JPH09203419A - ワンウェイクラッチとこれを用いた遊星変速装置 - Google Patents

ワンウェイクラッチとこれを用いた遊星変速装置

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JPH09203419A
JPH09203419A JP8012355A JP1235596A JPH09203419A JP H09203419 A JPH09203419 A JP H09203419A JP 8012355 A JP8012355 A JP 8012355A JP 1235596 A JP1235596 A JP 1235596A JP H09203419 A JPH09203419 A JP H09203419A
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race
rotation
way clutch
wedge
shaped space
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JP8012355A
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English (en)
Inventor
Masato Takasugi
正人 高杉
Takafumi Hamabe
隆文 浜辺
Rokusaburo Kimura
六三郎 木村
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D41/00Freewheels or freewheel clutches
    • F16D41/06Freewheels or freewheel clutches with intermediate wedging coupling members between an inner and an outer surface
    • F16D41/08Freewheels or freewheel clutches with intermediate wedging coupling members between an inner and an outer surface with provision for altering the freewheeling action
    • F16D41/086Freewheels or freewheel clutches with intermediate wedging coupling members between an inner and an outer surface with provision for altering the freewheeling action the intermediate members being of circular cross-section and wedging by rolling
    • F16D41/088Freewheels or freewheel clutches with intermediate wedging coupling members between an inner and an outer surface with provision for altering the freewheeling action the intermediate members being of circular cross-section and wedging by rolling the intermediate members being of only one size and wedging by a movement not having an axial component, between inner and outer races, one of which is cylindrical
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D27/00Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor
    • F16D27/10Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with an electromagnet not rotating with a clutching member, i.e. without collecting rings

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一方向回転の阻止を解除することができるも
のにおいてコンパクト化を図る。 【解決手段】 一対のレース40,42間に設けられた
楔状空間にボールやローラ等の回転規制部材41a,4
1bを配置して一方のレースの一方向回転の阻止を回転
規制部材で行うものにおいて、回転規制部材を上記楔状
空間の狭い方の回転ロック位置に付勢する部材49と、
回転規制部材を押圧して上記楔状空間の広い方の解放位
置に移動させるロック解除部材50とを備える。ロック
解除部材の駆動用の電磁駆動部材6を上記レース40,
42の内周側に配設する。レースの内周側というデッド
スペースを利用して電磁駆動部材を配置するために、コ
ンパクト化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一方向の回転阻止状
態を解除することができるワンウェイクラッチとこれを
用いた遊星変速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ワンウェイクラッチは一方向の回転は阻
止するとともに他方向の回転は自由とするもので、フリ
ーホイール型やラチェット型のものなどがあるが、前者
はインナーレースとアウターレースとの間に楔状空間を
設けて、この楔状空間に両レースに転接するボールやロ
ーラ等の回転規制部材を配置するとともに回転規制部材
を上記楔状空間の狭い方の回転ロック位置に付勢する部
材を配置し、さらに回転規制部材を上記楔状空間の広い
方の解放位置に押圧移動させるロック解除部材を設けた
ものとなっている。
【0003】ロック解除部材が回転規制部材を押圧して
いない状態では、一方のレースの他方のレースに対する
回転で回転規制部材が上記楔状空間の広い方の解放位置
に導かれる時、この回転が自由となる。逆に回転規制部
材を楔状空間の狭い方のロック位置に導びくことになる
方向の回転については、両レース間に回転規制部材が食
い込むことで一方のレースの他方のレースに対する回転
を阻止する。そしてロック解除部材が回転規制部材を楔
状空間の解放位置に押し込んでいる時には、一方のレー
スは他方のレースに対してどちらの方向にも回転するこ
とができるものとなる。
【0004】また狭くなる方向が異なる対の楔状空間を
両レース間に設けるとともに各楔状空間に夫々回転規制
部材を配置し、ロック解除片によって各楔状空間の回転
規制部材を夫々広い方に選択的に移動させておくことが
できるようにすれば、回転阻止方向を切り換えることが
できるワンウェイクラッチとなる。一方、遊星機構を利
用した装置として、複数の遊星機構を軸方向に並べてこ
れら遊星機構における複数の部材の回転拘束を選択的に
行なうことによって、異なる変速比の出力を得られるよ
うにしたものがある。すなわち同軸に設けられて一体に
回転する2つのサンギアを設けるとともに、これらサン
ギアに夫々噛み合う2種の遊星ギアと、各遊星ギアに夫
々噛合する2種のリングギアと、各遊星ギアを共に支持
する遊星キャリアとを設け、更に遊転自在となっている
2種のリングギアの回転を阻止する回転阻止部材を設け
て、どのリングギアの回転を止めるかによって遊星キャ
リアから異なる変速比の出力を取り出せるようにしたも
のがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなワンウェ
イクラッチにおいては、ロック解除部材を必要に応じて
動かさなくてはならないわけであるが、このロック解除
部材の駆動部材にはコンパクトで占有スペースが小さい
