JPH09209169A - 有機被覆亜鉛−クロム−鉄族金属−アルミナ複合めっき鋼板 - Google Patents

有機被覆亜鉛−クロム−鉄族金属−アルミナ複合めっき鋼板

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JPH09209169A
JPH09209169A JP1408696A JP1408696A JPH09209169A JP H09209169 A JPH09209169 A JP H09209169A JP 1408696 A JP1408696 A JP 1408696A JP 1408696 A JP1408696 A JP 1408696A JP H09209169 A JPH09209169 A JP H09209169A
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plating
steel sheet
chromium
zinc
corrosion resistance
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JP1408696A
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Shuichi Asahina
秀 一 朝比奈
Tomokatsu Katagiri
桐 知 克 片
Kyoko Hamahara
原 京 子 浜
Naomasa Nakakouji
尚 匡 中小路
Kazuo Mochizuki
月 一 雄 望
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Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D

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Abstract

(57)【要約】 【課題】省設備、低コストで耐食性、塗料密着性を兼ね
備えた有機被覆亜鉛−クロム−鉄族金属−アルミナめっ
き鋼板の提供。 【解決手段】鋼板表面に5〜30g/m2 の亜鉛−クロ
ム−鉄族金属−アルミナ複合めっき層と、金属Cr量1
0〜1000mg/m2 含有するCrめっき層と、0.
01〜3g/m2 の陽極酸化重合皮膜を施した耐食性、
塗膜密着性に優れた防錆鋼板により、上記課題を解決す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に自動車車体用
鋼板として特に耐食性に優れた表面処理鋼板およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年自動車車体の高耐食性化に対する社
会的要請に応えて、各種表面処理鋼板の適用化が年々拡
大した。このような表面処理鋼板として亜鉛めっき鋼
板、亜鉛系合金めっき鋼板などが挙げられる。これに加
え車体組立後に行われる塗装が充分に行き渡りにくく、
高湿潤下に曝される車体内面の袋構造部や曲げ加工部
(ヘミング部)では、さらに高度の耐食性が要求されて
きた。このような要求にたいする鋼板として、例えば特
開平03−130141号公報や特開平02−2583
35号公報などが提案されている。これらは、亜鉛また
は亜鉛系合金めっき鋼板上にクロメート層とシリカを含
有する有機高分子樹脂層(数μm以下)を施した有機複
合被覆鋼板であり、車体組立後に行われる塗装を施さな
い状態でも非常に良好な耐食性を有することから、自動
車車体の内面部に多用されているものである。
【0003】しかしながら、これら有機複合被覆鋼板に
は製造コスト等の問題がある。例えば、先に記載の有機
複合被覆鋼板は、めっき後にクロメート皮膜形成と有機
皮膜形成を行うため、それぞれに塗装コータと焼き付け
炉設備を必要とし、設備的にも操業的にもかなりのコス
トアップになっている。また、加熱工程を経ることによ
り機械的特性値が低下するという問題もある。
【0004】一方、塗装コータを用いずに電解によって
鋼板表面に有機皮膜を形成させる方法としては、一般的
に電着塗装が行われている。電着塗装は、水性化または
エマルジョン化した樹脂(ポリマー)と顔料を含有する
水溶液に電荷を与えて、ポリマーと顔料を泳動、析出さ
せる方法である。しかしながら、電着塗装の場合にはコ
ータ塗装に比べ均一性が悪く、数μmの薄膜で均一に表
面を被覆することは困難である。また、電着塗装後に焼
き付けを行う必要があること、高電圧の電解処理が必要
であることから、やはりコスト高になっている。
