JPH0920695A - テトラフルオロメタンの製造方法 - Google Patents
テトラフルオロメタンの製造方法Info
- Publication number
- JPH0920695A JPH0920695A JP17002795A JP17002795A JPH0920695A JP H0920695 A JPH0920695 A JP H0920695A JP 17002795 A JP17002795 A JP 17002795A JP 17002795 A JP17002795 A JP 17002795A JP H0920695 A JPH0920695 A JP H0920695A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydrogen
- reaction
- moles
- halogenated methane
- containing halogenated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 入手し易い原料を用いてテトラフルオロメタ
ンを簡易に製造することができる製法を得る。 【解決手段】 一般式、CHxClyFz (式中、x、
y、zはそれぞれ、1≦x≦3、0≦y≦3、0≦z≦
2であり、かつx+y+z=4を充す整数である)で表
される含水素ハロゲン化メタンとCl2 とHFとを反応
させる。
ンを簡易に製造することができる製法を得る。 【解決手段】 一般式、CHxClyFz (式中、x、
y、zはそれぞれ、1≦x≦3、0≦y≦3、0≦z≦
2であり、かつx+y+z=4を充す整数である)で表
される含水素ハロゲン化メタンとCl2 とHFとを反応
させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含水素ハロゲン化
メタンとCl2 とHFとを1段で反応させてテトラフル
オロメタンを製造するテトラフルオロメタンの製造方法
に関する。
メタンとCl2 とHFとを1段で反応させてテトラフル
オロメタンを製造するテトラフルオロメタンの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】テトラフルオロメタン(以下、「FC−
14」という)は、例えば半導体のドライエッチング用
などとして用いられている。このFC−14の製造に関
しては、従来から種々の方法が提案されている。その例
を挙げれば、例えばクロロトリフルオロメタン(CCl
F3 )を触媒の存在下にHFと反応させる方法(特公昭
62−10211号公報)、ジクロロジフルオロメタン
(CCl2F2 )を触媒の存在下にHFと反応させる方
法(特公昭42−3004号公報)、四塩化炭素(CC
l4 )をHFと反応させる方法(特公昭43−1060
1号公報)、トリフルオロメタン(CHF3 )をF2 と
反応させる方法(特開昭50−122480号公報)な
どである。
14」という)は、例えば半導体のドライエッチング用
などとして用いられている。このFC−14の製造に関
しては、従来から種々の方法が提案されている。その例
を挙げれば、例えばクロロトリフルオロメタン(CCl
F3 )を触媒の存在下にHFと反応させる方法(特公昭
62−10211号公報)、ジクロロジフルオロメタン
(CCl2F2 )を触媒の存在下にHFと反応させる方
法(特公昭42−3004号公報)、四塩化炭素(CC
l4 )をHFと反応させる方法(特公昭43−1060
1号公報)、トリフルオロメタン(CHF3 )をF2 と
反応させる方法(特開昭50−122480号公報)な
どである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし近年になって、
ある種のクロロフルオロカーボン類についてオゾン層破
壊など地球環境への影響が懸念されるようになり、上記
のクロロフルオロメタン類もFC−14の製造原料とし
て用いることが困難になってきている。また四塩化炭素
を出発原料とする方法も将来的に問題がある。トリフル
オロメタン(CHF3 )をF2 と反応させる方法につい
ては、原料のトリフルオロメタンが高価であるばかりで
なく、反応剤としてHFではなくF2 を用いる点で装置
設備も高価なものとなる。これらの製造方法は、いずれ
も出発原料が限定されているので、社会的な状況によっ
て原料転換を余儀なくされた場合には採用不可能にな
る。
ある種のクロロフルオロカーボン類についてオゾン層破
壊など地球環境への影響が懸念されるようになり、上記