こと、クラッチの動作状態を確実に且つスムーズに切り
換えることができることなどが求められる。
【0006】また上記のような遊星変速装置において
は、回転を阻止するリングギアの変更をスムーズに行う
ことができるものが求められるとともに、この変更のた
めの機構がコンパクトであることなどが求められる。本
発明はこのような要求を満たすことを課題としているも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして本発明に係るワ
ンウェイクラッチは、一対のレース間に設けられた楔状
空間にボールやローラ等の回転規制部材を配置して一方
のレースの一方向回転の阻止を回転規制部材で行うもの
において、回転規制部材を上記楔状空間の狭い方の回転
ロック位置に付勢する部材と、回転規制部材を押圧して
上記楔状空間の広い方の解放位置に移動させるロック解
除部材とを備えるとともに、ロック解除部材の駆動用の
電磁駆動部材を上記レースの内周側に配設していること
に特徴を有している。レースの内周側というデッドスペ
ースを利用して電磁駆動部材を配置することで、駆動部
材の設置スペースを少なくしているものである。
【0008】また本発明に係るワンウェイクラッチは、
回転規制部材を楔状空間の狭い方の回転ロック位置に付
勢する部材と、回転規制部材を選択的に押圧して上記楔
状空間の広い方の解放位置に移動させるロック解除部材
とを備えるとともに、上記他方のレースは予圧ばねに抗
して軸回りの回転が可能となっており、上記一方のレー
スにかかるトルク反力が回転ロック位置にある回転規制
部材を介して他方のレースを上記予圧ばねに抗して回転
させることによる回転位置規制部材とロック解除部材と
の位置関係の変更で一方のレースの回転阻止が解除され
るものであることに特徴を有している。トルク反力を利
用した回転阻止解除を行うことができる。このものにお
いてはロック解除部材の駆動用の駆動部材を備えたもの
とすることを妨げない上に、該駆動部材にはレースの内
周側に配設された電磁駆動部材を好適に用いることがで
き、また他方のレースに電磁駆動部材を作動させるため
のスイッチの駆動部を設けたり、他方のレースを備えた
クラッチ基板に電磁駆動部材を取り付けるとともに予圧
ばねとの当接部を設けることも好ましい。
【0009】さらに本発明に係るワンウェイクラッチ
は、回転規制部材を楔状空間の狭い方の回転ロック位置
に付勢する部材と、回転規制部材を選択的に押圧して上
記楔状空間の広い方の解放位置に移動させるロック解除
部材とを備えるとともに、軸回りの回転が可能となって
いる他方のレースのロック及びロック解除用であり且つ
トルク検出部材で検出されるトルク値によって作動する
切換部材を備え、上記一方のレースにかかるトルク反力
が回転ロック位置にある回転規制部材を介して他方のレ
ースをそのロック解除時に回転させることによる回転位
置規制部材とロック解除部材との位置関係の変更で一方
のレースの回転阻止が解除されるものであることに特徴
を有している。この場合、トルク反力を利用した回転阻
止解除を確実に行うことができる。
【0010】上記の各ワンウェイクラッチにおいて、楔
状空間は狭くなる方向が異なる2種が設けられ、ロック
解除部材は上記2種の楔状空間に夫々配された2つの回
転規制部材を選択的に押圧して楔状空間の広い方の解放
位置に移動させて回転阻止方向を切り換えるものである
時には双方向型のものとすることができ、サンギアとこ
れに噛み合う遊星ギア及びサンギアと同心で遊星ギアが
噛み合っているリングギアからなる遊星機構における遊
星ギアを支持するキャリアまたはリングギアまたはサン
ギアを軸回りの回転が自在な一方のレースとするもので
ある時、遊星機構を含む動力伝達系への組み込みが容易
となる。
【0011】回転規制部材を楔状空間の狭い方の回転ロ
ック位置に付勢する部材は他方のレースに係合連結され
たものとしておくとよい。またロック解除部材は回転規
制部材の抜け止め部を一体に備えたものとしておくのも
よい。回転規制部材は両レース間の楔状空間の片面を閉
じている壁に設けられているとともに別途蓋で閉じられ
る挿通孔を通じて楔状空間に配設されるようにしたり、
回転規制部材及び該回転規制部材を楔状空間の狭い方の
回転ロック位置に付勢する部材は、両レース間の楔状空
間の片面を閉じている壁に設けられているとともに別途
蓋で閉じられる切欠を通じて楔状空間に配設されるよう
にしておくのも好ましい。
【0012】他方のレースを備えたクラッチ基板でロッ
ク解除片を備えたクラッチ可動板を回転自在に支持する
のも好ましい。前記電磁駆動部材には、レースと同心に
配されたコイルと、所定空間を介して対向する対向面が
異極に磁化された対の永久磁石と、上記所定空間内に配
されるとともに上記コイルの励磁によって磁化されて永
久磁石との間の磁気力によって駆動されてロック解除部
材を作動させる被駆動片とからなるものを好適に用いる
ことができ、この場合、永久磁石を複数対設けるととも
に被駆動片を複数組設けたものとしておくことが好まし
い。
【0013】電磁駆動部材を設ける場合、他方のレース
をインナーレースとして形成して、該インナーレースの
内周側に設けたスリーブの外周に電磁駆動部材を取り付
けるとよい。他方のレースを磁性材で形成して電磁駆動
部材によるロック解除部材の駆動時の磁気回路構成部材
としておいたり、ロック解除部材を磁性材で形成して被
駆動片を一体に備えたものとし、電磁駆動部材による被
駆動片の駆動時の磁気回路構成部材とするのもよい。
【0014】上記永久磁石は他方のレースに設けた位置
決め部で位置決め固定したり、他方のレースに固着され
る固定金具で他方のレースに固定するとよい。永久磁石
の一方の磁極側に磁性プレートを配置したものではプレ
ートの一端の折曲部を永久磁石における被駆動片との対
向面に配しておくとよい。永久磁石と被駆動片との対向
面を相補形の凹凸面とすることも好ましい。
【0015】コイルの巻線端末は他方のレース内におい
て他のリード線に接続しておくのがよい。更には回転規
制部材を楔状空間の狭い方の回転ロック位置に付勢する
部材として、異なる対の回転規制部材に両端を当接させ
たばねを用いるのもよい。ロック解除片を備えたクラッ
チ可動板の回転範囲規制用のストッパーを、他方のレー
スを備えたクラッチ基板の回動支持部材に設けたり、ク
ラッチ可動板とクラッチ基板との回転接触面に摺動抵抗
軽減用の凸部を設けたりすることも好ましい。
【0016】前記の予圧ばねを有するものにおいて、楔
状空間として狭くなる方向が異なる2種を設けて、上記
2種の楔状空間に夫々配された2つの回転規制部材をロ
ック解除部材が選択的に押圧して楔状空間の広い方の解
放位置に移動させて回転阻止方向を切り換えるものであ
る時、対の予圧ばねを固定的に配したセンター位置決め
片を挟んで相対させ、対の予圧ばねの上記相対面間に他
方のレースと一体のばね駆動片を配しておくとよい。
【0017】ハウジング内面に配されるとともに他方の
レースに接触する複数個の転動部材で他方のレースを支
持するのもよい。そして本発明に係る遊星変速装置は、
サンギアとこれに噛み合う遊星ギア及びサンギアと同心
で遊星ギアが噛み合っているリングギアからなる遊星機
構を軸方向に複数個設けて、各遊星機構におけるリング
ギアのなかの一つの回転を阻止し、他を回転自在とする
ことで出力を取り出すとともに回転を阻止するリングギ
アの選択にて減速比の切り換えを行うものにおいて、各
リングギアを異なるワンウェイクラッチにおける各一方
のレースに連結するとともに、少なくとも一つのワンウ
ェイクラッチを前記の本発明に係るワンウェイクラッチ
としていることに特徴を有している。
【0018】ワンウェイクラッチによって回転阻止を行
うとともにワンウェイクラッチにおいて回転阻止解除を
行うことで変速を行うものであり、またワンウェイクラ
ッチとして前記特徴を有するものを用いるものである。
上記ワンウェイクラッチは軸方向に並ぶ複数の遊星機構
の間に配設しておくとよく、この場合、2つの遊星機構
における各遊星ギア支持用の遊星キャリアを筒軸で連結
するとともに該筒軸の外周にワンウェイクラッチを配し
たり、筒軸の外周に2つの遊星機構用の2つのワンウェ
