JPH09205707A

JPH09205707A - ガス遮断器

Info

Publication number: JPH09205707A
Application number: JP8009781A
Authority: JP
Inventors: Takaya Mineyama; 貴也三根山; Katsuyuki Kondo; 勝之近藤
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1996-01-24
Filing date: 1996-01-24
Publication date: 1997-08-05

Abstract

(57)【要約】【課題】遮断器の構造を変更することなく、輸送時のブ
ッシング根本の応力を緩和した信頼性の高いガス遮断器
を提供すること。【解決手段】絶縁ガスの封入された３相からなる各接地
容器に電流を遮断する遮断部を収納すると共に、その容
器の上側にブッシングを一体構造物に構成し、この一体
構造物の側面に駆動機構を設けたガス遮断器において、
各相のブッシング下方に、内側に弾性物質を取付けた２
ッ割リングを設け、このリング間を寸法調整可能な支え
部材で固定することにより、輸送時のブッシング根本に
働く応力を緩和し、高所作業を不要としたので、品質・
安全性の向上されたガス遮断器を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はブッシングを有する
ガス遮断器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から大容量電流を遮断・投入する装
置としてブッシングにより気中絶縁・架空線に接続して
使用されるガス遮断器が知られている。このような従来
のガス遮断器を図１０及び図１１に基づいて説明する。

【０００３】図に示すように、架台１の上部には、３相
からなる遮断器本体２が水平方向に並列して配設されて
いる。各遮断器本体２には、遮断部（図示せず）がそれ
ぞれ接地容器である円筒形容器３に収納されており、こ
れら円筒形容器３の内部には絶縁ガスが封入されてい
る。また、各円筒形容器３の上側にはそれぞれ２つの口
出部３ａが設けられ、各口出部３ａにはブッシング４が
設けられている。各円筒形容器３毎に設けられた２本の
ブッシング４は逆ハ字形をなし、その上端部が相互に離
反するように配設されている。

【０００４】この３相の円筒形容器３のうち、中央に位
置する第２相の円筒形容器３には、ブッシング４が地平
面に対してほぼ垂直となるように配設されている。この
第２相の円筒形容器３を挟んで設けられた第１相及び第
３相の円筒形容器３に設けられたブッシング４は、第２
相のブッシング４に対し角度αでそれぞれ外側へ開くよ
うに傾けて配置されている。

【０００５】ところで、ガス遮断器は、円筒形容器３内
に絶縁ガスを封入し、その気密を保持した状態で使用す
る必要がある。もし、この気密が破られると、その後真
空にした後、絶縁ガスを再度封入することになる。これ
は、時間がかかる上、絶縁ガス中に異物の混入がないよ
うに注意する必要があり、またガス遮断器の設置場所で
このような封入作業を行うことは、異物が混入する可能
性が高く、ガス遮断器としての信頼性が損なわれること
になる。しかも、各円筒形容器３の各ブッシング４のう
ち、２本のブッシング４はそれぞれ傾斜させて設ける必
要があるため、ガス遮断器の信頼性を確保するには、そ
の設置場所には円筒形容器３に絶縁ガスを封入し、ブッ
シング４を設け、気密を保持した状態で搬入されてい
る。

【０００６】また、３相からなる円筒形容器３は、各相
を異なる角度に傾斜させた後、各操作機構を連結して機
構箱５を設ける必要がある。このためには、遮断器本体
２を各相毎に輸送し、設置場所で高精度に組立てること
になるが、この方法は組立作業時間が大幅にかかること
になる。

【０００７】従って、通常、ガス遮断器は、予めブッシ
ング４の取付けられた３相の遮断器本体を一体構造物と
して設置場所まで輸送し、この一体構造物を架台上に載
置することにより据え付けられる。なお、架台１を含め
てガス遮断器全体を輸送することは、国内道路における
輸送制限内に収まらないことが多く、一般には困難であ
る。そこで、現在は、架台とその上部に設けられる一体
構造物とに２分割して輸送されている。このように、一
体構造物で輸送することは、設置場所では各相の円筒形
容器やブッシング等について取付位置や傾き等の調整を
することはないので、容易に設置することができる、と
いう特長を有する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たガス遮断器では次のような問題があった。すなわち、
図１０及び図１１に示すようにブッシング４を全数取り
付けた状態で輸送するため、輸送時のブッシング４の振
れによりブッシング４の根本に過大な応力が生じる。こ
のため、工場出荷前ブッシング４の頭部にブッシング４
同士を連結する連結金具６，７を設け、輸送時のブッシ
ング４の根本の応力緩和を図っていた。しかし、連結金
具６，７は取付ボルト８により高所に取り付けられてい
るため、安全上の問題があった。また、この連結金具
６，７は製品出荷前取付，現地据付後取外しするもので
あり、高所にあるためその作業も手間がかかっていた。
また、組立状態により特に相間寸法（寸法Ｅ）が若干異
なるため、連結金具６の取付けがうまくいかない場合も
あった。

