JPH09209083A - 耐二次加工脆性と耐食性の優れた2ピース電池缶用鋼板 - Google Patents
耐二次加工脆性と耐食性の優れた2ピース電池缶用鋼板Info
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- JPH09209083A JPH09209083A JP8048147A JP4814796A JPH09209083A JP H09209083 A JPH09209083 A JP H09209083A JP 8048147 A JP8048147 A JP 8048147A JP 4814796 A JP4814796 A JP 4814796A JP H09209083 A JPH09209083 A JP H09209083A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
- Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 DI成形による側胴部の薄肉化が可能な優れ
た成形加工性を有するとともに、製缶された状態で高い
缶体強度と優れた耐二次加工脆性及び耐食性を有する2
ピース電池缶用鋼板を得る。 【解決手段】 Bを0.0005〜0.0015wt%
で且つ0.2≦B/N≦1.0を満足する範囲で含有
し、SとO(但し、O:全酸素含有量)をS:0.00
5〜0.015wt%好ましくは0.005〜0.01
2wt%、O:0〜0.0025wt%、[S/10+
O]≦0.0035(wt%)好ましくは[S/10+
O]≦0.0030(wt%)を満足する範囲で含有
し、必要に応じてCr:0.03〜0.10wt%、N
i:0.01〜0.10wt%の1種または2種を合計
で0.10wt%以下の範囲で含有し、特に優れた耐食
性を確保する場合には、鋼板の両面に少なくともNiめ
っき層またはFe−Ni合金化めっき層を形成する。
た成形加工性を有するとともに、製缶された状態で高い
缶体強度と優れた耐二次加工脆性及び耐食性を有する2
ピース電池缶用鋼板を得る。 【解決手段】 Bを0.0005〜0.0015wt%
で且つ0.2≦B/N≦1.0を満足する範囲で含有
し、SとO(但し、O:全酸素含有量)をS:0.00
5〜0.015wt%好ましくは0.005〜0.01
2wt%、O:0〜0.0025wt%、[S/10+
O]≦0.0035(wt%)好ましくは[S/10+
O]≦0.0030(wt%)を満足する範囲で含有
し、必要に応じてCr:0.03〜0.10wt%、N
i:0.01〜0.10wt%の1種または2種を合計
で0.10wt%以下の範囲で含有し、特に優れた耐食
性を確保する場合には、鋼板の両面に少なくともNiめ
っき層またはFe−Ni合金化めっき層を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DI(「Draw and
Ironing」以下同様)成形に好適な2ピース電池缶用鋼
板に関する。
Ironing」以下同様)成形に好適な2ピース電池缶用鋼
板に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、電池缶の分野では缶体の軽量化、
製造工程の簡略化、素材および製造コスト低減、さらに
は側胴部の薄肉化による充填剤の容量増加等の観点か
ら、電池のプラス端と側胴部を一体成形した所謂2ピー
ス電池缶が開発され(特公平7−99686号公報)、
既に実用化されている。この2ピース電池缶の製缶は、
板厚0.4〜0.5mm程度の鋼板を円形にブランクし
た後、円筒状に深絞り成形する工程と、この円筒パーツ
を複数のしごきダイによってしごき加工する工程とによ
って、側胴部の胴長を稼ぐと同時に缶壁厚を薄くするも
ので、側胴部の缶壁は最終的に0.15mm以下の厚さ
まで薄肉化される。
製造工程の簡略化、素材および製造コスト低減、さらに
は側胴部の薄肉化による充填剤の容量増加等の観点か
ら、電池のプラス端と側胴部を一体成形した所謂2ピー
ス電池缶が開発され(特公平7−99686号公報)、
既に実用化されている。この2ピース電池缶の製缶は、
板厚0.4〜0.5mm程度の鋼板を円形にブランクし
た後、円筒状に深絞り成形する工程と、この円筒パーツ
を複数のしごきダイによってしごき加工する工程とによ
って、側胴部の胴長を稼ぐと同時に缶壁厚を薄くするも
ので、側胴部の缶壁は最終的に0.15mm以下の厚さ
まで薄肉化される。
【0003】したがって、この2ピース電池缶用鋼板に
は、しごき加工等における良好な成形加工性とともに、
缶体に加工された状態で高い缶体強度と優れた耐二次加
工脆性を有すること等が要求される。また、2ピース電
池缶は端子部等が腐食し易いことから素材鋼板には優れ
た耐食性も要求され、このため2ピース電池缶用鋼板に
は耐食性を確保するためにNiめっきが施されるのが一
般的である。従来、2ピース電池缶に使用される鋼板に
関して次のような提案がなされている。
は、しごき加工等における良好な成形加工性とともに、
缶体に加工された状態で高い缶体強度と優れた耐二次加
工脆性を有すること等が要求される。また、2ピース電
池缶は端子部等が腐食し易いことから素材鋼板には優れ
た耐食性も要求され、このため2ピース電池缶用鋼板に
は耐食性を確保するためにNiめっきが施されるのが一
般的である。従来、2ピース電池缶に使用される鋼板に
関して次のような提案がなされている。
【0004】 電池特性および耐食性を考慮して、D
I成形時に缶体表面に形成される微小な割れが電池性能
に有効であるとする技術(特開平5−21044号公
報) 鋼板の面内異方性とコイル幅方向の均質性を改善す
るために、熱延および冷延工程での温度の均質化と伸び
率の均一化を図り、最終的な鋼板のr値とΔr値を規定
した技術(特開平6−344003号公報) 2ピース電池缶用途の鋼板を連続焼鈍で製造するた
めに、鋼中炭素量を0.009wt%以下(実質的には
0.002〜0.003wt%)にする技術(特開平6
−346150号公報) DI成形時の型寿命を延ばすために鋼板の表面粗さ
を規定した技術(特開平6−346282号公報) 電池缶の耐食性の観点から、Niめっき層の膜厚お
よび形態を制御する技術(特開平6−346284号公
報)
I成形時に缶体表面に形成される微小な割れが電池性能
に有効であるとする技術(特開平5−21044号公
報) 鋼板の面内異方性とコイル幅方向の均質性を改善す
るために、熱延および冷延工程での温度の均質化と伸び
率の均一化を図り、最終的な鋼板のr値とΔr値を規定
した技術(特開平6−344003号公報) 2ピース電池缶用途の鋼板を連続焼鈍で製造するた
めに、鋼中炭素量を0.009wt%以下(実質的には
0.002〜0.003wt%)にする技術(特開平6
−346150号公報) DI成形時の型寿命を延ばすために鋼板の表面粗さ
を規定した技術(特開平6−346282号公報) 電池缶の耐食性の観点から、Niめっき層の膜厚お
よび形態を制御する技術(特開平6−346284号公
報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術は、
先に述べた特公平7−99686号公報が開示する2ピ
ース電池缶に供される鋼板およびその製造法について規
定したものであるが、いずれの提案にも、缶体に要求さ
れる缶体強度と優れた耐二次加工脆性、Niめっき性や
Ni拡散処理時の均質拡散性、耐食性等が得られるよう
な最適な鋼成分条件について明確な指針は示されておら
ず、缶側胴部の薄肉化に対応した下地鋼板の製造技術を
示すものではない。特に、今後缶体側胴部の更なる薄肉
化が進んだ場合、製缶工程での材料起因の割れやしわ発
生という問題に加えて、製鋼性介在物に対する管理が益
々厳しくなることが予想され、上述した従来技術はこの
ような課題に十分に対応できるものではない。
先に述べた特公平7−99686号公報が開示する2ピ
ース電池缶に供される鋼板およびその製造法について規
定したものであるが、いずれの提案にも、缶体に要求さ
れる缶体強度と優れた耐二次加工脆性、Niめっき性や
Ni拡散処理時の均質拡散性、耐食性等が得られるよう
な最適な鋼成分条件について明確な指針は示されておら
ず、缶側胴部の薄肉化に対応した下地鋼板の製造技術を
示すものではない。特に、今後缶体側胴部の更なる薄肉
化が進んだ場合、製缶工程での材料起因の割れやしわ発
生という問題に加えて、製鋼性介在物に対する管理が益
々厳しくなることが予想され、上述した従来技術はこの
ような課題に十分に対応できるものではない。
【0006】したがって、本発明の目的は上記した従来
技術の問題を解決し、DI成形によって2ピース電池缶
に製缶される際に、缶体側胴部の薄肉化に対応できる良
好な成形加工性を有するとともに、缶体に加工された状
態で高い缶体強度と優れた耐二次加工脆性を有し、しか
も優れた耐食性を兼ね備えた鋼板、とりわけ2ピース電
池缶の側胴部が従来水準に較べて更に薄肉化(例えば、
側胴部の薄肉化率:70%以上)した場合でもフランジ
割れやしごき割れを生じることがなく、しかも高度の缶
体強度と優れた耐二次加工脆性及び端子エンボス加工部
等の耐食性を得ることができる2ピース電池缶用鋼板を
提供することにある。
技術の問題を解決し、DI成形によって2ピース電池缶
に製缶される際に、缶体側胴部の薄肉化に対応できる良
好な成形加工性を有するとともに、缶体に加工された状
態で高い缶体強度と優れた耐二次加工脆性を有し、しか
も優れた耐食性を兼ね備えた鋼板、とりわけ2ピース電
池缶の側胴部が従来水準に較べて更に薄肉化(例えば、
側胴部の薄肉化率:70%以上)した場合でもフランジ
割れやしごき割れを生じることがなく、しかも高度の缶
体強度と優れた耐二次加工脆性及び端子エンボス加工部
等の耐食性を得ることができる2ピース電池缶用鋼板を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を達成す
るため、本発明の特徴とする構成は以下のとおりであ
る。 (1) Bを0.0005〜0.0015wt%で且つ0.
