JPH09208687A - 一酸化炭素−エチレン−オレフィン共重合体の製造方法 - Google Patents

一酸化炭素−エチレン−オレフィン共重合体の製造方法

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JPH09208687A
JPH09208687A JP1412296A JP1412296A JPH09208687A JP H09208687 A JPH09208687 A JP H09208687A JP 1412296 A JP1412296 A JP 1412296A JP 1412296 A JP1412296 A JP 1412296A JP H09208687 A JPH09208687 A JP H09208687A
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ethylene
carbon monoxide
ligand
olefin
complex
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JP1412296A
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Kenji Nagaoka
健二 長岡
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量の触媒を用いて短時間の内に十分高分子
量の一酸化炭素−エチレン−オレフィン共重合体である
ポリケトンを収率よく製造する方法を提供すること。 【解決手段】 一般式 [PdL1 m 2 n p 3 t ・・・〔1〕 (式中、L1 はPdに配位できるリン原子を2個以上有
するリン二座配位子、L 2 はリン二座配位子以外の中性
配位子、L3 はClO4 またはSbF6 を表す。m、p
およびtは1または2であり、nは0〜2の整数を表
す。)で表されるパラジウム錯体の存在下に、一酸化炭
素、エチレンおよび炭素数3以上のオレフィンを共重合
させる、一酸化炭素−エチレン−オレフィン共重合体の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリケトンの製造方
法に関する。更に詳しくは特定の触媒の存在下に一酸化
炭素、エチレンおよびオレフィンとを共重合させて高分
子量の一酸化炭素−エチレン−オレフィン共重合体であ
るポリケトンを効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一酸化炭素(CO)とエチレン性不飽和
化合物との共重合体、特に一酸化炭素由来の繰り返し単
位とエチレン性不飽和化合物由来の繰り返し単位が実質
的に交互に連結した構造のポリケトンは優れた機械的性
質および熱的性質を備えており、経済性の優れたエンジ
ニアリングプラスチックとして、多方面への応用が期待
されている。
【0003】かかるポリケトンの製造法としては各種の
ものが知られており、例えば米国特許第3,984,3
88号にはシアン化ニッケル又はニッケル錯塩を触媒に
用いてヘキサフルオロイソプロパノール等の溶媒中でC
Oとα−オレフィンとを共重合させる方法が、米国特許
第3,689,460号明細書にはアセトニトリル等の
溶媒中でテトラキストリアリールホスフィンパラジウム
を触媒に用いる方法が、ヨーロッパ特許出願公告第47
0,759号明細書にはトルエン等の溶媒中でニッケル
化合物と2−メルカプト安息香酸等の二座配位子から成
る触媒を用いる方法がそれぞれ開示されている。しか
し、これらの方法においては触媒当りのポリケトンの収
量が低いという問題があった。
【0004】この点が改良された方法として、特公平5
−87527号公報、ヨーロッパ特許出願公告第22
2,454号明細書、米国特許第4,935,396号
明細書等にはメタノール等の溶媒中でパラジウム等の第
10族金属源とリンの二座配位子と酸の陰イオンから成
る触媒を用いる方法が開示されており、また特開平5−
202185号公報にはこれらの触媒を気相重合に適用
した方法も開示されている。これらの方法は、COとエ
チレンとの共重合体である基本的なポリケトンの製造に
適用された場合には、実用的な分子量のポリケトンを実
用的な重合速度で与えるという点で優れた方法である
が、ポリケトンの加工性改良の要請等から企図される第
