JPH09202269A - パネルの放射音低減方法およびパネル - Google Patents

パネルの放射音低減方法およびパネル

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JPH09202269A
JPH09202269A JP1280296A JP1280296A JPH09202269A JP H09202269 A JPH09202269 A JP H09202269A JP 1280296 A JP1280296 A JP 1280296A JP 1280296 A JP1280296 A JP 1280296A JP H09202269 A JPH09202269 A JP H09202269A
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毅 杉原
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昭則 宇都宮
Norihiko Nakao
憲彦 中尾
Takanobu Kamura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車体のフロアパネル等から放射される放射音
を低減して、車室内騒音レベルを低下させる。 【解決手段】 放射音を低減すべき目標周波数を設定
し、パネルの寸法、材質、支持条件等の制約条件を抽出
し、該制約条件下でパネルに発生する複数の振動モード
のそれぞれの周波数および歪みエネルギ分布を検出し、
放射効率の低い振動モードの周波数を目標周波数に近付
けるべくパネルの構造パラメータを調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パネルの放射音低
減方法およびパネルに関し、特に車両走行中のロードノ
イズの低減に有効な車体パネルの放射音低減方法および
この方法により放射音を低減された車体パネルに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】自動車においては、走行中にサスペンシ
ョン装置の共振やタイヤの空洞共鳴に起因して車室内へ
伝達される振動および騒音(ロードノイズ)を低減する
ために、従来より種々の防振、防音対策が施されてい
る。
【0003】特に車室の床面を形成するフロアパネル等
の車体パネルに制振材を貼付したり、実開平4−435
78号に開示されているように、複数本のリブを交差さ
せて形成して車体パネルの面剛性を高めたりすることに
より、振動および騒音の低減を図ることが行なわれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
リブを備えた面剛性の高いパネルの場合、リブを備えて
いない場合に比較して、振動のレベルは低下するもの
の、音をより多く放射する傾向があり、そのため、車室
内に伝達される振動は低下しても、騒音は十分に低下し
ていないことがある。また、面剛性が高いと、制振材に
よる制振効果も薄らぐことも判明している。
【0005】一方、面剛性の低い平坦なパネル面には、
分割振動により、数多くの振動モードが励起されるが、
振動モード間には放射効率に大きな差異が存在すること
も判明している。
【0006】そこで本発明は、パネル面に励起される各
振動モードの放射効率に着目したパネルの放射音低減方
法およびパネルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるパネルの放
射音低減方法は、放射音を低減すべき周波数においてパ
ネルに励起される振動モードを放射効率の低いものとす
ることを特徴とするものである(請求項1)。
【0008】その場合に、放射音を低減すべき目標周波
数fS を設定し、パネルに励起される複数の振動モード
のうち放射効率の低い振動モードの周波数を目標周波数
Sに近付けるべく、パネルの構造パラメータを調整し
てもよいし(請求項2)、放射効率の高い振動モードの
周波数を目標周波数fS から遠ざけるべく、パネルの構
造パラメータを調整してもよい(請求項3)。また、放
射効率の低い振動モードの周波数を目標周波数fs に近
付け、かつ放射効率の高い振動モードの周波数を目標周
波数fs から遠ざけるべく、パネルの構造パラメータを
調整するようにしてもよい(請求項3)。
【0009】パネルの構造パラメータの調整に際して
は、図1に示すように、(a) 騒音の周波数特性等から目
標周波数fS を設定し、(b) パネルの寸法、材質、支持
条件等の制約条件を抽出し、(c) 該制約条件下で前記パ
ネルに発生する複数の振動モードのそれぞれの周波数お
よび歪みエネルギ分布を検出し、(d) 図2(a),
(b)および図3(a),(b)に、目標周波数fS
対し、放射効率の低い2×2モードの振動を励起させた
い場合のものを一例として示すように、目標周波数fS
と各振動モードの周波数との大小関係から、変更すべき
構造パラメータを決定し、(e) 歪みエネルギが大きい部
分を黒色部分で示す有限要素法による歪みエネルギ分布
図である図4(a)〜(c)に示すように、、各振動モ
ードの歪みエネルギ分布から、構造パラメータを変更す
べき部位(歪みエネルギ分布の大きい箇所)を決定すれ
ばよい(請求項4)。
【0010】上記パネルが正方形または正方形に近い長
方形でない場合、フレームまたはビードで周囲を拘束さ
れた正方形または正方形に近い長方形をパネル内に形成
することが好ましい(請求項5)。
【0011】上記パネルが車両の車体パネルよりなる場
合には、サスペンションの共振周波数を目標周波数fS
として設定すればよい(請求項6)。具体的には、車両
がストラット式サスペンションを備えている場合には、
このストラット式サスペンションの車幅方向への倒れ共
振周波数を前記目標周波数fS として設定すればよい
(請求項7)。あるいは、車両のタイヤ空洞共鳴周波数
を目標周波数fS として設定してもよい(請求項8)。
さらに、サスペンションの車幅方向への倒れ共振周波数
とタイヤ空洞共鳴周波数との双方を目標周波数fS とし
て設定してもよい(請求項8)。上記車体パネルは例え
ばフロアパネルである(請求項9)。
【0012】所定の振動モード周波数を目標周波数fS
へ近付けるための上記構造パラメータの変更は、パネル
の面剛性分布を変えることにより行なう(請求項1
0)。
【0013】例えば、放射効率の低い振動モードの周波
数をその周波数よりも高い目標周波数fS に近付けるた
めには、その振動モードでの歪みエネルギ分布の大きい
部分における面剛性を調整する(請求項10)。
【0014】具体的には、図2(a)に示すように、そ
の部分の面曲率を調整すること、その部分に面外への突
出部を形成すること、この突出部の突出量を増大させる