イクラッチを背中合わせに配するとよい。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図示の電動
ドリルドライバー等の電動工具の遊星変速装置に用いた
一例に基づいて詳述すると、図2に示すものは、2段の
遊星変速装置が直列に接続されたもので、初段の遊星変
速装置は、ハウジング1の一端側のモータ9で駆動され
る入力軸10に固着された歯数の異なる二つのサンギア
11,12と、軸方向に並ぶこれらサンギア11,12
に夫々噛み合っている複数個ずつの遊星ギア21,22
と、リングギア31,32と、互いに歯数が異なる両遊
星ギア21,22を共に支持している遊星キャリア2
5、そして回転阻止方向の切換が可能な2つのワンウェ
イクラッチ4a,4bとからなるものとして形成されて
いる。上記複数個の遊星ギア21はサンギア11の回り
に遊星キャリア25によって等間隔で、複数個の遊星ギ
ア22はサンギア12の回りに同じく遊星キャリア25
で等間隔で支持されており、両遊星ギア21,22は共
に遊星キャリア25で支持されることで個々に自転を行
なうものの同じ公転を行なうものとなっている。また入
力軸10と同心に配されているリングギア31に遊星ギ
ア21が噛み合っており、同じく入力軸10と同心に配
されているリングギア32が遊星ギア22と噛み合って
いる。なお、これらリングギア31,32は遊転自在に
支持されたものとなっている。
【0020】2段目の遊星変速装置は、上記遊星キャリ
ア25に筒軸26を介して連結されたサンギア13及び
このサンギア13と一体に回転にするサンギア14と、
軸方向に並ぶこれらサンギア13,14に夫々噛み合っ
ている複数個ずつの遊星ギア23,24と、各遊星ギア
23,24に夫々噛み合っている遊転自在なリングギア
33,34、両遊星ギア23,24を共に支持している
遊星キャリア27、そして回転阻止方向が切換可能な2
つのワンウェイクラッチ4c,4dとからなるものとし
て形成されており、上記遊星キャリア27には出力軸2
9が接続されている。
【0021】ワンウェイクラッチ4a,4b,4c,4
dはいずれもフリーホイール型であるとともに回転阻止
方向が切換自在となっている双方向型のもので、同一の
構成であることからサンギア11とサンギア12との間
に配設されているワンウェイクラッチ4aについて説明
すると、図1〜図5に示すように、このワンウェイクラ
ッチ4aは、リングギア31と一体に形成されたアウタ
ーレース40と、このアウターレース40の内周側に所
定間隔を介して位置するインナーレース42と、回転規
制部材41a,41bとからなるもので、インナーレー
ス42の外周面に凸部43を形成することによってアウ
ターレース40とインナーレース42との間に2種の楔
状空間が設けられており、上記凸部43を挟んで隣合わ
せに位置する2つの楔状空間は狭くなる方向が異なって
おり、上記回転規制部材41a,41bはこれら2種の
楔状空間に夫々配設されている。
【0022】更に両種楔状空間に夫々配設された回転規
制部材41a,41b間にはロック解除片50が位置し
ているとともに、上記両回転規制部材41a,41bは
共にロック解除片50側である楔状空間の狭い方の回転
ロック位置に向けてばね49,49によって付勢されて
いる。なお、ワンウェイクラッチ4bにおいてはアウタ
ーレース40がリングギア32と一体に、ワンウェイク
ラッチ4cにおいてはアウターレース40がリングギア
33と一体に、ワンウェイクラッチ4dにおいてはアウ
ターレース40がリングギア34と一体に形成されてい
る。
【0023】今、インナーレース42が固定され、アウ
ターレース40(リングギア31)が回転自在である
時、図1においてロック解除片50の時計回り方向側に
ある回転規制部材41bをロック解除片50がばね49
に抗して押圧して楔状空間における広い側に移動させて
いるならば、アウターレース40(リングギア31)は
図中反時計回り方向の回転については回転規制部材41
aが楔状空間の広い方の解放位置に誘導されて自由とな
るものの、時計回り方向の回転は回転規制部材41aが
楔状空間の狭い方の回転ロック位置に位置してアウター
レース40の回転を阻止する。
【0024】逆にロック解除片50の反時計回り方向側
にある回転規制部材41aをロック解除片50がばね4
9に抗して押圧して楔状空間における広い側に移動させ
ているならば、アウターレース40(リングギア31)
は図中時計回り方向の回転については回転規制部材41
bが楔状空間の広い方の解放位置に誘導されて自由とな
るものの、反時計回り方向の回転は回転規制部材41b
が楔状空間の狭い方の回転ロック位置に位置してアウタ
ーレース40の回転を阻止する。ロック解除片50の位
置を変更することによってアウターレース40の回転阻
止方向を切り換えることができるようになっているもの
である。
【0025】そして初段の遊星変速装置における2つの
ワンウェイクラッチ4a,4bのうち、ワンウェイクラ
ッチ4bを図6に示す状態としてアウターレース40
(リングギア32)の図中時計回り方向の回転を阻止
し、ワンウェイクラッチ4aも図6(a)に示す状態とし
てアウターレース40(リングギア31)の図中時計回
り方向の回転を阻止している時、モータによって入力軸
10を所定方向に回転させれば、その回転出力は回転が
阻止されているリングギア31と噛み合った遊星ギア2
1を通じて遊星キャリア25及び筒軸26に伝達され、
2段目の遊星変速装置を介して出力軸29が回転する。
この時リングギア32はワンウェイクラッチ4bによっ
て回転が許されている方向に空転する。
【0026】そして上記状態からワンウェイクラッチ4
aにおけるロック解除片50を移動させて図6(b)に示
すように回転阻止方向を切り換えれば、リングギア31
が図中時計回り方向の回転を始めるとともに、この時、
出力軸29側に負荷がかかっていると、リングギア32
がそれまでとは逆方向に回転しようとするが、この回転
方向はワンウェイクラッチ4bによって回転が阻止され
ている方向であるために、この時点からリングギア32
と噛み合った遊星ギア22を通じて遊星キャリア25と
筒軸26、2段目の遊星変速装置を経て出力軸29に動
力が伝達される。
【0027】サンギア11,12の歯数及び遊星ギア2
1,22の歯数を異ならせているために、減速比の切り
換えを行うことができるものであり、しかもこの変速
は、双方向型のワンウェイクラッチ4aにおけるリング
ギア31のロック解除片50による回転阻止方向の変更
によるスムーズで且つ騒音の無いものとなっているわけ
である。なお、ワンウェイクラッチ4aのロック解除片
50を図6(a)に示す状態に戻せば、元の減速比に戻
る。
【0028】ワンウェイクラッチ4c,4dを含む2段
目の遊星変速装置は上記初段の遊星変速装置と同じ構成
となっていることから、図2に示すものにおいては、都
合4段の減速比の切り換えを行うことができるものとな
っている。また、初段の遊星変速装置におけるワンウェ
イクラッチ4a,4bの回転を許す方向を図6(a)に示
す状態と逆とし、モータの回転方向を逆とした時には、
出力軸29に生ずる回転の方向が逆となるだけで、上記
の場合と同様の変速動作を得ることができる。ワンウェ
イクラッチ4b(ワンウェイクラッチ4d)を双方向タ
イプとしているのは、上記のように正転時と逆転時とに
対応することができるようにするためであり、従って出
力軸29を一方向にしか回転させないものであれば、ワ
ンウェイクラッチ4b(ワンウェイクラッチ4d)は回
転阻止方向を切り換えることができないものでよい。
【0029】次にワンウェイクラッチ4a,4b,4
c,4dにおける回転阻止方向の切り換えのためのロッ
ク解除片50の駆動機構と、上記切換を補助することに
なる機構とについて説明する。まずロック解除片50の
駆動機構であるが、これは電磁駆動部材6で構成すると
ともに、ワンウェイクラッチ4a,4b,4c,4dの
各内周側に電磁駆動部材6を配してある。
【0030】この電磁駆動部材6は、インナーレース4
2を一体に備えたクラッチ基板4に設けられたスリーブ
47の外周にコイルボビン61を介して配しているコイ