3のモノマーを加えたCO−エチレン−オレフィン共重
合体の製造に適用しようとした場合、実用的に十分高い
分子量のポリケトンを実用的な重合速度で得ることがで
きないという問題を抱えている。
【0005】ヨーロッパ特許出願公告第239,145
号明細書、同第245,893号明細書等には助触媒と
してキノン、有機酸化剤あるいは芳香族ニトロ化合物を
用いる方法が開示されており、また特開平6−9775
号公報、特開平6−9776号公報には銅や銀等の第1
1族金属の塩と二座配位子と酸化剤あるいは有機酸とか
ら成る触媒を用いる方法も開示されているが、これらの
方法にあってもCO−エチレン−オレフィン系ポリケト
ンについての上記問題は解決されていない。
【0006】このように、CO−エチレン−オレフィン
共重合体であるポリケトンについては、現在のところま
だ工業的に満足な製造方法は見つかっていないというの
が実状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものである。即ち、本発明の課題は少量の
触媒を用いて短時間の内に十分高分子量の一酸化炭素−
エチレン−オレフィン共重合体であるポリケトンを収率
よく製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、パラジウムとリン二座配位子と強酸のア
ニオンを含む触媒を用いる方法に基礎を置く、一酸化炭
素とエチレンとオレフィンからのポリケトンの製造法に
ついて鋭意研究を重ねた結果、特定のパラジウム錯体を
用いた場合に上記目的が達せられることを見い出し本発
明を完成するに至った。
【0009】即ち本発明は、一般式 [PdL1 m 2 n p 3 t ・・・〔1〕 (式中、L1 はPdに配位できるリン原子を2個以上有
するリン二座配位子、L 2 はリン二座配位子以外の中性
配位子、L3 はClO4 またはSbF6 を表す。m、p
およびtは1または2であり、nは0〜2の整数を表
す。)で表されるパラジウム錯体の存在下に、一酸化炭
素、エチレンおよび炭素数3以上のオレフィンを共重合
させる、一酸化炭素−エチレン−オレフィン共重合体の
製造方法に係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。
【0011】本発明でいうパラジウム錯体は、次の一般
式〔1〕で表される。 [PdL1 m 2 n p 3 t ・・・〔1〕 (式中、L1 はPdに配位できるリン原子を2個以上有
するリン二座配位子、L 2 はリン二座配位子以外の中性
配位子、L3 はClO4 またはSbF6 を表す。m、p
およびtは1または2であり、nは0〜2の整数を表
す。)
【0012】一般式〔1〕におけるL1 はPdに配位で
きるリン原子を2個以上有するリン二座配位子であり、
その例としては、一般式 R1 2 P−R5 −PR3 4 〔2〕 (式中、R5 は2価の有機基を表す。R1 ,R2 ,R3
およびR4 は同一か又は異なる1価の有機基を表し、R
1 とR2 およびR3 とR4 はそれぞれ環を形成してもよ
い。)で表されるリンニ座配位子を挙げることができ
る。
【0013】R5 の2価の有機基としては、例えば炭素
原子数1〜10のアルキレン基、シクロアルキレン基な
どが挙げられ、特に好ましくは1,3−プロピレン基で
ある。R1 〜R4 の1価の有機基としては、例えば炭素
原子数1〜20のアルキル基、アリール基、シクロアル
キル基などが挙げられ、特に好ましくは置換または未置
換のアリール基である。
【0014】かかるリン二座配位子の例としては1,2
−ビス(ジフェニルホスフィノ)シクロヘキサン、1,
3−ビス(ジ−n−ブチルホスフィノ)プロパン、1,
3−ビス(ジ−2−プロピルホスフィノ)プロパン、
1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,
3−ビス〔ビス(2−メトキシフェニル)ホスフィノ〕
プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタ
ン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセ
ン、2,2−ジメチル−1,3−ビス〔ジ(2−メトキ
シフェニル)ホスフィノ〕−2−シラプロパン、1,4
−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン、1,2
