JP2574999B2 - 脱水リポソーム医薬製剤 - Google Patents

脱水リポソーム医薬製剤

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JP2574999B2 JP6196978A JP19697894A JP2574999B2 JP 2574999 B2 JP2574999 B2 JP 2574999B2 JP 6196978 A JP6196978 A JP 6196978A JP 19697894 A JP19697894 A JP 19697894A JP 2574999 B2 JP2574999 B2 JP 2574999B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗腫瘍剤類(antineop
lastic agents)、特に、抗腫瘍剤類を被包してなる脱
水リポソーム医薬製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】種々の研究者により確立されているよう
に、抗腫瘍剤類の使用による癌の治療は、多くの場合、
抗腫瘍剤類を人体に直接投与するよりもリポソーム類に
該抗腫瘍剤類を被包することにより大いに改善され得る
[例えばフォルセン等(Forssen et al)(1983),キャン
サー レス(Cancer Res.),43:546;ギャビゾン
ら(Gabizon et al)(1982),(Cancer Res.),42:47
34;およびオルソンら(Olson et al)(1982),ユーロ
ピアン ジャーナル オブ キャンサー クリニカル
オンコル(Eur.J.Cancer Clin. Oncol.),18:16
7参照、アブラら(Abra et al)(1983),キャンサー ケ
ミテル ファーマコル(Cancer Chemother.Pharmaco
l.),11:98参照のこと]。このような抗腫瘍剤類
をリポソーム類へ配合すると、その抗腫瘍活性、クリア
ランス率、組織分布および毒性が、直接投与に比して変
化する[例えばラーマンら(Rahman et al)(1982),キャ
ンサー レス(Cancer Res.),42:1817;ローザ
ら(Rosa et al)(1982)トランスポート イン バイオ
メンブレンズ(Transport in Biomembranes)における
「モデル システムズ アンド リコンスティテューシ
ョン(Model Systems andReconstitio
n),アール アントリーニら(A.Antolini et al)
編、ラベン プレス(Raven Press)、ニューヨーク、2
34−256;ローザら(Rosa et al)(1983),ファーマ
コロジー(Pharmacology),26:221;上記フォルセ
ンら(Forssen et al);上記ギャビソンら(Gabizon et
al);および上記オルソンら(Olson et al)参照のこと]。
例えば、アントラサイクリン抗生物質ダウノルビシン(d
aunorubicin)およびドキソルビシン(doxorubicin)(ア
ドリアマイシン)(adriamycin)およびその医薬的に受容
し得る誘導体およびその塩の心臓毒性が著しく減少する
ことは公知である[例えば上記フォルセンら;上記オル
ソンら(Olson et al);および上記ラーマンら(Rahman
et al)参照のこと]。また極めて毒性の高い抗腫瘍剤類
をリポソーム中に導入することによって、その投入され
る人を抗体のような抗腫瘍剤類にさらす危険は減少でき
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】リポソーム類を使用し
て抗腫瘍剤類を投与する際には、医薬被包および治療中
の医薬放出の両方に関して問題が生ずる。被包に関して
は、治療中に患者に与える脂質負荷を最小にするよう
に、トラップ効果を増加する必要性が引続いてあった。
さらに、高いトラップ効果によって、癌の治療において
現在使用されている高価な医薬を処理する際の重要な点
である少量の医薬しか損失しないという利点が得られる
のである。医薬の放出に関しては、アドリアマイシンの
ような多くの抗腫瘍剤類が被包後にリポソーム類から急
速に放出されることが見出されていた。このような急速
な放出は、リポソーム被包の有用な効果を減少させるた
め一般に望ましくないことである。したがって、リポソ
ーム類からの抗腫瘍剤類およびその他の医薬の放出速度
を減少させる方法を見出す努力が当業者により引続いて
行なわれてきた。これらの被包および放出の問題の他
に、臨床医に抗腫瘍剤類含有リポソーム類を提供するた
めの商業的に許容し得る方法を見出すという無視すべか
らざる問題がある。「必要な」ベ−スにリポソーム類の
生産および負荷が実験室的には許容し得る方法であると
はいえ、一般に、臨床的には不満足である。したがっ
て、被包された医薬を有するあるいは有さないリポソー
ム類が出荷され、貯蔵されかつ従来の商業的な販売ルー
トを通じて一般に移動される方法に対して重要でかつ継
続的な需要がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記のごとき技術の状態
から、本発明の目的は、リポソーム類に抗腫瘍剤類(an
tineoplastic agents)を被包し、リポソーム類からの
抗腫瘍剤類の放出速度を減少させると共に、リポソーム
類が実質的な損耗なしに貯蔵され、出荷されかつ商業的
に販売され得るような、抗腫瘍剤類含有脱水リポソーム
類を提供することにある。すなわち本発明は膜を貫通し
た1またはそれ以上の荷電種の濃度勾配により生じた膜
貫通ポテンシャルによって装填された、イオン化し得る
抗腫瘍剤を内部に被包して含有し、予め凍結させること
なく減圧下で乾燥することにより脱水された脱水リポソ
ーム含有の薬理学的製剤に関するものである。本発明に
おいては、膜貫通ポテンシャル(transmembrane potent
ial)がリポソームの壁部を越えて形成されかつ抗腫瘍剤
類が該膜貫通ポテインシャルによりリポソーム類内に負
荷されるイオン化可能な抗腫瘍剤でリポソーム類を負荷
するものである。イオン化可能な抗腫瘍剤としては、水
性媒体(例えばプロトン化し得るアミノ基を有する有機
化合物)中に溶解したときに荷電状態(charged state)
で存在し得る本質的にいかなる抗腫瘍剤も使用できる。
好ましくは、該薬剤は、リポソーム類を仕切るように比
較的親油性でなければならない。複数の抗腫瘍剤類は、
この方法を用いて同時にあるいは順次負荷させることが
できる。また、イオン化可能な抗腫瘍剤が負荷されるリ
ポソーム類は、従来の被包技術(例えば、リポソーム類
が作られる緩衝液中に医薬を配合すること)により他の
抗腫瘍剤類または他の医薬で予め負荷することができ
る。
【0005】本発明によれば、リポソーム類に薬剤を保
持するために配向した膜貫通ポテンシャルがリポソーム
膜を横切って発生しているリポソーム類からのイオン化
可能な抗腫瘍剤類または他の生物学的に活性な薬剤の放
出速度を減少させることができる。以下に詳述するよう
に、リポソーム類からのアドリアマイシンのようなイオ
ン化可能な薬剤の放出速度を、このような膜貫通ポテン
シャルが10倍も減少させ得ることは驚くべきことであ
る。この膜貫通ポテンシャルは、被包後に発生させ得る
か、あるいは上記被包技術によりリポソーム類に負荷さ
れていた膜貫通ポテンシャルと同一であり得る。
【0006】本発明における予め凍結しない減圧下での
脱水は、乾燥凍結に比べ全工程にわたり条件が緩やか
で、このためリポソーム類に対する損傷が小さく、かつ
リポソーム類の内部成分の損失も小さい。
【0007】本発明ではこの予め凍結しない減圧下での
脱水に加えて、リポソーム類が臨床面で抗腫瘍剤類の投
与に便利なように、種々の脱水プロトコールを加えるこ
とができる。これらのプロトコールによれば、抗腫瘍剤
類はリポソーム類中に負荷され、かつその結果得られる
製剤は、都合よく貯蔵され、出荷されるかあるいはリポ
ソーム類から実質的に抗腫瘍剤類の漏出なしに処理され
る。このプロトコールのある実施態様によれば、脱水は
1種またはそれ以上の保護糖類の存在下に行なわれる。
この場合、脱水はさきに凍結することなく行なわねばな
らず、抗腫瘍剤類の被包に使用されるリポソーム類は、
多分子脂質層を有するタイプのものでなければならず、
