JPH09205906A - フォーワーダ - Google Patents

フォーワーダ

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JPH09205906A
JPH09205906A JP1676696A JP1676696A JPH09205906A JP H09205906 A JPH09205906 A JP H09205906A JP 1676696 A JP1676696 A JP 1676696A JP 1676696 A JP1676696 A JP 1676696A JP H09205906 A JPH09205906 A JP H09205906A
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vehicle
pin
hydraulic cylinder
frame
vehicle frame
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Akio Terai
明夫 寺井
Shinroku Satsumi
伸六 薩美
Haruo Hiruma
治雄 比留間
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RINGYO KIKAIKA KYOKAI
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 後進時も前進時と同様に簡単に走行の向きを
変えることのできるフォーワーダを提供する。 【解決手段】 先頭車両11、中間車両12及び後尾車
両13を備えフレーム11a、12a、13aの左右に
走行用のクローラ4とともに、走行駆動機構を有し、フ
レーム11aとフレーム12aとは、互いに旋回可能な
ように操向ピン21を介して連結され、フレーム12a
とフレーム13aとは、連結リンク(荷台)32及びク
ロスバーリンク33からなる逆平行リンク機構31を介
して連結され、前記リンク32は、ピン32aを介しフ
レーム12aに、ピン32bを介してフレーム13aに
連結され、前記リンク33は、ピン33aを介してフレ
ーム12aに、ピン33bを介してフレーム13aに連
結され、前記ピン21の側方には、車両11及び12を
互いに異なる方向に旋回させる前進操向用油圧シリンダ
を設け、車両フレーム12a及び車両フレーム13aの
一方には、後進操向用油圧シリンダ34を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、伐採された木材
を集めながら移動するフォーワーダに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のフォーワーダとしては、例えば
図8に示すものが知られている。すなわち、先頭車両
1、中間車両2及び後尾車両3から構成されており、各
車両1、2、3には、クローラ4が設けられている。ク
ローラ4は、いわゆるキャタピラであり、山林において
も安定した走行を可能にするものである。ただし、先頭
車両1のみに走行駆動機構が設けられており、他の中間
車両2及び後尾車両3は先頭車両1によって牽引される
ようになっている。
【0003】また、先頭車両フレーム1aと中間車両フ
レーム2aとは、操向ピン5を介して連結され、中間車
両フレーム2aと後尾車両フレーム3aとは、連結ピン
6を介して連結されている。操向ピン5は、先頭車両1
及び中間車両2を互いに旋回可能に連結するものであ
る。また、連結ピン6も、中間車両2及び後尾車両3を
旋回可能に連結するものである。ただし、操向ピン5の
側方には、先頭車両フレーム1aと中間車両フレーム2
aとに連結され、これらの先頭車両1及び中間車両2を
操向ピン5を中心にして互いに反対方向に旋回させる操
向用油圧シリンダ7が設けられている。
【0004】上記のように構成されたフォーワーダにお
いては、先頭車両1、中間車両2及び後尾車両3が例え
ば真っすぐに並んで走行している状態から、操向用油圧
シリンダ7を縮めると、図8に示すように、まず先頭車
