JPH09205270A - 金属パターンの形成方法 - Google Patents

金属パターンの形成方法

Info

Publication number
JPH09205270A
JPH09205270A JP3142696A JP3142696A JPH09205270A JP H09205270 A JPH09205270 A JP H09205270A JP 3142696 A JP3142696 A JP 3142696A JP 3142696 A JP3142696 A JP 3142696A JP H09205270 A JPH09205270 A JP H09205270A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
electroless plating
metal
plating layer
pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3142696A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Takayanagi
丘 高柳
Masaji Shigyo
正路 執行
Makoto Tanaka
田中  誠
Toshihiro Oda
年弘 尾田
Yasunori Kobayashi
靖典 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP3142696A priority Critical patent/JPH09205270A/ja
Publication of JPH09205270A publication Critical patent/JPH09205270A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写法による金属パターンの形成方法を改良
し、作業性や経済性に優れ、表面の平滑性の高い金属パ
ターンを形成する方法を提供すること。 【解決手段】 プラスチックフィルムの表面に、膨潤性
の水性樹脂層に金属もしくは金属化合物の微粒子が分散
されてなる無電解めっき用下地層、無電解めっき層、そ
してフォトレジスト層がこの順に形成された感光性シー
トを用意し、この感光性シートのフォトレジスト層をパ
ターン状に露光させ、次いで現像することにより、無電
解めっき層の上にレジストパターンを形成させる工程;
レジスト不存在領域の無電解めっき層露出表面上に電解
めっき層を形成する工程;レジストパターンを除去する
工程;めっき層を基板上に転写する工程;そしてプラス
チックフィルムを剥がし取る工程を順次行なうことによ
り基板の上に金属パターンを形成させる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な感光性シー
トを用いる金属パターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化、軽量化が進
み、プリント配線基板などの金属配線の高密度化や多層
化への要求が高くなりつつある。例えば、プリント配線
基板の製法としては、パネルめっき法やパターンめっき
法に代表されるエッチングを利用するサブトラクティブ
法あるいはフルアディティブ法に代表されるアディテイ
ブ法が知られている。この内、サブトラクティブ法は、
銅等の金属の配線をエッチングにより形成する必要があ
るが、エッチング法では、サイドエッチ等が発生するた
め、配線の断面が台形になる傾向があり、高度に微細化
された金属配線の形成には適していないという問題があ
る。更に、エッチング法では金属の利用効率が悪く、ま
た生成する多量のエッチング廃液の処理が問題となる。
【0003】これに対して、アディティブ法は、基板上
にフォトレジストを用いて形成した配線ネガパターン
(配線パターンに対応するネガパターン)の領域に無電
解めっきにより、選択的に銅などの金属を析出させて配
線パターンを生成させる方法である。この方法は、サイ
ドエッチの問題があるサブトラクティブ法とは異なり、
配線幅の限界が緩和され、従って高密度の配線パターン
の形成が可能となるという利点がある。また、エッチン
グ処理を行なわないため、エッチング処理廃液の処理の
問題もなくなり、さらに金属の利用効率も高くなる。し
かしながら、無電解めっきによる配線パターンの形成は
時間がかかり、生産効率が良くないという問題が発生す
る。また配線基板に無電解めっきを施すためには、脱
脂、酸処理、めっき用触媒付与、基板表面の活性化など
複雑な前処理が必要となる。このため、この無電解めっ
きを利用する方法に代る方法として、表面に導電性を有
する支持体を用い、その表面上にフォトレジストで、配
線ネガパターンを形成させ、次にレジスト不存在領域に
電解めっき法により銅などの金属の層を形成し、これを
絶縁基板に転写することによりプリント配線基板を製造
する転写法が開発されている。この転写法では、エッチ
ングに起因する前記の問題点がなく、また金属層の形成
に要する時間が短いため、従って、短い時間で高密度の
配線パターンを製造することができるとの利点がある。
【0004】上記の転写法は、たとえば、特開昭63−
187695号公報に記載されている。この公報に記載
の転写法は、ステンレススチールシート等の導電性基材
(支持体)の上にレジストパターンを形成し、次いでそ
の導電性基材の露出部に電気めっき層を形成し、最後に
レジストパターンと電気めっき層とを一緒に基板上に転
写する方法である。また、特開昭63−283886号
公報には、導電性膜(例、フィルム表面に離型層を介し
て真空蒸着やプラズマビームデポジッション法などで形
成した金属膜層)を有するフィルム表面にレジストパタ
ーンを形成し、次いでその導電性膜露出部に電解もしく
は電解めっき層を設け、最後にそのめっき層を絶縁性基
板に転写する方法が記載されている。
【0005】また、特開平2−122691号公報に
は、金属テープなどの銅めっきが可能な支持体上にフォ
トレジスト層を形成し、このフォトレジスト層をフォト
エッチングしてレジストパターン形成し、そのレジスト
除去領域に銅めっきを施し、銅めっき層表面を粗面化
し、次にレジストパターンを除去し、銅めっき層を下側
にして絶縁性基板上に接着剤を用いて接着し、最後に支
持体を除去する方法により絶縁性基板上に金属パターン
を形成させる方法が記載されている。
【0006】上記の方法のうち、金属層を最初に形成す
るための支持体(基材)として金属シートや金属テープ
を用いる方法は、その金属シートや金属テープなどが高
価で重量もあるため、経済性と作業性に劣るという問題
がある上に、その金属シートなどの上に形成された金属