のクロロフルオロメタン類もFC−14の製造原料とし
て用いることが困難になってきている。また四塩化炭素
を出発原料とする方法も将来的に問題がある。トリフル
オロメタン(CHF3 )をF2 と反応させる方法につい
ては、原料のトリフルオロメタンが高価であるばかりで
なく、反応剤としてHFではなくF2 を用いる点で装置
設備も高価なものとなる。これらの製造方法は、いずれ
も出発原料が限定されているので、社会的な状況によっ
て原料転換を余儀なくされた場合には採用不可能にな
る。
【0004】上記のFC−14の製造方法とは別に、メ
タン(CH4 )とCl2 とHFとを反応させて含フッ素
C1 化合物を製造する方法が知られている(例えば特公
昭43−29563号公報、特開昭50−103490
号公報)。しかし、これらの含フッ素化合物の製造方法
では、FC−14はほとんど生成しないかまたは生成し
ても微量であり、FC−14の製造方法として採用でき
るものではない。本発明は上記の課題を解決するために
なされたものであり、従ってその目的は、出発原料とし
てクロロフルオロカーボン類や四塩化炭素を用いること
なく、安価でしかもある程度選択に幅がある原料を用い
て簡易にFC−14を製造することができる製造方法を
提供することにある。
タン(CH4 )とCl2 とHFとを反応させて含フッ素
C1 化合物を製造する方法が知られている(例えば特公
昭43−29563号公報、特開昭50−103490
号公報)。しかし、これらの含フッ素化合物の製造方法
では、FC−14はほとんど生成しないかまたは生成し
ても微量であり、FC−14の製造方法として採用でき
るものではない。本発明は上記の課題を解決するために
なされたものであり、従ってその目的は、出発原料とし
てクロロフルオロカーボン類や四塩化炭素を用いること
なく、安価でしかもある程度選択に幅がある原料を用い
て簡易にFC−14を製造することができる製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、次の一般
式(I)、 CHxClyFz …(I) (式中、x、y、zはそれぞれ、1≦x≦3、0≦y≦
3、0≦z≦2であり、かつx+y+z=4を充す整数
である)で表される含水素ハロゲン化メタンとCl2 と
HFとを反応させるテトラフルオロメタンの製造方法を
提供することによって解決できる。この含水素ハロゲン
化メタンは、クロロホルム、ジクロロメタン、およびク
ロロジフルオロメタンからなる群から選ばれたものであ
ることが好ましい。
式(I)、 CHxClyFz …(I) (式中、x、y、zはそれぞれ、1≦x≦3、0≦y≦
3、0≦z≦2であり、かつx+y+z=4を充す整数
である)で表される含水素ハロゲン化メタンとCl2 と
HFとを反応させるテトラフルオロメタンの製造方法を
提供することによって解決できる。この含水素ハロゲン
化メタンは、クロロホルム、ジクロロメタン、およびク
ロロジフルオロメタンからなる群から選ばれたものであ
ることが好ましい。
【0006】上記の含水素ハロゲン化メタンとCl2 と
HFとの反応(以下、「本反応」という)に際しては、
(1)Cl2 の供給モル数を、含水素ハロゲン化メタン
に含まれる水素原子のモル数の1倍ないし10倍の範囲
内とし、かつ(2)HFの供給モル数を、含水素ハロゲ
ン化メタンに含まれる水素原子のモル数と塩素原子のモ
ル数との和の0.25倍ないし2.0倍の範囲内とする
ことが好ましい。特に、HFの供給モル数は、含水素ハ
ロゲン化メタンに含まれる水素原子のモル数と塩素原子
のモル数との和の0.5倍ないし1.1倍の範囲内とす
ることが好ましい。
HFとの反応(以下、「本反応」という)に際しては、
(1)Cl2 の供給モル数を、含水素ハロゲン化メタン
に含まれる水素原子のモル数の1倍ないし10倍の範囲
内とし、かつ(2)HFの供給モル数を、含水素ハロゲ
ン化メタンに含まれる水素原子のモル数と塩素原子のモ
ル数との和の0.25倍ないし2.0倍の範囲内とする
ことが好ましい。特に、HFの供給モル数は、含水素ハ
ロゲン化メタンに含まれる水素原子のモル数と塩素原子
のモル数との和の0.5倍ないし1.1倍の範囲内とす
ることが好ましい。
【0007】本反応を実施するに際しては、反応温度を
200℃ないし500℃の範囲内とすることが好まし
い。また本反応は、クロムを含む触媒の存在下に気相で
行うことが好ましい。
200℃ないし500℃の範囲内とすることが好まし
い。また本反応は、クロムを含む触媒の存在下に気相で
