JPH09210693A - 殻状振動子の振動調整方法 - Google Patents

殻状振動子の振動調整方法

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JPH09210693A
JPH09210693A JP8018855A JP1885596A JPH09210693A JP H09210693 A JPH09210693 A JP H09210693A JP 8018855 A JP8018855 A JP 8018855A JP 1885596 A JP1885596 A JP 1885596A JP H09210693 A JPH09210693 A JP H09210693A
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vibration
axis
shell
resonance
rad
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JP8018855A
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Kokichi Terajima
厚吉 寺嶋
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Akai Electric Co Ltd
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Akai Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 殻状振動子を振動ジャイロに適用した場合に
おいて、特別な回路を必要とすることなしに、検出感度
や応答性能を一定に揃え、また、角速度の検出精度を高
める。 【解決手段】 XYZ直交座標系のZ軸上に中心を有
し、XY平面内の直交する二方向および、それらの各方
向からπ/4rad.角変位させた二方向のそれぞれに、そ
れぞれのモードで主振動および副振動として伸縮共振す
る殻状振動子の、XY平面内の所要の共振方向をZ軸周
りのθ=0tad.とし、そこからZ軸の周りのnπ/2ra
d.および (π/4+nπ/2) rad.の方向の少なくとも
一方もしくはその近傍部分で、殻状振動子に切削加工を
施して二つのモードの共振周波数の差を所定値とすると
ともに、Z軸の周りの (−π/8+nπ/2) rad.およ
び (π/8+nπ/2) rad.の方向の少なくとも一方も
しくはその近傍部分で殻状振動子に切削加工を施して、
二つの振動モードのうち、少なくとも主振動とするモー
ドの共振振動方向を所定の方向に変化させることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、角速度の検出に
用いる振動ジャイロに適用して好適な殻状振動子、たと
えば、円筒状、角筒状、カップ状等の形状とすることが
できる殻状振動子の、主振動方向および副振動方向のそ
れぞれの方向の共振周波数の差を所定の値に調整し、併
せて、振動方向の微妙なずれを調整する振動調整方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の殻状振動子としては、図
3(a),(b) にそれぞれ斜視図および平面図で例示するも
のがある。この殻状振動子301 は、Xa Ya Z直交座標
系において、Z軸方向に開口する円環状の振動体101 の
外周面に、Xa 軸を基準として、Z軸の周りにπ/4 ra
d.ずつの角度間隔をおいた位置にそれぞれの圧電素子20
1 〜208 を設け、たとえば、圧電素子201 を駆動用とし
て、圧電素子207 を帰還用として、また、圧電素子202
を検出用、そして、圧電素子204 をバランス調整用とし
てそれぞれ用いるものである。なおここで、圧電素子20
3, 205はいずれも、駆動用もしくは帰還用として用いる
ことができる圧電素子であり、また、圧電素子206, 208
はいずれも、検出用もしくはバランス調整用として用い
ることができるものである。
【0003】このような殻状振動子301 は、それを図4
に示すように、駆動回路401 と、駆動用の圧電素子201
と、帰還用の圧電素子207 とによって自励振動させたと
きは、理想的には、Xa 軸方向およびYa 軸方向に交互
に楕円形状を呈するように共振して伸縮振動する。そし
て、このような理想的な伸縮共振振動下では、検出用の
圧電素子202 に付与される歪は、伸・縮の釣り合いがと
れているので、検出用の圧電素子202 から検出信号が出
力されることがない一方、その殻状振動子301を、Z軸
