8が配される温度測定
領域から離れた場所(例えばスイッチコントローラ17
等が設置される常温位置)に設けられる。図5はアンプ
18からの出力信号を例示したもので、横軸は時間軸で
ある。同図から明らかなように、スイッチコントローラ
17は、温接点8が最も先方へ位置付けられた熱電対5
(図1の最上部のもの)からその個別スイッチ16(例
えば図4の符号16-1)をONにし、続いてOFFにす
ると同時に次位置の熱電対5における個別スイッチ16
(図4の符号16-2)をONにするといった具合に、次
々と切り換え動作をして温接点出力(1),(2),(3),…(n)
を取り出してゆく。そして、冷接点15の個別スイッチ
16-mをONにして冷接点出力(m) を取り出した後、こ
れをOFFにすると同時に一巡完了を識別させるための
識別信号(S)を出力し、以後、これら一連の動作を繰り
返すようになっている。
【0021】ところで、アンプ18からの各出力信号の
うち温接点出力(1),(2),(3),…(n)は、温接点8での実
測温度(例えばT0 とする)から冷接点15での周囲温
度(例えばTm とする)を減算した値(T0 −Tm )と
して取り出されている。そこで、アンプ18からの出力
信号を受け取る側では、上記温接点出力(1),(2),(3),…
(n) に対し、その前段又は後段で得られる冷接点出力
(m) の値(Tm )を加算して元の実測温度(T0 )へ戻
す操作を行うようにする。即ち、(T0 −Tm )+Tm
の計算を行うものである。
【0022】このようなことにより、温接点8の設定数
(熱電対5の使用本数)に応じた多点測温が可能となっ
ている。この第1実施形態の多点測温器1において、熱
電対5(個別シース12)の外径を0.25mmとして
形成し、各熱電対5における温接点8の相互間ピッチ
(図1のP参照)を12mm、熱電対5の使用本数を3
1本、シース部材6の外径を3.6mm、シース部材6
の管肉厚を0.25mm、シース部材6の長さを520
mmとして試作品を製作した。
【0023】この試作多点測温器1では、棒状本体部2
(即ち、シース部材6)の外径が3,6mmと細いた
め、連続鋳造設備に具備されるモールドの銅板内へ組み
込むようにしても、銅板に対して熱的悪影響(外乱)を
及ぼすことは全くなかった。従って、360mmのスパ
ンを12mmピッチで温度測定することができ、その結
果、モールドの幅方向において10mm間隔以下の高分
解能で温度分布を調べることができるものであった。ま
た、この試作多点測温器1では、モールドへの組み込み
時に必要な配線が補償導線13,14とアンプ18との
間又はアンプ18の後続側等、極めて限られた部分での
数本の配線だけでよいため、作業の迅速化及び容易化が
図られると共に、誤配線のおそれが殆ど無いという好結
果が得られた。
【0024】なお、熱電対5における個別シース12及
び熱電対5を囲むシース部材6は、いずれもガラスやセ
ラミック製とすることが可能であるが、前記したように
金属素材製とすることによって棒状本体部2の曲げ加工
等を簡単に施せるという利点がある。すなわち、これに
より連続鋳造設備のモールド等に対する装着が簡単とな
り、且つ最適構造で行えることになる。
【0025】図6乃至図9は本発明の第2実施形態に係
る多点測温器1を示したもので、この第2実施形態が上
記した第1実施形態と異なるところは、図8に示すよう
にシース部材6内に帯板状部材30が収納されており、
この帯板状部材30が、図6及び図7に示すように一つ
の絶縁基板31に対して複数の熱電対5を一体的に具備
した構造となっている点にある。なお、各図において熱
電対5は3本だけ描いてその他を省略してある。
【0026】すなわち、上記帯板状部材30は、絶縁基
板31上に各熱電対5を構成する陰極用及び陽極用の熱
電対素材10,11が印刷、蒸着又は貼着によって設け
られていると共に、これら全ての熱電対素材10,11
を被覆すべく絶縁基板31上に絶縁被覆材32が設けら
れている。絶縁基板31にはポリイミド樹脂、石英,セ
ラミック等を用いることができる。また絶縁被覆材32
にもポリイミド樹脂等を用いることができる。
【0027】絶縁基板31上に熱電対素材10,11を
印刷によって設けるには、まず熱電対素材10,11と
すべき異種の金属粉をそれぞれ溶媒と混合してペースト
状にし、このうち一方のペースト状極材料をスクリーン
を介して絶縁基板31上へ複数の線として印刷する。そ
して、この絶縁基板31をその耐熱温度以下で焼成する
ことで、印刷部分をそれぞれ熱電対素材(例えば陽極用
熱電対素材11)とする。
【0028】次に、陽極用熱電対素材11の各先端部
(後に温接部8とする部分)を除き、その上面部に対し
て絶縁被覆材32とすべき素材により1回目のコーティ
ングを行う。そして、この素材が所定の硬化状態となっ
た後、この上面に対し、他方のペースト状極材料をスク
リーンを介して複数の線として印刷する。このとき、線
の先端部のみが既に形成済みの陽極用熱電対素材11の
先端部と合致するようにする。
【0029】そして再び、この絶縁基板31をその耐熱
温度以下で焼成することで、印刷部分をそれぞれ陰極用
熱電対素材10とし、且つ両極の熱電対素材10,11
における先端部同士で温接点8を形成させる。最後に、
陰極用熱電対素材10を含む上面部全面に対して絶縁被
