JPH0920652A - リポソーム中に被包されたイオン化可能な生物学的活性剤を含有する医薬製剤 - Google Patents

リポソーム中に被包されたイオン化可能な生物学的活性剤を含有する医薬製剤

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JPH0920652A
JPH0920652A JP8193089A JP19308996A JPH0920652A JP H0920652 A JPH0920652 A JP H0920652A JP 8193089 A JP8193089 A JP 8193089A JP 19308996 A JP19308996 A JP 19308996A JP H0920652 A JPH0920652 A JP H0920652A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リポソーム中に被包されたイオン化可能な生物
学的活性剤を含有する医薬製剤を提供する。 【解決手段】リポソームが、それらの膜を越えて膜貫通
ポテンシャルを有するものであり、該膜貫通ポテンシャ
ルは、生物活性剤がイオン化形態において正に帯電して
いる場合には、リポソーム類の内部ポテンシャルが外部
媒体のポテンシャルに比較して負であり、そして該生物
活性剤がイオン化形態において負に帯電している場合に
は、リポソーム類の内部ポテンシャルが外部媒体のポテ
ンシャルに比較して正であるような配向を有するもので
ある、リポソーム中に被包されたイオン化可能な生物学
活性剤を含有する医薬製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リポソーム中に被
包されたイオン化可能な生物学的活性剤、特に抗腫瘍剤
類(antineoplastic agents)を含有する医薬製剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】種々の研究者により確立されているよう
に、抗腫瘍剤類の使用による癌の治療は、多くの場合、
抗腫瘍剤類を人体に直接投与するよりもリポソーム類に
該抗腫瘍剤類を被包することにより大いに改善され得る
[例えばフォルセン等(Forssen et al)(1983),キャン
サー レス(Cancer Res.),43:546;ギャビゾン
ら(Gabizon et al)(1982),(Cancer Res.),42:47
34;およびオルソンら(Olson et al)(1982),ユーロ
ピアン ジャーナル オブ キャンサー クリニカル
オンコル(Eur.J.Cancer Clin. Oncol.),18:16
7参照、アブラら(Abra et al)(1983),キャンサー ケ
ミテル ファーマコル(Cancer Chemother.Pharmaco
l.),11:98参照のこと]。このような抗腫瘍剤類
をリポソーム類へ配合すると、その抗腫瘍活性、クリア
ランス率、組織分布および毒性が、直接投与に比して変
化する[例えばラーマンら(Rahman et al)(1982),キャ
ンサー レス(Cancer Res.),42:1817;ローザ
ら(Rosa et al)(1982)トランスポート イン バイオ
メンブレンズ(Transport in Biomembranes)における
「モデル システムズ アンド リコンスティテューシ
ョン(Model Systems andReconstitio
n),アール アントリーニら(A.Antolini et al)
編、ラベン プレス(Raven Press)、ニューヨーク、2
34−256;ローザら(Rosa et al)(1983),ファーマ
コロジー(Pharmacology),26:221;上記フォルセ
ンら(Forssen et al);上記ギャビソンら(Gabizon et
al);および上記オルソンら(Olson et al)参照のこと]。
例えば、アントラサイクリン抗生物質ダウノルビシン(d
aunorubicin)およびドキソルビシン(doxorubicin)(ア
ドリアマイシン)(adriamycin)およびその医薬的に受容
し得る誘導体およびその塩の心臓毒性が著しく減少する
ことは公知である[例えば上記フォルセンら;上記オル
ソンら(Olson et al);および上記ラーマンら(Rahman
et al)参照のこと]。また極めて毒性の高い抗腫瘍剤類
をリポソーム中に導入することによって、その投入され
る人を抗体のような抗腫瘍剤類にさらす危険は減少でき
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】リポソーム類を使用し
て抗腫瘍剤類を投与する際には、医薬被包および治療中
の医薬放出の両方に関して問題が生ずる。被包に関して
は、治療中に患者に与える脂質負荷を最小にするよう
に、トラップ効果を増加する必要性が引続いてあった。
さらに、高いトラップ効果によって、癌の治療において
現在使用されている高価な医薬を処理する際の重要な点
である少量の医薬しか損失しないという利点が得られる
のである。医薬の放出に関しては、アドリアマイシンの
ような多くの抗腫瘍剤類が被包後にリポソーム類から急
速に放出されることが見出されていた。このような急速
な放出は、リポソーム被包の有用な効果を減少させるた
め一般に望ましくないことである。したがって、リポソ
ーム類からの抗腫瘍剤類およびその他の医薬の放出速度
を減少させる方法を見出す努力が当業者により引続いて
行なわれてきた。これらの被包および放出の問題の他
に、臨床医に抗腫瘍剤類含有リポソーム類を提供するた
めの商業的に許容し得る方法を見出すという無視すべか
らざる問題がある。「必要な」ベ−スにリポソーム類の
生産および負荷が実験室的には許容し得る方法であると
はいえ、一般に、臨床的には不満足である。したがっ
て、被包された医薬を有するあるいは有さないリポソー
ム類が出荷され、貯蔵されかつ従来の商業的な販売ルー
トを通じて一般に移動される方法に対して重要でかつ継
続的な需要がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記のごとき技術の状態
から、本発明の目的は、リポソーム類に抗腫瘍剤類(an
tineoplastic agents)を被包し、リポソーム類からの
抗腫瘍剤類またはその他の生物学的に活性な薬剤の放出
速度を減少させる方法を提供することにある。この方法
は、水性媒体(例えばプロトン化し得るアミノ基を有す
る有機化合物)中に溶解したときに帯電状態(charged
state)で存在し得る本質的にいかなる抗腫瘍剤も使用で
きる。好ましくは、該薬剤は、リポソーム類を仕切るよ
うに比較的親油性でなければならない。複数の抗腫瘍剤
類は、この方法を用いて同時にあるいは順次負荷させる
ことができる。また、イオン化可能な抗腫瘍剤が負荷さ
れるリポソーム類は、従来の被包技術(例えば、リポソ
ーム類が作られる緩衝液中に医薬を配合すること)によ
り他の抗腫瘍剤類または他の医薬で予め負荷することが
できる。
【0005】本発明は、(1)リポソーム類からの薬剤
の放出速度を減少させるようにその膜を越える膜貫通ポ
テンシャルを有するリポソーム類に被包されたイオン化
可能な生物学的に活性な薬剤を含む安定化された医薬製
剤、(2)リポソーム類に被包された抗腫瘍剤類を含む
医薬製剤、および(3)膜貫通ポテンシャルにより予め
脱水されたリポソーム類内に負荷された抗腫瘍剤類より
なる医薬製剤である。本発明の前記および他の目的およ
び利点の達成は、本発明の好ましい実施態様の記載に関
連して記載されている。
【0006】本明細書で使用されているように、「医薬
製剤」、「イオン化可能な抗腫瘍剤(ionizable antine
oplastic agent)」および「イオン化可能な生物学的に活
性な薬剤(ionizable biologically-active agent)」の用
語は、次ぎの意味を有している。すなわち、ヒトまたは
動物への投与に好適でかつ生物学的に活性な物質および
適当な緩衝剤、希釈剤、担体等よりなる組成物を意味
し、イオン化可能な抗腫瘍剤は水性媒体に溶解したとき
に帯電した状態で存在し得る抗腫瘍剤を意味し、また、
イオン化可能な生物学的に活性な薬剤は水性媒体に溶解
したときに帯電した状態で存在し得る生物学的に活性な
薬剤を意味する。抗腫瘍剤類が被包されるリポソーム類
は、種種の組成および内部含有物を有しており、かつ現
在知られているあるいは将来開発されるマルチラメラ、
ユニラメラまたは他のタイプのリポソーム類あるいは一