の周りに回動させてそれに角速度を付与した場合は、検
出用の圧電素子202 から電圧信号が出力されることにな
るので、殻状振動子301 の振動ジャイロとしての適用が
可能となる。
【0004】しかしながら、実際に製造される殻状振動
子301 は、その大部分が、上述したような理想的なバラ
ンス状態とはならないことから、駆動用の圧電素子201
によって、Xa,Ya 軸方向に向けて駆動力を与えても、
現実には、それらの方向からずれた、図のX,Y軸方向
に振動することになり、駆動方向と振動方向との間にず
れが生ずることになる。これがため、検出用の圧電素子
202 の内部に生じる伸・縮歪の歪量が不均衡となり、そ
の圧電素子202 は、漏れ出力と称される不要な信号を出
力するので、このような殻状振動子301 を用いた振動ジ
ャイロではオフセット電圧等が発生して、角速度の正確
な検出が困難となる。
【0005】そこで従来は、このような問題を解決すべ
く、殻状振動子301 を回動させていない状態の下で検出
用の圧電素子202 から出力される信号の大きさに基づい
て、バランス回路402 によってバランス調整用の圧電素
子204 を駆動し、駆動用の圧電素子201 と、バランス調
整用の圧電素子204 とのそれぞれの駆動力の合力をもっ
て殻状振動子301 の振動方向をXa,Ya 軸方向に矯正し
て、検出用の圧電素子202 からの漏れ出力の発生を防止
することとしている。なお、図4中403 は、たとえば、
増幅回路,同期検波回路等を含む検出回路を示し、角速
度を電気信号に変換するとともに、無回転時の圧電素子
202 の出力、すなわち、振動方向のずれに応じた信号を
出力して、それをバランス回路402 に供給する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、かかる従来
技術にあっては、殻状振動子301 の構造的なアンバラン
スが取り除かれるわけではなく、実際には、殻状振動子
301 の寸法誤差や材質の不均一、それぞれの圧電素子の
形成位置誤差等が振動ジャイロの特性に及ぼす影響は依
然として残ることになるという不都合があった。
【0007】ここで、このような不都合の発生原因を内
包することになる、殻状振動子301の振動態様について
みるに、殻状振動子301 の、XY平面内における伸縮共
振振動は、縮退状態における振動と、縮退分離状態にお
ける振動とのいずれか一方の態様にて行われることにな
り、前者の縮退状態の下での共振では、共振周波数は一
義的に定まり、XY平面内のいずれの方向の振動であっ
ても、同一の振動数で振幅の最も大きい共振状態とな
り、駆動方向と振動方向はずれることなく一致する。こ
れに対し、後者の縮退分離状態にあつては、XY平面内
の振動に、共振周波数の異なる二つの共振状態が存在す
ることになる。
【0008】すなわち、縮退分離状態においては、図5
に模式的に示すような二つの共振方向を有することにな
って、特定の振動数で図5(a) に示すように、X,Yの
二方向に振幅が最も大きくなって共振するとともに、他
の特定振動数で、図5(b) に示すように、上記二方向に
対してπ/4 rad.角変位させた方向である、α,βの二
方向にも共振し、その他の方向の振動には大きな振幅を
もたらし難くなる。このため、駆動方向と振動方向とは
必ずしも一致しなくなり、共振方向であるX,Y軸方向
やα,β方向とは異なった方向に駆動しても、X,Y方
向やα,β方向に近い方向に振動し易くなる。
【0009】そして現実には、前記縮退状態は、殻状振
動子301 が、上述したような寸法誤差、材質の不均一性
などの不均衡要因を全く含まない完全対称構造の場合に
実現されるものであるが、極めて稀に生じるだけであ
り、一般的には縮退分離状態となり、しかも、二つの共
振周波数の差や、共振周波数における振動方向は、振動
子毎に異なったものとなる等のばらつきを有するものと
なっている。
【0010】ここにおいて、とくに問題となるのは、縮
退分離状態における共振周波数の差および振動方向のば
らつきであって、前記従来技術におけるような調整方法
をもってしては解決不能な、以下のような各種の不都合
を惹起することになる。すなわち、殻状振動子301 を振
動ジャイロに適用した場合に、二つの共振周波数の差の
ばらつきは、角速度の検出感度のばらつきや応答感度の
ばらつきをもたらすことになり、これらのばらつきは従
来技術によっては除去すべくもなく、また、振動方向の
ばらつきに対しては、その方向が駆動力の作用方向から
大きくずれたものでは、従来技術によっても振動方向の
矯正が不能となる結果として、検出用の圧電素子203 か
らの不要な信号の出力が不可避となる。
【0011】いいかえると、二つの共振周波数に差があ