層を絶縁基板に転写する際に、金属シートなどと金属層
との剥離が円滑に進みにくいという欠点もある。また、
蒸着法などを利用する金属層の形成は時間がかかり、作
業性や経済性に欠けるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の主な
目的は、転写法を利用する金属パターンの形成方法を改
良した新規な金属パターンの形成方法を提供することで
あり、特に、作業性や経済性に優れ、かつ表面の平滑性
の高い金属パターンを形成する方法を提供することにあ
る。また、本発明は、プリント配線基板の製造方法に適
した転写法を利用する改良された金属パターンの形成方
法を提供することも、その目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラスチック
フィルムの表面に、膨潤性の水性樹脂層に金属または金
属化合物の微粒子が分散されてなる無電解めっき用下地
層、無電解めっき層、そしてフォトレジスト層がこの順
に形成されてなる感光性シートを用意し、この感光性シ
ートのフォトレジスト層をパターン状に露光させ次いで
現像することにより、無電解めっき層の上にレジストパ
ターンを形成させる工程;レジスト不存在領域の無電解
めっき層露出表面上に電解めっき層を形成する工程;レ
ジストパターンを除去する工程:電解めっき層を基板上
に転写する工程;そしてプラスチックフィルムを剥がし
取る工程を順次行なうことによって基板の上に金属パタ
ーンを形成させる方法にある。上記の感光性シートは、
その無電解めっき用下地層と無電解めっき層とが一体化
されていて、それらの境界が明確でなく、無電解めっき
層部分の金属相が無電解めっき用下地層部分にまで無電
解めっき層部分よりも疎な状態で侵入していることが好
ましい。
【0009】また、上記の金属パターンの製造方法にお
いては、基板の上に形成された金属パターンの表面をエ
ッチング処理して、その表面を平滑化する工程を含むこ
とが好ましい。また、上記の金属パターンの形成方法
は、プラスチックフィルムの表面に設けられた膨潤性の
水性樹脂層に金属もしくは金属化合物の微粒子が分散さ
れてなる無電解めっき用下地層の上に無電解めっき層そ
してフォトレジスト層がこの順に形成された構成を有す
る感光性シートを用いて実施されるが、その感光性シー
トの膨潤性の水性樹脂層は、架橋された水性樹脂層であ
ることが望ましく、また、この膨潤性の水性樹脂層とプ
ラスチックフィルム表面との間には接着性樹脂からなる
下塗層が設けられていることが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明で用いる感光性シー
ト、そしてその感光性シートを用いる本発明の金属パタ
ーンの形成方法について、詳しく説明する。本発明の金
属パターンの形成方法に用いられる感光性シートは、プ
ラスチックフィルムの表面に設けられた膨潤性の水性樹
脂層に金属もしくは金属化合物の微粒子が分散されてな
る無電解めっき用下地層の上に無電解めっき層そしてフ
ォトレジスト層がこの順に形成された構成を有する。こ
の感光性シートの製造に際しては、まず、プラスチック
フィルムの上に膨潤性の水性樹脂に金属もしくは金属化
合物の微粒子が分散されてなる無電解めっき用下地層か
らなる無電解めっき層形成用シートを用意する。
【0011】本発明の無電解めっき層形成用シートの構
成を図1に模式的に示す。図1において、無電解めっき
層形成用シート10は、プラスチックフィルム(支持体
として機能する)11、疎水性バインダからなる下塗層
12、そして膨潤性の水性樹脂に金属または金属化合物
の微粒子が分散されてなる無電解めっき用下地層13か
らなる。
【0012】上記の無電解めっき層形成用シートで支持
体として用いるプラスチックフィルムの形成材料につい
ては特に限定はない。例えば、セルロースエステル、ポ
リアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサ
ンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−
ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、
ポリエチレン−1,6−ナフタネート)、ポリスチレ
ン、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサ
ルホンなどのプラスチック材料を挙げることができる。
これらのプラスチック材料は、二種以上混合して用いて
もよく、またそれぞれのプラスチック材料からなるフィ
ルムを積層して用いてもよい。上記のプラスチックフィ
ルム支持体材料は、高い寸度安定性を有することが望ま
しい。すなわち、本発明の無電解めっき層形成用シート
のプラスチックフィルム支持体は、熱膨張係数が1×1
-4/℃以下であることが望ましく、また湿度寸法変化
率が1×10-4%RH以下(特に1×10-5%RH以
下)であることが望ましい。従って、前記のプラスチッ
ク材料のなかで、本発明の無電解めっき層形成用シート
の支持体フィルムの材料として用いるのに特に適してい
るのはポリエチレンテレフタレートであり、なかでも二
軸延伸、熱固定されたポリエチレンテレフタレートフィ
ルムが、経済性、寸度安定性、強度、平面性等を考慮す
ると特に好ましい。また、特開平6−25916号公報
に記載されているポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト、特開平6−55615号公報に記載されているシン
ジオタクチックポリスチレン(SPS)も好ましい支持
体材料である。無電解めっき層形成用シートで支持体と
して用いるプラスチックフィルムの厚さについても特に
限定はないが、通常は、6〜200μm(特に、50〜
180μm)の範囲で適宜決定される。また、このプラ
スチックフィルムは、透明であっても、不透明であって
もよく、また所望により、染料や顔料(例、二酸化チタ
ン)、滑剤(例、シリカ、炭酸カルシウム)などの添加
剤、充填剤を含んでいてもよい。
【0013】本発明の無電解めっき層形成用シートは、
プラスチックフィルム(支持体)の上に、膨潤性の水性
樹脂層に金属もしくは金属化合物の微粒子が分散されて
なる無電解めっき用下地層が形成されていることを主な
特徴とするが、その無電解めっき用下地層は、プラスチ
ックフィルムの表面に、接着性樹脂からなる下塗層を介
して設けられていることが好ましい。この下塗層は、主
として、プラスチックフィルム支持体の表面に、無電解
めっき用下地層を均一、かつ確実に固定させ、そして、
その均一な固定状態を長期にわたって維持する機能を有