【0005】また、電解による有機皮膜形成の別の方法
として電解重合法がある。電解重合法はモノマーから出
発し、電解によって重合と皮膜形成を同時におこなっ
て、被処理材に有機皮膜を形成させるものである。電解
重合法は主にコンデンサーやエレクトロニクス部品材料
分野で近年急速に用いられるようになった(例えば特公
平3−65008号公報、特公平3−61314号公
報、特公平4−7521号公報)。この場合に要求され
る皮膜の特性はおもに導電性であり、被処理材の耐食性
への寄与については全く検討されていない。
【0006】さらに、特公昭50−15485号公報、
特開昭55−16075号公報には、金属表面に直接電
解重合皮膜を形成させ金属体の表面処理を行う方法が開
示されている。これは、アルミニウム板上あるいは鉄板
上に電解重合皮膜を形成させる方法であり、電着塗料の
つき回りの悪い部分の耐食性には不充分である。また、
形成皮膜量が多すぎる場合にはスポット溶接性が悪くな
るがこれも全く考慮されておらず自動車用鋼板としては
実用化できないものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みてなされたものであり、省設備、低コストで効率的
に製造することができ、耐食性および塗料密着性に優れ
た主に自動車車体用の鋼板およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、鋼板表面にクロムが0.1〜14wt
%、鉄族金属元素0.01〜3wt%、アルミナをアル
ミ換算で0.01〜1wt%、残りが亜鉛で成る分散め
っき層を5〜30g/m2 有し、その上層に金属Cr量
10〜1000mg/m2 含有するCrめっき層を有
し、さらにその上層に0.01〜3g/m2 の陽極酸化
重合による有機皮膜を有することを特徴とする耐食性に
優れた鋼板を提供するものである。
【0009】鋼板表面にクロムが0.1〜14wt%、
鉄族金属元素0.01〜3wt%、アルミナをアルミ換
算で0.01〜1wt%、残りが亜鉛で成る分散めっき
層を5〜30g/m2 施し、その後金属Cr量10〜1
000mg/m2 のCrめっきを施し、引続き乾燥させ
ることなく0.01〜3g/m2 の陽極酸化重合による
有機皮膜を形成させることを特徴とする耐食性に優れた
鋼板の製造方法を提供するものである。
【0010】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0011】本発明は素地鋼板上に最下層として、亜鉛
−クロム−鉄族金属−アルミナ分散めっき層(以下、分
散めっき層という)を有するものである。素地鋼板とし
ては、特に限定されず、例えば、SPCC、SPCD、
SPCE、SPFC(JISG3141)等のいずれの
鋼板であってもよい。
【0012】本発明における分散めっき層は、亜鉛、ク
ロムおよびFe、Ni、Co等の鉄族元素が合金を形成
し、アルミナが酸化物微粒子としてめっき層中に分散さ
れているものである。分散めっき層中の最大含有率を示
す金属は亜鉛である。亜鉛が下地鋼板に対して示す犠牲
防食性が本発明のめっき鋼板の良好な耐食性の根幹とな
る。
【0013】本発明に用いるクロムは、めっき中に亜
鉛、鉄族金属との合金として導入する。クロムはめっき
表面で不動態を作り、めっき及び下地鋼板の腐食を抑制
し、かつめっきの腐食生成物である塩基性塩化亜鉛(Z
nCl2 ・4Zn(OH)2 )を熱力学的に安定化する
と考えられる。良好な性能のめっき鋼板を製造するため
にはクロム含有率0.1〜14wt%が好ましく、さら
に好ましくは、5〜11wt%である。含有率0.1w
t%未満では耐食性が不十分となり、14wt%超では
含有率の耐食性への寄与効果が小さくなりコスト的に不
利となる。
【0014】本発明に用いる鉄族金属はめっき中に亜
鉛、クロムとの合金として導入する。鉄族金属はめっき
表面でのカソード反応を抑制し、かつめっきの腐食生成
物である塩基性塩化亜鉛(ZnCl2 ・4Zn(OH)
2 )の熱力学的な安定化及び電導性の高い酸化亜鉛(Z
nO)の生成抑制を担っていると考えられる。良好な性
能のめっき鋼板を製造するためには、めっき中の鉄族金
属含有率0.01〜3wt%が好ましく、さらに好まし
くは0.1〜1.5wt%である。含有率0.01wt
%未満では耐食性が不十分となり、3wt%超では含有
率の耐食性への寄与効果が小さくなりコスト的に不利と
なる。
【0015】本発明に用いるアルミナは酸化物微粒子と
してめっき中に分散する。アルミナは腐食生成物を鋼板
表面に機械的に保持する効果があると考えられる。良好
な性能のめっき鋼板を製造するためにはAl換算で0.