る場合、すなわち、縮退分離状態においては、駆動用の
圧電素子201 による駆動力の作用方向と殻状振動子301
の共振の方向とが一致しないものが多く、しかも、振動
し易い方向 (共振方向) が、それぞれの殻状振動子301
に固有なものとして決まってしまうので、駆動力の作用
方向と共振方向とのずれが大きいものになるに従って、
バランス調整用の圧電素子204 に加えるべきバランス信
号を大きくすることが必要になるも、共振方向の、駆動
方向に対するずれが余りに大きすぎると、バランス調整
用の圧電素子204 をもってしても、駆動方向を有効に矯
正できないことがある。これがため、検出用の圧電素子
203 の内部歪みの均衡がとれなくなって、不要な信号出
力、すなわち漏れ出力が発生し、振動ジャイロの正確な
角速度の測定がオフセット電圧によって妨げられること
になる。
【0012】そしてまた、この共振周波数の差の値につ
いては、それが大きくなると、角速度が生じていないと
きの共振振動方向と、コリオリの力Fcの合力Fc´の方向
との合成方向の振動振幅が小さくなる等の原因によって
角速度の検出感度が低下することになり、この一方で、
角速度がなくなってコリオリの力Fcの合力Fc´が零にな
ったときに、合成方向の振動の収まりが速くなる。つま
り、二つの共振周波数の差が大きくなるにつれて角速度
の検出感度が低下するに対し、応答性能は高まることに
なる。
【0013】このように、縮退分離状態のものが大部分
を占める殻状振動子301 に対しては、従来のように、複
雑な構造の回路を用いた調整を行っても、回路規模が大
きくなるのみならず、共振方向のばらつきや二つの共振
周波数の差のばらつきが複雑に影響しあって生じる、殻
状振動子301 の、コリオリの力に対する感度のばらつ
き、応答性能のばらつきを改善することはできず、振動
ジャイロの性能にばらつきを生じることになる。そして
また、バランス調整が不能となる殻状振動子301も発生
することから、振動子の製造前歩留りが低下することに
もなる。
【0014】ところで、二つの共振周波数に差がない縮
退状態においては、角速度が生じていないときの共振振
動に対し、その振動方向からZ軸の周りに (2n−1)
π/4rad.角度変位した方向にコリオリの力Fcの合力Fc
´が作用すると、そのときの振動方向は、角速度が生じ
ていないときの振動方向と、合力Fc´の作用方向との合
成方向となり、殻状振動子301 はその合成方向にも共振
するので、振動振幅は大きく、角速度の検出感度は高ま
る。この一方で、角速度がなくなって合力Fc´が零とな
っても、合成方向の振動は直ちには収まらず、それ故
に、検出用の圧電素子203 は、依然として角速度が生じ
ているかの如きの遅れ出力を生じることになって応答性
能の悪い振動ジャイロとなる。
【0015】この発明は、従来技術の有するこのような
問題点を解決することを課題として検討した結果なされ
たものであり、この発明の目的は、殻状振動子を振動ジ
ャイロに適用した場合に、特別な回路を用いることなし
に、感度や応答性能を、要求性能との関連の下で、常に
一定に揃えることができ、また、共振振動方向を調整す
ることで、角速度の測定精度を高めることができる殻状
振動子の振動調整方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明の、殻状振動子
の振動調整方法は、XYZ直交座標系のZ軸上に中心を
有し、XY平面内の直交する二方向および、それらの各
方向からπ/4rad.角変位させた二方向のそれぞれに、
それぞれのモードで主振動および副振動として伸縮共振
する殻状振動子の、XY平面内の所要の共振方向をZ軸
周りのθ=0tad.とし、そこからZ軸の周りのnπ/2
rad.および (π/4+nπ/2) rad.の方向の少なくと
も一方もしくはその近傍部分で、殻状振動子に切削加工
を施して二つのモードの共振周波数の差を所定値とする
とともに、Z軸の周りの (−π/8+nπ/2) rad.お
よび (π/8+nπ/2) rad.の方向の少なくとも一方
もしくはその近傍部分で殻状振動子に切削加工を施し
て、二つの振動モードのうち、少なくとも主振動とする
モードの共振振動方向を所定の方向に変化させることを
特徴とする殻状振動子の振動調整方法、である。
【0017】ここで、二つの振動モードの共振周波数の
差を所定値とする前者の調整によれば、元の殻状振動子
の共振周波数の差のばらつきに関係なしに、その差を確
実に所期した通りのものとすることができるので、殻状
振動子を振動ジャイロに適用した場合に、コリオリの力
に対する感度および応答性能を一定に揃えることがで
き、従って、角速度の測定値にばらつきの少ない安定し