またリポソーム製剤は完全に脱水できないが、むしろ製
剤内に約2〜約5%の元からの水分を脱水工程の最後ま
で残しておかなければならない。脂質当りの水の点から
考えると、これは1モルの脂質当り約12〜35モルの
水が脱水製剤中に存在しなければならないということで
ある。本発明によれば、抗腫瘍剤類は、出荷、貯蔵等用
に予め脱水されているリポソーム類に負荷され、ついで
再水和される。脱水は、上記方法により行なわれ、抗腫
瘍剤類の負荷は上記膜貫通ポテンシャル法を用いて達成
される。膜貫通ポテンシャルは、必要により脱水工程前
または後に発生する。本発明は、膜貫通ポテンシャルに
より予め脱水されたリポソーム類内に負荷された抗腫瘍
剤類よりなる医薬製剤である。本発明の前記および他の
目的および利点の達成は、本発明の好ましい実施態様の
記載に関連して記載されている。
【0008】本明細書で使用されているように、「医薬
製剤」、「イオン化可能な抗腫瘍剤(ionizable antine
oplastic agent)」および「イオン化可能な生物学的に活
性な薬剤(ionizable biologically-active agent)」の用
語は、次ぎの意味を有している。すなわち、ヒトまたは
動物への投与に好適でかつ生物学的に活性な物質および
適当な緩衝剤、希釈剤、担体等よりなる組成物を意味
し、イオン化可能な抗腫瘍剤は水性媒体に溶解したとき
に帯電した状態で存在し得る抗腫瘍剤を意味し、また、
イオン化可能な生物学的に活性な薬剤は水性媒体に溶解
したときに帯電した状態で存在し得る生物学的に活性な
薬剤を意味する。抗腫瘍剤類が被包されるリポソーム類
は、種種の組成および内部含有物を有しており、かつ現
在知られているあるいは将来開発されるマルチラメラ、
ユニラメラまたは他のタイプのリポソーム類あるいは一
般に脂質含有粒子は、米国特許出願第476,496号
(米国特許第4,522,803号)、同第521,1
76号(米国特許第4,588,578号)、同第59
1,576号(米国特許4,610,868号)および
同第599,691号(米国特許第4,721,612
号)に開示されているタイプのステロイドリポソーム
類、安定なプルリラメラリポソーム類(SPLV類、)
単相ベシクル類(MPV類)または脂質マトリックス担
体(LMC類)の形であり得、その関連個所を参考にさ
れたい。リポソーム類は、リポソーム類の製造法として
現在知られているかあるいは将来開発されるいかなる方
法によっても製造できる。例えば、マルチラメラリポソ
ーム類(MLV類)製造用の従来の技術により該リポソ
ーム類は形成できる。すなわち、クロロホルム中に脂質
類を溶解することにより適当な容器の内壁に1種または
それ以上の選ばれた脂質類を堆積させ、ついでクロロホ
ルムを蒸発させ、被包させるべき水溶液を容器に加え、
該水溶液で脂質類を水和し、かつ得られる懸濁液を旋回
させることにより目的とするリポソーム類が製造され
る。別法としては、逆相蒸発法、注入法および洗浄剤希
釈法のごとき大型ユニラメラリポソーム類(LUV類)
の製造に用いられる技術がリポソーム類の製造に使用で
きる。リポソーム類製造のためのこれらおよびその他の
方法の総説は、マーク ジェイ オストロ(Marc j.Ost
ro)編「リポソーム類(Liposomes)」マーテル テッカ
ー インコーポレーテッド(Marcel Dekker Inc.)ニュ
ーヨーク1983年発行の第1章に見出すことができ、その
該当個所を参考にされたい。スゾカジュニアら(Szoka,
jr.,et al)(1980)アン レブ バイオフィズ バイオ
エジニヤ(Ann.Rev.Biophys.Bioengr.),9:467 も参照の
こと。この関連個所を参考にされたい。LUV類製造の
特に好ましい方法は、1984年6月20日に出願された米国
特許出願第622,690号(関連米国特許第5,008,050号)
「ユニラメラベシクル類製造用押出技術」に記載されて
いる。その関連個所を参考にされたい。他の別法として
は、上記米国特許第4,522,803号、同第4,5
88,578号および同第4,721,612合に記載
の方法により製造できる。また、リポソーム類自体を使
用するよりも、上記米国特許第4,610,868号に
記載されているような他の脂質含有粒子が、本発明の実
施に当って使用できる。さらに、また、必要により、抗
腫瘍剤類の担持により使用されるリポソーム類または脂
質含有粒子が「決められた粒径分布を有するリポソーム
類」という名称の1984年6月20日に出願された米国特許
出願第622,502号に記載されている方法によりさらに均
一な粒径分布を与えることができる。その関連個所を参
考にされたい。
【0009】上記のように、その特徴の一つによれば、
本発明は、予め凍結することなく減圧下で脱水したリポ
ソーム類の壁を横切って膜貫通ポテンシャルが生じ、こ
の膜貫通ポテンシャルにより抗腫瘍剤類をリポソームに
負荷することにより、イオン化可能な抗腫瘍剤類をリポ
ソーム類内に被包するものである。膜貫通ポテンシャル
は、リポソーム膜をはさんで1種またはそれ以上の帯電
した種(charged species)(例えばNa+,K+および
/またはH+)に対応する濃度勾配をつくることにより
発生する。この濃度勾配は、異なる内部および外部媒
体、すなわち1種またはそれ以上の帯電された種を有す
る内部および外部媒体を有するリポソーム類を製造する
ことによりつくり出される。特に、1種またはそれ以上
の帯電された種の最初の濃度を有する最初の媒体を被包
するリポソーム類が製造される。代表的なリポソーム製
造技術には、この最初の媒体はリポソーム類が生成する
につれてリポソーム類をつつみ、しかしてリポソーム類
の元の外部媒体は最初の媒体と同一組成を有することに
なる。濃度勾配をつくりだすには、元の外部媒体は異な
る濃度の1種またはそれ以上の帯電された種を有する新
たな外部媒体で置換される。この外部媒体の置換は、新
たな媒体で平衡化されたゲルフィルトレーションカラ
ム、例えばセファデックス(Sephadex)カラムにリポソー
ム製剤を通すことにより、または遠心分離、透析または
関連する技術等、種々の技術により達成できる。リポソ
ーム膜の透過性に応じて濃度勾配に相当する全膜貫通ポ
テンシャルを同時に形成するかあるいは透過性増強剤、
例えばワリノマイシンのようなイオン透過担体が浴媒体
に添加されなければならない(必要により、透過性増強
剤は、クロマトグラフィまたは他の技術を用いて負荷を
完了したのち、該製剤から除去できることに注目された
し。)。いずれの場合も、ネルンスト式により決定され
るマグニチュードを有する膜貫通ポテンシャルはリポソ
ーム類の膜を横切って発現する。本発明によれば、この
膜貫通ポテンシャルは、イオン化可能な抗体腫瘍剤類を
リポソーム類に負荷するために使用できる。特に、濃度
勾配を有しかつこのために適当な配向の膜貫通ポテンシ
ャルを持つリポソーム類がいったん作られると、該リポ
ソーム類への抗腫瘍剤類の負荷方法は、該薬剤を外部媒
体へ添加する極めて簡単な工程に縮小される。いったん
添加すると、膜貫通ポテシャルは自動的にリポソーム類
へ該薬剤を負荷する。さらに、下記例1に記載したよう
に、この負荷は簡単であるだけでなく極めて効果的であ
る。この例に記載したように、95%以上の抗腫瘍剤類
捕捉効果が、この膜貫通ポテンシャル負荷技術により達
成できることが見出された。
【0010】膜貫通ポテンシャル負荷方法は、適当な水
性媒体(例えばプロトン化し得るアミノ基を有する有機
化合物)に溶解したときに帯電状態で存在するものであ
ればいかなる抗腫瘍剤でも実質的に使用できる。好まし
くは、薬剤がリポソーム複数の膜に分画されるように、
比較的に親油性でなければならない。この方法でリポソ
ーム類内へ負荷できる抗腫瘍剤類の例としては、ドキソ
ルビシン(doxorubicin)、マイトマイシン(mitomyci
n)、ブレオマイシン(bleomycin)、ダウノルビシン
(daunorubicin)、ストレプトゾシン(streptozoci
n)、ビンブラスチン(binblastine)、ビンクリスチン
(vincristine)、メクロレタミンハイドロクロライド
(mechlorethamine hydrochloride)、メルファラン(m
elphalan)、シクロホスファミド、トリエチレンチオホ
スフォルアミド、カルムスチン(carmustine)、ロスム