覆材32とすべき素材による2回目のコーティングを行
い、この素材の硬化によって帯板状部材30は完成す
る。
【0030】一方、絶縁基板31上に熱電対素材10,
11を蒸着(CVD法や真空蒸着法等)によって設ける
場合は、絶縁基板31上へ所定のマスク材を被せた後、
一方の極材料による1回目の蒸着を行い、線状を成す複
数本の熱電対素材(例えば陽極用熱電対素材11)を形
成させる。次に、陽極用熱電対素材11の各先端部を除
き、その上面部に対して絶縁被覆材32とすべき素材に
より1回目のコーティングを行う。そして、この素材が
所定の硬化状態となった後、その上面に再び所定のマス
ク材を被せて今度は他方の極材料による2回目の蒸着を
行って、線状を成す複数本の陰極用熱電対素材10を形
成させる。このとき、線の先端部のみが既に形成済みの
陽極用熱電対素材11の先端部と一体化され、自動的に
温接点8が形成される。
【0031】最後に、陰極用熱電対素材10を含む上面
部全面に対して絶縁被覆材32とすべき素材による2回
目のコーティングを行い、この素材の硬化によって帯板
状部材30は完成する。絶縁基板31上に熱電対素材1
0,11を貼着によって設ける場合は、まず熱電対素材
10,11とすべき異種の金属材を圧延等により薄膜の
リボン状に成形しておき、このうち一方のリボン状極材
料を絶縁基板31上へ貼り付けて、複数本の熱電対素材
(例えば陽極用熱電対素材11)を形成させる。
【0032】次に、陽極用熱電対素材11の各先端部を
除き、その上面部に対して絶縁被覆材32とすべき素材
により1回目のコーティングを行う。そして、この素材
が所定の硬化状態となった後、その上面に他方のリボン
状極材料を貼り付けて複数本の陽極用熱電対素材11を
形成させる。このとき、既に形成済みの陽極用熱電対素
材11と互いの先端部同士を当接させておき、これら先
端部相互間で電流を流して抵抗加熱による接続をする。
これにより温接点8を形成させる。
【0033】最後に、陰極用熱電対素材10を含む上面
部全面に対して絶縁被覆材32とすべき素材による2回
目のコーティングを行い、この素材の硬化によって帯板
状部材30は完成する。この第2実施形態において、各
熱電対5相互に図4に示した第1実施形態と同じ信号切
換器3を採用し、同じ配線構成とすることも可能である
が、図9に示すような信号切換器3及び配線構成を採用
するのが好適である。なお、図9では冷接点の図示を省
略してあるが、この点については図4と同様に、各熱電
対5と並列となるかたちで冷接点が設けられているもの
とする。
【0034】この信号切換器3は、各熱電対5における
一方の熱電対素材(図例では陽極用熱電対素材11とし
た)又はこれに補償導線を接続させた状態で引き出した
端部に切換端子35を形成させ、これら切換端子35に
対して所定順番、所定間隔で1個つづON−OFF切り
換え可能となるスイッチ36が設けられている。また、
他方の陰極用熱電対素材10を互いに共通使用可能なコ
モン線37として接続して引き出してあり、これらスイ
ッチ36及びコモン線37からアンプ18を介して出力
信号を取り出すように構成されている。40はスイッチ
36の制御信号入力である。
【0035】このような信号切換器3及び配線構成の採
用では、絶縁基板31上の配線数を半減でき、一層の小
型化及び製造の容易化が図れるものである。この第2実
施形態において、熱電対5を蒸着によって構成する場合
であれば、陰極用及び陽極用の熱電対素材10,11を
20μm幅程度にすることは簡単であり、絶縁基板31
上に40本の熱電対5を設けるとしてもこの絶縁基板3
1は4mm幅以内で抑えることができることになる。ま
た、帯板状部材30としての厚さも1.5mm以内とす
ることが可能である。特に真空蒸着法であれば、熱電対
素材10,11を5μm程度まで細くすることも可能で
あるので、80本の熱電対5を設けたとしても絶縁基板
31は2mm幅以内で抑えることができることになる。
従って、極めて高分解能の温度測定が可能となる。
【0036】ポリイミド樹脂は350℃の耐熱性を有し
ているので、第2実施形態の多点測温器1についてもま
た、連続鋳造設備に具備されるモールドの銅板内へ組み
込むことが可能なものである。ところで、本発明は上記
実施形態に限定されるものではない。例えば、上記した
第2実施形態では、各熱電対5が絶縁基板32に対して
平面的に配設されたものを示したが、各熱電対5を積層
状に(即ち、立体的に)設けたり、これら平面配置及び
立体配置を混成したかたちで設けたりすることも可能で
ある。これにより、更に多数の熱電対5をコンパクト化
した状態で集合させることができる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1記載の本発明では、温接点が互いに位置ズレした状態
で集合された複数の熱電対と、この熱電対の集合体まわ
りを一体的に取り囲むシース部材とを有し、該シース部
材が金属素材により形成された構成であるので、この金
属素材製シース部材の外径を径小化することができ、全
体として可及的な径小化が可能となる。またシース部材
を金属製としたため、曲げ加工等が簡単に施せるもので
あり、連続鋳造設備のモールド等に対する装着が簡単に
行えるという利点がある。
【0038】また、請求項2記載の本発明では、温接点
が互いに位置ズレした状態で集合された複数の熱電対