両1と中間車両2が所定の円弧状の軌道に乗り、さらに
この軌道に乗るように、後尾車両3が追随するようにな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記フォー
ワーダにおいては、後進における操作が極めて難しいと
いう問題がある。例えば、図8に示すような曲がった状
態になってしまうと、後進のみの操作で反対方向に曲げ
るのは非常に難しい。この状態で反対方向に曲げるため
には、まず中間車両を後尾車両の方向と同じ向きにし、
更に反対方向に向きを変えることによって後尾車両の向
きが変わる。中間車両と後尾車両の向きを変えるために
常に操向用油圧シリンダ7の伸縮を制御する必要があ
る。そこで一般的には、図8に示す状態とは反対の方向
に曲がるように後進するには、一度前進して、各車両
1、2、3を直線状態に直す。そして、後進しながら操
向用油圧シリンダ7を縮める。そうすると、後尾車両3
が中間車両2に対して、図8とは反対の方向に曲がるよ
うになる。そこで今度は、操向用油圧シリンダ7を延ば
して、後尾車両3の曲がる方向に、中間車両2及び先頭
車両1の向きを合わせる。このように、後進において
は、走行の向きを変えるのが非常に難しいという問題が
あった。
【0006】この発明は、上述した問題を解決するため
になされたもので、その目的は、後進時においても前進
時と同様に簡単に走行の向きを変えることのできるフォ
ーワーダを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、先頭車両、中間車両及び後
尾車両を備えたクローラ式のフォーワーダであって、前
記各車両は、それぞれのフレームの左右に走行用のクロ
ーラを有するとともに、それぞれ走行駆動機構を有して
おり、前記先頭車両フレームと中間車両フレームとは、
これらの先頭車両及び中間車両が互いに旋回可能なよう
に操向ピンを介して連結されており、前記中間車両フレ
ームと後尾車両フレームとは、これらの中間車両及び後
尾車両が互いに異なる方向に旋回可能なように、連結リ
ンク及びクロスバーリンクからなる逆平行リンク機構を
介して連結されており、前記連結リンクは、中間連結ピ
ンを介して中間車両フレームに連結されているととも
に、後尾連結ピンを介して後尾車両フレームに連結され
ており、前記クロスバーリンクは、中間連結ピンと後尾
連結ピンとを結ぶ線に対して交差するように配置されて
おり、中間クロスバーピンを介して中間車両フレームに
連結されているとともに、後尾クロスバーピンを介して
後尾車両フレームに連結されており、前記操向ピンの側
方には、前記先頭車両フレームと中間車両フレームとに
連結され、これらの先頭車両及び中間車両を操向ピンを
中心にして互いに異なる方向に旋回させる前進操向用油
圧シリンダが設けられており、前記中間車両フレーム及
び後尾車両フレームの一方には、逆平行リンク機構を介
して、中間車両及び後尾車両を互いに異なる方向に旋回
させる後進操向用油圧シリンダが設けられていることを
特徴としている。
【0008】請求項2に係る発明は、先頭車両、中間車
両及び後尾車両を備えたクローラ式のフォーワーダであ
って、前記各車両は、それぞれのフレームの左右に走行
用のクローラを有するとともに、それぞれ走行駆動機構
を有しており、前記先頭車両フレームと中間車両フレー
ムとは、これらの先頭車両及び中間車両が互いに旋回可
能なように操向ピンを介して連結されており、前記中間
車両フレームと後尾車両フレームとは、これらの中間車
両及び後尾車両が互いに異なる方向に旋回可能なよう
に、連結リンク、第1の後進操向用油圧シリンダ及び第
2の後進操向用油圧シリンダからなる油圧式逆平行リン
ク機構を介して連結されており、前記連結リンクは、中
間連結ピンを介して中間車両フレームに連結されている
とともに、後尾連結ピンを介して後尾車両フレームに連
結されており、前記第1の後進操向用油圧シリンダは、
中間連結ピンの側方にあって中間車両フレームと連結リ
ンクとに連結され、第2の後進操向用油圧シリンダは、
後尾連結ピンの側方にあって後尾車両フレームと連結リ
ンクとに連結され、これらの第1及び第2の後進操向用