01〜1wt%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜
1wt%である。含有率0.01wt%未満では耐食性
に対するアルミナの効果が現れず、1wt%超ではめっ
き密着性が劣化する。めっき付着量としては5〜30g
/m2 である。5g/m2 未満では充分な耐食性が得ら
れない。また、30g/m2 を超えても皮膜量アップに
よる耐食性への寄与効果が小さくなりコスト的に不利と
なるためである。
【0016】本発明の対象とする亜鉛−クロム−鉄族金
属−アルミナ分散めっき鋼板(以下、「本発明のめっき
鋼板」という)の製造方法は電気めっき法によるもので
ある。亜鉛、クロム、鉄族金属イオンを含む酸性めっき
浴中にアセチレングリコール、ポリエチレングリコール
等の非イオン系有機添加剤を0.1〜10g/L導入
し、電流密度40〜200A/dm2 で電解を行い、亜
鉛、クロム、鉄族金属イオンを合金として素地鋼板上に
析出させることにより行う。アルミナのめっき中への共
析は、めっき浴中にアルミナゾルを懸濁させめっき中に
共析させる方法、めっき浴中にアルミイオンを溶解し、
電解時の水素イオンの還元反応によるpHの上昇によっ
て陰極界面で水酸化アルミニウムとして析出させ、めっ
き層中にアルミナとして共析させる方法等のいずれを用
いても良い。
【0017】本発明のめっき鋼板は、亜鉛−クロム−鉄
族金属−アルミナめっき層の上層としてCrめっき層を
形成させる。Crめっき層を施すことにより耐食性をさ
らに向上させることができるが、コスト的にはアップに
なるので必要とされる耐食性の程度によってCrめっき
層を形成させる。Crめっき中の金属Cr量は10〜1
000mg/m2 とするのが好ましく、さらに好ましく
は、30〜500mg/m2 である。10mg/m2
満ではCrめっき層形成による耐食性の向上効果がみら
れない。一方、1000を超えても、Crめっき増量に
よる耐食性への寄与効果が小さくなりコスト的にはデメ
リットとなることから皮膜量を限定した。さらに後述す
る亜鉛−クロム−鉄族金属−アルミナめっき層のバリア
として陽極酸化重合皮膜を形成させるためにCrめっき
を施す場合には、金属Cr量として100mg/m2
上必要である。このCrめっき層は金属Crを含有する
ため、Cr酸化物のみの層で起こるような溶接性や電着
塗装性への悪影響が少ないため、Cr量の多い範囲で皮
膜量を設定することが可能である。Crめっき方法につ
いては特に限定されることはなく、一般に知られている
サージェントCrめっきや三酸化クロムに助剤として硫
酸とフッ化物を添加した浴、三酸化クロムに助剤とフッ
化物を1〜数種添加した浴などを使用すれば良い。
【0018】本発明のめっき鋼板は、上述のCrめっき
層の上層として陽極酸化重合による有機皮膜層を形成さ
せる。従来技術では亜鉛または亜鉛系めっき鋼板上に塗
装によって有機皮膜を形成させていたが、この場合クロ
メート皮膜を中間層として形成させることが必要だっ
た。これは、コーターを用いてめっき表面に塗料を転写
し、焼き付け工程で表面と結合させているために、めっ
き表面と有機皮膜の密着性が悪く、中間層としてクロメ
ート皮膜を形成させて、密着性を確保するためである。
これに対して、陽極酸化重合皮膜の場合、電解によって
モノマーがめっき表面に直接結合し、それらが重合した
皮膜も強い結合力を有するためクロメート処理を必ずし
も必要としない。
【0019】また、電解重合皮膜は大別して陽極酸化重
合皮膜と陰極還元重合皮膜に分類できる。陽極酸化重合
皮膜の場合、白錆発生までの時間は陰極還元重合皮膜と
ほぼ同じであるが、赤錆の進行が陰極還元重合皮膜より
遅く良好な耐食性皮膜が得られるので好ましい。この理
由は定かでないが、おそらく陽極酸化処理時に下地金属
(Cr)の酸化物も形成され、これがバリアー皮膜とな
り耐食性試験時にめっきの溶解反応(アノード反応)の