する。上記の下塗層の接着性樹脂としては、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、メタクリル酸、アクリル酸、メタ
クリル酸エステル、アクリル酸エステル、イタコン酸、
無水マレイン酸、酢酸ビニル、ブタジエン、そしてスチ
レンなどのモノマーから誘導される単独重合体もしくは
共重合体などの疎水性バインダ、そしてそれらを架橋剤
(例、2,4−ジクロロ−6−オキシ−S−トリアジ
ン)で架橋させた材料を挙げることができる。その例と
しては、ブタジエン/スチレン共重合体ラテックスや塩
化ビニリデンラテックスを挙げることができる。用いる
重合体の分子量(重量平均分子量)は、5000以上、
特に2万以上、200万以下であることが望ましい。ま
た、融点は120℃〜250℃にあることが望ましい。
【0014】下塗層の厚みは通常0.01〜5.0μm
の範囲(好ましくは0.1〜1.0μm)から選ばれ
る。上記の下塗層は、プラスチックフィルム支持体の表
面に、バインダ樹脂を溶融塗布、もしくはバインダ樹脂
溶液を塗布乾燥するような一般的な方法で形成すること
ができる。なお、そのバインダ樹脂の塗布の前に、バイ
ンダ樹脂と支持体プラスチックフィルム表面との接着性
を向上させるために、プラスチックフィルム表面に公知
の表面処理(例、コロナ放電処理、グロー放電処理、プ
ラズマ処理、火炎処理、化学処理)を施すことが望まし
い。また、上記の下塗層形成後のプラスチックフィルム
支持体は、高温で保存した場合でも、その縦横の寸法変
化が少ないものであることが好ましい。
【0015】上記の下塗層が付設されたプラスチックフ
ィルム(支持体)の、その下塗層の上には、膨潤性の水
性樹脂に金属もしくは金属化合物の微粒子が分散されて
なる無電解めっき用下地層が形成される。本発明の無電
解めっき層形成用シートにおける無電解めっき用下地層
は、表面が親水性で、かつ膨潤性があるため、無電解め
っき層形成用シートを無電解めっき液に浸漬した場合
に、めっき液が無電解めっき用下地層の内部深くまで浸
透してくる。そして、その無電解めっき用下地層の内部
に分散している金属もしくは金属化合物の微粒子を核と
して無電解めっきがなされるため、その下地層の表面に
形成される無電解めっき層は、その下地層と強固に接合
した状態となる。従って、プラスチックフィルム支持体
上に、その後の処理を進めるのに充分な強度を有する無
電解めっき層が形成されることになる。
【0016】上記の膨潤性の水性樹脂層に金属もしくは
金属化合物の微粒子が分散されてなる無電解めっき用下
地層は、例えば、予め膨潤性の水性樹脂、金属塩もしく
は金属錯体など、そして還元剤(また、さらに必要によ
り保護コロイド)を含む水溶液を調製し、その水溶液中
の金属塩もしくは金属錯体などの還元反応により金属も
しくは金属化合物の微粒子を析出させて金属もしくは金
属化合物の微粒子と水性樹脂を含む塗布液とし、これを
支持体表面(もしくは支持体上の下塗層表面)に塗布乾
燥させる方法により形成させることができる。あるい
は、予め膨潤性の水性樹脂、そして金属塩もしくは金属
錯体などを含む水溶液を調製し、その水溶液を支持体表
面(もしくは支持体上の下塗層表面)に塗布し、次いで
その塗布層中に還元剤を浸透させることにより金属塩も
しくは金属錯体などを還元させ、金属もしくは金属化合
物の微粒子を析出させて金属もしくは金属化合物の微粒
子を析出させ、最後に乾燥させる方法により形成するこ
とができる。また、最初から金属もしくは金属化合物の
微粒子と水性樹脂とを含む塗布液を調製し、これを支持
体表面(もしくは支持体上の下塗層表面)に塗布乾燥さ
せる方法によっても無電解めっき用下地層を形成するこ
とも可能である。
【0017】用いる金属は、基本的には導電性を持つも
のであり、その例としては、Au、Pt、Pd、Ag、
Cu、Ni、Fe、Ro、Cr、Snなどの金属を挙げ
ることができる。また金属化合物としては、それらの金
属の塩、酸化物、硫化物などがある。金属化合物や出発
原料の具体例としては、PdS、SnS、Ag2 S、P
dCl2 、SnCl2 、AgCl、PdF2 、AgF
2 、SnF2 、PdO2、SnO2 、Ag2 O、HAu
Cl4 、H2 PtCl6 を挙げることができる。また、
この例示された金属塩や金属錯体以外にも、他の金属の
塩化物、硫化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物、酸化
物、各種の錯体などを用いることができる。市販されて
いる製品の例としては、石原産業株式会社製のSN−1
00A及びSN−100N、三菱マテリアル株式会社製
のT1を挙げることができる。
【0018】還元剤の例としては、次亜リン酸ナトリウ
ム、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム、
水素化ホウ素カリウム、ホルムアルデヒド、ヒドラジ
ン、アスコルビン酸などの無機もしくは有機の還元剤を
挙げることができる。
【0019】膨潤性の水性樹脂層を形成する樹脂は、一
般に水溶性樹脂もしくはポリマーラテックスから選ば
れ、その例としては、ゼラチンおよびその誘導体(例、
フタル化ゼラチン、マレイン化ゼラチンなどのアシル化
ゼラチン、アクリル酸、メタクリル酸もしくはアミドな
どでゼラチンにグラフトさせたグラフト化ゼラチン)、
ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルピ
ロリドンおよびその誘導体、ポリアクリル酸、ポリアク
リル酸−ジアクリレート共重合体のようなポリマーを挙
げることができる。これらのポリマーは単独でも、また
組合せて用いることもできる。また、これらのポリマー
に、塗膜の粘着性を低減し、ブロッキング性を向上させ
るためにメチルセルロースなどのセルロース誘導体を併
用することもできる。また、膨潤性を向上させるフェノ
ールやレゾルシン、異物付着防止のためのイオン系ポリ
マー、アニオンまたはカチオン界面活性剤、特開昭49
−3972号公報記載のマレイン酸系共重合体、コロイ
ダルシリカ、食塩などの電解質をなどを添加してもよ
い。
【0020】無電解めっき用下地層は、架橋されている
ことが望ましい。すなわち、水溶性架橋剤などの架橋剤
を無電解めっき用下地層形成用塗布液に添加し、その塗
布液を支持体表面に塗布したのち、加熱して、塗布層を
架橋させることによって、その下地層の強度を高めるこ
とができる。そのような水溶性架橋剤の例は、特開平3
−141347号公報、特開平3−137637号公報
に記載されている。具体的な化合物の例としては、下記
のものを挙げることができる。水性樹脂がポリビニルア