油圧シリンダは、フリー状態において閉回路を組むよう
に構成されており、前記操向ピンの側方には、前記先頭
車両フレームと中間車両フレームとに連結され、これら
の先頭車両及び中間車両を操向ピンを中心にして互いに
異なる方向に旋回させる前進操向用油圧シリンダが設け
られていることを特徴としている。
【0009】請求項3に係る発明は、上記先頭車両を、
中間車両と後尾車両とを合計した重量より軽く構成し、
後尾車両を、先頭車両と中間車両とを合計した重量より
軽く構成したことを特徴としている。
【0010】請求項4に係る発明は、請求項2に係る発
明において、連結リンクの、第1の後進操向用油圧シリ
ンダと第2の後進操向用油圧シリンダの間に、ねじれを
吸収するねじれ吸収部材を設けていることを特徴として
いる。
【0011】そして請求項1に係る発明においては、先
頭車両、中間車両及び後尾車両がそれぞれ自分の力で走
行する。そして、前進時には後進操向用油圧シリンダを
フリー状態にし、前進操向用油圧シリンダのみを伸縮さ
せることにより、前進方向の向きを変える。すなわち、
前進操向用油圧シリンダを伸縮することにより、先頭車
両と中間車両とが操向ピンを中心にして反対方向に旋回
し、これらの先頭車両と中間車両とが所定の半径の円弧
状の軌道に乗ることになる。
【0012】そして、後尾車両は、後進操向用油圧シリ
ンダがフリー状態になっていることから、中間車両に続
くようにして円弧状の軌道に乗ることになる。ただし、
中間車両と後尾車両とは逆平行リンク機構により連結さ
れているから、中間車両が円弧状の軌道に入ると、後尾
車両が中間車両とは反対の方向に旋回するようになる。
すなわち、後尾車両も中間車両と同一の軌道に乗ること
になる。したがって、先頭車両、中間車両及び後尾車両
は、すべてほぼ同一の軌道を乗るようにして種々の方向
に移動することができる。しかも、逆平行リンク機構に
おける連結リンクの長さは変わることがないから、この
連結リンクを荷台として構成しておくことにより、木材
等を安定的に保持することができる。
【0013】また、後進時においては、前進操向用油圧
シリンダをフリー状態にし、後進操向用油圧シリンダの
みを伸縮させることにより、後進方向の向きを変える。
すなわち、後進操向用油圧シリンダを伸縮すると、逆平
行リンク機構の作用により、後尾車両と中間車両とが反
対方向に旋回し、これらの後尾車両と中間車両とが所定
の半径の円弧状の軌道に乗ることになる。そして、先頭
車両は、前進操向用油圧シリンダがフリー状態になって
いることから、中間車両に続くようにして、同中間車両
と同一の円弧状の軌道に乗ることになる。したがって、
後進時においても、後尾車両、中間車両及び先頭車両
は、すべてほぼ同一の軌道を乗るようにして種々の方向
に移動することができる。
【0014】以上のように、後進時においても、後進操
向用油圧シリンダを操作する簡単な操作のみで、自由な
方向に曲がることができる。しかも、先頭車両、中間車
両及び後尾車両のすべてに走行駆動力が発生しているか
ら、例えば後進時に後尾車両の向きを変えた際に、この
後尾車両が中間車両等に押されて、さらに食い込むよう
に向きを変える現象、いわゆるジャックナイフ現象を防
止することができ、山林等の急斜面等も安全に走行する
ことができる。さらに、前進時においても、後進時にお
いても、全車両がすべてほぼ同一の軌道を乗るようにし
て種々の方向に移動することができるから、走行によっ
て森林等の地面を荒らす範囲を最小限に抑えることがで
きる。
【0015】請求項2に係る発明においては、前進時に
は第1の後進操向用油圧シリンダ及び第2の後進操向用
油圧シリンダをフリー状態にし、前進操向用油圧シリン
ダのみを伸縮させることにより、前進方向の向きを変え
る。第1及び第2の後進操向用油圧シリンダをフリー状
態にすると、これらの各シリンダが閉回路を組んだ状態
になり、第1の後進操向用油圧シリンダの縮む量と、第
2の後進操向用油圧シリンダの延びる量とが等しくな
る。すなわち、第1及び第2の後進操向用油圧シリンダ
が上記請求項1に係る発明のクロスバーリンクと同様に