−ビス(ジフェニルホスフィノオキシ)エタン等を挙げ
ることができる。最も好ましいリン二座配位子は1,3
−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(以下、dp
ppと称す)である。
【0015】一般式〔1〕におけるL2 は、リン二座配
位子以外の中性配位子であり、例としては、水、メタノ
ール、エタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン(以下thfと称す)、アセトン、酢酸メチル等の
酸素一座配位子;ピリジン等の窒素の一座配位子;トリ
エチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリナフ
チルホスフィン等のリン一座配位子;トリフェニルアル
シン等の砒素一座配位子;トリフェニルアンチモニイ等
のアンチモン一座配位子;エチレングリコール、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、μ−OH、μ−OCH
3 等の酸素二座配位子;2,2’−ビピリジル、4,
4’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、2,2’−ビ
−4−ピコリン、2,2’−ビキノリン等の窒素ニ座配
位子等を挙げることができる。好ましいL2 は一座配位
子であり、より好ましいL2 は酸素一座配位子である。
【0016】一般式〔1〕におけるL3 は、ClO4
たはSbF6 であり、好ましくはClO4 である。一般
式〔1〕におけるmは、1または2であり、1が好まし
い。またnは、0〜2の整数であり、1または2が好ま
しい。pは、1または2であり1が好ましい。tは、1
または2であり2が好ましい。
【0017】一般式〔1〕で表されるパラジウム錯体の
具体例としてはPd(dppp)(H2 O)2 (ClO
4 2 、Pd(dppp)(H2 O)(ClO4 2
Pd(dppp)(CH3 OH)2 (ClO4 2 、P
d(dppp)(thf)2(ClO4 2 、Pd(d
ppp)(H2 O)2 (SbF6 2 、Pd(dpp
p)(H2 O)(SbF6 2 、Pd(dppp)(C
3 OH)2 (SbF62 、Pd(dppp)(th
f)2 (SbF6 2 等を挙げることができる。好まし
くはClO4 を含有するパラジウム錯体である。
【0018】かかるパラジウム錯体は公知の各種の方法
によって製造することができる。それらは、例えば、ニ
トロメタン等の有機極性溶媒中でハロゲン化パラジウム
または各種の配位子が配位したハロゲン化パラジウム錯
体とリン二座配位子とAgClO4 またはAgSbF6
とを反応せしめる方法、メタノール等の有機極性溶媒中
で酢酸パラジウム等のパラジウム塩をリン二座配位子と
反応せしめた後、過塩素酸または六ふっ化アンチモン酸
と接触せしめる方法等である。本発明の実施に当って該
パラジウム錯体は単離された固体として使用されてもよ
いし、適当な溶媒に溶けた溶液として使用されてもよ
い。また、上記反応を重合反応器中で行い、反応混合物
をそのまま重合に供してもよい。
【0019】本発明におけるオレフィンとは炭素数3以
上の不飽和炭化水素のことであり、その例としてはプロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4
−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、
1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、
ビニルシクロヘキサン等のα−オレフィン;2−ブテ
ン、2−ヘキセン等の内部オレフィン;スチレン、α−
メチルスチレン等のアルケニル芳香族化合物;シクロペ
ンテン、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−
フェニルノルボルネン、テトラシクロドデセン、トリシ
クロデセン、トリシクロウンデセン、ペンタシクロペン
タデセン、ペンタシクロヘキサデセン、8−エチルテト
ラシクロドデセン等の環状オレフィン等を挙げることが
できる。これらのオレフィンは単独または複数種の混合
物として用いられる。これらの中で好ましいオレフィン