こと、および、図2(b)に示すように、その部分にビ
ードを形成することのうちの少なくとも1つを行なうこ
とにより、面剛性を増大させる(請求項11)。
【0015】また、例えば、放射効率の低い振動モード
の周波数をその周波数よりも低い目標周波数fS に近付
けるためには、図3(a)に示すように、その振動モー
ドでの歪みエネルギ分布の大きい部分における面密度を
増大させればよいが(請求項12,13)、ビードを取
り除くこと等によってその部分の面剛性を低下させるこ
とによっても可能である。
【0016】なお、上述の例は放射効率の低い振動モー
ドの周波数を目標周波数fS に近付ける場合であるが、
放射効率の高い振動モードの周波数を目標周波数fS
ら遠ざける場合、上述の作業とは逆方向の作業を行なえ
ばよい。
【0017】また、モード周波数が目標周波数fS に等
しいときには、図3(b)に示すように、他の放射効率
の高いモード(1×1,1×3)の抑圧のために、その
モードの歪みエネルギ分布の大きい部分に制振材を添付
すればよい(請求項13)。上記パネルに励起される振
動モードをn×mモード(n=1,2,3,…所定方向
の振動の腹の数;m=1,2,3,…前記所定方向に対
して垂直方向の振動の腹の数)とするとき、放射効率の
低い振動モードは、例えば2×2モードのように、n×
m=偶数となる振動モードである(請求項14,1
5)。
【0018】本発明によるパネルは、周囲を拘束された
ほぼ正方形または正方形に近いほぼ長方形のパネルであ
って、放射音を低減すべき振動周波数に、放射効率の低
い振動モードが励起されるように構造パラメータが設定
されてなることを特徴とするものである(請求項1
6)。
【0019】上記パネルが車両の車体パネルの場合に、
放射音を低減すべき振動周波数が、サスペンションの共
振周波数に設定されているのが好ましい(請求項1
7)。あるいは、放射音を低減すべき振動周波数が、車
両のタイヤ空洞共鳴周波数に設定されていてもよい(請
求項18)。さらに、放射音を低減すべき振動周波数
が、サスペンションの共振周波数と、タイヤ空洞共鳴周
波数との双方に設定されていてもよい(請求項18)。
【0020】上記車体パネルは例えばフロアパネルであ
り(請求項19)、このフロアパネルは、車体フレー
ム、サイドシルおよびフロアトンネル形成部材により周
囲を拘束されているものである(請求項20)。
【0021】このようなパネルにおいては、図2
(a),(b)に示すように、パネルの歪みエネルギ分
布の大きい部分の面剛性分布の調整により、構造パラメ
ータの設定を行なうことができ(請求項21)、具体的
には、その部分の面曲率を調整すること、その部分に面
外への突出部を形成すること、この突出部の突出量を調
整すること、およびその部分にビードを形成することの
うちの少なくとも1つを行なうことにより、面剛性を調
整する(請求項22)。
【0022】また、このパネルにおいては、図3(a)
に示すように、パネルの歪みエネルギ分布の大きい部分
の面密度分布の調整によっても構造パラメータの設定を
行なうことができ(請求項23)、この面密度分布の調
整は、面密度の調整により、あるいは制振材添付により
行なわれる(請求項24,請求項25)。
【0023】
【発明の効果】図5は周囲を拘束されたほぼ正方形のパ
ネル面内に励起される振動モードと放射音エネルギとの
関係を示す説明図である。
【0024】図5(a)に示す1×1モードでは放射効
率が高く放射音が大であるが、図5(b)に示す1×2
モードでは、放射音が相殺されて、放射効率が低下す
る。また、図5(c)に示す2×2モード、および図5
(d)に示す2×3モードでも、放射音が相殺されて、
放射効率が低くなる。
【0025】すなわち一般的には、振動モードをn×m
とするとき、図6に示すように、n×m=偶数(n=
1,2,3,…所定方向の振動の腹の数;m=1,2,
3,…前記所定方向に対して垂直方向の振動の腹の数)
となる振動モードが、放射音を低減すべき周波数で励起
されるようなパネル構造にすれば、有害な放射音が低減
されることになる。
【0026】図7は、周囲を拘束された約600mm×6
00mmの大きさの薄いパネルに励起される低次の振動モ
ードの放射効率を示すグラフである。横軸は周波数比
(kbは基準の周波数)を示し、車体振動のkb /kは
0.1程度である。また、縦軸の放射効率は図の下方へ
向かうほど低下する。図7を参照すると、n×m=奇数
の場合は放射効率が高く、n×m=偶数の場合は放射効
率が低いことがわかる。そして、n×m=奇数の場合で
も1×1モードの放射効率が最も高く、n×m=偶数の
場合でも2×2モードの放射効率が最も低く、この2×
2モードの放射効率は1×1モードの放射効率の 1/100
00程度にまで低下することがわかる。
【0027】したがって、放射効率が低い振動モード
(1×2モードまたは2×2モード)が放射音を低減す
べき周波数で励起されるようなパネル構造にすれば、有
害な放射音が低減されることになる。また放射効率が高
い振動モード(例えば1×1モード,1×3モード)が
放射音を低減すべき周波数で励起されている場合は、こ
れを放射音を低減すべき周波数から遠ざけることによっ
ても、有害な放射音が低減されることになる。
【0028】例えば、パネルが車両の車体パネルである
場合に、車両走行中におけるサスペンションの共振周波
数が上記パネルに伝達されて、160Hz付近をピークレ
ベルとする車室内騒音を生じたとする。そこで、上記サ
スペンションの共振周波数を目標周波数fS として設定
することにより、車室内騒音レベルを低減することがで
きる。
【0029】また、走行車両走行時にタイヤに発生する
定在波に起因するタイヤの空洞共鳴がフロアパネルに伝
達されて、250Hz付近をピークレベルとする車室内騒
音を生じたとする。そこで、上記タイヤの空洞共鳴周波
数を目標周波数fS として設定することにより、車室内
騒音レベルを低減することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0031】図8は本発明によるパネルの放射音低減方
法を用いて放射音低減対策の施された正方形のフロアパ
ネル(以下、本発明により放射音低減対策の施されたパ
ネルをMCP(モードコントロール パネル)と呼び、
対策の施される以前のパネルを単にPと呼ぶ)をフロア
トンネルの左右に備えた車両のフロントフロアを示す斜
視図で、2枚のフロアパネルMCPは、フロアトンネル
10およびサイドシル11によって左右縁部を拘束さ
れ、かつ、No.2クロスメンバ12およびNo.3ク
ロスメンバ13によって前後縁を拘束されていることに
よって全周を拘束されている。
【0032】図9および図10は、本発明により放射音
低減対策の施された4枚のフロアパネルMCPがNo.