作用することになる。したがって、前進時には、先頭車
両、中間車両及び後尾車両は、すべてほぼ同一の軌道を
乗るようにして種々の方向に移動することができる。
【0016】また、後進時においては、前進操向用油圧
シリンダをフリー状態にし、第1及び第2の後進操向用
油圧シリンダのみを伸縮させることにより、後進方向の
向きを変える。すなわち、第1及び第2の後進操向用油
圧シリンダを伸縮することにより、後尾車両と中間車両
とを反対方向に旋回させる。そうすると、これらの後尾
車両と中間車両とが所定の半径の円弧状の軌道に乗るこ
とになる。また、先頭車両は、前進操向用油圧シリンダ
がフリー状態になっていることから、中間車両に続くよ
うにして、同一の円弧状の軌道に乗ることになる。した
がって、後進時においても、請求項1に係る発明と同様
に、すべての車両がほぼ同一の軌道を移動することがで
きる。
【0017】請求項3に係る発明においては、先頭車両
の重量が中間車両と後尾車両とを合計した重量より軽く
構成されているから、前進状態において走行の方向を変
える場合には、先頭車両の方向がまず変わり、この先頭
車両に追随するように、中間車両及び後尾車両の向きが
変わるようになる。したがって、運転者の思った通りの
軌跡を辿るように、走行することができる。また、後進
においても、後尾車両の重量が先頭車両と中間車両との
合計重量より軽く構成されているから、前進時と同様
に、運転者の思った通りの軌跡を辿るように、走行する
ことができる。
【0018】請求項4に係る発明においては、請求項2
に係る発明において、連結リンクの、第1の後進操向用
油圧シリンダと第2の後進操向用油圧シリンダの間に、
ねじれを吸収するねじれ吸収部材を設けているから、地
面が平坦な状態になっていなくても、中間車両及び後尾
車両における4つのクローラのすべてを接地させること
ができ、走行の安定性の向上を図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。まず、図1〜図6を参照して第
1実施の形態を説明する。ただし、図8に示す従来例の
構成要素と共通する要素には同一の符号を付し、その説
明を省略する。
【0020】この第1実施の形態で示すフォーワーダ
は、図6に示すように、先頭車両11、中間車両12及
び後尾車両13の三車両により構成されている。各車両
11、12、13は、それぞれのフレーム11a、12
a、13aの左右に走行用のクローラ4を備えている。
また、各車両11、12、13には、地面上に位置する
クローラ4上を走行駆動するための走行駆動機構14が
設けられている。この走行駆動機構14は、走行用油圧
モータと減速機とを組み合わせたもので構成されてい
る。先頭車両11には運転室15が設けられており、中
間車両12及び後尾車両13には荷台32が設けられて
いる。荷台32には、木材を積み下ろしするための作業
装置16が設けられている。
【0021】先頭車両フレーム11aと中間車両フレー
ム12aとは、図1に示すように、先頭車両11と中間
車両12とが地面上を互いに旋回可能なように操向ピン
21を介して連結されている。操向ピン21の側方に
は、前進操向用油圧シリンダ22が設けられている。前
進操向用油圧シリンダ22は、ピン22aを介して先頭
車両フレーム11aと中間車両フレーム12aとに回転
自在に連結されており、伸縮することにより、先頭車両
11及び中間車両12を操向ピン21を中心にして互い
に異なる方向に旋回させるようになっている。
【0022】また、中間車両フレーム12aと後尾車両
フレーム13aとは、中間車両12と後尾車両13とが
地面上を互いに異なる方向に旋回可能なように、逆平行
リンク機構31を介して連結されている。逆平行リンク
機構31は、連結リンクとしての荷台32とクロスバー
リンク33とを備えている。荷台32は、中間連結ピン
32aを介して中間車両フレーム12aに連結されてい
るとともに、後尾連結ピン32bを介して後尾車両フレ
ーム13aに連結されている。
【0023】クロスバーリンク33は、中間連結ピン3
2aと後尾連結ピン32bとを結ぶ線に対して交差する
ように配置されており、中間クロスバーピン33aを介