チン(lomustine)、セムスチン(semustine)、フルオ
ロウラシル、ヒドロキシウレア、チオグアニン、チタラ
ビン(cytarabine)、フロクスリジン(floxuridin
e)、デカルバジン(decarbazine)、シスプラチン(ci
splastin)およびプロカルバジン(procarbazine)等が
挙げられる。1種の抗腫瘍剤の負荷の他に、この方法は
複数の抗腫瘍剤を同時あるいは順次負荷するのに使用さ
れる。また、イオン化可能な抗腫瘍剤類が負荷されるリ
ポソーム類は、従来の被包技術(例えばリポソーム類が
作られる緩衝液中に医薬を配合することにより)を用い
て他の抗腫瘍剤または他の医薬を予め負荷しておくこと
もできる。従来の負荷物質はイオン化可能である必要は
ないので、このような方法は、癌治療におけるリポソー
ム被包の「医薬カクテル」の製造に大きな幅を与える。
事実、実質的にすべてのタイプの抗癌医薬は、リポソー
ム類の脂質または水性部分のいずれかで少なくともある
程度予め負荷できる。もちろん、必要により上掲のイオ
ン化可能な医薬の1種またはそれ以上は予め負荷でき、
かつ膜貫通ポテンシャル法を用いてリポソーム類に同一
または異種の医薬が添加される。リポソーム類からのイ
オン化可能な抗腫瘍剤または他のイオン化可能な抗腫瘍
剤または他のイオン化可能な生物学的に活性な薬剤の放
出速度の低減については、驚くべきことには、リポソー
ム類に該薬剤を保持するために配向しているリポソーム
膜を横切って膜貫通ポテンシャルを形成することによっ
て、放出速度が著しく低減されることが見出された。す
なわち、イオン化したときに正に帯電する薬剤用には、
外部ポテンシャルに比較して負である内部ポテンシャル
を有するリポソーム膜を横切った膜貫通ポテンシャルが
つくり出されるが、負に帯電している薬剤用には、反対
の配向が使用される。
【0011】本発明の膜貫通負荷の面に関しては、薬剤
放出の速度を低減するために使用される膜貫ポテンシャ
ルは、Na+,K+および/またはH+のような帯電した
種のリポソーム類の内部および外部の濃度を調整するこ
とによりつくり出される。事実、このような濃度勾配に
より生成する膜貫通ポテンシャルによりリポソーム類が
負荷されるならば、元の濃度勾配を保つ外部媒体内にリ
ポソーム類を保つことだけで放出速度の所望の低減を生
ずるであろう。別法としては、膜貫通ポテンシャルがリ
ポソーム膜を横切ってつくり出されていない場合、例え
ばリポソーム類が従来の技術を用いて負荷されている場
合には、所望の膜貫通ポテンシャルは、上記交換技術を
用いて外部媒体の組成を変えることにより直ちにつくり
出すことができる。本発明の低減された放出速度は、リ
ポソーム類内に被包され得る実質的にイオン化可能な生
物学的に活性な薬剤のいずれも使用できる。特に、この
技術は、上記のイオン化可能な抗腫瘍剤類および局部麻
酔剤、例えばジブカインおよびクロルプロナジン、β−
アドレナリンしゃ断薬、例えばプロパノール、チモロー
ルおよびラベトロール、抗高血圧薬、例えばクロニジン
およびヒドララジン、抗うつ剤、例えばイミプラミン、
アミプリプチリンおよびドキセピム、鎮痙薬、例えばフ
ェニトイン、制吐薬、例えばプロカインアミドおよびプ
ロクロルペラジン、抗ヒスタミン剤、例えばジフェニル
ヒドラミン、クロルフェニラミンおよびプロメタジン、
抗不整脈剤、例えばキシジンおよびジソピラミド、抗マ
ラリア剤、例えばクロロキニーネ、および鎮痛剤、例え
ばコカインを含む他の種々のイオン化可能な医薬ととも
に使用できる。一般に、放出速度の最大の低減は、その
通常放出速度が非親油性物質に比べて高い親油性物質に
見られる。
【0012】脱水プロコトールに関しては、二つの基本
的な方法が提供される。すなわち、(1)リポソーム類
は、(例えば従来技術または上記の膜貫通ポテンシャル
を用いて)抗腫瘍剤により負荷され、貯蔵、出荷等のた
めに脱水され、ついで使用時に再水和されるか、あるい
は(2)予備成形されたリポソーム類は、貯蔵等のため
に脱水され、ついで使用時またはその付近に再水和しか
つ上記膜貫通負荷技術を用いてイオン化可能な抗腫瘍剤
で負荷する。いずれの場合も、予め凍結しない脱水は、
凍結を予め行なう場合に比べて長く時間がかかるが、凍
結しない場合の方が全工程にわたり条件が緩やかで、こ
のため一般にリポソーム類に対する損傷が小さく、かつ
リポソーム類の内部成分の損失も小さい。予め凍結する
ことなく室温でかつ1mmHgのオーダーの減圧状態にでき
る真空ポンプを使用して減圧下に脱水すると、約24〜
36時間を要するが、予め凍結して同一条件で脱水する
と約12〜24時間である。その内部成分の実質的部分
を失うことなく脱水方法が行なわれるように、系内の水
が除去されるとき、リポソーム膜と相互作用し、かつリ
ポソーム膜を完全に保つために、1種またはそれ以上の
糖類を使用することができる。使用される種々の種類と
しては、トレハロース、シュクロース、グルコール、ラ
クトースお世びデキストランがある。一般に二糖類は、
単糖類よりもすぐれており、またトレハロースおよびシ
ュクロースのごとき二糖類が最も有効であることが見出
された。例えばストレプトマイシンおよびジヒドロスロ
レプトマイシンを含むアミノグルコシド類が脱水中にリ
ポソーム類を保護することが見出された。リポソーム類
の内部および外部媒体のいずれかの部分として1種また
はそれ以上の糖が含まれる。最も好ましくは、リポソー
ム類の膜の内部および外部表面の両方と相互作用するよ
うに、糖類は内部および外部媒体の両方に含まれるもの
であり、内部媒体への含有は、リポソーム形成工程中に
リポソーム類に被包されることになる緩衝液に糖類を添
加することにより行なわれる。たいていの場合、この緩
衝液は最終のリポソーム類用の浴媒体も形成するので、
該緩衝液中に糖類を含有させることによって糖を外部媒
体に含ませることになる。もちろん、元の緩衝液以外の
外部媒体が、例えば膜貫通ポテンシャル(上記参照)を
つくり出すのに使用される場合、新たな外部媒体も又1
種またはそれ以上の保護糖類を含まなければならない。
使用されるべき糖の量は、使用される糖の種類および保
護されるべきリポソーム類の性質に左右される。上記の
ように、「脱水リポソーム類」の名称で1984年8月8日に
出願された米国特許第638,809号(米国特許第4,850,635
号参照)の関連個所を参考にされたい。同特許出願から
当業者であれば特別なリポソーム製剤用に最適の組合せ
を決定する濃度および種々の糖の種類を直ちに試験でき
る。一般に、100mM以上のオーダーの糖濃度が、最
高のレベルの保護を達成するのに必要なことが見出され
た。膜リン脂質のモル数の観点よりすると、100mMの
オーダーに対するミリモルのレベルは1モルのリン脂質
当り約5モルの糖に相当する。予め凍結せずに脱水を行
なう場合、脱水されるリポソーム類が多脂質層(multip
le lipid layers)を有するタイプであり、そして脱水
が製剤中の元の水に対して約2〜5%が製剤中に残る終
点まで行なわれる場合、1種またはそれ以上の保護糖類
の使用が省略できる。
【0013】いったんリポソーム類が脱水されると、こ
れらが使用されるまで長期間貯蔵できる。貯蔵に適当な
温度はリポソーム類の構成に、またいかなる物質がリポ
ソーム類中に被包されたにせよその温度感度に左右され
る。例えば、当業界で知られているように、種々の抗腫
瘍剤は熱に不安定であり、このためにこのような製剤を
含有する脱水リポソーム類は、該薬剤の能力が失なわれ
ないように冷凍状態で貯蔵しなければならない。また、
このような薬剤には、脱水方法は室温よりもむしろ低温
で行なうことが望ましい。脱水リポソーム類を使用する
場合には、再水和は、水溶液、例えば蒸留水または適当
な緩衝液をリポソーム類に単に添加し、これらに再水和
させることにより行なわれる。該リポソーム類は溶液を
静かに渦巻かせることにより水溶液中に再懸濁できる。
再水和はリポソーム類組成およびその内部成分に適当な
室温またはその他の温度で行なわれる。投与されるべき
抗腫瘍剤が脱水前にリポソーム類へ配合され、かつ更な
る組成変化が望まれない場合には、再水和されたリポソ
ーム類はリポソームで被包された薬剤の投与に関する公
知の方法で癌治療に直接使用できる。また、上記膜貫通
ポテンシャル法を用いて、イオン化可能な抗腫瘍剤類は
投与直前に再水和化リポソーム類へ配合できる。この方
法に関連して、膜貫通ポテンシャルを発生する濃度勾配
は、上記外部媒体交換技術を用いて脱水前または再水和