2クロスメンバ12の前後に設けられている場合の車両
のフロアを示す斜視図であり、フロアパネルMCPのフ
ロアトンネル10側は、トンネルサイドレインフォース
メント14によって拘束され、それぞれ全周を拘束され
ている。各フロアパネルMCPに描かれている4個の円
形は、後述するように放射音低減対策のための凸部ない
し凹部を示し、図9と図10とでは、前方側のフロアパ
ネルMCPにおける凸部ないし凹部の配列が異なってい
る。
【0033】一般にフロアパネルには、水抜き用の穴や
位置決め用の穴あるいは突起が設けられているが、これ
らが、MCPの動作に悪影響を与える位置(例えば、2
×2モードの歪みエネルギが小さい位置)にならないよ
うに、凸部ないし凹部の配列を決定している。
【0034】図11および図12は、本発明によるパネ
ルの放射音低減方法において、放射効率の低い振動モー
ド(1×2モードまたは2×2モード)のモード周波数
を目標周波数fS に近付ける場合の実施の形態を説明す
るフローチャートである。以下このフローチャートに沿
って説明する。なお、Sは各ステップを表す。
【0035】<ステップ1> 放射音を低減すべき目標
周波数fS の設定:本発明の方法においては、先ず放射
音を低減すべき周波数を目標周波数fS として設定す
る。
【0036】一般的な車室内騒音の周波数分析の結果、
車両がストラット式サスペンションを備えている場合
に、車両走行中における上記ストラット式サスペンショ
ンの車幅方向への倒れ共振がフロアパネルPに伝達され
て、図13に示すように、1/3オクターブバンド分析を
行なうと、160Hzバンドに騒音レベルのピークを生じ
る。そこで、160Hzを放射音を低減すべき目標周波数
S として設定している。 このオクターブバンド分析
については一般に知られているので、ここでの説明は省
略する(例えば、北村恒二著「新訂・騒音と振動のシス
テム計測」コロナ社刊、昭和50年2月10日初版発行
参照)。音の測定・分析については、この「バンド」と
いう単位が一般的に用いられており、また、この「バン
ド」という言葉は「帯域」とも記載される。本明細書の
請求項16〜18における「振動周波数」はこの「バン
ド」という幅を持った値を含んでいる。
【0037】なお、図13においては、250Hzバンド
においても騒音レベルのピークが認められるが、これは
走行車両走行時にタイヤに発生する定在波に起因するタ
イヤの空洞共鳴の周波数であり、この騒音レベルも大き
いときには、後述するように、160Hzに併せて250
Hzも目標周波数fS として設定すればよい。
【0038】サスペンション系共振周波数は、図14に
概略的に示す測定装置を用いて測定することができる。
すなわち、図14に平面図で示す車体1のホイールに対
して加振器2から車幅方向の振動を加え、この加振器2
の出力と、サスペンション上部に取り付けた加速度セン
サ3の出力とを周波数分析器4に入力して、共振周波数
を測定することができる。
【0039】また、タイヤの空洞共鳴周波数は、図15
に概略的に示す測定装置を用いて測定することができ
る。すなわち、タイヤ5に対して加振器2から上下方向
の振動を加え、この加振器2の出力と、サスペンション
上部に取り付けた加速度センサ3の出力とを周波数分析
器4に入力して、共振周波数を測定することができる。
【0040】<ステップ2> 制約条件の抽出:次にパ
ネルPの寸法、材質、支持条件等の制約条件を抽出す
る。パネルPの初期条件を、図16に示すように、45
0×450×0.65mm(縦×横×厚さ)の寸法を有し
フレームFによって全周を拘束されたSPC製のフラッ
トパネルとする。
【0041】<ステップ3,4> パネル形状のチェッ
ク:パネルPの形状がほぼ正方形(または長方形)であ
るか否かをチェックし(S3)、上述のように正方形
(または正方形に近い長方形)の場合はそのままでよい
が(S3:YES)、に正方形(または正方形に近い長
方形)でなければ(S3:NO)、パネルP内にフレー
ムまたはビードにより周囲を拘束された正方形(または
正方形に近い長方形)のパネルをつくり、このパネルに
対して放射音低減対策を施す(S4)。この理由は、正
方形パネルで得られる2×2モードが放射効率がより低
いからである。
【0042】<ステップ5> 初期形状のパネルPの各
振動モードの周波数調査および歪みエネルギ分布調査:
パネルPの各振動モードの周波数および歪みエネルギ分
布は計算解析によっても求めることができる。そして、
各振動モードの周波数の調査結果から、後のステップ
で、目標周波数に対し比較的放射効率の低い2×2モー
ドを励起させたい場合の対策である図2(a),(b)
および図3(a),(b)に示すように、変更パラメー
タを決定するとともに、図4(a)〜(c)に示す有限
要素法による歪みエネルギ分布(黒色部分の歪みエネル
ギが大きい)の調査結果から変更位置を決定する。
【0043】図17はパネルP(単体)の振動モード周
波数を測定装置を用いて実際に測定する場合の概略図で
ある。防音箱6に車体1から切り出したフロアパネルP
を周囲を拘束した状態で取り付け、パネルPに対して加
振器2から上下方向の振動を加え、この加振器2の出力
と、フロアパネルPに取り付けた加速度センサ3の出力
とを周波数分析器4に入力するとともに、パネルPの上
面近傍に音響インテンシティプローブ7を設け、このプ
ローブ7の出力を音響インテンシティ分析器(A.I.