はα−オレフィンであり、更に好ましいオレフィンは炭
素数が3〜8のα−オレフィンである。最も好ましいオ
レフィンはプロピレンである。
【0020】本発明方法の実施に当たって、重合法とし
てはバッチ式または連続式の気相重合法あるいは液状媒
体を使用する溶液重合法またはスラリー重合法といった
各種の方法を採用することができる。
【0021】本発明において使用できる液状媒体の例と
してはベンゼン、トルエン等の炭化水素類;メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサフ
ルオロイソプロパノール、エチレングリコール等のアル
コール類;m−クレゾール等のフェノール類;アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフ
ラン、ジグライム等のエーテル類;アセトニトリル等の
ニトリル類;塩化メチレン、二塩化エチレン等のハロゲ
ン化炭化水素等を挙げることができる。好ましい有機溶
媒はアルコール類であり、更に好ましくはメタノールで
ある。
【0022】本発明におけるオレフィンの使用割合は用
いるオレフィンの種類や目的とする一酸化炭素−エチレ
ン−オレフィン共重合体の性質に応じて、簡単な予備実
験等の手段を用いて決められる。その割合は一般的には
エチレンの量基準で5〜500mol%、好ましくは1
0〜200mol%、である。オレフィンが5mol%
より少ない場合には実質的に、低められた融点等、オレ
フィンが共重合された好ましい性質を備えた共重合体が
得られないので好ましくなく、また500mol%より
多い場合には機械的性質の劣る共重合体しか得られない
ので好ましくない。
【0023】一酸化炭素の使用割合は通常エチレンとオ
レフィンの合計量基準で20〜200モル%、好ましく
は約50〜150モル%である。
【0024】本発明における上記パラジウム錯体の使用
量は選ばれるオレフィンの種類や他の重合条件によって
その好適な値が異なるため、一概にその範囲を定めるこ
とはできないが、通常、反応帯域の容量1リットル当り
0.0001〜100ミリモル、好ましくは0.001
〜10ミリモルである。ここに反応帯域の容量とは、液
状媒体を用いる場合には反応器の液相の容量を指し、オ
レフィン以外の液状媒体を用いない気相重合法を採用し
た場合には反応器そのものの容量を指すものとする。
【0025】上記パラジウム錯体以外に各種の酸または
その塩;キノン類、ニトロソニウムテトラフルオロボレ
ート等の有機または無機の酸化剤等を反応系に存在せし
めることは何ら構わない。
【0026】重合温度については特に制限はなく、一般
に40〜180℃、好ましくは50〜120℃が採用さ
れる。また、圧力についても制限はないが、一般に常圧
〜200バール、好ましくは10〜100バールで実施
される。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例によりその範囲を限定され
るものではない。
【0028】なお、実施例中における[η]とは、m−
クレゾールを溶媒として60℃で測定した極限粘度のこ
とである。また、フィルムとは樹脂粉末をアルミ箔の間
に挟んで、温度250℃、圧力100kg/cm2 を1
0分間加えるプレス成形によって得たプレスフィルムの
ことである。融点は窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速
度でDSCによって測定した。
【0029】参考例1 文献〔Inorganica Chimica Act
a 233(1995)5−9〕に準じてPd(dpp
p)(H2 O)(TsO)2 (但し、dpppは1,3
−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、TsOはp
−CH3 6 4 SO3 を表すものとする。)を合成し
た。即ち、200ml容のビーカーにメタノール100
ml、酢酸パラジウム1ミリモルおよび1,3−ビス
(ジフェニルホスフィノ)プロパン1.05ミリモルを
とり、室温で1時間撹拌し均一な溶液となした。次い
で、ここへp−トルエンスルホン酸一水和物2.1ミリ
モルを加えて更に1時間撹拌した。得られた黄色溶液か
らメタノールを減圧下に留去し粘稠な黄色液体を得た。
これをヘキサンで処理し目的の結晶を得た。該結晶をP
d錯体−Aとする。