して中間車両フレーム12aに連結されているととも
に、後尾クロスバーピン33bを介して後尾車両フレー
ム13aに連結されている。また、後尾連結ピン32b
の側方には、後進操向用油圧シリンダ34が設けられて
いる。後進操向用油圧シリンダ34は、ピン34aを介
して後尾車両フレーム13aと荷台32とに回転自在に
連結されており、伸縮することにより、荷台32に対し
て後尾車両13を旋回させるようになっている。そし
て、後尾車両13が荷台32に対して旋回すると、クロ
スバーリンク33によって連結された中間車両12が後
尾車両13とは反対の方向に同じ量だけ旋回するように
なっている。なお、後進操向用油圧シリンダ34を後尾
車両13側に設けるように構成したが、中間車両12側
に設けるように構成してもよい。
【0024】また、先頭車両11の重量は、中間車両1
2と後尾車両13とを合計した重量より軽く構成されて
おり、後尾車両13の重量は、先頭車両11と中間車両
12とを合計した重量より軽く構成されている。
【0025】上記のように構成されたフォーワーダにお
いては、先頭車両11、中間車両12及び後尾車両13
がそれぞれ自分の力で走行する。そして、前進時には後
進操向用油圧シリンダ34をフリー状態にし、前進操向
用油圧シリンダ22のみを伸縮させることにより、前進
方向の向きを変える。すなわち、前進操向用油圧シリン
ダ22を伸縮することにより、図2に示すように、先頭
車両11と中間車両12とが操向ピン21を中心にして
反対方向に旋回し、これらの先頭車両11と中間車両1
2とが所定の半径の円弧状の軌道に乗ることになる。
【0026】そして、後尾車両13は、後進操向用油圧
シリンダ34がフリー状態、すなわち自由に伸縮する状
態になっていることから、中間車両12に続くようにし
て円弧状の軌道に乗ることになる。ただし、中間車両1
2と後尾車両13とは逆平行リンク機構31により連結
されているから、中間車両12が円弧状の軌道に入る
と、図3に示すように、後尾車両13が中間車両12と
は反対の方向に旋回することになる。すなわち、後尾車
両13も中間車両12と同一の軌道に乗ることになる。
したがって、先頭車両11、中間車両12及び後尾車両
13は、すべてほぼ同一の軌道に乗るようにして種々の
方向に移動することができる。すなわち、通常の自動車
において発生するような内輪差を生ずることがない。し
かも、逆平行リンク機構31における連結リンクとして
の荷台32の長さは変わることがないから、この荷台3
2に積載した木材等を安定的に保持することができる。
【0027】また、後進時においては、前進操向用油圧
シリンダ22をフリー状態にし、後進操向用油圧シリン
ダ34のみを伸縮させることにより、後進方向の向きを
変える。すなわち、後進操向用油圧シリンダ34を伸縮
すると、荷台32に対して後尾車両13が旋回すること
になる。そうすると、図4に示すように、クロスバーリ
ンク33によって連結された中間車両12が後尾車両1
3とは反対の方向に同じ量だけ旋回するようになる。こ
のため、まず後尾車両13と中間車両12とが所定の半
径の円弧状の軌道に乗ることになる。そして、先頭車両
11は、前進操向用油圧シリンダ22がフリー状態、す
なわち自由に伸縮する状態になっていることから、中間
車両12に続くようにして、同中間車両12と同一の軌
道に乗ることになる。したがって、後進時においても、
後尾車両13、中間車両12及び先頭車両11は、図5
に示すように、すべてほぼ同一の軌道に乗るようにして
種々の方向に移動することができる。すなわち、内輪差
を生ずることがない。
【0028】以上のように、後進時においても、後進操
向用油圧シリンダ34を操作する簡単な操作のみで、自
由な方向に曲がることができる。しかも、先頭車両1
1、中間車両12及び後尾車両13のすべてに走行駆動
力が発生しているから、例えば後進時に後尾車両13の
向きを変えた際に、この後尾車両13が中間車両12等
に押されて、さらに食い込むように向きを変える現象、
いわゆるジャックナイフ現象を防止することができ、山
林等の急斜面等も安全に走行することができる。さら