進行を遅らせるためと考えられる。
【0020】この陽極酸化重合皮膜の形成は、陽極とし
ためっき鋼板のCrめっき上に電解によってモノマーを
重合させて、重合皮膜を形成させることにより行うこと
ができる。用いられるモノマーとしては、例えば、ビニ
ルピリジン、アクリル酸、アクリロニトリル、スチレ
ン、アセトニトリル、メタクリル酸メチル、フェノー
ル、アニリン、ピロール、フェニレン、チオフェン、ア
ズレン等、またはこれらの誘導体等が挙げられる。
【0021】また、電解の条件は、鋼板側を陽極とし、
所定の有機皮膜が形成されるならば、特に限定されるこ
とはない。生産性を考慮すると、電流密度0.1〜10
0A/dm2 、浴温度20〜80℃で行うのが好まし
い。陽極酸化重合皮膜量は0.01〜3g/m2 とす
る。皮膜量が0.01g/m 2 未満と少ない場合には耐
食性の向上効果が充分には得られない。また、3g/m
2 を超えても皮膜量増量による耐食性への寄与効果が小
さくなりコスト的にはデメリットとなること、また皮膜
量が多い場合にはスポット溶接性が悪くなるからであ
る。耐食性と塗料密着性の点から、さらに望ましくは
0.1〜3g/m2である。
【0022】Crめっき層形成の効果は先に述べたよう
に耐食性向上だけではない。陽極酸化重合皮膜を亜鉛−
クロム−鉄族金属−アルミナめっき鋼板上に形成させる
場合にはめっき層(特にZn)の溶解が優先され、充分
な有機皮膜量を得られない場合もある。前述のように電
解重合についてこれまで金属の耐食性向上を目的とした
検討例は少なく、特に亜鉛−クロム−鉄族金属−アルミ
ナめっき上における陽極酸化重合皮膜形成の検討例は無
い。そこで、本発明者らは、耐食性を損なうことなく下
地金属の溶解より優先して有機皮膜形成できる方法を、
電解重合溶液中の電解質の選択や、めっき層のバリア形
成などを試み検討した。その結果第一層目の亜鉛−クロ
ム−鉄族金属−アルミナめっき層上にCrめっきし、そ
の後表面を乾燥することなく引続き陽極酸化重合処理す
ることによって充分な有機皮膜を形成できた。
【0023】本発明者らは、まずCrめっきすることに
よって耐食性向上と亜鉛−クロム−鉄族金属−アルミナ
めっき層のバリアー効果の双方を満足することを見い出
したが、Crめっき乾燥後に陽極酸化重合による有機皮
膜を形成させることはやはり困難だった。これはCrめ
っき表面のCr酸化物層による不動態皮膜によると考え
られる。Crめっき時に形成されるCr酸化物層は、形
成時にはゲル状の沈殿物としてCrめっき表面に存在す
るが、その後乾燥により脱水縮合して不動態皮膜を形成
すると考えられ、Crめっき後に表面を乾燥することな
くウエットな状態のまま引続き陽極酸化重合を行うこと
によりCrめっき層表面に充分な有機皮膜層を形成でき
た。
【0024】陽極電解重合法による有機被膜形成法は既
存の電気めっき設備を利用することが可能である。めっ
き層中に電解重合用モノマーを保持し、Crめっきを施
し、表面がウエットな状態を保った亜鉛−クロム−鉄族
金属−アルミナめっき鋼板をモノマー中に導入し陽極と
して電解することにより、電解有機被膜を鋼板上に形成
できる。また、この方法ではコーター等の設備を新規に
必要としないため、設備変更なしで有機被膜亜鉛−クロ
ム−鉄族金属−アルミナ複合めっき鋼板を製造すること
ができる。また、焼付工程による鋼板素材の材質の変化
を防止することができる。
【0025】
【実施例】次に本発明の効果を実施例に基づいて具体的
に説明する。
【0026】(実施例1〜15および比較例1〜13)
各例において、冷延鋼板を公知の方法で脱脂、酸洗した
後、以下に示す範囲で浴条件を変化させ、電流密度40
〜200A/dm2 でめっきを行い、表1に示す条件
で、亜鉛−クロム−鉄族元素−アルミナ分散めっきを行