ルコールである場合には、ブチルアルデヒドのようなア
ルデヒド化合物やホウ酸などが利用できる。水性樹脂が
アクリル酸誘導体の場合には、アルミニウム、亜鉛等の
多価金属イオンやカルボキシル基と反応するN−メチロ
ール尿素、ポリ−N−メチロールアクリルアミドが利用
できる。ゼラチンまたはゼラチン誘導体の場合には、米
国特許第3325287号明細書、同第3288775
号明細書、同3549377号明細書、ベルギー特許第
6602226号明細書などに記載されているトリアジ
ン系化合物、米国特許第3291624号明細書、同第
3232764号明細書、フランス特許第154369
4号明細書、英国特許第1270578号などに記載さ
れているジアルデヒド系化合物、米国特許第30915
37号明細書、特公昭49−26580号公報などに記
載されているエポキシ系化合物、米国特許第36424
86号明細書などに記載されているビニル化合物、そし
て米国特許第3392024号明細書などに記載されて
いるエチレンイミン系化合物あるいはメチロール系化合
物が利用できる。特に好ましい架橋剤は2,4−ジクロ
ロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン・ナトリウム塩な
どのジクロロ−S−トリアジン誘導体である。なお、無
電解めっき用下地層を、プラスチックフィルム支持体の
上に下塗層を介して設ける場合には、架橋剤を、その下
塗層に導入することもできる。
【0021】無電解めっき用下地層における水性樹脂と
金属もしくは金属化合物の微粒子との重量比率は、通常
は0.01〜10000、好ましくは0.1〜1000
(水性樹脂/金属もしくは金属化合物の微粒子)の範囲
にあるように調整される。上記の金属もしくは金属化合
物の微粒子の大きさは、通常0.0003〜10μm
(好ましくは0.001〜1.0μm)の範囲にはいる
ものであることが好ましい。なお、上記の無電解めっき
用下地層の厚さは通常、0.005〜5μm(好ましく
は0.01〜1μm)である。
【0022】無電解めっき用下地層の上には公知の方法
もしくはそれに準じる方法によって無電解めっき層が形
成される。利用できる無電解めっき液に特に制限は無
く、市販の各種の処理液を用いることができる。一般的
には、銅めっきの場合には、硫酸銅のEDTA浴やロッ
シェル塩浴などが用いられる。ニッケルめっきの場合に
は、硫酸ニッケルあるいは塩化ニッケルなどを用いた酸
性浴、または30〜60℃の液温の低温中性浴、アンモ
ニアアルカリ性浴、苛性アルカリ浴などが用いられる。
また、コバルトめっきの場合には、硫酸コバルトあるい
は塩化コバルトなどのコバルト塩を用いた中性乃至アル
カリ条件のクエン酸浴、酒石酸浴などが用いられる。無
電解めっき層の層厚みは、通常0.1〜1.0μm(好
ましくは、0.2〜0.5μm)が選ばれる。この無電
解めっき層は、前述のように無電解めっき用下地層の内
部にまでアンカー効果によって浸透するため、その下地
層から容易に離脱しないように形成される。すなわち、
公知の一般的な方法でプラスチックフィルムの表面に無
電解めっき(化学めっき)を施す場合には、ブラストの
ような物理的粗面化処理あるいはクロム混酸を用いるエ
ッチングのような化学的な方法を利用して、表面処理を
予め行なう必要がある。このような一般的な方法でプラ
スチックフィルムの表面処理を行なって、その上に無電
解めっき行なった場合、その無電解めっき層は、通常の
取り扱いでは問題がないが、その後、本発明の金属パタ
ーンの形成方法のようなフォトレジスト層形成、未硬化
フォトレジスト層の溶出処理、電解めっき処理、そして
めっき層の基板への転写などの所定の各種処理を行なう
場合に、それらの途中でプラスチックフィルムの表面か
らの剥離が発生しやすいことが問題となる。これに対し
て、本発明における無電解めっき用下地層の上に形成さ
れる無電解めっき層は、そのめっき金属相が無電解めっ
き層用下地層の内部から生成するようになり、このた
め、形成される無電解めっき層と無電解めっき下地層と
は、前者の脚部が後者の内部に食い込んでアンカリング
効果を示すような複合構造を形成しながら一体化する。
そして、無電解めっき下地層は、下塗層などの効果によ
り、プラスチックフィルムにしっかりと固着している。
従って、本発明の無電解めっき層付きシートにおける無
電解めっき層は、そののちの各種処理の間でも、プラス
チックフィルムから剥離することなく、転写工程におい
てプラスチックフィルムを基板から剥ぎ取る時に初めて
プラスチックフルムと分離されるようになる。
【0023】無電解めっき層の上にはフォトレジスト層
が形成される。フォトレジストとしては通常はネガ型が
用いられる。また、現像廃液の処理の簡便さを考慮する
とアルカリ水溶液で現像可能なフォトレジストであるこ
とが好ましい。フォトレジスト層は、フォトレジスト溶
液をウエブ塗布などの塗布法により無電解めっき層の表
面に形成してもよく、またドライフィルム化されたレジ
ストフィルムなどを無電解めっき層の表面にラミネート
法などによって積層してもよい。なお、アディティブ法
用として市販されているめっきレジスト、感光性ソルダ
ーレジストなどを用いることもできる。本発明で用いる
感光性シートは、上記のようにして調製される感光性レ
ジストが表面に形成された感光性シートをその代表例と
するものである。
【0024】次に、本発明の感光性シートを用いる金属
パターンの形成方法について、図面を参照しながら説明
する。図2及び図3は、本発明の金属パターンの形成方
法に従って、基板上に金属パターンを形成させる工程を
模式的に示す図である。すなわち、まず、図1に示した
本発明の無電解めっき層形成用シート10(プラスチッ
クフィルム支持体11、疎水性バインダからなる下塗層
12、そして膨潤性の水性樹脂に金属もしくは金属化合
物の微粒子が分散されてなる無電解めっき用下地層1
3)の上に、上記の方法により無電解めっき層14、そ
してフォトレジスト層(感光性レジスト層)15を積層
することにより、感光性シート21を製造する(図2の
(イ))。
【0025】次いで、図3の(ロ)〜(ト)に示すよう
に、この感光性シート21のフォトレジスト層15を、
配線パターン状などの形状のフォトマスク22を用いて
パターン状に露光させ(ロ)、次いで現像することによ
って、無電解めっき層14の上にレジストパターン15
aを形成させる(ハ)。上記の露光現像により形成され
たレジストパターン15aにより、部分的に露出面とさ
れた無電解金属めっき層の露出表面上には、次に公知の
方法もしくはそれに準じる方法によって電解めっき層2
3が形成される(ニ)。本発明で用いる電解めっき液に