般に脂質含有粒子は、米国特許出願第476,496号
(米国特許第4,522,803号)、同第521,1
76号(米国特許第4,588,578号)、同第59
1,576号(米国特許4,610,868号)および
同第599,691号(米国特許第4,721,612
号)に開示されているタイプのステロイドリポソーム
類、安定なプルリラメラリポソーム類(SPLV類、)
単相ベシクル類(MPV類)または脂質マトリックス担
体(LMC類)の形であり得、その関連個所を参照され
たい。リポソーム類は、リポソーム類の製造法として現
在知られているかあるいは将来開発されるいかなる方法
によっても製造できる。例えば、マルチラメラリポソー
ム類(MLV類)製造用の従来の技術により該リポソー
ム類は形成できる。すなわち、クロロホルム中に脂質類
を溶解することにより適当な容器の内壁に1種またはそ
れ以上の選ばれた脂質類を堆積させ、ついでクロロホル
ムを蒸発させ、被包させるべき水溶液を容器に加え、該
水溶液で脂質類を水和し、かつ得られる懸濁液を旋回さ
せることにより目的とするリポソーム類が製造される。
別法としては、逆相蒸発法、注入法および洗浄剤希釈法
のごとき大型ユニラメラリポソーム類(LUV類)の製
造に用いられる技術がリポソーム類の製造に使用でき
る。リポソーム類製造のためのこれらおよびその他の方
法の総説は、マーク ジェイ オストロ(Marc j.Ostr
o)編「リポソーム類(Liposomes)」マーテル テッカー
インコーポレーテッド(Marcel Dekker Inc.)ニュー
ヨーク1983年発行の第1章に見出すことができ、その該
当個所を参考にされたい。スゾカジュニアら(Szoka,j
r.,et al)(1980)アン レブ バイオフィズ バイオエ
ジニヤ(Ann.Rev.Biophys.Bioengr.),9:467 も参照され
たい。LUV類製造の特に好ましい方法は、1984年6月2
0日に出願された米国特許出願第622,690号「ユニラメラ
ベシクル類製造用押出技術」(関連米国特許第5,008,05
0号)に記載され、その関連個所を参考にされたい。他の
別法としては、上記米国特許第4,522,803号、
同第4,588,578号および同第4,721,61
2号に記載の方法により製造できる。また、リポソーム
類自体を使用するよりも、上記米国特許第4,610,
868号に記載されているような他の脂質含有粒子が、
本発明の実施に当って使用できる。さらに、また、必要
により、抗腫瘍剤類の担持により使用されるリポソーム
類または脂質含有粒子が「決められた粒径分布を有する
リポソーム類」という名称の1984年6月20日に出願され
た米国特許第622,502号に記載されている方法によりさ
らに均一な粒径分布を与える抗体とができ、その関連個
所を参考にされたい。
【0007】膜貫通ポテンシャルは、リポソーム膜をは
さんで1種またはそれ以上の帯電した種(charged spec
ies)(例えばNa+,K+および/またはH+)に対応す
る濃度勾配をつくることにより発生する。この濃度勾配
は、異なる内部および外部媒体、すなわち1種またはそ
れ以上の帯電された種を有する内部および外部媒体を有
するリポソーム類を製造することによりつくり出され
る。特に、1種またはそれ以上の帯電された種の最初の
濃度を有する最初の媒体を被包するリポソーム類が製造
される。代表的なリポソーム製造技術には(上記参
照)、この最初の媒体はリポソーム類が生成するにつれ
てリポソーム類をつつみ、しかしてリポソーム類の元の
外部媒体は最初の媒体と同一組成を有することになる。
濃度勾配をつくりだすには、元の外部媒体は異なる濃度
の1種またはそれ以上の帯電された種を有する新たな外
部媒体で置換される。この外部媒体の置換は、新たな媒
体で平衡化されたゲルフィルトレーションカラム、例え
ばセファデックス(Sephadex)カラムにリポソーム製剤を
通すことにより、または遠心分離、透析または関連する
技術等、種々の技術により達成できる。リポソーム膜の
透過性に応じて濃度勾配に相当する全膜貫通ポテンシャ
ルを同時に形成するかあるいは透過性増強剤、例えばワ
リノマイシンのようなイオン透過担体が浴媒体に添加さ
れなければならない(必要により、透過性増強剤は、ク
ロマトグラフィまたは他の技術を用いて負荷を完了した
のち、該製剤から除去できることに注目されたし。)。
いずれの場合も、ネルンスト式により決定されるマグニ
チュードを有する膜貫通ポテンシャルはリポソーム類の
膜を横切って発現する。本発明によれば、この膜貫通ポ
テンシャルは、イオン化可能な抗腫瘍剤類をリポソーム
類に負荷するために使用できる。特に、濃度勾配を有し
かつこのために適当な配向の膜貫通ポテンシャルを持つ
リポソーム類がいったん作られると、該リポソーム類へ
の抗腫瘍剤類の負荷方法は、該薬剤を外部媒体へ添加す
る極めて簡単な工程に縮小される。いったん添加する
と、膜貫通ポテシャルは自動的にリポソーム類へ該薬剤
を負荷する。さらに、下記例1に記載したように、この
負荷は簡単であるだけでなく極めて効果的である。この
例に記載したように、95%以上の抗腫瘍剤類捕捉効果
が、この膜貫通ポテンシャル負荷技術により達成できる
ことが見出された。
【0008】膜貫通ポテンシャル負荷方法は、適当な水
性媒体(例えばプロトン化し得るアミノ基を有する有機
化合物)に溶解したときに帯電状態で存在するものであ
ればいかなる抗腫瘍剤でも実質的に使用できる。好まし
くは、薬剤がリポソーム複数の膜に分画されるように、
比較的に親油性でなければならない。この方法でリポソ
ーム類内へ負荷できる抗腫瘍剤類の例としては、ドキソ
ルビシン(doxorubicin)、マイトマイシン(mitomyci
n)、ブレオマイシン(bleomycin)、ダウノルビシン
(daunorubicin)、ストレプトゾシン(streptozoci
n)、ビンブラスチン(binblastine)、ビンクリスチン
(vincristine)、メクロレタミンハイドロクロライド
(mechlorethamine hydrochloride)、メルファラン(m
elphalan)、シクロホスファミド、トリエチレンチオホ
スフォルアミド、カルムスチン(carmustine)、ロスム
チン(lomustine)、セムスチン(semustine)、フルオ
ロウラシル、ヒドロキシウレア、チオグアニン、チタラ
ビン(cytarabine)、フロクスリジン(floxuridin
e)、デカルバジン(decarbazine)、シスプラチン(ci
splastin)およびプロカルバジン(procarbazine)等が
挙げられる。1種の抗腫瘍剤の負荷の他に、この方法は
複数の抗腫瘍剤を同時あるいは順次負荷するのに使用さ
れる。また、イオン化可能な抗腫瘍剤類が負荷されるリ
ポソーム類は、従来の被包技術(例えばリポソーム類が
作られる緩衝液中に医薬を配合することにより)を用い
て他の抗腫瘍剤または他の医薬を予め負荷しておくこと
もできる。従来の負荷物質はイオン化可能である必要は
ないので、このような方法は、癌治療におけるリポソー
ム被包の「医薬カクテル」の製造に大きな幅を与える。
事実、実質的にすべてのタイプの抗癌医薬は、リポソー
ム類の脂質または水性部分のいずれかで少なくともある
程度予め負荷できる。もちろん、必要により上掲のイオ
ン化可能な医薬の1種またはそれ以上は予め負荷でき、
かつ膜貫通ポテンシャル法を用いてリポソーム類に同一
または異種の医薬が添加される。
【0009】本発明の膜貫通負荷の面に関しては、薬剤
放出の速度を低減するために使用される膜貫通ポテンシ
ャルは、Na+,K+および/またはH+のような帯電し
た種のリポソーム類の内部および外部の濃度を調整する
ことによりつくり出される。事実、このような濃度勾配
により生成する膜貫通ポテンシャルによりリポソーム類
が負荷されるならば、元の濃度勾配を保つ外部媒体内に
リポソーム類を保つことだけで放出速度の所望の低減を
生ずるであろう。別法としては、膜貫通ポテンシャルが
リポソーム膜を横切ってつくり出されていない場合、例
えばリポソーム類が従来の技術を用いて負荷されている
場合には、所望の膜貫通ポテンシャルは、上記交換技術
を用いて外部媒体の組成を変えることにより直ちにつく
り出すことができる。本発明の低減された放出速度は、
リポソーム類内に被包され得る実質的にイオン化可能な
生物学的に活性な薬剤のいずれも使用できる。特に、こ
の技術は、上記のイオン化可能な抗腫瘍剤類および局部
麻酔剤、例えばジブカインおよびクロルプロナジン、β