った。 硫酸亜鉛・7水和物 186g/L 40%硫酸クロム水溶液 84〜252g/L 鉄族金属硫酸塩・7水和物 2〜36g/L 硫酸アルミニウム・14−18水和物 35〜100g/L 硫酸ナトリウム 45g/L アセチレングリコール 1〜10g/L 浴pH 1.4〜2.5
【0027】上記の方法による亜鉛−クロム−鉄族金属
−アルミナ分散めっきを施した後、表1に示す条件でC
rめっき処理をし、表1および以下に示す条件で陽極酸
化重合による有機皮膜形成をし、形成後耐食性と塗料密
着性試験を行った。結果を表1に示す。なお、Crめっ
きは、めっき後に水洗し、乾燥させることなく直ちに陽
極酸化重合を行った。また、陽極酸化重合は以下の条件
により行った。 使用モノマー:ピロール、チオフェン、フェノール、ア
ズレン 電解水溶液中の仕込みモノマー濃度:0.1〜1mol
/L 電解水溶液中の仕込み塩基性物質:しゅう酸ナトリウム
0.05〜0.5mol/L 溶媒:水100%〜水50%:メタノール50% 電解水溶液温度:40℃ 電流密度:5〜50A/dm2 電解時間:0.1〜5秒
【0028】また、比較例9〜10では、陽極酸化重合
の代わりに、エポキシ樹脂(ビスフェノールA型)を塗
装コーターを用いて塗装することにより行った。結果を
表1に示す。以下に各種試験方法とその評価方法につい
て記す。
【0029】(めっき量及び組成)めっき付着量及び組
成は、めっき層を酸により溶解した後、原子吸光法によ
り測定した。
【0030】(Crめっき中の金属Cr付着量)Crめ
っき処理前後の鋼板のCr付着量を蛍光X線分析装置で
測定し、その差からCrめっき中の全Cr量を求めた
後、軟鋼にCrめっきを施し、ESCAによる深さ方向
の分析を行い、その深さ方向分布と電量分布法による金
属Crの定量から作成した検量線を用いて、Crめっき
中の金属Cr量をESCA測定により求めた。
【0031】(有機皮膜付着量)電解処理前後の鋼板の
重量を量り、その差から求めた。
【0032】(耐食性試験)めっき鋼板について、濃度
5wt%の塩水噴霧(35℃、4時間)、乾燥(60
℃、2時間)および湿潤(50℃、2時間)を1サイク
ルとするサイクル複合試験(CCT)を行い、赤錆発生
までのサイクル数を比較した。
【0033】(塗料密着性試験)めっき鋼板試料の表面
に日本ペイント社製、PTU−600を用いて、電着塗
装を施した(膜厚20μm)後、以下に示すデュポン衝
撃試験を行い、めっき鋼板試料の表面をテープ剥離して
有機皮膜剥離の有無で密着性を評価した。 デュポン衝撃試験:1/4インチの径を用いて1kgの
おもりを50cmの高さから試料裏面に落下させた。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】(結果)実施例1〜15は本発明条件を満
足するものであり、従来法に求め得ない低コストでの耐
食性と塗料密着性の優れた表面処理鋼板が得られた。比
較例1は電解重合膜の皮膜量が0.005g/m2 と少
なかったために、耐食性と塗料密着性への寄与効果が現
れなかった。比較例2は亜鉛−クロム−鉄族金属−アル
ミナめっき量が3g/m2 と少なかったため、めっきの
カバーリングが充分でなく耐食性が不十分であった。比
較例3〜5はクロム、鉄族金属、アルミのいずれかの含
有率が請求範囲未満で、耐食性が不十分であり本発明の
範囲外である。比較例6はアルミナ含有率が請求範囲を
超えためっきを施した鋼板で、デュポン試験の際めっき
層から剥離を起こし、めっき密着性が劣るため請求範囲
外である。比較例7、8は亜鉛−クロム−鉄族金属−ア
ルミナめっき鋼板単独であり、電解重合皮膜が無い場合
の耐食性を示す。複合サイクル試験50サイクル未満で
赤錆が発生している。この上に電解重合皮膜を有する実
施例では赤錆が発生するまで50サイクル超となり鋼板
の寿命がかなり延びた。比較例9、10はコーター塗装
によって皮膜を形成させたものであるため亜鉛−クロム
−鉄族金属−アルミナめっきとの密着性が充分でなく、
またこのために耐食性への寄与も不十分となった。比較