2≦B/N≦1.0を満足する範囲で含有し、SとO
(但し、O:全酸素含有量)をS:0.005〜0.0
15wt%、O:0〜0.0025wt%、[S/10
+O]≦0.0035(wt%)を満足する範囲で含有
する、耐二次加工脆性と耐食性の優れた2ピース電池缶
用鋼板。
るため、本発明の特徴とする構成は以下のとおりであ
る。 (1) Bを0.0005〜0.0015wt%で且つ0.
2≦B/N≦1.0を満足する範囲で含有し、SとO
(但し、O:全酸素含有量)をS:0.005〜0.0
15wt%、O:0〜0.0025wt%、[S/10
+O]≦0.0035(wt%)を満足する範囲で含有
する、耐二次加工脆性と耐食性の優れた2ピース電池缶
用鋼板。
【0008】(2) Bを0.0005〜0.0015wt
%で且つ0.2≦B/N≦1.0を満足する範囲で含有
し、SとO(但し、O:全酸素含有量)をS:0.00
5〜0.012wt%、O:0〜0.0025wt%、
[S/10+O]≦0.0030(wt%)を満足する
範囲で含有する、耐二次加工脆性と耐食性の優れた2ピ
ース電池缶用鋼板。 (3) 上記(1)または(2)の2ピース電池缶用鋼板におい
て、Cr:0.03〜0.10wt%、Ni:0.01
〜0.10wt%の1種または2種を合計で0.10w
t%以下の範囲で含有する、耐二次加工脆性と耐食性の
優れた2ピース電池缶用鋼板。 (4) 上記(1)、(2)または(3)の鋼板の両面に、少なくと
もNiめっき層またはFe−Ni合金化めっき層を有す
る耐二次加工脆性と耐食性の優れた2ピース電池缶用鋼
板。
%で且つ0.2≦B/N≦1.0を満足する範囲で含有
し、SとO(但し、O:全酸素含有量)をS:0.00
5〜0.012wt%、O:0〜0.0025wt%、
[S/10+O]≦0.0030(wt%)を満足する
範囲で含有する、耐二次加工脆性と耐食性の優れた2ピ
ース電池缶用鋼板。 (3) 上記(1)または(2)の2ピース電池缶用鋼板におい
て、Cr:0.03〜0.10wt%、Ni:0.01
〜0.10wt%の1種または2種を合計で0.10w
t%以下の範囲で含有する、耐二次加工脆性と耐食性の
優れた2ピース電池缶用鋼板。 (4) 上記(1)、(2)または(3)の鋼板の両面に、少なくと
もNiめっき層またはFe−Ni合金化めっき層を有す
る耐二次加工脆性と耐食性の優れた2ピース電池缶用鋼
板。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に至った経緯と本発
明の詳細及び限定理由について説明する。本発明者ら
は、上述した諸特性を兼ね備えた2ピース電池缶用鋼板
を得るために、板厚0.4mmの電池缶用冷延鋼板につ
いて鋼中に分布する微細介在物の構造を解析し、その解
析結果と鋼板を2ピース電池缶相当の円筒成形缶にDI
成形した時のアイアニング割れ発生状況との関係を調査
した。その結果、アイアニング割れを引き起こす主因
が、製鋼性の酸化物系非金属介在物と熱延工程以降の固
相反応によって鋼中に析出したMnSであること、とり
わけ鋼中に存在する僅かな酸化物系または硫化物系非金
属介在物が、DI成形時の缶体側胴部やフランジ部の割
れを引き起こす原因となっていることが判明した。
明の詳細及び限定理由について説明する。本発明者ら
は、上述した諸特性を兼ね備えた2ピース電池缶用鋼板
を得るために、板厚0.4mmの電池缶用冷延鋼板につ
いて鋼中に分布する微細介在物の構造を解析し、その解
析結果と鋼板を2ピース電池缶相当の円筒成形缶にDI
成形した時のアイアニング割れ発生状況との関係を調査
した。その結果、アイアニング割れを引き起こす主因
が、製鋼性の酸化物系非金属介在物と熱延工程以降の固
相反応によって鋼中に析出したMnSであること、とり
わけ鋼中に存在する僅かな酸化物系または硫化物系非金
属介在物が、DI成形時の缶体側胴部やフランジ部の割
れを引き起こす原因となっていることが判明した。
【0010】本発明はこのような事実に基づき、酸化物
系非金属介在物と硫化物系非金属介在物の制御が2ピー
ス電池缶の缶体側胴部の更なる薄肉化に重要であるとい
う観点から、これら介在物の絶対量を支配する鋼中のO
とSの含有量の最適範囲を規定した。さらに、本発明で
はOとSが上記の最適範囲に規制された鋼中に適量のB
を添加することにより、DI成形した際のマイクロクラ
ックの伝播阻止と高い缶体強度を確保できること、特
に、しごき加工による薄肉化の際に地鉄に達するような
微小な割れが缶体側胴部に発生することが回避され、こ
れにより優れた耐二次加工脆性と缶体強度を確保しつつ
更なる缶体側胴部の薄肉化が可能になるとともに、端子
周辺の曲げ変形部の外面耐食性も向上することを見い出
し、かかる知見に基づき鋼板中に適量のBを添加するも
のである。また、耐食性をより向上させるために、必要
に応じて適量のCrおよび/またはNiを添加する。
系非金属介在物と硫化物系非金属介在物の制御が2ピー
ス電池缶の缶体側胴部の更なる薄肉化に重要であるとい
う観点から、これら介在物の絶対量を支配する鋼中のO
とSの含有量の最適範囲を規定した。さらに、本発明で
はOとSが上記の最適範囲に規制された鋼中に適量のB
を添加することにより、DI成形した際のマイクロクラ
ックの伝播阻止と高い缶体強度を確保できること、特
に、しごき加工による薄肉化の際に地鉄に達するような
微小な割れが缶体側胴部に発生することが回避され、こ
れにより優れた耐二次加工脆性と缶体強度を確保しつつ
更なる缶体側胴部の薄肉化が可能になるとともに、端子
周辺の曲げ変形部の外面耐食性も向上することを見い出
し、かかる知見に基づき鋼板中に適量のBを添加するも
のである。また、耐食性をより向上させるために、必要
に応じて適量のCrおよび/またはNiを添加する。
【0011】以下、本発明の詳細と限定理由について述
べる。まず本発明では、2ピース電池缶用鋼板に求めら
れるしごき加工時の耐しごき割れ性の観点から鋼中のS
量とO量(但し、O:全酸素含有量、以下同様)を規定
する。図1は、S量とO量が異なる鋼板(BAF:箱焼
鈍材、CAL:連続焼鈍材であり、“C”は各焼鈍材の
C量を表わす。以下同様)を素材として、DI成形によ
り2ピース電池缶相当の円筒成形缶を製缶し、その際の
限界しごき率(しごき加工においてアイアニング割れが
発生しないしごき率の上限)に及ぼすS量とO量の影響
を示したものである。
べる。まず本発明では、2ピース電池缶用鋼板に求めら
れるしごき加工時の耐しごき割れ性の観点から鋼中のS
量とO量(但し、O:全酸素含有量、以下同様)を規定
する。図1は、S量とO量が異なる鋼板(BAF:箱焼
鈍材、CAL:連続焼鈍材であり、“C”は各焼鈍材の
C量を表わす。以下同様)を素材として、DI成形によ
り2ピース電池缶相当の円筒成形缶を製缶し、その際の