た振動ジャイロとすることができる。
【0018】そしてまた、少なくとも主振動モードの共
振方向を所定の方向に変化させる後者の調整によれば、
共振方向のばらつきを有効に補正することができるの
で、殻状振動子を振動ジャイロに適用した場合の漏れ出
力の発生、ひいては、オフセットの発生を防止して、角
速度の測定精度を高めることができる。
【0019】
【実施例】以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、この発明の実施例を示す平面図であ
り、図中従来例で述べた部分と同様の部分はそれと同一
の符号で示す。ここで、殻状の振動体101 は、金属,ガ
ラス,水晶,セラミック等の材料からなり、たとえば円
環形状をなす。かかる殻状振動体101 の外周面には、X
a 軸を基準として、Z軸の周りにπ/4 rad.ずつの角度
間隔をおいた位置にそれぞれの圧電素子201 〜208 を設
け、たとえば、圧電素子201 を駆動用として、圧電素子
202 を帰還用として、そして圧電素子203 を検出用とし
てそれぞれ用いる。
【0020】このようにして構成した殻状振動子301 は
縮退分離状態にあり、Xa,Ya 軸に対し、Z軸の周りに
角変位した関係にあるX,Y軸方向に一方の共振モード
を有し (但し、X軸はXa 軸に対してπ/4 rad.以下の
角度だけ角変位したものとする) 、また、そのX,Y軸
に対し、Z軸の周りにπ/4 rad.角変位したα,β軸方
向に他方の共振モードを有する。
【0021】ここでたとえば、圧電素子201 と202 とに
発振器G1 を、圧電素子204 と205とに発振器G2 をそ
れぞれ接続して、両発振器G1,G2 から、同一振幅,同
一位相の信号を、それぞれの圧電素子対に供給する。こ
れにより、殻状振動子301 は、発振器G1,G2 からの供
給信号の周波数が、一方のX,Y軸方向の振動モードの
共振周波数fx に至ると、それらの両方向に大きく振動
するようになり、その他の周波数ではXa,Ya 軸方向に
駆動されることになるも、その振幅は小さい。
【0022】またここで、発振器G1,G2 の供給信号の
いずれか一方を反転させ、それぞれの圧電素子対に同一
振幅,逆位相の信号を加えると、殻状振動子301 は、供
給信号の周波数が、他方のα,β軸方向の振動モードの
共振周波数fαに達すると、それらの方向に大きく振動
するようになり、その他の周波数ではXb,Yb 軸方向に
小さい振幅で駆動される。そして、このようなそれぞれ
の共振状態においては、圧電素子201, 202や圧電素子20
4, 205のインピーダンスが低下するので、たとえば、発
振器G1,G2 からの供給電流を測定することによって、
それぞれの共振周波数fx ,fαを知ることができ、こ
の結果として、X,Y軸方向の共振周波数fx と、α,
β軸方向の共振周波数fαとの差を求めることができ
る。
【0023】ところで、このようにして求められるそれ
ぞれの共振周波数fx ,fαの差の値を所定値とするた
めには、殻状振動子301 に切削加工を施して、それの特
定方向の断面二次モーメントを低下させる。たとえば、
X,Y軸方向の共振周波数を下げるためには、Xa 軸上
およびYa 軸上の少なくとも一方もしくはその近傍部分
で、殻状振動子301 の外周面,内周面,上端面および下
端面の少なくとも1 個所に切削加工を施す。すなわち、
Xa 軸をZ軸周りのθ=0rad.なる基準として、θ=n
π/2 rad.(nは整数) の角度位置の、少なくとも一個
所に切削加工を施す。
【0024】これによれば、殻状振動子301 の共振方向
が、X,Y軸方向からややXa,Ya 軸方向に変化し、併
せて共振周波数が低下する。また、α,β軸方向の共振
周波数を下げるためには、Xb 軸上およびYb 軸上の少
なくとも一方もしくはその近傍部分で、殻状振動子301
の外周面,内周面,上端面および下端面の少なくとも一
個所に切削加工を施す。すなわち、この切削個所は、所
要の共振方向をXb,Yb 軸方向とし、Xa 軸をZ軸周り
のθ=0rad.なる基準としたとき、θ=π/4+nπ/
2 rad.の角度位置の少なくとも一個所となる。
【0025】以上のようにして、少なくとも一方の共振
周波数を低下させた後は、前述したようにして一方もし
くは双方の共振周波数を測定し、両共振周波数の差が所
定値となるまで切削および測定を繰り返す。さらに、共
振振動方向の矯正に当たっては、実際の共振方向を検知
すべく、圧電素子201, 202に発振器G1を、そして圧電
素子204,205 に発振器G2 をそれぞれ接続し、それらの
発振器G1,G2 から同一振幅,同一位相の信号をそれぞ