に、前進時においても、後進時においても、全車両がす
べて同一の軌道を乗るようにして種々の方向に移動する
ことができるから、走行によって地面を荒らす範囲を最
小限に抑えることができる。
【0029】また、先頭車両11の重量が中間車両12
と後尾車両13とを合計した重量より軽く構成されてい
るから、前進状態において走行の方向を変える場合に
は、まず先頭車両11の方向が変わり、この先頭車両1
1に追随するように、中間車両12及び後尾車両13の
向きが変わるようになる。したがって、運転者の思った
通りの軌跡を描くように、走行することができる。ま
た、後進においても、後尾車両13の重量が先頭車両1
1と中間車両12とを合計した重量より軽く構成されて
いるから、前進時と同様に、運転者の思った通りの軌跡
を描くように、走行することができる。
【0030】なお、各車両11、12、13が曲がる際
には、その曲がる軌道の半径にみあうように、外側のク
ローラ4の走行速度が内側のクローラ4の速度より高く
なる。これは、外側の走行油圧モータへ供給する作動油
の流量と、内側の走行油圧モータへ供給する作動油の流
量とが油圧回路により自動的に調整されているからであ
る。また、各車両11、12、13の走行速度が異なる
と、互いにスリップするような現象が発生する。このた
め、各車両11、12、13間で互いにスリップするよ
うな現象が生じないように、各走行油圧モータへの作動
油の流量が制御されている。
【0031】そして、例えば直線状に走行している状態
から、先頭車両11のみが旋回を開始した場合を想定す
ると、今まで走行していた直線方向の速度では、先頭車
両11の速度が他の中間車両12及び後尾車両13の速
度より低くなる。このため、先頭車両11には、中間車
両12及び後尾車両13から追突を受けるような細かな
衝撃を受けることがある。しかし、このような衝撃は、
上述したように各車両11、12、13間で互いにスリ
ップが生じないように、各走行油圧モータへの作動油の
流量が制御されていることから、発生することがない。
【0032】次ぎに、この発明の第2実施の形態を図7
を参照して説明する。ただし、図1〜図6に示す第1実
施の形態の構成要素と共通する要素には同一の符号を付
し、その説明を省略する。この第2実施の形態が第1実
施の形態と異なる点は、クロスバーリンク33に代え
て、第1及び第2の後進操向用油圧シリンダ35、36
を設けている点と、荷台32にねじれ吸収部材37を設
けている点である。
【0033】すなわち、中間車両12と後尾車両13
は、荷台32と、第1の後進操向用油圧シリンダ35
と、第2の後進操向用油圧シリンダ36とを備えた油圧
式逆平行リンク機構38を介して連結されている。第1
の後進操向用油圧シリンダ35と第2の後進操向用油圧
シリンダ36は、図7に示すように、中間連結ピン32
aと後尾連結ピン32bとを結ぶ線の水平方向の左右に
配置されている。そして、第1の後進操向用油圧シリン
ダ35は、中間連結ピン32aの側方にあって、中間車
両フレーム12aと荷台32にピン35aを介して連結
されており、第2の後進操向用油圧シリンダ36は、後
尾連結ピン32bの側方にあって、後尾車両フレーム1
3aと荷台32とにピン36aを介して連結されてい
る。
【0034】これらの第1及び第2の後進操向用油圧シ
リンダ35、36は、フリー状態において閉回路39を
組むように構成されている。すなわち、第1の後進操向
用油圧シリンダ35が所定量伸びた場合には、この伸び
量と同じ量だけ第2の後進操向用油圧シリンダ36が縮
むように、第1及び第2の後進操向用油圧シリンダ3
5、36間に密閉された作動油が移動するようになって
いる。このため、例えば後尾車両13が荷台32に対し
て所定の角度だけ旋回すれば、中間車体12は、後尾車
両13とは反対の方向に同じ角度だけ旋回するようにな
っている。
【0035】また、荷台32は、第1の後進操向用油圧
シリンダ35と第2の後進操向用油圧シリンダ36との
間に、ねじれ吸収部材37を有している。ねじれ吸収部
材37は、荷台32を、中間連結ピン32aと後尾連結