と、各熱電対からの出力信号取り出しを順次切り換える
ことで多点測温を可能とする信号切換器とを有した構成
であるので、熱電対相互間の配線数を減らして簡素化で
き、全体としてのコンパクト化が図れる。また何より
も、配線が簡素化されることに伴って配線作業の簡潔化
及び誤配線の防止が図れる等の利点がある。
【0039】熱電対の集合体において、絶縁基板と、こ
の上に印刷、蒸着又は貼着により設けられた陰極用及び
陽極用の各複数本の熱電対素材と、絶縁基板に対して全
ての熱電対素材を被覆すべく設けられた絶縁被覆材とに
よって構成させるようにすれば(請求項3)、両極の熱
電対素材をそれぞれ微小細さのもの(例えば線状のも
の)として絶縁基板上に形成させることができ、絶縁基
板としての全体太さを細く抑えることができる。また、
この絶縁基板上で各熱電対相互の配線部分も形成させる
ことができるので、その後に行う配線作業を殆ど不要化
できる。従って、配線作業の簡潔化が一層図れると共
に、誤配線が生じるおそれは無くなる。
【0040】熱電対の集合体において、各熱電対におけ
る少なくとも一方の極の熱電対素材を各熱電対相互間で
共通使用させるように構成すれば、(請求項4)、熱電
対相互間の配線数を半減できるので、絶縁基板の一層の
コンパクト化が図れる利点がある。各熱電対の温接点に
おいて、連続鋳造設備に具備されるモールドに対してそ
の幅方向に10mm間隔以下の高分解能を確保可能なピ
ッチで配される構成とすれば(請求項5)、モールドの
銅板における正確な温度分布を調べることが可能とな
り、正確な漏鋼現象の兆候判別ができることは勿論、連
続鋳造として高品質で均質な鋳片を得ることができるも
のとなる。
【0041】本発明では、光ファイバーを用いたOTD
R法等とは異なり、熱電対による熱起電力を測定する方
法によって温度分布を測定できるため、構造的に簡潔、
低コストであり、しかも量産が可能である等、幾多の利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3に示す棒状本体部を示す拡大側断面図であ
る。
【図2】図1の棒状本体部を更に拡大して示す正面断面
図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る多点測温器を示す
全体図である。
【図4】第1実施形態における熱電対及び信号切換器の
配線構造を示す配線図である。
【図5】出力信号の一例を示す波形図である。
【図6】図8に示す帯板状部材を示す平面図である。
【図7】図6に示す帯板状部材を拡大して示す側断面図
である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る多点測温器の棒状
本体部を一部破砕して示す斜視図である。
【図9】第2実施形態における熱電対及び信号切換器の
配線構造を示す配線図である。
【図10】連続鋳造設備を示す模式図である。
【図11】モールド内で漏鋼現象が生じた状況を示す拡
大断面図である。
【符号の説明】
1 多点測温器 3 信号切換器 5 熱電対 6 シース部材 8 温接点 10 陰極用熱電対素材 11 陽極用熱電対素材 31 絶縁基板 32 絶縁被覆材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温接点(8)が互いに位置ズレした状態
    で集合された複数の熱電対(5)と、この熱電対(5)
    の集合体まわりを一体的に取り囲むシース部材(6)と
    を有し、該シース部材(6)が金属素材により形成され
    ていることを特徴とする多点測温器。
  2. 【請求項2】 温接点(8)が互いに位置ズレした状態
    で集合された複数の熱電対(5)と、各熱電対(5)か
    らの出力信号取り出しを順次切り換えることで多点測温
    を可能とする信号切換器(3)とを有していることを特
    徴とする多点測温器。
  3. 【請求項3】 前記熱電対(5)の集合体は、絶縁基板
    (31)と、該絶縁基板(31)上に印刷、蒸着又は貼
    着により設けられた陰極用及び陽極用の各複数本の熱電
    対素材(10,11)と、上記絶縁基板(31)に対し
    て全ての熱電対素材(10,11)を被覆すべく設けら
    れた絶縁被覆材(32)とを有していることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の多点測温器。
  4. 【請求項4】 前記熱電対(5)の集合体において、各
    熱電対(5)における少なくとも一方の極の熱電対素材
    が、各熱電対(5)相互間で共通使用されるようになっ
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    かに記載の多点測温器。
  5. 【請求項5】 各熱電対(5)の温接点(8)は、連続
    鋳造設備に具備されるモールドに対してその幅方向に1
    0mm間隔以下の高分解能を確保可能なピッチで配され
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれ
    かに記載の多点測温器。
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