例11はCrめっきが無く、比較例12はCrめっき中
の金属Cr付着量が本発明の範囲より少量の場合で、い
ずれも電界時間に対して重合皮膜の析出量が少なく良好
な耐食性を示すに至っていない。比較例13はCrめっ
き後、室温中に30分放置し乾燥させた例で、電界時間
を増加しても電界重合皮膜が殆ど生成していない。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、従来法に求め得ない省
設備、低コストで、耐食性と塗料密着性を兼ね備えた表
面処理鋼板が得られるので、自動車車体用素材に極めて
好適である。また、本発明の表面処理鋼板を自動車車体
に適用すれば、自動車車体の耐久性向上を図ることがで
き、ひいては地球資源の節約に貢献することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 15/02 C25D 15/02 G (72)発明者 浜 原 京 子 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 中小路 尚 匡 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 望 月 一 雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板表面にクロムが0.1〜14wt%、
    鉄族金属元素0.01〜3wt%、アルミナをアルミ換
    算で0.01〜1wt%、残りが亜鉛で成る分散めっき
    層を5〜30g/m2 有し、その上層に金属Cr量10
    〜1000mg/m2 含有するCrめっき層を有し、さ
    らにその上層に0.01〜3g/m2 の陽極酸化重合に
    よる有機皮膜を有することを特徴とする耐食性に優れた
    鋼板。
  2. 【請求項2】鋼板表面にクロムが0.1〜14wt%、
    鉄族金属元素0.01〜3wt%、アルミナをアルミ換
    算で0.01〜1wt%、残りが亜鉛で成る分散めっき
    層を5〜30g/m2 施し、その後金属Cr量10〜1
    000mg/m2 のCrめっきを施し、引続き乾燥させ
    ることなく0.01〜3g/m2 の陽極酸化重合による
    有機皮膜を形成させることを特徴とする耐食性に優れた
    鋼板の製造方法。
JP1408696A 1996-01-30 1996-01-30 有機被覆亜鉛−クロム−鉄族金属−アルミナ複合めっき鋼板 Withdrawn JPH09209169A (ja)

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JP1408696A JPH09209169A (ja) 1996-01-30 1996-01-30 有機被覆亜鉛−クロム−鉄族金属−アルミナ複合めっき鋼板

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JP1408696A Withdrawn JPH09209169A (ja) 1996-01-30 1996-01-30 有機被覆亜鉛−クロム−鉄族金属−アルミナ複合めっき鋼板

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005001159A1 (ja) * 2003-06-30 2005-01-06 Inax Corporation 防汚クロムめっき製品の製造方法

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WO2005001159A1 (ja) * 2003-06-30 2005-01-06 Inax Corporation 防汚クロムめっき製品の製造方法

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