分析器)8に加え、両分析器4,8の出力をコンピュー
タ9に入力して、各振動モードの周波数、放射音響パワ
ーおよび放射効率を求めることができる。
【0044】また、図18は、実車のフロアパネルにつ
いての振動モード周波数の測定装置の概略図である。こ
の場合は、例えば車体1の No.2クロスメンバ12(図
9,図10参照)に対して加振器2から上下方向の振動
を加え、この加振器2の出力と、フロアパネルPに取り
付けた加速度センサ3の出力とを周波数分析器4に入力
するとともに、フロアパネルPの上面近傍に音響インテ
ンシティプローブ7を設け、このプローブ7の出力を音
響インテンシティ分析器8に加え、両分析器4,8の出
力をコンンピュータ9に入力して、各振動モードの周波
数、放射音響パワーおよび放射効率を求めることができ
る。
【0045】<ステップ6,7> 放射効率の低い振動
モードの周波数fn と目標周波数fS との比較:フラッ
トパネルPにおける放射効率の低い振動モード(1×2
モードまたは2×2モード)の周波数fn が目標周波数
S よりも高いか否かを判定し(S6)、fn >fS
あれば(S6:YES)、S8へ進み、fn ≦fS であ
れば(S6:NO)、fn が目標周波数fS よりも低い
か否かを判定し(S7)、fn <fS であれば(S7:
YES)、図2(a),(b)に示すように、面剛性分
布変更によりfn をfS に近付けるべく、図12のS9
へ進み、fn =fS であれば (S7:NO)、図12
のS13へ進む。
【0046】<ステップ8> 変更すべき構造パラメー
タの選択:fn >fS のときには(S6:YES)、パ
ネルPの制約条件、すなわち、寸法、材質、支持条件等
から構造パラメータの変更を、面剛性分布の変更(S
9)によって行なうかあるいは面密度分布の変更(S1
1)にって行なうかを選択する。
【0047】さらに具体的に述べると、fn >fS のと
き、fn を下げてfS に一致させる場合、 (1)面剛性分布の変更 すなわち、図4(a)の歪みエネルギの大きい黒色領域
にビードや凹凸があれば、これを除いてフラットにする
ことでfn を下げる。
【0048】(2)面密度分布の変更 すなわち、図4(a)の歪みエネルギの大きい黒色領域
にビードや凹凸形状がある場合でも、あるいはフラット
であっても、この領域に制振材等の剛性に影響のない、
かつ質量付加の影響の大きい材料を貼付する。フラット
パネルの剛性を下げるには、一部を薄くしなければなら
ないので、技術的に困難であり、面密度分布の変更を選
択するしかない。
【0049】<ステップ9,10> 面剛性分布の変更
によるfn の調整: (例1)曲面の形成によるfn の調整 ステップ5の調査の結果、初期状態のパネル(フラット
パネル)に励起する1×2モードの歪みエネルギ大の部
分が図19に斜線で示すような領域に存在し、その振動
周波数が例えば56.4Hzである場合、図20に示すよ
うに、パネル面の前記エネルギ大の部分に曲面を形成し
て面剛性を高めることにより、1×2モードの振動周波
数fn を目標周波数fS (=160Hz)に近付けること
ができる。なお、図20において、図(a)はパネルM
CPの斜視図、図(b)は平面図、図(c)は図(b)
のc−c線に沿った断面図、図(d)は図(b)を矢d
の方向から視た図、図(e)は図(b)を矢eの方向か
ら視た図である。
【0050】この場合、図21に示すように、曲面の窪
みの深さを変えて局部剛性を変更することにより、図2
2に示すように、振動周波数fn が変化する。本例で
は、曲面の窪みの深さが約4.5mmで、1×2モード
の振動周波数を160Hzにすることができた。
【0051】(例2)曲面およびビードによるfn の調
整 ステップ5の調査の結果、初期状態のフラットパネルP
に励起する2×2モード(実線)および斜め2×2モー
ド(破線)の歪みエネルギ分布が図23に示すような領
域(斜線)になっており、2×2モードの振動周波数が
77Hz、斜め2×2モードの振動周波数が53Hzであっ
た。車室内騒音レベルは、図13に示すように、160
Hzと250Hzの双方のバンドでピークを示している。
【0052】この場合は、図24および図25に示すよ
うに、2×2モードについては、歪みエネルギ大の部分
に深さ5mmの窪みを設けることによって面剛性を高め、
斜め2×2モードについては、歪みエネルギ大の部分に
中心方向に延びるビード21を設けることによって面剛
性を高めた。なお、図24において、図(a)はパネル
MCPの斜視図、図(b)は平面図、図(c)は図
(b)のc−c線に沿った断面図、図(d)は図(b)
を矢dの方向から視た図、図(e)は図(b)を矢eの
方向から視た図である。
【0053】計算解析の結果、図26に示すように中心
線上に腹を生じる斜め2×2モードの振動周波数が18
4Hzに上昇し、また、図27に示すように対角線上に腹
を生じる2×2モードの振動周波数が274Hzに上昇し
た。そして、粗粒路における時速60kmの定常走行時の
車室内騒音レベルを図28に示すように約5dB低下させ
ることができた。
【0054】(例3)4個の凸部(または凹部)の配置
によるfn の調整 パネルP面上に、図29に示すような高さ2mmの4個の
凸面を配置した場合の計算解析結果では、図30に示す
ように、対角線上に腹を生じる2×2モードの振動周波