限界しごき率(しごき加工においてアイアニング割れが
発生しないしごき率の上限)に及ぼすS量とO量の影響
を示したものである。
【0012】図1によれば、0.005wt%≦S≦
0.015wt%、O≦0.0025wt%、[S/1
0+O]≦0.0035wt%の範囲において70%以
上の限界しごき率が、さらに0.005wt%≦S≦
0.012wt%、O≦0.0025wt%、[S/1
0+O]≦0.0030wt%の範囲において75%以
上の高い限界しごき率が得られることが判る。なお、S
量が0.005wt%未満の領域で耐しごき割れ性が劣
るのは、熱間圧延時のスケール剥離性の劣化に起因した
スケール性表面欠陥がアイアニング時の割れを誘起する
ためである。以上の結果から本発明では、鋼板中のS量
とO量を0.005wt%≦S≦0.015wt%、O
≦0.0025wt%(0%の場合を含む)、[S/1
0+O]≦0.0035wt%の範囲、より好ましくは
0.005wt%≦S≦0.012wt%、O≦0.0
025wt%(0%の場合を含む)、[S/10+O]
≦0.0030wt%の範囲に規定する。
0.015wt%、O≦0.0025wt%、[S/1
0+O]≦0.0035wt%の範囲において70%以
上の限界しごき率が、さらに0.005wt%≦S≦
0.012wt%、O≦0.0025wt%、[S/1
0+O]≦0.0030wt%の範囲において75%以
上の高い限界しごき率が得られることが判る。なお、S
量が0.005wt%未満の領域で耐しごき割れ性が劣
るのは、熱間圧延時のスケール剥離性の劣化に起因した
スケール性表面欠陥がアイアニング時の割れを誘起する
ためである。以上の結果から本発明では、鋼板中のS量
とO量を0.005wt%≦S≦0.015wt%、O
≦0.0025wt%(0%の場合を含む)、[S/1
0+O]≦0.0035wt%の範囲、より好ましくは
0.005wt%≦S≦0.012wt%、O≦0.0
025wt%(0%の場合を含む)、[S/10+O]
≦0.0030wt%の範囲に規定する。
【0013】次に、B添加による缶体強度の向上と耐二
次加工脆性の改善効果について検討した結果について述
べる。S量とO量が上記の本発明範囲(S:0.005
〜0.010wt%、O:0.0010〜0.0015
wt%、[S/10+O]≦0.0035wt%)に調
整され且つB添加量が異なる鋼板を素材として、DI成
形により種々のしごき薄肉化率(しごき加工による薄肉
化率)で2ピース電池缶相当の円筒成形缶を製缶し、こ
の円筒成形缶の側胴部を扁平に圧縮して、脆性破壊する
ことなく側胴部が密着可能であった限界しごき薄肉化率
を調べた。図2は、その結果を限界しごき薄肉化率とB
添加量との関係で整理して示したものである。
次加工脆性の改善効果について検討した結果について述
べる。S量とO量が上記の本発明範囲(S:0.005
〜0.010wt%、O:0.0010〜0.0015
wt%、[S/10+O]≦0.0035wt%)に調
整され且つB添加量が異なる鋼板を素材として、DI成
形により種々のしごき薄肉化率(しごき加工による薄肉
化率)で2ピース電池缶相当の円筒成形缶を製缶し、こ
の円筒成形缶の側胴部を扁平に圧縮して、脆性破壊する
ことなく側胴部が密着可能であった限界しごき薄肉化率
を調べた。図2は、その結果を限界しごき薄肉化率とB
添加量との関係で整理して示したものである。
【0014】図2によれば、鋼板に0.0003wt%
以上のBを添加することにより、高い薄肉化率のしごき
成形に伴う加工脆化現象が顕著に改善されることが判
る。これは、鋼中に適量のBを添加することによってフ
ェライト結晶粒界や結晶と炭化物等の界面の結合力が上
昇し、微細な割れが伝播しにくくなるためであると考え
られる。また、C量が50ppm以下でTi、Nb等の
炭窒化物形成元素が添加された鋼板ではしごき率が高く
なると粒界の割れ感受性が高まるため、微量のB添加は
こうした感受性を鈍化させるためにも有効な手段である
と考えられる。一方、B量が0.0015wt%を超え
ると下地鋼板の強度が上昇し、成形荷重の増大によりD
I成形時に型かじり等の製缶不良を生じる場合がある。
以上のBを添加することにより、高い薄肉化率のしごき
成形に伴う加工脆化現象が顕著に改善されることが判
る。これは、鋼中に適量のBを添加することによってフ
ェライト結晶粒界や結晶と炭化物等の界面の結合力が上
昇し、微細な割れが伝播しにくくなるためであると考え
られる。また、C量が50ppm以下でTi、Nb等の
炭窒化物形成元素が添加された鋼板ではしごき率が高く
なると粒界の割れ感受性が高まるため、微量のB添加は
こうした感受性を鈍化させるためにも有効な手段である
と考えられる。一方、B量が0.0015wt%を超え
ると下地鋼板の強度が上昇し、成形荷重の増大によりD
I成形時に型かじり等の製缶不良を生じる場合がある。
【0015】一方、BはAlとともに鋼中の微量NをB
Nとして析出させ、時効性を改善するとともにコイル内
の材質の均質性を改善するのにも有効な元素であるが、
N量との関係でBを過剰に添加すると深絞り性の劣化や
面内異方性の顕在化という問題を生じる。図3は、S量
とO量が上記の本発明範囲(S:0.008〜0.01
2wt%、O:0.0010〜0.0018wt%、
[S/10+O]≦0.0030wt%)に調整され且
つB/Nが異なる鋼板について、限界絞り比と絞り比:
1.9でカップ成形したときの耳率に及ぼすB/Nの影
響を示したものである。同図によれば、B/Nが0.2
以上で耳率の改善が認められ、一方、B/Nが1.0を
超えると再び耳率の劣化が認められる。
Nとして析出させ、時効性を改善するとともにコイル内
の材質の均質性を改善するのにも有効な元素であるが、
N量との関係でBを過剰に添加すると深絞り性の劣化や
面内異方性の顕在化という問題を生じる。図3は、S量
とO量が上記の本発明範囲(S:0.008〜0.01
2wt%、O:0.0010〜0.0018wt%、
[S/10+O]≦0.0030wt%)に調整され且
つB/Nが異なる鋼板について、限界絞り比と絞り比:
1.9でカップ成形したときの耳率に及ぼすB/Nの影
響を示したものである。同図によれば、B/Nが0.2
以上で耳率の改善が認められ、一方、B/Nが1.0を
超えると再び耳率の劣化が認められる。
【0016】一般に2ピース電池缶用鋼板はNiめっき
が施され、めっきままの状態または熱拡散処理によりめ
っき層の一部または全部をFe−Ni合金層とした状態
でDI成形に供される。このようなDI成形において、
しごき率:70%以上というような特に厳しいしごき加
工が行われた場合、鋼板表層のNiめっき層やFe−N
i合金層が破壊されるとともに、缶体としごきダイとの