行うことが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のFC−14の製
造方法を更に詳しく説明する。本発明の出発原料となる
含水素ハロゲン化メタンは、次の一般式(I)を有する
C1 化合物である。 CHxClyFz …(I) この一般式(I)において、xは1≦x≦3の整数であ
り、yは0≦y≦3の整数であり、zは0≦z≦2の整
数であり、かつこれらのx、y、およびzが、x+y+
z=4の条件を充すものである。上記の条件を充し本反
応の原料として使用できるものは、以下に示す8種類の
C1 化合物である。
造方法を更に詳しく説明する。本発明の出発原料となる
含水素ハロゲン化メタンは、次の一般式(I)を有する
C1 化合物である。 CHxClyFz …(I) この一般式(I)において、xは1≦x≦3の整数であ
り、yは0≦y≦3の整数であり、zは0≦z≦2の整
数であり、かつこれらのx、y、およびzが、x+y+
z=4の条件を充すものである。上記の条件を充し本反
応の原料として使用できるものは、以下に示す8種類の
C1 化合物である。
【0009】H1 化合物:CHCl3 (クロロホル
ム)、CHCl2F、CHClF2 (クロロジフルオロ
メタン) H2 化合物:CH2Cl2 (ジクロロメタン)、CH2C
lF、CH2F2 H3 化合物:CH3Cl、CH3F これらは本反応の原料として、単独で用いることもでき
るが、いずれか2種以上の混合物として用いることもで
きる。入手の容易さ、価格などを考慮すると、CHCl
3 (クロロホルム)、CH2Cl2 (ジクロロメタ
ン)、およびCHClF2 (クロロジフルオロメタン)
は出発原料として特に有用である。
ム)、CHCl2F、CHClF2 (クロロジフルオロ
メタン) H2 化合物:CH2Cl2 (ジクロロメタン)、CH2C
lF、CH2F2 H3 化合物:CH3Cl、CH3F これらは本反応の原料として、単独で用いることもでき
るが、いずれか2種以上の混合物として用いることもで
きる。入手の容易さ、価格などを考慮すると、CHCl
3 (クロロホルム)、CH2Cl2 (ジクロロメタ
ン)、およびCHClF2 (クロロジフルオロメタン)
は出発原料として特に有用である。
【0010】本反応は、上記の含水素ハロゲン化メタン
とCl2 とHFとを混合し、好ましくは含クロム触媒の
存在下に温度200℃ないし500℃の気相において行
なわれる。例えば含水素ハロゲン化メタンとしてクロロ
ホルムを選択してFC−14を製造する場合の典型的な
反応例を式(II)に示す。 CHCl3 + Cl2 + 4HF → CF4 + 5HCl …(II) ただし実際には一般に、FC−14の生成反応以外にも
さまざまな副反応が起こるものであって、含水素ハロゲ
ン化メタンの転化率や反応生成物中のFC−14の選択
率は、反応条件によって大幅に変化する。特に含水素ハ
ロゲン化メタンに対するCl2 とHFとの反応系におけ
る混合割合と反応温度とが、転化率や反応生成物の組成
に大きな影響を及ぼす。このうち混合割合については、
選択した含水素ハロゲン化メタンに含まれる水素原子数
および塩素原子数に応じて、供給するCl2 とHFのモ
ル数を以下のように調節することがFC−14を高収率
で得る観点から効果的である。
とCl2 とHFとを混合し、好ましくは含クロム触媒の
存在下に温度200℃ないし500℃の気相において行
なわれる。例えば含水素ハロゲン化メタンとしてクロロ
ホルムを選択してFC−14を製造する場合の典型的な
反応例を式(II)に示す。 CHCl3 + Cl2 + 4HF → CF4 + 5HCl …(II) ただし実際には一般に、FC−14の生成反応以外にも
さまざまな副反応が起こるものであって、含水素ハロゲ
ン化メタンの転化率や反応生成物中のFC−14の選択
率は、反応条件によって大幅に変化する。特に含水素ハ
ロゲン化メタンに対するCl2 とHFとの反応系におけ
る混合割合と反応温度とが、転化率や反応生成物の組成
に大きな影響を及ぼす。このうち混合割合については、
選択した含水素ハロゲン化メタンに含まれる水素原子数
および塩素原子数に応じて、供給するCl2 とHFのモ
ル数を以下のように調節することがFC−14を高収率
で得る観点から効果的である。
【0011】(1)反応系に供給するCl2 のモル数
は、含水素ハロゲン化メタン中に含まれる水素原子のモ
ル数の1倍ないし10倍の範囲内とすることが好まし
い。例えば選択された含水素ハロゲン化メタンがクロロ