数が172Hzになった。
【0055】(例4)対角線上に配置した2個の凸部と
2個の凹部によるfn の調整 図31に示すように、パネルP面の一方の対角線上に高
さ3mmの2個の凸部を、他方の対角線上に深さ3mmの2
個の凹部を配置した場合の計算解析結果では、図32に
示すように、中心線上に腹を生じる2×2モードの振動
周波数が164Hzになった。
【0056】(例5)ビードによるfn の調整 パネルP面上に図33に示すような、対角線上に斜めの
ビード22を形成した場合の計算解析結果では、図34
に示すように、対角線に腹を生じる2×2モードの振動
周波数が159Hzになった。
【0057】<ステップ11,12> 面密度分布の変
更によるfn の調整: (例)パネルPの2×2モード周波数よりも低い周波数
を目標周波数fS に設定する場合 図35に示すように、車室内騒音レベルに50Hzバンド
のピークが生じている場合、図36に示すように、対角
線に沿って質量23を添加して対角線上の面密度を高め
る。図37は、パネルの面密度を高めるため、パネル面
に重量物を添加したときの添加重量に対する2×2モー
ドの周波数変化の関係を示す図である。この場合は、4
80gの質量添加により、図36に示すような対角線上
に腹を生じる2×2モード周波数は50.0Hzに低下
し、その結果、図38に示すように、50Hzにおける車
室内騒音レベルが約7dB低下した。
【0058】<ステップ13,14> ダンピング分布
変更による2×2モード以外の振動モードの抑圧:フラ
ットパネルPの2×2モード周波数に近い周波数を目標
周波数fS に設定する場合には、制振材添付によりダン
ピング分布を変更し、2×2モード以外の振動モードを
抑圧する(S13)。
【0059】例えば図39に示すように、車室内騒音レ
ベルがフラットパネルの2×2モード周波数に近い80
Hzに山を示した場合、図3(b)に示すようにパネルに
制振材を添付することにより、図40に示すように、パ
ネルの音響放射パワー全体が低下し、その結果、車室内
騒音レベルも図41に示すように低下した。
【0060】また、S9,S10およびS11,S12
の処理の後においても、制振材添付によるダンピング分
布の変更により(S14)、2×2モード以外の振動モ
ードを抑圧するのがよい。
【0061】<面剛性分布変更と面密度分布変更の組み
合わせ(2×2モードの場合)> (1) 面剛性分布変更:車室内騒音レベルが図13に示す
ように160Hzバンドおよび250Hzバンドにピー
クを有する場合、前述した図24の窪みの深さを5mmと
する曲面形成により、160Hzおよび250Hzを狙
ったfn の調整を行なう。
【0062】この面剛性分布変更により、主要なモード
の周波数(1/3 オクタブバンド中心周波数)は下記の表
1のようになり、放射効率の高い1×1モードが100
Hzバンドに発生し、悪影響が生じている。
【0063】
【表1】
【0064】(2) 面密度分布変更:図42に示すよう
に、中央部分の面密度を制振材24の貼付により高めて
1×1モードの周波数を低周波域にシフトする。その結
果、主要なモードの周波数(1/3 オクターブバンド中心
周波数)は下記の表2のようになり、1×1モード周波
数は50Hzバンドにシフトされて悪影響は小さくなっ
た。なお、図42において、図(a)はパネルMCPの
斜視図、図(b)は平面図、図(c)は図(b)のc−
c線に沿った断面図、図(d)は図(b)の矢dの方向
から視た図、図(e)は図(b)の矢eの方向から視た
図である。
【0065】
【表2】
【0066】<実車パネルからの設計変更例> (1) 面剛性変更:図43に示すように、前記と同様の4
50×450×0.65mm(縦×横×厚さ)の寸法を有
するが、3本の縦方向のビード25が平行に設けられて
いて高い面剛性を有する全周を拘束されたSPC製のフ
ロアパネルPを初期状態とする。なお、図43におい
て、図(a)はパネルPの平面図、図(b)は図(a)
の矢bの方向から視た図、図(c)は図(a)のc−c
線に沿った断面図、図(d)は図(a)の矢dの方向か
ら視た図である。この場合、下記の表3に示すように、
2×2モードも斜め2×2モードも生じておらず、しか
も160Hzバンドに1×1モードが存在し、250Hzバ
ンドに3×1モードが存在して悪影響を与えている。
【0067】
【表3】
【0068】そこで、図44に示すように、左右のビー
ド25の深さを浅くし、あるいは傾斜を緩やかにして面
剛性を下げるとともに、パネルPの中心線に沿って横方
向のビード26を追加することにより、下記の表4に示
すように、1×1モードは50Hzバンドにシフトされ、
3×1モードは消滅するとともに、騒音低減効果を有す
る2×2モードが160Hzバンドに出現した。なお、図
44において、図(a)はパネルMCPの平面図、図
(b)は図(a)の矢bの方向から視た図、図(c)は
図(a)のc−c線に沿った断面図、図(d)は図
(a)の矢dの方向から視た図である。
【0069】
【表4】
【0070】(2) 面密度変更:図45に示すように、前
記と同様の450×450×0.65mm(縦×横×厚
さ)の寸法を有するが、3本の縦方向のリブ27が平行
に設けられていて高い面密度を有する全周を拘束された
SPC製のフロアパネルPを初期状態とする。なお、図