後のいずれかにつくり出される。例えば、同一の内部お
よび外部媒体を有する、すなわち膜貫通ポテンシャルの
ないリポソーム類が製造され、脱水され、貯蔵され、再
水和化され、ついで外部媒体が膜貫通ポテンシャルを発
生する組成を有する新たな媒体で置換され、かつ該膜貫
通ポテンシャルはリポソーム類を負荷するのに使用され
る。また、膜貫通ポテンシャルを生じる内部および外部
媒体を有するリポソーム類が調製され、脱水され、貯蔵
され、再水和化され、ついで膜貫通ポテンシャルを用い
て負荷が行われる。
【0014】
【実施例】本発明を以下の例によりさらに詳細に説明す
るが、これらは本発明を限定するためものではない。種
々の例において共通な材料および方法は、つぎの通りで
ある。実施例および参考例の材料および方法 材料 卵ホスファチジルコリン(卵−PCまたはEPC)を、
標準方法[例えば、シングルトンら(Singleton et al)
(1965)ジャーナル オブ ジ アメリカン オイル ケ
ミカル ソサエティ(Journal of the American Oil Ch
emical Society),42:53]により分離し、このものはT
LCで測定して99%以上の純度であった。卵−PS
を、ホープら(Hope et al)(1985),ビオヒム ビオフ
ィズ アクタ(Biochim.Biophys.Acta)812:55]に記載
の方法により卵−PCから調製した。コレステロール、
ワリノマイシン、ビンブラスチン、ヘペス、ジパルミト
イルホスファチジルコリン(DPPC)、トレハロー
ス、CCCPおよび塩類は、シグマ ケミカル カンパ
ニー(Sigma Chemical Company)(ミズリー州セントル
イス)から入手した。アドリアマイシンはアドリア ラ
ボラトリー(Adria Laoratory)(オンタリオ州ミッシ
ソらが)またはキャンサー リサーチ センター(Canc
er ResearchCenter)(ブリテッシュコロンバア州バン
クーバー)のいずれかから入手した。メトトレキセイト
(methotrexate)およびチトシンアラビノシド(cytosi
ne arabinoside)もキャンサー リサーチ センターか
ら入手した。トリテイエイテッドメトトレキセート(tr
itiated methotrexate)、DPPCおよびメチルトリフ
ェニルホスフォニウム、また同様に22Na+3H−イヌ
リン、14C−イヌリン、3H−テトラフェニルホスフォ
ニウジュブロマイドおよび3H−H2Oはニューイングラ
ド ニュークレア(New England Nucl
ear)(ケベック州ラシーヌ)から入手した。トリテ
イエイテッドチトシンアラビノシド(tritiatedcytosin
e arabinosaide)はアメルシャム(Amersham)(オンタ
リオ州オークビル)から入手した。
【0015】試薬 グルタミン酸カリウム、KClおよびNaCl緩衝液は
NaOHでpHを7.5に調整した20mMのヘペス緩衝
液中で調製した。この溶液は、それぞれ150、150
および169mMのKCl、NaClおよびグルタミン酸
カリウムの濃度に相当する通常の310mosm/kgの浸透
性(osmotarity)に調整された。ベシクル製剤 ベシクル類は、上記米国特許出願第622,690号(関連米
国特許第5,008,050号)および同第622,502号に記載の押
出技術を用いて調製した。使用されるこの技術の完全な
記載は、これらの出願および特許にみられる。その関連
部分を参考にされたい。この技術はまた、ホープら(Ho
pe et al)(1985),ビオヒム ビオフィズ アクタ
(Biochim.Biophys.Acta)812:55-65]にも記載されて
いる。これらの技術で製造されたベシクル類は、本明細
書中においてETV類、すなわち押出技術ベシクル類
Extrusion Technique Vesicles)またはLUV類、す
なわち大きなユニラメラリポソーム類(Large Unilamel
lar Liposomes)として言及されている。簡単にいえ
ば、乾燥脂質フィルムは25〜100μmolのリン脂質
/mlの濃度範囲で大きなマルチラメラベシクル類を製造
するために適当な緩衝液で水和される。使用時には水和
前に22Na+(5μCi)または3H−イヌリン(5μC
i)が乾燥脂質に添加される。混合物を渦回により分散
させ、ついで例えば250psiの圧力を用いて100nm
の孔径の2枚の積重ねたポリカーボネートフィルタ[ヌ
クレポア,インコーポレーテッド(Nuclepore,Inc.),
カルフォルニア州プレザントン]を10回通過させた。
例1Bおよび2Bの実験には、分散液は液体窒素中で凍
結され、かつポリカーボネートフィルタへの押出前に5
回融凍を行なった。得られるベシクル類は103nmの平
均粒径を有し、かつ約1.5μl/μmolリン脂質の捕
捉容積を有していた。例1および2の残りの実験用に
は、液体窒素中で2回の凍結−融凍のサイクルにより最
初の押出を行ない、その後、5回以上フィルタを通過さ
せた。この場合、ベシクル類は90nmの平均粒径を有
し、かつ再び約1.5μl/μmolリン脂質の捕捉容積
を有していた。被包されなかった22Na+3H−イヌリ
ンの除去に当っては、22Na+の除去用にはセファデッ
クス(Sephadex)G−50の、また3H−イヌリン除去
用にはウルトラゲル(Ultragel)AcA34のカラム
(1.4×10cm)にベシクル類を通過させて除去を行
なった。この方法では、一般に試料のリン脂質顔料を約
50%まで希釈した。
【0016】脱水 試料(1ml)をバーチスフリーズドライヤー(Virtis F
reeze Drier)(ニューヨーク州ガーディナー)を用い
高真空下に室温で10mlのキメックス管(Kimex tube)
内で乾燥した。いくつかの場合、試料を脱水前に液体窒
素中で凍結させた。それぞれの場合、減圧脱水法を約2
4時間行なった。再水和 1〜7日間脱水および貯蔵を行なった後、試料を蒸留水
(900μl)で再水和化し、ベシクル類をゆるく渦回
させて分散させた。測定 リン脂質はチェンら(chen et al),(1956)アナリティカ
ルケミストリー(Anal.chem.)28:1756の記載により無機
リンの測定により定量した。同様にボッチャーら(Bottc
her et al), (1961)アナル シマ アクタ(Anal. Chima
Acta)24: 203を参照。別法としては、ある場合には液
体シンチレーションカウンティングにより[3H]DPPC(0.0
5μCi/μmol脂質)を定量した。アドリマイシンは、ベシ
クル懸濁液の一定量を0.5%のトライトン(Triton)X-100
(これはベシクル類を分断しかつ捕捉されている薬剤を
放出する)と混合し、パイ ユニカム(Pye Umicam) SP8-
200分光光度計を用いて480nmにおける吸収を測定した。
ビンブラスチンは、94%エタノール中に溶解した懸濁液
の265nmにおける吸収を測定することにより測定した。
種々のトリムウム標識化合物(tritiated compound)およ
14C-イヌリンはフィリップス(phillips)PW4700液体シ
ンチレーションカウンターにより定量し、22Na+はベッ
クマンガンマ800(Beckman Gamma800)でガンマカウンテ
ィングで定量した。
【0017】例1(参考例)膜貫通ポテンシャルを利用したリポソーム類内へのイオ
ン化し得る抗腫瘍剤の負荷 本例は、膜貫通ポテンシャルを利用したリポソーム内へ
のイオン化可能な抗腫瘍剤の活性負荷を説明するもので
ある。例のA部は、膜貫通ポテンシャルを発生するため
にNa+/K+勾配を利用したリポソーム類中に抗癌剤である
アドリアマイシンおよびビンビラスチンの負荷を説明
し、B部はpH勾配を利用したアドリアマイシンの負荷を
説明し、またC部はメトトレキセイトまたはチトシンア
ラビノシドのいずれかにより予め受動的に負荷されたリ
ポソーム類へアドリアマイシンを負荷させるための膜貫
通ポテンシャルの利用を説明する。A部 Na + /K + 勾配を利用した活性負荷 膜ポテンシャルは、グルタミン酸カリウム緩衝液(上記)
中で卵-PC LUV類を形成し、ついでセファデックスG-50
脱塩カラムを用いてNaCl緩衝液(上記)用の未捕捉緩衝液
と交換することにより発生させた。この時、カリウムイ
オン透過担体、ワリノマイシン(1mg/mlエタノール)を0.