潤滑状態が劣化してめっき層に微小な毛割れが生じるよ
うになる。このような状態に至ってはNiめっき層また
はFe−Ni合金層による耐食性の向上効果が十分に発
揮できなくなる。本発明では、このように高いしごき率
でしごき加工を行う際に不可避的に発生していた微小な
毛割れ、すなわち地鉄の結晶粒界または結晶粒と炭化物
等の第二相との界面を起点として発生する微小な毛割れ
を防止するのにもBの添加が有効であり、耐食性を効果
的に改善できることを見い出した。したがって、このよ
うな観点からも、Bの適量添加によって2ピース電池缶
の限界しごき率を高めることができる。
が施され、めっきままの状態または熱拡散処理によりめ
っき層の一部または全部をFe−Ni合金層とした状態
でDI成形に供される。このようなDI成形において、
しごき率:70%以上というような特に厳しいしごき加
工が行われた場合、鋼板表層のNiめっき層やFe−N
i合金層が破壊されるとともに、缶体としごきダイとの
潤滑状態が劣化してめっき層に微小な毛割れが生じるよ
うになる。このような状態に至ってはNiめっき層また
はFe−Ni合金層による耐食性の向上効果が十分に発
揮できなくなる。本発明では、このように高いしごき率
でしごき加工を行う際に不可避的に発生していた微小な
毛割れ、すなわち地鉄の結晶粒界または結晶粒と炭化物
等の第二相との界面を起点として発生する微小な毛割れ
を防止するのにもBの添加が有効であり、耐食性を効果
的に改善できることを見い出した。したがって、このよ
うな観点からも、Bの適量添加によって2ピース電池缶
の限界しごき率を高めることができる。
【0017】2ピース電池缶用鋼板におけるBの添加が
耐食性に及ぼす影響を調べるため、S量とO量が上記の
本発明範囲(S:0.008〜0.012wt%、O:
0.0010〜0.0018wt%、[S/10+O]
≦0.0030wt%)に調整され且つB添加量が異な
る鋼板にめっき厚が1μm、2μm、4μmのNiめっ
きを施し、これらの鋼板を素材としてDI成形により2
ピース電池缶相当の円筒缶を製缶し、この円筒缶を32
℃、85%RHの環境に100時間保持したときの端子
部の接触抵抗の増加の度合いを調べ、端子部の耐食性を
評価した。図4は、端子部の接触抵抗値の増加の度合い
と鋼板のB添加量との関係を示したもので、B量が0.
0005wt%以下において端子部の接触抵抗の増加の
度合いが急激に上昇している。このことは図2に示した
B添加による下地鋼板の靭性(耐二次加工脆性)の改善
が、DI成形時に電池缶の端子部や側胴部に形成される
微小な毛割れを防止することにも有効に作用しているこ
とを示唆しており、Bの適量添加によって高温多湿環境
下での接触抵抗の増大抑止効果が得られ、耐食性が効果
的に向上するものである。
耐食性に及ぼす影響を調べるため、S量とO量が上記の
本発明範囲(S:0.008〜0.012wt%、O:
0.0010〜0.0018wt%、[S/10+O]
≦0.0030wt%)に調整され且つB添加量が異な
る鋼板にめっき厚が1μm、2μm、4μmのNiめっ
きを施し、これらの鋼板を素材としてDI成形により2
ピース電池缶相当の円筒缶を製缶し、この円筒缶を32
℃、85%RHの環境に100時間保持したときの端子
部の接触抵抗の増加の度合いを調べ、端子部の耐食性を
評価した。図4は、端子部の接触抵抗値の増加の度合い
と鋼板のB添加量との関係を示したもので、B量が0.
0005wt%以下において端子部の接触抵抗の増加の
度合いが急激に上昇している。このことは図2に示した
B添加による下地鋼板の靭性(耐二次加工脆性)の改善
が、DI成形時に電池缶の端子部や側胴部に形成される
微小な毛割れを防止することにも有効に作用しているこ
とを示唆しており、Bの適量添加によって高温多湿環境
下での接触抵抗の増大抑止効果が得られ、耐食性が効果
的に向上するものである。
【0018】ここで、図2に示したように耐二次加工脆
性はB:0.0003wt%以上において改善効果が認
められるが、図4によればB添加により耐食性の改善効
果が顕著に現れるのはB:0.0005wt%以上であ
り、したがって、本発明では2ピース電池缶では耐食性
が極めて重要な要求性能であることを考慮し、Bの下限
を0.0005wt%と規定する。一方、図2に示され
るようにB量が0.0015%を超えると製缶上の問題
が顕在化するため、B量の上限を0.0015wt%と
規定する。さらに本発明では、図3の結果に基づきB量
(wt%)をN量(wt%)との関係でB/N:0.2
〜1.0の範囲に規定する。
性はB:0.0003wt%以上において改善効果が認
められるが、図4によればB添加により耐食性の改善効
果が顕著に現れるのはB:0.0005wt%以上であ
り、したがって、本発明では2ピース電池缶では耐食性
が極めて重要な要求性能であることを考慮し、Bの下限
を0.0005wt%と規定する。一方、図2に示され
るようにB量が0.0015%を超えると製缶上の問題
が顕在化するため、B量の上限を0.0015wt%と
規定する。さらに本発明では、図3の結果に基づきB量
(wt%)をN量(wt%)との関係でB/N:0.2
〜1.0の範囲に規定する。
【0019】本発明鋼板には、上述した適量のBに加え
てCr、Niを単独または複合して添加することができ
る。このCr、Ni添加の狙いは次のような点にある。
すなわち、2ピース電池缶用鋼板では下地鋼板にNiめ
っき等のめっき処理(またはめっき処理−熱拡散処理)
することによって基本的な耐食性を確保し、さらに本発
明では製缶時の下地鋼板のダメージに起因する耐食性劣
化をB添加によって防止するものであるが、このような
B添加によっても、工具や加工条件によってはやむを得
ず微小な毛割れが下地鋼板内に伝播するおそれがあり、
このような場合を想定して、下地鋼板自体に材質上の不
具合が生じない限度でCr、Niを添加し、下地鋼板に
耐食性を付与するものである。
てCr、Niを単独または複合して添加することができ
る。このCr、Ni添加の狙いは次のような点にある。
すなわち、2ピース電池缶用鋼板では下地鋼板にNiめ
っき等のめっき処理(またはめっき処理−熱拡散処理)
することによって基本的な耐食性を確保し、さらに本発
明では製缶時の下地鋼板のダメージに起因する耐食性劣
化をB添加によって防止するものであるが、このような
B添加によっても、工具や加工条件によってはやむを得
ず微小な毛割れが下地鋼板内に伝播するおそれがあり、
このような場合を想定して、下地鋼板自体に材質上の不
具合が生じない限度でCr、Niを添加し、下地鋼板に
耐食性を付与するものである。
【0020】B添加の2ピース電池缶用鋼板におけるN
i、Crの添加が耐食性に及ぼす影響を調べるため、S
量、O量及びB量が本発明範囲(S:0.008〜0.