ピン32bとを結ぶ直線上において回転自在に連結する
ものである。
【0036】上記のように構成されたフォーワーダにお
いては、荷台32にねじれ吸収部材37を設けているか
ら、荷台32が中間連結ピン32aと後尾連結ピン32
bとを結ぶ直線回りにねじれ自在の状態になっている。
したがって、平坦でない地面上においても、中間車両1
2及び後尾車両13に設けられた4つのクローラ4をす
べて同時に接地させることができ、走行の安定性の向上
を図ることができる。その他は、上記第1実施の形態と
同様の作用効果を奏する。
【0037】なお、上記各実施の形態においては、先頭
車両11の重量を、中間車両12と後尾車両13との合
計重量より軽く構成し、かつ後尾車両13の重量を、先
頭車両11と中間車両12との合計重量より軽く構成し
た例を示したが、このような条件を満たさなくても、走
行の方向を変えることは可能である。しかし、上記第1
実施の形態で示したような優れた走行性能を得るために
は、上記条件を満たすように構成することが好ましい。
【0038】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、後進時に
おいても、後進操向用油圧シリンダを操作する簡単な操
作のみで、自由な方向に曲がることができる。しかも、
先端車両、中間車両及び後尾車両のすべてに走行駆動力
が発生しているから、例えば後進時に後尾車両の向きを
変える際に、この後尾車両が中間車両等に押されて、さ
らに食い込むように向きを変える現象、いわゆるジャッ
クナイフ現象を防止することができる。さらに、前進時
においても、後進時においても、全車両がすべて同一の
軌道を乗るようにして種々の方向に移動することができ
るから、走行によって森林等の地面を荒らす範囲を最小
限に抑えることができる。
【0039】請求項2に係る発明においても、請求項1
に係る発明と同様の作用効果を奏する。
【0040】請求項3に係る発明においては、先頭車両
の重量が中間車両と後尾車両とを合計した重量より軽く
構成されているから、前進状態において走行の方向を変
える場合には、先頭車両の方向がまず変わり、この先頭
車両に追随するように、中間車両及び後尾車両の向きが
変わるようになる。したがって、運転者の思った通りの
軌跡を辿るように、走行することができる。また、後進
においても、後尾車両の重量が先頭車両と中間車両との
合計重量より軽く構成されているから、前進時と同様
に、運転者の思った通りの軌跡を辿るように、走行する
ことができる。
【0041】請求項4に係る発明においては、請求項2
に係る発明において、連結リンクの、第1の後進操向用
油圧シリンダと第2の後進操向用油圧シリンダの間に、
ねじれを吸収するねじれ吸収部材を設けているから、平
坦でない地面上においても中間車両及び後尾車両におけ
る4つのクローラのすべてを同時に接地させることがで
き、走行の安定性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施の形態として示したフォー
ワーダの平面説明図である。
【図2】同フォーワーダの前進走行において、先頭車両
が旋回を開始した状態を示す平面説明図である。
【図3】同フォーワーダの前進走行において、全車両が
旋回走行している状態を示す平面説明図である。
【図4】同フォーワーダの後進走行において、後尾車両
が旋回を開始した状態を示す平面説明図である。
【図5】同フォーワーダの後進走行において、全車両が
旋回走行している状態を示す平面説明図である。
【図6】同フォーワーダの側面図である。
【図7】この発明の第2実施の形態として示したフォー
ワーダの平面説明図である。
【図8】従来例として示したフォーワーダの平面説明図
である。
【符号の説明】
4 クローラ 11 先頭車両 11a 先頭車両フレーム 12 中間車両 12a 中間車両フレーム 13 後尾車両 13a 後尾車両フレーム 14 走行駆動機構 21 操向ピン 22 前進操向用油圧シリンダ 31 逆平行リンク機構 32 連結リンク(荷台) 32a 中間連結ピン 32b 後尾連結ピン 33 クロスバーリンク 33a 中間クロスバーピン 33b 後尾クロスバーピン 34 後進操向用油圧シリンダ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先頭車両、中間車両及び後尾車両を備え