ル60と、コイル60の外周側で且つインナーレース4
2の内周側の環状空間に配された図中4個の円弧状の永
久磁石62と、前記ロック解除片50を備えているクラ
ッチ可動板5に設けられた複数個、図示例では2個の被
駆動片51,51とからなるもので、厚み方向(軸方
向)に着磁された上記永久磁石62は片面の磁性が隣り
合うもの同士で異なるように上記クラッチ基板4に固定
されており、そして隣合う永久磁石62の端面間の2つ
の所定空間内に上記被駆動片51,51が夫々配されて
いる。なお、被駆動片51は永久磁石62における一方
の極性部分のみと対向する長さとされている。
【0031】上記クラッチ基板4及びクラッチ可動板5
は共に磁性材で形成されてコイル60励磁時に磁気回路
を構成する部材となっており、またコイル60の励磁方
向に応じて被駆動片51は異なる極性に磁化される。
今、クラッチ可動板5のロック解除片50が図6に示す
ように、一方の回転規制部材41aをばね49に抗して
押し込んでいる時、クラッチ可動板5の被駆動片51は
対向する一対の永久磁石62,62のうちの一方に吸着
された状態にあるが、この状態で被駆動片51が上記一
方の永久磁石62の被駆動片51吸着部の磁気極性と同
極となるようにコイル60を励磁すれば、磁気反発力並
びに他方の永久磁石62との間の磁気吸引力によって被
駆動片51が駆動され、被駆動片51を備えたクラッチ
可動板5は図6において時計回り方向に回転し、クラッ
チ可動板5に設けられたロック解除片50はワンウェイ
クラッチ4aの回転阻止方向を反転させる。被駆動片5
1を上記と逆極性となるように励磁すれば、クラッチ可
動板5は反時計回り方向に回転してワンウェイクラッチ
4aの回転阻止方向を図6に示す状態に戻す。
【0032】ワンウェイクラッチ4aを構成するアウタ
ーレース40と回転規制部材41a,41bそしてイン
ナーレース42からなるワンウェイクラッチ4aの内周
側に同心で電磁駆動部材6を配しているために、またク
ラッチ基板4及びクラッチ可動板5を磁性材で形成して
磁気回路構成部品としているために、駆動部材を含むワ
ンウェイクラッチ4aをきわめてコンパクトにまとめる
ことができたものである。しかもいずれの方向の回転阻
止であれ、阻止状態は永久磁石62の磁気吸引力で保持
されるために、コイル60への通電は切換時だけでよい
ものである。他のワンウェイクラッチ4b,4c,4d
の内周側に夫々配した電磁駆動部材6も同一の構成で同
様に動作する。
【0033】なお、遊星キャリア25で前述のように2
種の遊星ギア21,22を共に支持すると同時に、2種
の遊星ギア21,22間にワンウェイクラッチ4a及び
電磁駆動部材6を配置する関係上、遊星キャリア25は
図4に示すように、2枚の円板部25a,25bとこの
両者をつなぐ筒軸部25cとからなるものとし、クラッ
チ可動板5やクラッチ基板4や電磁駆動部材6は上記両
円板25a,25b間の筒軸部25c外周に配置するも
のとして、遊星変速装置におけるワンウェイクラッチ4
aの配置スペースを小さく、また遊星変速装置の外径を
小さくすることができるようにしてある。
【0034】図11に示すように、ワンウェイクラッチ
4a,4bの両者及びこれらにおける各電磁駆動部材
6,6をサンギア11,12の間で且つ遊星キャリア2
5の円板部25a,25b間に背中合わせで配置するよ
うにしてもよい。固定ベース7を両ワンウェイクラッチ
4a,4bで共用することができるために更にコンパク
トなものとすることができる。図4中の251は遊星ギ
ア21用の支持軸、252は遊星ギア22用の支持軸で
ある。
【0035】電磁駆動部材6による上記切り換えを補助
することになる機構は、インナーレース42を備えた上
記クラッチ基板4を所定範囲内で軸回りに回転自在とす
るとともに、このクラッチ基板4を対の予圧ばね8,8
で相反する方向に付勢することで構成してある。すなわ
ち、クラッチ基板4はそのスリーブ47をハウジング1
に対して固定された固定ベース7のスリーブ70の外周
に遊転自在に嵌め合わせることによって軸回りに回転自
在とし、クラッチ基板4に一体に設けたばね駆動片45
の両側にばねホルダー79,79を介して対の予圧ばね
8,8の各一端を接触させるとともに、対の予圧ばね
8,8の各他端を固定ベース7のばね受け片71,71
に当接させている。
【0036】共に圧縮コイルばねで形成された対の予圧
ばね8,8のばね力が平衡するところにクラッチ基板4
が通常位置しているが、予圧ばね8における予圧力Fp
より大きい力をクラッチ基板4に加えた時、クラッチ基
板4はその方向に一方の予圧ばね8を圧縮しつつ回動す
る。図中72は固定ベース7に設けたセンター位置決め
片であり、対の予圧ばね8,8の間に位置しているセン
ター位置決め片72は、対の予圧ばね8,8のばね力に
少々差があってもクラッチ基板4(インナーレース4
2)を所定位置に保つものとして作用する。
【0037】この機構の動作について説明すると、図7
に示すように、アウターレース40(リングギア31)
の図中反時計回り方向の回転を阻止している状態でモー
タ9を作動させている時、アウターレース40には反時
計回り方向の反力がかかっているとともにこの反力は回
転ロック位置にある図中右側の回転規制部材41bを介
してインナーレース42にもかかっている。そしてイン
ナーレース42に加えられたこの反力によるクラッチ基
板4の回転は予圧ばね8のばね力によって防がれている
のであるが、上記反力の値が予圧ばね8の予圧力Fpよ
りも大きくなると、図8に示すように、図中左側の予圧
ばね8を圧縮しつつ、アウターレース40と回転規制部
材41bとインナーレース42(クラッチ基板4)とが
共に反時計回り方向に回り出す。この時、ロック解除片
50はその位置を変えないために、回転規制部材41b
がロック解除片50に接近するとともに、ロック解除片
50に図中右側の楔状空間も接近することになる。
【0038】上記反力の値が更に高くなって回転規制部
材41bがロック解除片50に当接したならば、この時
点(図10に示す反力Fcの時点)で反力はロック解除
片50を有するクラッチ可動板5でも受けられることに
なるとともに楔状空間が移動するにもかかわらず回転規
制部材41bの移動が阻止されるために、回転規制部材
41bによるところのアウターレース40の図中反時計
回り方向の回転の阻止力が弱まる。従って上記時点で電
磁駆動部材6を作動させてロック解除片50を図中時計
回り方向に回転させれば、ロック解除片50のわずかな
移動で回転規制部材41bによるアウターレース40の
図中反時計回り方向の回転の阻止が完全に解除されると
ともに反力が前記値Fpに達してクラッチ基板4が回転
を始めることに伴って図中左方の永久磁石62から離れ
ていた被駆動片51はわずかな移動で図中右側の永久磁
石62に吸着する。そして予圧ばね8のばね力で初期位
置にクラッチ基板4が戻ることで、図9に示すようにア
ウターレース40の回転阻止方向が完全に切り換えられ
た状態となる。
【0039】遊星機構のリングギア31であるアウター
レース40にかかる反力を利用して、電磁駆動部材6に
よる変速動作を補助しているわけであり、この補助によ
って変速動作がより速やかに且つスムーズになされるも
のとなっている。電磁駆動部材6の作動は、図7〜図9
に破線で示すように、インナーレース42を備えたクラ
ッチ基板4にドグ48を設けておき、反力によって予圧
ばね8に抗してクラッチ基板4が回転した時、ドグ48
がリミットスイッチ(図示せず)を作動させてコイル6
0に通電するようにしておくことで、上記補助機構との
動作タイミングを合わせることができる。なお、モータ
の駆動電流の変化などで負荷トルクを検出して、この検
出値に応じて電磁駆動部材6を作動させたり、手動操作
されるスイッチによって電磁駆動部材6を作動させたり
してもよいものである。
【0040】なお、ここでは電磁駆動部材6を切り換え
のための主部材としたが、上記反力によってアウターレ
ース40と回転規制部材41bとインナーレース42と
が予圧ばね8に抗して回転する動きによって、回転規制
部材41bがロック解除片50との関係で楔状空間のロ
ック位置から解放位置へと押し戻されるようにしておく
と、電磁駆動部材6による切換動作がなくとも負荷トル