は特に制限はなく、市販の処理液もしくはそれに類似す
る処理液を用いることができる。具体的には、銅めっき
の場合には、ほう弗化銅の低濃度浴や高濃度浴、硫酸銅
の電鋳浴、光沢浴、一般浴、そしてピロリン酸銅の光沢
浴などを用いることができる。ニッケルめっきの場合に
は、硫酸ニッケルあるいは塩化ニッケルを用いるトリニ
ッケル浴、光沢浴ワイズベルグ浴などが用いられる。勿
論、電解めっきは単独の金属のめっきに限られるもので
はなく、合金メッキを利用することもできる。本発明の
金属パターンの形成方法で形成される電解めっき層は通
常10〜50μmの範囲の厚さを持つようにされる。た
だし、所望により、それよりも厚く、あるいは薄くする
こともできる。
【0026】次いで、レジストパターンを除去し、パタ
ーン状の電解めっき層のみを残す処理を行なう(ホ)。
レジスパターンの除去は、たとえば、下記に記載する方
法により容易に行なうことができる。一般的なレジスト
パターン(硬化レジスト体)はアルカリ水溶液により溶
解除去させることができる。アルカリ水溶液としては水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム
などのアルカリ性物質の0.5〜8重量%濃度の水溶液
が一般的に利用される。アルカリ性物質の濃度が0.5
重量%よりも低いと、レジスト除去に時間がかかるか、
あるいは充分なレジスト除去が実現しにくい。一方、ア
ルカリ性物質濃度が8重量%を越えると、基体のプラス
チックフィルムの裏面の腐食が発生しやすくなり好まし
くない。レジスト溶解除去処理は通常は室温以上、80
℃以下の温度で実施される。レジスト溶出処理に要する
時間は、アルカリ水溶液の濃度、組成、温度などにより
変わるが、通常は30秒間〜3分間程度で実施する。
【0027】レジスト溶解除去処理の操作は、公知のレ
ジスト剥離(溶解除去)操作を利用することができる。
すなわち、処理対象の硬化レジスト形成基板をアルカリ
水溶液に浸漬させる方法、その浸漬を行ないながら超音
波を照射する方法、そして硬化レジスト形成基板にアル
カリ水溶液をスプレーする方法などが利用できる。ある
いは、基板搬送装置、溶出液(アルカリ水溶液)スプレ
ー装置、そして溶出液回収装置が組み合されてなる自動
レジスト剥離装置を利用することもできる。溶出液とし
て用いるアルカリ水溶液には消泡剤として特公昭42−
11328号公報に記載のカルボン酸アルミニウムなど
を添加することもできる。また、溶出液にベンジルアル
コールやアニオン性界面活性剤を添加することもでき
る。
【0028】アニオン性界面活性剤の例としては、炭素
数が8〜22個の高級アルコール硫酸エステル塩類
(例、ラウリルアルコールサルフェートのナトリウム
塩、オクチルアルコールサルフェートのナトリウム塩、
ラウリルアルコールサルフェートのアンモニウム塩、
「Teepol B−81」(シェル化学株式会社商品
名)、及び第二ナトリウムアルキルサルフェート)、脂
肪族アルコール燐酸エステル類(例、セチルアルコール
燐酸エステルのナトリウム塩)、アルキルアリールスル
ホン酸塩類(例、ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリ
ウム塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸のナトリウ
ム塩、t−ブチルナフタレンスルホン酸のナトリウム
塩、ジ−t−ブチルナフタレンスルホン酸のナトリウム
塩、及びm−ニトロベンゼンスルホン酸のナトリウム
塩)、アルキルアミドのスルホン酸塩類(例、C1733
CON(CH3 )CH2 CH2 SO3 Na)、二塩基性
脂肪酸エステルのスルホン酸塩類(例、ナトリウムスル
ホコハク酸ジオクチルエステル、ナトリウムスルホコハ
ク酸ジヘキシルエステル及びポリオキシアルキレンナフ
チルエーテル硫酸エステル)。特に、t−ブチルナフタ
レンスルホン酸のナトリウム塩を主成分とする「ペレッ
クスNBL」(花王アトラス株式会社製商品名)、イソ
プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩である「A
erosol OS」(アメリカンシアナミド社製商品
名)、および「ニューコールB4SN」(日本乳化剤株
式会社製商品名)は、ベンジルアルコールとの組み合せ
において、少量で有効に作用するので好適である。な
お、アニオン性界面活性剤はアルカリ水溶液中に0.1
〜5重量%の量で含有させることが望ましく、またベン
ジルアルコールは1〜5重量%で含有させることが好ま
しい。
【0029】アルカリ性水溶液には有機溶剤を含ませる
こともできる。すなわち、例えば、米国特許第4202
703号明細書には、テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド溶液と低級アルコール中の湿潤剤によるネガ型フ
ォトレジストの剥離及び引き続くトリクロロメタン中へ
の浸漬が、特開昭57−163236号公報には、アル
カリ金属水酸化物/ポリエチレングリコールモノアルキ
ルエーテル/水からなる剥離液が、特開昭57−165
834号には、水に可溶なアミン類とアルカリ性水溶液
との組合せが、そして特開昭62−50832号公報に
は有機第四アンモニウム塩基水溶液が記載されており、
これらの方法および剥離液は、本発明におけるレジスト
パターンの溶解除去に利用することができる。
【0030】レジストパターンの溶解除去は、アルカリ
水溶液以外にも、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸
エチル、テトラヒドロフラン、メチレンクロリド、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル等などの有機溶剤を用いること
によっても可能である。しかし、レジストパターノの溶
解除去操作の作業性を考慮すると、アルカリ水溶液を中
心とする剥離液の使用が有利である。
【0031】次に、上記の方法で形成し、残留させた電
解めっき層を基板24の上に転写する(ヘ)。基板とし
ては、公知のもの、もしくはそれに準じるものが利用さ
れる。その例としては、ポリイミドフィルムなどのプラ
スチックフィルム基板、ガラスエポキシ基板などの複合
材料基板を挙げることができる。なお、基板は、必ずし
もフィルムもしくはシート状である必要はない。電解め
っき層との基板への転写は、通常、基板の表面に接着剤
層25を設けた上で、その接着剤層の表面に電解めっき
層が接するようにして積層し、加熱加圧して接着する方
法が利用される。この場合の接着剤としては、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂など