    たクローラ式のフォーワーダであって、 前記各車両は、それぞれのフレームの左右に走行用のク
    ローラを有するとともに、それぞれ走行駆動機構を有し
    ており、 前記先頭車両フレームと中間車両フレームとは、これら
    の先頭車両及び中間車両が互いに旋回可能なように操向
    ピンを介して連結されており、 前記中間車両フレームと後尾車両フレームとは、これら
    の中間車両及び後尾車両が互いに異なる方向に旋回可能
    なように、連結リンク及びクロスバーリンクからなる逆
    平行リンク機構を介して連結されており、 前記連結リンクは、中間連結ピンを介して中間車両フレ
    ームに連結されているとともに、後尾連結ピンを介して
    後尾車両フレームに連結されており、 前記クロスバーリンクは、中間連結ピンと後尾連結ピン
    とを結ぶ線に対して交差するように配置されており、中
    間クロスバーピンを介して中間車両フレームに連結され
    ているとともに、後尾クロスバーピンを介して後尾車両
    フレームに連結されており、 前記操向ピンの側方には、前記先頭車両フレームと中間
    車両フレームとに連結され、これらの先頭車両及び中間
    車両を操向ピンを中心にして互いに異なる方向に旋回さ
    せる前進操向用油圧シリンダが設けられており、 前記中間車両フレーム及び後尾車両フレームの一方に
    は、逆平行リンク機構を介して、中間車両及び後尾車両
    を互いに異なる方向に旋回させる後進操向用油圧シリン
    ダが設けられていることを特徴とするフォーワーダ。
  2. 【請求項2】 先頭車両、中間車両及び後尾車両を備え
    たクローラ式のフォーワーダであって、 前記各車両は、それぞれのフレームの左右に走行用のク
    ローラを有するとともに、それぞれ走行駆動機構を有し
    ており、 前記先頭車両フレームと中間車両フレームとは、これら
    の先頭車両及び中間車両が互いに旋回可能なように操向
    ピンを介して連結されており、 前記中間車両フレームと後尾車両フレームとは、これら
    の中間車両及び後尾車両が互いに異なる方向に旋回可能
    なように、連結リンク、第1の後進操向用油圧シリンダ
    及び第2の後進操向用油圧シリンダからなる油圧式逆平
    行リンク機構を介して連結されており、 前記連結リンクは、中間連結ピンを介して中間車両フレ
    ームに連結されているとともに、後尾連結ピンを介して
    後尾車両フレームに連結されており、 前記第1の後進操向用油圧シリンダは、中間連結ピンの
    側方にあって中間車両フレームと連結リンクとに連結さ
    れ、第2の後進操向用油圧シリンダは、後尾連結ピンの
    側方にあって後尾車両フレームと連結リンクとに連結さ
    れ、これらの第1及び第2の後進操向用油圧シリンダ
    は、フリー状態において閉回路を組むように構成されて
    おり、 前記操向ピンの側方には、前記先頭車両フレームと中間
    車両フレームとに連結され、これらの先頭車両及び中間
    車両を操向ピンを中心にして互いに異なる方向に旋回さ
    せる前進操向用油圧シリンダが設けられていることを特
    徴とするフォーワーダ。
  3. 【請求項3】 先頭車両は中間車両と後尾車両とを合計
    した重量より軽く構成され、後尾車両は先頭車両と中間
    車両とを合計した重量より軽く構成されていることを特
    徴する請求項1又は請求項2記載のフォーワーダ。
  4. 【請求項4】 連結リンクは、第1の後進操向用油圧シ
    リンダと第2の後進操向用油圧シリンダの間に、ねじれ
    を吸収するねじれ吸収部材を有していることを特徴とす
    る請求項2記載のフォーワーダ。
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