れの圧電素子対に供給する。ここで、共振振動方向は、
たとえば、圧電素子201 と202 の対および圧電素子204
と205 の対のそれぞれの合成インピーダンスの大きさを
測定することによって知ることができ、具体的には、そ
れぞれの発振器G1,G2 から供給される電流の大きさを
検出することで求めることができる。
【0026】そして、共振振動方向の矯正は、それぞれ
の圧電素子対の合成インピーダンスが等しくなるよう
に、殻状振動子301 を切削して共振方向を変化させるこ
とにより行う。たとえば、Xa,Ya 軸方向に共振させる
場合には、Xa 軸を基準として、そこからZ軸の周り
に、( −π/8 +nπ/2)rad.および (π/8 +nπ/
2)rad.の方向の少なくとも一方もしくはその近傍部分
で、殻状振動子301 に切削加工を施す。
【0027】以上のようにしてそれぞれの調整を行った
殻状振動子301 を振動ジャイロに適用した場合には、二
つの振動モードの共振周波数を所定値に設定すること
で、相互に二律背反の関係にある、コリオリの力に対す
る検出感度と、応答性能とを所要に応じた相対状態に常
に確実に揃えることができ、また、共振方向を矯正する
ことで、角速度の不作用時における不要な漏れ信号の発
生を抑えて、角速度の測定精度を高めることができる。
【0028】図2は、他の実施例を示す平面図である。
これは、殻状の振動体1の外周面に、Ya軸に対して対
称に位置する二つの圧電素子2a,2bを設けた殻状振
動子3についての実施例であり、この殻状振動子3は、
振動ジャイロに適用されて、両圧電素子2a,2bによ
って自励振動するとともに、角速度の検出をも行うもの
である。ここで、自励振動は、理想的にはXa,Ya 軸方
向に行うものであるも、縮退分離状態にあるこの殻状振
動子3は、Xa,Ya 軸に対してZ軸周りに角変位した位
置にあるX,Y軸方向に一方の共振モードを有し (但
し、X軸はXa軸に対してπ/4 rad.以下の角度だけ角
変位したものとする) 、また、X,Y軸に対し、Z軸の
周りにπ/4 rad.角変位したα,β軸方向に他方の共振
モードを有するものとする。
【0029】ここでもまた、前記実施例とほぼ同様に、
圧電素子2aに発振器G1 を、そして圧電素子2bに発
振器G2 をそれぞれ接続して、両発振器G1,G2 から同
一振幅,同一位相の信号をそれぞれの圧電素子2a,2b
に供給し、それらの供給信号の周波数が、一方のX,Y
軸方向の振動モードの共振周波数fxに達すると、殻状
振動子3はそれらの方向に大きく振動し、その他の周波
数ではXa,Ya 軸の方向に駆動されるものの振幅は小さ
い。
【0030】また、発振器G1,G2 からそれぞれの圧電
素子2a,2b に、同一振幅で逆位相の信号を印加する
と、供給信号の周波数が、他方のα,β軸方向の振動モ
ードの共振周波数に至ったときに、殻状振動子3の、そ
れらの方向への大振幅振動がもたらされ、その他の周波
数では、殻状振動子3はXb,Yb 軸方向へ小さな振幅で
振動する。これらのそれぞれの共振状態では、両圧電素
子2a,2b のインピーダンスが低下するので、たとえ
ば、発振器G1,G2 からの供給電流を測定することによ
ってそれぞれの共振周波数fx,fαを知ることがで
き、それらの差をとることで、X,Y軸方向の共振周波
数fxと、α,β軸方向の共振周波数fαとの差を知る
ことができる。
【0031】このようにして求まるそれぞれの共振周波
数fx,fαの差を所定値とするべく、たとえば、X,
Y軸方向の共振周波数fxを低下させるためには、Xa
軸上およびYa 軸上の少なくとも一方もしくはその近傍
部分で殻状振動子3に前述したと同様の切削加工を施
す。すなわち、この場合の切削加工を施す角度位置は、
Xa 軸をZ軸周りのθ=0rad.なる基準として、θ=n
π/2rad. (nは整数)の角度位置の少なくとも一個所
となる。これにより、殻状振動子3の共振方向は、X,
Y軸方向からややXa,Ya 軸方向に変位し、共振周波数
が低下する。
【0032】またたとえば、α,β軸方向の共振周波数
を下げるためには、Xb 軸上およびYb 軸上の少なくと
も一方もしくはその近傍部分、いいかえれば、所要の共
振方向のXb 軸に対してθ=nπ/2rad.の角度位置、
すなわち、Xa 軸に対してθ=π/4+nπ/2rad.の
角度位置の少なくとも一個所もしくはその近傍部分で殻
状振動子3に切削加工を施し、このことにて、殻状振動
子3の共振方向を、α,β軸方向からXb,Yb 軸方向に
幾分変化させ、併せて共振周波数を低下させる。
【0033】このようにして少なくとも一方の共振周波
数の調整を行った後は、一方もしくは双方の共振周波数
を上述したと同様にして測定し、両共振周波数の差が所