012wt%、O:0.0010〜0.0018wt
%、[S/10+O]≦0.0035wt%、B:0.
0005wt%)に調整された鋼にNi、Crをそれぞ
れ単独で且つ添加量を種々変化させて添加した鋼板を下
地鋼板として、これにめっき厚が2μmのNiめっきを
施し、この鋼板を素材としてDI成形により2ピース電
池缶相当の円筒成形缶を製缶し、この円筒缶の端子部の
耐食性を図4と同一の条件で評価した。図5は、端子部
の接触抵抗値の増加の度合いと鋼板のNi,Crの各添
加量との関係を示したもので、0.03wt%以上のC
rまたは0.01wt%以上のNiを添加することによ
り、Bを単独添加した場合に較べて耐食性がより一層向
上することが判る。
i、Crの添加が耐食性に及ぼす影響を調べるため、S
量、O量及びB量が本発明範囲(S:0.008〜0.
012wt%、O:0.0010〜0.0018wt
%、[S/10+O]≦0.0035wt%、B:0.
0005wt%)に調整された鋼にNi、Crをそれぞ
れ単独で且つ添加量を種々変化させて添加した鋼板を下
地鋼板として、これにめっき厚が2μmのNiめっきを
施し、この鋼板を素材としてDI成形により2ピース電
池缶相当の円筒成形缶を製缶し、この円筒缶の端子部の
耐食性を図4と同一の条件で評価した。図5は、端子部
の接触抵抗値の増加の度合いと鋼板のNi,Crの各添
加量との関係を示したもので、0.03wt%以上のC
rまたは0.01wt%以上のNiを添加することによ
り、Bを単独添加した場合に較べて耐食性がより一層向
上することが判る。
【0021】しかし、Crを0.10wt%を超えて添
加すると下地鋼板の極表層部にCrの緻密な酸化皮膜が
形成され、これがNiめっき等のめっき性を劣化させて
耐食性の劣化を招く。また、Niを0.10wt%を超
えて添加すると地鉄の強度が上昇し、しごき加工時の面
圧が上昇して型かじりを起こしやすくなる。以上の理由
から、Cr、Niの添加量は、それぞれCr:0.03
〜0.10wt%、Ni:0.01〜0.10wt%と
する。さらに、NiとCrの合計添加量が0.10wt
%を超えると下地鋼板の強度が上昇し、しごき成形時の
面圧が上昇して型かじり等の製缶不良が発生する場合が
あり、このためNi+Cr量は0.10wt%を上限と
する。
加すると下地鋼板の極表層部にCrの緻密な酸化皮膜が
形成され、これがNiめっき等のめっき性を劣化させて
耐食性の劣化を招く。また、Niを0.10wt%を超
えて添加すると地鉄の強度が上昇し、しごき加工時の面
圧が上昇して型かじりを起こしやすくなる。以上の理由
から、Cr、Niの添加量は、それぞれCr:0.03
〜0.10wt%、Ni:0.01〜0.10wt%と
する。さらに、NiとCrの合計添加量が0.10wt
%を超えると下地鋼板の強度が上昇し、しごき成形時の
面圧が上昇して型かじり等の製缶不良が発生する場合が
あり、このためNi+Cr量は0.10wt%を上限と
する。
【0022】本発明鋼板は、上記した成分元素以外の成
分元素については特段の限定を行わなくても所望の効果
が得られるが、DI成形性等の観点からは必要以上に強
度レベルが高かったり或いは固溶Cが残留しているよう
な状態は好ましくなく、良好な2ピース電池缶の製造に
支障をきたすおそれがある。このため、鋼中の主要元素
に関しては以下ような範囲とすることが好ましい。
分元素については特段の限定を行わなくても所望の効果
が得られるが、DI成形性等の観点からは必要以上に強
度レベルが高かったり或いは固溶Cが残留しているよう
な状態は好ましくなく、良好な2ピース電池缶の製造に
支障をきたすおそれがある。このため、鋼中の主要元素
に関しては以下ような範囲とすることが好ましい。
【0023】C: Cは2ピース電池缶に要求される、
耐圧強度、パネル強度、座屈強度等の強度レベルを確保
する上で極めて重要な元素である。しかし、Cは0.0
2wt%を超える分については圧延方向に展伸した群落
状のセメンタイトとして析出し、また0.02wt%以
下の分については、焼鈍中にフェライト粒界或いはフェ
ライト粒内にセメンタイト(Fe3C)として析出する
ため、これらの炭化物と母相の界面が割れの起点となり
易い。特に連続焼鈍法で製造される鋼板は、通常の低炭
素鋼では固溶Cが残留し易く、歪時効性が問題となる。
また、箱焼鈍法によって鋼中の固溶Cを完全に析出させ
た場合でも、過剰なCはセメンタイトやパーライトの体
積率の増加をもたらし、素材の強度レベルを上昇させ
る。したがって、本発明の効果を最大限に発揮するため
には上記の観点からC量の上限を定めることが好しく、
C量の上限は下地鋼板が連続焼鈍材の場合には0.03
wt%(0%の場合を含む)、また、下地鋼板が箱焼鈍
材の場合には0.06wt%(0%の場合を含む)とす
ることが好ましい。
耐圧強度、パネル強度、座屈強度等の強度レベルを確保
する上で極めて重要な元素である。しかし、Cは0.0
2wt%を超える分については圧延方向に展伸した群落
状のセメンタイトとして析出し、また0.02wt%以
下の分については、焼鈍中にフェライト粒界或いはフェ
ライト粒内にセメンタイト(Fe3C)として析出する
ため、これらの炭化物と母相の界面が割れの起点となり
易い。特に連続焼鈍法で製造される鋼板は、通常の低炭
素鋼では固溶Cが残留し易く、歪時効性が問題となる。
また、箱焼鈍法によって鋼中の固溶Cを完全に析出させ
た場合でも、過剰なCはセメンタイトやパーライトの体
積率の増加をもたらし、素材の強度レベルを上昇させ
る。したがって、本発明の効果を最大限に発揮するため
には上記の観点からC量の上限を定めることが好しく、
C量の上限は下地鋼板が連続焼鈍材の場合には0.03
wt%(0%の場合を含む)、また、下地鋼板が箱焼鈍
材の場合には0.06wt%(0%の場合を含む)とす
ることが好ましい。
【0024】Si: Siが鋼板中に過剰に添加される
とNiめっき性が阻害されるため、Siは0.03wt
%以下(0%の場合を含む)とすることが好ましい。 Mn: Mnは、鋼中のSをMnSとして析出させるこ
とによってスラブの熱間割れを防止する効果があり、こ
のような観点からは鋼中に不可欠な元素である。しか
し、Mnは鋼の耐食性には必ずしも好ましい元素ではな
く、特に電池缶の耐食性を確保するという観点からは極
力少ない方が好ましい。このためMnは、Sを析出固定
するために最低限必要な0.1wt%を下限とし、一
方、耐食性およびNiめっき等のめっき性を確保すると
いう観点から0.3wt%を上限とすることが好まし
い。
とNiめっき性が阻害されるため、Siは0.03wt
%以下(0%の場合を含む)とすることが好ましい。 Mn: Mnは、鋼中のSをMnSとして析出させるこ
とによってスラブの熱間割れを防止する効果があり、こ
のような観点からは鋼中に不可欠な元素である。しか
し、Mnは鋼の耐食性には必ずしも好ましい元素ではな
く、特に電池缶の耐食性を確保するという観点からは極
力少ない方が好ましい。このためMnは、Sを析出固定
するために最低限必要な0.1wt%を下限とし、一
方、耐食性およびNiめっき等のめっき性を確保すると
いう観点から0.3wt%を上限とすることが好まし
い。
【0025】P: PはNiめっき等のめっき性の観点
からは極力少ない方が好ましいが、0.02wt%以下
の範囲であれば実用上の影響はなく、このためPは0.