の材料からなるもので、ホットメルト接着剤あるいは熱
硬化型接着剤が用いられる。また、光硬化型ソルダーレ
ジストとして市販されているものも利用することができ
る。接着剤は、ドライフィルム化された接着剤シートで
あってもよい。
【0032】そして、上記の転写が終了後に、感光性シ
ートのプラスチックフィルムを積層体から手を用いて、
あるいは機械的に、剥がし取る(ト)ことによって、目
的の金属パターンが得られる。なお、所望により、得ら
れた金属パターンの間隙に樹脂を充填させてもよい。さ
らに、基板上に形成された金属パターンの表面の平滑性
もしくは光沢性を更に向上させるためには、その表面を
ソフトエッチング処理することもできる。このソフトエ
ッチング処理は、公知の方法であり、たとえば、酸化剤
である過硫酸アンモニウムあるいは過硫酸ナトリウムの
5〜10%程度の水溶液で、目的の金属表面を数十秒〜
数分処理することによって実施することができる。
【0033】上記のようにして得られた表面に金属パタ
ーンを有する基板は、そのまま単独で用いることもでき
るが、所望により、二枚以上積層して多層化することも
できる。その多層化は、例えば、公知のプレプリグなど
を用いることによって容易に実施することができる。
【0034】
【実施例】
[実施例1] (1)無電解めっき層形成用シートの作成 1)ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
(厚さ100μm)の表面にコロナ放電処理を施し、そ
の処理表面に下記組成からなる塗布液を、塗布量が約6
mL/m2 となるようにワイヤーバーを利用して塗布
し、170℃で1分間乾燥して、下塗層を形成した。
【0035】 [下塗層組成] ブタジエン/スチレン共重合体ラテックス(固形分43%、 ブタジエン/スチレン重量比=32/68) 13mL 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンの ナトリウム塩(架橋剤)の1.6%水溶液 9mL ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム1%水溶液 1.6mL 蒸留水 78mL 2)上記のポリエチレンテレフタレートフィルム上の下
塗層の表面にコロナ放電処理を施したのち、その処理表
面に下記のようにして調製した塗布液を塗布量が約9m
L/m2 となるようにワイヤーバーを利用して塗布し、
150℃で2分間乾燥して、無電解めっき下地層を形成
した。
【0036】[無電解めっき下地層形成用塗布液の調
製]塩化パラジウム0.1gを、5N塩酸0.5gと純
水11.3gとの混合物に完全に溶解させてA液を作成
する。次に、ポリビニルピロリドン(K90、東京化成
工業株式会社製、保護コロイド)0.15gを1Nの水
酸化ナトリウム水溶液5gと純水8.75gとの混合物
に溶解してB液を作成する。次いで、ホルマリン0.1
gを純水12.5gに溶解させたC液を作成する。上記
のB液をスターラーを用いて撹拌(150rpm)しな
がら、これにA液とC液とを同時にゆっくりと添加す
る。添加に伴い水溶液の色が変化し、黒褐色透明なパラ
ジウムコロイド水溶液が得られる。次に、上記パラジウ
ムコロイド水溶液を撹拌しつつ、これに、ゼラチン(新
田ゼラチン株式会社製681)0.5gを純水12.5
gに加熱溶解させた水溶液と2,4−ジクロロ−6−ヒ
ドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩の2%水溶液
0.164gを添加する。
【0037】(2)無電解めっき層付きシートの作成 上記(1)で作成した無電解めっき層形成用シートを2
0cm×20cmの正方形に切断して試験片を調製し
た。この試験片を界面活性剤水溶液(メルテックス社
製:メルテックスエンプレートPC−236:pH約
1)に5分間浸漬し、次いで1分間水洗して、無電解め
っき層形成層を膨潤させた。次に、試験片を市販の無電
解銅めっき液(メルテックス社製:メルプレートCU−
390)に浸漬し、約20℃で20分間無電解めっき操
作を行なった。試験片の上に析出した銅層(銅めっき
層)の層厚は約0.3〜0.4μmでほぼ均一であっ
た。このめっき操作において、めっき層形成用下地層か
らの金属微粒子の脱落は観察されなかった。この析出し
た銅層(銅めっき層)の表面に接着テープを貼り付けた
のち、そのテープを剥ぎ取る試験を行なったが、銅層の
剥離は発生しなかった。また、この銅めっき層の表面抵
抗を低抵抗表面抵抗計(三菱油化株式会社製のMCP−
TESTER LORESTA)を用いて測定したとこ
ろ約0.4〜0.6Ω/sqの値が得られた。なお、銅
めっき層は、表面側から見ると、強い赤銅色が観察さ
れ、一方、裏面側(PETフィルム側)から見ると、同
じく赤銅色が観察されるが、その金属光沢は表面側より
弱く、また金属光沢がまばらな状態となっていることが
確認された。すなわち、上記の銅めっき層と無電解めっ
き用下地層とは、一体化されており、無電解めっき層部
分の金属相が無電解めっき用下地層部分にまで無電解め
っき層部分よりも疎な状態で侵入した構造をとっている
ことが確認された。
【0038】(3)感光性シートの作成 無電解めっき層付きシートの無電解銅めっき層の上に、
アルカリ現像型のフォトレジストフィルム(富士写真フ
ィルム株式会社製A640)を2kg/cm、105
℃、1.0m/分の条件で貼り付けて感光性シートを作
成した。 (4)配線ネガパターンの形成 感光性シートのフォトレジストフィルムの表面に配線パ
ターンのマスクを用いて、パターン状の露光を施し、ア
ルカリ現像液で現像処理し、配線パターン状に無電解銅
めっき層を露出させ、レジストの配線ネガパターンを形
成した。 (5)電解めっき処理 上記の(4)で処理したシートを電解めっき液(リーロ
ナール社製の光沢剤カパーグリームPを5mL/Lの濃
度で添加した硫酸銅浴)に浸漬し、約20℃の温度で、
1.2A/dm2 の条件で電流を20分間流して、上記
(4)で露出させた無電解銅めっき層の表面に電解銅め
っき層を形成させた。 (6)レジストパターンの除去 次いで電解銅メッキ層とレジストパターン(配線ネガパ
ターン)とのが形成されたシートを3重量%濃度の水酸
化ナトリウム水溶液(40℃)に140秒間浸漬するこ
とによって、レジストパターンを溶解除去した。
【0039】(7)金属パターンの基板への転写 別に用意したガラスエポキシ基板の上にソルダーレジス
トフィルム(デュポン社製:バクレル8030)を重ね
合せ、2kg/cm、105℃、1.0m/分の条件で
貼り付けた。上記のガラシエポキシ基板上のソルダーレ