−アドレナリンしゃ断薬、例えばプロパノール、チモロ
ールおよびラベトロール、抗高血圧薬、例えばクロニジ
ンおよびヒドララジン、抗うつ剤、例えばイミプラミ
ン、アミプリプチリンおよびドキセピム、鎮痙薬、例え
ばフェニトイン、制吐薬、例えばプロカインアミドおよ
びプロクロルペラジン、抗ヒスタミン剤、例えばジフェ
ニルヒドラミン、クロルフェニラミンおよびプロメタジ
ン、抗不整脈剤、例えばキシジンおよびジソピラミド、
抗マラリア剤、例えばクロロキニーネ、および鎮痛剤、
例えばコカインを含む他の種々のイオン化可能な医薬と
ともに使用できる。一般に、放出速度の最大の低減は、
その通常放出速度が非親油性物質に比べて高い親油性物
質に見られる。
【0010】
【実施例】本発明を以下の例によりさらに詳細に説明す
るが、これらは本発明を限定するためものではない。種
々の例において共通な材料および方法は、つぎの通りで
ある。実施例および参考例の材料および方法 材料 卵ホスファチジルコリン(卵−PCまたはEPC)を、
標準方法[例えば、シングルトンら(Singleton et al)
(1965)ジャーナル オブ ジ アメリカン オイル ケ
ミカル ソサエティ(Journal of the American Oil Ch
emical Society),42:53]により分離し、このものはT
LCで測定して99%以上の純度であった。卵−PS
を、ホープら(Hope et al)(1985),ビオヒム ビオフ
ィズ アクタ(Biochim.Biophys.Acta)812:55]に記載
の方法により卵−PCから調製した。コレステロール、
ワリノマイシン、ビンブラスチン、ヘペス、ジパルミト
イルホスファチジルコリン(DPPC)、トレハロー
ス、CCCPおよび塩類は、シグマ ケミカル カンパ
ニー(Sigma Chemical Company)(ミズリー州セントル
イス)から入手した。アドリアマイシンはアドリア ラ
ボラトリー(Adria Laoratory)(オンタリオ州ミッシ
ソらが)またはキャンサー リサーチ センター(Canc
er ResearchCenter)(ブリテッシュコロンバア州バン
クーバー)のいずれかから入手した。メトトレキセイト
(methotrexate)およびチトシンアラビノシド(cytosi
ne arabinoside)もキャンサー リサーチ センターか
ら入手した。トリテイエイテッドメトトレキセート(tr
itiated methotrexate)、DPPCおよびメチルトリフ
ェニルホスフォニウム、また同様に22Na+3H−イヌ
リン、14C−イヌリン、3H−テトラフェニルホスフォ
ニウジュブロマイドおよび3H−H2Oはニューイングラ
ド ニュークレア(New England Nucl
ear)(ケベック州ラシーヌ)から入手した。トリテ
イエイテッドチトシンアラビノシド(tritiatedcytosin
e arabinosaide)はアメルシャム(Amersham)(オンタ
リオ州オークビル)から入手した。
【0011】試薬 グルタミン酸カリウム、KClおよびNaCl緩衝液は
NaOHでpHを7.5に調整した20mMのヘペス緩衝
液中で調製した。この溶液は、それぞれ150、150
および169mMのKCl、NaClおよびグルタミン酸
カリウムの濃度に相当する通常の310mosm/kgの浸透
性(osmotarity)に調整された。ベシクル製剤 ベシクル類は、上記米国特許出願第622,690号(関連米
国特許第5,008,050号)および同第622,502号に記載の押
出技術を用いて調製した。使用されるこの技術の完全な
記載は、これらの出願および特許にみられ、かつ参考の
ために本明細書に記載されその一部を構成する。この技
術はまた、ホープら(Hope et al)(1985),ビオヒム
ビオフィズ アクタ(Biochim.Biophys.Acta)812:55
-65]にも記載されている。これらの技術で製造された
ベシクル類は、本明細書中においてETV類、すなわち
押出技術ベシクル類(Extrusion Technique Vesicles)
またはLUV類、すなわち大きなユニラメラリポソーム
類(Large Unilamellar Liposomes)として言及されて
いる。簡単にいえば、乾燥脂質フィルムは25〜100
μmolのリン脂質/mlの濃度範囲で大きなマルチラメラ
ベシクル類を製造するために適当な緩衝液で水和され
る。使用時には水和前に22Na+(5μCi)または3
−イヌリン(5μCi)が乾燥脂質に添加される。混合
物を渦回により分散させ、ついで例えば250psiの圧
力を用いて100nmの孔径の2枚の積重ねたポリカーボ
ネートフィルタ[ヌクレポア,インコーポレーテッド
(Nuclepore,Inc.),カルフォルニア州プレザントン]
を10回通過させた。例1Bおよび2Bの実験には、分
散液は液体窒素中で凍結され、かつポリカーボネートフ
ィルタへの押出前に5回融凍を行なった。得られるベシ
クル類は103nmの平均粒径を有し、かつ約1.5μl
/μmolリン脂質の捕捉容積を有していた。例1および
2の残りの実験用には、液体窒素中で2回の凍結−融凍
のサイクルにより最初の押出を行ない、その後、5回以
上フィルタを通過させた。この場合、ベシクル類は90
nmの平均粒径を有し、かつ再び約1.5μl/μmolリ
ン脂質の捕捉容積を有していた。被包されなかった22
+3H−イヌリンの除去に当っては、22Na+の除去
用にはセファデックス(Sephadex)G−50の、また3
H−イヌリン除去用にはウルトラゲル(Ultragel)Ac
A34のカラム(1.4×10cm)にベシクル類を通過
させて除去を行なった。この方法では、一般に試料のリ
ン脂質顔料を約50%まで希釈した。
【0012】脱水 試料(1ml)をバーチスフリーズドライヤー(Virtis F
reeze Drier)(ニューヨーク州ガーディナー)を用い
高真空下に室温で10mlのキメックス管(Kimex tube)
内で乾燥した。いくつかの場合、試料を脱水前に液体窒
素中で凍結させた。それぞれの場合、減圧脱水法を約2
4時間行なった。再水和 1〜7日間脱水および貯蔵を行なった後、試料を蒸留水
(900μl)で再水和化し、ベシクル類をゆるく渦回
させて分散させた。測定 リン脂質はチェンら(chen et al),(1956)アナリティカ
ルケミストリー(Anal.chem.)28:1756の記載により無機
リンの測定により定量した。同様にボッチャーら(Bottc
her et al), (1961)アナル シマ アクタ(Anal. Chima
Acta)24: 203を参照。別法としては、ある場合には液
体シンチレーションカウンティングにより[3H]DPPC(0.0
5μCi/μmol脂質)を定量した。アドリマイシンは、ベシ
クル懸濁液の一定量を0.5%のトライトン(Triton)X-100
(これはベシクル類を分断しかつ捕捉されている薬剤を
放出する)と混合し、パイ ユニカム(Pye Umicam) SP8-
200分光光度計を用いて480nmにおける吸収を測定した。
ビンブラスチンは、94%エタノール中に溶解した懸濁液
の265nmにおける吸収を測定することにより測定した。
種々のトリムウム標識化合物(tritiated compound)およ
14C-イヌリンはフィリップス(phillips)PW4700液体シ
ンチレーションカウンターにより定量し、22Na +はベッ
クマンガンマ800(Beckman Gamma800)でガンマカウンテ
ィングで定量した。
【0013】例1(実施例)膜貫通ポテンシャルを利用したリポソーム類内へのイオ
ン化し得る抗腫瘍剤の負荷 本例は、膜貫通ポテンシャルを利用したリポソーム内へ
のイオン化可能な抗腫瘍剤の活性負荷を説明するもので
ある。例のA部は、膜貫通ポテンシャルを発生するため
にNa+/K+勾配を利用したリポソーム類中に抗癌剤である
アドリアマイシンおよびビンビラスチンの負荷を説明
し、B部はpH勾配を利用したアドリアマイシンの負荷を
説明し、またC部はメトトレキセイトまたはチトシンア
ラビノシドのいずれかにより予め受動的に負荷されたリ
ポソーム類へアドリアマイシンを負荷させるための膜貫
通ポテンシャルの利用を説明する。A部 Na+/K+勾配を利用した活性負荷 膜ポテンシャルは、グルタミン酸カリウム緩衝液(上記)
中で卵-PC LUV類を形成し、ついでセファデックスG-50
脱塩カラムを用いてNaCl緩衝液(上記)用の未捕捉緩衝液
と交換することにより発生させた。この時、カリウムイ
オン透過担体、ワリノマイシン(1mg/mlエタノール)を0.