02wt%以下(0%の場合を含む)とすることが好ま
しい。 S,O: 先に述べたようにS及びOは2ピース電池缶
用鋼板の組成において規制が必要とされる特に重要な元
素である。これらのうちSはMnSとして鋼中に存在
し、2ピース電池缶の製缶時におけるしごき割れの起点
になり易い。また、Oは鋼中で主としてAl2O3系介在
物として存在し(稀にCaO,MnO系介在物として残
留することがある)、こうした酸化物系介在物はMnS
とともにDI製缶時の割れを助長する。このため本発明
では、図1の結果に基づきS量及びO量を先に述べた範
囲に規定する。
からは極力少ない方が好ましいが、0.02wt%以下
の範囲であれば実用上の影響はなく、このためPは0.
02wt%以下(0%の場合を含む)とすることが好ま
しい。 S,O: 先に述べたようにS及びOは2ピース電池缶
用鋼板の組成において規制が必要とされる特に重要な元
素である。これらのうちSはMnSとして鋼中に存在
し、2ピース電池缶の製缶時におけるしごき割れの起点
になり易い。また、Oは鋼中で主としてAl2O3系介在
物として存在し(稀にCaO,MnO系介在物として残
留することがある)、こうした酸化物系介在物はMnS
とともにDI製缶時の割れを助長する。このため本発明
では、図1の結果に基づきS量及びO量を先に述べた範
囲に規定する。
【0026】sol.Al: sol.Alは鋼中Nを
AlNとして析出させることで、固溶Cと同じく動的歪
時効現象によって鋼板の局部延性を低下させる固溶Nに
よる弊害を軽減する。しかし、sol.Al量を高める
ために多量のAl添加を行うと微小なAl2O3介在物が
残留し易くなり、この介在物の存在によりDI製缶時の
割れが助長される結果となる。このためsol.Al量
は、鋼中NをAlNとして析出させるために最低限必要
な0.01wt%を下限とし、一方、2ピース電池缶の
製缶性を阻害しないため0.10wt%を上限とするこ
とが好ましい。 N: NはAlN、BNとして析出して無害化される傾
向にあるが、その含有量は製鋼技術上可能な限り少ない
方が好ましく、通常、0.004wt%以下(0%の場
合を含む)とすることが好ましい。
AlNとして析出させることで、固溶Cと同じく動的歪
時効現象によって鋼板の局部延性を低下させる固溶Nに
よる弊害を軽減する。しかし、sol.Al量を高める
ために多量のAl添加を行うと微小なAl2O3介在物が
残留し易くなり、この介在物の存在によりDI製缶時の
割れが助長される結果となる。このためsol.Al量
は、鋼中NをAlNとして析出させるために最低限必要
な0.01wt%を下限とし、一方、2ピース電池缶の
製缶性を阻害しないため0.10wt%を上限とするこ
とが好ましい。 N: NはAlN、BNとして析出して無害化される傾
向にあるが、その含有量は製鋼技術上可能な限り少ない
方が好ましく、通常、0.004wt%以下(0%の場
合を含む)とすることが好ましい。
【0027】本発明鋼板は2ピース電池缶に製缶した後
の耐食性を確保するため、通常、鋼板の両面にめっき層
および/または合金化めっき層等の耐食被覆層を形成し
て使用される。適用されるめっき層、合金化めっき層と
しては、耐食性を確保できるものであればその種類に特
別な制約はなく、単層または複層のめっき層および/ま
たはこのめっき層を熱拡散処理して得られた合金化めっ
き層を鋼板の両面に形成すればよい。
の耐食性を確保するため、通常、鋼板の両面にめっき層
および/または合金化めっき層等の耐食被覆層を形成し
て使用される。適用されるめっき層、合金化めっき層と
しては、耐食性を確保できるものであればその種類に特
別な制約はなく、単層または複層のめっき層および/ま
たはこのめっき層を熱拡散処理して得られた合金化めっ
き層を鋼板の両面に形成すればよい。
【0028】但し、特に優れた耐食性を得るためには、
少なくともNiめっき層またはFe−Ni合金化めっき
層を設けることが好ましい。Fe−Ni合金化めっき層
はNiめっき層を熱拡散処理して得られるもので、Ni
めっき層の全部を合金化(Fe−Ni)させたものでも
よいし、Niめっき層の下層側のみを合金化させたもの
でもよい。また、Fe−Ni合金化めっき層の上層にさ
らにNiめっき層を形成した複層構造としてもよい。い
ずれにしても、本発明の鋼板(下地鋼板)により付与さ
れる耐食性と複合化させることで特に優れた耐食性を確
保するためには、鋼板両面にそれぞれ、少なくとも1層
のNiめっき層および/またはFe−Ni合金化めっき
層を設けることが好ましい。また、Niめっき層および
/またはFe−Ni合金化めっき層の上層にSnめっき
層を設け、さらに耐食性を高めることもできる。また、
2ピース電池缶用鋼板である本発明鋼板はDI成形用途
に限定されるものではなく、絞り成形用途にも適用する
ことができる。
少なくともNiめっき層またはFe−Ni合金化めっき
層を設けることが好ましい。Fe−Ni合金化めっき層
はNiめっき層を熱拡散処理して得られるもので、Ni
めっき層の全部を合金化(Fe−Ni)させたものでも
よいし、Niめっき層の下層側のみを合金化させたもの
でもよい。また、Fe−Ni合金化めっき層の上層にさ
らにNiめっき層を形成した複層構造としてもよい。い
ずれにしても、本発明の鋼板(下地鋼板)により付与さ
れる耐食性と複合化させることで特に優れた耐食性を確
保するためには、鋼板両面にそれぞれ、少なくとも1層
のNiめっき層および/またはFe−Ni合金化めっき
層を設けることが好ましい。また、Niめっき層および
/またはFe−Ni合金化めっき層の上層にSnめっき
層を設け、さらに耐食性を高めることもできる。また、
2ピース電池缶用鋼板である本発明鋼板はDI成形用途
に限定されるものではなく、絞り成形用途にも適用する
ことができる。
【0029】
〔実施例1〕表1及び表2に示すNo.1〜No.20
の鋼を溶製後、連続鋳造し、得られた鋳片を1200℃
に加熱後、仕上温度:870℃、巻取温度:560℃で
熱間圧延して2.3mm厚の熱延鋼板とした。この熱延
鋼板を酸洗後、板厚0.5mmまたは0.4mmまで冷
間圧延し、引き続き箱焼鈍炉にて650℃で再結晶焼鈍
を行なった。焼鈍後の鋼板に調質圧延を行った後、Ni
めっき処理を施し、次いで650℃で熱拡散処理を行っ
た。これらの鋼板から円形ブランクを採取して円筒状に
深絞り成形した後、しごき加工によって側胴部の肉厚が
0.18〜0.08mmである2ピース電池缶相当の円
筒成形缶を製缶し、これら円筒成形缶について限界しご
き率、缶体の耐二次加工脆性、耳率、端子部の耐食性を
調べた。その結果を表3及び表4に示す。
の鋼を溶製後、連続鋳造し、得られた鋳片を1200℃
に加熱後、仕上温度:870℃、巻取温度:560℃で
熱間圧延して2.3mm厚の熱延鋼板とした。この熱延
鋼板を酸洗後、板厚0.5mmまたは0.4mmまで冷
間圧延し、引き続き箱焼鈍炉にて650℃で再結晶焼鈍
を行なった。焼鈍後の鋼板に調質圧延を行った後、Ni
めっき処理を施し、次いで650℃で熱拡散処理を行っ
た。これらの鋼板から円形ブランクを採取して円筒状に
深絞り成形した後、しごき加工によって側胴部の肉厚が
0.18〜0.08mmである2ピース電池缶相当の円
筒成形缶を製缶し、これら円筒成形缶について限界しご
き率、缶体の耐二次加工脆性、耳率、端子部の耐食性を
調べた。その結果を表3及び表4に示す。
【0030】なお、耐二次加工脆性は円筒成形缶の側胴
部を扁平に圧縮し、側胴部が脆性破壊することなく密着
可能であった限界しごき薄肉化率により評価した。ま
た、端子部の耐食性は、円筒成形缶を32℃、85%R
Hの環境に100時間保持したときの端子部の接触抵抗