5μg/μmolリン脂質の濃度になるように添加した。膜ポ
テンシャルは、膜ポテンシャルのプローブであるメチル
トリフェニルホスフォニウムを用いて測定された[バリ
ーら(Bally et al), (1985), ビオフィム ビオフィズ
アクタ(Biochim. Biophys. Acta), 812:66を参照。ま
た下記例4を参照。ここではプローブはメチルトリフェ
ニルホスホニウムが使用されている。]。アドリアマイ
シン(0.2mMの最終濃度)およびビンブラスチン(0.2mMの
最終濃度)をNa+/K+イオン勾配のあるまたはないLUV分散
液にワリノマイシンとともにおよびなしに添加した。種
々の時間において、隔離されていない医薬を、該溶液の
一定量ずつを1mlのセファデックスG-50カラムに通すこ
とにより除去した。次いで脂質および医薬濃度を上記の
方法を用いて測定した。その結果は、図1および図2に示
されている。図1に示すように、Na+/K+勾配およびワリ
ノマイシンの両方がない場合、低いLUV会合アドリアマ
イシンのレベル(6nmolアドリアマイシン/μmolリン脂質
以下)が2時間の培養で観察された。しかしながら、ワリ
ノマイシンおよびNa+/K+勾配が存在すると、ベシクル会
合アドリアマイシンの量の著しい増加が観察される。こ
の吸収は20分以内で75%以上完成し、190nmolアドリア
マイシン/μmolリン脂質の平衡レベルに達する。これ
は、溶液中に最初含有されていた95%の薬剤がベシクル
類によって吸収され、95%の捕捉率に相当する。濃度の
点から、この吸収は約127mMの内部アドリアマイシン濃
度に相当する。図2に示すように、ビンブラスチンも膜
ポテンシャルに応じてLUV系内に蓄積できる。ワリノマ
イシンおよびNa+/K+勾配が存在する場合には、40nmolビ
ンヒブラスチン/μmolリン脂質が、Na+/K+勾配がない場
合のほとんどゼロに近い捕捉と比較して2時間以内に蓄
積される。また、ワリノマイシンがなくてもNa+/K+勾配
の存在によりかなり捕捉することができる。要約すれ
ば、図1および図2の結果は、膜貫通ポテンシャルに応じ
てアドリアマイシンおよびビンブラスチンを隔離するLU
V系の著しい能力を明らかにしている。使用する条件下
では、捕捉レベルは、それぞれビンブラスチンおよびア
ドリアマイシンの2×102および2×104の最終貫通膜医薬
濃度勾配に応じて達成される。更に、これらの勾配は20
℃で40時間以上安定であることが見出された。操作につ
いて特別な理論に結び付けることを望むものではない
が、Na+/K+勾配に応じてアドリアマイシン、ビンブラス
チンおよび他のイオン化可能な抗腫瘍剤に見られる捕捉
に関係する機構は、H+イオンに対するリポソーム膜の透
過性に基づくNa+/K+勾配に応じて自動的に発生するpH勾
配を含むものと思われる。この機構によれば、イオン化
可能な抗腫瘍剤は、内部および外部H+イオン濃度の関数
であるその内部および外部濃度によって非荷電状態で膜
を通過し、その薬剤の内部濃度はその内部H+濃度が高い
場合に高く、その逆もまた同様である。膜貫通ポテンシ
ャルの負荷方法は、さらに使用される医薬の量を変える
ことによってさらに特徴づけられるものである。図3に
示すように、所定のベシクル濃度(1mMリン脂質)を保ち
ながら、0から10mMへと初期アドリアマイシン濃度を増
加することによって、膜貫通ポテンシャルによって作動
するアドリアマイシン捕捉工程が約400nmol/μmolリン
脂質で飽和になることを示した。0から0.2mMのアドリア
マイシンで、その捕捉は最初の遊離濃度に比例しかつほ
ぼ定量的(95%以上の捕捉効率)である。0.2mM以上のア
ドリアマイシンでは、捕捉効率は捕捉工程の飽和により
減少した。しかしながら、これらの高い医薬濃度での高
い補足効果は、ベシクル濃度増加という簡単な方策によ
り直ちに達成できる。例えば、50mMのリン脂質濃度に相
当するLUV類の存在下に10mMのアドリアマイシンを培養
すると、98%の捕捉率に相当する196nmolアドリアマイ
シン/μmolリン脂質のレベルの捕捉が生じたのである。
ビンブラスチンを使用した同様な研究により、40nmol瞳
ビンブラスチン/μmolリン脂質で捕捉レベルが飽和に
達することが明らかとなった。100%に近い捕捉率は、
5mMのリン脂質に相当するLUV類の濃度で0.2mMの
ビンブラスチンの培養を行なうことにより達成される。
リポソーム系医薬搬送システムは、血清成分により誘発
される捕捉される物質の漏出を減少させるために当モル
レベルのコレステロールおよびさらに飽和されたリン脂
質を通常含むので[例えば、ギャビゾンら(Gabison et a
l)(1982)キャンサー レス(Cancer Res.),42:4734メイ
ヒューら(Mayhew et al)(1979)キャンサー トリート
レポート(Cancer Terat. Rep.),63:1923、およびパパハ
ジョプーロスら(Papahadjopoulos et al)(1980),リポソ
ームス アンド イムノロジー(Lipoxomes and Immunol
ohgy)(Tom and Six, eds)(Elsevier, New York)参照の
こと]、研究は卵PC LUV系へのアドリアマイシンの活性
補足に関するコレステロール影響を測定して行なった。
図4Aに示すように、20℃で当モルの卵-PC/コレステロー
ルレベルを達成するためのコレステロール含量の段階的
増加は、アドリアマイシン蓄積速度の相当する減少をも
たらす。しかしながら、急速な捕捉は単に高速でべシク
ル−医薬系を培養することによってもなお達成できる。
図4Bに示すように、平衡捕捉レベルは、37℃で30分以内
に達成できる。この効果は、卵-PC/コレステロール(1:
1)系で最も著しいものであった。この系では20℃から37
℃へと温度を上げることによって30分間培養したのち42
nmol/μmol脂質から153nmol/μmol脂質へとベシクル−
会合アドリアマイシンの増加が生じた。これらの結果、
ベシクル内部への医薬の効果的な輸送にはむしろ「流体」
二重層を有することが重要であることを示している。ア
ドリアマイシンの膜貫通ポテンシャル負荷に関するリン
脂質アシル鎖の増大した飽和度の効果は、DDPC-コレス
テロール(1:1)LUV類への捕捉をチェックすることにより
試験された。図5に示すように、20℃で4時間以上経って
もアドリアマイシンの捕捉は見られなかった。しかしな
がら、60℃での培養は、2時間で150nmol医薬/μmol脂質
の隔離されたアドリアマイシンレベルを生じる。また、
かなりの捕捉(約60nmol/μmol脂質まで)がワリノマイシ
ンの不存在下に培養したこれらの系で観察された。同様
に、卵-PC LUV類には、それぞれ37℃および60℃で60お
よび100nmol/μmol脂質のアドリアマイシン捕捉レベル
が達成された(図5)。アシル鎖組成およびコレステロー
ル含量の変動の他に、生体内分布および捕捉工程に影響
する帯電した脂質種もリポソーム系分配系に配合された
[フレーリーら(Fraley et al)(1981)バイオケミストリ
ー(Biochemistry),20:6978、ヨナら(Jonah et al)(197
5)ビオヒム ビオフィズ アクタ(Biochim. Biophys. A
cta),401:336およびモークら(Mauk et al)(1979),プロ
ク ナットル アガド サイエンス ユーエスケイ(Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA),76: 765参照]。膜貫通ポテ
ンシャル負荷に関して酸性(負に帯電)リン脂質、卵-PS
の効果を測定した。図6に示すように、20モル%の卵-PS
を含有する系はワリノマイシンの存在下に、卵-PSの不
存在下(図1)に観察されたのと実質的に同一な医薬捕捉
の挙動を示した。しかしながら、純粋な卵-PC系とは対
照的に、ワリノマイシンの不存在下においてLUV類含有
卵-PSではかなりの捕捉が観察された。卵-PS含量の2モ
ル%から20モル%への増加は、このような捕捉(2時間の
培養)を30から78nmolアドリアマイシン/μmolリン脂質
に増加させた。
【0018】B部 pH勾配を利用した活性負荷 150mMのKOHおよび175mMのグルタミン酸(pH4.6)でLUV類
を形成させついでセファデックスG-50脱塩カラムを用い
て150mMのKOH、125mMのグルタミン酸および30mMのNaCl