5μg/μmolリン脂質の濃度になるように添加した。膜ポ
テンシャルは、膜ポテンシャルのプローブであるメチル
トリフェニルホスフォニウムを用いて測定された[バリ
ーら(Bally et al), (1985), ビオフィム ビオフィズ
アクタ(Biochim. Biophys. Acta), 812:66を参照。ま
た下記例4を参照。ここではプローブはメチルトリフェ
ニルホスホニウムが使用されている。]。アドリアマイ
シン(0.2mMの最終濃度)およびビンブラスチン(0.2mMの
最終濃度)をNa+/K+イオン勾配のあるまたはないLUV分散
液にワリノマイシンとともにおよびなしに添加した。種
々の時間において、隔離されていない医薬を、該溶液の
一定量ずつを1mlのセファデックスG-50カラムに通すこ
とにより除去した。次いで脂質および医薬濃度を上記の
方法を用いて測定した。その結果は、図1および図2に示
されている。図1に示すように、Na+/K+勾配およびワリ
ノマイシンの両方がない場合、低いLUV会合アドリアマ
イシンのレベル(6nmolアドリアマイシン/μmolリン脂質
以下)が2時間の培養で観察された。しかしながら、ワリ
ノマイシンおよびNa+/K+勾配が存在すると、ベシクル会
合アドリアマイシンの量の著しい増加が観察される。こ
の吸収は20分以内で75%以上完成し、190nmolアドリア
マイシン/μmolリン脂質の平衡レベルに達する。これ
は、溶液中に最初含有されていた95%の薬剤がベシクル
類によって吸収され、95%の捕捉率に相当する。濃度の
点から、この吸収は約127mMの内部アドリアマイシン濃
度に相当する。図2に示すように、ビンブラスチンも膜
ポテンシャルに応じてLUV系内に蓄積できる。ワリノマ
イシンおよびNa+/K+勾配が存在する場合には、40nmolビ
ンヒブラスチン/μmolリン脂質が、Na+/K+勾配がない場
合のほとんどゼロに近い捕捉と比較して2時間以内に蓄
積される。また、ワリノマイシンがなくてもNa+/K+勾配
の存在によりかなり捕捉することができる。要約すれ
ば、図1および図2の結果は、膜貫通ポテンシャルに応じ
てアドリアマイシンおよびビンブラスチンを隔離するLU
V系の著しい能力を明らかにしている。使用する条件下
では、捕捉レベルは、それぞれビンブラスチンおよびア
ドリアマイシンの2×102および2×104の最終貫通膜医薬
濃度勾配に応じて達成される。更に、これらの勾配は20
℃で40時間以上安定であることが見出された。操作につ
いて特別な理論に結び付けることを望むものではない
が、Na+/K+勾配に応じてアドリアマイシン、ビンブラス
チンおよび他のイオン化可能な抗腫瘍剤に見られる捕捉
に関係する機構は、H+イオンに対するリポソーム膜の透
過性に基づくNa+/K+勾配に応じて自動的に発生するpH勾
配を含むものと思われる。この機構によれば、イオン化
可能な抗腫瘍剤は、内部および外部H+イオン濃度の関数
であるその内部および外部濃度によって非荷電状態で膜
を通過し、その薬剤の内部濃度はその内部H+濃度が高い
場合に高く、その逆もまた同様である。膜貫通ポテンシ
ャルの負荷方法は、さらに使用される医薬の量を変える
ことによってさらに特徴づけられるものである。図3に
示すように、所定のベシクル濃度(1mMリン脂質)を保ち
ながら、0から10mMへと初期アドリアマイシン濃度を増
加することによって、膜貫通ポテンシャルによって作動
するアドリアマイシン捕捉工程が約400nmol/μmolリン
脂質で飽和になることを示した。0から0.2mMのアドリア
マイシンで、その捕捉は最初の遊離濃度に比例しかつほ
ぼ定量的(95%以上の捕捉効率)である。0.2mM以上のア
ドリアマイシンでは、捕捉効率は捕捉工程の飽和により
減少した。しかしながら、これらの高い医薬濃度での高
い補足効果は、ベシクル濃度増加という簡単な方策によ
り直ちに達成できる。例えば、50mMのリン脂質濃度に相
当するLUV類の存在下に10mMのアドリアマイシンを培養
すると、98%の捕捉率に相当する196nmolアドリアマイ
シン/μmolリン脂質のレベルの捕捉が生じたのである。
ビンブラスチンを使用した同様な研究により、40nmol瞳
ビンブラスチン/μmolリン脂質で捕捉レベルが飽和に
達することが明らかとなった。100%に近い捕捉率は、
5mMのリン脂質に相当するLUV類の濃度で0.2mMの
ビンブラスチンの培養を行なうことにより達成される。
リポソーム系医薬搬送システムは、血清成分により誘発
される捕捉される物質の漏出を減少させるために当モル
レベルのコレステロールおよびさらに飽和されたリン脂
質を通常含むので[例えば、ギャビゾンら(Gabison et a
l)(1982)キャンサー レス(Cancer Res.),42:4734メイ
ヒューら(Mayhew et al)(1979)キャンサー トリート
レポート(Cancer Terat. Rep.),63:1923、およびパパハ
ジョプーロスら(Papahadjopoulos et al)(1980),リポソ
ームス アンド イムノロジー(Lipoxomes and Immunol
ohgy)(Tom and Six, eds)(Elsevier, New York)参照の
こと]、研究は卵PC LUV系へのアドリアマイシンの活性
補足に関するコレステロール影響を測定して行なった。
図4Aに示すように、20℃で当モルの卵-PC/コレステロー
ルレベルを達成するためのコレステロール含量の段階的
増加は、アドリアマイシン蓄積速度の相当する減少をも
たらす。しかしながら、急速な捕捉は単に高速でべシク
ル−医薬系を培養することによってもなお達成できる。
図4Bに示すように、平衡捕捉レベルは、37℃で30分以内
に達成できる。この効果は、卵-PC/コレステロール(1:
1)系で最も著しいものであった。この系では20℃から37
℃へと温度を上げることによって30分間培養したのち42
nmol/μmol脂質から153nmol/μmol脂質へとベシクル−
会合アドリアマイシンの増加が生じた。これらの結果、
ベシクル内部への医薬の効果的な輸送にはむしろ「流体」
二重層を有することが重要であることを示している。ア
ドリアマイシンの膜貫通ポテンシャル負荷に関するリン
脂質アシル鎖の増大した飽和度の効果は、DDPC-コレス
テロール(1:1)LUV類への捕捉をチェックすることにより
試験された。図5に示すように、20℃で4時間以上経って
もアドリアマイシンの捕捉は見られなかった。しかしな
がら、60℃での培養は、2時間で150nmol医薬/μmol脂質
の隔離されたアドリアマイシンレベルを生じる。また、
かなりの捕捉(約60nmol/μmol脂質まで)がワリノマイシ
ンの不存在下に培養したこれらの系で観察された。同様
に、卵-PC LUV類には、それぞれ37℃および60℃で60お
よび100nmol/μmol脂質のアドリアマイシン捕捉レベル
が達成された(図5)。アシル鎖組成およびコレステロー
ル含量の変動の他に、生体内分布および捕捉工程に影響
する帯電した脂質種もリポソーム系分配系に配合された
[フレーリーら(Fraley et al)(1981)バイオケミストリ
ー(Biochemistry),20:6978、ヨナら(Jonah et al)(197
5)ビオヒム ビオフィズ アクタ(Biochim. Biophys. A
cta),401:336およびモークら(Mauk et al)(1979),プロ
ク ナットル アガド サイエンス ユーエスケイ(Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA),76: 765参照]。膜貫通ポテ
ンシャル負荷に関して酸性(負に帯電)リン脂質、卵-PS
の効果を測定した。図6に示すように、20モル%の卵-PS