ジストフィルムの上に、前記(5)で得た無電解めっき
層を有するシートを、その無電解めっき層がレジストフ
ィルム表面に接触するように重ね合せ、4kg/cm、
120℃、0.5m/分の条件でラミネートし、積層一
体化させた。次いで、その積層物からPETフィルムを
剥がし取ったところ、配線パターン状の銅めっき層が、
ガラスエポキシ基板上のソルダーレジストフィルムの上
に転写されており、その解像力は約50μmであった。
続いて、転写された銅めっき層の表面を、過硫酸アンモ
ンの12%水溶液を用い30℃で、2分間処理した(ソ
フトエッチング)ところ、銅の光沢面が現われて、優れ
た配線基板が得られた。
【0040】[実施例2]ポリエチレンテレフタレート
フィルムの上に下塗層を設けることなく、直接膨潤性を
有する親水性樹脂層を形成(ただし、親水性樹脂層形成
用塗布液に2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−ト
リアジンのナトリウム塩(架橋剤)の1.6%水溶液を
5mL添加した)した以外は実施例1と同様にして無電
解めっき層形成用シートを作成した。上記の無電解めっ
き層形成用シートを用い、実施例1と同様にして、無電
解めっき層の形成、レジストフィルムの積層、配線ネガ
パターンの形成、電解めっき操作、そして転写操作を行
なって、最後にソフトエッチング操作を行なったとこ
ろ、表面に光沢面を有する配線パターン状の銅めっき層
(解像力:約50μm)を表面に有するガラスエポキシ
基板(配線基板)が得られた。
【0041】[実施例3]実施例1に記載の方法に従っ
て無電解めっき層形成用シートを作成し、次いで無電解
めっき層形成用シートを20cm×20cmの正方形に
切断して試験片を調製した。この試験片を界面活性剤水
溶液(前記のメルテックスエンプレートPC−236:
pH約1)に5分間浸漬し、次いで1分間水洗して、無
電解めっき層形成層を膨潤させた。次に、試験片を下記
組成の無電解ニッケルめっき液に浸漬し、約40℃で2
0分間無電解めっき操作を行なった。試験片の上に析出
したニッケル層(ニッケルめっき層)の層厚は約0.3
μmでほぼ均一であった。このめっき操作において、め
っき層形成用下地層からの金属微粒子の脱落は観察され
なかった。
【0042】[無電解ニッケルめっき浴組成] 硫酸ニッケル 20g クエン酸ナトリウム 12g 次亜リン酸ナトリウム 10g 酢酸ナトリウム 7g 塩化アンモニウム 2.5g 蒸留水 450g 上記のニッケルめっき層の上に、実施例1と同様にし
て、レジストフィルムの積層、配線ネガパターンの形成
を行なった。そして、更に、実施例1と同様にして、電
解銅めっき操作とガラスエポキシ基板への転写操作を行
なった。そして、最後にソフトエッチング操作を行なっ
たところ、表面に光沢面を有する配線パターン状の銅め
っき層(解像力:約50μm)を表面に有するガラスエ
ポキシ基板(配線基板)が得られた。
【0043】[実施例4]実施例1で得られた配線基板
の銅光沢面を、亜塩素酸ナトリウム30g/L、水酸化
ナトリウム10g/L、オルソリン酸ナトリウム10g
/Lからなるレッドオキサイド処理液で95℃、5分間
処理し、銅光沢面を粗面化処理した。上記のようにして
表面粗面化処理した配線基板二枚を、銅表面を向い合せ
にして、プレプリグを間にはさんで貼り合せ、30kg
/cmのプレス条件下で、170℃、1時間の加圧加熱
処理(コールドプレス)を行なって積層配線基板を製造
した。この積層配線基板の断面を観察したところ、ボイ
ドの発生などの欠陥が見られず、良好な積層状態にある
ことが確認された。
【0044】
【発明の効果】本発明の感光性シートにおける無電解め
っき層は、その下の膨潤性を有する親水性樹脂層によっ
てプラスチックフィルム支持体に適度な強度(電解めっ
きなどの操作では剥離することなく、一方、転写後のプ
ラスチックフィルム支持体の剥ぎ取りを円滑に実現す
る)を有する。従って、この本発明の感光性シートを用
いて転写法を利用する金属パターンの形成方法を実施し
た場合に、作業性や経済性に優れ、かつ表面の平滑性の
高い金属パターンを形成することができる。従って、本
発明の金属パターンの形成方法は、高精細なプリント配
線基板の製造に特に有利に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属パターンの形成方法で用いる無電
解めっき層形成用シートの構成の例を示す模式図であ
る。
【図2】本発明の金属パターンの形成に使用する感光性
シートを、模式的に示す図である。
【図3】本発明の金属パターンの形成方法の各工程を模
式的に示す図である。
【符号の説明】
10 無電解めっき層形成用シート 11 プラスチックフィルム 12 下塗層 13 無電解めっき用下地層 14 無電解めっき層 15 フォトレジスト層 15a レジストパターン 21 感光性シート 22 フォトマスク 23 電解めっき層 24 基板 25 接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾田 年弘 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 小林 靖典 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムの表面に、膨潤性
    の水性樹脂に金属または金属化合物の微粒子が分散され
    てなる無電解めっき用下地層、無電解めっき層、そして
    フォトレジスト層がこの順に形成されてなる感光性シー
    トを用意し、この感光性シートのフォトレジスト層をパ
    ターン状に露光させ次いで現像することにより、無電解
    めっき層の上にレジストパターンを形成させる工程;レ
    ジスト不在領域の無電解めっき層露出表面上に電解めっ
    き層を形成する工程;レジストパターンを除去する工
    程;めっき層を基板上に転写する工程;そしてプラスチ
    ックフィルムを剥がし取る工程を順次行なうことにより
    基板の上に金属パターンを形成させる方法。
  2. 【請求項2】 基板の上に形成された金属パターンの表
    面をエッチング処理して、めっき層の表面を平滑化する
    工程を更に含む請求項1に記載の金属パターンの形成方
    法。
  3. 【請求項3】 感光性シートの無電解めっき用下地層と
    無電解めっき層とが一体化されていて、それらの境界が
    明確でなく、無電解めっき層部分の金属相が無電解めっ
    き用下地層部分にまで無電解めっき層部分よりも疎な状
    態で侵入している請求項1に記載の金属パターンの形成