の未捕捉緩衝液で交換することにより、膜貫通pH勾配を
発生させた。[ホープら(Hope et al),(1985),ビオヒム
ビオフィズ アクタ(Biochim. Biophys.Acta), 812:5
5]。このとき、プロトンイオン透過担体(エタノール中
の10mM)を添加して10μMの濃度とした。アドリアマイシ
ン(0.2mMの最終濃度)を該LUV分散液に添加した。種々の
時間において、隔離されていない医薬を1mlのセファデ
ックスG-50カラムに該溶液を一定量づつ通過させること
により除去した。ついで、脂質および医薬濃度を測定し
た。図7は、膜貫通pH勾配を示すEPCおよびEPC/コレステ
ロールより構成されるLUVが、プロトンイオン透過担体C
CCPの不存在下にアドリアマイシンを蓄積することを示
す。20℃で、50%の最大捕捉がEPC/コレステロールおよ
びEPC LUVで各々15分間および5分以下で観察された(図7
A)。これらの結果は、二つの膜系の相対的プロトン透過
性と一致する。EPCおよびEPC/コレステロールベシクル
類に観察される捕捉率パーセントはそれぞれ98および72
%であり、Na+/K+勾配に関して報告された値に匹敵する
ものである。コレステロール含有LUV類の場合に得られ
る僅かに低い量の捕捉は、これらのベシクル類がEPCベ
シクルよりも僅かに低い捕捉容積を有するという事実に
基づく。培養混合物にCCCPを含有させると一時的にアド
リアマイシンの高いレベルでの蓄積があり、つづいてベ
シクル内部から徐々に放出された。LUV系が明らかにプ
ロトンを充分透過してCCCPの不存在下にアドリアマイシ
ンを蓄積するので、イオン透過担体の添加は、pH勾配を
損ない、この結果、非常に大きな膜貫通医薬濃度勾配を
保つエネルギー力が減少せしめるようである。培養温度
を37℃に増加させると、EPC/コレステロールLUV類の捕
捉速度(図7B)が20℃で平衡にした系(図7A)と比較して増
大した。CCCPの不存在下で昇温したEPCベシクル類では2
0分後にアドリアマイシンのゆるい放出があったが、イ
オン透過担体が存在する場合には急速な放出が起こっ
た。これらの結果は、種々のLUV系に対する相対プロト
ン透過性に相当する。
【0019】C部 能動的/受動的負荷−「医薬カクテル」 親油性またはカチオン性を示さない水溶性抗癌剤である
メトトレキセートおよびチトシンアラビノシドを、最初
のベシクル形成工程中にLUV類に受動的に被包させた。
簡単に述べると、卵-PC LUV類(187μmolリン脂質/ml)
を、20mg/mlのチトシンアラビノシド(2μCi/ml[3H]チト
シンアラビノシド)または10mg/mlメトトレキセート(2μ
Ci/ml[3H]メトトレキセート)が添加された上記グルタミ
ン酸カリウム緩衝液中で製造した。このベシクル類を、
ついで、上記NaCl緩衝液で予め平衡にしたゲルフィルト
レリーションカラムに通し、未捕捉の医薬を除去し、Na
+/K+化学勾配を確立した。この方法で調製されたLUV類
の分析の結果、33%の有効なチトシンアラビノシドまた
はメトトレキセートが被包されていることが判明した
(表1参照)。メトトレキセートおよびチトシンアラビノ
シドの受動的捕捉につづいて、Na+/K+勾配およびワリノ
マイシンを用いてアドリアマイシンをべシクル類に能動
的に負荷させた。特に表1に示すように、0.2mMのアドリ
アマイシンの存在下にベシクル類(1.0mMのリン脂質)の
一定量を培養すると、98%の有効なアドリアマイシンの
吸収が生じた。アドリアマイシンに見られる捕捉効率と
吸収レベルは、受動的に捕捉された医薬の不存在下にみ
られたそれらとほとんど同一であった(表1と図1および
図2を比較されたい。)
【0020】
【表1】
【0021】メトトレキセートを、ベシクル類の製造中
(187μmolの脂質/ml)に、20mMの濃度で受動的に捕捉し
た。アドリアマイシンは、ワリノマイシンの存在下に、
1mMのリン脂質に相当しかつ100μMで始まるアドリアマ
イシン濃度のベシクル濃度で、透過膜Na+/K+勾配を用い
て捕捉された。チトシンアラビノシドは、ベシクル類(1
87μmolの脂質/ml)の製造中に25mMの濃度で受動的に捕
捉された。またビンブラスチンはは、ワリノマイシンの
存在下に5mMのリン脂質に相当しかつ200μMで始まるビ
ンブラスチン濃度のベシクル濃度で膜貫通Na+/K+勾配を
用いて捕捉した。
【0022】例2(参考例)膜貫通ポテンシャルを利用したリポソーム類からの荷電
された医薬の放出速度の低減 この例は、イオン化可能な医薬がリポソーム類から放出
される速度を低減する膜貫通ポテンシャルの能力を説明
するものである。本例のA類およびB類は、それぞれ必要
な膜貫通ポテンシャルを発生させるためのNa+/K+勾配お
よびpH勾配の利用を説明するものである。A部 医薬放出速度低減のためのNa + /K + 勾配の使用 例1Aに続いて行なわれた活性捕捉に引き続いてLUV類か
らのアドリアマイシンの放出は、つぎのようにして測定
された。アドリアマイシンを含有するベシクル類(10mM
リン脂質)は、最初遊離の医薬を除去するために上記のN
aClまたはKCl緩衝液で平衡にした15mlのゲルフィルトレ
ーションカラムを通した。ついで、37℃で平衡にした流
動透析装置中に溶質をおいた。流通速度は、試料区分容
量(50ml)の全交換が20分間以下で起こるように調製し
た。一定量(100μl)の検体が種々の時間において取り出
され、未捕捉の物質は1mlのゲルフィルトレーションカ
ラムを用いて分離した。ついで、試料についてアドリア
マイシンおよびリン脂質を測定した。これらの実験の結
果は、表2に示されている。この表から明らかなよう
に、Na+/K+膜貫通勾配が存在すると、卵-PC、卵-PC/卵-
PS(8:2)および卵PC/コレステロール(1:1)ベシクル類の
医薬保持時間が非常に長くなる。同様な試験をDPPC/コ
レステロール(1:1)ベシクル類についても行なった。こ
の場合、複雑な医薬放出の動力学が観察され、T50を決
定することは困難である。しかしながら、一般にNa+/K+
勾配は、この組成のベシクル類で保持時間を著しく増加
させないことが判った。測定されたデータは、24時間で
約44%の医薬が放出され、膜貫通Na+/K+勾配が使用され
るか否かには関係ないことを示している。
【0023】B部 医薬放出速度を低減させるためのpH勾配の使用 例1Bの方法を用いて活性負荷を行なったのち、LUV類か
らのアドリアマイシンの放出を、つぎのようにして測定
した。すなわちアドリアマイシンを含有するべシクル類
(5mMのリン脂質)を最初適当な緩衝液で平衡にした15ml
のゲルフィルトレーションカラムを通して遊離の医薬を
除去した。ベシクルを含有する画分を37℃で平衡にした
流動透析装置においた。流通速度を試料の画分容量(50m
l)の全交換が10分でできるように調整した。一定量(0.1
5ml)の試料を数回にわたって除去し、かつ未捕捉の物質
を1mlのゲルフィルトレーションカラムを用いて分離し
た。ついで、試料についてアドリアマイシンおよびリン
脂質を測定した。pH勾配の存在下(パネルB)および不存
在下(パネルA)でのEPC LUV類(丸印)およびEPC/コレステ
ロールLUV類(四角印)についての放出性を図8に示す。黒
印はNa+/K+勾配の不存在下での放出性を示し、白抜き印
はこのような勾配の存在下での放出性を示す。特に、図
8Aでは、アドリアマイシ含有べシクル類を内部pHと同じ
にpH4.6に調製された緩衝液で脱塩カラムを通し、図8B
では、ベシクル会合医薬の分離中に外部pHを7.5に保持
した。図8に示すように、すべての場合、膜貫通pH勾配
を除去すると、アドリアマイシンの流出速度が著しく増
大する。Na+/K+勾配の不存在下(黒印)にpHを7.5から4.6
に減少させると、EPC/コレステロールLUV類(四角印)で
は捕捉薬剤の50%放出時間が24時間から4時間に、またE
PC/コレステロールLUV類(四角印)では3時間から1時間未
満に減少した。放出の動力学に対する影響は、pH勾配お
よびNa+/K+勾配勾配の両者がpH勾配のみの代わりに使用
される場合にはEPC/コレステロールベシクル類にはみら
れなかった(黒印と白抜印とを比較されたし)。しかしな
がら、卵-PC系では、pH勾配とNa+/K+勾配との組合せ
は、pH勾配のみで達成する場合より保持時間が長くなる
[黒丸印(pHのみ)と白抜丸印(pH+Na+/K+)とを比較された
し]。この効果は、膜貫通pH勾配(パネルB)の存在下で