ホルム(CHCl3 )であれば、含水素ハロゲン化メタ
ン1分子中に含まれる水素原子のモル数は1(モル)で
あるから、反応系に供給するCl2 の量割合は、クロロ
ホルム1モル当り1モルないし10モルの範囲内とする
ことが好ましい。Cl2 の供給モル数が1倍未満では、
反応生成物中に水素含有副生物が増加し生産効率が悪
い。10倍を越えると、Cl2 が大過剰となり、その回
収のための設備などが過大となって不経済である。
は、含水素ハロゲン化メタン中に含まれる水素原子のモ
ル数の1倍ないし10倍の範囲内とすることが好まし
い。例えば選択された含水素ハロゲン化メタンがクロロ
ホルム(CHCl3 )であれば、含水素ハロゲン化メタ
ン1分子中に含まれる水素原子のモル数は1(モル)で
あるから、反応系に供給するCl2 の量割合は、クロロ
ホルム1モル当り1モルないし10モルの範囲内とする
ことが好ましい。Cl2 の供給モル数が1倍未満では、
反応生成物中に水素含有副生物が増加し生産効率が悪
い。10倍を越えると、Cl2 が大過剰となり、その回
収のための設備などが過大となって不経済である。
【0012】(2)反応系に供給するHFのモル数は、
含水素ハロゲン化メタン中に含まれる水素原子のモル数
と塩素原子のモル数との和の0.25倍ないし2.0倍
の範囲内とすることが好ましい。例えば選択された含水
素ハロゲン化メタンがクロロホルム(CHCl3 )であ
れば、含水素ハロゲン化メタン1モル中に含まれる水素
原子のモル数(1モル)と塩素原子のモル数(3モル)
との和は4(モル)であるから、反応系に供給するHF
の量割合は、クロロホルム1モル当り1モルないし8モ
ルの範囲内とすることが好ましい。HFの供給モル数が
0.25倍未満では反応生成物中のFC−14の選択率
が低下して塩素含有副生物が増加する。また2.0倍を
越えると、例えば出発原料としてクロロホルムを用いた
場合の典型的な反応例を式(III)に示すように、反
応生成物中に水素含有副生物が増加し、いずれの場合も
FC−14の1パス収率が低下する。 CHCl3 + 3HF → CHF3 + 3HCl …(III) この観点から、反応系に供給するHFのモル数は、出発
原料である含水素ハロゲン化メタン中に含まれる水素原
子のモル数と塩素原子のモル数との和の0.5倍ないし
1.1倍の範囲内とすることが特に好適である。
含水素ハロゲン化メタン中に含まれる水素原子のモル数
と塩素原子のモル数との和の0.25倍ないし2.0倍
の範囲内とすることが好ましい。例えば選択された含水
素ハロゲン化メタンがクロロホルム(CHCl3 )であ
れば、含水素ハロゲン化メタン1モル中に含まれる水素
原子のモル数(1モル)と塩素原子のモル数(3モル)
との和は4(モル)であるから、反応系に供給するHF
の量割合は、クロロホルム1モル当り1モルないし8モ
ルの範囲内とすることが好ましい。HFの供給モル数が
0.25倍未満では反応生成物中のFC−14の選択率
が低下して塩素含有副生物が増加する。また2.0倍を
越えると、例えば出発原料としてクロロホルムを用いた
場合の典型的な反応例を式(III)に示すように、反
応生成物中に水素含有副生物が増加し、いずれの場合も
FC−14の1パス収率が低下する。 CHCl3 + 3HF → CHF3 + 3HCl …(III) この観点から、反応系に供給するHFのモル数は、出発
原料である含水素ハロゲン化メタン中に含まれる水素原
子のモル数と塩素原子のモル数との和の0.5倍ないし
1.1倍の範囲内とすることが特に好適である。
【0013】反応温度は本反応を効率よく進行させるに
際して重要な条件である。この反応温度は、出発原料と
しての含水素ハロゲン化メタンの種類や用いる触媒によ
って最適範囲が変化するが、一般には200℃ないし5
00℃の範囲内とすることが好ましい。反応温度が20
0℃未満では、含水素ハロゲン化メタン原料の転化率が
低下し、および/または反応生成物中の水素含有副生物
の比率が増大するので好ましくない。また反応温度が5
00℃を越えると、触媒寿命が低下し、また設備費やエ
ネルギー経費が嵩む。この観点から特に好ましい温度範
囲は、250℃ないし450℃の範囲内である。
際して重要な条件である。この反応温度は、出発原料と
しての含水素ハロゲン化メタンの種類や用いる触媒によ
って最適範囲が変化するが、一般には200℃ないし5
00℃の範囲内とすることが好ましい。反応温度が20
0℃未満では、含水素ハロゲン化メタン原料の転化率が
低下し、および/または反応生成物中の水素含有副生物