45において、図(a)はパネルPの平面図、図(b)
は図(a)の矢bの方向から視た図、図(c)は図
(a)のc−c線に沿った断面図、図(d)は図(a)
の矢dの方向から視た図である。この場合、下記の表5
に示すように、2×2モードも斜め2×2モードも生じ
ておらず、しかも50Hzバンドに高いレベルの1×1モ
ードが存在し、100Hzバンドに3×1モードが存在し
て悪影響を与えている。
【0071】
【表5】
【0072】そこで、図46に示すように、左右のリブ
27の高さを低くし、あるいは幅を細くして面密度を下
げるとともに、パネルPの中心線に沿って横方向のリブ
28を追加することにより、下記の表6に示すように、
1×1モードのレベルが低下し、3×1モードは消滅す
るとともに、騒音低減効果を有する2×2モードが16
0Hz帯に出現した。なお、図46において、図(a)は
パネルMCPの平面図、図(b)は図(a)の矢bの方
向から視た図、図(c)は図(a)のc−c線に沿った
断面図、図(d)は図(a)の矢dの方向から視た図で
ある。
【0073】
【表6】
【0074】図47は、本発明によるフロアパネルMC
Pをフロアトンネル10の左右に備えた車両のフロント
フロアを前述の図8よりもより詳細に示す拡大斜視図、
図48は図47のA−A線に沿った断面図である。2枚
のフロアパネルMCPは、フロアトンネル10およびサ
イドシル11によって左右縁部を拘束され、No.2お
よびNo.3クロスメンバ(図示は省略)によって前後
縁を拘束されている。そして、図31と同様に、パネル
P面の一方の対角線上に高さ3mm程度の2個の凸部1
4,14を、他方の対角線上に深さ3mm程度の2個の凹
部15,15を配置した場合であり、中心線上に腹を生
じる2×2モードが約160Hzで励起されて、車室内騒
音を低減するように構成されている。
【0075】なお、図47においては、両フロアパネル
MCPの一方の凹部15の中央には水抜き孔16が形成
され、他方の凹部15には位置出し孔17が形成されて
いるが、これら孔16,17の存在によって、フロアパ
ネルMCPの騒音低減効果が減退されるおそれはないも
のである。
【0076】図49は、4個の凹部15を対角線上に備
えたフロアパネルMCPの一例を示す平面図であり、図
50および図51はそれぞれ、図49のA−A線、B−
Bに沿った断面図である。また、図52は、4個の凹部
15を対角線上に備えたフロアパネルMCPを備えた車
両のフロントフロアの部分的平面図であり、図53は図
53のA−A線に沿った断面図である。図52に符号2
9,30で示す線は、剛性向上のために設けられた折れ
部である。
【0077】さらに、図54は、4個の凹部15を対角
線上に備えた本発明によるフロアパネルMCPをフロア
トンネル10の左右に備えた車両のフロントフロアを前
述の図10よりもより詳細に示す拡大斜視図である。図
54に符号31で示す線は、剛性向上のために設けられ
た折れ部である。
【0078】以上の説明で、本発明によるパネルの放射
音低減方法およびこの方法により放射音を低減されたパ
ネルの構成が明らかになったが、本発明は、フロアパネ
ルのような車体パネルのみでなく、振動が伝達されて放
射音を発生する可能性のある種々のパネルに適応可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパネルの放射音低減方法の一実施
の形態において、放射音低減対策に先だって初期状態の
フラットパネルに対して行なわれる処理の説明図
【図2】目標周波数と振動モード周波数と大小関係に応
じて選択される構造パラメータ調整態様を示す説明図
【図3】目標周波数と振動モード周波数と大小関係に応
じて選択される構造パラメータ調整態様を示す説明図
【図4】フラットパネルに励起される振動モードの有限
要素法による歪みエネルギ分布図
【図5】パネル面内に励起される振動モードと放射音エ
ネルギとの関係を示す説明図
【図6】パネル面内に励起されるn×mモードを表す図
【図7】振動モードと放射音エネルギとの関係を示すグ
ラフ
【図8】本発明によるフロアパネルを備えた車体フロア
の一例を示す斜視図
【図9】本発明によるフロアパネルを備えた車体フロア
の他の例を示す斜視図
【図10】本発明によるフロアパネルを備えた車体フロ
アのさらに他の例を示す斜視図
【図11】本発明によるパネルの放射音低減方法の一実
施の形態の説明に供するフローチャートの前半部分
【図12】本発明によるパネルの放射音低減方法の一実
施の形態の説明に供するフローチャートの後半部分
【図13】一般的な車両に発生する車室内騒音の周波数
特性図
【図14】サスペンション系共振周波数測定装置の概略
【図15】タイヤ空洞共鳴振周波数測定装置の概略図
【図16】本発明によるパネルの放射音低減方法が適用
されるフラットパネルの平面図
【図17】パネル(単体)の振動モード周波数測定装置
の概略図
【図18】実車のフロアパネルの振動モード周波数測定
装置の概略図
【図19】初期状態のパネルに励起する1×2モードの
歪みエネルギ分布図
【図20】パネル面の歪みエネルギ大の部分に曲面を形
成して面剛性を高めることによりモード周波数を調整し
たパネルの斜視図、三面図および断面図
【図21】窪みの深さを変えて局部剛性を変更する方法
の説明図
【図22】窪みの深さとモード周波数との関係を示すグ
ラフ