を含有する系はワリノマイシンの存在下に、卵-PSの不
存在下(図1)に観察されたのと実質的に同一な医薬捕捉
の挙動を示した。しかしながら、純粋な卵-PC系とは対
照的に、ワリノマイシンの不存在下においてLUV類含有
卵-PSではかなりの捕捉が観察された。卵-PS含量の2モ
ル%から20モル%への増加は、このような捕捉(2時間の
培養)を30から78nmolアドリアマイシン/μmolリン脂質
に増加させた。
【0014】B部 pH勾配を利用した活性負荷 150mMのKOHおよび175mMのグルタミン酸(pH4.6)でLUV類
を形成させついでセファデックスG-50脱塩カラムを用い
て150mMのKOH、125mMのグルタミン酸および30mMのNaCl
の未捕捉緩衝液で交換することにより、膜貫通pH勾配を
発生させた。[ホープら(Hope et al),(1985),ビオヒム
ビオフィズ アクタ(Biochim. Biophys.Acta), 812:5
5]。このとき、プロトンイオン透過担体(エタノール中
の10mM)を添加して10μMの濃度とした。アドリアマイシ
ン(0.2mMの最終濃度)を該LUV分散液に添加した。種々の
時間において、隔離されていない医薬を1mlのセファデ
ックスG-50カラムに該溶液を一定量づつ通過させること
により除去した。ついで、脂質および医薬濃度を測定し
た。図7は、膜貫通pH勾配を示すEPCおよびEPC/コレステ
ロールより構成されるLUVが、プロトンイオン透過担体C
CCPの不存在下にアドリアマイシンを蓄積することを示
す。20℃で、50%の最大捕捉がEPC/コレステロールおよ
びEPC LUVで各々15分間および5分以下で観察された(図7
A)。これらの結果は、二つの膜系の相対的プロトン透過
性と一致する。EPCおよびEPC/コレステロールベシクル
類に観察される捕捉率パーセントはそれぞれ98および72
%であり、Na+/K+勾配に関して報告された値に匹敵する
ものである。コレステロール含有LUV類の場合に得られ
る僅かに低い量の捕捉は、これらのベシクル類がEPCベ
シクルよりも僅かに低い捕捉容積を有するという事実に
基づく。培養混合物にCCCPを含有させると一時的にアド
リアマイシンの高いレベルでの蓄積があり、つづいてベ
シクル内部から徐々に放出された。LUV系が明らかにプ
ロトンを充分透過してCCCPの不存在下にアドリアマイシ
ンを蓄積するので、イオン透過担体の添加は、pH勾配を
損ない、この結果、非常に大きな膜貫通医薬濃度勾配を
保つエネルギー力が減少せしめるようである。培養温度
を37℃に増加させると、EPC/コレステロールLUV類の捕
捉速度(図7B)が20℃で平衡にした系(図7A)と比較して増
大した。CCCPの不存在下で昇温したEPCベシクル類では2
0分後にアドリアマイシンのゆるい放出があったが、イ
オン透過担体が存在する場合には急速な放出が起こっ
た。これらの結果は、種々のLUV系に対する相対プロト
ン透過性に相当する。
【0015】C部 能動的/受動的負荷−「医薬カクテル」 親油性またはカチオン性を示さない水溶性抗癌剤である
メトトレキセートおよびチトシンアラビノシドを、最初
のベシクル形成工程中にLUV類に受動的に被包させた。
簡単に述べると、卵-PC LUV類(187μmolリン脂質/ml)
を、20mg/mlのチトシンアラビノシド(2μCi/ml[3H]チト
シンアラビノシド)または10mg/mlメトトレキセート(2μ
Ci/ml[3H]メトトレキセート)が添加された上記グルタミ
ン酸カリウム緩衝液中で製造した。このベシクル類を、
ついで、上記NaCl緩衝液で予め平衡にしたゲルフィルト
レリーションカラムに通し、未捕捉の医薬を除去し、Na
+/K+化学勾配を確立した。この方法で調製されたLUV類
の分析の結果、33%の有効なチトシンアラビノシドまた
はメトトレキセートが被包されていることが判明した
(表1参照)。メトトレキセートおよびチトシンアラビノ
シドの受動的捕捉につづいて、Na+/K+勾配およびワリノ
マイシンを用いてアドリアマイシンをべシクル類に能動
的に負荷させた。特に表1に示すように、0.2mMのアドリ
アマイシンの存在下にベシクル類(1.0mMのリン脂質)の
一定量を培養すると、98%の有効なアドリアマイシンの
吸収が生じた。アドリアマイシンに見られる捕捉効率と
吸収レベルは、受動的に捕捉された医薬の不存在下にみ
られたそれらとほとんど同一であった(表1と図1および
図2を比較されたい。)
【0016】
【表1】
【0017】メトトレキセートを、ベシクル類の製造中
(187μmolの脂質/ml)に、20mMの濃度で受動的に捕捉し
た。アドリアマイシンは、ワリノマイシンの存在下に、
1mMのリン脂質に相当しかつ100μMで始まるアドリアマ
イシン濃度のベシクル濃度で、透過膜Na+/K+勾配を用い
て捕捉された。チトシンアラビノシドは、ベシクル類(1
87μmolの脂質/ml)の製造中に25mMの濃度で受動的に捕
捉された。またビンブラスチンはは、ワリノマイシンの
存在下に5mMのリン脂質に相当しかつ200μMで始まるビ
ンブラスチン濃度のベシクル濃度で膜貫通Na+/K+勾配を
用いて捕捉した。
【0018】例2(参考例)膜貫通ポテンシャルを利用したリポソーム類からの荷電
された医薬の放出速度の低減 この例は、イオン化可能な医薬がリポソーム類から放出
される速度を低減する膜貫通ポテンシャルの能力を説明
するものである。本例のA類およびB類は、それぞれ必要
な膜貫通ポテンシャルを発生させるためのNa+/K+勾配お
よびpH勾配の利用を説明するものである。A部 医薬放出速度低減のためのNa+/K+勾配の使用 例1Aに続いて行なわれた活性捕捉に引き続いてLUV類か
らのアドリアマイシンの放出は、つぎのようにして測定
された。アドリアマイシンを含有するベシクル類(10mM
リン脂質)は、最初遊離の医薬を除去するために上記のN
aClまたはKCl緩衝液で平衡にした15mlのゲルフィルトレ
ーションカラムを通した。ついで、37℃で平衡にした流
動透析装置中に溶質をおいた。流通速度は、試料区分容
量(50ml)の全交換が20分間以下で起こるように調製し
た。一定量(100μl)の検体が種々の時間において取り出
され、未捕捉の物質は1mlのゲルフィルトレーションカ
ラムを用いて分離した。ついで、試料についてアドリア
マイシンおよびリン脂質を測定した。これらの実験の結
果は、表2に示されている。この表から明らかなよう
に、Na+/K+膜貫通勾配が存在すると、卵-PC、卵-PC/卵-
PS(8:2)および卵PC/コレステロール(1:1)ベシクル類の
医薬保持時間が非常に長くなる。同様な試験をDPPC/コ
レステロール(1:1)ベシクル類についても行なった。こ
の場合、複雑な医薬放出の動力学が観察され、T50を決
定することは困難である。しかしながら、一般にNa+/K+
勾配は、この組成のベシクル類で保持時間を著しく増加
させないことが判った。測定されたデータは、24時間で
約44%の医薬が放出され、膜貫通Na+/K+勾配が使用され
るか否かには関係ないことを示している。
【0019】B部 医薬放出速度を低減させるためのpH勾配の使用 例1Bの方法を用いて活性負荷を行なったのち、LUV類か
らのアドリアマイシンの放出を、つぎのようにして測定
した。すなわちアドリアマイシンを含有するべシクル類
(5mMのリン脂質)を最初適当な緩衝液で平衡にした15ml
のゲルフィルトレーションカラムを通して遊離の医薬を
除去した。ベシクルを含有する画分を37℃で平衡にし
た流動透析装置においた。流通速度を試料の画分容量
(50ml)の全交換が10分でできるように調整した。
一定量(0.15ml)の試料を数回にわたって除去し、かつ未
捕捉の物質を1mlのゲルフィルトレーションカラムを用