値の増加の度合いにより評価した。表3及び表4によれ
ば、S、Oを所定の範囲に規制し、且つBを適量添加し
た本発明例は、限界しごき率が高く、耐二次加工脆性も
効果的に改善されているとともに、端子部の接触抵抗値
の増加の度合いが小さく、耐食性も効果的に改善されて
いることが判る。
部を扁平に圧縮し、側胴部が脆性破壊することなく密着
可能であった限界しごき薄肉化率により評価した。ま
た、端子部の耐食性は、円筒成形缶を32℃、85%R
Hの環境に100時間保持したときの端子部の接触抵抗
値の増加の度合いにより評価した。表3及び表4によれ
ば、S、Oを所定の範囲に規制し、且つBを適量添加し
た本発明例は、限界しごき率が高く、耐二次加工脆性も
効果的に改善されているとともに、端子部の接触抵抗値
の増加の度合いが小さく、耐食性も効果的に改善されて
いることが判る。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】〔実施例2〕表5に示すNo.21〜N
o.30の鋼を溶製後、連続鋳造し、得られた鋳片を1
200℃に加熱後、仕上温度:890℃、巻取温度:6
40℃で熱間圧延して2.3mm厚の熱延鋼板とした。
この熱延鋼板を酸洗後、板厚0.5mmまたは0.4m
mまで冷間圧延し、引き続き連続焼鈍炉にて720℃で
再結晶焼鈍を行なった。焼鈍後の鋼板に調質圧延を行っ
た後、Niめっき処理を施し、次いで650℃で熱拡散
処理を行った。これらの鋼板から円形ブランクを採取し
て円筒状に深絞り成形した後、しごき加工によって側胴
部の肉厚が0.18〜0.08mmの2ピース電池缶相
当の円筒成形缶を製缶し、これら円筒成形缶について限
界しごき率、缶体の耐二次加工脆性、耳率、端子部の耐
食性を調べた。その結果を表6に示す。なお、耐二次加
工脆性及び端子部の耐食性は実施例1と同様に評価し
た。表4によれば、S、Oを所定の範囲に規制し、且つ
Bを適量添加した本発明例は、限界しごき率が高く、耐
二次加工脆性も効果的に改善されているとともに、端子
部の接触抵抗値の増加の度合いが小さく、耐食性も効果
的に改善されていることが判る。
o.30の鋼を溶製後、連続鋳造し、得られた鋳片を1
200℃に加熱後、仕上温度:890℃、巻取温度:6
40℃で熱間圧延して2.3mm厚の熱延鋼板とした。
この熱延鋼板を酸洗後、板厚0.5mmまたは0.4m
mまで冷間圧延し、引き続き連続焼鈍炉にて720℃で
再結晶焼鈍を行なった。焼鈍後の鋼板に調質圧延を行っ
た後、Niめっき処理を施し、次いで650℃で熱拡散
処理を行った。これらの鋼板から円形ブランクを採取し
て円筒状に深絞り成形した後、しごき加工によって側胴
部の肉厚が0.18〜0.08mmの2ピース電池缶相
当の円筒成形缶を製缶し、これら円筒成形缶について限
界しごき率、缶体の耐二次加工脆性、耳率、端子部の耐
食性を調べた。その結果を表6に示す。なお、耐二次加
工脆性及び端子部の耐食性は実施例1と同様に評価し
た。表4によれば、S、Oを所定の範囲に規制し、且つ
Bを適量添加した本発明例は、限界しごき率が高く、耐
二次加工脆性も効果的に改善されているとともに、端子
部の接触抵抗値の増加の度合いが小さく、耐食性も効果
的に改善されていることが判る。
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】〔実施例3〕表7に示すNo.31〜N
o.40の鋼を溶製後、連続鋳造し、得られた鋳片を1
200℃に加熱後、仕上温度:870〜900℃、巻取
温度:560〜680℃で熱間圧延して2.0mm厚の
熱延鋼板とした。この熱延鋼板を酸洗後、板厚0.5m
mまで冷間圧延し、引き続き箱焼鈍炉の場合には650
℃で、また連続焼鈍炉の場合には720℃でそれぞれ再
結晶焼鈍を行なった。焼鈍後の鋼板に調質圧延を行った
後、Niめっき処理を施た。これらの鋼板から円形ブラ
ンクを採取して円筒状に深絞り成形した後、しごき加工
によって側胴部の肉厚が0.18〜0.08mmの2ピ
ース電池缶相当の円筒成形缶を製缶し、これら円筒成形
缶について限界しごき率、缶体の耐二次加工脆性、耳
率、端子部の耐食性を調べた。その結果を表8に示す。
なお、耐二次加工脆性及び端子部の耐食性は実施例1と
同様に評価した。表8によれば、S、Oを所定の範囲に
規制し、且つBを適量添加した本発明例は、限界しごき
率が高く、耐二次加工脆性も効果的に改善されていると
ともに、端子部の接触抵抗値の増加の度合いが小さく、
耐食性も効果的に改善されていることが判る。
o.40の鋼を溶製後、連続鋳造し、得られた鋳片を1
200℃に加熱後、仕上温度:870〜900℃、巻取
温度:560〜680℃で熱間圧延して2.0mm厚の
熱延鋼板とした。この熱延鋼板を酸洗後、板厚0.5m
mまで冷間圧延し、引き続き箱焼鈍炉の場合には650
℃で、また連続焼鈍炉の場合には720℃でそれぞれ再
結晶焼鈍を行なった。焼鈍後の鋼板に調質圧延を行った
後、Niめっき処理を施た。これらの鋼板から円形ブラ
ンクを採取して円筒状に深絞り成形した後、しごき加工
によって側胴部の肉厚が0.18〜0.08mmの2ピ
ース電池缶相当の円筒成形缶を製缶し、これら円筒成形
缶について限界しごき率、缶体の耐二次加工脆性、耳
率、端子部の耐食性を調べた。その結果を表8に示す。
なお、耐二次加工脆性及び端子部の耐食性は実施例1と
同様に評価した。表8によれば、S、Oを所定の範囲に
規制し、且つBを適量添加した本発明例は、限界しごき
率が高く、耐二次加工脆性も効果的に改善されていると
ともに、端子部の接触抵抗値の増加の度合いが小さく、
耐食性も効果的に改善されていることが判る。
【0039】
【表7】
【0040】
【表8】
【0041】
【発明の効果】以上述べた本発明の2ピース電池缶用鋼
板によれば、DI成形によって2ピース電池缶に製缶す
る際に、側胴部の薄肉化に対応できる良好な成形加工性
を有するとともに、缶体に加工された状態で高い缶体強
度と優れた耐二次加工脆性を有し、しかも優れた耐食性
を有している。特に、2ピース電池缶の側胴部が従来水
準に較べて更に薄肉化した場合でもフランジ割れやしご
き割れを生じることがなく、しかも高度の缶体強度と優
れた耐二次加工脆性及び端子エンボス加工部等の耐食性
を得ることができる。
板によれば、DI成形によって2ピース電池缶に製缶す
る際に、側胴部の薄肉化に対応できる良好な成形加工性
を有するとともに、缶体に加工された状態で高い缶体強
度と優れた耐二次加工脆性を有し、しかも優れた耐食性
を有している。特に、2ピース電池缶の側胴部が従来水
準に較べて更に薄肉化した場合でもフランジ割れやしご
き割れを生じることがなく、しかも高度の缶体強度と優
れた耐二次加工脆性及び端子エンボス加工部等の耐食性
を得ることができる。
【図1】2ピース電池缶用鋼板をDI成形した際の、し
ごき加工における限界しごき率と鋼板のS量及びO量と
の関係を示すグラフ
ごき加工における限界しごき率と鋼板のS量及びO量と
の関係を示すグラフ
【図2】2ピース電池缶用鋼板をDI成形して製造され
た円筒成形缶について、その側胴部を扁平に圧縮し、脆
性破壊することなく側胴部が密着可能であったしごき薄
肉化率と鋼板のB添加量との関係を示すグラフ
た円筒成形缶について、その側胴部を扁平に圧縮し、脆
性破壊することなく側胴部が密着可能であったしごき薄
肉化率と鋼板のB添加量との関係を示すグラフ
【図3】2ピース電池缶用鋼板の限界絞り比及び絞り
比:1.9でカップ成形したときの耳率と鋼板中のB/
Nとの関係を示すグラフ
比:1.9でカップ成形したときの耳率と鋼板中のB/
Nとの関係を示すグラフ
【図4】2ピース電池缶用鋼板をDI成形して製造され