は、EPC LUV類には最も著しく、Na+/K+勾配がpH勾配に
加わった場合にアドリアマイシンの50%放出時間が3時
間から16時間に増大する。16時間T50値がNa+/K+勾配の
みを使用したEPCベシクル類でも得られることに注目さ
れたい(表2参照)。
【0024】
【表2】
【0025】例3(実施例)抗腫瘍剤を含有するリポソーム類の脱水 この例は、抗腫瘍剤であるアドリアマイシンを含有する
リポソーム類の脱水およびその後の再水和を説明するも
のである。卵ホスファチジルコリンETV類を250mMのトレ
ハロースを含有する溶質溶液[169mMのグルタミン酸カリ
ウム、20mMのヘペス(pH7.4)、40μmol脂質/ml]を使用し
て上記のようにして調製した。ついで、外部カリウム緩
衝液をナトリウム緩衝液[150mMのNaCl、20mMのヘペス(p
H7.4)、250mMトレハロース]と交換した。アドリアマイ
シン(200nmol/μmol脂質)を、ワリノマイシン(0.5μg/
μmol脂質)とともに加えて膜ポテンシャルを発生させ
た。2時間培養したのち、上記のトレハロース含有ナト
リウム緩衝液で平衡にしたセファデックスG-50のカラム
にベシクル類を通して未被包アドリアマイシンを除去し
た。ETV類は、予め凍結することなく24時間で脱水し、
ついで上記のようにして再水和化した。脱水/再水和前
および後の両方においてベシクル類内の捕捉されたアド
リアマイシンの量ならびにベシクル類からの医薬漏出の
速度は、セファデックスG-50のカラム(1ml)にベシクル
懸濁液の100μlの部分を通しての未捕捉物質を除去した
のち、上記測定方法(「測定」の項参照)を用いて測定した
(さらに詳細には米国特許出願第622,690号(米国関連特
許第5,008,050号)参照のこと)。このカラムは使用され
るリポソーム類の少量パーセントが捕捉されるので、脱
水/再水和工程後に保持される被包物質の量について測
定された値は、本発明の方法で実際に達成されるレベル
よりも幾分低い。これらの実験の結果は、表3に示され
ている。ここに示すように、90%を越える医薬が脱水お
よび再水和後に保持される。さらに、アドリアマイシン
の再水和ベシクル類からの漏出速度は、脱水されなかっ
たベシクル類でみられる速度に匹敵する(データは示さ
ず)。
【0026】
【表3】
【0027】例4(実施例)膜貫通ポテンシャルを利用した再水和 リポソーム類へのイオン化可能な抗腫瘍剤の負荷 この例は、(1)膜を越えての濃度勾配を有するリポソー
ム類が、保護糖の存在下に脱水され、かつ濃度勾配の損
失なしに再水和されること、および(2)再水和後に、濃
度勾配がイオン化可能な抗腫瘍剤(アドリアマイシン)を
リポソーム類へ負荷するのに使用し得ることを説明する
ものである。グルタミン酸カリウム緩衝液(169mMのグル
タミン酸カリウム、250mMのトレハロース、20mMのヘペ
スpH7.4)中でETV類(40μmol脂質/ml)を形成し、ついでN
aCl溶液で予め平衡にしたセファデックスG-50カラム(1.
4×10cm)に該ベシクル類を通してNaCl緩衝液(150mMのNa
Cl、250mMのトレハロース、20mMのヘペス、pH7.4)で外
部緩衝液を置換することにより膜を横切ってのNa+/K+
学勾配を有するベシクル類を調製した。このときワリノ
マイシン(ミズリー州セントルイスのシグマ社製)を0.5
μg/μmolリン脂質の濃度になるように添加した。同様
に、膜貫通pH勾配(内部酸)を、低いpH(135mMのグルタミ
ン酸、250mMのトレハロース、水酸カリウムを添加してp
Hを5.5にした)を有する緩衝液中でリポソーム類を調製
し、ついで高いpH(125mMのグルタミン酸、30mMのNaCl、
250mMのトレハロース、水酸化カリウムを添加してpHを
7.5にした)を有する緩衝液を用いてセファデックスG-20
上で交換した。このとき、プロトンイオン透過担体CCCP
を最終濃度20μMになるよう添加した。膜貫通ポテンシ
ャルは、親油性カオチン3H-テトラフェニルホスフォニ
ウムブロマイド(3H-TPPB、カナダ国NEN)の分布を決定す
ることにより測定した。具体的には1μlのエタノール中
の1μCiの3H-TPPBをETV分散液の1〜2mlの試料に添加
し、かつその混合物を20℃で20分間培養した。一定量(1
00μl)の試料を取り出し未捕捉の3H-TPP+を1mlの使い捨
て可能なシリシンジに充填したセファデックスにその一
定量試料を負荷することにより除去し、ついでこのカラ
ムを500gで3分間遠心してベシクル類を溶出させた。捕
捉された3H-TPP+は液体シンチレーションカウンティン
グにより測定し、かつリン脂質はホスフェートアッセイ
により測定した。ETV法によりETV類内に捕捉された22N
a、3H-イヌリンまたは14C-イヌリンの量を測定すること
により決定されたETV類用の捕捉容量値(μl/μmolのリ
ン脂質)を使用して、ベシクル類の3H-TPP+(内側[3H-TPP
+]iおよび外側[3H-TPP+]oの濃度を計算し、これから、
膜貫通ポテンシャル(Vm)をネルンスト式を用いて計算し
た。 Vm=-59log[3H-TPP+]i/[3H-TPP+]o) Na+/K+およびpH勾配ベシクル類の両者は、高真空下に24
時間脱水し、ついで再水和した。比較のためのベシクル
類は4℃で24時間保持した。乾燥しかつ再水和したの
ち、イオン透過担体の存在下または不存在下にこれらの
ベシクル類により示される膜貫通ポテンシャルは、同様
にイオン透過担体の存在下または不存在下に比較例のも
のにより発生した膜貫通ポテンシャルに匹敵した。その
結果は、図9(pH)および図10(Na+/K+)に示すとおりであ
る。これらの図面に示されるように、脱水されかつ再水
和されたベシクル類により示される膜貫通ポテンシャル
は、比較例のものにより示されるものと実質的に同一で
ある。唯一の明白な差異は、pH勾配ベシクルの場合、脱
水/再水和ベシクル類の膜貫通ポテンシャルが、比較例
のベシクル類の膜貫通ポテンシャルより幾分低いという
ことである。脱水および再水和後にアドリアマイシンを
蓄積するNa+/K+ベシクル類の能力を、イオン透過担体の
存在下または不存在下に試験し、比較例のベシクル類、
すなわち24時間脱水することなく4℃で24時間保持され
たベシクル類により示される蓄積と比較した。充分なア
ドリアマイシンをベシクル類の外部媒体に添加して0.2
モル-アドリアマイシン/1モル-リン脂質の最終濃度にし
た。これらの試験結果を図11に示す。ここにみられるよ
うに、脱水/再水和ベシクル類は、比較例のベシクル類
と実質的に同一の速度および同一程度でアドリアマイシ
を蓄積する。したがって、この例は、ベシクル類の後か
らの負荷が濃度勾配と脱水/再水和工程との組合せによ
り達成され得ることを示すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】Na+/K+拡散ポテンシャルの存在下又は不存在下
に大きなユニラメラベシクル類(LUV類)へのアドリアマ
イシン(ADM)の吸収を示す。卵-PC LUV類(1μmolリン脂
質/ml)が0.2mMのアドリアマイシンの存在下に20℃で培
養された。薬剤の吸収は、前記の「材料及び方法」で評価
された。実験条件は、つぎのとおりであった。すなわち
白抜三角印は、内部及び外部両媒体中に20mMのヘペス(H
epes)(pH7.5)、169mMのグルタミン酸カリウムを有する
ベシクル類。白抜丸印は、内部媒体中に169mMのグルタ
ミン酸カリウムおよび20mMのヘペス(pH7.5)を有し、外
部媒体には更にワリノマイシン(valinomycin)を有する
ベシクル類。白抜四角印は内部媒体中に20mMのヘペス(p
H7.5)、169mMのグルタミン酸カリウムを有し、外部媒体
中に20mMのヘペス(pH7.5)及び150mMのNaClを有するベシ
クル類。黒丸印は、内部媒体中に20mMのヘペス(pH7.5)
および169mMのグルタミン酸カリウムを有し、外部媒体
中に150mMのNaCl、20mMのヘペス(pH7.5)およびワリノマ
イシンを有するベシクル類を表す。
【図2】Na+/K+拡散ポテンシャルの存在下または不存在
下での、大きなユニラメラベシクル類へのビンブラスチ
ン(vinblastine)(VINB)の吸収を示す。卵-PC LUV類(1μ
molリン脂質/ml)が0.2mMのビンブラスチンの存在下に20
℃でつぎの条件下で培養された。白抜三角印は、内部及