【０００９】本発明は前記のような従来技術の欠点を解
決するためになされたもので、その目的は、遮断器の構
造を変更することなく、輸送時のブッシング根本の応力
を緩和した信頼性の高いガス遮断器を提供することにあ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項１は、絶縁ガスの封入された３相
からなる各接地容器に電流を遮断する遮断部を収納する
と共に、その容器の上側にブッシングを一体構造物に構
成し、この一体構造物の側面に駆動機構を設けたガス遮
断器において、前記各相のブッシング下方に、内側に弾
性物質を取付けた２ッ割リングを設け、このリング間を
寸法調整可能な支え部材で固定したことを特徴とする。

【００１１】本発明の請求項２は、請求項１記載のガス
遮断器において、ブッシング間の支え部材は右ネジと左
ネジをもつ寸法調整可能なロッドであることを特徴とす
る。本発明の請求項３は、絶縁ガスの封入された接地容
器に電流を遮断する遮断部を収納すると共に、その容器
の上側にブッシングを設けたガス遮断器において、前記
ブッシング下方にゴムを内蔵した２ッ割の円筒形支え部
材を設けたことを特徴とする。

【００１２】本発明の請求項４は、絶縁ガスの封入され
た３相からなる各接地容器に電流を遮断する遮断部を収
納すると共に、その容器の上側にブッシングを一体構造
物に構成し、この一体構造物の側面に駆動機構を設けた
ガス遮断器において、前記一体構造物下部に防震ゴムを
設けたことを特徴とする。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基いて説明する。なお、既に説明した従来技術と同一部
材には同一符号を付してその説明は省略する。図１は本
発明の第１実施例（請求項１対応）のガス遮断器の正面
図、図２は図１のブッシング間の支え構造を示す平面
図、図３は図１のブッシング間の支え部材の側面図であ
る。

【００１４】図に示すように、ブッシング４下方にリン
グ１１が設けられ、支え部材１２を介して各相のブッシ
ング４同士が連結され、支持・固定されている。ブッシ
ング４間の支え構造は図２に示すように構成されてい
る。すなわち、リング１１は２ッ割となっており、この
内側にはブッシング保護の役割をもつゴム１８が設けら
れている。２ッ割のリング１１はボルト１５によりブッ
シング４ａの下方に装着されている。リング１１に設け
られた接続部１９はボルト１６を介して上部支え部材１
３に取付けられている。隣接したブッシング４ｂも前記
と同様に下部支え部材１４にボルト１６を介して接続さ
れている。

【００１５】また、支え部材１２は図３に示すように、
上部支え部材１３と下部支え部材１４から構成されてお
り、上部，下部支え部材１３，１４の側面には、一列に
多数の孔が設けられており、ブッシング４の相間寸法
（Ｅ寸法）に合わせ、上部支え部材１３と下部支え部材
１４を調整してボルト１７により固定される。

【００１６】次に、本実施例の作用効果について説明す
る。ブッシング４下方に２ッ割のリング１１を設け、こ
のリング１１を介して支え部材１２によりブッシング４
間を取付けることにより、ブッシング４間の剛性が向上
し、またブッシング４自身の剛性も向上するので、輸送
時に発生するブッシング根本の過多な応力を抑制でき
る。また、リング１１及び支え部材１２はブッシング４
下方に設けられているため着脱作業性も従来に比べ容易
となり、安全性も向上する。さらに、支え部材１２が寸
法調整可能なため、組立公差によるブッシング４の相間
寸法相違による取付不適合も解消される。

【００１７】図４は本発明の第２実施例（請求項２対
応）のガス遮断器の正面図、図５は図４のブッシング間
の支え構造を示す平面図である。図に示すように、本実
施例はブッシング４下方にリング１１が設けられ、支え
部材１２を介して各相のブッシング４同士が連結され、
支持・固定されている。また、リング１１は２ッ割とな
っており、その内側にはブッシング保護の役割をもつゴ
ム１８が設けられている。２ッ割のリング１１はボルト
１５によりブッシング４ａの下方に装着され、リング１
１に設けられた接続部１９ａには左ネジ穴が設けられて
おり、この接続部１９ａとロッド２１が、左ナット２２
によって接続される。隣接したブッシング４ｂも前記と
同様に接続部１９ｂに右ネジ穴が設けられており、この
接続部１９ｂとロッド２１が右ナット２３によって接続
される。ロッド２１は両ネジボルトとなっており、ブッ
シング４ａ，４ｂの相間寸法（Ｅ寸法）に合わせ左ナッ
ト２２および右ナット２３により固定される。

【００１８】次に、本実施例の作用効果について説明す
る。ブッシング４下方に２ッ割のリング１１を設け、こ
のリング１１を介して、支え部材１２によりブッシング
４間を接続することにより、ブッシング４間の剛性が向
上し、またブッシング４自身の剛性も向上するので、輸
送時に発生するブッシング根本の過大な応力を抑制でき
る。また、リング１１及び支え部材１２は、ブッシング
４下方に設けられているため、着脱作業性が従来に比べ
容易となり、安全性も向上する。さらに、支え部材１２
が寸法調整可能なため、組立公差によるブッシング４の
相間寸法相違による取付不適合も解消される。