クが大きくなった時に自動変速させることが可能であ
る。
【0041】もっとも、アウターレース40にかかる反
力を利用するものであることから、出力軸29への動力
伝達を低速回転高トルク状態から高速回転低トルク状態
に戻す時や、モータを停止させている時の変速動作、あ
るいは前述のように正転と逆転との切換のための双方向
ワンウェイクラッチ4bには電磁駆動部材6のような駆
動部材が必要であり、この駆動部材としては上記構成の
電磁駆動部材6が省スペースできわめて有効である。
【0042】更には電動工具用である上記の例のもので
は、当初、高回転低トルクとなるように減速比を小さく
しておき、負荷トルクが大きくなればワンウェイクラッ
チ4aの上記変速によって低回転高トルクとなる大減速
比に切り換えることになるが、ワンウェイクラッチ4b
側の回転規制部材41bが上記反力が所定値を越えた時
にワンウェイクラッチ4aの上記動作と同様に楔状空間
のロック位置から解放位置へと押し戻されたならば動力
伝達系が空転を始めて出力軸29への動力伝達を遮断す
るトルクリミッターを構成することができる。
【0043】上記のものにおいて、クラッチ可動板5に
設けたスリーブ52を固定ベース7のスリーブ70と同
径とし、スリーブ52に設けた切欠部にスリーブ70
が、スリーブ70に設けた切欠部にスリーブ52が位置
するように、またスリーブ52とスリーブ70との間の
周方向の対向間隔が、クラッチ可動板5に許された回転
角度となるようにすることで、クラッチ基板5の回動支
持部となっているスリーブ70がクラッチ可動板5の回
転角度を規制するストッパーとしても作用するようにし
てある。またクラッチ可動板5の回動支持はスリーブ7
0ではなく、スリーブ70で支持されたクラッチ基板4
のスリーブ47で行うことで、これらスリーブ70,4
7,52が三重に重なって大径化してしまうことを防い
でいる。
【0044】図12は回転規制部材41a,41bの付
勢用のばね49の取付構造の他例を示しており、ここで
はインナーレース42の外周面から突設したばね受け片
44にスリット440を設けるとともにばね49を屈曲
させた板ばねで形成し、ばね49の一端をスリット44
0にはめ込んでいる。この場合、組立途中でばね49が
抜け落ちてしまうようなことがなく、組立性が向上す
る。回転規制部材41a,41bに関しては、図13に
示すように、クラッチ可動板5におけるロック解除片5
0の両脇に抜け止め用の翼片53,53を設けること
で、回転規制部材41a,41bの倒れや飛び出しを防
止することができる。また回転規制部材41a,41b
の組み付けについては、クラッチ基板4とクラッチ可動
板5とを組み合わせた状態で、図14に示すようにクラ
ッチ基板4の裏面側に設けた挿通孔401から楔状空間
に差し込んで挿通孔401を蓋402で閉じるようにす
ることで、組み付けを簡単に行うことができるものとな
る。図15に示すように、クラッチ基板4の裏面側に切
欠403を設けてここから回転規制部材41a,41b
及びばね49,49を組み込み、蓋402で切欠403
を閉じるようにしてもよい。
【0045】図16は、インナーレース42にばね受け
片44を設けずに、ばね49の両端が異なる対における
回転規制部材41a,41bに接するようにすること
で、ばね49の使用数を半減させたものを示している。
この構成は図17に示すように回転規制部材41a,4
1bの対の数及びロック解除片50の数を増やして、ア
ウターレース40の回転阻止力を分散させ、電磁駆動部
材6の切換動作時の回転トルクを少なくする場合に特に
有効である。
【0046】図18は2対4個の永久磁石62における
被駆動片51との間で吸引力及び反発力を発揮すること
になる磁極側に磁性材からなるプレート63を付加し
て、被駆動片51と対向する該磁極側の面積を増やすこ
とで、永久磁石62による被駆動片51の保持力を高め
たものである。図19に示すように、プレート63の端
面から永久磁石62の端面に添う屈曲片64を設けた
り、更には図20に示すように屈曲片64と被駆動片5
1との対向面を相互に嵌まり合う相補形の凹凸面として
おくと、被駆動片51の吸着面積を更に増大させること
ができる。プレート63を設けないものにおいても、こ
のような凹凸面を設けることは有効である。なお、図1
8や図19で示したクラッチ基板4及びクラッチ可動板
5はその一部のみを示しており、全体形状を示したもの
ではない。
【0047】クラッチ基板4上に接着固定される永久磁
石62については、図21に示すようにクラッチ基板4
に設けた突起405を永久磁石62に設けたスリット6
5に係合させるようにしておくと、その位置決めや取付
位置の保持並びに外力に対する強度の向上を図ることが
できる。永久磁石62上に配したプレート63にして
も、プレート63に設けた突起66を永久磁石62に設
けたスリット65に係合させるようにしておくと、その
位置決めや取付位置の保持並びに外力に対する強度の向
上を図ることができる。
【0048】永久磁石62(及びプレート63)のクラ
ッチ基板4への固定は、図23に示すように固定金具6
7を用いてもよく、この場合、インナーレース42がク
ラッチ基板4に固定される別部材として形成されている
場合、インナーレース42の固定用のビスで固定金具6
7の固定も行って永久磁石62の位置決め固定を行うと
よい。
【0049】クラッチ基板4は前述のように固定ベース
7のスリーブ70の外周においてスリーブ47が遊転自
在に、クラッチ可動板5はクラッチ基板4のスリーブ4
7の内周においてスリーブ52が遊転自在となるように
嵌め合わされるわけであるが、図24に示すように、ス
リーブ52の外周やスリーブ70の外周、あるいはスリ
ーブ47の内周に周方向の突条54を設けておくと、上
記嵌め合わせ部分における接触抵抗を軽減させることが
でき、クラッチ基板4やクラッチ可動板5の動きをスム
ーズにすることができる。
【0050】電磁駆動部材6のコイル60の端末60
a,60bは図25に示すように、クラッチ基板4に設
けた貫通孔406内に差し込んで、他端から貫通孔40
6内に差し込まれた外部接続用の太めのリード線66,
66と半田接続すると、クラッチ基板4が前述のように
わずかとはいえ回動するものにおけるコイル60の繰り
返し曲げによる断線の防止を図ることができる。
【0051】図26に示すものは、永久磁石62の対の
数を増やすとともに、クラッチ可動板5における被駆動
片51の数を増やして、永久磁石62によるクラッチ可
動板5の被駆動片51の吸着保持力及びコイル60の励
磁時におけるクラッチ可動板5の磁気反発と磁気吸引と
による駆動力を高めたものである。前述のものにおいて
は、クラッチ基板5の外周面とハウジング1との間に低
摩擦抵抗係数の保持リング75を配してクラッチ基板5
の外周面を支持していたが、図27及び図28に示すよ
うに、ハウジング1の内面側に鋼球のようなボール76
を配置し、クラッチ基板5の外周面に周方向において等
間隔の複数箇所で接するこれらボール76によってクラ
ッチ基板5の外周面の支持を行ってもよい。図中77は
セットボルトである。
【0052】図29に実施の形態の別の例を示す。基本
的構成は前述のものと同じであるが、インナーレース4
2を備えたクラッチ基板4の回転ロックを行うためのロ
ックピン94を設けるとともに、このロックピン94に
よる固定ベース7に対するクラッチ基板4の回転ロック
を解除するためのソレノイド92を設け、更に前述の予
圧ばね8に代えて、クラッチ基板4を復帰させるばね力
を有するだけの復帰ばね(図示せず)を同位置に配した
点が異なっている。上記ソレノイド92は負荷トルクを
検出するためのトルクセンサー90及びトルク検知回路
91の出力によって作動する。
【0053】遊星変速装置が減速比が小さくて高回転低
トルク状態にある時に負荷トルクが増大し、回転規制部
材41aまたは41bによって回転が阻止されている方
向にアウターレース40とインナーレース42とが反力
によって回転しようとしても、ロックピン94によるク
ラッチ基板4の固定がなされているために、上記回転を
始めることはない。しかしトルクセンサー90で検出さ
れる負荷トルクが設定値に達したならば、トルク検知回