    方法。
JP3142696A 1996-01-24 1996-01-24 金属パターンの形成方法 Withdrawn JPH09205270A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3142696A JPH09205270A (ja) 1996-01-24 1996-01-24 金属パターンの形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3142696A JPH09205270A (ja) 1996-01-24 1996-01-24 金属パターンの形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09205270A true JPH09205270A (ja) 1997-08-05

Family

ID=12330922

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3142696A Withdrawn JPH09205270A (ja) 1996-01-24 1996-01-24 金属パターンの形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09205270A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7001710B2 (en) 2002-07-19 2006-02-21 Sang-Tae Choi Method for forming ultra fine contact holes in semiconductor devices
EP1840648A1 (en) * 2006-03-31 2007-10-03 Sony Deutschland Gmbh A method of applying a pattern of metal, metal oxide and/or semiconductor material on a substrate

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7001710B2 (en) 2002-07-19 2006-02-21 Sang-Tae Choi Method for forming ultra fine contact holes in semiconductor devices
EP1840648A1 (en) * 2006-03-31 2007-10-03 Sony Deutschland Gmbh A method of applying a pattern of metal, metal oxide and/or semiconductor material on a substrate
WO2007112878A1 (en) * 2006-03-31 2007-10-11 Sony Deutschland Gmbh A method of applying a pattern of metal, metal oxide and/or semiconductor material on a substrate
JP2009533838A (ja) * 2006-03-31 2009-09-17 ソニー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 基板上への金属、金属酸化物および/または半導体材料のパターンの形成方法
US8236670B2 (en) 2006-03-31 2012-08-07 Sony Deutschland Gmbh Method of applying a pattern of metal, metal oxide and/or semiconductor material on a substrate

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW540259B (en) Liquid crystal polymers for flexible circuits
JP2002540609A (ja) 多層印刷基板製造方法及びそれに用いられる複合フォイル
JPS62158393A (ja) プリント回路の製造方法
TWI664323B (zh) 形成金屬層之方法及製造具有該金屬層之基板之方法
JP2002026475A (ja) キャリア箔付銅箔回路及びそれを用いたプリント配線板の製造方法並びにプリント配線板
JP3743702B2 (ja) プリント配線板のセミアディティブ製造法
JPS63103075A (ja) マイクロ樹枝状体配列を介して結合された金属層で被覆可能とされる表面を有する樹脂製品並びに該金属層被覆樹脂製品
JPH08239773A (ja) 金属パターンの形成方法、感光性シート、無電解めっき層付きシート、及び無電解めっき層形成用シート
JPH10256700A (ja) 2層フレキシブル基板の製造方法
JPH09209162A (ja) 無電解めっき層付きシートの製造方法、感光性シート及び金属パターンの形成方法
JPH104254A (ja) プリント配線板の製造方法
JPH10193505A (ja) 2層フレキシブル基板の製造方法
TW200407057A (en) Method for the manufacture of printed circuit boards with integral plated resistors
JPH1070354A (ja) 金属パターンの形成方法
JPH1018044A (ja) 無電解めっき層形成用シート、無電解めっき層付きシート、感光性シート及び金属パターンの形成方法
JPH09205270A (ja) 金属パターンの形成方法
JPS599161A (ja) 無電気めっき処理方法
JPH033297A (ja) 多層プリント配線板およびその製造方法
JP3049215B2 (ja) 配線板の製造方法
JPH09209161A (ja) 無電解めっき層形成用シートの製造方法、感光性シート及び金属パターンの形成方法
TWI504326B (zh) Circuit board manufacturing method
JPH10195668A (ja) 2層フレキシブル基板の製造方法
JP2004303856A (ja) 基板の製造方法
JP2531466B2 (ja) 印刷配線板の製造方法
JP2643528B2 (ja) 化学めつき用接着剤フイルムおよび印刷配線板の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030401