び外部緩衝液としての20mMのヘペス(pH7.5)、169mMのグ
ルタミン酸カリウムを有するベシクル類、白抜丸印は内
部緩衝液として169mMのグルタミン酸カリウムおよび20m
Mのヘペスを有し、外部緩衝液としてこのものに更にワ
リノマイシンが加えられたものを有するベシクル類、白
抜四角印は、外部媒体中に150mM NaCl、20mM ヘペス(pH
7.5)を、ベシクル内部には169mMのグルタミン酸カリウ
ムを有するベシクル類を示す。黒丸印は外部媒体中に15
0mM NaCl、20mM ヘペス(pH7.5)を内部媒体にはこのもの
に更にワリノマイシンを加えたベシクル類を示す。
【図3】最初の遊離のアドリアマイシン濃度(黒丸)の関
数としての膜を横切ってのNa+/K+勾配を有する卵-PC LU
V類へのアドリアマイシン(ACM)の捕捉を示す。白抜丸印
は蓄積した使用可能な全薬剤のパーセントを示す。この
ベシクル類(1mMリン脂質)は、ワリノマイシンの存在下
に2時間にわたって示された濃度のアドリアマイシンと
共に20℃で培養した。
【図4】(A)20℃および(B)37℃での、Na+/K+膜貫通化学
勾配およびワリノマイシンの存在下に卵-PCコレステロ
ール LUV系へのワドリアマイシン(ADM)の捕捉を示す。
このベシクル類(1μmolの全脂質/ml)は、0.2mMのアドリ
アマイシンの存在下に20℃または37℃で2時間培養され
た。使用したコレステロールに対する卵-PCのモル比
は、つぎのとおりである。すなわち、黒丸は1:0、白丸
は9:1、黒角は3:1であり、また白角は1:1である。
【図5】種々の温度において0.2mMのアドリアマイシン
の存在下に培養したのちのNa+/K+膜貫通化学勾配の存在
下でのDPPC-コレステロール(1:1)LUV類(1mM脂質)へのア
ドリアマイシン(ADM)の捕捉を示す。白抜丸印はワリノ
マイシンの存在下で20℃、黒四角印はワリノマイシンの
存在下で37℃、黒丸印はワリノマイシンの不存在下で37
℃、白抜四角印はワリノマイシンの存在下で60℃、下向
黒三角印(solid downward facing triangle)はワリノマ
イシンの不存在下で60℃、上向黒三角印(solid upward
facing triangle)はワリノイシンの不存在下での37℃に
おける卵-PC LUV類(1mM)、下向白抜三角印(open downwa
rd facing triangle)はワノマイシンの不存在下での60
℃における卵-PC LUV類を示す。
【図6】0.2mMのアドリアマイシンの存在下での20℃に
おける培養後のNa+/K+化学勾配の存在下での卵-PC/卵-P
S LUV類へのアドリアマイシン(ADM)の捕捉を示す。白抜
三角印はワリノマイシンの存在下での卵-PC/卵-PS(4:
1)、黒三角印はワリノマイシンの不存在下での卵-PC/卵
-PS(4:1)、白抜四角印はワリノマイシンの不存在下での
卵-PC/卵-PS(9:1)、黒四角印はワリノマイシン不存在下
での卵-PC/卵-PS(20:1)、白抜丸印はワリノマイシンの
不存在下での卵-PC/卵-PS(50:1)、黒丸印はNa+/K+勾配
(内側および外側のK+緩衝液)の不存在下での卵-PC/卵-P
S(4:1)への捕捉を示す。
【図7】(A)20℃および(B)37℃における、膜貫通のpH勾
配を示すLUV類へのアドリアマイシンの捕捉を示す。実
験条件は、つぎのとおりであった。すなわち、プロトン
イオン通過担体CCCP(10μM)の不存在下(黒印)および存
在下(白抜印)での0.2mMアドリアマイシン、2mMの脂質。
内部緩衝液の組成は150mMのKOH、175mMのグルタミン酸
(pH4.6)であり、一方外部緩衝液の組成は150mMのKOH、1
25mMのグルタミン酸および30mMのNaCl(pH7.5)よりなっ
ていた。脂質の組成はEPC(丸印)および1:1のモル比のEP
C/コレステロール(1:1)であった。
【図8】37℃におけるEPC(黒丸印、白抜丸印)およびEPC
/コレステロール(1:1モル比)(黒四角印、白抜四角印)LU
V類からのアドリアマイシンの放出を示す。アドリアマ
イシンは、それぞれ5.0および0.5mMの脂質ならびに薬剤
濃度でpH勾配に応じてベシクル類へ捕捉される。遊離の
アドリアマイシンは、150mMのK+(黒色)または180mMのNa
+(白抜印)を含有しpHを4.6(図8A)またはpHを7.5(図8B)
に調整された緩衝液で並衡にしたゲルフィルトレーショ
ンクロマトグラフィカラムによりベシクルに会合した薬
剤から分離される。
【図9】比較のためのベシクル類(四角形)および脱水/
再水和ベシクル類(円形)に対してpH勾配によって生ずる
膜貫通ポテンシャルを示す。予め存在するプロトン勾配
を有するベシクル類は、4℃で24時間保持される(比較
例)か、あるいは同一時間高真空下に250mMのトレハロー
スの存在下に脱水された。再水和によるベシクル類に見
られるポテンシャルは、CCCPの不存在下(白抜丸および
白抜四角印)または20μMのCCCPの存在下(黒丸および黒
四角印)に3H-テトラフェニルホスホニウムブロマイドを
プローブとして使用して測定された。CCCPの存在下また
は不存在下にpH勾配なしにベシクル類にみられる膜貫通
ポテンシャルは、それぞれ黒三角印および白抜三角印で
示されている。
【図10】比較のためのベシクル類(四角印)および脱水
/再水和ベシクル類(丸印)に対してNa+/K+化学勾配によ
り発生する膜貫通ポテンシャルを示す。予め存在するNa
+/K+勾配を有するベシクル類は、4℃で24時間保持され
る(比較例)か、あるいは同一時間高真空下に250mMのト
レハロースの存在下に脱水された。再水和によるベシク
ル類にみられるポテンシャルは、CCCPの不存在下(白抜
丸および白抜四角印)または20μMのCCCPの存在下(黒丸
および黒四角印)に3H-テトラフェニルホスホニウムブロ
マイドをプローブとして使用して測定された。ワリノマ
イシリンの存在下または不存在下に膜の両側にグルタミ
ン酸カリウムを有するベシクル類にみられる膜貫通ポテ
ンシャルは、それぞれ白抜三角印および黒三角印で示さ
れている。
【図11】予め乾燥したベシクル類にアドリアマイシン
を負荷するための膜貫通ポテンシャルの使用を示す。予
め存在するNa+/K+勾配を有するベシクル類は、250mMの
トレハロースの存在下に24時間脱水される。再水和化に
続いてワリノマイシン(0.5μg/リン脂質μmol)の存在下
(白抜丸印)または不存在下(黒丸印)にアドリアマイシン
を蓄積させるベシクル類の能力が測定された。同一時間
4℃に保持された比較のためのベシクル類も、ワリノマ
イシンの存在下(白抜四角印)または不存在下(黒四角印)
に試験された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 キュリス,ピーター,アール. カナダ国 ブリティッシュ コロンビア 州 ブイ6ジェイ 3アール2 バンク ーバー ウォルナット ストリート 1329 (72)発明者 ホープ,マイケル,ジェイ. カナダ国 ブリティッシュ コロンビア 州 ブイ6アール 2ケイ2 バンクー バー ウエスト イレブンス アベニュ ー 3550 (72)発明者 マッデン,トーマス,ディ. カナダ国 ブリティッシュ コロンビア 州 ブイ6ケイ 2エイ5 バンクーバ ー ウエスト エイス アベニュー 2185 アパートメント302 (72)発明者 マイヤー,ローレンス,ディ. カナダ国 ブリティッシュ コロンビア 州 ブイ6エヌ 2ピー3 バンクーバ ー ウエスト サーティフィフス アベ ニュー 4084

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜を貫通した1またはそれ以上の荷電種の
    濃度勾配により生じた膜貫通ポテンシャルによって装填
    された、イオン化し得る抗腫瘍剤を内部に被包して含有
    し、予め凍結させることなく減圧下で乾燥することによ
    脱水された脱水リポソーム含有の医薬製剤。
  2. 【請求項2】抗腫瘍剤類がダウノルビシン、ドキソルビ
    シン、ビンブラスチンおよびその医薬的に許容し得る塩
    および誘導体よりなる群から選ばれたものである請求項
    1記載の医薬製剤。
  3. 【請求項3】濃度勾配がpH勾配である請求項1記載の
    医薬製剤。
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