【0030】参考例2 p−トルエンスルホン酸一水和物を過塩素酸(HClO
4 :60%水溶液)に変えた以外は参考例1と同様に操
作し、淡黄色結晶を得た。元素分析およびNMR測定の
結果から該結晶をPd(dppp)(H2 O)(ClO
4)2 と推定した。これをPd錯体−Bとする。
【0031】参考例3 p−トルエンスルホン酸一水和物を六フッ化アンチモン
酸(HSbF6 :65%水溶液)に変えた以外は参考例
1と同様に操作し、Pd(dppp)(H2 O)(Sb
6)2 と推定される茶褐色固体を得た。これをPd錯体
−Cとする。
【0032】参考例4 p−トルエンスルホン酸一水和物をほうふっ化水素酸
(HBF4 :42%水溶液)に変えた以外は参考例1と
同様に操作し、Pd(dppp)(H2 O)(BF4)2
と推定される灰緑色固体を得た。これをPd錯体−Dと
する。
【0033】参考例5 窒素雰囲気下にある遮光した50mlフラスコ中に塩化
パラジウムベンゾニトリル錯体(PdCl2(C6 5
N)2) 0.5ミリモル、過塩素酸銀1.05ミリモルお
よびニトロメタン15mlをとり、室温で30分撹拌し
た。次いで、ここへ1,3−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)プロパン0.55ミリモルを加え、更に2時間撹拌
を続けた。濾過によって析出した塩化銀を除去した溶液
から減圧下にニトロメタンを留去し、湿潤固体を得た。
これをジエチルエーテルで処理し、Pd(dppp)
(ClO4)2 と推定される淡橙色の結晶を得た。これを
Pd錯体−Eとする。
【0034】参考例6 50ml容のビーカーにメタノール20ml、酢酸パラ
ジウム50μmolおよび1,3−ビス(ジフェニルホ
スフィノ)プロパン60μmolをとり、室温で20分
撹拌し均一な溶液となした。次いで、ここへ過塩素酸
(60%水溶液)200μmolを加えて更に10分撹
拌した。得られた溶液を溶液−Bとする。
【0035】参考例7 過塩素酸を六ふっ化アンチモン酸(65%水溶液)に変
えた以外は参考例6とと同様に操作し、溶液を得た。こ
れを溶液−Cとする。
【0036】参考例8 過塩素酸をトリフルオロメタンスルホン酸に変えた以外
は参考例6と同様に操作し、溶液を得た。これを溶液−
Fとする。
【0037】参考例9 過塩素酸をトリフルオロ酢酸に変えた以外は参考例6と
同様に操作し、溶液を得た。これを溶液−Gとする。
【0038】実施例1 窒素置換したステンレス製100ml容オートクレーブ
に参考例2で得られたPd錯体−B 2.5μmolお
よびメタノール25mlおよびプロピレン2.1gを装
入した。オートクレーブを密閉後、内容物を撹拌しなが
ら加温し、内温が65℃に達した時点で一酸化炭素とエ
チレンの60/40(モル/モル)混合気体をオートク
レーブ内圧が48バールになるまで加えた。内温を75
℃、内圧を48バールに保ちながら、30分間撹拌を続
けた。冷却後、オートクレーブ内気体を放出し、内容物
を取り出した。これから濾過、メタノールによる洗浄お
よび減圧乾燥を経て、融点が236℃である重合体0.
94g(触媒当りの重合速度として751kg/mol
−Pd・hrに相当)を得た。13C−NMRおよびIR
の結果から該重合体が実質的に−CO−C2 4 −単位
と−CO−C3 6−単位から成る一酸化炭素−エチレ
ン−プロピレン共重合体であることが確かめられた。該
重合体の[η]は1.94dl/gという高い値であ
り、フィルムは可撓性を有していた。
【0039】実施例2 実施例1におけるPd錯体−Bを参考例3で得られたP
d錯体−Cに変えた以外は実施例1と同様に操作したと
ころ、融点が235℃である一酸化炭素−エチレン−プ
ロピレン共重合体が0.62gの収量(触媒当りの重合
速度として496kg/mol−Pd・hrに相当)で
得られた。該共重合体の[η]は2.30dl/gとい
う高い値であった。
【0040】実施例3 実施例1におけるPd錯体−Bを参考例5で得られたP
d錯体−Eに変えた以外は実施例1と同様に操作したと
ころ、融点が236℃である一酸化炭素−エチレン−プ
ロピレン共重合体が0.84gの収量(触媒当りの重合
速度として672kg/mol−Pd・hrに相当)で
得られた。該共重合体の[η]は1.62dl/gとい
う高い値であった。
【0041】比較例1 実施例1におけるPd錯体−Bを参考例1で得られたP