の比率が増大するので好ましくない。また反応温度が5
00℃を越えると、触媒寿命が低下し、また設備費やエ
ネルギー経費が嵩む。この観点から特に好ましい温度範
囲は、250℃ないし450℃の範囲内である。
【0014】本反応に用いられる好ましい触媒は、クロ
ムを主成分とする金属塩化物、金属フッ化物、金属酸化
物、金属オキシフッ化物、またはこれらの2種以上の混
合物である。触媒の形状は特に限定されないが、一般に
は球状またはペレット状に成形されたものが用いられ
る。例えばCr2O3 をペレット状に成形して焼成した
後、温度が350℃〜400℃、圧力が大気圧〜6kg
/cm2 Gの範囲内でHFによりフッ素化処理すること
によって、本反応に活性を有する触媒を調製することが
できる。
ムを主成分とする金属塩化物、金属フッ化物、金属酸化
物、金属オキシフッ化物、またはこれらの2種以上の混
合物である。触媒の形状は特に限定されないが、一般に
は球状またはペレット状に成形されたものが用いられ
る。例えばCr2O3 をペレット状に成形して焼成した
後、温度が350℃〜400℃、圧力が大気圧〜6kg
/cm2 Gの範囲内でHFによりフッ素化処理すること
によって、本反応に活性を有する触媒を調製することが
できる。
【0015】本反応を行うに当たって反応圧力は特に限
定されない。普通は大気圧ないし20kg/cm2 Gの
範囲内で行われる。本反応は発熱を伴うので、この反応
熱を制御するために、反応生成物および/または副生し
たHClの少なくとも一部分を反応工程に循環させるこ
ともできる。
定されない。普通は大気圧ないし20kg/cm2 Gの
範囲内で行われる。本反応は発熱を伴うので、この反応
熱を制御するために、反応生成物および/または副生し
たHClの少なくとも一部分を反応工程に循環させるこ
ともできる。
【0016】本反応は、好ましくは上記の触媒を含む反
応器に、原料の含水素ハロゲン化メタンとCl2 とHF
とを、いずれもガスとして導入して反応させ、反応器の
一端から生成物をガスとして導出する装置を用いて行う
ことができる。この反応器は触媒の保持方法に関して固
定床式であっても流動床式であってもよいが、一般には
固定床式が採用される。このような気相反応装置は一般
に公知であり、本反応はこれらの公知の反応装置を用い
て行うことができる。気相反応装置の材質は、Cl2 、
HF、副生HClなどの腐食性ガスに耐性を有するもの
が好ましく、その例としてはインコネル、ハステロイ
(商品名)などを挙げることができる。
応器に、原料の含水素ハロゲン化メタンとCl2 とHF
とを、いずれもガスとして導入して反応させ、反応器の
一端から生成物をガスとして導出する装置を用いて行う
ことができる。この反応器は触媒の保持方法に関して固
定床式であっても流動床式であってもよいが、一般には
固定床式が採用される。このような気相反応装置は一般
に公知であり、本反応はこれらの公知の反応装置を用い
て行うことができる。気相反応装置の材質は、Cl2 、
HF、副生HClなどの腐食性ガスに耐性を有するもの
が好ましく、その例としてはインコネル、ハステロイ
(商品名)などを挙げることができる。
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。 (触媒の調製)4mmφ×4mmのペレット状に成形し
た水酸化クロムを焼成管に充填し、H2 気流中400℃
で4時間焼成し、触媒前駆体を得た。この触媒前駆体を
インコネル製の反応管に充填し、350℃において、は
じめはN2 で20容量%に希釈したHFガスを大気圧で
送通し、次いでN2 で希釈しない100容量%のHFガ
スを大気圧で送通し、更に5kg/cm2 Gに昇圧した
HFガスを送通してフッ素化処理を行い、触媒を調製し
た。
た水酸化クロムを焼成管に充填し、H2 気流中400℃
で4時間焼成し、触媒前駆体を得た。この触媒前駆体を
インコネル製の反応管に充填し、350℃において、は
じめはN2 で20容量%に希釈したHFガスを大気圧で
送通し、次いでN2 で希釈しない100容量%のHFガ
スを大気圧で送通し、更に5kg/cm2 Gに昇圧した
HFガスを送通してフッ素化処理を行い、触媒を調製し
た。
【0018】(実施例1〜実施例8)固定床式反応装置
を用い、インコネル−600製の反応管に上記の触媒1
00mlを充填し、N2 を流通させながら所定温度まで
昇温し、原料としてCl2 ガス、HFガス、および含水
素ハロゲン化メタンとしてクロロホルム(CHCl3)
をこの反応管に連続的に供給し、次いでN2 の供給を停