【００１９】図６は本発明の第３実施例（請求項３対
応）の側面図、図７は図６のブッシングの支え構造の平
面図である。図に示すように、ブッシング４下方に円筒
形支え部材３１が配設されている。この円筒形支え部材
３１は２ッ割となっており、その内側にはブッシング保
護の役割をもつゴム１８が設けられている。２ッ割の円
筒形支え部材３１はボルト１５によってブッシングのス
ペースフランジ３２に固着されている。

【００２０】次に、本実施例の作用効果について説明す
る。ブッシング４の下方に２ッ割の円筒形支え部材３１
を設けることにより、ブッシング自身の剛性が向上し、
輸送時に発生するブッシング根本の過大な応力を抑制で
きる。また、円筒形支え部材３１はブッシング４下方に
設けられているため、着脱作業が従来に比べ容易とな
り、安全性も向上する。さらに、支え部材３１はブッシ
ング４の相間寸法と関係なく取り付けることが可能なた
め、組立公差によるブッシング４の相間寸法相違による
取付不適合も解消される。

【００２１】図８は本発明の第４実施例（請求項４対
応）の側面図、図９は図８の正面図である。図に示すよ
うに３相の円筒形容器３下部に防震ゴム４１が設けられ
ている。この防震ゴム４１は、ガス遮断器の輸送高さ
（Ｃ寸法）を大幅に変えない板厚としている。

【００２２】次に、本実施例の作用効果について説明す
る。ガス遮断器下部に防震ゴム４１を設けることにより
輸送時のガス遮断器の震動を抑制し、これによりブッシ
ング４根本に発生する応力を抑制できる。また、従来の
ような輸送用治具を取り付けることが不要となるため、
作業性および安全面で向上が図られる。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項１
及び請求項２によれば、ブッシング下部に２ッ割のリン
グを設け、隣接するブッシングのリング間を接続するこ
とにより、輸送時のブッシング根本に働く応力を緩和
し、高所作業を不要としたので、品質・安全性の向上さ
れたガス遮断器を提供できる。

【００２４】本発明の請求項３によると、ブッシング下
部に２ッ割の円筒形支え部材を設けるのみで、輸送時の
ブッシング根本に働く応力を緩和し、高所作業を不要と
したので、品質，安全性の向上されたガス遮断器を提供
できる。

【００２５】本発明の請求項４によると、ガス遮断器下
部に防震ゴムを設けるのみで輸送時のブッシング根本に
働く応力を緩和し、高所作業を不要としたので、品質，
安全性の向上されたガス遮断器を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の正面図。

【図２】図１のブッシング間の支え構造の平面図。

【図３】図２の支え部材の側面図。

【図４】本発明の第２実施例の正面図。

【図５】図４のブッシング間の支え構造の平面図。

【図６】本発明の第３実施例の側面図。

【図７】図６の平面図。

【図８】本発明の第４実施例の側面図。

【図９】図８の正面図。

【図１０】従来のガス遮断器の側面図。

【図１１】図１０の正面図。

【符号の説明】

１…架台、２…遮断器本体、３…円筒形容器、３ａ…、
４，４ａ，４ｂ…ブッシング、５…機構箱、６，７…連
結金具、８…取付ボルト、１１…リング、１２…支え部
材、１３…上部支え部材、１４…下部支え部材、１５，
１６，１７…ボルト、１８…ゴム、１９，１９ａ，１９
ｂ…接続部、２１…ロッド、２２…左ナット、２３…右
ナット、３１…円筒形支え部材、３２…スペースフラン
ジ、４１…防震ゴム。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】絶縁ガスの封入された３相からなる各接
地容器に電流を遮断する遮断部を収納すると共に、その
容器の上側にブッシングを一体構造物に構成し、この一
体構造物の側面に駆動機構を設けたガス遮断器におい
て、前記各相のブッシング下方に、内側に弾性物質を取
付けた２ッ割リングを設け、このリング間を寸法調整可
能な支え部材で固定したことを特徴とするガス遮断器。
【請求項２】請求項１記載のガス遮断器において、ブ
ッシング間の支え部材は右ネジと左ネジをもつ寸法調整
可能なロッドであることを特徴とするガス遮断器。
【請求項３】絶縁ガスの封入された接地容器に電流を
遮断する遮断部を収納すると共に、その容器の上側にブ
ッシングを設けたガス遮断器において、前記ブッシング
下方にゴムを内蔵した２ッ割の円筒形支え部材を設けた
ことを特徴とするガス遮断器。
【請求項４】絶縁ガスの封入された３相からなる各接
地容器に電流を遮断する遮断部を収納すると共に、その
容器の上側にブッシングを一体構造物に構成し、この一
体構造物の側面に駆動機構を設けたガス遮断器におい
て、前記一体構造物下部に防震ゴムを設けたことを特徴
とするガス遮断器。