いて分離した。ついで、試料についてアドリアマイシン
およびリン脂質を測定した。pH勾配の存在下(パネルB)
および不存在下(パネルA)でのEPC LUV類(丸印)およびEP
C/コレステロールLUV類(四角印)についての放出性を図8
に示す。黒印はNa+/K+勾配の不存在下での放出性を示
し、白抜き印はこのような勾配の存在下での放出性を示
す。特に、図8Aでは、アドリアマイシ含有べシクル類を
内部pHと同じにpH4.6に調製された緩衝液で脱塩カラム
を通し、図8Bでは、ベシクル会合医薬の分離中に外部pH
を7.5に保持した。図8に示すように、すべての場合、膜
貫通pH勾配を除去すると、アドリアマイシンの流出速度
が著しく増大する。Na+/K+勾配の不存在下(黒印)にpHを
7.5から4.6に減少させると、EPC/コレステロールLUV類
(四角印)では捕捉薬剤の50%放出時間が24時間から4時
間に、またEPC/コレステロールLUV類(四角印)では3時間
から1時間未満に減少した。放出の動力学に対する影響
は、pH勾配およびNa+/K+勾配勾配の両者がpH勾配のみの
代わりに使用される場合にはEPC/コレステロールベシク
ル類にはみられなかった(黒印と白抜印とを比較された
し)。しかしながら、卵-PC系では、pH勾配とNa+/K+勾配
との組合せは、pH勾配のみで達成する場合より保持時間
が長くなる[黒丸印(pHのみ)と白抜丸印(pH+Na+/K+)とを
比較されたし]。この効果は、膜貫通pH勾配(パネルB)の
存在下では、EPC LUV類には最も著しく、Na+/K+勾配がp
H勾配に加わった場合にアドリアマイシンの50%放出時
間が3時間から16時間に増大する。16時間T50値がNa+/K+
勾配のみを使用したEPCベシクル類でも得られることに
注目されたい(表2参照)。
【0020】
【表2】
【0021】例3(参考例)抗腫瘍剤を含有するリポソーム類の脱水 この例は、抗腫瘍剤であるアドリアマイシンを含有する
リポソーム類の脱水およびその後の再水和を説明するも
のである。卵ホスファチジルコリンETV類を250mMのトレ
ハロースを含有する溶質溶液[169mMのグルタミン酸カリ
ウム、20mMのヘペス(pH7.4)、40μmol脂質/ml]を使用し
て上記のようにして調製した。ついで、外部カリウム緩
衝液をナトリウム緩衝液[150mMのNaCl、20mMのヘペス(p
H7.4)、250mMトレハロース]と交換した。アドリアマイ
シン(200nmol/μmol脂質)を、ワリノマイシン(0.5μg/
μmol脂質)とともに加えて膜ポテンシャルを発生させ
た。2時間培養したのち、上記のトレハロース含有ナト
リウム緩衝液で平衡にしたセファデックスG-50のカラム
にベシクル類を通して未被包アドリアマイシンを除去し
た。ETV類は、予め凍結することなく24時間で脱水し、
ついで上記のようにして再水和化した。脱水/再水和前
および後の両方においてベシクル類内の捕捉されたアド
リアマイシンの量ならびにベシクル類からの医薬漏出の
速度は、セファデックスG-50のカラム(1ml)にベシクル
懸濁液の100μlの部分を通しての未捕捉物質を除去した
のち、上記測定方法(「測定」の項参照)を用いて測定した
(さらに詳細には米国特許第622,690号参照のこと)。こ
のカラムは使用されるリポソーム類の少量パーセントが
捕捉されるので、脱水/再水和工程後に保持される被包
物質の量について測定された値は、本発明の方法で実際
に達成されるレベルよりも幾分低い。これらの実験の結
果は、表3に示されている。ここに示すように、90%を
越える医薬が脱水および再水和後に保持される。さら
に、アドリアマイシンの再水和ベシクル類からの漏出速
度は、脱水されなかったベシクル類でみられる速度に匹
敵する(データは示さず)。
【0022】
【表3】
【0023】例4(参考例)膜貫通ポテンシャルを利用した再水和 リポソーム類へのイオン化可能な抗腫瘍剤の負荷 この例は、(1)膜を越えての濃度勾配を有するリポソー
ム類が、保護糖の存在下に脱水され、かつ濃度勾配の損
失なしに再水和されること、および(2)再水和後に、濃
度勾配がイオン化可能な抗腫瘍剤(アドリアマイシン)を
リポソーム類へ負荷するのに使用し得ることを説明する
ものである。グルタミン酸カリウム緩衝液(169mMのグル
タミン酸カリウム、250mMのトレハロース、20mMのヘペ
スpH7.4)中でETV類(40μmol脂質/ml)を形成し、ついでN
aCl溶液で予め平衡にしたセファデックスG-50カラム(1.
4×10cm)に該ベシクル類を通してNaCl緩衝液(150mMのNa
Cl、250mMのトレハロース、20mMのヘペス、pH7.4)で外
部緩衝液を置換することにより膜を横切ってのNa+/K+
学勾配を有するベシクル類を調製した。このときワリノ
マイシン(ミズリー州セントルイスのシグマ社製)を0.5
μg/μmolリン脂質の濃度になるように添加した。同様
に、膜貫通pH勾配(内部酸)を、低いpH(135mMのグルタミ
ン酸、250mMのトレハロース、水酸カリウムを添加してp
Hを5.5にした)を有する緩衝液中でリポソーム類を調製
し、ついで高いpH(125mMのグルタミン酸、30mMのNaCl、
250mMのトレハロース、水酸化カリウムを添加してpHを
7.5にした)を有する緩衝液を用いてセファデックスG-20
上で交換した。このとき、プロトンイオン透過担体CCCP
を最終濃度20μMになるよう添加した。膜貫通ポテンシ
ャルは、親油性カオチン3H-テトラフェニルホスフォニ
ウムブロマイド(3H-TPPB、カナダ国NEN)の分布を決定す
ることにより測定した。具体的には1μlのエタノール中
の1μCiの3H-TPPBをETV分散液の1〜2mlの試料に添加
し、かつその混合物を20℃で20分間培養した。一定量(1
00μl)の試料を取り出し未捕捉の3H-TPP+を1mlの使い捨
て可能なシリシンジに充填したセファデックスにその一
定量試料を負荷することにより除去し、ついでこのカラ
ムを500gで3分間遠心してベシクル類を溶出させた。捕
捉された3H-TPP+は液体シンチレーションカウンティン
グにより測定し、かつリン脂質はホスフェートアッセイ
により測定した。ETV法によりETV類内に捕捉された22N
a、3H-イヌリンまたは14C-イヌリンの量を測定すること
により決定されたETV類用の捕捉容量値(μl/μmolのリ
ン脂質)を使用して、ベシクル類の3H-TPP+(内側[3H-TPP
+]iおよび外側[3H-TPP+]oの濃度を計算し、これから、
膜貫通ポテンシャル(Vm)をネルンスト式を用いて計算し
た。 Vm=-59log[3H-TPP+]i/[3H-TPP+]o) Na+/K+およびpH勾配ベシクル類の両者は、高真空下に24
時間脱水し、ついで再水和した。比較のためのベシクル
類は4℃で24時間保持した。乾燥しかつ再水和したの
ち、イオン透過担体の存在下または不存在下にこれらの
ベシクル類により示される膜貫通ポテンシャルは、同様
にイオン透過担体の存在下または不存在下に比較例のも
のにより発生した膜貫通ポテンシャルに匹敵した。その
結果は、図9(pH)および図10(Na+/K+)に示すとおりであ
る。これらの図面に示されるように、脱水されかつ再水
和されたベシクル類により示される膜貫通ポテンシャル
は、比較例のものにより示されるものと実質的に同一で
ある。唯一の明白な差異は、pH勾配ベシクルの場合、脱
水/再水和ベシクル類の膜貫通ポテンシャルが、比較例
のベシクル類の膜貫通ポテンシャルより幾分低いという
ことである。脱水および再水和後にアドリアマイシンを
蓄積するNa+/K+ベシクル類の能力を、イオン透過担体の
存在下または不存在下に試験し、比較例のベシクル類、
すなわち24時間脱水することなく4℃で24時間保持され