d錯体−Aに変えた以外は実施例1と同様に操作したと
ころ、融点が236℃である一酸化炭素−エチレン−プ
ロピレン共重合体が0.63gの収量(触媒当りの重合
速度として508kg/mol−Pd・hrに相当)で
得られた。該共重合体の[η]は0.70dl/gとい
う低い値であり、フィルムは脆かった。
【0042】比較例2 実施例1におけるPd錯体−Bを参考例4で得られたP
d錯体−Dに変えた以外は実施例1と同様に操作したと
ころ、僅かに0.09gの重合体が得られるのみであっ
た。この収量は触媒当りの重合速度として72kg/m
ol−Pd・hrという低い値に相当する。
【0043】実施例4 実施例1におけるプロピレン2.1gをヘキセン−1の
4.2gに変えた以外は実施例1と同様に操作したとこ
ろ、融点が245℃である一酸化炭素−エチレン−ヘキ
セン共重合体が0.50gの収量(触媒当りの重合速度
として398kg/mol−Pd・hrに相当)で得ら
れた。該共重合体の[η]は1.56dl/gという高
い値であった。
【0044】実施例5 実施例1におけるPd錯体−Bの代わりに参考例6で得
た溶液−Bの1ml(Pdとして2.5μmol)を使
用した以外は実施例1と同様に操作したところ、融点が
235℃である一酸化炭素−エチレン−プロピレン共重
合体が1.03gの収量(触媒当りの重合速度として8
24kg/mol−Pd・hrに相当)で得られた。該
共重合体の[η]は1.80dl/gという高い値であ
った。
【0045】実施例6 実施例5における溶液−Bを参考例7で得た溶液−Cに
変え、プロピレン2.1gをブテン−1の2.8gに変
えた以外は実施例5と同様に操作したところ、融点が2
47℃である一酸化炭素−エチレン−ブテン共重合体が
0.52gの収量(触媒当りの重合速度として415k
g/mol−Pd・hrに相当)で得られた。該共重合
体の[η]は1.91dl/gという高い値であった。
【0046】比較例3 実施例5における溶液−Bを参考例8で得た溶液−Fに
変えた以外は実施例5と同様に操作したところ、融点が
235℃である一酸化炭素−エチレン−プロピレン共重
合体が1.00gの収量(触媒当りの重合速度として8
03kg/mol−Pd・hrに相当)で得られた。該
共重合体の[η]は0.63dl/gという低い値であ
り、フィルムは脆かった。
【0047】比較例4 実施例5における溶液−Bを参考例9で得た溶液−Gに
変えた以外は実施例5と同様に操作したところ、融点が
230℃である一酸化炭素−エチレン−プロピレン共重
合体が0.35gの収量(触媒当りの重合速度として2
84kg/mol−Pd・hrに相当)で得られた。該
共重合体の[η]は0.28dl/gという低い値であ
り、フィルムは自己支持性を有さなかった。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の方法によ
れば一酸化炭素という安価な原料から有用なポリケトン
を極めて効率的に生産できるのであり、その工業的価値
は頗る大である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 [PdL1 m 2 n p 3 t ・・・〔1〕 (式中、L1 はPdに配位できるリン原子を2個以上有
    するリン二座配位子、L 2 はリン二座配位子以外の中性
    配位子、L3 はClO4 またはSbF6 を表す。m、p
    およびtは1または2であり、nは0〜2の整数を表
    す。)で表されるパラジウム錯体の存在下に、一酸化炭
    素、エチレンおよび炭素数3以上のオレフィンを共重合
    させることを特徴とする一酸化炭素−エチレン−オレフ
    ィン共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】L1 が、一般式 R1 2 P−R5 −PR3 4 ・・・〔2〕 (式中、R5 は2価の有機基を表す。R1 、R2 、R3
    およびR4 は同一か又は異なる1価の有機基を表し、R
    1 とR2 およびR3 とR4 はそれぞれ環を形成してもよ
    い。)で表されるリンニ座配位子であることを特徴とす
    る請求項1記載の一酸化炭素−エチレン−オレフィン共
    重合体の製造方法。
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