路91がソレノイド92を作動させてリンク93を介し
てロックピン94を引き上げ、クラッチ基板4の回転ロ
ックの解除を行うことから、この時点でクラッチ基板4
(インナーレース42)は上記反力によって急速に回転
し、アウターレース40の回転を止めていた回転規制部
材41aまたは41bをロック解除片50がロック位置
から解放位置に移すために、アウターレース40はそれ
まで阻止されていた回転方向に回り出す(大減速比の低
回転高トルク状態となる)。そしてこのアウターレース
40の回転の開始に伴って上記反力が無くなることか
ら、インナーレース42(クラッチ基板4)は上記復帰
ばねのばね力で初期位置に復帰し、ソレノイド92の復
帰とともにロックピン94によるクラッチ基板4の回転
阻止が再度行われる。アウターレース40の回転阻止方
向を元に戻すことはワンウェイクラッチ4aの内周側に
配した電磁駆動部材6で行う。もちろん手動操作などで
ロック解除片50を復帰させる場合には電磁駆動部材6
は不要である。
【0054】以上の各例においては、2段の遊星機構と
組み合わせた遊星変速装置を構成するために、また正逆
両回転で同一の動作を得ることができるようにするため
に、ワンウェイクラッチ4a,4b,4c,4dをいず
れも回転阻止方向の切り換えができる双方向型のものと
していたが、アウターレース40にかかる反力を利用し
てインナーレース42も一時的に回転させることで、そ
れまでの回転阻止状態を解除するという構成は、電動工
具において締付トルクが所定値以上となることを防ぐた
めに用いられるトルクリミッターとしてそのまま利用す
ることができる。この場合、ワンウェイクラッチ4a,
4b,4c,4dは、一方向についての回転阻止を解除
することができればよく、他方向回転の阻止も選択的に
行うことができる双方向型である必要はない。
【0055】また、双方向型のワンウェイクラッチ4
a,4b,4c,4dにおいても、上記のような遊星変
速装置を構成する場合、前述のように2つのワンウェイ
クラッチ4a,4bまたは4c,4dを同時に切り換え
ることによってトルクリミッターとして作動させること
ができる。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明に係るワンウェイク
ラッチでロック解除部材の駆動用の電磁駆動部材を上記
レースの内周側に配設しているものでは、レースの内周
側というデッドスペースを利用して電磁駆動部材を配置
しているために、駆動部材の設置スペースを少なくする
ことができるものであり、全体としてコンパクトで他の
機構と組み合わせて設置することも容易となるものであ
る。
【0057】また本発明に係るワンウェイクラッチで他
方のレースを予圧ばねに抗して軸回りに回転可能とし、
一方のレースにかかるトルク反力が回転ロック位置にあ
る回転規制部材を介して他方のレースを上記予圧ばねに
抗して回転させることによる回転位置規制部材とロック
解除部材との位置関係の変更で一方のレースの回転阻止
を解除するものでは、トルク反力を利用した回転阻止解
除を予圧ばねの与圧力で設定した値で行うことができ、
この時、両レースと回転位置規制部材とを予圧ばねに抗
して動かすことで上記解除を行うために、スムーズで且
つ滑らかな動作を得ることができる。
【0058】このものにおいて、ロック解除部材の駆動
用の駆動部材を設けたならば、より確実な動作を得るこ
とができるものであり、また該駆動部材にレースの内周
側に配設した電磁駆動部材を用いたならば、デッドスペ
ースを利用した駆動部材の設置ができるために、駆動部
材を付加しているとはいえコンパクトにまとめることが
できる。
【0059】電磁駆動部材を作動させるためのスイッチ
の駆動部は他方のレースに設けると、トルク反力による
上記作動に合わせた適切なタイミングで電磁駆動部材を
作動させることができ、他方のレースを備えたクラッチ
基板に電磁駆動部材を取り付けるとともに予圧ばねとの
当接部を設けると、必要部品数を少なくすることができ
るとともに小型化の点で有利となる。
【0060】さらに本発明に係るワンウェイクラッチで
軸回りの回転が可能となっている他方のレースのロック
及びロック解除用であり且つトルク検出部材で検出され
るトルク値によって作動する切換部材を備え、上記一方
のレースにかかるトルク反力が回転ロック位置にある回
転規制部材を介して他方のレースをそのロック解除時に
回転させることによる回転位置規制部材とロック解除部
材との位置関係の変更で一方のレースの回転阻止を解除
するものでは、切換部材を作動させた時点でトルク反力
を利用した回転阻止解除が一気に行われることになり、
回転阻止解除を確実に行うことができる。
【0061】そして上記の各ワンウェイクラッチにおい
て、楔状空間として狭くなる方向が異なる2種を設け
て、2種の楔状空間に夫々配された2つの回転規制部材
をロック解除部材が選択的に押圧して楔状空間の広い方
の解放位置に移動させて回転阻止方向を切り換えるもの
では、いわゆる回転阻止方向の切り換えが可能な双方向
型のものとすることができる。
【0062】またサンギアとこれに噛み合う遊星ギア及
びサンギアと同心で遊星ギアが噛み合っているリングギ
アからなる遊星機構における遊星ギアを支持するキャリ
アまたはリングギアまたはサンギアを軸回りの回転が自
在な一方のレースとするものでは、遊星機構を含む動力
伝達系へのワンウェイクラッチの組み込みが容易とな
り、特にリングギアを一方のレースとする場合など、合
理的な部品配置が可能である。
【0063】回転規制部材を楔状空間の狭い方の回転ロ
ック位置に付勢する部材は他方のレースに係合連結され
たものとしておくとよい。その組立途中での脱落や位置
ずれなどが生じなくなるために、組立性が向上する。ロ
ック解除部材に回転規制部材の抜け止め部を一体に設け
ておいても組立性の向上を図ることができる。
【0064】回転規制部材は両レース間の楔状空間の片
面を閉じている壁に設けられているとともに別途蓋で閉
じられる挿通孔を通じて楔状空間に配設されるようにし
たり、回転規制部材及び該回転規制部材を楔状空間の狭
い方の回転ロック位置に付勢する部材は、両レース間の
楔状空間の片面を閉じている壁に設けられているととも
に別途蓋で閉じられる切欠を通じて楔状空間に配設され
るようにしておくのも組立性の向上の点で好ましい。
【0065】他方のレースを備えたクラッチ基板でロッ
ク解除片を備えたクラッチ可動板を回転自在に支持する
ようにした場合には、その支持関係を簡略化できて部品
数の削減や小型化の点で好ましいものとなる。前記電磁
駆動部材には、レースと同心に配されたコイルと、所定
空間を介して対向する対向面が異極に磁化された対の永
久磁石と、上記所定空間内に配されるとともに上記コイ
ルの励磁によって磁化されて永久磁石との間の磁気力に
よって駆動されてロック解除部材を作動させる被駆動片
とからなるものを好適に用いることができる。レースの
内周側への設置を収まりよく行うことができる上に、永
久磁石による被駆動片の吸着でその状態の維持を行うこ
とができるために、コイルを常時励磁しておく必要がな
くて電力消費が少なくてすむものであり、電池電源のも
のにおいても問題なく使用することができる。
【0066】この場合、永久磁石を複数対設けるととも
に被駆動片を複数組設けたものとすることで駆動力や保
持力の設定が容易となる。電磁駆動部材を設ける場合、
他方のレースをインナーレースとして形成して、該イン
ナーレースの内周側に設けたスリーブの外周に電磁駆動
部材を取り付けるとよい。電磁駆動部材のレース内周側
への設置をより合理的に行うことができる。
【0067】他方のレースを磁性材で形成して電磁駆動
部材によるロック解除部材の駆動時の磁気回路構成部材
としておいたり、ロック解除部材を磁性材で形成して被
駆動片を一体に備えたものとし、電磁駆動部材による被
駆動片の駆動時の磁気回路構成部材とするのもよい。電
磁駆動部材で必要とする駆動力を得ることを少ない部品
数で効果的に行うことができる。
【0068】上記永久磁石は他方のレースに設けた位置
決め部で位置決め固定したり、他方のレースに固着され
る固定金具で他方のレースに固定すると、その位置ずれ