【図23】初期状態のパネルに励起する2×2モードお
よび斜め2×2モードの歪みエネルギ分布図
【図24】パネル面の歪みエネルギ大の部分にビードを
形成して面剛性を高めることによりモード周波数を調整
したパネルの斜視図、三面図および断面図
【図25】図24に示すパネルの曲面状態を示す図
【図26】放射音低減対策後160Hzバンドに発生し
た斜め2×2モードの歪みエネルギ分布図
【図27】放射音低減対策後250Hzバンドに発生し
た2×2モードの歪みエネルギ分布図
【図28】面剛性分布の変更による騒音低減効果を表す
車室内騒音の周波数特性図
【図29】面剛性分布を変更するためパネル面に凸面を
形成したパネルの斜視図
【図30】図29に示すパネルにおいて160Hzバン
ドに発生した2×2モードの歪みエネルギ分布図
【図31】面剛性分布を変更するためパネル面に凸部を
形成したパネルの斜視図
【図32】図31に示すパネルにおいて160Hzバン
ドに発生した斜め2×2モードの歪みエネルギ分布図
【図33】面剛性分布を変更するためパネル面にビード
を形成したパネルの斜視図
【図34】図33に示すパネルにおいて160Hzバン
ドに発生した2×2モードの歪みエネルギ分布図
【図35】50Hzにピークレベルを有する車室内騒音
の周波数特性図
【図36】放射音低減対策後50Hz帯に発生した2×
2モードの歪みエネルギ分布図
【図37】負荷重量とモード周波数との関係を示すグラ
【図38】面密度分布の変更による車室内騒音低減効果
を表す車室内騒音の周波数特性
【図39】初期状態のパネルの振動に起因する車室内騒
音の周波数特性図
【図40】制振材添付によるパネルの音響放射エネルギ
の低減効果を示す周波数特性図
【図41】制振材添付による騒音低減効果を表す車室内
騒音の周波数特性図
【図42】パネルの面剛性分布と面密度分布との双方の
変更によりモード周波数を調整したパネルの斜視図、三
面図および断面図
【図43】ビードを備えた初期状態のパネルの三面図お
よび断面図
【図44】図43のパネルに対して本発明による放射音
低減対策を施したパネルの三面図および断面図
【図45】リブを備えた初期状態のパネルの三面図およ
び断面図
【図46】図45のパネルに対して本発明による放射音
低減対策を施したパネルの三面図および断面図
【図47】本発明によるパネルを備えた車体のフロント
フロアの一例構成を示す斜視図
【図48】図47のA−A線に沿った断面図
【図49】本発明によるパネルの一実施の形態を示す平
面図
【図50】図49のA−A線に沿った断面図
【図51】図49のB−B線に沿った断面図
【図52】本発明によるパネルを備えた車体のフロント
フロアの他の構成を示す平面図
【図53】図53のA−A線に沿った断面図
【図54】本発明によるパネルを備えた車体のフロント
フロアのさらに他の構成を示す斜視図
【符号の説明】
1 車体 2 加振器 3 加速度センサ 4 周波数分析器 5 タイヤ 7 音響インテンシティープローブ 8 音響インテンシティ分析器 9 パーソナルコンピュータ 10 フロアトンネル 11 サイドシル 12 No.2クロスメンバ 13 No.3クロスメンバ 14 凸部 15 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 憲彦 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 加村 孝信 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射音を低減すべき周波数においてパネ
    ルに励起される振動モードを放射効率の低いものとする
    ことを特徴とするパネルの放射音低減方法。
  2. 【請求項2】 放射音を低減すべき目標周波数fS を設
    定し、前記パネルに励起される複数の振動モードのうち
    放射効率の低い振動モードの周波数を前記目標周波数f
    S に近付けるべく、前記パネルの構造パラメータを調整
    することを特徴とする請求項1記載のパネルの放射音低
    減方法。
  3. 【請求項3】 放射音を低減すべき目標周波数fS を設
    定し、前記パネルに励起される複数の振動モードのうち
    放射効率の高い振動モードの周波数を前記目標周波数f
    S から遠ざけるべく、前記パネルの構造パラメータを調
    整することを特徴とする請求項1または2記載のパネル
    の放射音低減方法。
  4. 【請求項4】 (a) 前記パネルの寸法、材質、支持条件
    等の制約条件を抽出し、 (b) 該制約条件下で前記パネルに発生する複数の振動モ
    ードのそれぞれの周波数および歪みエネルギ分布を検出
    し、 (c) 前記目標周波数fS と各振動モードの周波数との大
    小関係から、変更すべき構造パラメータを決定し、 (d) 各振動モードの歪みエネルギ分布から、前記構造パ
    ラメータを変更すべき部位を決定することを特徴とする
    請求項2または3記載のパネルの放射音低減方法。
  5. 【請求項5】 前記パネルが正方形または正方形に近い
    長方形でない場合、フレームまたはビードで周囲を拘束
    された正方形または正方形に近い長方形を前記パネル内
    に形成することを特徴とする請求項4記載のパネルの放
    射音低減方法。