たベシクル類により示される蓄積と比較した。充分なア
ドリアマイシンをベシクル類の外部媒体に添加して0.2
モル-アドリアマイシン/1モル-リン脂質の最終濃度にし
た。これらの試験結果を図11に示す。ここにみられるよ
うに、脱水/再水和ベシクル類は、比較例のベシクル類
と実質的に同一の速度および同一程度でアドリアマイシ
を蓄積する。したがって、この例は、ベシクル類の後か
らの負荷が濃度勾配と脱水/再水和工程との組合せによ
り達成され得ることを示すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】Na+/K+拡散ポテンシャルの存在下又は不存在下
に大きなユニラメラベシクル類(LUV類)へのアドリアマ
イシン(ADM)の吸収を示す。卵-PC LUV類(1μmolリン脂
質/ml)が0.2mMのアドリアマイシンの存在下に20℃で培
養された。薬剤の吸収は、前記の「材料及び方法」で評価
された。実験条件は、つぎのとおりであった。すなわち
白抜三角印は、内部及び外部両媒体中に20mMのヘペス(H
epes)(pH7.5)、169mMのグルタミン酸カリウムを有する
ベシクル類。白抜丸印は、内部媒体中に169mMのグルタ
ミン酸カリウムおよび20mMのヘペス(pH7.5)を有し、外
部媒体には更にワリノマイシン(valinomycin)を有する
ベシクル類。白抜四角印は内部媒体中に20mMのヘペス(p
H7.5)、169mMのグルタミン酸カリウムを有し、外部媒体
中に20mMのヘペス(pH7.5)及び150mMのNaClを有するベシ
クル類。黒丸印は、内部媒体中に20mMのヘペス(pH7.5)
および169mMのグルタミン酸カリウムを有し、外部媒体
中に150mMのNaCl、20mMのヘペス(pH7.5)およびワリノマ
イシンを有するベシクル類を表す。
【図2】Na+/K+拡散ポテンシャルの存在下または不存在
下での、大きなユニラメラベシクル類へのビンブラスチ
ン(vinblastine)(VINB)の吸収を示す。卵-PC LUV類(1μ
molリン脂質/ml)が0.2mMのビンブラスチンの存在下に20
℃でつぎの条件下で培養された。白抜三角印は、内部及
び外部緩衝液としての20mMのヘペス(pH7.5)、169mMのグ
ルタミン酸カリウムを有するベシクル類、白抜丸印は内
部緩衝液として169mMのグルタミン酸カリウムおよび20m
Mのヘペスを有し、外部緩衝液としてこのものに更にワ
リノマイシンが加えられたものを有するベシクル類、白
抜四角印は、外部媒体中に150mM NaCl、20mM ヘペス(pH
7.5)を、ベシクル内部には169mMのグルタミン酸カリウ
ムを有するベシクル類を示す。黒丸印は外部媒体中に15
0mM NaCl、20mM ヘペス(pH7.5)を内部媒体にはこのもの
に更にワリノマイシンを加えたベシクル類を示す。
【図3】最初の遊離のアドリアマイシン濃度(黒丸)の関
数としての膜を横切ってのNa+/K+勾配を有する卵-PC LU
V類へのアドリアマイシン(ACM)の捕捉を示す。白抜丸印
は蓄積した使用可能な全薬剤のパーセントを示す。この
ベシクル類(1mMリン脂質)は、ワリノマイシンの存在下
に2時間にわたって示された濃度のアドリアマイシンと
共に20℃で培養した。
【図4】(A)20℃および(B)37℃での、Na+/K+膜貫通化学
勾配およびワリノマイシンの存在下に卵-PCコレステロ
ール LUV系へのワドリアマイシン(ADM)の捕捉を示す。
このベシクル類(1μmolの全脂質/ml)は、0.2mMのアドリ
アマイシンの存在下に20℃または37℃で2時間培養され
た。使用したコレステロールに対する卵−PCのモル比
は、つぎのとおりである。すなわち、黒丸は1:0、白
丸は9:1、黒角は3:1であり、また白角は1:1である。
【図5】種々の温度において0.2mMのアドリアマイシン
の存在下に培養したのちのNa+/K+膜貫通化学勾配の存在
下でのDPPC-コレステロール(1:1)LUV類(1mM脂質)へのア
ドリアマイシン(ADM)の捕捉を示す。白抜丸印はワリノ
マイシンの存在下で20℃、黒四角印はワリノマイシンの
存在下で37℃、黒丸印はワリノマイシンの不存在下で37
℃、白抜四角印はワリノマイシンの存在下で60℃、下向
黒三角印(solid downward facing triangle)はワリノマ
イシンの不存在下で60℃、上向黒三角印(solid upward
facing triangle)はワリノイシンの不存在下での37℃に
おける卵-PC LUV類(1mM)、下向白抜三角印(open downwa
rd facing triangle)はワノマイシンの不存在下での60
℃における卵-PC LUV類を示す。
【図6】0.2mMのアドリアマイシンの存在下での20℃に
おける培養後のNa+/K+化学勾配の存在下での卵-PC/卵-P
S LUV類へのアドリアマイシン(ADM)の捕捉を示す。白抜
三角印はワリノマイシンの存在下での卵-PC/卵-PS(4:
1)、黒三角印はワリノマイシンの不存在下での卵-PC/卵
-PS(4:1)、白抜四角印はワリノマイシンの不存在下での
卵-PC/卵-PS(9:1)、黒四角印はワリノマイシン不存在下
での卵-PC/卵-PS(20:1)、白抜丸印はワリノマイシンの
不存在下での卵-PC/卵-PS(50:1)、黒丸印はNa+/K+勾配
(内側および外側のK+緩衝液)の不存在下での卵-PC/卵-P
S(4:1)への捕捉を示す。
【図7】(A)20℃および(B)37℃における、膜貫通のpH勾
配を示すLUV類へのアドリアマイシンの捕捉を示す。実
験条件は、つぎのとおりであった。すなわち、プロトン
イオン通過担体CCCP(10μM)の不存在下(黒印)および存
在下(白抜印)での0.2mMアドリアマイシン、2mMの脂質。
内部緩衝液の組成は150mMのKOH、175mMのグルタミン酸
(pH4.6)であり、一方外部緩衝液の組成は150mMのKOH、1
25mMのグルタミン酸および30mMのNaCl(pH7.5)よりなっ
ていた。脂質の組成はEPC(丸印)および1:1のモル比のEP
C/コレステロール(1:1)であった。
【図8】37℃におけるEPC(黒丸印、白抜丸印)およびEPC
/コレステロール(1:1モル比)(黒四角印、白抜四角印)LU
V類からのアドリアマイシンの放出を示す。アドリアマ
イシンは、それぞれ5.0および0.5mMの脂質ならびに薬剤
濃度でpH勾配に応じてベシクル類へ捕捉される。遊離の
アドリアマイシンは、150mMのK+(黒色)または180mMのNa
+(白抜印)を含有しpHを4.6(図8A)またはpHを7.5(図8B)
に調整された緩衝液で並衡にしたゲルフィルトレーショ
ンクロマトグラフィカラムによりベシクルに会合した薬
剤から分離される。
【図9】比較のためのベシクル類(四角形)および脱水/
再水和ベシクル類(円形)に対してpH勾配によって生ずる
膜貫通ポテンシャルを示す。予め存在するプロトン勾配
を有するベシクル類は、4℃で24時間保持される(比較
例)か、あるいは同一時間高真空下に250mMのトレハロー
スの存在下に脱水された。再水和によるベシクル類に見
られるポテンシャルは、CCCPの不存在下(白抜丸および
白抜四角印)または20μMのCCCPの存在下(黒丸および黒
四角印)に3H-テトラフェニルホスホニウムブロマイドを
プローブとして使用して測定された。CCCPの存在下また
は不存在下にpH勾配なしにベシクル類にみられる膜貫通
ポテンシャルは、それぞれ黒三角印および白抜三角印で
示されている。
【図10】比較のためのベシクル類(四角印)および脱水/
再水和ベシクル類(丸印)に対してNa+/K+化学勾配により
発生する膜貫通ポテンシャルを示す。予め存在するNa+/
K+勾配を有するベシクル類は、4℃で24時間保持される