を防ぐことができる。永久磁石の一方の磁極側に磁性プ
レートを配置したものではプレートの一端の折曲部を永
久磁石における被駆動片との対向面に配しておくと、非
励磁時における被駆動片の吸着保持力を高めることがで
きる。永久磁石と被駆動片との対向面を相補形の凹凸面
としても吸着保持力を高めることができる。
【0069】コイルの巻線端末は他方のレース内におい
て他のリード線に接続しておくと、繰り返し負荷による
断線の発生を抑制することができる。更には回転規制部
材を楔状空間の狭い方の回転ロック位置に付勢する部材
として、異なる対の回転規制部材に両端を当接させたば
ねを用いると、この部材の数を少なくすることができ
る。
【0070】ロック解除片を備えたクラッチ可動板の回
転範囲規制用のストッパーを、他方のレースを備えたク
ラッチ基板の回動支持部材に設けたならば、ストッパー
の配置スペースを削減することができる。またクラッチ
可動板とクラッチ基板との回転接触面に摺動抵抗軽減用
の凸部を設けたならば、よりスムーズな動作を得ること
ができる。
【0071】前記の予圧ばねを有するものにおいて、楔
状空間として狭くなる方向が異なる2種を設けて、上記
2種の楔状空間に夫々配された2つの回転規制部材をロ
ック解除部材が選択的に押圧して楔状空間の広い方の解
放位置に移動させて回転阻止方向を切り換えるものであ
る時、対の予圧ばねを固定的に配したセンター位置決め
片を挟んで相対させ、対の予圧ばねの上記相対面間に他
方のレースと一体のばね駆動片を配しておくと、対の予
圧ばねの予圧力に少々差があっても他方のレースの通常
位置を定めることができる。
【0072】ハウジング内面に配されるとともに他方の
レースに接触する複数個の転動部材で他方のレースを支
持するのもスムーズな動作を容易に得る個とができる点
で好ましい。そして本発明に係る遊星変速装置において
は、ワンウェイクラッチによって回転阻止を行うために
変速のためのリングギアの回転拘束に際して衝突が生じ
たりすることがなく、変速のための回転阻止の解除もワ
ンウェイクラッチの回転規制部材をロック解除部材で押
圧するだけで解除できることから変速の双方向切換が共
にスムーズなものであり、しかもここにおけるワンウェ
イクラッチが前記特徴を有するものであるために、前記
特徴点をも合わせ持つものとすることができ、特に前記
のワンウェイクラッチは遊星機構との組み合わせの際に
有利な構成を持つことから、遊星変速装置全体としての
コンパクト化を図ることが容易なものである。
【0073】またワンウェイクラッチは軸方向に並ぶ複
数の遊星機構の間に配設しておくと、大径化を招くこと
のないものとすることができ、この場合、2つの遊星機
構における各遊星ギア支持用の遊星キャリアを筒軸で連
結するとともに該筒軸の外周にワンウェイクラッチを配
したり、筒軸の外周に2つの遊星機構用の2つのワンウ
ェイクラッチを背中合わせに配すると、軸方向寸法の短
縮化も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の横断面図である。
【図2】同上の縦断面図である。
【図3】同上の縦断面図である。
【図4】同上の分解斜視図である。
【図5】同上の分解斜視図である。
【図6】同上の変速動作の説明図である。
【図7】同上の動作説明のための部分横断面図である。
【図8】同上の動作説明のための部分横断面図である。
【図9】同上の動作説明のための部分横断面図である。
【図10】同上の反力と予圧ばねに抗したクラッチ基板
の回動との説明図である。
【図11】同上の他例の縦断面図である。
【図12】同上の回転規制部材の付勢用のばねの他例を
示すもので、(a)は部分横断面図、(b)は部分斜視図であ
る。
【図13】同上のロック解除片を備えたクラッチ可動板
の他例の破断斜視図である。
【図14】同上の回転規制部材の取付構造の一例を示す
分解斜視図である。
【図15】同上の回転規制部材の取付構造の他例を示す
分解斜視図である。
【図16】同上の回転規制部材の付勢用のばねの別の例
を示す横断面図である。
【図17】同上の別の例を示す横断面図である。
【図18】同上の電磁駆動部材の他例の分解斜視図であ
る。
【図19】同上の電磁駆動部材の別の例の分解斜視図で
ある。
【図20】同上の電磁駆動部材の更に別の例の分解斜視
図である。
【図21】同上の永久磁石の位置決め構造の一例の斜視
図である。
【図22】同上のプレートの位置決め構造の一例の斜視
図である。
【図23】同上のプレートの固定構造の一例の横断面図
である。
【図24】同上の異なる例の分解斜視図である。
【図25】同上の電磁駆動部材におけるコイル端末の処
理構成を示す断面図である。
【図26】同上の電磁駆動部材の別の例の分解斜視図で
ある。
【図27】同上の別の例の縦断面図である。
【図28】同上の横断面図である。
【図29】異なる例の縦断面図である。
【符号の説明】
6 電磁駆動部材 40 アウターレース 41a 回転規制部材 41b 回転規制部材 42 インナーレース 49 ばね 50 ロック解除片

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のレース間に設けられた楔状空間に
    ボールやローラ等の回転規制部材を配置して一方のレー
    スの一方向回転の阻止を回転規制部材で行うワンウェイ
    クラッチであって、回転規制部材を上記楔状空間の狭い
    方の回転ロック位置に付勢する部材と、回転規制部材を
    押圧して上記楔状空間の広い方の解放位置に移動させる
    ロック解除部材とを備えるとともに、ロック解除部材の
    駆動用の電磁駆動部材を上記レースの内周側に配設して
    いることを特徴とするワンウェイクラッチ。
  2. 【請求項2】 一対のレース間に設けられた楔状空間に
    ボールやローラ等の回転規制部材を配置して一方のレー
    スの一方向回転の阻止を回転規制部材で行うワンウェイ
    クラッチであって、回転規制部材を楔状空間の狭い方の
    回転ロック位置に付勢する部材と、回転規制部材を選択
    的に押圧して上記楔状空間の広い方の解放位置に移動さ
    せるロック解除部材とを備えるとともに、上記他方のレ
    ースは予圧ばねに抗して軸回りの回転が可能となってお
    り、上記一方のレースにかかるトルク反力が回転ロック
    位置にある回転規制部材を介して他方のレースを上記予
    圧ばねに抗して回転させることによる回転位置規制部材
    とロック解除部材との位置関係の変更で一方のレースの
    回転阻止が解除されるものであることを特徴とするワン
    ウェイクラッチ。
  3. 【請求項3】 ロック解除部材の駆動用の駆動部材を備
    えるとともに、該駆動部材はレースの内周側に配設され
    た電磁駆動部材であることを特徴とする請求項2記載の
    ワンウェイクラッチ。
  4. 【請求項4】 他方のレースに電磁駆動部材を作動させ
    るためのスイッチの駆動部を設けていることを特徴とす
    る請求項3記載のワンウェイクラッチ。
  5. 【請求項5】 他方のレースを備えたクラッチ基板に電
    磁駆動部材が取り付けられているとともに予圧ばねとの
    当接部が設けられていることを特徴とする請求項3記載
    のワンウェイクラッチ。
  6. 【請求項6】 一対のレース間に設けられた楔状空間に
    ボールやローラ等の回転規制部材を配置して一方のレー
    スの一方向回転の阻止を回転規制部材で行うワンウェイ
    クラッチであって、回転規制部材を楔状空間の狭い方の
    回転ロック位置に付勢する部材と、回転規制部材を選択
    的に押圧して上記楔状空間の広い方の解放位置に移動さ
    せるロック解除部材とを備えるとともに、軸回りの回転
    が可能となっている他方のレースのロック及びロック解
    除用であり且つトルク検出部材で検出されるトルク値に
    よって作動する切換部材を備え、上記一方のレースにか
    かるトルク反力が回転ロック位置にある回転規制部材を
    介して他方のレースをそのロック解除時に回転させるこ
    とによる回転位置規制部材とロック解除部材との位置関