止して本反応を続行した。反応圧力は、実施例3および
実施例4においては4.0kg/cm2 Gとし、他の実
施例においては大気圧とした。反応管から導出された出
口ガスを水洗したのち、ガスクロマトグラフィーにより
ガス組成を分析した。反応条件と得られた結果とを表1
に示す。
を用い、インコネル−600製の反応管に上記の触媒1
00mlを充填し、N2 を流通させながら所定温度まで
昇温し、原料としてCl2 ガス、HFガス、および含水
素ハロゲン化メタンとしてクロロホルム(CHCl3)
をこの反応管に連続的に供給し、次いでN2 の供給を停
止して本反応を続行した。反応圧力は、実施例3および
実施例4においては4.0kg/cm2 Gとし、他の実
施例においては大気圧とした。反応管から導出された出
口ガスを水洗したのち、ガスクロマトグラフィーにより
ガス組成を分析した。反応条件と得られた結果とを表1
に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1において、「モル比」はCHCl3 :
Cl2 :HFの値であり、「SV0」は標準状態に換算
した空間速度(N/hr)であり、選択率中の記号は、
それぞれ「F14」がFC−14を、「F13」がCC
lF3 を、「F12」がCCl2F2 を、また「F2
3」がCHF3 を表している。「その他」にはフッ素原
子を含まないCCl4 なども含まれる。
Cl2 :HFの値であり、「SV0」は標準状態に換算
した空間速度(N/hr)であり、選択率中の記号は、
それぞれ「F14」がFC−14を、「F13」がCC
lF3 を、「F12」がCCl2F2 を、また「F2
3」がCHF3 を表している。「その他」にはフッ素原
子を含まないCCl4 なども含まれる。
【0021】表1の結果から、以下のことが明らかにな
る。 クロロホルムを原料とし、本発明の方法によってFC
−14を製造することができる。その1パス収率は設定
条件により大幅に変化する。 実施例1〜実施例4の結果から、供給Cl2 のモル比
がクロロホルム1モルに含まれる水素原子のモル数(1
モル)の1倍(1モル)ないし10倍(10モル)の範
囲内であり、供給HFのモル比がクロロホルム1モルに
含まれる水素原子のモル数(1モル)と塩素原子のモル
数(3モル)との和(4モル)の0.25倍(1モル)
ないし2.0倍(8モル)の範囲内であり、かつ反応温
度が200℃ないし500℃の範囲内であれば、FC−
14が高収率で製造できる。反応温度は、上記の範囲内
で高いほうが収率に有利に作用する。 実施例5〜実施例8の結果から、供給Cl2 または供
給HFのモル比、または温度の条件が上記を充してい
ない場合は、いずれもFC−14が生成するとはいえ、
1パス収率の観点からは不利となる。
る。 クロロホルムを原料とし、本発明の方法によってFC
−14を製造することができる。その1パス収率は設定
条件により大幅に変化する。 実施例1〜実施例4の結果から、供給Cl2 のモル比
がクロロホルム1モルに含まれる水素原子のモル数(1
モル)の1倍(1モル)ないし10倍(10モル)の範
囲内であり、供給HFのモル比がクロロホルム1モルに
含まれる水素原子のモル数(1モル)と塩素原子のモル
数(3モル)との和(4モル)の0.25倍(1モル)
ないし2.0倍(8モル)の範囲内であり、かつ反応温
度が200℃ないし500℃の範囲内であれば、FC−
14が高収率で製造できる。反応温度は、上記の範囲内
で高いほうが収率に有利に作用する。 実施例5〜実施例8の結果から、供給Cl2 または供
給HFのモル比、または温度の条件が上記を充してい
ない場合は、いずれもFC−14が生成するとはいえ、
1パス収率の観点からは不利となる。
【0022】(実施例9〜実施例12)実施例1〜実施
例8に用いたものと同様の固定床式反応装置を用い、含
水素ハロゲン化メタンとしてクロロホルムの代りにクロ
ロジフルオロメタン(CHClF2 )を用いた以外は実
施例1〜実施例8と同様にして反応を行った。反応は大
気圧下に行い、その他の反応条件は表2に従った。反応
管から導出された出口ガスを水洗したのち、ガスクロマ
トグラフィーによりガス組成を分析した。反応条件と得
られた結果とを表2に示す。
例8に用いたものと同様の固定床式反応装置を用い、含
水素ハロゲン化メタンとしてクロロホルムの代りにクロ
ロジフルオロメタン(CHClF2 )を用いた以外は実
施例1〜実施例8と同様にして反応を行った。反応は大
気圧下に行い、その他の反応条件は表2に従った。反応