た円筒成形缶について、接触抵抗値の増加の度合いより
評価される端子部の耐食性と鋼板中のB添加量との関係
を示すグラフ
た円筒成形缶について、接触抵抗値の増加の度合いより
評価される端子部の耐食性と鋼板中のB添加量との関係
を示すグラフ
【図5】2ピース電池缶用鋼板をDI成形して製造され
た円筒成形缶について、接触抵抗値の増加の度合いより
評価される端子部の耐食性と鋼板中のNi,Cr添加量
との関係を示すグラフ
た円筒成形缶について、接触抵抗値の増加の度合いより
評価される端子部の耐食性と鋼板中のNi,Cr添加量
との関係を示すグラフ
フロントページの続き (72)発明者 粟屋 敬 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 古屋 博英 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 Bを0.0005〜0.0015wt%
で且つ0.2≦B/N≦1.0を満足する範囲で含有
し、SとO(但し、O:全酸素含有量)をS:0.00
5〜0.015wt%、O:0〜0.0025wt%、
[S/10+O]≦0.0035(wt%)を満足する
範囲で含有する、耐二次加工脆性と耐食性の優れた2ピ
ース電池缶用鋼板。 - 【請求項2】 Bを0.0005〜0.0015wt%
で且つ0.2≦B/N≦1.0を満足する範囲で含有
し、SとO(但し、O:全酸素含有量)をS:0.00
5〜0.012wt%、O:0〜0.0025wt%、
[S/10+O]≦0.0030(wt%)を満足する
範囲で含有する、耐二次加工脆性と耐食性の優れた2ピ
ース電池缶用鋼板。 - 【請求項3】 Cr:0.03〜0.10wt%、N
i:0.01〜0.10wt%の1種または2種を合計
で0.10wt%以下の範囲で含有する、請求項1また
は2に記載の耐二次加工脆性と耐食性の優れた2ピース
電池缶用鋼板。 - 【請求項4】 請求項1、2または3に記載の鋼板の両
面に、少なくともNiめっき層またはFe−Ni合金化
めっき層を有する耐二次加工脆性と耐食性の優れた2ピ
ース電池缶用鋼板。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8048147A JPH09209083A (ja) | 1996-02-08 | 1996-02-08 | 耐二次加工脆性と耐食性の優れた2ピース電池缶用鋼板 |
US08/913,642 US6126759A (en) | 1996-02-08 | 1997-02-07 | Steel sheet for 2-piece battery can having excellent formability, anti secondary work embrittlement and corrosion resistance |
AU16706/97A AU721071B2 (en) | 1996-02-08 | 1997-02-07 | Steel sheet for 2 piece battery can having excellent formability, anti secondary work embrittlement and corrosion resistance |
EP97902627A EP0822266B2 (en) | 1996-02-08 | 1997-02-07 | Steel sheet for two-piece battery can excellent in moldability, secondary work embrittlement resistance, and corrosion resistance |
CN97190317A CN1089376C (zh) | 1996-02-08 | 1997-02-07 | 成形加工性、耐二次加工脆性和耐蚀性优异的两件组合式电池壳用钢板 |
DE69708224T DE69708224T3 (de) | 1996-02-08 | 1997-02-07 | Stahlblech mit hervorragender formbarkeit, weiterverarbeitungsversprödungswiderstand und rostbeständigkeit für zweiteiliges batteriegehäuse |
PCT/JP1997/000327 WO1997029217A1 (en) | 1996-02-08 | 1997-02-07 | Steel sheet for two-piece battery can excellent in moldability, secondary work embrittlement resistance, and corrosion resistance |
KR1019970707086A KR100293169B1 (ko) | 1996-02-08 | 1997-02-07 | 성형가공성,내이차 가공취성 및내식성이 우수한 2피스 전지캔용강판 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8048147A JPH09209083A (ja) | 1996-02-08 | 1996-02-08 | 耐二次加工脆性と耐食性の優れた2ピース電池缶用鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09209083A true JPH09209083A (ja) | 1997-08-12 |
Family
ID=12795260
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8048147A Pending JPH09209083A (ja) | 1996-02-08 | 1996-02-08 | 耐二次加工脆性と耐食性の優れた2ピース電池缶用鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09209083A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102041343A (zh) * | 2010-12-29 | 2011-05-04 | 山西太钢不锈钢股份有限公司 | 一种降低钢中溶解氧含量的方法 |
JP2015514159A (ja) * | 2012-03-30 | 2015-05-18 | タタ、スティール、アイモイデン、ベスローテン、フェンノートシャップTata Steel Ijmuiden Bv | 包装用途向けの回復焼鈍被覆スチール基材の製造方法及びそれによって製造された包装スチール製品 |
-
1996
- 1996-02-08 JP JP8048147A patent/JPH09209083A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102041343A (zh) * | 2010-12-29 | 2011-05-04 | 山西太钢不锈钢股份有限公司 | 一种降低钢中溶解氧含量的方法 |
JP2015514159A (ja) * | 2012-03-30 | 2015-05-18 | タタ、スティール、アイモイデン、ベスローテン、フェンノートシャップTata Steel Ijmuiden Bv | 包装用途向けの回復焼鈍被覆スチール基材の製造方法及びそれによって製造された包装スチール製品 |
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