(比較例)か、あるいは同一時間高真空下に250mMのトレ
ハロースの存在下に脱水された。再水和によるベシクル
類にみられるポテンシャルは、CCCPの不存在下(白抜丸
および白抜四角印)または20μMのCCCPの存在下(黒丸お
よび黒四角印)に3H-テトラフェニルホスホニウムブロマ
イドをプローブとして使用して測定された。ワリノマイ
シリンの存在下または不存在下に膜の両側にグルタミン
酸カリウムを有するベシクル類にみられる膜貫通ポテン
シャルは、それぞれ白抜三角印および黒三角印で示され
ている。
【図11】予め乾燥したベシクル類にアドリアマイシンを
負荷するための膜貫通ポテンシャルの使用を示す。予め
存在するNa+/K+勾配を有するベシクル類は、250mMのト
レハロースの存在下に24時間脱水される。再水和化に続
いてワリノマイシン(0.5μg/リン脂質μmol)の存在下
(白抜丸印)または不存在下(黒丸印)にアドリアマイシン
を蓄積させるベシクル類の能力が測定された。同一時間
4℃に保持された比較のためのベシクル類も、ワリノマ
イシンの存在下(白抜四角印)または不存在下(黒四角印)
に試験された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/71 A61K 31/71 C07D 475/08 C07D 475/08 519/00 311 519/00 311 C07H 15/252 C07H 15/252 19/09 19/09 //(A61K 31/71 31:505) (A61K 31/71 31:70) (72)発明者 バリー,マルセル,ビー. カナダ国 ブリティッシュ コロンビア州 ブイ6ティ 1エム8 バンクーバー コルベット クレッセント 5516 (72)発明者 キュリス,ピーター,アール. カナダ国 ブリティッシュ コロンビア州 ブイ6ジェイ 3アール2 バンクーバ ー ウォルナット ストリート 1329 (72)発明者 ホープ,マイケル,ジェイ. カナダ国 ブリティッシュ コロンビア州 ブイ6アール 2ケイ2 バンクーバー ウエスト イレブンス アベニュー 3550 (72)発明者 マッデン,トーマス,ディ. カナダ国 ブリティッシュ コロンビア州 ブイ6ケイ 2エイ5 バンクーバー ウエスト エイス アベニュー 2185 ア パートメント302 (72)発明者 マイヤー,ローレンス,ディ. カナダ国 ブリティッシュ コロンビア州 ブイ6エヌ 2ピー3 バンクーバー ウエスト サーティフィフス アベニュー 4084

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リポソームが、それらの膜を越えて膜貫通
    ポテンシャルを有するものであり、該膜貫通ポテンシャ
    ルは、生物活性剤がイオン化形態において正に帯電して
    いる場合には、リポソームの内部ポテンシャルが外部媒
    体のポテンシャルに比較して負であり、そして該生物活
    性剤がイオン化形態において負に帯電している場合に
    は、リポソームの内部ポテンシャルが外部媒体のポテン
    シャルに比較して正であるような配向を有するものであ
    る、リポソーム中に被包されたイオン化可能な生物学活
    性剤を含有する医薬製剤。
  2. 【請求項2】膜貫通ポテンシャルがリポソーム膜を越え
    て1種またはそれ以上の帯電した種の濃度勾配をつくる
    ことにより発生するものである請求項1記載の医薬製
    剤。
  3. 【請求項3】濃度勾配がNa+/K+濃度勾配である請求
    項1又は2記載の医薬製剤。
  4. 【請求項4】濃度勾配がpH勾配である請求項1又は2
    記載の医薬製剤。
  5. 【請求項5】イオン化可能な生物活性剤が抗腫瘍剤であ
    る請求項1、2、3又は4記載の医薬製剤。
  6. 【請求項6】抗腫瘍剤類がダウノルビシン、ドキソルビ
    シン、ビンブラスチンおよびその医薬的に許容し得る塩
    および誘導体よりなる群から選ばれたものである請求項
    1、2、3、4又は5記載の医薬製剤。
  7. 【請求項7】イオン化可能な生物活性剤が正に帯電して
    いる場合にはリポソームの内部ポテンシャルが外部媒体
    のポテンシャルに比較して負であり、また該生物活性剤
    が負に帯電している場合にはリポソームの内部ポテンシ
    ャルが外部媒体のポテンシャルに比較して正であるよう
    な配向を有するリポソーム膜を越えて膜貫通ポテンシャ
    ルを発生させることにより、外部媒体中に貯蔵されたリ
    ポソームからイオン化可能で生物学的に活性な薬剤を放
    出させる速度を低減させる方法によって生物活性剤の放
    出速度が低減させられているような、外部媒体中に貯蔵
    されたリポソーム中に被包されたイオン化可能な生物活
    性剤を含有する医薬製剤。
  8. 【請求項8】膜貫通ポテンシャルが、リポソーム膜を越
    えて1種またはそれ以上の帯電した種の濃度勾配をつく
    ることにより発生されるものである請求項7記載の医薬
    製剤。
  9. 【請求項9】濃度勾配がNa+/K+濃度勾配である請求
    項7記載の医薬製剤。
  10. 【請求項10】濃度勾配がpH勾配である請求項7記載
    の医薬製剤。
  11. 【請求項11】生物活性剤が抗腫瘍剤である請求項7記
    載の医薬製剤。
  12. 【請求項12】抗腫瘍剤がダウノルビシン、ドキソルビ
    シン、ビンブラスチンおよびその医薬的に許容し得る塩
    および誘導体よりなる群から選ばれたものである請求項
    7記載の医薬製剤。
  13. 【請求項13】リポソームがそこに被包された2又はそ
    れ以上の抗腫瘍剤を有し、該抗腫瘍剤の少なくとも1つ
    がイオン化可能なものであり、リポソームがそれらの膜
    を超えて膜貫通ポテンシャルを有し、該膜貫通ポテンシ
    ャルの配向がそのイオン化可能な剤がそのイオン化形態
    において正に帯電されている場合は、そのリポソームの
    内部ポテンシャルが外部媒体のポテンシャルと比較して
    負であり、そしてそのイオン化可能な剤がそのイオン化
    形態において負に帯電されている場合は、そのリポソー
    ムの内部ポテンシャルが外部媒体のポテンシャルと比較
    して正である、請求項1記載の医薬製剤。
  14. 【請求項14】イオン化し得る抗腫瘍剤がドキソルビシ
    ン、ダウノルビシン、又はビンブラスチンである請求項
    13記載の医薬製剤。
  15. 【請求項15】二又はそれ以上の抗腫瘍剤がドキソルビ
    シンおよびメトトレキセートを含有する請求項13又は
    14記載の医薬製剤。
  16. 【請求項16】二又はそれ以上の抗腫瘍剤がドキソルビ
    シンおよびシトシンアラビノシドを含有する請求項13
    記載の医薬製剤。
  17. 【請求項17】そのイオン化形態において正に帯電され
    た剤に対して、リポソーム中のイオン化可能の剤の濃度
    が少なくとも約20mMであるか、又はリポソーム中の
    イオン化可能の濃度が少なくとも約20mMであり、そ
    して外部媒体におけるイオン化可能な剤の濃度に対する
    リポソーム内部のイオン化可能な剤の濃度の比が少なく
    とも約140である請求項13、14、15又は16記
    載の医薬製剤。
  18. 【請求項18】イオン化可能な抗腫瘍剤が膜貫通ポテン
    シャルの手段によりリポソーム中に装填されている請求
    項13、14、15、16又は17記載の医薬製剤。
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