管から導出された出口ガスを水洗したのち、ガスクロマ
トグラフィーによりガス組成を分析した。反応条件と得
られた結果とを表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】表2の結果から、含水素ハロゲン化メタン
としてクロロジフルオロメタンを用いた場合も、実施例
1〜実施例8と同様な方法によってFC−14を製造す
ることができ、反応条件を適切に選ぶことによって高収
率が達成できた。この場合もクロロホルムの場合と同様
に、反応温度は200℃ないし500℃の範囲内で高い
ほうが1パス収率に有利に作用することがわかる。
としてクロロジフルオロメタンを用いた場合も、実施例
1〜実施例8と同様な方法によってFC−14を製造す
ることができ、反応条件を適切に選ぶことによって高収
率が達成できた。この場合もクロロホルムの場合と同様
に、反応温度は200℃ないし500℃の範囲内で高い
ほうが1パス収率に有利に作用することがわかる。
【0025】(実施例13)実施例1〜実施例8に用い
たものと同様の固定床式反応装置を用い、含水素ハロゲ
ン化メタンとしてクロロホルムの代りに、89.2モル
%のクロロホルム(CHCl3 )と10.8モル%のジ
クロロメタン(CH2Cl2 )との混合物(以下、「混
合原料」という)を用いた以外は実施例1〜実施例8と
同様にして反応を行った。反応条件を以下に示す。 反応圧力 ; 大気圧 反応温度 ; 350℃ モル比 ; 混合原料:Cl2 :HF=1:1.2:3.2 SV0 ; 257N/hr
たものと同様の固定床式反応装置を用い、含水素ハロゲ
ン化メタンとしてクロロホルムの代りに、89.2モル
%のクロロホルム(CHCl3 )と10.8モル%のジ
クロロメタン(CH2Cl2 )との混合物(以下、「混
合原料」という)を用いた以外は実施例1〜実施例8と
同様にして反応を行った。反応条件を以下に示す。 反応圧力 ; 大気圧 反応温度 ; 350℃ モル比 ; 混合原料:Cl2 :HF=1:1.2:3.2 SV0 ; 257N/hr
【0026】反応管から導出された出口ガスを水洗した
のち、ガスクロマトグラフィーによりガス組成を分析し
た。得られた結果を以下に示す。 上記の結果から、クロロホルムとジクロロメタンとから
なる混合原料を用いた場合も、FC−14が製造できる
ことは明かである。
のち、ガスクロマトグラフィーによりガス組成を分析し
た。得られた結果を以下に示す。 上記の結果から、クロロホルムとジクロロメタンとから
なる混合原料を用いた場合も、FC−14が製造できる
ことは明かである。
【0027】
【発明の効果】本発明のFC−14の製造方法は、一般
式、CHxClyFz で表される含水素ハロゲン化メタン
とCl2 とHFとを反応させる方法であるので、原料の
選択に幅があり、有利に入手できる含水素ハロゲン化メ
タンを用いて1段で容易にFC−14を製造することが
できる。本発明の製造方法に従ってFC−14を製造す
るに際しては、含水素ハロゲン化メタンに対するCl2
とHFとの混合割合と反応温度とを調節すれば、収率を
大幅に向上することができる。
式、CHxClyFz で表される含水素ハロゲン化メタン
とCl2 とHFとを反応させる方法であるので、原料の
選択に幅があり、有利に入手できる含水素ハロゲン化メ
タンを用いて1段で容易にFC−14を製造することが
できる。本発明の製造方法に従ってFC−14を製造す
るに際しては、含水素ハロゲン化メタンに対するCl2
とHFとの混合割合と反応温度とを調節すれば、収率を
大幅に向上することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 一般式(I)、 CHxClyFz …(I) (式中、x、y、zはそれぞれ、1≦x≦3、0≦y≦
3、0≦z≦2であり、かつx+y+z=4を充す整数
である)で表される含水素ハロゲン化メタンとCl2 と
HFとを反応させるテトラフルオロメタンの製造方法。 - 【請求項2】 上記の含水素ハロゲン化メタンが、クロ
ロホルム、ジクロロメタン、およびクロロジフルオロメ
タンからなる群から選ばれたものである請求項1に記載
のテトラフルオロメタンの製造方法。 - 【請求項3】 含水素ハロゲン化メタンとCl2 とHF
との反応に際して、(1)Cl2 の供給モル数を、含水
素ハロゲン化メタンに含まれる水素原子のモル数の1倍
ないし10倍の範囲内とし、かつ(2)HFの供給モル
数を、含水素ハロゲン化メタンに含まれる水素原子のモ
ル数と塩素原子のモル数との和の0.25倍ないし2.