    係の変更で一方のレースの回転阻止が解除されるもので
    あることを特徴とするワンウェイクラッチ。
  7. 【請求項7】 楔状空間は狭くなる方向が異なる2種が
    設けられ、ロック解除部材は上記2種の楔状空間に夫々
    配された2つの回転規制部材を選択的に押圧して楔状空
    間の広い方の解放位置に移動させて回転阻止方向を切り
    換えるものであることを特徴とする請求項1または2ま
    たは6記載のワンウェイクラッチ。
  8. 【請求項8】 サンギアとこれに噛み合う遊星ギア及び
    サンギアと同心で遊星ギアが噛み合っているリングギア
    からなる遊星機構における遊星ギアを支持するキャリア
    またはリングギアまたはサンギアを軸回りの回転が自在
    な一方のレースとするものであることを特徴とする請求
    項1または2または6記載のワンウェイクラッチ。
  9. 【請求項9】 回転規制部材を楔状空間の狭い方の回転
    ロック位置に付勢する部材は他方のレースに係合連結さ
    れたものであることを特徴とする請求項1または2また
    は6記載のワンウェイクラッチ。
  10. 【請求項10】 ロック解除部材は回転規制部材の抜け
    止め部を一体に備えていることを特徴とする請求項1ま
    たは2または6記載のワンウェイクラッチ。
  11. 【請求項11】 回転規制部材は両レース間の楔状空間
    の片面を閉じている壁に設けられているとともに別途蓋
    で閉じられる挿通孔を通じて楔状空間に配設されている
    ことを特徴とする請求項1または2または6記載のワン
    ウェイクラッチ。
  12. 【請求項12】 回転規制部材及び該回転規制部材を楔
    状空間の狭い方の回転ロック位置に付勢する部材は、両
    レース間の楔状空間の片面を閉じている壁に設けられて
    いるとともに別途蓋で閉じられる切欠を通じて楔状空間
    に配設されていることを特徴とする請求項1または2ま
    たは6記載のワンウェイクラッチ
  13. 【請求項13】 他方のレースを備えたクラッチ基板で
    ロック解除片を備えたクラッチ可動板を回転自在に支持
    していることを特徴とする請求項1または2または6記
    載のワンウェイクラッチ。
  14. 【請求項14】 電磁駆動部材は、レースと同心に配さ
    れたコイルと、所定空間を介して対向する対向面が異極
    に磁化された対の永久磁石と、上記所定空間内に配され
    るとともに上記コイルの励磁によって磁化されて永久磁
    石との間の磁気力によって駆動されてロック解除部材を
    作動させる被駆動片とからなることを特徴とする請求項
    1または3記載のワンウェイクラッチ。
  15. 【請求項15】 永久磁石が複数対設けられているとと
    もに被駆動片が複数組設けられていることを特徴とする
    請求項14記載のワンウェイクラッチ。
  16. 【請求項16】 他方のレースがインナーレースとして
    形成されており、該インナーレースの内周側に設けられ
    たスリーブの外周に電磁駆動部材が取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1または3記載のワンウェイク
    ラッチ。
  17. 【請求項17】 他方のレースが磁性材で形成されて電
    磁駆動部材によるロック解除部材の駆動時の磁気回路構
    成部材となっていることを特徴とする請求項1または3
    記載のワンウェイクラッチ。
  18. 【請求項18】 ロック解除部材は磁性材で形成されて
    被駆動片を一体に備えるとともに電磁駆動部材による被
    駆動片の駆動時の磁気回路構成部材となっていることを
    特徴とする請求項14記載のワンウェイクラッチ。
  19. 【請求項19】 永久磁石は他方のレースに設けた位置
    決め部で位置決め固定されていることを特徴とする請求
    項14記載のワンウェイクラッチ。
  20. 【請求項20】 永久磁石は他方のレースに固着される
    固定金具で他方のレースに固定されていることを特徴と
    する請求項14記載のワンウェイクラッチ。
  21. 【請求項21】 永久磁石の一方の磁極側に配された磁
    性プレートの一端の折曲部が永久磁石における被駆動片
    との対向面に配されていることを特徴する請求項14記
    載のワンウェイクラッチ。
  22. 【請求項22】 永久磁石と被駆動片との対向面は相補
    形の凹凸面となっていることを特徴とする請求項14ま
    たは21記載のワンウェイクラッチ。
  23. 【請求項23】 コイルの巻線端末は他方のレース内に
    おいて他のリード線に接続されている事を特徴とする請
    求項14記載のワンウェイクラッチ。
  24. 【請求項24】 回転規制部材を楔状空間の狭い方の回
    転ロック位置に付勢する部材は、異なる対の回転規制部
    材に両端を当接させたばねであることを特徴とする請求
    項7記載のワンウェイクラッチ
  25. 【請求項25】 ロック解除片を備えたクラッチ可動板
    の回転範囲規制用のストッパーを、他方のレースを備え
    たクラッチ基板の回動支持部材に設けていることを特徴
    とする請求項1または2または6または13記載のワン
    ウェイクラッチ。
  26. 【請求項26】 クラッチ可動板とクラッチ基板との回
    転接触面には摺動抵抗軽減用の凸部が設けられているこ
    とを特徴とする請求項13または25記載のワンウェイ
    クラッチ。
  27. 【請求項27】 楔状空間は狭くなる方向が異なる2種
    が設けられ、ロック解除部材は上記2種の楔状空間に夫
    々配された2つの回転規制部材を選択的に押圧して楔状
    空間の広い方の解放位置に移動させて回転阻止方向を切
    り換えるものであり、対の予圧ばねが固定的に配された
    センター位置決め片を挟んで相対しており、対の予圧ば
    ねの上記相対面間に他方のレースと一体のばね駆動片が
    配されていることを特徴とする請求項2記載のワンウェ
    イクラッチ。
  28. 【請求項28】 ハウジング内面に配されるとともに他
    方のレースに接触する複数個の転動部材で他方のレース
    を支持していることを特徴とする請求項1または2また
    は6記載のワンウェイクラッチ。
  29. 【請求項29】 サンギアとこれに噛み合う遊星ギア及
    びサンギアと同心で遊星ギアが噛み合っているリングギ
    アからなる遊星機構を軸方向に複数個設けて、各遊星機
    構におけるリングギアのなかの一つの回転を阻止し、他
    を回転自在とすることで出力を取り出すとともに回転を
    阻止するリングギアの選択にて減速比の切り換えを行う
    遊星変速装置において、各リングギアを異なるワンウェ
    イクラッチにおける各一方のレースに連結するととも
    に、少なくとも一つのワンウェイクラッチを請求項1ま
    たは2または6記載のワンウェイクラッチとしているこ
    とを特徴とする遊星変速装置。
  30. 【請求項30】 ワンウェイクラッチは軸方向に並ぶ複
    数の遊星機構の間に配設していることを特徴とする請求
    項29記載の遊星変速装置。
  31. 【請求項31】 2つの遊星機構における各遊星ギア支
    持用の遊星キャリアを筒軸で連結するとともに該筒軸の
    外周にワンウェイクラッチを配していることを特徴とす
    る請求項30記載の遊星変速装置。
  32. 【請求項32】 筒軸の外周に2つの遊星機構用の2つ
    のワンウェイクラッチを背中合わせに配していることを
    特徴とする請求項31記載の遊星変速装置。
JP8012355A 1996-01-26 1996-01-26 ワンウェイクラッチとこれを用いた遊星変速装置 Withdrawn JPH09203419A (ja)

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