  6. 【請求項6】 前記パネルが車両の車体パネルよりな
    り、サスペンションの共振周波数を前記目標周波数fS
    として設定することを特徴とする請求項2ないし5うち
    のいずれか1項記載のパネルの放射音低減方法。
  7. 【請求項7】 前記車両がストラット式サスペンション
    を備えており、該ストラット式サスペンションの車幅方
    向への倒れ共振周波数を前記目標周波数fSとして設定
    することを特徴とする請求項6記載のパネルの放射音低
    減方法。
  8. 【請求項8】 前記パネルが車両の車体パネルよりな
    り、前記車両のタイヤ空洞共鳴周波数を前記目標周波数
    S として設定することを特徴とする請求項2ないし7
    のうちのいずれか1項記載のパネルの放射音低減方法。
  9. 【請求項9】 前記車体パネルがフロアパネルよりなる
    ことを特徴とする請求項6ないし8のうちのいずれか1
    項記載のパネルの放射音低減方法。
  10. 【請求項10】 前記構造パラメータの変更を、前記パ
    ネルの歪みエネルギ分布の大きい部分の面剛性分布を変
    化させることにより行なうことを特徴とする請求項4記
    載のパネルの放射音低減方法。
  11. 【請求項11】 前記パネルの歪みエネルギ分布の大き
    い部分の面剛性分布を、面曲率の調整、突出部の形成、
    突出部の突出量の調整、およびビードの形成のうちの少
    なくとも1つにより変化させることを特徴とする請求項
    10記載のパネルの放射音低減方法。
  12. 【請求項12】 前記構造パラメータの変更を、前記パ
    ネルの歪みエネルギ分布の大きい部分の面密度分布を変
    化させることにより行なうことを特徴とする請求項4記
    載のパネルの放射音低減方法。
  13. 【請求項13】 前記パネルの歪みエネルギ分布の大き
    い部分の面密度分布を、面密度の調整および/または制
    振材添付により変化させることを特徴とする請求項12
    記載のパネルの放射音低減方法。
  14. 【請求項14】 前記パネルに励起される振動モードを
    n×mモード(n=1,2,3,…所定方向の振動の腹
    の数;m=1,2,3,…前記所定方向に対して垂直方
    向の振動の腹の数)とするとき、振動モードが、前記放
    射効率の低いn×m=偶数となる振動モードよりなるこ
    とを特徴とする請求項1ないし13のうちのいずれか1
    項記載のパネルの放射音低減方法。
  15. 【請求項15】 前記振動モードが2×2モードよりな
    ることを特徴とする請求項14記載のパネルの放射音低
    減方法。
  16. 【請求項16】 周囲を拘束されたほぼ正方形または正
    方形に近いほぼ長方形のパネルであって、放射音を低減
    すべき振動周波数に、放射効率の低い振動モードが励起
    されるように構造パラメータが設定されてなることを特
    徴とするパネル。
  17. 【請求項17】 前記パネルが車両の車体パネルの場合
    に、前記放射音を低減すべき振動周波数が、サスペンシ
    ョンの共振周波数に設定されてなることを特徴とする請
    求項16記載のパネル。
  18. 【請求項18】 前記パネルが車両の車体パネルよりな
    り、前記放射音を低減すべき振動周波数が、前記車両の
    タイヤ空洞共鳴周波数に設定されてなることを特徴とす
    る請求項16または17記載のパネル。
  19. 【請求項19】 前記車体パネルがフロアパネルよりな
    ることを特徴とする請求項17または18記載のパネ
    ル。
  20. 【請求項20】 前記フロアパネルが、車体フレーム、
    サイドシルおよびフロアトンネル形成部材により周囲を
    拘束されてなることを特徴とする請求項19記載のパネ
    ル。
  21. 【請求項21】 前記パネルの歪みエネルギ分布の大き
    い部分の面剛性分布の調整により、前記構造パラメータ
    の設定が行なわれてなることを特徴とする請求項16な
    いし20のうちのいずれか1項記載のパネル。
  22. 【請求項22】 前記パネルの歪みエネルギ分布の大き
    い部分の面曲率の調整、突出部の形成、該突出部の突出
    量の調整、およびビードの形成のうちの少なくとも1つ
    により、面剛性分布の調整が行なわれてなることを特徴
    とする請求項21記載のパネル。
  23. 【請求項23】 前記パネルの歪みエネルギ分布の大き
    い部分の面密度分布の調整により、前記構造パラメータ
    の設定が行なわれてなることを特徴とする請求項16な
    いし22のうちのいずれか1項記載のパネル。
  24. 【請求項24】 前記パネルの歪みエネルギ分布の大き
    い部分の面密度の調整により、面密度分布の調整が行な
    われてなることを特徴とする請求項23記載のパネル。
  25. 【請求項25】 前記パネルの歪みエネルギ分布の大き
    い部分への制振材添付により、面密度分布の調整が行な
    われてなることを特徴とする請求項23または24記載
    のパネル。
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