0倍の範囲内とする請求項1または請求項2に記載のテ
トラフルオロメタンの製造方法。 - 【請求項4】 HFの供給モル数を、含水素ハロゲン化
メタンに含まれる水素原子のモル数と塩素原子のモル数
との和の0.5倍ないし1.1倍の範囲内とする請求項
3に記載のテトラフルオロメタンの製造方法。 - 【請求項5】 反応温度を200℃ないし500℃の範
囲内とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記
載のテトラフルオロメタンの製造方法。 - 【請求項6】 含水素ハロゲン化メタンとCl2 とHF
との反応を、クロムを含む触媒の存在下に気相で行う請
求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のテトラフ
ルオロメタンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17002795A JPH0920695A (ja) | 1995-07-05 | 1995-07-05 | テトラフルオロメタンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17002795A JPH0920695A (ja) | 1995-07-05 | 1995-07-05 | テトラフルオロメタンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0920695A true JPH0920695A (ja) | 1997-01-21 |
Family
ID=15897250
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17002795A Withdrawn JPH0920695A (ja) | 1995-07-05 | 1995-07-05 | テトラフルオロメタンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0920695A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116946978A (zh) * | 2023-09-21 | 2023-10-27 | 山东东岳化工有限公司 | 制备高纯四氟化碳和氯气的方法 |
-
1995
- 1995-07-05 JP JP17002795A patent/JPH0920695A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116946978A (zh) * | 2023-09-21 | 2023-10-27 | 山东东岳化工有限公司 | 制备高纯四氟化碳和氯气的方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0931043B1 (en) | Vapor phase process for making 1,1,1,3,3-pentafluoropropane and 1-chloro-3,3,3-trifluoropropene | |
RU2007380C1 (ru) | Способ получения 1,1,1-трифтордихлорэтана и 1,1,1,2-тетрафторхлорэтана | |
EP0877009B1 (en) | Process for producing 1,1,1,3,3-pentafluoropropane | |
US5880316A (en) | Process for preparing 1,1,1,2-tetrafluoroethane | |
CN102892735A (zh) | 含氯烃气相氟化中催化剂寿命的提高 | |
EP0455748B2 (en) | Manufacture of 1,1,1,2-tetrafluoroethane | |
JP3412165B2 (ja) | フッ素化触媒およびハロゲン化炭化水素のフッ素化方法 | |
EP0677503B1 (en) | Process for producing 1,1,1,3,3-pentafluoropropane | |
JPH04226927A (ja) | 1,1,1,2−テトラフルオロクロルエタンおよびペンタフルオロエタンの製造方法 | |
JP4378779B2 (ja) | 含フッ素エタンの製造方法 | |
JP3240619B2 (ja) | ジフルオロメタンの製造方法 | |
US5545774A (en) | Process for the manufacture of 1,1,1,3,3,3-hexafluoropropane | |
EP0673354A1 (en) | Process for reducing the fluorine content of hydrofluorocarbons and hydrohalofluorocarbons | |
CZ280000B6 (cs) | Způsob přípravy 1,1,1-trifluorchlorethanu a 1,1,1,2-tetrafluorethanu | |
EP0462514A1 (en) | Process for preparing 1-chloro-2,2,2-trifluoroethane | |
JP3572619B2 (ja) | ジフルオロメタンの製造方法 | |
EP0353059B1 (en) | Process for 1, 1-dichloro-1-fluoroethane | |
JP2690878B2 (ja) | 1,1,1−トリフルオロ−2,2−ジクロロエタンのフッ素化触媒及びその製造方法 | |
EP0714874B1 (en) | Process for the production of 1,1,1-trifluoroethane | |
JP4727830B2 (ja) | 1,1,1−トリフルオロ−2,2−ジクロロエタンの製造方法 | |
JPH0920695A (ja) | テトラフルオロメタンの製造方法 | |
US5262574A (en) | Process for preparing 1,1,1-trifluoro-2,2-dichloroethane by hydrofluorination in the presence of catalysts | |
JP3233310B2 (ja) | 1,1,1,2−テトラフルオロエタンの製造方法 | |
US5831136A (en) | Process for manufacture of high purity 1,1-dichlorotetrafluoroethane | |
JP2651950B2 (ja) | ふっ化ビニリデンを製造するための気相接触方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021001 |