定値となるまで、切削および測定を繰り返す。そしてさ
らに、共振方向の矯正は、はじめに、それぞれの圧電素
子2a,2b に接続したそれぞれの発振器G1,G2 から、
同一振幅,同一位相の信号をそれらの圧電素子2a,2b
に供給し、たとえば、それぞれの圧電素子2a,2b のイ
ンピーダンスの大きさ、より具体的には、それぞれの発
振器G1,G2 により供給される電流の大きさを測定し
て、殻状振動子3の共振振動方向を求め、次いで、それ
ぞれの圧電素子2a,2b のインピーダンスが等しくなる
ように殻状振動子3に切削加工を施すことによって、共
振方向を所定の方向に変更することによって行う。この
場合、たとえば、Xa,Ya 軸方向に共振させるために
は、Xa 軸を基準に、そこからZ軸の周りに、 (−8/
π+nπ/2) rad.および( 8/π+nπ/2) rad.の
少なくとも一方もしくはその近傍部分で殻状振動子3を
切削する。このような調整によってもまた前述した実施
例と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0034】以上この発明の実施例について説明した
が、殻状振動子を、要求性能との関連において、二つの
共振モードの共振周波数の差が零となる縮退状態とする
ことも可能である。また、共振周波数の差の調整と、共
振方向の調整とはいずれを先に行うことも可能であり、
さらに、殻状の振動体の形状は、図示例に限らず、カッ
プ状,釣鐘状,多角筒状等とすることもできる。
【0035】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、元の殻状振
動子の、二つの振動モードの共振周波数の差のいかんに
かかわらず、その差を所定値とすることで、殻状振動子
を振動ジャイロに適用した場合の、コリオリの力に対す
る感度や応答性能を一定に揃えることができ、従って、
角速度の測定値にばらつきの少ない安定した振動ジャイ
ロをもたらすことができる。また、殻状振動子の共振方
向を所定の方向に変化させることによって、それを振動
ジャイロに用いて、検出用圧電素子に生じる不要な漏れ
信号を十分に抑制して、オフセットの発生を防止し、正
確な角速度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す平面図である。
【図2】この発明の他の実施例を示す平面図である。
【図3】殻状振動子の説明図である。
【図4】従来例を示す図である。
【図5】殻状振動子の作動説明図である。
【符号の説明】
1,101 殻状の振動体 2a, 2b, 201 〜208 圧電素子 3,301 殻状振動子 G1,G2 発振器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 XYZ直交座標系のZ軸上に中心を有
    し、XY平面内の直交する二方向および、それらの各方
    向からπ/4rad.角変位させた二方向のそれぞれに、そ
    れぞれのモードで主振動および副振動として伸縮共振す
    る殻状振動子の、XY平面内の所要の共振方向をZ軸周
    りのθ=0tad.とし、そこからZ軸の周りのnπ/2ra
    d.および (π/4+nπ/2) rad.の方向の少なくとも
    一方もしくはその近傍部分で、殻状振動子に切削加工を
    施して二つのモードの共振周波数の差を所定値とすると
    ともに、 Z軸の周りの (−π/8+nπ/2) rad.および (π/
    8+nπ/2) rad.の方向の少なくとも一方もしくはそ
    の近傍部分で殻状振動子に切削加工を施して、二つの振
    動モードのうち、少なくとも主振動とするモードの共振
    振動方向を所定の方向に変化させることを特徴とする殻
    状振動子の振動調整方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115615684A (zh) * 2022-11-08 2023-01-17 和尘自仪(嘉兴)科技有限公司 一种基于轴心轨迹形变监测的泵轴健康检测方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115615684A (zh) * 2022-11-08 2023-01-17 和尘自仪(嘉兴)科技有限公司 一种基于轴心轨迹形变监测的泵轴健康检测方法
CN115615684B (zh) * 2022-11-08 2023-04-07 和尘自仪(嘉兴)科技有限公司 一种基于轴心轨迹形变监测的泵轴健康检测方法

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